JP2019219525A - 偏光フィルム、粘着剤層付き偏光フィルム、及び画像表示装置 - Google Patents

偏光フィルム、粘着剤層付き偏光フィルム、及び画像表示装置 Download PDF

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Abstract

【課題】本発明は、熱衝撃の過酷な環境下においても偏光子にクラックが発生し難い偏光フィルムを提供することを目的とする。【解決手段】本発明の偏光フィルムは、偏光子の片面又は両面に接着剤層を介して保護フィルムが設けられており、偏光子に設けられる前記保護フィルムの少なくとも1つは、下記式(1)を満たすものである。Y≦1.26×lnX+3.5 (1)Y:保護フィルムの線膨張係数(×10−5/K)X:保護フィルムの破断伸度(%)【選択図】なし

Description

本発明は、偏光フィルム、及び当該偏光フィルムと粘着剤層を有する粘着剤層付き偏光フィルムに関する。また、本発明は、前記偏光フィルムまたは前記粘着剤層付き偏光フィルムを含む画像表示装置に関する。
各種画像表示装置においては、画像表示のために偏光フィルムが用いられている。例えば、液晶表示装置(LCD)は、その画像形成方式から液晶パネル表面を形成するガラス基板の両側に偏光フィルムを配置することが必要不可欠である。また、有機EL表示装置では、金属電極での外光の鏡面反射を遮蔽するために、有機発光層の視認側に、偏光フィルムと1/4波長板を積層した円偏光フィルムが配置される。
前記偏光フィルムとしては、一般的には、ポリビニルアルコール系フィルムとヨウ素等の二色性材料からなる偏光子の片面又は両面に、保護フィルムをポリビニルアルコール系接着剤等により貼り合わせたものが用いられている。
前記偏光フィルムは、熱衝撃(例えば、−40℃と85℃の温度条件を繰り返すヒートショック試験)の過酷な環境下では、偏光子の収縮応力の変化によって、偏光子の吸収軸方向の全体にクラック(貫通クラック)が生じやすいという問題がある。
特許文献1では、冷熱衝撃環境下においても耐久性に優れる偏光板を提供することを目的として、偏光フィルムの両面に透明保護フィルムが配置されてなる偏光板であって、前記偏光フィルムの吸収軸に直交する方向の線膨張係数と、前記偏光フィルムの少なくとも一方の面に配置される前記透明保護フィルムの偏光板の吸収軸に直交する方向の線膨張係数との差が、1.3×10−4/℃以下であることを特徴とする偏光板が提案されている。
特開2011−203571号公報
しかしながら、特許文献1の偏光板であっても、透明保護フィルムの種類によっては、透明保護フィルムの膨張・収縮に基づく応力が偏光フィルムの膨張・収縮に大きな影響を与えるため、偏光フィルムにクラックが生じる場合がある。
本発明は、熱衝撃の過酷な環境下においても偏光子にクラックが発生し難い偏光フィルムを提供することを目的とする。
また本発明は、前記偏光フィルム及び粘着剤層を有する粘着剤層付き偏光フィルム、及び前記偏光フィルムまたは前記粘着剤層付き偏光フィルムを含む画像表示装置を提供することを目的とする。
本発明者らは、鋭意検討の結果、下記の偏光フィルムにより上記課題を解決し得ることを見出し、本発明を完成するに至った。
すなわち、本発明は、偏光子の片面又は両面に接着剤層を介して保護フィルムが設けられている偏光フィルムであって、
偏光子に設けられる前記保護フィルムの少なくとも1つは、下記式(1)を満たすものであることを特徴とする偏光フィルム、に関する。
Y≦1.26×lnX+3.5 (1)
Y:保護フィルムの線膨張係数(×10−5/K)
X:保護フィルムの破断伸度(%)
前記偏光フィルムにおいて、前記Y(×10−5/K)は、4以下であることが好ましい。
また、前記偏光フィルムにおいて、前記偏光子の厚さは10μm以下であることが好ましい。
また本発明は、前記偏光フィルムおよび粘着剤層を有する粘着剤層付き偏光フィルム、に関する。
また本発明は、前記偏光フィルムまたは前記粘着剤層付き偏光フィルムが、画像表示セルに配置されている画像表示装置、に関する。
偏光子の片面又は両面に設けられる保護フィルムとして前記式(1)を満たす保護フィルムを少なくとも1つ用いることにより、保護フィルムの膨張・収縮に基づく応力によって、偏光子の膨張・収縮によって生じる応力を緩和することができるため、偏光子にクラックが生じ難くなる。
線膨張係数Y(×10−5/K)が4以下である保護フィルムを用いることにより、偏光子の膨張・収縮によって生じる応力をより効果的に緩和することができるため、偏光子中のクラックの発生をより効果的に抑制することができる。
また、近年、液晶表示装置等の画像表示装置の薄型化が進み、それに伴い、偏光子にも薄型化が求められている。しかし、厚み10μm以下の薄型偏光子は、加湿環境下において(水分によって)光学特性が低下しやすいという問題がある。水分による薄型偏光子の劣化を抑制する目的で、薄型偏光子に貼り合わされる保護フィルムとして、透湿度が低い(具体的には、100g/(m・day)以下の)樹脂フィルムを使用することが検討されている。透湿度が低い樹脂フィルムを保護フィルムとして使用した場合には、加湿環境下における偏光子の劣化を抑制することができる。しかし、透湿度が低い保護フィルムは、線膨張係数が大きい傾向があり、偏光子の膨張・収縮によって生じる応力を緩和し難くなるため、偏光子にクラックが生じやすくなる。しかし、線膨張係数が大きい保護フィルムであっても、破断伸度が大きく、前記式(1)を満たす保護フィルムであれば、偏光子の膨張・収縮によって生じる応力を効果的に緩和することができるため、偏光子にクラックが生じ難くなる。したがって、本発明の偏光フィルムは、加湿による偏光子の劣化抑制(加湿信頼性の向上)とクラックの発生抑制を両立することができる。
バタフライ試験に用いるサンプルの形状を示す概略図である。
1.偏光フィルム
本発明の偏光フィルムは、偏光子の片面又は両面に接着剤層を介して保護フィルムが設けられており、偏光子に設けられる前記保護フィルムの少なくとも1つは、下記式(1)を満たすものである。
Y≦1.26×lnX+3.5 (1)
Y:保護フィルムの線膨張係数(×10−5/K)
X:保護フィルムの破断伸度(%)
以下、それぞれの構成要素について説明する。
(1)偏光子
偏光子は公知のものを特に制限なく使用することができるが、薄型化及びクラックの発生を抑える観点から厚みが10μm以下の偏光子を用いることが好ましい。偏光子の厚みは、より好ましくは8μm以下、更に好ましくは7μm以下、より更に好ましくは6μm以下である。一方、偏光子の厚みは2μm以上、さらには3μm以上であるのが好ましい。
偏光子は、ポリビニルアルコール系樹脂を用いたものが使用される。偏光子としては、例えば、ポリビニルアルコール系フィルム、部分ホルマール化ポリビニルアルコール系フィルム、エチレン・酢酸ビニル共重合体系部分ケン化フィルム等の親水性高分子フィルムに、ヨウ素や二色性染料の二色性物質を吸着させて一軸延伸したもの、ポリビニルアルコールの脱水処理物やポリ塩化ビニルの脱塩酸処理物等ポリエン系配向フィルム等が挙げられる。これらの中でも、ポリビニルアルコール系フィルムとヨウ素等の二色性物質からなる偏光子が好適である。
ポリビニルアルコール系フィルムをヨウ素で染色し一軸延伸した偏光子は、例えば、ポリビニルアルコールをヨウ素の水溶液に浸漬することによって染色し、元長の3〜7倍に延伸することで作製することができる。必要に応じてホウ酸や硫酸亜鉛、塩化亜鉛等を含んでいても良いし、ヨウ化カリウム等の水溶液に浸漬することもできる。さらに必要に応じて染色前にポリビニルアルコール系フィルムを水に浸漬して水洗してもよい。ポリビニルアルコール系フィルムを水洗することでポリビニルアルコール系フィルム表面の汚れやブロッキング防止剤を洗浄することができるほかに、ポリビニルアルコール系フィルムを膨潤させることで染色のムラ等の不均一を防止する効果もある。延伸はヨウ素で染色した後に行っても良いし、染色しながら延伸しても良いし、また延伸してからヨウ素で染色しても良い。ホウ酸やヨウ化カリウム等の水溶液や水浴中でも延伸することができる。
偏光子はホウ酸を含有していることが延伸安定性や加湿信頼性の点から好ましい。また、偏光子に含まれるホウ酸含有量は、クラックの発生抑制の観点から、偏光子全量に対して22重量%以下であるのが好ましく、20重量%以下であるのがさらに好ましい。延伸安定性や加湿信頼性の観点から、偏光子全量に対するホウ酸含有量は10重量%以上であることが好ましく、さらには12重量%以上であることが好ましい。
薄型の偏光子としては、代表的には、
特許第4751486号明細書、
特許第4751481号明細書、
特許第4815544号明細書、
特許第5048120号明細書、
国際公開第2014/077599号パンフレット、
国際公開第2014/077636号パンフレット、
等に記載されている薄型偏光子又はこれらに記載の製造方法から得られる薄型偏光子を挙げることができる。
前記薄型偏光子としては、積層体の状態で延伸する工程と染色する工程を含む製法の中でも、高倍率に延伸できて偏光性能を向上させることのできる点で、特許第4751486号明細書、特許第4751481号明細書、特許4815544号明細書に記載のあるようなホウ酸水溶液中で延伸する工程を含む製法で得られるものが好ましく、特に特許第4751481号明細書、特許4815544号明細書に記載のあるホウ酸水溶液中で延伸する前に補助的に空中延伸する工程を含む製法により得られるものが好ましい。これら薄型偏光子は、ポリビニルアルコール系樹脂(以下、PVA系樹脂ともいう)層と延伸用樹脂基材を積層体の状態で延伸する工程と染色する工程を含む製法による得ることができる。この製法であれば、PVA系樹脂層が薄くても、延伸用樹脂基材に支持されているこ
とにより延伸による破断等の不具合なく延伸することが可能となる。
(2)保護フィルム
保護フィルムの材料としては、透明性、機械的強度、熱安定性、水分遮断性、等方性などに優れるものが好ましい。例えば、ポリエチレンテレフタレートやポリエチレンナフタレートなどのポリエステル系ポリマー、ジアセチルセルロースやトリアセチルセルロースなどのセルロース系ポリマー、ポリメチルメタクリレートなどのアクリル系ポリマー、ポリスチレンやアクリロニトリル・スチレン共重合体(AS樹脂)などのスチレン系ポリマー、ポリカーボネート系ポリマー等が挙げられる。また、ポリエチレン、ポリプロピレン、シクロ系ないしはノルボルネン構造を有するポリオレフィン、エチレン・プロピレン共重合体の如きポリオレフィン系ポリマー、塩化ビニル系ポリマー、ナイロンや芳香族ポリアミドなどのアミド系ポリマー、イミド系ポリマー、スルホン系ポリマー、ポリエーテルスルホン系ポリマー、ポリエーテルエーテルケトン系ポリマー、ポリフェニレンスルフィド系ポリマー、ビニルアルコール系ポリマー、塩化ビニリデン系ポリマー、ビニルブチラール系ポリマー、アリレート系ポリマー、ポリオキシメチレン系ポリマー、エポキシ系ポリマー、または上記ポリマーのブレンド物なども上記保護フィルムを形成するポリマーの例として挙げられる。
保護フィルム中には任意の適切な添加剤が1種類以上含まれていてもよい。添加剤としては、例えば、紫外線吸収剤、酸化防止剤、滑剤、可塑剤、離型剤、着色防止剤、難燃剤、核剤、帯電防止剤、顔料、着色剤などがあげられる。
保護フィルム中の上記ポリマーの含有量は、好ましくは50〜100重量%、より好ましくは50〜99重量%、更に好ましくは60〜98重量%、より更に好ましくは70〜97重量%である。保護フィルム中の上記ポリマーの含有量が50重量%未満の場合、上記ポリマーが本来有する高透明性等が十分に発現できないおそれがある。
前記保護フィルムとしては、位相差フィルム、輝度向上フィルム、拡散フィルム等も用いることができる。位相差フィルムとしては、正面位相差が40nm以上および/または、厚み方向位相差が80nm以上の位相差を有するものが挙げられる。正面位相差は、通常、40〜200nmの範囲に、厚み方向位相差は、通常、80〜300nmの範囲に制御される。保護フィルムとして位相差フィルムを用いる場合には、当該位相差フィルムが偏光子の保護フィルムとしても機能するため、薄型化を図ることができる。
位相差フィルムとしては、熱可塑性樹脂フィルムを一軸または二軸延伸処理してなる複屈折性フィルムが挙げられる。上記延伸の温度、延伸倍率等は、位相差値、フィルムの材料、厚みにより適宜に設定される。
保護フィルムの厚さは適宜に決定しうるが、強度や取扱性等の作業性、薄層性などの点より1〜500μm程度である。保護フィルムの厚さは、好ましくは1〜300μm、より好ましくは5〜200μm、更に好ましくは5〜150μm、より更に好ましくは20〜100μmである。
前記保護フィルムの偏光子を接着させない面には、ハードコート層、反射防止層、スティッキング防止層、拡散層ないしアンチグレア層などの機能層を設けることができる。なお、上記ハードコート層、反射防止層、スティッキング防止層、拡散層やアンチグレア層などの機能層は、保護フィルムそのものに設けることができるほか、別途、保護フィルムとは別体のものとして設けることもできる。
本発明においては、偏光子に設けられる保護フィルム(前記機能層を含んでいてもよい)の少なくとも1つは、下記式(1)を満たすものを用いる。偏光子の両面に保護フィルムを設ける場合、偏光子の両面に設ける保護フィルムがそれぞれ下記式(1)を満たすことが好ましい。それにより、偏光子の膨張・収縮によって生じる応力を効果的に緩和することができるため、偏光子にクラックがさらに生じ難くなる。なお、保護フィルムの線膨張係数及び破断伸度の測定方法は実施例の記載による。
Y≦1.26×lnX+3.5 (1)
Y:保護フィルムの線膨張係数(×10−5/K)
X:保護フィルムの破断伸度(%)
保護フィルムの線膨張係数と破断伸度は、使用する原料と厚みによって変化するため、使用する原料に応じて厚みを適宜調整する。上記式(1)を満たす保護フィルムは、例えば、シクロオレフィン系ポリマーフィルムを厚み17〜18μm程度に延伸することにより製造することができる。
上記式(1)を満たす保護フィルムの市販品としては、例えば、TJ25UL(富士フィルム製、原料:トリアセチルセルロース系ポリマー、厚み:25μm)、ZT12(日本ゼオン製、原料:シクロオレフィン系ポリマー、厚み:17μm)、KC2UA(コニカミノルタ製、原料:トリアセチルセルロース系ポリマー、厚み:20μm)、及びKC2UGR−HC(コニカミノルタ製、トリアセチルセルロース系ポリマーフィルム上にアクリル樹脂系ハードコート層を設けたフィルム、厚み:37μm)などが挙げられる。
上記式(1)を満たす保護フィルムは、線膨張係数Y(×10−5/K)が4以下であることが好ましく、より好ましくは3.5以下であり、更に好ましくは3.1以下である。
(3)接着剤層
接着剤層は接着剤により形成される。接着剤の種類は特に制限されず、種々のものを用いることができる。前記接着剤層は光学的に透明であれば特に制限されず、接着剤としては、水系、溶剤系、ホットメルト系、活性エネルギー線硬化型等の各種形態のものが用いられるが、水系接着剤または活性エネルギー線硬化型接着剤が好適である。
水系接着剤としては、イソシアネート系接着剤、ポリビニルアルコール系接着剤、ゼラチン系接着剤、ビニル系ラテックス系、水系ポリエステル等を例示できる。水系接着剤は、通常、水溶液からなる接着剤として用いられ、通常、0.5〜60重量%の固形分を含有する。
活性エネルギー線硬化型接着剤は、電子線、紫外線(ラジカル硬化型、カチオン硬化型)等の活性エネルギー線により硬化が進行する接着剤であり、例えば、電子線硬化型、紫外線硬化型の態様で用いることができる。活性エネルギー線硬化型接着剤は、例えば、光ラジカル硬化型接着剤を用いることができる。光ラジカル硬化型の活性エネルギー線硬化型接着剤を、紫外線硬化型として用いる場合には、当該接着剤は、ラジカル重合性化合物および光重合開始剤を含有する。
接着剤の塗工方式は、接着剤の粘度や目的とする厚みによって適宜に選択される。塗工方式の例として、例えば、リバースコーター、グラビアコーター(ダイレクト,リバースやオフセット)、バーリバースコーター、ロールコーター、ダイコーター、バーコーター、ロッドコーター等が挙げられる。その他、塗工には、デイッピング方式などの方式を適宜に使用することができる。
また、前記接着剤の塗工は、水系接着剤等を用いる場合には、最終的に形成される接着剤層の厚みが30〜300nmになるように行うのが好ましい。前記接着剤層の厚さは、さらに好ましくは60〜250nmである。一方、活性エネルギー線硬化型接着剤を用いる場合には、前記接着剤層の厚みは、0.1〜200μmになるよう行うのが好ましい。より好ましくは、0.5〜50μm、さらに好ましくは0.5〜10μmである。
なお、偏光子と保護フィルムの積層にあたって、保護フィルムと接着剤層の間には、易接着層を設けることができる。易接着層は、例えば、ポリエステル骨格、ポリエーテル骨格、ポリカーボネート骨格、ポリウレタン骨格、シリコーン系、ポリアミド骨格、ポリイミド骨格、ポリビニルアルコール骨格などを有する各種樹脂により形成することができる。これらポリマー樹脂は1種を単独で、または2種以上を組み合わせて用いることができる。また易接着層の形成には他の添加剤を加えてもよい。具体的にはさらには粘着付与剤、紫外線吸収剤、酸化防止剤、耐熱安定剤などの安定剤などを用いてもよい。
易接着層は、通常、保護フィルムに予め設けておき、当該保護フィルムの易接着層側と偏光子とを接着剤層により積層する。易接着層の形成は、易接着層の形成材を保護フィルム上に、公知の技術により塗工、乾燥することにより行われる。易接着層の形成材は、乾燥後の厚み、塗工の円滑性などを考慮して適当な濃度に希釈した溶液として、通常調整される。易接着層は乾燥後の厚みは、好ましくは0.01〜5μm、さらに好ましくは0.02〜2μm、さらに好ましくは0.05〜1μmである。なお、易接着層は複数層設けることができるが、この場合にも、易接着層の総厚みは上記範囲になるようにするのが好ましい。
2.粘着剤層付き偏光フィルム
本発明の粘着剤層付き偏光フィルムは、前記偏光フィルムおよび粘着剤層を有する。
偏光子の両面に保護フィルムを設けた両保護偏光フィルムの場合、両保護偏光フィルムの一方の面に直接又は他の層を介して粘着剤層を設ける。なお、両保護偏光フィルムの他方の面には、直接又は他の層を介して表面保護フィルムを設けてもよい。
偏光子の片面にのみ保護フィルムを設けた片保護偏光フィルムの場合、片保護偏光フィルムの偏光子側に直接又は他の層を介して粘着剤層を設ける。なお、片保護偏光フィルムの保護フィルム側に直接又は他の層を介して表面保護フィルムを設けてもよい。
前記他の層は特に制限されず、偏光フィルムに設けられる公知の機能層や光学層などが挙げられる。光学層としては、例えば、反射板、半透過板、位相差板(1/2や1/4などの波長板を含む)、視角補償フィルム、及び輝度向上フィルムなどが挙げられる。前記他の層は、1層設けられていてもよく、2層以上設けられていてもよい。
前記粘着剤層は、偏光フィルムを液晶セル等のセル基板に貼り合わせるために偏光フィルムの片面に設けられる。
前記粘着剤層の厚さは特に限定されず、例えば、1〜100μm程度であり、好ましくは2〜50μm、より好ましくは2〜40μm、さらに好ましくは5〜35μmである。
前記粘着剤層の形成には、適宜な粘着剤を用いることができ、その種類について特に制限はない。粘着剤としては、ゴム系粘着剤、アクリル系粘着剤、シリコーン系粘着剤、ウレタン系粘着剤、ビニルアルキルエーテル系粘着剤、ポリビニルアルコール系粘着剤、ポリビニルピロリドン系粘着剤、ポリアクリルアミド系粘着剤、セルロース系粘着剤などがあげられる。
これら粘着剤のなかでも、光学的透明性に優れ、適宜な濡れ性と凝集性と接着性の粘着特性を示して、耐候性や耐熱性などに優れるものが好ましく使用される。このような特徴を示すものとしてアクリル系粘着剤が好ましく使用される。
粘着剤層を形成する方法としては、例えば、前記粘着剤を剥離処理したセパレータなどに塗布し、重合溶剤などを乾燥除去して粘着剤層を形成した後に、偏光フィルムに転写する方法、または前記粘着剤を塗布し、重合溶剤などを乾燥除去して粘着剤層を偏光フィルムに形成する方法などが挙げられる。なお、粘着剤の塗布にあたっては、適宜に、重合溶剤以外の一種以上の溶剤を新たに加えてもよい。
剥離処理したセパレータとしては、シリコーン剥離ライナーが好ましく用いられる。このようなライナー上に粘着剤を塗布、乾燥させて粘着剤層を形成する工程において、粘着剤を乾燥させる方法としては、目的に応じて、適宜、適切な方法が採用され得る。好ましくは、上記塗布膜を過熱乾燥する方法が用いられる。加熱乾燥温度は、好ましくは40℃〜200℃であり、さらに好ましくは、50℃〜180℃であり、特に好ましくは70℃〜170℃である。加熱温度を上記の範囲とすることによって、優れた粘着特性を有する粘着剤を得ることができる。
乾燥時間は、適宜、適切な時間が採用され得る。上記乾燥時間は、好ましくは5秒〜20分、さらに好ましくは5秒〜10分、特に好ましくは、10秒〜5分である。
粘着剤層の形成方法としては、各種方法が用いられる。具体的には、例えば、ロールコート、キスロールコート、グラビアコート、リバースコート、ロールブラッシュ、スプレーコート、ディップロールコート、バーコート、ナイフコート、エアーナイフコート、カーテンコート、リップコート、ダイコーターなどによる押出しコート法などの方法があげられる。
前記粘着剤層が露出する場合には、実用に供されるまで剥離処理したシート(セパレータ)で粘着剤層を保護してもよい。
セパレータの構成材料としては、例えば、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリエチレンテレフタレート、ポリエステルフィルムなどのプラスチックフィルム、紙、布、不織布などの多孔質材料、ネット、発泡シート、金属箔、およびこれらのラミネート体などの適宜な薄葉体などをあげることができるが、表面平滑性に優れる点からプラスチックフィルムが好適に用いられる。
そのプラスチックフィルムとしては、前記粘着剤層を保護し得るフィルムであれば特に限定されず、例えば、ポリエチレンフィルム、ポリプロピレンフィルム、ポリブテンフィルム、ポリブタジエンフィルム、ポリメチルペンテンフイルム、ポリ塩化ビニルフィルム、塩化ビニル共重合体フィルム、ポリエチレンテレフタレートフィルム、ポリブチレンテレフタレートフィルム、ポリウレタンフィルム、エチレン−酢酸ビニル共重合体フィルムなどがあげられる。
前記セパレータの厚みは、通常5〜200μm、好ましくは5〜100μm程度である。前記セパレータには、必要に応じて、シリコーン系、フッ素系、長鎖アルキル系もしくは脂肪酸アミド系の離型剤、シリカ粉などによる離型および防汚処理や、塗布型、練り込み型、蒸着型などの帯電防止処理もすることもできる。特に、前記セパレータの表面にシリコーン処理、長鎖アルキル処理、フッ素処理などの剥離処理を適宜おこなうことにより、前記粘着剤層からの剥離性をより高めることができる。
前記表面保護フィルムは、通常、基材フィルムおよび粘着剤層を有し、当該粘着剤層を介して偏光フィルムを保護する。
前記表面保護フィルムの基材フィルムとしては、検査性や管理性などの観点から、等方性を有する又は等方性に近いフィルム材料が選択される。そのフィルム材料としては、例えば、ポリエチレンテレフタレートフィルム等のポリエステル系樹脂、セルロース系樹脂、アセテート系樹脂、ポリエーテルサルホン系樹脂、ポリカーボネート系樹脂、ポリアミド系樹脂、ポリイミド系樹脂、ポリオレフィン系樹脂、アクリル系樹脂のような透明なポリマーがあげられる。これらのなかでもポリエステル系樹脂が好ましい。基材フィルムは、1種または2種以上のフィルム材料のラミネート体として用いることもでき、また前記フィルムの延伸物を用いることもできる。基材フィルムの厚さは、一般的には、500μm以下、好ましくは10〜200μmである。
前記表面保護フィルムの粘着剤層を形成する粘着剤としては、(メタ)アクリル系ポリマー、シリコーン系ポリマー、ポリエステル、ポリウレタン、ポリアミド、ポリエーテル、フッ素系やゴム系などのポリマーをベースポリマーとする粘着剤を適宜に選択して用いることができる。透明性、耐候性、耐熱性などの観点から、アクリル系ポリマーをベースポリマーとするアクリル系粘着剤が好ましい。粘着剤層の厚さ(乾燥膜厚)は、必要とされる粘着力に応じて決定される。通常1〜100μm程度、好ましくは5〜50μmである。
なお、表面保護フィルムには、基材フィルムにおける粘着剤層を設けた面の反対面に、シリコーン処理、長鎖アルキル処理、フッ素処理などの低接着性材料により、剥離処理層を設けることができる。
3.画像表示装置
本発明の画像表示装置は、本発明の偏光フィルムまたは粘着剤層付き偏光フィルムを含むものであればよく、その他の構成については、従来の画像表示装置と同様のものを挙げることができる。前記偏光フィルムまたは粘着剤層付き偏光フィルムは、画像表示セルに適用される。例えば、画像表示装置が液晶表示装置の場合には、前記偏光フィルムまたは粘着剤層付き偏光フィルムは、画像表示セル(液晶セル)の視認側、バックライト側のいずれにも適用することができる。画像表示装置が有機EL表示装置の場合には、前記偏光フィルムまたは粘着剤層付き偏光フィルムは、画像表示セルの視認側に適用することができる。本発明の画像表示装置は、前記偏光フィルムまたは粘着剤層付き偏光フィルムを含むため、高い信頼性を有するものである。
以下に、実施例によって本発明を具体的に説明するが、本発明はこれら実施例によって限定されるものではない。なお、各例中の部及び%はいずれも重量基準である。
(偏光子の作製)
吸水率0.75%、Tg75℃の非晶質のイソフタル酸共重合ポリエチレンテレフタレート(IPA共重合PET)フィルム(厚み:100μm)基材の片面に、コロナ処理を施し、このコロナ処理面に、ポリビニルアルコール(重合度:4200、ケン化度:99.2モル%)及びアセトアセチル変性PVA(重合度:1200、アセトアセチル変性度:4.6%、ケン化度:99.0モル%以上、日本合成化学工業(株)製、商品名「ゴーセファイマーZ200」)を9:1の比で含む水溶液を25℃で塗布及び乾燥して、厚み11μmのPVA系樹脂層を形成し、積層体を作製した。
得られた積層体を、120℃のオーブン内で周速の異なるロール間で縦方向(長手方向)に2.0倍に自由端一軸延伸した(空中補助延伸処理)。
次いで、積層体を、液温30℃の不溶化浴(水100重量部に対して、ホウ酸を4重量部配合して得られたホウ酸水溶液)に30秒間浸漬させた(不溶化処理)。
次いで、液温30℃の染色浴に、偏光板が所定の透過率となるようにヨウ素濃度、浸漬時間を調整しながら浸漬させた。本実施例では、水100重量部に対して、ヨウ素を0.2重量部配合し、ヨウ化カリウムを1.0重量部配合して得られたヨウ素水溶液に60秒間浸漬させた(染色処理)。
次いで、液温30℃の架橋浴(水100重量部に対して、ヨウ化カリウムを3重量部配合し、ホウ酸を3重量部配合して得られたホウ酸水溶液)に30秒間浸漬させた(架橋処理)。
その後、積層体を、液温70℃のホウ酸水溶液(水100重量部に対して、ホウ酸を4.5重量部配合し、ヨウ化カリウムを5重量部配合して得られた水溶液)に浸漬させながら、周速の異なるロール間で縦方向(長手方向)に総延伸倍率が5.5倍となるように一軸延伸を行った(水中延伸処理)。
その後、積層体を液温30℃の洗浄浴(水100重量部に対して、ヨウ化カリウムを4重量部配合して得られた水溶液)に浸漬させた(洗浄処理)。
以上により、厚み5μmの偏光子を含む光学フィルム積層体を得た。得られた偏光子のホウ酸含有量は、20重量%であった。
(保護フィルムに適用する接着剤の作製)
N−ヒドロキシエチルアクリルアミド(HEAA)40重量部とアクリロイルモルホリン(ACMO)60重量部と光開始剤「IRGACURE 819」(BASF社製)3重量部を混合し、紫外線硬化型接着剤を調製した。
実施例1(片保護偏光フィルムの作製)
上記光学フィルム積層体の偏光子(厚み:5μm)の表面に、上記紫外線硬化型接着剤を硬化後の接着剤層の厚さが0.1μmになるように塗布しながら、保護フィルム1(HC付25μmTACフィルム:TJ25UL(富士フィルム製、原料:トリアセチルセルロース系ポリマー、厚み:25μm)上にアクリル樹脂系ハードコート層を設けたフィルム)を貼合せたのち、活性エネルギー線として紫外線を照射して前記接着剤を硬化させた。その後、偏光子の片面に設けられた非晶性PET基材を剥離して片保護偏光フィルムを作製した。
実施例2、3、6〜8、比較例1〜8
表1に記載の保護フィルム1を用いた以外は実施例1と同様の方法で片保護偏光フィルムを作製した。
実施例4(両保護偏光フィルムの作製)
上記光学フィルム積層体の偏光子(厚み:5μm)の表面に、上記紫外線硬化型接着剤を硬化後の接着剤層の厚さが0.1μmになるように塗布しながら、保護フィルム1(HC付25μmTACフィルム:TJ25UL(富士フィルム製、原料:トリアセチルセルロース系ポリマー、厚み:25μm)上にアクリル樹脂系ハードコート層を設けたフィルム)を貼合せたのち、活性エネルギー線として紫外線を照射して前記接着剤を硬化させた。その後、偏光子の片面に設けられた非晶性PET基材を剥離して、剥離した面に、上記紫外線硬化型接着剤を硬化後の接着剤層の厚さが0.1μmになるように塗布しながら、保護フィルム2(25μmTACフィルム:TJ25UL(富士フィルム製、原料:トリアセチルセルロース系ポリマー、厚み:25μm))を貼合せたのち、活性エネルギー線として紫外線を照射して前記接着剤を硬化させて両保護偏光フィルムを作製した。
実施例5、9、10、比較例9
表1に記載の保護フィルム1及び2を用いた以外は実施例4と同様の方法で両保護偏光フィルムを作製した。
表1に記載の保護フィルム1及び2は以下の通りである。
HC付25μmTACフィルム:TJ25UL(富士フィルム製、原料:トリアセチルセルロース系ポリマー、厚み:25μm)上にアクリル樹脂系ハードコート層を設けたフィルム
25μmTACフィルム:TJ25UL(富士フィルム製、原料:トリアセチルセルロース系ポリマー、厚み:25μm)
17μmCOPフィルム:ZT12(日本ゼオン製、シクロオレフィン系ポリマーフィルムを2軸延伸した正面位相差116nm、厚み位相差81nmの位相差フィルム、厚み:17μm)
20μmTACフィルム:KC2UA(コニカミノルタ製、原料:トリアセチルセルロース系ポリマー、厚み:20μm)
20μmアクリルフィルムの製造方法
攪拌装置、温度センサー、冷却管、窒素導入管を備えた容量30Lの釜型反応器に、8,000gのメタクリル酸メチル(MMA)、2,000gの2−(ヒドロキシメチル)アクリル酸メチル(MHMA)、10,000gの4−メチル−2−ペンタノン(メチルイソブチルケトン、MIBK)、5gのn−ドデシルメルカプタンを仕込み、これに窒素を通じつつ、105℃まで昇温し、還流したところで、重合開始剤として5.0gのt−ブチルパーオキシイソプロピルカーボネート(カヤカルボンBIC−7、化薬アクゾ(株)製)を添加すると同時に、10.0gのt−ブチルパーオキシイソプロピルカーボネートと230gのMIBKからなる溶液を4時間かけて滴下しながら、還流下、約105〜120℃で溶液重合を行い、さらに4時間かけて熟成を行った。
得られた重合体溶液に、30gのリン酸ステアリル/リン酸ジステアリル混合物(Phoslex A−18、堺化学工業(株)製)を加え、還流下、約90〜120℃で5時間、環化縮合反応を行った。次いで、得られた重合体溶液を、バレル温度260℃、回転数100rpm、減圧度13.3〜400hPa(10〜300mmHg)、リアベント数1個、フォアベント数4個のベントタイプスクリュー二軸押出し機(φ=29.75mm、L/D=30)に、樹脂量換算で、2.0kg/hの処理速度で導入し、この押出し機内で、さらに環化縮合反応と脱揮を行い、押し出すことにより、ラクトン環含有重合体の透明なペレットを得た。
得られたラクトン環含有重合体について、ダイナミックTGの測定を行ったところ、0.17質量%の質量減少を検知した。また、このラクトン環含有重合体は、重量平均分子量が133,000、メルトフローレートが6.5g/10min、ガラス転移温度が131℃であった。
得られたペレットと、アクリロニトリル−スチレン(AS)樹脂(トーヨーAS AS20、東洋スチレン(株)製)とを、質量比90/10で、単軸押出機(スクリュー30mmφ)を用いて混練押出することにより、透明なペレットを得た。得られたペレットのガラス転移温度は127℃であった。
このペレットを、50mmφ単軸押出機を用い、400mm幅のコートハンガータイプTダイから溶融押出し、厚さ80μmのフィルムを作製した。なお、紫外線吸収剤(ADEKA社製、商品名:LA-F70)をペレット中の樹脂100重量部に対して0.66重量部供給しながら溶融押出した。作製したフィルムを、2軸延伸装置を用いて、150℃の温度条件下、2.0倍に延伸することにより、厚さ20μmの延伸フィルム(20μmアクリルフィルム)を得た。この延伸フィルムの光学特性を測定したところ、全光線透過率が93%、面内位相差Δndが0.8nm、厚み方向位相差Rthが1.5nmであった。
40μmアクリルフィルム(UV)の製造方法
MS樹脂(MS−200;メタクリル酸メチル/スチレン(モル比)=80/20の共重合体,新日鐵化学(株)製)をモノメチルアミンでイミド化(イミド化率:5%)した。なお、前記イミド化には、口径15mmの噛合い型同方向回転式二軸押出機を用いた。押出機の各温調ゾーンの設定温度を230℃、スクリュー回転数150rpm、MS樹脂を2.0kg/hrで供給し、モノメチルアミンの供給量はMS樹脂100重量部に対して2重量部とした。ホッパーからMS樹脂を投入し、ニーディングブロックによって樹脂を溶融、充満させた後、ノズルからモノメチルアミンを注入した。反応ゾーンの末端にはシールリングを入れて樹脂を充満させた。反応後の副生成物および過剰のメチルアミンをベント口の圧力を−0.08MPaに減圧して脱揮した。押出機出口に設けられたダイスからストランドとして出てきた樹脂は、水槽で冷却した後、ペレタイザでペレット化した。前記イミド化されたMS樹脂を溶融押出製膜した。このとき、紫外線吸収剤(ADEKA社製、商品名:LA-F70)をMS樹脂100重量部に対して0.66重量部供給した。次いで、縦2倍、横2倍に二軸延伸して保護フィルム(40μmアクリルフィルム(UV)、厚さ40μm,Re=2nm,Rth=2nm)を作製した。
架橋弾性体を含む30μmアクリルフィルムの製造方法
以下の組成の混合物をガラス製反応器に仕込み、窒素気流中で撹拌しながら80℃に昇温したのち、メタクリル酸メチル25部、メタクリル酸アリル1部からなる単量体混合物とt−ブチルハイドロパーオキサイド0.1部との混合液のうち25%を一括して仕込み、45分間の重合を行なった。
脱イオン水 220部
ホウ酸 0.3部
炭酸ナトリウム 0.03部
N−ラウロイルサルコシン酸ナトリウム 0.09部
ソディウムホルムアルデヒドスルフォキシレ−ト 0.09部
エチレンジアミン四酢酸−2−ナトリウム 0.006部
硫酸第1鉄 0.002部
続いてこの混合液の残り75%を1時間にわたって連続添加した。添加終了後、同温度で2時間保持し重合を完結させた。また、この間に0.2部のN−ラウロイルサルコシン酸ナトリウムを追加した。得られた最内層架橋メタクリル系重合体ラテックスの重合転化率(重合生成量/モノマー仕込量)は98%であった。
得られた最内層重合体ラテックスを窒素気流中で80℃に保ち、過硫酸カリウム0.1部を添加したのち、アクリル酸n−ブチル41部、スチレン9部、メタクリル酸アリル1部からなる単量体混合物を5時間にわたって連続添加した。この間にオレイン酸カリウム0.1部を3回に分けて添加した。単量体混合物の添加終了後、重合を完結させるためにさらに過硫酸カリウムを0.05部添加し2時間保持し、ゴム粒子を得た。得られたゴム粒子の重合転化率は99%、粒径は225nmであった。
得られたゴム粒子ラテックスを80℃に保ち、過硫酸カリウム0.02部を添加したのちメタクリル酸メチル14部、アクリル酸n−ブチル1部の単量体混合物を1時間にわたって連続添加した。単量体混合物の追加終了後1時間保持しグラフト共重合体ラテックスを得た。重合転化率は99%であった。
得られたグラフト共重合体ラテックスを80℃に保ち、メタクリル酸メチル5部、アクリル酸n−ブチル5部の単量体混合物を0.5時間にわたって連続添加した。単量体混合物の追加終了後1時間保持しゴム含有グラフト共重合体ラテックスを得た。重合転化率は99%であった。得られたゴム含有グラフト共重合体ラテックスを塩化カルシウムで塩析凝固、熱処理、乾燥を行ない、白色粉末状の架橋弾性体を得た。
MS樹脂(MS−200;メタクリル酸メチル/スチレン(モル比)=80/20の共重合体,新日鐵化学(株)製)をモノメチルアミンでイミド化(イミド化率:5%)した。なお、前記イミド化には、口径15mmの噛合い型同方向回転式二軸押出機を用いた。押出機の各温調ゾーンの設定温度を230℃、スクリュー回転数150rpm、MS樹脂を2.0kg/hrで供給し、モノメチルアミンの供給量はMS樹脂100重量部に対して2重量部とした。ホッパーからMS樹脂を投入し、ニーディングブロックによって樹脂を溶融、充満させた後、ノズルからモノメチルアミンを注入した。反応ゾーンの末端にはシールリングを入れて樹脂を充満させた。反応後の副生成物および過剰のメチルアミンをベント口の圧力を−0.08MPaに減圧して脱揮した。押出機出口に設けられたダイスからストランドとして出てきた樹脂は、水槽で冷却した後、ペレタイザでペレット化した。前記イミド化されたMS樹脂を溶融押出製膜した。このとき、紫外線吸収剤(ADEKA社製、商品名:LA-F70)をMS樹脂100重量部に対して0.66重量部供給した。次いで、前記架橋弾性体をMS樹脂100重量部に対して10重量部供給した。次いで、押出しにより得られた160μmのフィルムを縦2倍、横2倍に二軸延伸して保護フィルム(架橋弾性体を含む30μmアクリルフィルム、厚さ30μm,Re=2nm,Rth=2nm)を作製した。
HC付37μmλ/4TACフィルム:KC2UGR−HC(コニカミノルタ製、トリアセチルセルロース系ポリマーフィルム上にアクリル樹脂系ハードコート層を設けたフィルム、厚み:37μm)
13μmCOPフィルム:ZF−014(日本ゼオン製、原料:シクロオレフィン系ポリマー、厚み:13μm)
HC付26μmλ/4COPフィルム:ZD12(日本ゼオン製、原料:シクロオレフィン系ポリマー、厚み:20μm)上にアクリル樹脂系ハードコート層を設けたフィルム
HC付40μmアクリルフィルムの製造方法
攪拌装置、温度センサー、冷却管、窒素導入管を備えた容量30Lの釜型反応器に、8,000gのメタクリル酸メチル(MMA)、2,000gの2−(ヒドロキシメチル)アクリル酸メチル(MHMA)、10,000gの4−メチル−2−ペンタノン(メチルイソブチルケトン、MIBK)、5gのn−ドデシルメルカプタンを仕込み、これに窒素を通じつつ、105℃まで昇温し、還流したところで、重合開始剤として5.0gのt−ブチルパーオキシイソプロピルカーボネート(カヤカルボンBIC−7、化薬アクゾ(株)製)を添加すると同時に、10.0gのt−ブチルパーオキシイソプロピルカーボネートと230gのMIBKからなる溶液を4時間かけて滴下しながら、還流下、約105〜120℃で溶液重合を行い、さらに4時間かけて熟成を行った。
得られた重合体溶液に、30gのリン酸ステアリル/リン酸ジステアリル混合物(Phoslex A−18、堺化学工業(株)製)を加え、還流下、約90〜120℃で5時間、環化縮合反応を行った。次いで、得られた重合体溶液を、バレル温度260℃、回転数100rpm、減圧度13.3〜400hPa(10〜300mmHg)、リアベント数1個、フォアベント数4個のベントタイプスクリュー二軸押出し機(φ=29.75mm、L/D=30)に、樹脂量換算で、2.0kg/hの処理速度で導入し、この押出し機内で、さらに環化縮合反応と脱揮を行い、押し出すことにより、ラクトン環含有重合体の透明なペレットを得た。
得られたラクトン環含有重合体について、ダイナミックTGの測定を行ったところ、0.17質量%の質量減少を検知した。また、このラクトン環含有重合体は、重量平均分子量が133,000、メルトフローレートが6.5g/10min、ガラス転移温度が131℃であった。
得られたペレットと、アクリロニトリル−スチレン(AS)樹脂(トーヨーAS AS20、東洋スチレン(株)製)とを、質量比90/10で、単軸押出機(スクリュー30mmφ)を用いて混練押出することにより、透明なペレットを得た。得られたペレットのガラス転移温度は127℃であった。
このペレットを、50mmφ単軸押出機を用い、400mm幅のコートハンガータイプTダイから溶融押出し、厚さ160μmのフィルムを作製した。作製したフィルムを、2軸延伸装置を用いて、150℃の温度条件下、2.0倍に延伸することにより、厚さ40μmの延伸フィルムを得た。この延伸フィルムの光学特性を測定したところ、全光線透過率が93%、面内位相差Δndが0.8nm、厚み方向位相差Rthが1.5nmであった。
塗工液に含まれる樹脂として、紫外線硬化型樹脂(新中村化学工業(株)製,商品名「NKオリゴマーUA−53H−80BK」固形分濃度80%)を固形分70重量部、紫外線硬化型樹脂(新中村化学(株)製,商品名「A−GLY−9E」固形分濃度100%)を30重量部準備した。前記樹脂の樹脂固形分100重量部あたり、光重合開始剤(BASF(株)製、製品名「IRGACURE907」)を5部、レベリング剤(DIC(株)製、製品名「GRANDIC PC4100」)を0.1部添加した。上記溶液中の固形分濃度が40%となるように、上記配合液にトルエンとシクロペンタノンを80:20の比率で加えた。このようにしてハードコート層形成材料を作製した。
作製したハードコート層形成材料を、硬化後のハードコート層の厚みが7μmになるように前記延伸フィルム上に塗布して塗膜を形成した。その後、塗膜を90℃で1分間乾燥し、さらに高圧水銀ランプにて積算光量300mJ/cmの紫外線を塗膜に照射し、前記塗膜を硬化させてハードコート層を形成してHC付40μmアクリルフィルムを作製した。
HC付架橋弾性体を含む30μmアクリルフィルムの製造方法
15官能ウレタンアクリルオリゴマー(新中村化学社製、商品名:NK オリゴ UA−53H、重量平均分子量:2300)22部、ペンタエリスリトールトリアクリレート(大阪有機化学工業社製、商品名:ビスコート#300)28部、エトキシ化グリセリントリアクリレート(新中村化学社製、商品名:NK エステル A−GLY−9E)50部、光重合開始剤(チバ・ジャパン社製、商品名:イルガキュア907)3部を混合し、固形分濃度が40%となるように、メチルイソブチルケトンで希釈して、ハードコート層形成材料を作製した。
作製したハードコート層形成材料を、硬化後のハードコート層の厚みが10μmになるように前記架橋弾性体を含む30μmアクリルフィルム上に塗布して塗膜を形成した。その後、塗膜を90℃で1分間乾燥し、さらに高圧水銀ランプにて積算光量200mJ/cmの紫外線を塗膜に照射し、前記塗膜を硬化させてハードコート層を形成してHC付架橋弾性体を含む30μmアクリルフィルムを作製した。
40μmアクリルフィルムの製造方法
攪拌装置、温度センサー、冷却管、窒素導入管を備えた容量30Lの釜型反応器に、8,000gのメタクリル酸メチル(MMA)、2,000gの2−(ヒドロキシメチル)アクリル酸メチル(MHMA)、10,000gの4−メチル−2−ペンタノン(メチルイソブチルケトン、MIBK)、5gのn−ドデシルメルカプタンを仕込み、これに窒素を通じつつ、105℃まで昇温し、還流したところで、重合開始剤として5.0gのt−ブチルパーオキシイソプロピルカーボネート(カヤカルボンBIC−7、化薬アクゾ(株)製)を添加すると同時に、10.0gのt−ブチルパーオキシイソプロピルカーボネートと230gのMIBKからなる溶液を4時間かけて滴下しながら、還流下、約105〜120℃で溶液重合を行い、さらに4時間かけて熟成を行った。
得られた重合体溶液に、30gのリン酸ステアリル/リン酸ジステアリル混合物(Phoslex A−18、堺化学工業(株)製)を加え、還流下、約90〜120℃で5時間、環化縮合反応を行った。次いで、得られた重合体溶液を、バレル温度260℃、回転数100rpm、減圧度13.3〜400hPa(10〜300mmHg)、リアベント数1個、フォアベント数4個のベントタイプスクリュー二軸押出し機(φ=29.75mm、L/D=30)に、樹脂量換算で、2.0kg/hの処理速度で導入し、この押出し機内で、さらに環化縮合反応と脱揮を行い、押し出すことにより、ラクトン環含有重合体の透明なペレットを得た。
得られたラクトン環含有重合体について、ダイナミックTGの測定を行ったところ、0.17質量%の質量減少を検知した。また、このラクトン環含有重合体は、重量平均分子量が133,000、メルトフローレートが6.5g/10min、ガラス転移温度が131℃であった。
得られたペレットと、アクリロニトリル−スチレン(AS)樹脂(トーヨーAS AS20、東洋スチレン(株)製)とを、質量比90/10で、単軸押出機(スクリュー30mmφ)を用いて混練押出することにより、透明なペレットを得た。得られたペレットのガラス転移温度は127℃であった。
このペレットを、50mmφ単軸押出機を用い、400mm幅のコートハンガータイプTダイから溶融押出し、厚さ160μmのフィルムを作製した。作製したフィルムを、2軸延伸装置を用いて、150℃の温度条件下、2.0倍に延伸することにより、厚さ40μmの延伸フィルム(40μmアクリルフィルム)を得た。この延伸フィルムの光学特性を測定したところ、全光線透過率が93%、面内位相差Δndが0.8nm、厚み方向位相差Rthが1.5nmであった。
APF:輝度向上フィルム(住友スリーエム製、商品名:APF、厚み26μm)
HC付APF:輝度向上フィルム(住友スリーエム製、商品名:APF、厚み20μm)上にアクリル樹脂系ハードコート層を設けたフィルム
HC付26μmCOPフィルム:ZF12−HC:日本ゼオン製、原料:シクロオレフィン系ポリマーにアクリル樹脂性ハードコートコーティングを施したもの
実施例及び比較例で使用した保護フィルムの線膨張係数及び破断伸度の測定方法は以下の通りである。また、実施例及び比較例で作製した偏光フィルムについて、下記評価を行った。結果を表1に示す。
<保護フィルムの線膨張係数Y(×10−5/K)の測定>
TMA分析装置(株式会社日立ハイテクサイエンス製、TMA7100E)を用いて、下記測定条件にて保護フィルムの寸法変化量を測定し、得られた値を下記式(A)に代入して寸法変化率を算出した。測定は4回行い、4回の平均値を寸法変化率とした。そして、得られた寸法変化率の平均値を下記式(B)に代入して保護フィルムの線膨張係数Y(×10−5/K)を算出した。
サンプルの大きさ:20mm×5mm
測定環境:−40℃⇔85℃
昇温・降温速度:10℃/min
測定回数:4

寸法変化率=(ΔL/L)×100 (A)
ΔL:測定時の寸法変化量(−40℃における寸法と85℃における寸法の差)
L:測定前の寸法(25℃における寸法)

線膨張係数Y(×10−5/K)=(寸法変化率/ΔT)/100 (B)
ΔT:温度変化の幅
<保護フィルムの破断伸度X(%)の測定>
オートグラフ(島津製作所製)を用いて、下記測定条件にて保護フィルムが破断するまで一定速度で引張り、破断時の長さを測定した。初期長さと破断時の長さを下記式(C)に代入して破断伸度X(%)を算出した。測定は3回行い、3回の平均値を破断伸度X(%)とした。
サンプルの大きさ:100mm×10mm
引張速度:300mm/min
測定環境:温度23℃、湿度50%RH
測定回数:3

破断伸度X(%)={(破断時の長さ−初期長さ)/初期長さ}×100 (C)
<偏光フィルムのバタフライ試験(耐クラック性試験)>
150mm×50mmの偏光フィルムに図1のようにMD方向にレーザーで切り込みを設けてサンプルを得た。当該サンプルをハンドローラーを用いてガラス板(松浪硝子工業株式会社製)に粘着剤を介して貼り合わせ、そして、ガラス板に貼り合わせたサンプルを50℃のオートクレーブ中に15分間放置した。その後、ガラス板に貼り合わせたサンプルを試験槽に投入し、下記条件でヒートショック試験を行った。10サイクル毎にガラス板に貼り合わせたサンプルを取り出し、図1の丸部分に1mm以上のクラックが発生しているか否かを確認した。5枚のサンプルについて、1mm以上のクラックが発生した時のサイクル数をそれぞれカウントし(5枚中5枚ともクラックが発生したサイクル数)、そのうちの最大値を採用して下記基準で評価した。
(測定条件)
測定環境:−40℃(30分保持)⇔85℃(30分保持)
昇温・降温速度:10℃/min
サンプル数:5
(評価基準)
〇:200サイクル以上
△:100〜199サイクル
×:99サイクル以下
表1から、偏光子に設けられる保護フィルムの少なくとも1つが上記式(1)を満たす実施例1〜10の偏光フィルムは、熱衝撃(−40℃と85℃の温度条件を繰り返すヒートショック試験)の過酷な環境下でも偏光子にクラックが発生しにくく、耐クラック性に優れることがわかる。一方、偏光子に設けられる保護フィルムが上記式(1)を満たさない比較例1〜9の偏光フィルムは、熱衝撃によって偏光子にクラックが発生しやすく、耐クラック性に劣ることがわかる。
本発明の偏光フィルムは、これ単独で、またはこれを積層した光学フィルムとして液晶表示装置(LCD)、有機EL表示装置などの画像表示装置に用いられる。

Claims (5)

  1. 偏光子の片面又は両面に接着剤層を介して保護フィルムが設けられている偏光フィルムであって、
    偏光子に設けられる前記保護フィルムの少なくとも1つは、下記式(1)を満たすものであることを特徴とする偏光フィルム。
    Y≦1.26×lnX+3.5 (1)
    Y:保護フィルムの線膨張係数(×10−5/K)
    X:保護フィルムの破断伸度(%)
  2. 前記Y(×10−5/K)は、4以下である請求項1に記載の偏光フィルム。
  3. 前記偏光子の厚さは、10μm以下である請求項1又は2に記載の偏光フィルム。
  4. 請求項1〜3のいずれかに記載の偏光フィルムおよび粘着剤層を有する粘着剤層付き偏光フィルム。
  5. 請求項1〜3のいずれかに記載の偏光フィルムまたは請求項4に記載の粘着剤層付き偏光フィルムが、画像表示セルに配置されている画像表示装置。
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