JP2019219519A - 光源装置及びプロジェクター - Google Patents

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Abstract

【課題】赤色光を効率良くアシストできる、光源装置及びプロジェクターを提供する。【解決手段】青色レーザー発光素子と、赤色レーザー発光素子と、蛍光を発光する蛍光体と、拡散反射素子と、青色レーザー光の第1偏光成分と赤色レーザー光とを拡散反射素子に導くとともに、青色レーザー光の第2偏光成分を蛍光体に導く偏光分離合成素子と、第1位相差板と、光合成素子と、第2位相差板と、を備えた光源装置である。偏光分離合成素子は、赤色第1偏光成分と緑色成分と赤色第2偏光成分とを分離し、緑色成分と、赤色第1偏光成分と、拡散反射素子で拡散反射された後に第1位相差板を透過して異なる偏光方向に変換された第1偏光成分及び赤色レーザー光と、を合成した第1合成光を第2位相差板に導く。光合成素子は、第1合成光が第2位相差板を透過することで異なる偏光状態に変換された第2合成光の一部と赤色第2偏光成分とを合成して照明光を生成する。【選択図】図2

Description

本発明は、光源装置及びプロジェクターに関するものである。
近年、プロジェクターに用いる光源装置として、青色レーザー光と、青色レーザー光で励起して生成した蛍光とを合成して照明光を生成する技術がある。さらに下記特許文献1には、黄色の蛍光、青色レーザー光及び赤色レーザー光を合成して白色光を生成する光源装置が開示されている。
特開2016−224304号公報
上記光源装置では、合成ミラーにおいて蛍光を透過させるとともに赤色レーザー光を反射することで2つの光を同じ方向に射出して照明光を生成する。
ここで、蛍光に含まれる赤色成分における合成ミラーの透過率を高くした場合、合成ミラーを透過する赤色レーザー光が増加することで、赤色レーザー光に生じる光損失が増大する。一方、例えば、赤色レーザー光における合成ミラーの反射率を高くした場合、蛍光に含まれる赤色成分の合成ミラーによる反射量が増えることで、蛍光に生じる光損失が増大する。このように上記光源装置では、蛍光の赤色成分及び赤色レーザー光のいずれかに必ず損失が生じるため、赤色光の光量が不足し、光源装置から出射する白色光のホワイトバランスを最適にすることが困難である。
上記の目的を達成するために、本発明の一つの態様の光源装置は、青色レーザー光を射出する青色レーザー発光素子と、赤色レーザー光を射出する赤色レーザー発光素子と、前記青色レーザー光により励起されて、緑色成分及び赤色成分を含む蛍光を生成する蛍光体と、拡散反射素子と、前記青色レーザー光の第1偏光成分と前記赤色レーザー光とを透過または反射して前記拡散反射素子に導くとともに、前記青色レーザー光の第2成分を反射または透過して前記蛍光体に導く偏光分離合成素子と、前記偏光分離合成素子と前記拡散反射素子との間に設けられた第1位相差板と、光合成素子と、前記偏光分離合成素子と前記光合成素子との間に設けられた第2位相差板と、を備え、前記偏光分離合成素子は、前記赤色成分のうち前記第1偏光成分と同じ偏光方向の赤色第1偏光成分と前記緑色成分とを透過または反射するとともに、前記赤色成分のうち前記第2成分と同じ偏光方向の赤色第2偏光成分を反射または透過することで分離し、前記緑色成分と、前記赤色第1偏光成分と、前記拡散反射素子で拡散反射された後に前記第1位相差板を透過して異なる偏光方向に変換された前記第1偏光成分及び前記赤色レーザー光と、を合成した第1合成光を前記第2位相差板に導き、前記光合成素子は、前記第1合成光が前記第2位相差板を透過することで異なる偏光状態に変換された第2合成光の一部と、前記偏光分離合成素子で分離された前記赤色第2偏光成分とを合成して照明光を生成することを特徴とする。
上記態様の光源装置では、前記第1位相差板は、1/4波長板であり、前記第2位相差板は、1/2波長板又は1/4波長板であるのが好ましい。
上記態様の光源装置では、色分離ミラーと、赤色偏光分離ミラーとをさらに備え、前記色分離ミラーは、前記青色レーザー光を透過させるとともに前記赤色レーザー光を反射し、前記赤色偏光分離ミラーは、前記赤色レーザー光を透過させて前記色分離ミラーに導くととともに前記偏光分離合成素子からの前記赤色第2偏光成分を反射して前記光合成素子に導くのが好ましい。
上記態様の光源装置では、前記第2位相差板は、前記第1合成光に含まれる前記赤色レーザー光及び前記赤色成分に位相差を選択的に付与するのが好ましい。
本発明の一つの態様のプロジェクターは、上記態様に係る光源装置と、前記光源装置からの光を画像情報に応じて変調することにより画像光を形成する光変調装置と、前記画像光を投射する投射光学系と、を備えることを特徴とする。
実施形態のプロジェクターの概略構成図である。 光源装置の概略構成を示す図である。 変形例に係る光源装置の要部構成を示す図である。
以下、本発明の実施形態について図面を用いて説明する。
図1は本実施形態のプロジェクターの概略構成図である。
図1に示すように、本実施形態のプロジェクター1は、スクリーンSCR上にカラー映像を表示する投射型画像表示装置である。プロジェクター1は、光源装置2と、色分離光学系3と、光変調装置4R,光変調装置4G,光変調装置4Bと、合成光学系5と、投射光学系6とを備えている。
本実施形態の光源装置2は、色分離光学系3に向けて白色の照明光WLを射出する。色分離光学系3は、光源装置2からの照明光WLを赤色光LR(例えば、波長帯が600nm〜700nmの光)と、緑色光LG(例えば、波長帯が500nm〜600nmの光)と、青色光LB(例えば、波長帯が440nm〜470nmの光)とに分離する。
色分離光学系3は、第1のダイクロイックミラー7a及び第2のダイクロイックミラー7bと、第1の全反射ミラー8a、第2の全反射ミラー8b及び第3の全反射ミラー8cと、第1のリレーレンズ9a及び第2のリレーレンズ9bとを概略備えている。
第1のダイクロイックミラー7aは、光源装置2からの照明光WLを赤色光LRと、その他の光(緑色光LG及び青色光LB)とに分離する。第1のダイクロイックミラー7aは、分離された赤色光LRを透過すると共に、その他の光(緑色光LG及び青色光LB)を反射する。一方、第2のダイクロイックミラー7bは、緑色光LGを反射すると共に青色光LBを透過することによって、その他の光を緑色光LGと青色光LBとに分離する。
第1の全反射ミラー8aは、赤色光LRの光路中に配置されて、第1のダイクロイックミラー7aを透過した赤色光LRを光変調装置4Rに向けて反射する。一方、第2の全反射ミラー8b及び第3の全反射ミラー8cは、青色光LBの光路中に配置されて、第2のダイクロイックミラー7bを透過した青色光LBを光変調装置4Bに導く。緑色光LGは、第2のダイクロイックミラー7bから光変調装置4Gに向けて反射される。
第1のリレーレンズ9aは青色光LBの光路中における第2のダイクロイックミラー7bと第2の全反射ミラー8bとの間に配置されている。第2のリレーレンズ9bは青色光LBの光路中における第2の全反射ミラー8bと第3の全反射ミラー8cとの間に配置されている。
光変調装置4Rは、赤色光LRを画像情報に応じて変調し、赤色光LRに対応した画像光を形成する。光変調装置4Gは、緑色光LGを画像情報に応じて変調し、緑色光LGに対応した画像光を形成する。光変調装置4Bは、青色光LBを画像情報に応じて変調し、青色光LBに対応した画像光を形成する。
光変調装置4R,光変調装置4G,光変調装置4Bには、例えば透過型の液晶パネルが用いられている。また、液晶パネルの入射側及び射出側各々には、偏光板(図示せず。)が配置されている。以下、光変調装置4R,光変調装置4G,光変調装置4Bを単に光変調装置4R,4G,4Bと称すことにする。
また、光変調装置4R,4G,4Bの入射側には、それぞれフィールドレンズ10R,フィールドレンズ10G,フィールドレンズ10Bが配置されている。フィールドレンズ10R,フィールドレンズ10G,フィールドレンズ10Bは、光変調装置4R,4G,4Bそれぞれに入射する赤色光LR,緑色光LG,青色光LBそれぞれをテレセントリック化する。
合成光学系5には、光変調装置4R,4G,4Bからの画像光が入射する。合成光学系5は、各々が赤色光LR,緑色光LG,青色光LBに対応した画像光を合成し、この合成された画像光を投射光学系6に向けて射出する。合成光学系5には、例えばクロスダイクロイックプリズムが用いられている。
投射光学系6は、投射レンズ群からなり、合成光学系5により合成された画像光をスクリーンSCRに向けて拡大投射する。これにより、スクリーンSCR上には、拡大されたカラー映像が表示される。
(光源装置)
続いて、光源装置2について説明する。図2は光源装置2の概略構成を示す図である。図2に示すように、光源装置2は、青色アレイ光源21と、第1コリメーター光学系22と、ホモジナイザー光学系23と、位相差板28aと、ダイクロイックミラー(色分離ミラー)24と、偏光ビームスプリッター(偏光分離合成素子)25と、第1の集光光学系26と、蛍光発光素子27と、位相差板(第1位相差板)28bと、第2の集光光学系29と、拡散反射素子30と、赤色補助光源40と、第2コリメーター光学系41と、赤色偏光分離ミラー42と、位相差板(第2位相差板)46と、光合成素子47と、レンズインテグレーター31と、偏光変換素子32と、重畳レンズ33とを備えている。
青色アレイ光源21と、第1コリメーター光学系22と、ホモジナイザー光学系23と、位相差板28aと、ダイクロイックミラー24と、偏光ビームスプリッター25と、位相差板28bと、第2の集光光学系29と、拡散反射素子30とは、青色アレイ光源21の光軸ax1上に順次並んで配置されている。
また、蛍光発光素子27と、第1の集光光学系26と、偏光ビームスプリッター25と、位相差板46と、光合成素子47と、レンズインテグレーター31と、偏光変換素子32と、重畳レンズ33とは、照明光軸ax2上に順次並んで配置されている。光軸ax1と照明光軸ax2とは、同一面内にあり、互いに直交する。
また、赤色補助光源40と、第2コリメーター光学系41と、赤色偏光分離ミラー42と、ダイクロイックミラー24とは、赤色補助光源40の光軸ax3上に順次並んで配置されている。
青色アレイ光源21は複数の青色レーザー発光素子21aを備える。複数の青色レーザー発光素子21aは光軸ax1と直交する面内において、アレイ状に並んで配置されている。青色レーザー発光素子21aは、例えば青色の光線BL(例えば波長帯が440nm〜470nmの青色レーザー光)を射出する。
青色アレイ光源21から射出された光線BLは、第1コリメーター光学系22に入射する。第1コリメーター光学系22は、青色アレイ光源21から射出された光線BLを平行光に変換する。第1コリメーター光学系22は、例えばアレイ状に並んで配置された複数のコリメーターレンズ22aから構成されている。複数のコリメーターレンズ22aは、複数の青色レーザー発光素子21aに対応して配置される。
第1コリメーター光学系22を通過した光線BLは、ホモジナイザー光学系23に入射する。ホモジナイザー光学系23は、マルチレンズ23a、23bを有する。ホモジナイザー光学系23は、第1の集光光学系26と協同して被照明領域(蛍光体34)における照度分布を均一化する。また、ホモジナイザー光学系23は、第2の集光光学系29と協同して被照明領域(拡散反射素子30)における照度分布を均一化する。
ホモジナイザー光学系23を透過した光線BLは位相差板28aに入射する。位相差板28aは、例えば回転可能とされた1/2波長板である。青色レーザー発光素子21aから射出された光線BLは直線偏光である。位相差板28aの回転角度を適切に設定することにより、位相差板28aを透過する光線BLを、後述する偏光ビームスプリッター25に対するS偏光とP偏光とを所定の比率で含む光線とすることができる。位相差板28aを回転させることにより、S偏光とP偏光との比率を変化させることができる。
位相差板28aを通過することで生成されたS偏光とP偏光とを含む光線BLはダイクロイックミラー24に入射する。ダイクロイックミラー24は、光線BLを偏光状態にかかわらず透過させるとともに青色の光線BLと異なる波長帯の赤色光を反射させる色分離機能を有する。
ダイクロイックミラー24を透過した光線BLは偏光ビームスプリッター25に入射する。偏光ビームスプリッター25は、光軸ax1に対して45°の角度をなすように配置される。
偏光ビームスプリッター25は、光線BLを、偏光ビームスプリッター25に対するS偏光の光線BLs(青色レーザー光の第2偏光成分)とP偏光の光線BLp(青色レーザー光の第1偏光成分)とに分離する偏光分離機能を有する。
本実施形態の光源装置2では、赤色補助光源40から射出した光によって照明光WLの赤色成分を補う。赤色補助光源40は赤色レーザー発光素子40aを複数有する。赤色レーザー発光素子40aは、例えば赤色補助光線RL(例えばピーク波長が630〜650nmの赤色レーザー光)を射出する。赤色補助光線RLは直線偏光である。なお、赤色レーザー発光素子40aの数は特に限定されない。
赤色レーザー発光素子40aから射出された赤色補助光線RLは、第2コリメーター光学系41に入射する。第2コリメーター光学系41は、赤色レーザー発光素子40aから射出された赤色補助光線RLを平行光に変換する。第2コリメーター光学系41は、例えばアレイ状に並んで配置された複数のコリメーターレンズ41aから構成されている。複数のコリメーターレンズ22aは、複数の赤色レーザー発光素子40aに対応して配置される。
第2コリメーター光学系41を通過した赤色補助光線RLは、赤色偏光分離ミラー42に入射する。赤色偏光分離ミラー42は、赤色光のうちP偏光を透過させ、赤色光のうちS偏光を反射する偏光分離機能を有する。本実施形態において、赤色レーザー発光素子40aから射出される赤色補助光線RLは、赤色偏光分離ミラー42に対するP偏光である。そのため、赤色偏光分離ミラー42は、赤色補助光線RLを透過させてダイクロイックミラー24に導く。また、赤色偏光分離ミラー42は、後述のように、偏光ビームスプリッター25において蛍光YLから分離されたS偏光の赤色光を反射する。
赤色偏光分離ミラー42を透過した赤色補助光線RLはダイクロイックミラー24で反射されて偏光ビームスプリッター25に入射する。赤色補助光線RLは、P偏光として偏光ビームスプリッター25に入射し、該偏光ビームスプリッター25を透過する。
偏光ビームスプリッター25で反射されたS偏光の光線BLsは、第1の集光光学系26に入射する。第1の集光光学系26は、光線BLsを蛍光体34に向けて集光させる。
本実施形態において、第1の集光光学系26は、例えば第1レンズ26a及び第2レンズ26bから構成される。ホモジナイザー光学系23及び第1の集光光学系26を経由した光線BLsは、蛍光発光素子27の被照明領域に対して照度分布が均一化された状態で入射する。蛍光発光素子27は、蛍光体34と、この蛍光体34を支持する基板35と、蛍光体34を基板35に固定する固定部材36とを有している。
本実施形態において、蛍光体34は、該蛍光体34の側面と基板35との間に設けられた固定部材36により、基板35に固定される。蛍光体34は、光線BLsの入射する側と反対側の面において、基板35に接触する。
蛍光体34は、光線BLsを吸収して励起される蛍光体を含む。この光線BLsにより励起された蛍光体は、例えば波長帯が500〜700nmの蛍光YLを射出する。
蛍光体34の光線BLsが入射する側とは反対側(第1の集光光学系26とは反対側)には反射部37が設けられている。反射部37は、蛍光体34で生成された蛍光YLのうち、基板35に向かって進む成分を反射する。
基板35の蛍光体34を支持する面とは反対側の面には、ヒートシンク38が配置されている。蛍光発光素子27では、このヒートシンク38を介して放熱できるため、蛍光体34の熱劣化を防ぐことができる。
蛍光体34で生成された蛍光YLのうち、一部の蛍光YLは、反射部37によって反射され、蛍光体34の外部へと射出される。また、蛍光体34で生成された蛍光YLのうち、他の一部の蛍光YLは、反射部37を介さずに蛍光体34の外部へと射出される。このようにして、蛍光YLが蛍光体34から射出される。
蛍光YLは偏光ビームスプリッター25に入射する。蛍光YLは、緑色蛍光成分(緑色成分)KG及び赤色蛍光成分(赤色成分)KRを含む黄色光である。本実施形態において、偏光ビームスプリッター25は、蛍光YLのうち赤色蛍光成分KRを、偏光ビームスプリッター25に対するP偏光の赤色P偏光成分(赤色第1偏光成分)KRpと、偏光ビームスプリッター25に対するS偏光の赤色S偏光成分(赤色第2偏光成分)KRsと、に分離する偏光分離機能を有する。なお、赤色蛍光成分KRに対する赤色P偏光成分KRp及び赤色S偏光成分KRsの比率は50:50である。具体的に、偏光ビームスプリッター25は、S偏光成分(赤色S偏光成分KRs)を反射し、P偏光成分(赤色P偏光成分KRp)を透過させる。また、偏光ビームスプリッター25は、蛍光YLのうち緑色蛍光成分KGを透過させる特性を有する。
偏光ビームスプリッター25を透過したP偏光の光線BLp及び赤色補助光線RLは、位相差板28bに入射する。位相差板28bは、偏光ビームスプリッター25と拡散反射素子30との間の光路中に配置された1/4波長板から構成される。したがって、偏光ビームスプリッター25から射出されたP偏光の光線BLp及び赤色補助光線RLは、この位相差板28bによって、例えば、右回り円偏光の青色光線BLc1及び赤色補助光線RLc1に変換された後、第2の集光光学系29に入射する。第2の集光光学系29は、例えば1枚のレンズから構成される。ホモジナイザー光学系23及び第2の集光光学系29を経由した青色光線BLc1及び赤色補助光線RLc1は、拡散反射素子30に対して照度分布が均一化された状態で入射する。
拡散反射素子30は、偏光ビームスプリッター25における蛍光体34の反対側に配置され、第2の集光光学系29から射出された青色光線BLc1及び赤色補助光線RLc1を偏光ビームスプリッター25に向けて拡散反射させる。拡散反射素子30としては、入射した光をランバート反射させつつ、且つ、偏光状態を乱さないものを用いることが好ましい。
以下、拡散反射素子30によって拡散反射された光を青色光線BLc2及び赤色補助光線RLc2と称する。本実施形態によれば、青色光線BLc1及び赤色補助光線RLc1を拡散反射させることで略均一な照度分布の青色光線BLc2及び赤色補助光線RLc2が得られる。例えば、右回り円偏光の青色光線BLc1及び赤色補助光線RLc1は左回り円偏光の青色光線BLc2及び赤色補助光線RLc2として反射される。青色光線BLc2及び赤色補助光線RLc2は第2の集光光学系29によって平行光に変換された後に再び位相差板28bに入射する。
左回り円偏光の青色光線BLc2及び赤色補助光線RLc2は、位相差板28bによってS偏光の青色光線BLs1及び赤色補助光線RLs1に変換される。S偏光の青色光線BLs1及び赤色補助光線RLs1は、偏光ビームスプリッター25によって位相差板46に向けて反射される。
偏光ビームスプリッター25で反射された青色光線BLs1及び赤色補助光線RLs1は、偏光ビームスプリッター25を透過する緑色蛍光成分KGと、P偏光成分(赤色P偏光成分KRp)と合成されて第1合成光WL1を生成する。すなわち、第1合成光WL1は、青色光線BLs1と、赤色補助光線RLs1と、緑色蛍光成分KGと、赤色P偏光成分KRpとから構成される。第1合成光WL1は位相差板46に入射する。
本実施形態において、位相差板46は1/2波長板である。位相差板46は、第1合成光WL1に含まれる赤色P偏光成分KRp及び赤色補助光線RLs1に対して選択的に位相差を付与する。P偏光の赤色P偏光成分KRpは、位相差板46を透過してS偏光の赤色成分KRs1に変換される。また、S偏光の赤色補助光線RLs1は、位相差板46を透過してP偏光の赤色補助光線RLp2に変換される。
すなわち、位相差板46は、赤色波長帯の光に対して選択的に位相差を付与する赤色狭帯域の1/2位相差板から構成される。よって、位相差板46は、該位相差板46を透過する第1合成光WL1のうち赤色の光(赤色P偏光成分KRp及び赤色補助光線RLs1)に対してのみ位相差板として機能する。
したがって、第1合成光WL1は位相差板46を透過することで異なる偏光状態の第2合成光WL2に変換されて光合成素子47に入射する。第2合成光WL2は、S偏光の赤色成分KRs1と、P偏光の赤色補助光線RLp2と、青色光線BLs1と、緑色蛍光成分KGとを含む。
また、偏光ビームスプリッター25で反射されることで蛍光YLから分離されたS偏光の赤色S偏光成分KRsは、ダイクロイックミラー24で反射されて赤色偏光分離ミラー42に入射する。赤色偏光分離ミラー42は、S偏光の赤色S偏光成分KRsを反射して光合成素子47に導く。
光合成素子47は、照明光軸ax2に対して45°の角度をなすように配置される。光合成素子47は、第2合成光WL2の一部と、偏光ビームスプリッター25で分離された赤色S偏光成分KRsとを合成して照明光WLを生成する。
より具体的に、光合成素子47は、入射する光の赤色成分を光合成素子47に対するS偏光とP偏光の光線とに分離する偏光分離機能を有する。また、光合成素子47は、入射する光の緑色蛍光成分KG及び青色成分(青色光線BLs1)を偏光状態にかかわらず透過させる特性を有する。
本実施形態において、光合成素子47は、第2合成光WL2の赤色成分(S偏光の赤色成分KRs1とP偏光の赤色補助光線RLp2)を偏光分離する。P偏光の赤色補助光線RLp2は光合成素子47を透過するとともに、S偏光の赤色成分KRs1は光合成素子47で反射されて赤色補助光線RLp2と異なる方向に射出される。なお、光合成素子47で反射された赤色補助光線RLs1は不図示の遮光部材で遮光され、照明光WLとして利用されない。
光合成素子47は、緑色蛍光成分KG及び青色光線BLs1を透過させる。すなわち、光合成素子47は、第2合成光WL2の一部(赤色補助光線RLp2、緑色蛍光成分KG及び青色光線BLs1)を透過させる。また、光合成素子47は、赤色偏光分離ミラー42からの赤色S偏光成分KRsを反射して赤色補助光線RLp2、緑色蛍光成分KG及び青色光線BLs1と同じ方向に射出する。
このように本実施形態の光合成素子47は、第2合成光WL2の一部(赤色補助光線RLp2、緑色蛍光成分KG及び青色光線BLs1)と赤色S偏光成分KRsとを合成して照明光WLを生成する。赤色補助光線RLp2は赤色補助光源40から射出した赤色補助光線RLの全光束(100%)に相当し、赤色S偏光成分KRsは蛍光YLの赤色蛍光成分KRにおける全光束の半分(50%)に相当する。
このように本実施形態の光源装置2では、蛍光YLの赤色蛍光成分KRの50%を照明光WLとして利用し、赤色補助光源40から射出した赤色補助光線RLの100%を照明光WLとして利用することができる。
照明光WLは、レンズインテグレーター31に向けて射出される。レンズインテグレーター31は、第1マルチレンズ31aと第2マルチレンズ31bとを有する。第1マルチレンズ31aは照明光WLを複数の部分光線束に分割するための複数の第1小レンズ31amを有する。
第1マルチレンズ31aのレンズ面(第1小レンズ31amの表面)と光変調装置4R,4G,4Bの各々の画像形成領域とは互いに共役となっている。そのため、第1小レンズ31am各々の形状は、光変調装置4R,4G,4Bの画像形成領域の形状と略相似形(矩形状)となっている。これにより、第1マルチレンズ31aから射出された部分光束各々が光変調装置4R,4G,4Bの画像形成領域にそれぞれ効率良く入射する。
第2マルチレンズ31bは、第1マルチレンズ31aの複数の第1小レンズ31amに対応する複数の第2小レンズ31bmを有する。第2マルチレンズ31bは、重畳レンズ33とともに、第1マルチレンズ31aの各第1小レンズ31amの像を光変調装置4R,4G,4Bの各々の画像形成領域の近傍に結像させる。
レンズインテグレーター31を透過した照明光WLは、偏光変換素子32に入射する。偏光変換素子32は、偏光分離膜と位相差板(1/2位相差板)とをアレイ状に並べて構成される。偏光変換素子32は、照明光WLの偏光方向を所定方向に変換する。より具体的に、偏光変換素子32は、光変調装置4R,4G,4Bの光入射側に配置された偏光板(不図示)の透過軸の方向に照明光WLの偏光方向を対応させる。これにより、上述のように照明光WLを分離して得られる赤色光LR、緑色光LG及び青色光LBの偏光方向は、各光変調装置4R,4G,4Bの入射側偏光板の透過軸方向に対応する。よって、赤色光LR、緑色光LG及び青色光LBは入射側偏光板でそれぞれ遮光されることなく、光変調装置4R,4G,4Bの画像形成領域にそれぞれ良好に導かれる。
偏光変換素子32を透過した照明光WLは、重畳レンズ33に入射する。重畳レンズ33はレンズインテグレーター31と協同して、被照明領域における照明光WLによる照度分布を均一化する。
以上のように、本実施形態の光源装置2によれば、蛍光YLの赤色蛍光成分KRの50%と赤色補助光源40から射出した赤色補助光線RLの100%とを利用して照明光WLの赤色光LRを生成できる。よって、赤色光LRを効率良くアシストした照明光WLを生成することができる。
また、本実施形態の光源装置2では、赤色補助光源40から射出する赤色補助光線RLの出力を調整することで、照明光WLの赤色成分(赤色光LR)のアシスト量を任意に制御できる。よって、所望の色味の赤色光LRを効率良く生成することができる。
また、本実施形態の光源装置2によれば、偏光ビームスプリッター25で分離した蛍光YLの赤色蛍光成分KR(赤色S偏光成分KRs)をダイクロイックミラー24及び赤色偏光分離ミラー42で反射して光合成素子47に導くことで、赤色S偏光成分KRsを照明光WLとして利用することができる。
また、本実施形態の光源装置2によれば、位相差板46として、赤色波長帯に対して選択的に位相差を付与する赤色狭帯域1/2位相差板を備えるので、赤色の光(赤色P偏光成分KRp及び赤色補助光線RLs1)にのみ位相差を選択的に付与することができる。これにより、赤色レーザー光(赤色補助光線RLs1)をP偏光に変換することで光合成素子47において照明光WLとして利用することができる。
また、本実施形態のプロジェクター1によれば、上記光源装置2を備えるので、光利用効率が高く、赤色光LRが十分に補われることで、最適なホワイトバランスを有する白色光を生成することが可能となる。
なお、本発明は上記実施形態の内容に限定されることはなく、発明の主旨を逸脱しない範囲において適宜変更可能である。
例えば、上記実施形態では、位相差板46が1/2波長板である場合を例に挙げたが、本発明はこれに限定されない。
図3は変形例に係る光源装置の要部構成を示す図である。図3に示すように、位相差板146は1/4波長板である。図3に示す光源装置2Aは、位相差板146が1/4波長板から構成される以外、上記実施形態と同じ構成を有する。そのため、以下では位相差板146による作用を主体に説明し、その他の構成については説明を省略若しくは簡略化する。
位相差板146は、赤色波長帯に対して選択的に位相差を付与する赤色狭帯域の1/4位相差板から構成される。すなわち、位相差板146は、第1合成光WL1に含まれる赤色P偏光成分KRp及び赤色補助光線RLs1に対して選択的に位相差を付与する。P偏光である赤色P偏光成分KRpは、位相差板146を透過することで、例えば右回り円偏光の赤色成分KR1cに変換される。また、S偏光である赤色補助光線RLs1は、位相差板146を透過することで、例えば左回り円偏光の赤色補助光線RLc3に変換される。
したがって、第1合成光WL1は位相差板146を透過することで異なる偏光状態の第2合成光WL2´に変換されて光合成素子147に入射する。第2合成光WL2´は、右回り円偏光の赤色成分KR1cと、左回り円偏光の赤色補助光線RLc3と、青色光線BLs1と、緑色蛍光成分KGとを含む。
本変形例において、光合成素子147は、第2合成光WL2´の赤色成分を偏光分離する。
光合成素子147は、第2合成光WL2´のうち右回り円偏光の赤色成分KR1cをP偏光の赤色成分KR2pとS偏光の赤色成分KR2sとに分離する。ここで、赤色成分KR1c及び赤色成分KR2pの比率は50:50であり、P偏光の赤色成分KR2pのみが光合成素子147を透過することで後述のように照明光として利用される。
また、光合成素子147は、第2合成光WL2´のうち左回り円偏光の赤色補助光線RLc3をP偏光の赤色補助光線RLp3とS偏光の赤色補助光線RLs3とに分離する。ここで、赤色補助光線RLp3及び赤色補助光線RLs3の比率は50:50であり、P偏光の赤色補助光線RLp3のみが光合成素子147を透過することで後述のように照明光として利用される。
P偏光である赤色成分KR2p及び赤色補助光線RLp3は光合成素子147を透過するとともに、S偏光である赤色成分KR2s及び赤色補助光線RLs3は光合成素子147で反射されて赤色成分KR2p及び赤色補助光線RLp3と異なる方向に射出される。なお、光合成素子147で反射された赤色成分KR2s及び赤色補助光線RLs3は不図示の遮光部材で遮光され、照明光として利用されない。
本変形例の光合成素子147は、第2合成光WL2´の一部(赤色成分KR2p、赤色補助光線RLp3、緑色蛍光成分KG及び青色光線BLs1)を透過させ、赤色偏光分離ミラー42からの赤色S偏光成分KRsを第2合成光WL2´の一部と同じ方向に射出する。
このように本変形例の光合成素子147は、第2合成光WL2´の一部(赤色成分KR2p、赤色補助光線RLp3、緑色蛍光成分KG及び青色光線BLs1)と赤色S偏光成分KRsとを合成して照明光WL´を生成する。ここで、赤色補助光線RLp3は赤色補助光源40から射出した赤色補助光線RLの全光束(50%)に相当し、赤色S偏光成分KRsは蛍光YLの赤色蛍光成分KRにおける全光束の半分(50%)に相当し、赤色成分KR2pは蛍光YLの赤色蛍光成分KRにおける全光束の1/4(25%)に相当する。
すなわち、本変形例の光源装置2Aでは、蛍光YLの赤色蛍光成分KRの75%を照明光WL´として利用し、赤色補助光源40から射出した赤色補助光線RLの50%を照明光WL´として利用できる。本変形例によれば、蛍光YLからなる赤色蛍光成分KRの割合を増やし、レーザー光からなる赤色補助光線RLの割合を減らした照明光WL´を生成することができる。よって、スペックルを低減しつつ、赤色光LRを効率良くアシストした照明光WL´を生成できる。
また、上記実施形態において、偏光ビームスプリッター25に対する拡散反射素子30と蛍光体34との位置を入れ替えてもよい。すなわち、偏光ビームスプリッター25で反射したS偏光の光線BLs(青色レーザー光の第2成分)を拡散反射素子30に入射させ、偏光ビームスプリッター25を透過したP偏光の光線BLp(青色レーザー光の第1偏光成分)を励起光として蛍光体34に入射させる構成としてもよい。
また、上記実施形態では本発明による光源装置をプロジェクターに搭載した例を示したが、これに限られない。本発明による光源装置は、照明器具や自動車のヘッドライト等にも適用することができる。
1…プロジェクター、2…光源装置、4B,4G,4R…光変調装置、6…投射光学系、21a…青色レーザー発光素子、24…ダイクロイックミラー(色分離ミラー)、25…偏光ビームスプリッター(偏光分離合成素子)、28b…位相差板(第1位相差板)、30…拡散反射素子、34…蛍光体、40a…赤色レーザー発光素子、42…赤色偏光分離ミラー、46,146…位相差板(第2位相差板)、47,147…光合成素子、BLp…光線(青色レーザー光の第1偏光成分)、BLs…光線(青色レーザー光の第2偏光成分)、KG…緑色蛍光成分(緑色成分)、KR…赤色蛍光成分(赤色成分)、KRp…赤色P偏光成分(赤色第1偏光成分)、KRs…赤色S偏光成分(赤色第2偏光成分)、LG…緑色光、LR…赤色光、WL,WL´…照明光、WL1…第1合成光、WL2,WL2´…第2合成光、YL…蛍光。

Claims (5)

  1. 青色レーザー光を射出する青色レーザー発光素子と、
    赤色レーザー光を射出する赤色レーザー発光素子と、
    前記青色レーザー光により励起されて、緑色成分及び赤色成分を含む蛍光を発光する蛍光体と、
    拡散反射素子と、
    前記青色レーザー光の第1偏光成分と前記赤色レーザー光とを透過または反射して前記拡散反射素子に導くとともに、前記青色レーザー光の第2偏光成分を反射または透過して前記蛍光体に導く偏光分離合成素子と、
    前記偏光分離合成素子と前記拡散反射素子との間に設けられた第1位相差板と、
    光合成素子と、
    前記偏光分離合成素子と前記光合成素子との間に設けられた第2位相差板と、を備え、
    前記偏光分離合成素子は、
    前記赤色成分のうち前記第1偏光成分と同じ偏光方向の赤色第1偏光成分と前記緑色成分とを透過または反射するとともに、前記赤色成分のうち前記第2偏光成分と同じ偏光方向の赤色第2偏光成分を反射または透過することで分離し、
    前記緑色成分と、前記赤色第1偏光成分と、前記拡散反射素子で拡散反射された後に前記第1位相差板を透過して異なる偏光方向に変換された前記第1偏光成分及び前記赤色レーザー光と、を合成した第1合成光を前記第2位相差板に導き、
    前記光合成素子は、
    前記第1合成光が前記第2位相差板を透過することで異なる偏光状態に変換された第2合成光の一部と、前記偏光分離合成素子で分離された前記赤色第2偏光成分とを合成して照明光を生成する
    光源装置。
  2. 前記第1位相差板は、1/4波長板であり、
    前記第2位相差板は、1/2波長板又は1/4波長板である
    請求項1に記載の光源装置。
  3. 色分離ミラーと、赤色偏光分離ミラーとをさらに備え、
    前記色分離ミラーは、前記青色レーザー光を透過させるとともに前記赤色レーザー光を反射し、
    前記赤色偏光分離ミラーは、前記赤色レーザー光を透過させて前記色分離ミラーに導くととともに前記偏光分離合成素子からの前記赤色第2偏光成分を反射して前記光合成素子に導く
    請求項1又は2に記載の光源装置。
  4. 前記第2位相差板は、前記第1合成光に含まれる前記赤色レーザー光及び前記赤色成分に位相差を選択的に付与する
    請求項1乃至3のいずれか一項に記載の光源装置。
  5. 請求項1乃至4のいずれか一項に記載の光源装置と、
    前記光源装置からの光を画像情報に応じて変調することにより画像光を形成する光変調装置と、
    前記画像光を投射する投射光学系と、を備える
    プロジェクター。
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