JP2019218841A - 構造物 - Google Patents

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Abstract

【課題】超高層建物に対して高い応答低減効果を発揮する構造物を提供する。【解決手段】構造物100は、シャフトを有するコア部12と、コア部12の下方に設けられたコア側免震層11と、コア部12に隣接配置された建物主要部22と、建物主要部22の下方に設けられた主要側免震層21と、建物主要部22の中間に設けられた中間免震層28と、コア部12の下部と建物主要部22の下部とを連結する制震装置30と、コア側免震層11及び主要側免震層21の下方に設けられ、コア側免震層11及び主要側免震層21を支持する耐震部1と、を備えることを特徴とする。【選択図】図1

Description

本発明は、構造物に関するものである。
免震構造は、固有周期を長周期化することによる地震動入力の低減と、免震層に変形を集中させて地震エネルギーの効率的な吸収と、を両立するシステムである。近年、このような免震構造を備えた免震構造物は、庁舎や病院、本社機能を有する拠点施設だけでなく、テナントオフィスビルや集合住宅、学校建築など、用途を問わず採用されている。
一方、東北地方太平洋沖地震を契機に、様々な地震動を想定し、従来よりもレベルの大きな地震動を考慮して構造物を設計する必要がある。また、防災拠点施設や都心の超高層建物においては、さらに優れた構造性能を実現する免制震技術の提案が求められている。
このような動向を踏まえて、より大きな地震動への配慮と、より高性能な免震性能の両立を実現するため、下記の特許文献1に記載の免震構造物が提案されている。この免震構造物は、基礎免震層及び中間免震層等のように複層の免震層を持つ構造である。さらに、中間免震層上の上部架構と一体となったコア部において、下部をコア下免震層として免震化することで、コア下免震層が大きく変形して効率的にエネルギーを吸収し、高い応答低減効果が得られるようになっている。
特開2018−009442号公報
ところで、免震構造物において、支承として多用される積層ゴムは引張力に弱いという特性があるため、建物のロッキングを防ぎ、積層ゴムに引張力を生じさせないように設計されることが多い。具体的には、建物の幅と高さとの比(アスペクト比)がおおよそ1:4以下となるように設計される。建物の短辺方向の長さは約50m以下であるため、長辺方向の高さが200mを超える建物はアスペクト比が4以上となり免震構造を適用しにくくなる。このため、上記の特許文献1に記載の免震構造物は、高さが200mを超えるような超高層建物への適用はほとんど見られない。また、免震支承の許容面圧を超えるような支持荷重が必要となる超高層建物には、適用することができないという理由もある。さらには、高層化により建物自体の固有周期が長くなると、免震化による応答低減効果が短周期の建物に比較して小さくなる等の理由もある。
しかしながら、近年は高さが200mを超える建物が建設されることが多くなっており、このような超高層建物に対して高い応答低減効果を発揮する構造が求められている。
そこで、本発明は、上記事情に鑑みてなされたものであり、超高層建物に対して高い応答低減効果を発揮する構造物を提供する。
上記目的を達成するために、本発明は以下の手段を採用している。
すなわち、本発明に係る構造物は、シャフトを有するコア部と、該コア部の下方に設けられたコア側免震層と、前記コア部に隣接配置された建物主要部と、該建物主要部の下方に設けられた主要側免震層と、前記建物主要部の中間に設けられた中間免震層と、前記コア側免震層及び前記主要側免震層の下方に設けられ、前記コア側免震層及び前記主要側免震層を支持する耐震部と、を備えることを特徴とする。
このように構成された構造物では、複層免震化により、超長周期化を実現でき、従来の免震構造物と比較して応答加速度を半減することができる。また、剛強なコア部により、建物主要部における中間免震層よりも上方の部分(上部架構)が高剛性化となり、頂部加速度の増大(むちふり応答)を抑制することが可能になる。
超高層建物でも、複層免震架構部(コア部とコア側免震層とを含む架構部、及び建物主要部、主要側免震層及び中間免震層を含む架構部)のアスペクト比を大きくすることなく適用することができ、構造物のロッキングを抑え免震層(コア側免震層、主要側免震層及び中間免震層)に過大な引張力が入力されることを抑制することができる。
また、前記コア部の下部と前記建物主要部の下部とを連結する制震装置を備えることが好ましい。
このように構成された構造物では、コア部の下部の制震装置に変形を効果的に集中させることで、単純な複層免震を超える制震効果を発揮させ、加速度低減効果及び変位抑制効果を大幅に向上することができる。
また、本発明に係る構造物では、前記コア部のうち前記中間免震層よりも上方に位置する部分と、前記建物主要部のうち前記中間免震層よりも上方に位置する部分とは、構造的に一体形成され、前記コア部のうち前記中間免震層よりも下方に位置する部分と、前記建物主要部のうち前記中間免震層よりも下方に位置する部分とは、前記制震装置のみで連結されていてもよい。
このように構成された構造物では、コア部のうち中間免震層よりも上方に位置する部分と、建物主要部のうち中間免震層よりも上方に位置する部分とは、構造的に一体形成されているため、建築計画の自由度を広げることができる。また、コア部と建物主要部とが中間免震層よりも上方で一体化されることにより、免震クリアランスが無く、エキスパンジョイントを設置する必要もない。
また、前記コア部の下端部の高さ位置は、前記主要側免震層の高さ位置よりも低く、前記耐震部における前記建物主要部の下方の部分は、前記耐震部における前記コア部の下方の部分よりも上方に突出した形状をなし、前記耐震部における上方に突出した部分と前記コア部の下端部とを連結する減衰装置を備えていてもよい。
このように構成された構造物では、コア側免震層に加えて、耐震部における上方に突出した部分とコア部の下端部との間にも減衰装置を設置することができる。よって、コア部の直下及びその周辺により多くの減衰装置を設置でき、減衰効果を高めることができる。
また、前記耐震部における前記コア部の下方の部分は、前記耐震部における前記建物主要部の下方の部分よりも上方に突出した形状をなしていてもよい。
このように構成された構造物では、耐震部におけるコア部の下方の部分は、コア部とコア側免震層で接続されている。コア側免震層には中間免震層及び主要側免震層の2層分の変形が生じる。コア側免震層にダンパー等の減衰装置を設置することで、免震各層に配置する場合と比べてダンパーに入力する変形が2倍になるため、ダンパー1台当たりのエネルギー吸収量が2倍になり、大きな応答低減効果を得ることができる。
また、前記耐震部における上方に突出した部分の上端部の高さ位置は、前記中間免震層の高さ位置よりも高く、前記耐震部における上方に突出した部分と前記建物主要部における前記中間免震層の上方の部分とを連結する減衰装置を備えていてもよい。
このように構成された構造物では、コア側免震層に加えて、耐震部における上方に突出した部分と建物主要部における中間免震層の上方の部分との間にも減衰装置を設置することができる。よって、コア部の直下及びその周辺により多くの減衰装置を設置でき、減衰効果を高めることができる。
また、本発明に係る構造物では、前記耐震部は、地上に設置されていることが好ましい。
このように構成された構造物では、耐震部は地上に設置される構成であるため、耐震部の設置作業を容易に行うことができる。
また、本発明に係る構造物では、前記耐震部は、地下に設置されていてもよい。
このように構成された構造物では、耐震部は地下に設置される構成であるため、耐震部が目立たない。
また、本発明に係る構造物では、前記建物主要部は、前記コア部を囲繞するように配置されていてもよい。
このように構成された構造物では、建物主要部はコア部を囲繞するように配置されているため、建築計画の自由度を広げることができる。
本発明に係る構造物によれば、超高層建物に対して高い応答低減効果を発揮することができる。
本発明の一実施形態に係る構造物を模式的に示した縦断面図である。 本発明の一実施形態に係る構造物を模式的に示した平断面図である。 本発明の一実施形態の変形例1に係る構造物を模式的に示した縦断面図である。 参考例に係る構造物において、質量比の違いによる応答加速度倍率の比較を示す図である。 本発明の一実施形態の変形例2に係る構造物を模式的に示した縦断面図である。 図5のA−A線断面図である。 本発明の一実施形態に係る構造物において、各免震層の減衰を増加した場合の減衰定数の変化の試算例である。 本発明の一実施形態の変形例3に係る構造物を模式的に示した縦断面図である。 本発明の一実施形態の変形例4に係る構造物を模式的に示した縦断面図である。 図9のB−B線断面図である。
本発明の第一実施形態に係る構造物について、図面を用いて説明する。
図1は、本発明の第一実施形態に係る構造物を模式的に示した縦断面図である。図2は、本発明の一実施形態に係る構造物を模式的に示した平断面図である。
図1及び図2に示すように、本実施形態では、構造物100は、耐震部1と、上部構造体2と、を備えている。
耐震部1は、地上(地盤G上)に設置されている。耐震部1は、周知の耐震構造で構築されている。耐震部1は、上部構造体2を支持している。耐震部1として、例えば柱間に設置されたブレース材や耐震壁等が採用される。
上部構造体2は、コア構造体10と、コア構造体10を囲繞するように配置された建物主要構造体20と、を有している。なお、コア構造体10を中央コアとするほかに、偏心コアや両端コアであってもよい。
コア構造体10は、コア下免震層(コア側免震層)11と、コア下免震層11に支持されたコア部12と、を有している。
コア部12は、平面視正方形状をなしている。コア部12は、エレベータ設備、給排水設備、空調設備、電気設備等の部材が配置されたシャフト(不図示。以下同じ。)を有している。コア部12は、例えば鉄筋コンクリート造の連層耐震壁からなる高剛性のコアウォールで構成されている。なお、コア部12は、本実施形態では平面視正方形状をなしているが、形状は限定されることなく、長方形状や円状等であってもよい。
建物主要構造体20は、第1免震層(主要側免震層)21と、第1免震層21に支持された建物主要部22と、を有している。
建物主要部22は、第1免震層21に支持された下部層26と、下部層26の上方に配置された上部層27と、下部層26と上部層27とを上下方向に連結する第2免震層(中間免震層)28と、を備えている。換言すると、第2免震層28は、建物主要部22の中間に設けられている。
コア下免震層11、第1免震層21及び第2免震層28には、任意の免震装置及び減衰装置が設置されている。例えば、免震装置として、積層ゴム、すべり支承、リニアスライダーのいずれかまたは複数を併用することができる。また、減衰装置として、オイルダンパー、鉛ダンパー(積層ゴムに内包するLRBを含む)、鋼材ダンパー、摩擦ダンパーのいずれかまたは複数を併用することができる。
コア構造体10のコア部12の上部(コア部12において建物主要構造体20の第2免震層28よりも上方の部分)と建物主要構造体20の上部層27とは、構造的に一体形成されている。コア部12の下部(コア部12において建物主要構造体20の第2免震層28よりも下方の部分)と建物主要構造体20の下部層26とは、水平方向に離間して配置されている。具体的には、建物主要構造体20の下部は、コア部12の下部と4方に離間して配置されている。
コア構造体10のコア部12の下部と建物主要構造体20の下部層26とは、制震装置(連結ダンパー、減衰要素)30のみで連結されている。本実施形態では、制震装置30は、鉛直方向に離間して2箇所、且つコア部12の4方に設置されている。制震装置30として、バネ要素及び減衰要素を適用してもよく。この場合には、コア構造体10と建物主要構造体20とをTMDの錘要素のように機能させることもできる。
また、耐震部1、コア下免震層11、第1免震層21及び第2免震層28の高さは、任に設定することができる。第2免震層28の設置高さは、任意に設定することができる。
また、耐震部1を下部層26に対して平面的なボリューム(面積)を拡大したり、耐震部1を上部層27に対して平面的なボリュームを拡大したり、下部層26を上部層27に対して平面的なボリュームを拡大したり、下部層26を上部層27と平面的なボリュームを同一にしたり等することもできる。下部層26の平面的なボリューム(面積)を任意に設定できることにより、上部層27と下部層26との質量比を可変にすることができる。
このように構成された構造物100では、複層免震化により、超長周期化を実現でき、従来の免震構造物と比較して応答加速度を半減することができる。また、剛強なコア構造体10により、建物主要構造体20における第2免震層28よりも上方の部分(上部架構)が高剛性化となり、頂部加速度の増大(むちふり応答)を抑制することが可能になる。
さらに、コア構造体10の下部の制震装置30に変形を効果的に集中させることで、単純な複層免震を超える制震効果を発揮させ、加速度低減効果及び変位抑制効果を大幅に向上することができる。
超高層建物でも、複層免震架構部(上部構造体2)のアスペクト比(建物の幅と高さとの比)を大きくすることなく適用することができ、構造物100のロッキングを抑え免震層(コア下免震層11、第1免震層21及び第2免震層28)に過大な引張力が入力されることを抑制することができる。
また、耐震部1は地上に設置される構成であるため、耐震部1の設置作業を容易に行うことができる。
また、建物主要部22はコア部12を囲繞するように配置されているため、建築計画の自由度を広げることができる。
また、コア構造体10のうち第2免震層28よりも上方に位置する部分と、建物主要構造体20のうち第2免震層28よりも上方に位置する部分とは、構造的に一体形成されているため、建築計画の自由度を広げることができる。
また、コア部12と建物主要部22とが第2免震層28よりも上方で一体化されることにより、免震クリアランスが無く、エキスパンジョイントを設置する必要もない。
また、構造物100の下部を所望の高さまで耐震部(耐震構造)1として、コア構造体10及び建物主要構造体20を所望の規模(高さ)に設定できるため、コア下免震層11、第1免震層21及び第2免震層28に設けられた免震装置の支持荷重を適用範囲内に収めることができる。
また、耐震部1の高さ、第1免震層21の高さ位置及び第2免震層28の高さ位置は所望の値にすることができるため、用途の境界等建築計画的に設定することができる。
また、耐震部1を下部層26に対して平面的なボリューム(面積)を拡大したり、耐震部1を上部層27に対して平面的なボリュームを拡大したり、下部層26を上部層27に対して平面的なボリュームを拡大したり、下部層26を上部層27と平面的なボリュームを同一にしたり等することもできる。よって、用途に応じた必要面積を設定することができるだけでなく、上部層27と下部層26との質量比を所望の値に設定することができる。
また、構造物100においては、第1免震層21及び第2免震層28を有する複層免震構造としたことで、固有周期の超長周期化を実現することができる。
また、剛強なコア構造体10を構造物100の全層にわたって貫通させ、構造的、機能的な心棒とし、さらに第2免震層28よりも下層の下部層26とコア構造体10を接続した連結制震構造としたことによって、応答制御を効率的に行うことが可能になる。
さらに、コア部12をコア下免震層11で支持することで、地震時にコア下免震層11に設置した減衰装置を積極的に変形させてエネルギー吸収を効率化することが可能になる。なお、第2免震層28の位置は用途の境界等の建築計画的な観点から自由に決定できる。
また、上記のように構成することによって、本実施形態の構造物100においては、加速度−変位の関係における従来のコア付き免震、複層免震の対象領域以外の領域の免震性能を担うことが可能になる。
(変形例1)
次に、上記に示す実施形態の変形例1に係る構造体について、主に図3を用いて説明する。
下記に示す変形例の説明において、前述した部材と同一の部材には同一の符号を付して、その説明を省略する。
図3は、本発明の一実施形態の変形例1に係る構造物を模式的に示した縦断面図である。
図3に示すように、本変形例では、構造物100Xの耐震部1Xは、地下(地盤G内)に設けられている。耐震部1Xは、周知の耐震構造で構築されている。耐震部1Xの上部には、コア構造体10及び建物主要構造体20が設けられている。
このように構成された構造物100Xでは、複層免震化により、超長周期化を実現でき、従来の免震構造物と比較して応答加速度を半減することができる。また、剛強なコア構造体10により、建物主要構造体20における第2免震層28よりも上方の部分(上部架構)の高剛性化となり、頂部加速度の増大(むちふり応答)を抑制することが可能になる。さらに、コア構造体10の下部の制震装置30に変形を効果的に集中させることで、単純な複層免震を超える制震効果を発揮させ、加速度低減効果及び変位抑制効果を大幅に向上することができる。
超高層建物でも、複層免震架構部(上部構造体2)のアスペクト比(建物の幅と高さとの比)を大きくすることなく適用することができ、構造物100Xのロッキングを抑え免震層(コア下免震層11、第1免震層21及び第2免震層28)に過大な引張力が入力されることを抑制することができる。
また、耐震部1Xは地下に設置される構成であるため、耐震部1Xが目立たない。
また、耐震部1Xを耐震構造として地下に設置することで、エキスパンションジョイントを設けずに地下駐車場や地下街からの直結部の設置が可能になる。
(変形例2)
次に、上記に示す実施形態の変形例2に係る構造体について、主に図5,6を用いて説明する。
図5は、本発明の一実施形態の変形例2に係る構造物を模式的に示した縦断面図である。図6は、図5のA−A線断面図である。
上記に示す実施形態では、コア部12の下端部の高さ位置は建物主要部22の下端部の高さ位置と略同一とされているが、本変形例では、図5に示すように、コア部12Aの下端部12bの高さ位置は、建物主要部22の下端部22bの高さ位置よりも低くなっている。
耐震部1Aにおいて、建物主要部22の下方の部分1cは、コア部12Aの下方の部分1dよりも上方に突出した形状をなしている。
耐震部1Aにおける建物主要部22の下方の部分で上方に突出した部分1eは、建物主要部22の下部層26よりもコア部12Aから離間する水平方向にセットバックしている。換言すると、耐震部1Aの上方に突出した部分1eとコア部12Aとの間のクリアランス(空間)a1は、建物主要部22の下部層26とコア部12Aとの間のクリアランスa2よりも大きい。
コア部12Aの下端部12bと耐震部1Aにおけるコア部12Aの下方の部分1dとの間には、コア下免震層11Aが設置されている。コア下免震層11Aの設置高さは、第1免震層21の設置高さよりも低い。
コア部12Aの下端部12bと耐震部1Aの上方に突出した部分1eの上端部とは、少なくとも1層分重なって配置されている。コア部12Aの下端部12bと耐震部1Aの上方に突出した部分1eとの間には、複数の減衰装置11Bが設置されている。図6に示すように、平面視で、減衰装置11Bは、コア部12Aの全周にわたって配置されている。減衰装置11Bは、上下方向に複数設置されていてもよい。
なお、構造物100Aの規模にもよるが、減衰装置11Bが設置されるのが1層分の場合、減衰装置11Bの設置台数は、コア下免震層11Aに設置される減衰装置の設置台数と略同一である。
例えば、耐震部1Aの上方に突出した部分1eが3層分の場合、減衰装置11Bを2層分設置することができる。つまり、耐震部1Aの上方に突出した部分1eが3層分の場合、コア下免震層11Aのみの場合の約3倍の減衰装置を設置することができる。
図7は、本発明の一実施形態に係る構造物(図1及び図2参照)において、各免震層の減衰を増加した場合の減衰定数の変化の試算例である。図7において、Cは、第1免震層21の減衰定数を示している。
図7(a)〜(c)では、各免震層に設置した減衰装置において、減衰量を増加させた場合の1次減衰定数(h1)と2次減衰定数(h2)の変化を示していて、上部層27と下部層26との質量比が2:1の建物を想定した解析結果である。
図7(a),(b)に示す通り、第1免震層21及び第2免震層28に減衰装置を多く設置しても、1次減衰定数を飛躍的に大きくすることはできない。逆に、第1免震層21及び第2免震層28に減衰装置を多く入れすぎると、2次減衰定数を過減衰としてしまう懸念がある。
一方で、図7(c)に示すように、コア下免震層11に減衰装置を多く設置すると、2次減衰定数を増加させることなく、1次減衰定数を効率的に増加させることができている。すなわち、コア下免震層11に減衰装置を多く入れることで、構造物の大幅な応答低減に繋げることが可能となる。しかしながら、コア部12の面積はレンタブル比を高めるために、設計的に必要最低限に抑えられてしまう。そのため、コア部12の下部に多くの減衰装置を設置することはスペース的に困難となる場合が多い。本変形例では、200mを超えるような超高層建築物に適用でき、かつコア部12Aの下部及びその周辺に多くの減衰装置の設置が可能とされている。
このように構成された構造物100Aでは、複層免震化により、超長周期化を実現でき、従来の免震構造物と比較して応答加速度を半減することができる。また、剛強なコア構造体10により、建物主要構造体20における第2免震層28よりも上方の部分(上部架構)が高剛性化となり、頂部加速度の増大(むちふり応答)を抑制することが可能になる。
超高層建物でも、複層免震架構部(上部構造体2)のアスペクト比(建物の幅と高さとの比)を大きくすることなく適用することができ、構造物100Aのロッキングを抑え免震層(コア下免震層11A、第1免震層21及び第2免震層28)に過大な引張力が入力されることを抑制することができる。
また、コア下免震層11Aに設置された減衰装置に加えて、コア部12Aの下端部12bと耐震部1Aの上方に突出した部分1eとの間にも減衰装置11Bを設置することができる。よって、コア部12Aの直下及びその周辺により多くの減衰装置を設置でき、減衰効果を高めることができる。
第1免震層21及び第2免震層28を貫通するように配置されたコア部12Aを耐震部1Aまで貫入させることにより、想定を超えるような地震外力が作用して、過大な免震層変形が生じた場合でも、コア部12Aが耐震部1Aに引っ掛かることで、いわゆるダボのような効果で、第2免震層28部分で構造物100Aが脱落・転倒することを防止できる。
(変形例3)
次に、上記に示す実施形態の変形例3に係る構造体について、主に図8を用いて説明する。
図8は、本発明の一実施形態の変形例3に係る構造物を模式的に示した縦断面図である。
図8に示すように、本変形例では、耐震部1Bにおいて、コア部12Bの下方の部分1dは、建物主要部22の下方の部分1cよりも上方に突出した形状をなしている。
換言すると、耐震部1Bにおけるコア部12Bの下方の部分で上方に突出した部分1fの外周側には、建物主要部22の下部層26が上方に突出した部分1fを囲繞するように配置されている。
このように構成された構造物100Bでは、複層免震化により、超長周期化を実現でき、従来の免震構造物と比較して応答加速度を半減することができる。また、剛強なコア構造体10により、建物主要構造体20における第2免震層28よりも上方の部分(上部架構)が高剛性化となり、頂部加速度の増大(むちふり応答)を抑制することが可能になる。
超高層建物でも、複層免震架構部(上部構造体2)のアスペクト比(建物の幅と高さとの比)を大きくすることなく適用することができ、構造物100Bのロッキングを抑え免震層(コア下免震層11C、第1免震層21及び第2免震層28)に過大な引張力が入力されることを抑制することができる。
また、耐震部1Bにおけるコア部12Bの下方の部分で上方に突出した部分1fは、コア部12Bとコア下免震層11Cで接続されている。コア下免震層11Cには第2免震層28及び第1免震層21の2層分の変形が生じる。コア下免震層11Cにダンパー等の減衰装置を設置することで、免震各層に配置する場合と比べてダンパーに入力する変形が2倍になるため、ダンパー1台当たりのエネルギー吸収量が2倍になり、大きな応答低減効果を得ることができる。
(変形例4)
次に、上記に示す実施形態の変形例4に係る構造体について、主に図9,10を用いて説明する。
図9は、本発明の一実施形態の変形例4に係る構造物を模式的に示した縦断面図である。図10は、図9のB−B線断面図である。
図9に示すように、本変形例では、耐震部1Cにおいて、コア部12Cの下方の部分1dは、建物主要部22の下方の部分1cよりも上方に突出した形状をなし、上方に突出した部分1gの上端部1uの高さ位置は、建物主要部22の下部層26の上端部26u及び第2免震層28の高さ位置よりも高い。
コア部12Cの下端部12bと耐震部1Cの上方に突出した部分1gの上端部1uとの間には、コア下免震層11Dが設置されている。コア下免震層11Dの設置高さは、第2免震層28の設置高さよりも高い。
耐震部1Cの上方に突出した部分1gの上端部1uと建物主要部22の上部層27の下端部27b(第2免震層28の上方の部分)とは、少なくとも1層分重なって配置されている。耐震部1Cの上方に突出した部分1gの上端部1uと建物主要部22の上部層27の下端部27bとの間には、複数の減衰装置11Eが設置されている。図10に示すように、平面視で、減衰装置11Eは、コア部12Cの全周にわたって配置されている。減衰装置11Eは、上下方向に複数設置されていてもよい。
耐震部1Cの上方に突出した部分1gの上端部1uと建物主要部22の上部層27の下端部27bとの間のクリアランスは、耐震部1Cの上方に突出した部分1gと建物主要部22の下部層26との間のクリアランスよりも大きい。
このように構成された構造物100Cでは、複層免震化により、超長周期化を実現でき、従来の免震構造物と比較して応答加速度を半減することができる。また、剛強なコア構造体10により、建物主要構造体20における第2免震層28よりも上方の部分(上部架構)が高剛性化となり、頂部加速度の増大(むちふり応答)を抑制することが可能になる。
超高層建物でも、複層免震架構部(上部構造体2)のアスペクト比(建物の幅と高さとの比)を大きくすることなく適用することができ、構造物100Cのロッキングを抑え免震層(コア下免震層11D、第1免震層21及び第2免震層28)に過大な引張力が入力されることを抑制することができる。
また、コア下免震層11Dに加えて、耐震部1Cの上方に突出した部分1gと建物主要部22の上部層27の下端部27bとの間にも減衰装置11Eを設置することができる。よって、コア部12Cの直下及びその周辺により多くの減衰装置を設置でき、減衰効果を高めることができる。
(参考例)
図4は、耐震部1が設けられていない構造物において、質量比の違いによる応答加速度倍率の比較を示す図である。
図4では、上部層27(以下、上部層(A)とする)と、下部層(以下、下部層(B)とする)との質量比(A/B)を変化させた場合の応答加速度倍率を示している。ケース1ではA:B=1:1(A/B=1)であり、ケース2ではA:B=2:1(A/B=2)であり、ケース3ではA:B=4:1(A/B=4)である。上段は上部層(A)の2層共振曲線を示し、下段は下部層(B)の1層共振曲線を示している。また、c3は、コア下免震層11に設置される減衰装置の減衰係数を示している。
図4より、コア下免震層11に減衰装置を設置することにより、絶対応答倍率のピーク値を減少させることができることが分かる。
また、耐震部1が設けられていない場合には、質量比(A/B)が大きくなると(約4倍程度)、2次固有周期が短周期化し、短周期成分が卓越しやすくなる傾向がある。よって、下部層(B)のボリュームを大きくすることで質量比(A/B)を小さくし、短周期成分の卓越を抑えることが可能とすることが有効であることが分かる。
なお、上述した実施の形態において示した各構成部材の諸形状や組み合わせ等は一例であって、本発明の主旨から逸脱しない範囲において設計要求等に基づき種々変更可能である。
例えば、上記に示す実施形態及び変形例2〜4では耐震部は地上に設置されていて、変形例1では耐震部は地下に設置されているが、本発明はこれに限られない。上記に示す変形例2〜4において、耐震部が地下に設置されていたり、実施形態及び変形例2〜4において、耐震部が地下から地上にかけて設置されていたりしてもよい。
また、上記に示す実施形態では、建物主要部22はコア部12を囲繞するように配置されているが、本発明はこれに限られず、建物主要部がコア部を囲繞することなく、建物主要部がコア部と単に隣接配置された構成であってもよい。
また、変形例2では、コア部12Aを建物主要部22の下部層26よりも下方に2層分突出させているが、コア部12Aを建物主要部22の下部層26よりも下方に何層分突出させるかは適宜設定可能である。また、変形例4において、耐震部1Cの突出した部分1gを建物主要部22の下部層26よりも上方に2層分突出させているが、耐震部1Cの突出した部分1gを建物主要部22の下部層26よりも上方に何層分突出させるかは適宜設定可能である。
1…耐震部
2…上部構造体
10…コア構造体
11…コア下免震層(コア側免震層)
12…コア部
20…建物主要構造体
21…第1免震層(主要側免震層)
22…建物主要部
26…下部層
27…上部層
28…第2免震層(中間免震層)
30…制震装置
100…構造物

Claims (9)

  1. シャフトを有するコア部と、
    該コア部の下方に設けられたコア側免震層と、
    前記コア部に隣接配置された建物主要部と、
    該建物主要部の下方に設けられた主要側免震層と、
    前記建物主要部の中間に設けられた中間免震層と、
    前記コア側免震層及び前記主要側免震層の下方に設けられ、前記コア側免震層及び前記主要側免震層を支持する耐震部と、を備えることを特徴とする構造物。
  2. 前記コア部の下部と前記建物主要部の下部とを連結する制震装置を備えることを特徴とする請求項1に記載の構造物。
  3. 前記コア部のうち前記中間免震層よりも上方に位置する部分と、前記建物主要部のうち前記中間免震層よりも上方に位置する部分とは、構造的に一体形成され、
    前記コア部のうち前記中間免震層よりも下方に位置する部分と、前記建物主要部のうち前記中間免震層よりも下方に位置する部分とは、前記制震装置のみで連結されていることを特徴とする請求項2に記載の構造物。
  4. 前記コア部の下端部の高さ位置は、前記主要側免震層の高さ位置よりも低く、
    前記耐震部における前記建物主要部の下方の部分は、前記耐震部における前記コア部の下方の部分よりも上方に突出した形状をなし、
    前記耐震部における上方に突出した部分と前記コア部の下端部とを連結する減衰装置を備えることを特徴とする請求項1から3のいずれか一項に記載の構造物。
  5. 前記耐震部における前記コア部の下方の部分は、前記耐震部における前記建物主要部の下方の部分よりも上方に突出した形状をなしていることを特徴とする請求項1に記載の構造物。
  6. 前記耐震部における上方に突出した部分の上端部の高さ位置は、前記中間免震層の高さ位置よりも高く、
    前記耐震部における上方に突出した部分と前記建物主要部における前記中間免震層の上方の部分とを連結する減衰装置を備えることを特徴とする請求項5に記載の構造物。
  7. 前記耐震部は、地上に設置されていることを特徴とする請求項1から6のいずれか一項に記載の構造物。
  8. 前記耐震部は、地下に設置されていることを特徴とする請求項1から6のいずれか一項に記載の構造物。
  9. 前記建物主要部は、前記コア部を囲繞するように配置されている請求項1から8のいずれか一項に記載の構造物。
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