JP2019218087A - スタンディングパウチ - Google Patents

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登志子 中東
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平賀  敏
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【課題】嵩張るプラスチック容器の併用を要さずに、多量の水分を吸収した潮解性吸湿薬剤の漏出を防止することができる、自立可能なスタンディングパウチを提供すること。【解決手段】透湿性の第1シートと非透気性の第2シートとが対向して配置された2層の間隙に、2つ折りにした非透気性の底部シートを配置し、周端部をシールした底ガセット方式のスタンディングパウチであって、第1シートが、通気防水性の第1層1、多孔質の第2層2、及び補強性の第3層3がこの順に積層されて成る透湿複合シート10であり、第1層1をスタンディングパウチの内側に向けて配置されている、スタンディングパウチ。【選択図】図1

Description

本発明はスタンディングパウチに関する。
従来から、箪笥、押入、下駄箱等の湿気を除去するための除湿剤が使用されている。
除湿剤に使用される吸湿薬剤としては、シリカゲル、塩化カルシウム等が知られている。このうち、塩化カルシウムは、自重の300%を超える吸水量を有し、吸水効率の面から好ましいとされている。しかし塩化カルシウムは潮解性があり、除湿剤容器から漏出する懸念があるため、容器には工夫を要する。
この点、例えば特許文献1には、吸湿薬剤を透湿性の袋体内に封入し、この袋体を保気性保護材で被覆した吸湿剤が記載されている。特許文献2には、非透気性の密閉空間を、透気性の材料によって2分し、一方に吸湿薬剤を収容し、もう一方を使用時に開口される開口空間とした包装袋が記載されている。
特開平5−68843号公報 特開2002−332072号公報
特許文献1では、該特許文献所定の除湿剤は、吸湿後にも容器からの漏出がないと説明されているが、実施例では吸湿率が高々90%の場合の検証がなされているだけであり、多量の水分を吸収した場合の漏出の懸念は払拭されていない。
特許文献2の包装袋は、この包装袋から潮解後の塩化カルシウムが漏出した場合に備えて、プラスチックの容器に入れて使用されることを前提としている。一般家庭で1カ所に使用される塩化カルシウムの量を考慮すると、漏出防止のためのプラスチック容器は一定の大きさを要する。そのため、押入等の中で嵩張る他、プラスチップ容器が転倒した場合には、押入等の収納物(例えば布団等)の汚染が懸念される。
そこで本発明は、嵩張るプラスチック容器の併用を要さずに、多量の水分を吸収した潮解性吸湿薬剤の漏出を防止することができる、自立可能なスタンディングパウチを提供することを目的とする。
上記の目的を達成する本発明は、以下のとおりに要約される。
《態様1》
透湿性の第1シートと非透気性の第2シートとが対向して配置された2層の間隙に、2つ折りにした非透気性の底部シートを配置し、周端部をシールした底ガセット方式のスタンディングパウチであって、
上記第1シートが、通気防水性の第1層、多孔質の第2層、及び補強性の第3層がこの順に積層されて成る透湿複合シートであり、上記第1層を上記スタンディングパウチの内側に向けて配置されている、
スタンディングパウチ。
《態様2》
上記透湿複合シートにおいて、
上記第1層が高密度ポリエチレン系不織布から成る層であり、
上記第2層が、ポリオレフィン製微多孔膜であるか、又はポリオレフィン系極細不織布若しくはポリエステル系極細不織布から成る層であり、
上記第3層が熱可塑性合成繊維系不織布から成る層である、
態様1に記載のスタンディングパウチ。
《態様3》
上記透湿複合シートの各層間が、熱可塑性エラストマーを主成分とするホットメルト接着剤で接着されている、態様1又は2に記載のスタンディングパウチ。
《態様4》
上記透湿複合シートの直径30cmの円形の領域に圧力水頭100cmの水圧を厚み方向にかけたときの24時間経過後の透水量が1×10−8/h以下であり、
JIS L1096Bに準拠して測定した貫通抵抗力が12N以上である、
態様1〜3のいずれか一項に記載のスタンディングパウチ。
《態様5》
態様1〜4のいずれか一項に記載のスタンディングパウチ内に吸湿薬剤を収納した、吸湿器。
《態様6》
上記吸湿薬剤が潮解性の吸湿薬剤である、態様5に記載の吸湿器。
《態様7》
高密度ポリエチレン系不織布から成る第1層、
ポリオレフィン製微多孔膜であるか、又はポリオレフィン系極細不織布若しくはポリエステル系極細不織布から成る層である第2層、及び
熱可塑性合成繊維系不織布から成る第3層
がこの順に積層されて成る、透湿複合シート。
《態様8》
上記透湿複合シートの直径30cmの円形の領域に圧力水頭100cmの水圧を厚み方向にかけたときの24時間経過後の透水量が1×10−8/h以下であり、
JIS L1096Bに準拠して測定した貫通抵抗力が12N以上である、
態様7に記載の透湿複合シート。
本発明のスタンディングパウチは、自立可能であり、嵩張るプラスチック容器の併用を要さずに、多量の水分を吸収した潮解塩化カルシウムの漏出を防止することができる。
図1は、本発明のスタンディングパウチの第1シートである透湿複合シートの構成を示す概略断面図である。 図2は、本発明のスタンディングパウチ(開口状態)を示す概略図である。図2(a)は正面図であり、図2(b)は図2(a)のA−A線断面図である。 図3は、本発明のスタンディングパウチ(密封状態)を示す概略図である。図3(a)は正面図であり、図3(b)は図3(a)のA−A線断面図である。 図4は、本発明のスタンディングパウチが自立した状態を示す概略斜視図である。 図5は、実施例において、垂直方向透水性の評価に用いた透水試験器の構造を示す模式図である。
《スタンディングパウチ》
本発明のスタンディングパウチは、
透湿性の第1シートと非透気性の第2シートとが対向して配置された2層の間隙に、2つ折りにした非透気性の底部シートを配置し、周端部をシールした底ガセット方式のスタンディングパウチであって、
上記第1シートが、通気防水性の第1層、多孔質の第2層、及び補強性の第3層がこの順に積層されて成る透湿複合シートであり、上記第1層をスタンディングパウチの内側に向けて配置されている。
〈第1シート(透湿複合シート)〉
本発明のスタンディングパウチにおける透湿性の第1シートは、図1に示したように、通気防水性の第1層(1)、多孔質の第2層(2)、及び補強性の第3層(3)がこの順に積層されて成る透湿複合シート(10)である。この透湿複合シートは、通気防水性の第1層(1)がスタンディングパウチの内側に向けて配置される。
−第1層−
通気防水性の第1層は、水は通さないが、気体は透過させる性質を有するシートである。通気防水層が透過させる気体としては、例えば、窒素、酸素、二酸化炭素、水蒸気等が挙げられる。市販品の中には、特に水蒸気の透過性を有することに着目して「透湿防水シート」と呼ばれる商品もあるが、このような透湿防水シートも本発明における第1層として好ましく使用することができる。
第1層を構成する材料としては、特に限定されるものではないが、例えば、ポリオレフィン系微多孔膜、高密度ポリエチレン系不織布等が挙げられる。
第1層の通気性及び防水性は、いずれも、第1層の目付け(面密度)と深く関連する。したがって、本発明における第1層としては、これを構成する材料に応じた適切な面密度を有するシートを採用することが好ましい。第1層の目付けは、ポリオレフィン系微多孔膜の場合は60g/m〜120g/m、高密度ポリエチレン系不織布の場合は40g/m〜120g/mの面密度がそれぞれ適切である。
本発明における高密度ポリエチレンの厚みは、通気性と防水性とを両立するとともに、スタンディングパウチとして用いるときの機械的強度を十分に高くするとの観点から、3μm〜100μmであることが好ましく、5μm〜50μmであることがより好ましく、10μm〜30μmであることが更に好ましい。
本発明のスタンディングパウチの透湿複合シートにおける第1層としては、耐薬品性、破断、及び突き刺し強度が良好であるとの観点から、高密度ポリエチレン系不織布から成る層であることが好ましく、高密度ポリエチレン極細連続長繊維不織布から成る層であることがより好ましい。高密度ポリエチレン極細連続長繊維不織布は、立体的な3次元構造を有するウェブから成り、繊維間に有意の間隙があるため通気性及び透湿性を有する一方で、高密度ポリエチレンという素材に由来する疎水性を有し、更にフラットエンボス構造によって表面の平滑性にも優れることから、本発明における第1層として非常に適している。
この高密度ポリエチレン極細連続長繊維不織布から成るシートは市販品として入手することも可能であり、例えば、旭・デュポン フラッシュスパンプロダクツ(株)製の「タイベック(登録商標)」が好ましいものとして挙げられる。
−第2層−
多孔質の第2層は、微細な空隙を有するシートから成る。
本発明のスタンディングパウチの透湿複合シートにおける第2層としては、例えば、微多孔膜、不織布、織物、編物等から成ることができる。これらのうち微多孔膜又は不織布が、遮光性、撥水性、含水性、及び貫入抵抗に優れることから好ましい。
微多孔膜の構成材料としては、例えば、ポリオレフィン、ポリエステル、ポリアミド等を挙げることができる。
不織布としては特に限定されるものではないが、熱可塑性合成繊維不織布が好ましく、例えば、サーマルボンド法、ニードルパンチ法、水柱交絡法、メルトブロー法等の方法によって製造された熱可塑性合成繊維不織布が好ましい。例えば、ポリエステル、ポリアミド、ポリオレフィン等から成る繊維を挙げることができる。
これらの具体例としては、
ポリエステルとして、例えば、ポリエチレンテレフタレート、ポリトリメチレンテレフタレート、ポリブチレンテレフタレート、共重合ポリエステル等を;
ポリアミドとして、例えば、ナイロン6、ナイロン66、共重合ポリアミド繊維等を;
ポリオレフィンとして、例えば、低密度ポリエチレン、高密度ポリエチレン、ポリプロピレン、共重合ポリエチレン、共重合ポリプロピレン等を;
それぞれ挙げることができる。
第2層として不織布を用いる場合、その構成繊維は太さ1μm〜30μm程度であってよいが、1μm〜5μm程度の極細繊維を用いることが、防水性及び強度保持の点で、好ましい。1μmより細い繊維を用いた場合には、防水性の面で好ましいが、不織布の強度の観点で劣るものとなる。
極細繊維から成る極細繊維から成る不織布は、例えば、メルトブロー法等によって製造することができる。
本発明のスタンディングパウチの透湿複合シートにおける第2層としては、ポリオレフィン系微多孔膜、又はポリオレフィン系極細不織布若しくはポリエステル系極細不織布から成る層であることが好ましく、より好ましくはポリオレフィン系微多孔膜又はポリオレフィン系極細不織布である。
第2層の目付けは、5g/m〜80g/mであることが好ましく、10g/m〜50g/mであることがより好ましい。
第2層の厚みは、例えば5μm〜100μmとすることができ、好ましくは10〜50μmであり、より好ましくは15μm〜40μmである。
−第3層−
補強性の第3層は、得られるスタンディングパウチが自立性を有するようにするために、透湿複合シートに適当な硬度を付与する機能を有し、例えば、熱可塑性合成繊維系不織布から成る層であることが好ましい。
熱可塑性合成繊維としては、例えば、ポリエステル、ポリアミド、ポリオレフィン等から成る繊維が挙げられ、特に好ましくはポリエステル繊維である。ポリエステルは、例えば、ポリエチレンテレフタレート、ポリトリメチレンテレフタレート、ポリブチレンテレフタレート、共重合ポリエステル等であってよい。
この熱可塑性合成繊維系不織布としては、スパンボンド法による熱可塑性合成繊維系不織布が、強度、剛性等に優れる点で好ましく、より好ましくはスパンボンド法によるポリエステル長繊維から成る不織布であり、特に、スパンボンド法によるポリエチレンテレフタレート長繊維から成る不織布であることが好ましい。
第3層の目付けは、5g/m〜80g/mであることが好ましく、10g/m〜50g/mであることがより好ましい。
第3層の厚みは、例えば5μm〜100μmとすることができ、好ましくは10〜50μmであり、より好ましくは15μm〜40μmである。
〈第1シートの製造方法〉
本発明のスタンディングパウチの第1シートである透湿複合シートは、上記の第1〜第3の各層を適当な方法によって積層することにより、製造することができる。例えば、透湿複合シートの各層間を、適当な接着剤によって接着する方法によって製造されてよい。
ここで使用される接着剤としては、本発明のスタンディングパウチを家庭用の防湿剤の包装袋に適用したときに遭遇する可能性がある、夏場の高温等に耐え得る耐熱性を有すべき観点から、軟化点が比較的高い接着剤が好ましく、第1〜第3の各層に対する濡れ性と、これらの接合性との双方が良好であることから、熱可塑性エラストマーを主成分とするホットメルト接着剤が好ましく、特に好ましくはポリオレフィン系のホットメルト接着剤である。
接着剤の塗布は、例えば、カーテンスプレー法、ポーラスコート法、スパイラルスプレー法、フォーミングメルト法、ロール塗布法等の適宜の方法によって行われてよい。を挙げることができる。これらのうち、カーテンスプレー法によることが、透湿性の確保及び接着力の確保の両面から好ましい。
接着剤は、透湿複合シートの透湿性を確保するために、空隙を有するパターン状に塗布してよい。接着剤の塗布パターンとしては、例えばドット状、ストライプ状、スパイラル状、格子状等を挙げることができる。
接着剤の塗布量は、目付けとして、例えば3gsm(グラム/平方メートル)〜100gsmとすることができ、好ましくは10gsm〜50gsmである。
〈第1シートの物性〉
本発明のスタンディングパウチの第1シートである透湿複合シートは、高度の透湿性を有しながら、高度の防水性を示し、かつ強靭である。
透湿性に関しては、透湿複合シートについてJIS L1096Bに準拠して測定した透気度が、200(秒/100mL)を超え、好ましくは220(秒/100mL)以上、より好ましくは250(秒/100mL)以上、更に好ましくは300(秒/100mL)以上の値を示すことができる。透湿複合シートの透気度は、過度に高い必要はなく、例えば、1,000(秒/100mL)以下、又は500(秒/100mL)以下であってよい。
防水性に関しては、透湿複合シートの直径30cmの円形の領域に圧力水頭100cmの水圧を厚み方向にかけたときの24時間経過後の透水量が、好ましくは1×10−8/h以下、より好ましくは5×10−9/h以下、更に好ましくは1×10−9/h以下の値を示すことができ、この条件下で漏れ(透水)が観察されないものとすることも可能である。
強靭性に関しては、透湿複合シートについてJIS L1096Bに準拠して測定した貫通抵抗力が、好ましくは12N以上であり、より好ましくは15N以上であり、更に18N以上であり、20N以上とすることも可能である。透湿複合シートの貫通抵抗力は、過度に大きい必要はなく、例えば、80N以下、又は50N以下であってよい。
これらの物性は、具体的には後述の実施例に示した方法によって測定される値である。
〈第2シート(非透気性のシート)〉
本発明のスタンディングパウチの第2シートである非透気性のシートは、基体及び水分を通過させず、特に潮解した吸湿薬剤を通過させない高度のバリア性を示し、得られるスタンディングパウチの自立性の観点から強靭であることが好ましい。また、シートをスタンディングパウチの形状に成形するために、少なくとも片面にヒートシール可能な層を有していることが好ましい。
以上の観点から、本発明における第2シートは、バリア層と、ヒートシール層との積層体であることが好ましい。
(バリア層)
第2シートのバリア層は、例えば、ポリアミド、ポリエステル等から成る有機膜であってよく、これらの有機膜上に、有機バリアコート(例えば、ポリ塩化ビニリデン、ポリビニルアルコール等から成るコート層)、無機酸化物コート(例えば、酸化ケイ素、酸化アルミニウム等から成るコート層)、金属薄膜等のバリアコートが形成されている積層体であってもよく、又は金属箔であってもよい。ポリアミドとしては、例えばナイロン等が挙げられる。ポリエステルとしては、例えばポリエチレンテレフタレート、ポリブチレンテレフタレート、ポリエチレンナフタレート等が挙げられる。金属としては、例えばアルミニウム等が挙げられる。上記の有機膜、金属箔、及びバリアコートは、それぞれ、単層であっても多層であってもよい。
バリア層の厚みは、10〜80μmであることが好ましく、20〜60μmであることがより好ましい。
(シーラント層)
第2シートのシーラント層は、熱可塑性樹脂層であってよく、好ましくはポリオレフィンから成る層である。このポリオレフィンとしては、例えば、低密度ポリエチレン、中密度ポリエチレン、高密度ポリエチレン、直鎖低密度ポリエチレン、ポリプロピレン等が挙げられる。これらのうち、シール強度の面から、低密度ポリエチレン、中密度ポリエチレン、又は直鎖低密度ポリエチレンが好ましい。
シーラント層の厚みは、20〜85μmであることが好ましく、30〜70μmであり、更に好ましくは40〜60μmである。
(好ましい第2シート)
本発明のスタンディングパウチの第2シートとして、ナイロン層とポリオレフィン層とが積層され、いわゆる「ナイロンポリフィルム」として市販されている積層体を使用することが、バリア性をシール性との両立の観点から好ましく、かつ便利である。この場合のナイロン層は、単層であっても多層であってもよい。
ナイロンポリフィルムの厚みは、50〜150μmとすることが好ましく、60〜120μmとすることがより好ましい。
〈底部シート(非透気性のシート)〉
本発明のスタンディングパウチの底部シートである非透気性のシートは、第2シートとしに例示した材料から適宜に選択して使用されてよい。底部シートは、第2にシートと同じ材料から構成されていてもよいし、異なる材料から構成されていてもよい。
〈スタンディングパウチの態様〉
本発明のスタンディングパウチは、
透湿性の第1シートと非透気性の第2シートとが対向して配置された2層の間隙に、2つ折りにした非透気性の底部シートを配置し、周端部をシールした底ガセット方式のスタンディングパウチである。
図2に、本発明のスタンディングパウチの一例について、その開口状態を示す概略図を示した。図2(a)は正面図であり、図2(b)は図2(a)のA−A線断面図である。
図2のスタンディングパウチ(100)は、透湿性の第1シート(10)と非透気性の第2シート(20)とが対向して配置されており、第1シート(10)と第2シート(20)との層間のうち、図の下方に、2つ折りにした非透気性の底部シート(30)が配置されている。第1シート(10)は、通気防水性の第1層を内側(スタンディングパウチ(100)の中側)に向けて配置される。第2シート(20)及び底部シート(30)が、それぞれ、バリア層とヒートシール層との積層体である場合、これらのシート(20、30)は、ヒートシール層を内側に向けて配置される。そして、周端部の3方のシール部(40)がシールされることにより、底ガセット方式のスタンディングパウチ(100)として、開口状態で成形される。このシールはヒートシールであってよい。
図3に、図2のスタンディングパウチについて、その密封状態を示す概略図を示した。図3(a)は正面図であり、図3(b)は図3(a)のA−A線断面図である。図2と図3において、同じ符号で示された要素は同じ部位を表している。
図3のスタンディングパウチ(100)は、図2のスタンディングパウチ(100)の開口部から所望の内容物を収納したうえ、図の上方のシール部(50)がシールされることにより、密封状態のスタンディングパウチ(100)が得られる。
このスタンディングパウチ(100)は、底部シート(30)の折り込みを開いて底部を略アーモンド形に広げることにより、底部を下にして自立することができる。
図4に、底部シート(30)の折り込みを開いて自立した状態のスタンディングパウチの概略斜視図を示した。
《吸湿器》
スタンディングパウチに収納される内容物は、任意のものであってよい。例えば、吸湿薬剤を収納したスタンディングパウチは、自立可能な吸湿器として使用することができる。
ここで使用される吸湿薬剤は、任意のものであってよく、公知の化学的吸湿薬剤及び物理的吸湿薬剤から適宜選択して使用してよい。化学的吸湿薬剤としては、例えば、消石灰、塩化カルシウム、五酸化二リン、水酸化ナトリウム、硫酸ナトリウム無水塩、硫酸銅無水塩等を挙げることができる。物理的吸湿薬剤としては、例えば、シリカゲル、酸化アルミニウム、モレキュラーシーブ、ゼオライト、アロフェン等を挙げることができる。
本発明のスタンディングパウチは、第1シートが透湿性であって高度の耐圧防水性を有しており、第2シート及び底部シートが高度の耐圧防水性を有していることから、潮解性の吸湿薬剤を収納した場合でも、潮解後の吸湿薬剤が漏出することがなく、家庭用の吸湿器として好ましく適用することができる。潮解性の吸湿薬剤として特に好ましくは塩化カルシウムである。
《透湿複合シート》
本発明の別の観点では、
高密度ポリエチレン系不織布から成る第1層、
ポリオレフィン製微多孔膜であるか、又はポリオレフィン系極細不織布若しくはポリエステル系極細不織布から成る層である第2層、及び
熱可塑性合成繊維系不織布から成る第3層
がこの順に積層されて成る、透湿複合シートが提供される。
以下の実施例及び比較例において製造された透湿複合シート及びスタンディングパウチについての各種の評価は、それぞれ、以下の方法によって行った。
(1)透湿複合シートの垂直方向透水性
透湿複合シートの垂直方向透水性は、図5に示した透水試験器を用いて評価した。
装置の有孔底板に、パッキンを介して透湿複合シートを固定し、直径30cmの水圧付与面を形成した。ここで、透湿複合シートは、第1層(通気防水層)を水と接する面側に配置し、透湿複合シートとパッキンとの接触領域にパラフィン・シリコーン系のコーキング材を配置して、水圧付与面以外からの不要な水漏れを防止した。そして、透水円筒に水を静かに注入して、上記の水圧付与面に対してシートの厚み方法に圧力水頭100cmの水圧をかけた。
水圧付与面からの漏水が認められた場合には、100cm水頭を維持しつつ、3時間当たりの透水量を3回計測し、3回の計測値の平均値を3で割ることにより、1時間当たりの透水量(m/h)を求めた。
水圧付与後24時間経過した後に漏水が認められなかった場合には、透水量=0m/hとした。
(2)透湿複合シートの耐水圧、透気度、及び貫通抵抗
透湿複合シートの耐水圧(kPa)、透気度(秒/100mL)、及び貫通抵抗(N)
は、それぞれ、JIS L1096Bに準拠して測定した。
耐水圧は、第1層(通気防水層)を水と接する面側に配置して測定した。
通気度は、第3層(補強層)側からの通気度である。
貫通抵抗は、第3層(補強層)側からの貫通抵抗であり、その測定には、直径5mm、先端の曲率半径が2mmの貫入棒を用いた。
(3)スタンディングパウチの耐衝撃性試験
スタンディングパウチの耐衝撃性試験(落下試験)は、水600mLを収納したスタンディングパウチを、1.2mの高さから平滑な床面に底部を下に向けて3回落下させたときの破袋の有無を目視にて観察することにより行った。
(4)スタンディングパウチの自立性試験
スタンディングパウチの自立性試験は、塩化カルシウム180gを収納したスタンディングパウチを、底部を下にして水平の机上に自立するか否かを目視にて観察することにより行った。
《実施例1》
(1)透湿複合シート(第1シート)の製造及び評価
第1層(通気防水層)としてタイベック(商品名、旭化成・デュポン フラッシュスパンプロダクツ(株)製、高密度ポリエチレン系不織布、目付け量:48gsm)を、
第2層(多孔質層)としてポリエチレン系微多孔膜(目付け:15gsm)を、
第3層(補強層)としてポリエチレンテレフタレート(PET)系スパンボンド不織布(目付け:12gsm)を
それぞれ用い、各層間にポリオレフィン系ホットメルト接着剤をカーテンスプレー法により目付け15gsmにて塗布して、上記の3層を接着することにより、厚み290μmの3層構成の透湿複合シートを得た。
得られた透湿複合シートにつき、上記の方法により、垂直方向透水性、耐水圧、透気度、及び貫通抵抗を測定した。結果は表1に示した。
(2)スタンディングパウチの製造及び評価
透湿性の第1シートとして上記で製造した透湿複合シートを用い、非透気性の第2シート及び底部シートとしてナイロンフィルム(15μm厚)/ナイロンフィルム(15μm厚)/直鎖低密度ポリエチレン(LLDPE)フィルム(60μm厚)の3層構成の複合シート(三菱ケミカル(株)製、品名「ダイアミロン」、厚み90μm)を用い、図2〜4に示した形状のスタンディングパウチを製造した。
第1シートの第1層(通気防水層)側、及び第2シートのシーラント層(LLDPEフィルム)側が、それぞれパウチの内側を向くように両シートを用いて二軸式三方製袋機で製袋し、図2に示した形状の、一方に開口部を有するパウチ(縦200mm×横150mm×奥行50mm)を製造した。シール部の幅は4mmとし、市販のヒートシーラー(富士インパルス(株)製、電動シーラー)を用いて、設定温度180℃、ヒートシール時間1秒の条件にて、図2にシール部(40)として示した形状でヒートシールにてシールした。
上記で得られたパウチの開口部から、スタンディングパウチの耐衝撃性試験用試料としては水600mLを、スタンディングパウチの自立性試験用試料としては塩化カルシウム(平均粒径3mmの粒子状)180gを、それぞれ入れた後、開口部をヒートシールして、各試験用のスタンディングパウチを製造した。開口部のヒートシールは、市販のヒートシーラー(富士インパルス(株)製、電動シーラー)を用いて、設定温度180℃、ヒートシール時間1秒の条件にて、図3にシール部(50)として示した形状で行った。
得られた各スタンディングパウチを用いて、上記の方法により、耐衝撃性試験及び自立性試験を実施した。結果は表1に示した。
《実施例2〜7、並びに比較例1及び2》
透湿複合シート(第1シート)の各層を構成する材料としてそれぞれ表1に記載のフィルムを用いた他は、実施例1と同様にして透湿複合シート及びスタンディングパウチを製造し、評価した。
結果は表1及び表2に示した。
Figure 2019218087
Figure 2019218087
表1及び2中の略称は、それぞれ以下の意味である。
《第1シート》
Ny/Ny/LL:ナイロンフィルム(15μm厚)/ナイロンフィルム(15μm厚)/直鎖低密度ポリエチレン(LLDPE)フィルム(60μm厚)の3層構成の複合シート(三菱ケミカル(株)製、品名「ダイアミロン」)
《第2シート(透湿複合シート)》
〈第1層(通気防水層)〉
タイベック:商品名、旭化成・デュポン フラッシュスパンプロダクツ(株)製、高密度ポリエチレン系不織布
極細不織布:ポリオレフィン系の極細繊維から成る不織布(旭化成(株)製、品名「マイクロウェブ」)
〈第2層(多孔質層)〉
PE微多孔膜:ポリエチレン系微多孔膜((株)トクヤマ製、品名「ポーラム」)
〈第3層(補強層)〉
PETスパンボンド:ポリエチレンテレフタレート系スパンボンド不織布(旭化成(株)製、品名「エルタス」)
Nyスパンボンド:ナイロン系スパンボンド不織布(旭化成(株)製、品名「エルタス」)
PPスパンボンド:ポリプロピレン系スパンボンド不織布(旭化成(株)製、品名「エルタス」)
1 第1層
2 第2層
3 第3層
10 第1シート、透湿複合シート
20 第2シート
30 底部シート
40、50 シール部
100 スタンディングパウチ

Claims (8)

  1. 透湿性の第1シートと非透気性の第2シートとが対向して配置された2層の間隙に、2つ折りにした非透気性の底部シートを配置し、周端部をシールした底ガセット方式のスタンディングパウチであって、
    前記第1シートが、通気防水性の第1層、多孔質の第2層、及び補強性の第3層がこの順に積層されて成る透湿複合シートであり、前記第1層を前記スタンディングパウチの内側に向けて配置されている、
    スタンディングパウチ。
  2. 前記透湿複合シートにおいて、
    前記第1層が高密度ポリエチレン系不織布から成る層であり、
    前記第2層が、ポリオレフィン製微多孔膜であるか、又はポリオレフィン系極細不織布若しくはポリエステル系極細不織布から成る層であり、
    前記第3層が熱可塑性合成繊維系不織布から成る層である、
    請求項1に記載のスタンディングパウチ。
  3. 前記透湿複合シートの各層間が、熱可塑性エラストマーを主成分とするホットメルト接着剤で接着されている、請求項1又は2に記載のスタンディングパウチ。
  4. 前記透湿複合シートの直径30cmの円形の領域に圧力水頭100cmの水圧を厚み方向にかけたときの24時間経過後の透水量が1×10−8/h以下であり、
    JIS L1096Bに準拠して測定した貫通抵抗力が12N以上である、
    請求項1〜3のいずれか一項に記載のスタンディングパウチ。
  5. 請求項1〜4のいずれか一項に記載のスタンディングパウチ内に吸湿薬剤を収納した、吸湿器。
  6. 前記吸湿薬剤が潮解性の吸湿薬剤である、請求項5に記載の吸湿器。
  7. 高密度ポリエチレン系不織布から成る第1層、
    ポリオレフィン製微多孔膜であるか、又はポリオレフィン系極細不織布若しくはポリエステル系極細不織布から成る層である第2層、及び
    熱可塑性合成繊維系不織布から成る第3層
    がこの順に積層されて成る、透湿複合シート。
  8. 前記透湿複合シートの直径30cmの円形の領域に圧力水頭100cmの水圧を厚み方向にかけたときの24時間経過後の透水量が1×10−8/h以下であり、
    JIS L1096Bに準拠して測定した貫通抵抗力が12N以上である、
    請求項7に記載の透湿複合シート。
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