JP2019215122A - 熱交換器における二重管の接合方法 - Google Patents

熱交換器における二重管の接合方法 Download PDF

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Abstract

【課題】大がかりな設備を用いることなく外管と内管との間のろう付を実現することができる熱交換器における二重管の接合方法を提供する。【解決手段】上記二重管の接合方法は、アルミニウム合金製の外管1及び内管2からなる二重管を備える熱交換器に適用される。この熱交換器は、内管2と外管1との間を流れる冷媒と同内管2の内部を流れる冷媒との間での熱交換を行うものである。上記接合方法では、ろう付加熱により外管1と内管2とをそれらの間のろう材を通じて接合する。詳しくは、ろう付加熱を行う前に外管1と内管2との間を不活性ガスで満たし、その後に外管1と内管2とをろう付加熱によって互いに接合する。この方法によれば、外管1と内管2との間が不活性ガスで満たされているため、ろう付加熱を大気中で行ったとしても、ろう付の際の上記ろう材における酸化皮膜の形成を抑制することができる。【選択図】図1

Description

本発明は、熱交換器における二重管の接合方法に関する。
自動車等の車両においては、同車両の所定箇所を冷却したり加熱したりする流体が循環回路を循環しており、そうした循環回路中に流体同士の熱交換を行うための熱交換器が設けられる場合がある。上記熱交換器としては、アルミニウム合金製の外管及び内管からなる二重管を備えており、それら内管と外管との間を流れる流体と同内管の内部を流れる流体との間で熱交換を行うものが知られている。
また、上述した二重管を備える熱交換器においては、特許文献1に示されるように、周方向に複数の凹凸が並ぶ円環状のアルミニウム合金製のインナーフィンを外管と内管との間に挿入し、インナーフィンを外管の内周と内管の外周とに対しそれぞれろう付するようにしたものも知られている。この熱交換器では、インナーフィンと外管の内周との間、及び、インナーフィンと内管の外周との間にそれぞれろう材が介在されており、ろう付加熱により外管と内管とを上記ろう材及び上記インナーフィンを通じて互いに接合するようにしている。
なお、上記ろう付加熱は、外管、内管、及びインナーフィンがそれぞれアルミニウム合金製であることから、ろう付の際のろう材における酸化皮膜の形成を抑制することを意図して、不活性ガスを充填した炉中の不活性ガス雰囲気のもとで、あるいは内部を真空とした炉中の真空状態のもとで行われる。
特開平2−309192号公報
しかし、上述したように不活性ガス雰囲気や真空状態のもとで上記ろう付加熱を行おうとすると、同ろう付加熱のために内管及び外管等が入れられる炉内全体を不活性ガスで満たしたり真空状態としたりしなければならなくなり、そのことを実現するための設備等が大がかりなものとなって製造コストの増大に繋がる。
本発明の目的は、大がかりな設備を用いることなく外管と内管との間のろう付を実現することができる熱交換器における二重管の接合方法を提供することにある。
以下、上記課題を解決するための手段及びその作用効果について記載する。
上記課題を解決する二重管の接合方法は、アルミニウム合金製の外管及び内管からなる二重管を備える熱交換器に適用される。この熱交換器は、上記内管と上記外管との間を流れる流体と同内管の内部を流れる流体との間での熱交換を行うものである。上記接合方法では、ろう付加熱により上記外管と上記内管とをそれらの間のろう材を通じて接合する。詳しくは、上記ろう付加熱を行う前に上記外管と上記内管との間を不活性ガスで満たし、その後に上記外管と上記内管とを上記ろう付加熱によって互いに接合する。
この方法によれば、ろう材を通じて外管と内管とを接合(ろう付)するためのろう付加熱が、外管と内管との間を不活性ガスで満たした状態で行われる。このため、上記ろう付加熱を大気中で行ったとしても、ろう付の際の上記ろう材における酸化皮膜の形成を抑制することができる。このため、上記酸化皮膜の形成を抑制するために不活性ガスを満たした炉中や真空状態とした炉中に外管及び内管を入れて上記ろう付加熱を行う必要がなくなり、そうしたろう付加熱を実現するための設備等が大がかりなものとなることはない。従って、大がかりな設備を用いることなく外管と内管との間のろう付を実現することができる。
上記熱交換器における二重管の接合方法において、上記ろう付加熱を行う前に内管の内部に昇温用のガスを流し、その後に上記ろう付加熱を行って外管と内管とを互いに接合することが考えられる。
上記ろう付加熱では、内管よりも外管が加熱されやすくなるため、その加熱を通じて外管が内管よりも拡径方向に熱膨張しやすくなる。仮に外管が内管と比較して拡径方向に大きく熱膨張すると、外管の内周と内管の外周との間の距離が広がり、それに伴い上記ろう付加熱による外管と内管とのろう材を通じての接合(ろう付)が適正に行われなくなるおそれがある。しかし、上記方法によれば、上記ろう付加熱を行う前に内管の内部に流される昇温用のガスによって内管が加熱され、それによって内管が拡径方向に熱膨張するようになる。このため、そうした内管の拡径方向についての熱膨張が行われた後、上記ろう付加熱により外管が拡径方向に熱膨張したとき、外管の内周と内管の外周との間の距離が広がることを抑制でき、その距離の広がりに伴い上記ろう付加熱による外管と内管とのろう材を通じての接合が適正に行われなくなることを抑制できる。
上記熱交換器における二重管の接合方法において、上記外管と上記内管とのうちの少なくとも一方には、もう一方に向けて上記外管及び上記内管の径方向に突出する凸部を形成し、その凸部において上記外管と上記内管との間にろう材を介在させた状態で上記ろう付加熱を行うことが考えられる。
仮に外管と内管との間に挿入されたインナーフィンを介してろう付によって外管と内管とを接合するような場合、外管と内管との間にインナーフィンを挿入し、更にインナーフィンを外管の内周と内管の外周とに対しそれぞれろう付しなければならず、それらの実現に手間がかかることは否めない。しかし、上記方法によれば、凸部が外管と内管との少なくとも一方に形成される。そして、外管の内部に内管を位置させることによって上記凸部が外管と内管との少なくとも一方からもう一方に向けて突出した状態となり、その凸部において外管と内管とのろう付による接合が行われるため、そうした接合に手間がかかることはない。従って、手間をかけることなく外管と内管とをろう付によって接合することができる。
上記熱交換器における二重管の接合方法において、上記凸部は、外管の内周に向けて突出するよう内管の外周に形成されるものであり、上記ろう材は、上記凸部に対し塗布されるろう材粉末とすることが考えられる。
上記熱交換器における二重管の接合方法において、上記凸部は、外管の内周に向けて突出するよう内管の外周に形成されるものであり、上記ろう材は、内管の外周にクラッドされるものとすることが考えられる。
上記熱交換器における二重管の接合方法において、上記凸部は、外管の内周に向けて突出するよう内管の外周に形成されるものであり、上記ろう材は、外管の内周にクラッドされるものとすることが考えられる。
上記熱交換器における二重管の接合方法において、上記凸部は、外管の内周に向けて突出するよう内管の外周に形成されるものであり、上記ろう材は、内管の外周に溶射して塗布されるものとすることが考えられる。
熱交換器における二重管の構造を示す断面図。 図1の二重管を矢印A−A方向から見た状態を示す断面図。 内管及び外管における凸部周りを拡大して示す断面図。 内管及び外管における凸部周りの構造の他の例を示す断面図。
以下、熱交換器における二重管の接合方法の一実施形態について、図1及び図2を参照して説明する。
自動車等の車両においては、車室内の冷暖房といった空調を行うために冷凍サイクルが用いられている。こうした冷凍サイクルでは車室内の冷暖房(冷却や加熱)を行うための冷媒(流体)が循環回路を循環しており、同循環回路中には高温高圧の冷媒と低温低圧の冷媒との間で熱交換を行うための熱交換器が設けられる。
上記熱交換器は、図1に示すように、アルミニウム合金製の外管1及び内管2からなる二重管を備えており、外管1と内管2との間を流れる冷媒と内管2の内部を流れる冷媒との間での熱交換を行う。熱交換器の二重管における外管1と内管2とは、ろう付によって互いに接合されている。
図2に示すように、内管2には、その外周から外管1側に向けて径方向に突出する凸部3が形成されている。この凸部3の外周に対しろう付組成物(ろう材)を塗布した状態で内管2を外管1内に挿入することにより、外管1と内管2(凸部3)との間にろう材が介在するようになる。そして、外管1と内管2との間を不活性ガスで満たした状態でろう付加熱を行うことにより、外管1と内管2とがそれらの間のろう材を通じて互いに接合される。
次に、上記凸部3について詳しく説明する。
凸部3は、外管1及び内管2の長手方向(図1の左右方向)に延びるように形成される。より詳しくは、凸部3は、外管1及び内管2の中心線周りに螺旋状にねじれるように形成される。更に、凸部3は、図2に示すように、外管1及び内管2の周方向に等間隔をおいて複数(この例では三つ)形成される。このため、内管2の外周には、凸部3による山部と隣合う凸部3同士の間の谷部とが、内管2の周方向において交互に形成されることとなる。
内管2における凸部3の形成については、例えば次のような方法によって行うことができる。アルミニウム合金を押出加工によって円筒状にした管材を内管2を形成するための素材とし、上記管材(内管2の素材)に対するロール等を用いた転造加工を通じて、もしくはプレス加工を通じて上記凸部3を形成する。ちなみに、上記アルミニウム合金としては、加工性及びろう付性に優れる1000系または3000系のアルミニウム合金を用いることが好ましい。
なお、外管1についても、内管2と同様のアルミニウム合金を押出加工によって円筒状にした管材が、同外管1を形成するための素材として用いられる。外管1と内管2とのろう付は、上記凸部3において、その凸部3の延びる方向に連続的に、あるいは断続的に行われる。また、外管1と内管2とのろう付は、複数の凸部3のうちの少なくとも一つで行われればよく、複数の凸部3すべてで行ったり、一つあるいは二つで行ったりすることが考えられる。
次に、上記凸部3での外管1と内管2とのろう付について詳しく説明する。
外管1と内管2とをろう付する際には、外管1の内周が内管2における凸部3の外周よりも大径となるように外管1を形成しておき、内管2における凸部3の外周にろう材粉末及びフラックス粉末を含有するろう付組成物を塗布する。なお、図3は、内管2及び外管1における凸部3周りを拡大して示したものであり、その凸部3の外周にはろう材4(ろう付組成物)が配置されている。詳しくは、凸部3の外周には内管2に向かって突出する突起3aが形成されており、その突起3aにおける図3の幅方向両側及び凸部3の外周における上記突起3aと繋がる部分に上記ろう材4が配置されている。
外管1と内管2とのろう付を凸部3において同凸部3の延びる方向に連続的に行う場合、凸部3の外周に対し上記ろう付組成物を同凸部3の延びる方向に連続的に塗布する。このときのろう付組成物の塗布の方法としては、例えばロール転写やブラシによる塗布があげられる。
また、外管1と内管2とのろう付を凸部3において同凸部3の延びる方向に断続的に行う場合、凸部3の外周に対し上記ろう付組成物を同凸部3の延びる方向に断続的に塗布する。このときのろう付組成物の塗布の方法としては、例えば上記ロール転写において凹凸が付与されたロールを用いることで同ロールの凸部のろう付組成物を凸部3の外周に塗布する方法があげられる。また、凹凸が付与された上記ロールに代えて、通常のロールを用いる場合であっても、その通常のロール上のろう付組成物を断続的に除去すれば、凸部3の外周に断続的にろう付組成物を塗布することが可能である。
凸部3に対しろう付組成物が塗布された内管2は外管1内に挿入される。そして、内管2を外管1内に挿入して二重管とした後、外管1と内管2との間を窒素ガス、アルゴンガス、もしくはヘリウムガス等の不活性ガスで満たすとともに、内管2内に加熱された空気等の昇温用のガスを流す。なお、外管1と内管2との間を不活性ガスで満たすことは、外管1と内管2との間に不活性ガスを流し続けること、もしくは外管1と内管2との間に不活性ガスを充填した状態で外管1の両端部にコネクタやバルブ等を接続して上記不活性ガスを密封することによって実現できる。
外管1と内管2との間を不活性ガスで満たすとともに、内管2内に加熱された空気等の昇温用のガスを流した状態のもと、外管1及び内管2に対しろう付加熱を行う。こうしたろう付加熱は、例えば高温の炉内に外管1及び内管2を入れた状態で保持することによって行われる。なお、上記炉内の温度としては上記ろう付組成物の溶融温度よりも高い温度である例えば600〜605℃とすることが好ましく、その温度を保持する時間としては例えば3〜5分が好ましい。このように炉内の外管1及び内管2に対しろう付加熱を行うことにより、外管1と内管2とが上記ろう付組成物を通じて凸部3で接合される。
上記ろう付組成物に含有されるろう材粉末としては、シリコン(Si)の単体粉末を用いたり、アルミニウム(Al)とシリコンとの合成粉末を用いたりすることができる。また、A4045やA4047等のJISやAA規格に規定されるろう材用AlーSi合金粉末を上記ろう材粉末として用いることも可能である。上記ろう付組成物に含有されるフラックス粉末は、通常のアルミニウム合金のろう付に用いられるフッ化物系フラックス粉末でよい。
なお、上記ろう付組成物を凸部3に塗布した後、そのろう付組成物が脱落してしまうような場合には、必要に応じてろう付組成物にバインダを含有させることも可能である。このバインダとしては、メタクリル酸重合体等のアクリル樹脂、ウレタン樹脂など、ろう付加熱による昇温中に分解、揮発するものが好ましい。
上記ろう付組成物の成分比率としては、ろう付組成物全体の重量に対し、ろう材粉末の重量が例えば10%〜45%の範囲、フラックス粉末の重量が例えば30%〜80%の範囲、バインダの重量が例えば10%〜40%の範囲となるようにすることが好ましい。なお、ろう材粉末としてSi粉末を用いる場合、ろう付組成物全体に対するろう材粉末の比率を、ろう付組成物全体に対するフラックス粉末の比率よりも少なくすることが好ましい。また、ろう材粉末としてAl−Si合金粉末を用いる場合には、ろう付組成物全体に対するろう材粉末の比率が、ろう付組成物全体に対するフラックス粉末の比率よりも多くてもよい。
次に、本実施形態の熱交換器における二重管の接合方法の作用効果について説明する。
(1)ろう材(ろう付組成物)を通じて外管1と内管2とを接合(ろう付)するためのろう付加熱が、外管1と内管2との間を不活性ガスで満たした状態で行われる。このため、上記ろう付加熱を大気雰囲気中で行ったとしても、ろう付の際の上記ろう材における酸化皮膜の形成を抑制することができる。その結果、上記酸化皮膜の形成を抑制するために不活性ガスを満たした炉中や真空状態とした炉中に外管1及び内管2を入れて上記ろう付加熱を行う必要がなくなり、そうしたろう付加熱を実現するための設備等が大がかりなものとなることもない。従って、大がかりな設備を用いることなく外管1と内管2との間のろう付を実現することができる。
(2)上記ろう付加熱では、内管2よりも外管1が加熱されやすくなるため、その加熱を通じて外管1が内管2よりも拡径方向に熱膨張しやすくなる。仮に外管1が内管2と比較して拡径方向に大きく熱膨張すると、外管1の内周と内管2の外周(凸部3の外周)との間の距離が広がり、それに伴い上記ろう付加熱による外管1と内管2とのろう材を通じての接合(ろう付)が適正に行われなくなるおそれがある。こうしたことは、外管1の内周が内管2における凸部3の外周と同径となるように外管1を形成した場合と比較して、外管1の内周が内管2における凸部3の外周よりも大径となるよう外管1を形成した場合に、生じやすくなる。
しかし、本実施形態の二重管の接合方法によれば、上記ろう付加熱を行う前に内管2の内部に流される昇温用のガスによって内管2が加熱され、それによって内管2が拡径方向に熱膨張して凸部3の外周が外管1の内周に押し付けられるようになる。このため、そうした内管2の拡径方向についての熱膨張が行われた後、上記ろう付加熱により外管1が拡径方向に熱膨張したとき、外管1の内周と内管2(凸部3)の外周との間の距離が広がることを抑制できる。従って、その距離の広がりに伴い、上記ろう付加熱による外管1と内管2とのろう材を通じての接合が適正に行われなくなることを抑制できる。
(3)内管2に形成された凸部3の外周に対しろう付組成物を塗布した状態で、内管2を外管1内に挿入することにより、外管1と内管2(凸部3)との間にろう材が介在するようになる。そして、外管1と内管2との間を不活性ガスで満たした状態でろう付加熱を行うことにより、外管1と内管2とがそれらの間のろう材を通じて互いに接合される。
仮に、従来のように外管と内管との間に挿入されたインナーフィンを介してろう付によって外管と内管とを接合するような場合、外管と内管との間にインナーフィンを挿入し、更にインナーフィンを外管の内周と内管の外周とに対しそれぞれろう付しなければならず、それらの実現に手間がかかることは否めない。
しかし、本実施形態の二重管の接合方法によれば、外管1の内部に内管2を位置させることによって上記凸部3が外管1の内周に向けて突出した状態となり、その凸部3において外管1と内管2とのろう付による接合が行われるため、そうした接合に手間がかかることはない。従って、手間をかけることなく外管1と内管2とをろう付によって接合することができる。
なお、上記実施形態は、例えば以下のように変更することもできる。
・凸部3は外管1及び内管2の長手方向に直線状に延びていてもよい。
・凸部3の数については適宜変更してもよい。
・凸部3の数を四つ以上とする場合、凸部3での外管1と内管2とのろう付を内管2の周方向において一つおきに行うようにしてもよい。
・内管2(凸部3)の外周にろう付組成物を塗布する代わりに、内管2の外周と外管1の内周との少なくとも一方にろう材をクラッドするようにしてもよい。このときのろう材としては、A4045等のAl−Si合金を用いることが可能である。なお、内管2の外周と外管1の内周との少なくとも一方にろう材をクラッドした後には、そのろう材に対しフラックスが塗布される。なお、このときのフラックスは、通常のアルミニウム合金のろう付に用いられるフッ化物系フラックス等でよい。
・内管2(凸部3)の外周にろう付組成物を塗布する代わりに、内管2の外周にろう材を溶射して塗布するようにしてもよい。
・凸部3に対しろう付組成物が塗布された内管2を外管1内に挿入した後、外管1を縮径するための引き抜き加工を行うことにより、外管1の内径が引き抜き加工前の内管2における凸部3での外径よりも小さくなるようにし、内管2における凸部3の外周と外管1の内周とを接触させるようにしてもよい。
・ろう付加熱を行う際の炉内を大気とすることで大気雰囲気中でのろう付が行われるようになるが、その際の炉内を大気ではなく不活性ガスで満たしたり真空状態としたりすることも可能である。
・大気雰囲気中でのろう付加熱を行う場合、必ずしも炉内でろう付加熱を行う必要はなく、トーチによるろう付加熱など大気開放下でのろう付加熱を行うことも可能である。
・内管2にその外周から外管1側に向けて径方向に突出する凸部3を形成し、同凸部3で外管1と内管2とのろう付を行うようにしたが、上記凸部3に代えて、もしくは上記凸部3に加えて、図4に示すように外管1にその内周から内管2側に向けて径方向に突出する凸部5を形成し、同凸部5で外管1と内管2とのろう付を行うようにしてもよい。この場合、凸部5の内周にろう材4(ろう付組成物)が配置される。詳しくは、凸部5の内周に外管1に向かって突出する突起5aが形成され、その突起5aにおける図4の幅方向両側及び凸部5の内周における上記突起5aと繋がる部分に上記ろう材4が配置される。
ちなみに、内管2に凸部3を形成し、且つ外管1にも凸部5を形成する場合、内管2の凸部3及び外管1の凸部5の位置は周方向において一致していてもよいし、ずれていてもよい。内管2の凸部3及び外管1の凸部5の位置を周方向においてずらした場合、そのように凸部3と凸部5との周方向の位置がずれた状態のもとで、凸部3の外周が外管1に対しろう付されるとともに、凸部5の内周が内管2に対しろう付される。また、内管2の凸部3及び外管1の凸部5の位置を周方向において一致させる場合、内管2の凸部3と外管1の凸部5とが付き合わされた状態のもと、内管2の凸部3及び外管1の凸部5で外管1と内管2とのろう付が行われる。
1…外管、2…内管、3…凸部、3a…突起、4…ろう材、5…凸部、5a…突起。

Claims (7)

  1. アルミニウム合金製の外管及び内管からなる二重管を備えており、前記内管と前記外管との間を流れる流体と前記内管の内部を流れる流体との間での熱交換を行う熱交換器に適用され、ろう付加熱により前記外管と前記内管とをそれらの間のろう材を通じて接合する熱交換器における二重管の接合方法であって、
    前記ろう付加熱を行う前に前記外管と前記内管との間を不活性ガスで満たし、その後に前記外管と前記内管とを前記ろう付加熱によって互いに接合することを特徴とする熱交換器における二重管の接合方法。
  2. 前記ろう付加熱を行う前に前記内管の内部に昇温用のガスを流し、その後に前記ろう付加熱を行って前記外管と前記内管とを互いに接合する請求項1に記載の熱交換器における二重管の接合方法。
  3. 前記外管と前記内管とのうちの少なくとも一方には、もう一方に向けて前記外管及び前記内管の径方向に突出する凸部を形成し、その凸部において前記外管と前記内管との間に前記ろう材を介在させた状態で前記ろう付加熱を行う請求項1又は2に記載の熱交換器における二重管の接合方法。
  4. 前記凸部は、前記外管の内周に向けて突出するよう前記内管の外周に形成されるものであり、前記ろう材は、前記凸部に対し塗布されるろう材粉末である請求項3に記載の熱交換器における二重管の接合方法。
  5. 前記凸部は、前記外管の内周に向けて突出するよう前記内管の外周に形成されるものであり、前記ろう材は、前記内管の外周にクラッドされるものである請求項3に記載の熱交換器における二重管の接合方法。
  6. 前記凸部は、前記外管の内周に向けて突出するよう前記内管の外周に形成されるものであり、前記ろう材は、前記外管の内周にクラッドされるものである請求項3に記載の熱交換器における二重管の接合方法。
  7. 前記凸部は、前記外管の内周に向けて突出するよう前記内管の外周に形成されるものであり、前記ろう材は、前記内管の外周に溶射して塗布されるものである請求項3に記載の熱交換器における二重管の接合方法。
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