JP2019215033A - 転がり軸受 - Google Patents

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Yusuke Aoki
佑輔 青木
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Abstract

【課題】内外輪間で十分な通電性を確保することができる転がり軸受を提供する。【解決手段】転がり軸受1は、磁性流体シール10を備えている。磁性流体シール10は、導電性を有するとともに、外輪3に固定され環状開口部8を塞ぐ環状の本体部11と、本体部11と内輪2の外周面との間の環状隙間C1に介在しつつ、本体部11と内輪2とを電気的に接続する導電性磁性流体12と、を備えている。本体部11には、内輪2の外周面との間で環状隙間C1を構成し、内輪2の外周面との間で導電性磁性流体12を保持する筒状部20が設けられている。【選択図】 図2

Description

本発明は、車載モータ等の回転軸を支持する転がり軸受に関する。
下記特許文献1には、モータの回転軸を支持する転がり軸受が開示されている。
特開2008−286230号公報
車載モータやインバータモータ等といったモータの回転軸を支持する転がり軸受においては、内外輪間で電位差が生じることがある。内外輪間で電位差が生じたとしても、内外輪間は潤滑油による油膜によって絶縁される。しかし、内外輪間の電位差が油膜の絶縁破壊電圧を超えると、内外輪間に電流が流れ、転がり軸受内部に電食を生じさせる原因となる。
このような電食防止のため、内外輪間を電気的に接続して通電を確保し、内外輪間に電位差が生じるのを防止することが考えられる。
例えば、カーボンブラシ等を内外輪のうちの一方に摺接させることや、導電性を有する潤滑油を用いることで、内外輪を電気的に接続することが考えられるが、摩耗によるブラシ寿命や、潤滑油の導電性劣化等、耐久性の観点から好ましくない。
ここで、例えば、磁性流体を用いて内外輪間の環状隙間を密封する磁性流体シールを転がり軸受に適用しかつ磁性流体として導電性を有するものを用いれば、相対回転する内外輪間を磁性流体によって電気的に接続できると考えられる。
磁性流体シールを用いた場合、カーボンブラシを用いた場合に生じる内外輪の相対回転に伴う摩耗による摩耗粉の発生と転がり接触する部分へのかみ込みがないため、良好な耐久性を得ることができると考えられる。
図7(a)は、磁性流体シールを適用した転がり軸受の一例を示す断面図である。
図7(a)中、転がり軸受100が有する磁性流体シール101は、内輪102及び外輪103の環状開口部を塞ぐ環状の本体部104と、本体部104及び内輪102の外周面102aの間に介在する磁性流体105とを備えている。
本体部104は、円環板状の内リング106と、内リング106よりも軸方向外側に配置された円環板状の外リング107と、内リング106及び外リング107の間に介在した環状磁石108と、両リング106,107及び環状磁石108の外周側に配置された非磁性素材からなる外周リング109とを備えている。
図7(b)は、図7(a)の要部拡大図である。
内リング106の内周端面106a及び外リング107の内周端面107aは、内輪102の外周面102aに対して所定の隙間を置いて対向している。
磁性流体105は、内周端面107aと内輪102の外周面102aとの間に介在している。
ここで、各リング106,107,109が導電性の素材で形成されているとすると、磁性流体105に導電性を有する磁性流体を用いれば、外リング107と内輪102とが電気的に接続され、この結果、内輪102と外輪103とが電気的に接続される。
ところで、磁性流体105は、外リング107の内周端面107aと外周面102aとの間に介在しているので、外リング107が磁性流体105に接触する接触面積は、外リング107の板厚寸法によって制限される。
本体部104と、内輪102との間の密封を目的とする場合、外リング107が磁性流体105に接触する接触面積は、外リング107の板厚寸法程度で十分である。
しかし、外リング107と内輪102とを電気的に接続しようとする場合、外リング107が磁性流体105に接触する接触面積が外リング107の板厚寸法によって制限されることで、導電経路を大きく確保できず、十分な通電性が得られないおそれがある。
転がり軸受が車載モータやインバータモータ等の電気機器に用いられた場合に内外輪間に生じる電位差は数10から数100ボルトであり、十分な通電性がないと内外輪間の電位差を適切に解消できないおそれがある。
本発明はこのような事情に鑑みてなされたものであり、内外輪間で十分な通電性を確保することができる転がり軸受を提供することを目的とする。
上記目的を達成するための本発明である転がり軸受は、内輪と、前記内輪に対して相対回転可能な外輪と、前記内輪と前記外輪との間に転動可能に配設された複数の転動体と、を備えた転がり軸受であって、前記内輪及び前記外輪間の環状開口部をシールする磁性流体シールを備え、前記磁性流体シールは、導電性を有するとともに、前記外輪に固定され前記環状開口部を塞ぐ環状の本体部と、前記本体部と前記内輪の外周面との間の環状隙間に介在しつつ、前記本体部と前記内輪とを電気的に接続する導電性磁性流体と、を備え、前記本体部は、前記外輪に固定された第1リングと、前記第1リングに対して軸方向に並べて配置された第2リングと、前記第1リングと、前記第2リングとの間に介在し両リングを連結する環状磁石と、を備え、前記第1リングの内周端及び前記第2リングの内周端の少なくとも一方には、前記内輪の外周面との間で前記環状隙間を構成し、前記内輪の外周面との間で前記導電性磁性流体を保持する筒状部が設けられている。
上記構成の転がり軸受によれば、導電性磁性流体が、外輪に固定された本体部と内輪とを電気的に接続することにより、内外輪を電気的に接続することができる。
また、第1リングの内周端及び第2リングの内周端の少なくとも一方に、内輪の外周面との間で導電性磁性流体を保持する筒状部が設けられているので、第1リング及び/又は第2リングの厚み寸法に制限されることなく、本体部及び内輪における導電性磁性流体に対する接触面積を広く確保することができる。この結果、本体部と内輪との間の導電経路を大きく確保でき、内外輪間で十分な通電性を確保することができる。
また、上記転がり軸受において、前記第2リングと前記外輪の内周面との間には、前記第2リングと前記外輪との間で磁束通路が形成されるのを抑制する隙間が設けられていることが好ましい。
この場合、第2リングと外輪とを含んだ磁気回路が構成されるのを阻止することができ、第2リング、導電性磁性流体、及び内輪を磁束通路として含む磁気回路に磁束を集中させることができる。
上記転がり軸受において、前記環状磁石は、前記第1リング及び前記第2リングの少なくとも一方に形成された嵌合部に嵌合されていることが好ましい。
この場合、第1リング又は第2リングと環状磁石との間の位置決めが容易となり、磁性流体シールの組み立てが容易となる。この結果、転がり軸受の製造コストを低減できる。
本発明の転がり軸受によれば、内外輪間で十分な通電性を確保することができる。
図1は、第1実施形態に係る転がり軸受の断面図である。 図2は、図1中、本体部11の内周端部近傍を拡大した図である。 図3は、第2実施形態に係る転がり軸受1の要部断面図である。 図4は、第3実施形態に係る転がり軸受1の要部断面図である。 図5は、第4実施形態に係る転がり軸受1の要部断面図である。 図6は、評価試験の結果の一例を示すグラフである。 図7(a)は、磁性流体シールを適用した転がり軸受の一例を示す断面図、図7(b)は、図7(a)の要部拡大図である。
次に、本発明の好ましい実施形態について添付図面を参照しながら説明する。
〔第1実施形態〕
図1は、第1実施形態に係る転がり軸受の断面図である。
図1中、転がり軸受1は、内輪2と、内輪2の中心軸に外輪3の中心軸が一致するように同心に配置された外輪3と、内輪2及び外輪3の間に介在する複数の玉(転動体)4と、複数の玉4を周方向に保持する環状の保持器5とを備えており、深溝玉軸受を構成する。
内輪2は、軸受鋼や機械構造用鋼等からなる環状の部材であり、外周に玉4が転動する内輪軌道2aが形成されている。
外輪3は、軸受鋼や機械構造用鋼等からなる環状の部材であり、内周に玉4が転動する外輪軌道3aが形成されている。
複数の玉4は、軸受鋼等からなる部材であり、互いに対向する内輪軌道2a及び外輪軌道3aの間に転動可能に介在する。内輪2及び外輪3は、複数の玉4が介在することにより相対回転可能とされている。
また、転がり軸受1は、シールド6と、磁性流体シール10とを備えている。
シールド6は、亜鉛めっきされた冷間圧延鋼板等によって形成された環状の部材であり、軸方向一方側に開口する内輪2と外輪3との間の環状開口部7を塞ぐ。
シールド6は、外周端が加締められることで外輪3の軸方向一方側の内周端面に形成された溝部3bに固定されている。
シールド6の内周面6aは、内輪2の外周面に対して所定の隙間を介して対向しており、内輪2の外周面との間でラビリンスシールを構成している。
磁性流体シール10は、軸方向他方側に開口する内輪2と外輪3との間の環状開口部8を塞ぐ環状の本体部11と、本体部11と内輪2との間の環状隙間C1(後に説明する)に介在する導電性磁性流体12とを備えている。
本体部11は、外輪3に固定された第1リング15と、第1リング15に対して軸方向他方に並べて配置された第2リング16と、両リング15,16の間に介在して両リング15,16を連結する環状磁石17とを備えている。
第1リング15は、冷間圧延鋼板等の導電性及び磁性を有する素材によって形成されている。第1リング15の外周面15aは、外輪3の軸方向他方側の内周端部に形成された段部3cの内周面3c1に当接しており、第1リング15は、段部3cに嵌合固定されている。よって、第1リング15は、外輪3(内輪2)と同心となるように当該外輪3に固定される。
また、第1リング15の内側面15bは、段部3cの段差面3c2に当接している。
なお、以下の説明では、第1リング15、第2リング16、及び環状磁石17において転がり軸受1の軸方向一方側へ向く側面を内側面、転がり軸受1の軸方向他方側へ向く側面を外側面という。
第1リング15は、環状に形成されている。環状磁石17は環状に形成されている。
第1リング15の外側面15cは、環状磁石17の内側面17aと当接している。
環状磁石17は、例えば、フェライト磁石であり、環状磁石17と、第1リング15とは、互いに当接することで、環状磁石17の磁力により互いに固定される。
また、環状磁石17と、第1リング15とは、互いに中心軸が一致するように固定されている。
第2リング16は、環状に形成されている。
環状磁石17の外側面17bは、第2リング16の内側面16aと当接している。
第2リング16は、冷間圧延鋼板等の導電性及び磁性を有する素材によって形成されている。第2リング16と、環状磁石17とは、互いに当接することで、環状磁石17の磁力により互いに固定される。
また、第2リング16と、環状磁石17とは、互いに中心軸が一致するように固定される。よって、第1リング15、第2リング16、及び環状磁石17は互いに中心軸が一致するように固定される。
このように、環状磁石17は、第1リング15と、第2リング16との間に介在することで両リング15,16を連結している。また、第1リング15、第2リング16、及び環状磁石17は、当接することで互いに電気的に接続される。
なお、電気的に接続される状態とは、導電体同士が接触することで導通している状態をいう。
なお、第1リング15、第2リング16、及び環状磁石17は、環状磁石17の磁力によって互いに固定されているが、第1リングと環状磁石17との間、環状磁石17と第2リング16との間に、接着剤等からなる接着層を形成し、磁力に加えて接着層を介して互いに接着固定されていてもよい。この場合、接着層は、導電性を有するものが用いられる。
図2は、図1中、本体部11の内周端部近傍を拡大した図である。
内輪2の軸方向他方側の外周端部には、段部2bが形成されている。
第1リング15の内周端部15d、及び第2リング16の内周端部16bは、環状磁石17の内周面17cよりも、径方向内側に位置しており、内輪2の段部2bや、軸方向他方側の肩2cに近接している。
第1リング15の内周端部15dは、段部2bの段差面2b1、及び軸方向他方側の肩2cに近接している。
第1リング15の内周端部15dと、段差面2b1及び軸方向他方側の肩2cにおける内周端部15dに最も近接する位置aとの間の隙間の寸法Aは、環状磁石17による磁束通路が第1リング15と内輪2との間で形成可能な寸法に設定される。
第2リング16の内周端部16bには、筒状部20が設けられている。この筒状部20は、第2リング16に一体に形成された円筒状の部材であり、導電性及び磁性を有する。
筒状部20は、第2リング16の内周端部16bから軸方向内側へ延びており、内外輪2,3と中心軸が一致するように設けられている。
また、筒状部20の軸方向の長さ寸法は、少なくとも第2リング16の板厚の寸法よりも大きい。
筒状部20の内周面20aと、内輪2の段部2bの小径外周面2b2とは、隙間の寸法Cの環状隙間C1を介して互いに対向している。
また、第1リングの内周端部15dと、第2リングの内周端部16dと、が最も近接する隙間の寸法Bは、隙間の寸法Aよりも大きい。また、第1リングの内周端部15dと、第2リングの内周端部16dと、が最も近接する隙間の寸法Bは、隙間の寸法Cよりも大きい。
環状隙間C1には、上述のように、導電性磁性流体12が介在している。
この導電性磁性流体12は、磁性を有するとともに導電性を有しており、環状磁石17の磁力によって、環状隙間C1に保持される。
なお、導電性磁性流体12としては、株式会社フェローテック社製の商品名CFF100A、CFF200A等を用いることができる。
本実施形態において、例えば、環状磁石17の外側面17bがN極、内側面17aがS極であるとすると、図2中の破線Hで示すように、環状磁石17、第2リング16、導電性磁性流体12、内輪2、及び第1リング15の間で磁気回路が構成される。
導電性磁性流体12は、上記磁気回路による磁束によって環状隙間C1に保持される。
環状隙間C1に保持される導電性磁性流体12は、筒状部20の内周面20a及び内輪2の小径外周面2b2に接触している。
これにより、磁性流体シール10は、本体部11と、導電性磁性流体12とによって環状開口部8をシールする。
図1を参照して、第2リング16外周面の径寸法は、環状磁石17の外周面17dの径寸法とほぼ同じとされている。
第2リング16の外周端部16c及び環状磁石17の外周面17dは、図1に示すように、径方向において環状開口部8のほぼ中央に位置している。よって、第2リング16の外周端部16c及び環状磁石17の外周面17dと、段部3cの内周面3c1との間には、隙間の寸法Dの隙間C2が設けられている。この隙間C2は、第2リング16と外輪3との間で磁束通路が形成されない寸法に設定される。隙間の寸法Dは隙間の寸法A及び隙間の寸法Cよりも大きい。
つまり、隙間C2は、第2リング16と外輪3との間で磁束通路が形成されるのを抑制するための隙間である。
これにより、第2リング16と外輪3とを含んだ磁気回路が構成されるのを阻止することができ、第2リング16、導電性磁性流体12、及び内輪2を磁束通路として含む磁気回路に磁束を集中させることができる。これにより、導電性磁性流体12を環状隙間C1に保持する磁力を高めることができる。
また、導電性磁性流体12は、筒状部20と内輪2とに接触することで、筒状部20と内輪2とを電気的に接続する。
筒状部20は、第2リング16に一体に形成されており、第2リング16、環状磁石17、及び第1リング15と電気的に繋がっている。よって、磁性流体シール10は、内外輪2,3を電気的に接続する。
このため、本実施形態の転がり軸受1は、車載モータやインバータモータの回転軸の支持に用いる等、内外輪2,3間で電位差が生じる環境で使用した場合においても、磁性流体シール10によって内外輪2,3を電気的に接続でき、内外輪2,3間に電位差が生じるのを防止することができる。この結果、転がり軸受1内部に電食が生じるのを抑制することができる。
また、車載モータやインバータモータ等の電気機器に用いられた場合に内外輪2,3間に生じる電位差は数10から数100ボルトであるので、十分な通電性がないと内外輪2,3間の電位差を適切に解消できないおそれがある。
この点、本実施形態の転がり軸受1によれば、第2リング16の内周端部16bに、内輪2の小径外周面2b2との間で導電性磁性流体12を保持する筒状部20が設けられているので、上記従来例のように第2リング16の厚み寸法に制限されることなく、本体部11及び内輪2における導電性磁性流体12に対する接触面積を広く確保することができる。
この結果、本体部11と内輪2との間の導電経路を大きく確保でき、内外輪2,3間で十分な通電性を確保することができる。
また、本実施形態の転がり軸受1では、当該転がり軸受1に磁性流体シール10を用いて内外輪2,3を電気的に接続したので、例えば、カーボンブラシ等を追加的に設けて内輪と外輪とを電気的に接続した場合と比較して、小型化が可能となる。
〔第2実施形態〕
図3は、第2実施形態に係る転がり軸受1の要部断面図である。
第2実施形態に係る転がり軸受1は、環状磁石17に内嵌する嵌合部29が第1リング15に形成されている点、環状磁石17に外嵌する嵌合部32が第2リング16に形成されている点、及び第1リング15が加締められて外輪3に固定されている点において第1実施形態と相違している。また、第2リング16は第2リング16の径方向の外側で外輪3でなく第1リング15に最も近接している点において、第1実施形態と相違している。他の点については、第1実施形態と同様なので説明を省略する。
本実施形態の第1リング15は、外周端が加締められることで外輪3の軸方向他方側の内周端面に形成された溝部25に固定される。
第1リング15の嵌合部29は、第1リング15の内周端縁から軸方向他方側へ延びる筒状に形成されている。環状磁石17と、第1リング15とは、嵌合部29が環状磁石17の内周面17cに内嵌した状態で、互いに固定される。
なお、第1リング15の内周端部15dは、第1実施形態と同様、環状磁石17による磁束通路が第1リング15と内輪2との間で形成可能な程度に内輪2に対して近接配置される。
第1リング15と内輪2とが最も近接している位置の寸法は、隙間の寸法Aである。第2リング16と内輪2とが最も近接している位置の寸法は、隙間の寸法Cである。第2リング16が環状磁石17から離れた位置で、第1リング15と第2リング16とが最も近接している位置の寸法は、隙間の寸法Bである。第1リング15が環状磁石17から離れた位置で、第1リング15と第2リング16とが最も近接している位置の寸法は、隙間の寸法Eである。
隙間の寸法Bは、隙間の寸法A及び隙間の寸法Cよりも大きい。隙間の寸法Eは、隙間の寸法A及び隙間の寸法Cよりも大きい。
また、第2リング16の嵌合部32は、当該第2リング16の外周端縁から軸方向一方側へ延びる筒状に形成されている。第2リング16と、環状磁石17とは、嵌合部32が環状磁石17の外周面17dに外嵌した状態で、互いに固定される。
本実施形態では、第1リング15に嵌合部29が形成されているので、環状磁石17と第1リング15とを互いに固定する際において、環状磁石17と第1リング15とを同心に位置決めすることが容易となる。また、第2リング16に嵌合部32が形成されているので、環状磁石17と第2リング16とを互いに固定する際において、第2リング16と環状磁石17とを中心軸を一致させて位置決めすることが容易となる。
例えば、第1実施形態のように、第1リング15及び第2リング16に嵌合部が形成されていなければ、第1リング15、第2リング16、及び環状磁石17を治具等によって互いに同心に配置して本体部11を組み立てる必要がある。
これに対して、本実施形態のように、第1リング15及び第2リング16に嵌合部が形成されていれば、治具等を用いることなく本体部11を容易に組み立てることができる。
このように、治具等を用いることなく本体部11を容易に組み立てることができるので、磁性流体シール10の組み立てが容易となる。この結果、転がり軸受1の製造コストを低減できる。
〔第3実施形態〕
図4は、第3実施形態に係る転がり軸受1の要部断面図である。
第3実施形態に係る転がり軸受1は、環状磁石17に外嵌する嵌合部36が第1リング15に形成されている点、環状磁石17に内嵌する嵌合部41が第2リング16に形成されている点、及び第1リング15に形成された円筒状嵌合部38によって第1リング15が外輪3に固定されている点において第1実施形態と相違している。また、第2リング16は第2リング16の径方向の外側で外輪3でなく第1リング15に最も近接している点において、第1実施形態と相違している。他の点については、第1実施形態と同様なので説明を省略する。
本実施形態の第1リング15は、円環板状であるリング本体35と、リング本体35の外周端部から軸方向他方側へ延びる嵌合部36と、段部3cの内周面3c1に嵌合する円筒状嵌合部38と、円筒状嵌合部38と嵌合部36とを繋ぐ環状の接続部37とを備えている。
第1リング15は、円筒状嵌合部38を内周面3c1に嵌合することで外輪3に固定されている。このため、第1リング15を外輪3に取り付ける際に、加締め等の工程が不要であり、磁性流体シール10の取り付けが容易となる。
第1リング15の嵌合部36は、リング本体35の外周端縁から軸方向他方側へ延びる筒状に形成されている。環状磁石17と、第1リング15とは、嵌合部36が環状磁石17の外周面17dに外嵌し、かつ、環状磁石17の内側面17aとリング本体35の外側面35aとが当接した状態で、互いに固定される。
また、リング本体35の内周端部35bは、第1実施形態と同様、環状磁石17による磁束通路が第1リング15と内輪2との間で形成可能な程度に内輪2に対して近接配置される。
第1リング15と内輪2とが最も近接している位置の寸法は、隙間の寸法Aである。第2リング16と内輪2とが最も近接している位置の寸法は、隙間の寸法Cである。第2リング16が環状磁石17から離れた位置で、第1リング15と第2リング16とが最も近接している位置の寸法は、隙間の寸法Bである。第1リング15が環状磁石17から離れた位置で、第1リング15と第2リング16とが最も近接している位置の寸法は、隙間の寸法Eである。
隙間の寸法Bは、隙間の寸法A及び隙間の寸法Cよりも大きい。隙間の寸法Eは、隙間の寸法A及び隙間の寸法Cよりも大きい。
よって、本実施形態においても、環状磁石17、第2リング16、導電性磁性流体12、内輪2、及び第1リング15の間で磁気回路が構成される。
第2リング16は、円環板状であるリング本体40と、リング本体40の内周端部から軸方向一方側へ延びる嵌合部41と、嵌合部41と筒状部20とを繋ぐ環状の接続部42とを備えている。
嵌合部41は、リング本体40の内周端縁から軸方向内側へ延びる筒状に形成されている。環状磁石17と、第2リング16とは、嵌合部41が環状磁石17の内周面17cに内嵌し、かつ、環状磁石17の外側面17bとリング本体40の内側面40aとが当接した状態で、互いに固定される。
本実施形態においても、第1リング15及び第2リング16に嵌合部36及び嵌合部41が形成されているので、治具等を用いることなく本体部11を容易に組み立てることができる。
〔第4実施形態〕
図5は、第4実施形態に係る転がり軸受1の要部断面図である。
第4実施形態に係る転がり軸受1は、第1リング15の内周端部に筒状部20が設けられている点、第2リング16が第1リング15に対して軸方向一方側に並べて配置されている点、環状磁石17に外嵌する嵌合部51が第1リング15に形成されている点、及び環状磁石17に外嵌する嵌合部56が第2リング16に形成されている点、において第1実施形態と相違している。また、第2リング16は第2リング16の径方向の外側で外輪3でなく第1リング15に最も近接している点において、第1実施形態と相違している。他の点については、第1実施形態と同様なので説明を省略する。
本実施形態の第1リング15は、円環板状であるリング本体50と、リング本体50の外周端縁から軸方向一方側へ延びる嵌合部51と、外輪3の軸方向他方側の内周端面に形成された溝部25に加締めて固定される加締め部52と、加締め部52と嵌合部51とを繋ぐ環状の接続部53とを備えている。
第1リング15のリング本体50の内周端部50aには、筒状部20が設けられている。
第1リング15の嵌合部51は、リング本体50の外周端縁から軸方向内側へ延びる筒状に形成されている。環状磁石17と、第1リング15とは、嵌合部51が環状磁石17の外周面17dに外嵌し、かつ、環状磁石17の外側面17bとリング本体50の内側面50bとが当接した状態で、互いに固定される。
第2リング16は、円環板状であるリング本体55と、リング本体55の外周端縁から軸方向外側へ延びる嵌合部56と、リング本体55の内周端縁から軸方向一方側へ延びるつば部57とを備えている。
嵌合部56は、リング本体55の外周端縁から軸方向他方側へ延びる筒状に形成されている。環状磁石17と、第2リング16とは、嵌合部56が環状磁石17の外周面17dに外嵌し、かつ、環状磁石17の内側面17aとリング本体55の外側面55aとが当接した状態で、互いに固定される。
また、つば部57は、段部2bの軸方向一方側に隣接して形成された軸方向他方側の肩2cに対して対向するように筒状に形成されている。このつば部57の内周面57aと、大径外周面2cとの間の隙間の寸法Aは、環状磁石17による磁束通路が第1リング15と内輪2との間で形成可能な寸法に設定される。
第1リング15と内輪2とが最も近接している位置の寸法は、隙間の寸法Aである。第2リング16と内輪2とが最も近接している位置の寸法は、隙間の寸法Cである。第2リング16が環状磁石17から離れた位置で、第1リング15と第2リング16とが最も近接している位置の寸法は、隙間の寸法Bである。第1リング15が環状磁石17から離れた位置で、第1リング15と第2リング16とが最も近接している位置の寸法は、隙間の寸法Fである。
隙間の寸法Bは、隙間の寸法A及び隙間の寸法Cよりも大きい。隙間の寸法Fは、隙間の寸法A及び隙間の寸法Cよりも大きい。
よって、本実施形態においても、環状磁石17、第2リング16、導電性磁性流体12、内輪2、及び第1リング15の間で磁気回路が構成される。
さらに、つば部57は、内輪2の軸方向他方側の肩2cとの間で、ラビリンスシールを構成している。このため、つば部57は、転がり軸受1の内部の潤滑油が軸方向他方側へ漏洩するのを抑制し、磁性流体12と潤滑油とが混ざってしまうのを防止する。
本実施形態においても、第1リング15及び第2リング16に嵌合部51及び嵌合部56が形成されているので、治具等を用いることなく本体部11を容易に組み立てることができる。
〔通電性の評価試験について〕
次に、上記実施形態に係る転がり軸受1の通電性の評価に関する評価試験の結果について説明する。
評価試験には、実施例品として上記第4実施形態の転がり軸受を用いた。また、比較例品として図7(a)にて示した筒状部を備えていない磁性流体シールを備えた転がり軸受を用いた。なお、評価試験に用いた転がり軸受は、実施例品及び比較例品共に同じサイズの転がり軸受である。また、評価試験に用いた磁性流体シールの磁性流体は実施例品及び比較例品共に同じ導電性磁性流体を用いた。
評価試験としては、磁性流体シールに注入する磁性流体の量と、内外輪間の電気抵抗との関係を実施例品及び比較例品それぞれについて測定し、得られた電気抵抗を比較することで通電性を評価した。
図6は、評価試験の結果の一例を示すグラフである。
図6中、横軸は磁性流体シールに注入した磁性流体の注入量であり、縦軸は電気抵抗を示している。
図6に示すように、実施例品及び比較例品の両方において、磁性流体の注入量が少ない領域では、磁性流体の注入量の増加に伴って電気抵抗が序々に低下していることが判る。さらに、磁性流体の注入量が増加すると、磁性流体の注入量に応じた電気抵抗の低下がほとんど見られなくなる。
実施例品と比較例品とで電気抵抗を比較すると、グラフ中の線図は、常に実施例品の電気抵抗が、比較例品の電気抵抗を下回っていることが判る。
この評価結果より、磁性流体シールの本体部に筒状部を設けることで、本体部及び内輪における導電性磁性流体に対する接触面積を広く確保でき、この結果、内外輪間の電気抵抗を低下させることができ、内外輪間の通電性を向上させることができることが確認できた。
〔その他〕
なお、本発明は、上記実施形態に限定されることはない。
上記各実施形態では、第1リング15及び第2リング16のいずれか一方に筒状部20を設けて導電性磁性流体12を保持した場合を例示したが、第1リング15及び第2リング16の両方に筒状部20を設け、両方の筒状部20で導電性磁性流体12を保持してもよい。
また、上記各実施形態では、第1リング15及び第2リング16の内周端部に設けられた筒状部20が、第1リング15及び第2リング16に対して軸方向一方へ向けて延びることで断面L字型とされている場合を例示したが、筒状部20を第1リング15及び第2リング16に対して軸方向両方へ延ばし、断面T字型としてもよい。
また、上記実施形態では、転がり軸受として深溝玉軸受の場合を例示したが、アンギュラ玉軸受や、転軸受け等、他の転がり軸受であっても適用可能である。
1 軸受 2 内輪 2a 内輪軌道
2b 段部 2b1 段差面 2b2 小径外周面
2c 軸方向他方側の肩 3 外輪 3a 外輪軌道
3b 溝部 3c 段部 3c1 内周面
3c2 段差面 4 玉 5 保持器
6 シールド 6a 内周面 7 環状開口部
8 環状開口部 10 磁性流体シール 11 本体部
12 導電性磁性流体 15 第1リング 15a 外周面
15b 内側面 15c 外側面 15d 内周端部
16 第2リング 16a 内側面 16b 内周端部
16c 外周端部 17 環状磁石 17a 内側面
17b 外側面 17c 内周面 17d 外周面
20 筒状部 20a 内周面 25 溝部
29 嵌合部 32 嵌合部 35 リング本体
35a 外側面 35b 内周端部 36 嵌合部
37 接続部 38 円筒状嵌合部 40 リング本体
40a 内側面 41 嵌合部 42 接続部
50 リング本体 50a 内周端部 50b 内側面
51 嵌合部 52 加締め部 53 接続部
55 リング本体 55a 外側面 56 嵌合部
57 つば部 57a 内周面 C1 環状隙間 C2 隙間

Claims (3)

  1. 内輪と、前記内輪に対して相対回転可能な外輪と、前記内輪と前記外輪との間に転動可能に配設された複数の転動体と、を備えた転がり軸受であって、
    前記内輪及び前記外輪間の環状開口部をシールする磁性流体シールを備え、
    前記磁性流体シールは、
    導電性を有するとともに、前記外輪に固定され前記環状開口部を塞ぐ環状の本体部と、
    前記本体部と前記内輪の外周面との間の環状隙間に介在しつつ、前記本体部と前記内輪とを電気的に接続する導電性磁性流体と、を備え、
    前記本体部は、
    前記外輪に固定された第1リングと、
    前記第1リングに対して軸方向に並べて配置された第2リングと、
    前記第1リングと、前記第2リングとの間に介在し両リングを連結する環状磁石と、を備え、
    前記第1リングの内周端及び前記第2リングの内周端の少なくとも一方には、前記内輪の外周面との間で前記環状隙間を構成し、前記内輪の外周面との間で前記導電性磁性流体を保持する筒状部が設けられている
    転がり軸受。
  2. 前記第2リングと前記外輪の内周面との間には、前記第2リングと前記外輪との間で磁束通路が形成されるのを抑制する隙間が設けられている
    請求項1に記載の転がり軸受。
  3. 前記環状磁石は、前記第1リング及び前記第2リングの少なくとも一方に形成された嵌合部に嵌合されている
    請求項1又は請求項2に記載の転がり軸受。
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