JP2020085029A - 転がり軸受 - Google Patents

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Abstract

【課題】耐久性を損なうことなく、外輪と内輪とを安定的に導通させることが可能な転がり軸受を提供する。【解決手段】外輪2及び内輪3と、複数の転動体4と、外輪2と内輪3との間の環状開口部12をシールする磁性流体シール7とを備えた転がり軸受1において、磁性流体シール7は、導電性を有する磁性金属からなる磁路形成部材73及び磁石74を有して外輪2に取り付けられた本体部70と、内輪3と本体部70との間に介在して磁路形成部材73と内輪3とを電気的に接続する導電性磁性流体MRとを備える。本体部70と内輪3とは、導電性磁性流体MRを保持する第1隙間S1、及び第1隙間S1よりも転動体4側に位置する第2隙間S2において近接しており、転動体4の中心を含む軸方向断面ならびに転動体4を含まない軸方向断面の両断面において、第1隙間S1における磁束密度の平均値が第2隙間S2における磁束密度の平均値よりも高い。【選択図】図2

Description

本発明は、転がり軸受に関し、特に磁性流体シールを備えた転がり軸受に関する。
従来、例えばブラシレスモータのシャフトを支持する軸受として、特許文献1に記載のものが知られている。特許文献1に記載の軸受は、ブラシレスモータの固定子を保持するブラケットに取り付けられた外輪と、回転子に固定されたシャフトに外嵌された内輪と、外輪と内輪との間に配置された複数の転動体とを備えている。
また、特許文献1に記載の軸受は、巻線の磁界によって固定子及び回転子にそれぞれ異なる電圧が誘起されることに起因して発生する外輪と内輪との間の電位差により、転動体が転動する軌道面に電食が発生することを抑制するために、転動体を連続した孔を持つ焼結金属で構成している。そして、この構成によって転動体の転動時における潤滑油の動圧が低下するので、外輪と内輪とを転動体を介して安定的に導通させることができ、外輪及び内輪の電位差による放電の発生が抑制されて電食が抑えられるとされている。
一方、特許文献2には、磁石を一対のポールピースによって挟持して構成されたシール部材が外輪に取り付けられ、一対のポールピースのそれぞれと内輪との間の隙間に磁性流体が磁力によって保持された密封装置としての軸受が記載されている。
特開2015−21544号公報 特開昭63−246577号公報
特許文献1に記載の軸受では、転動体を連続した孔を持つ焼結金属で構成することにより電食を抑制しているが、このように転動体を構成することにより強度が低下し、使用状況によっては充分な耐久性を確保できないおそれがある。また、例えばカーボンブラシや導電性を有する潤滑油を用いて外輪と内輪を電気的に導通させれば、電食を抑制することができるとも考えられるが、この場合にはカーボンブラシの摩耗や潤滑油の導電性の劣化のおそれがあり、耐久性の観点から好ましくない。
ここで、特許文献2に記載された構成の軸受において磁性流体に導電性を持たせれば、耐久性を損なうことなく、外輪と内輪とをシール部材及び磁性流体を介して導通させることができるとも考えられる。しかし、特許文献2に記載の軸受では、一対のポールピースのそれぞれの先端部にあたる2箇所に磁性流体が存在するので、例えば振動によってこれら2箇所の間で磁性流体が移動してしまうと、磁路が適切に形成されなくなってしまうおそれがある。
そこで、本発明は、耐久性を損なうことなく、外輪と内輪とを安定的に導通させることが可能な転がり軸受を提供することを目的とする。
本発明は、上記の目的を達成するため、外輪及び内輪からなる一対の軌道輪と、及び前記一対の軌道輪の間に転動可能に配設された複数の転動体と、前記一対の軌道輪の間の環状開口部をシールする磁性流体シールと、を備えた転がり軸受であって、前記磁性流体シールは、導電性を有する磁性金属からなる磁路形成部材、及び前記磁路形成部材に磁束を発生させる磁石を有し、前記一対の軌道輪のうち一方の軌道輪に取り付けられた本体部と、前記一対の軌道輪のうち他方の軌道輪と前記本体部との間に介在し、前記磁路形成部材と前記他方の軌道輪とを電気的に接続する導電性磁性流体とを備え、前記本体部と前記他方の軌道輪とは、前記導電性磁性流体を保持する第1隙間、及び前記一対の軌道輪の軸方向において前記第1隙間よりも前記転動体側に位置する第2隙間において近接し、前記転動体の中心を含む軸方向断面ならびに前記転動体を含まない軸方向断面の両断面において、前記第1隙間における磁束密度の平均値が前記第2隙間における磁束密度の平均値よりも高い、転がり軸受を提供する。
本発明に係る転がり軸受によれば、耐久性を損なうことなく、外輪と内輪とを安定的に導通させることが可能となる。
本発明の実施の形態に係る転がり軸受を示す斜視断面図である。 (a)は、転がり軸受の一部を軸受中心軸Oに沿った軸方向断面で示す断面図であり、(b)は(a)のC部拡大図である。 (a)は、軸受中心軸Oと転動体の中心とを含む転がり軸受の軸方向断面における磁束密度の分布を示す図であり、(b)は、軸受中心軸Oを含み転動体を含まない転がり軸受の軸方向断面における磁束密度の分布を示す図である。 (a)は、比較例に係る転がり軸受の一部を軸受中心軸Oに沿った軸方向断面で示す断面図である。(b)は、(a)のD部を示す拡大図である。 (a)は、比較例に係る転がり軸受における軸受中心軸Oと転動体の中心とを含む軸方向断面における磁束密度の分布を示す図であり、(b)は、軸受中心軸Oを含み転動体を含まない軸方向断面における磁束密度の分布を示す図である。 (a)は、第2の実施の形態に係る転がり軸受の一部を軸受中心軸Oに沿った軸方向断面で示す断面図である。(b)は、(a)のE部を示す拡大図である。 (a)は、第2の実施の形態に係る転がり軸受における軸受中心軸Oと転動体の中心とを含む軸方向断面における磁束密度の分布を示す図であり、(b)は、軸受中心軸Oを含み転動体を含まない軸方向断面における磁束密度の分布を示す図である。
[第1の実施の形態]
本発明の第1の実施の形態について、図1乃至図3を参照して説明する。なお、以下に説明する実施の形態は、本発明を実施する上での好適な具体例として示すものであり、技術的に好ましい種々の技術的事項を具体的に例示している部分もあるが、本発明の技術的範囲は、この具体的態様に限定されるものではない。
図1は、本発明の実施の形態に係る転がり軸受を示す斜視断面図である。図2(a)は、転がり軸受の一部を軸受中心軸Oに沿った軸方向断面で示す断面図であり、図2(b)は、図2(a)のC部拡大図である。
この転がり軸受1は、一対の軌道輪としての外輪2及び内輪3と、外輪2と内輪3との間に転動可能に配設された複数の転動体4と、複数の転動体4を保持する樹脂製の保持器5とを、軸受本体10として備えている。転がり軸受1は、例えば電動式のモータに組み込まれ、モータの回転子に固定されたシャフトを支持するために用いられる。複数の転動体4は、シャフトの回転に伴い、外輪2の軌道面2a及び内輪3の軌道面3aを転動する。内輪3は、軸受中心軸Oを中心として外輪2に対して相対回転する。以下、軸受中心軸Oに平行な方向を軸方向という。
図1では、軸受中心軸Oを含む断面で転がり軸受1を軸方向に半円状に切断した場合の断面を示している。図面上方の断面は、転動体4の中心点CPを含む断面であり、図面下方の断面は、転動体4を含まない断面である。図2(a)は、図1のA矢視における軸受中心軸Oと転動体4の中心点CPとを含む転がり軸受1の断面を示している。
外輪2は、モータの固定子を保持するモータケースに取り付けられ、シャフトが内輪3に挿通される。外輪2、内輪3、及び転動体4は、導電性及び磁性(軟磁性)を有する金属からなる。具体的には、外輪2及び内輪3が軸受鋼や機械構造用鋼材からなり、転動体4は軸受鋼等からなる。本実施の形態では、転動体4が球状であり、転がり軸受1が玉軸受として構成されているが、転動体4として円筒ころや円錐ころ、あるいは針状ころを用いてもよい。
また、転がり軸受1は、軸方向一方側に開口する外輪2と内輪3との環状開口部11を塞ぐシールド6と、軸方向他方側に開口する外輪2と内輪3との環状開口部12を塞ぐ磁性流体シール7とを有している。シールド6は、例えば亜鉛めっきされた冷間圧延鋼板によって形成された環状の部材であり、外周側の端部が外輪2の軸方向一方側の内周面に形成された環状溝21に嵌合されることで外輪2に固定されている。シールド6は、内輪3の外周面との間でラビリンスシールを構成している。
磁性流体シール7は、外輪2に取り付けられた本体部70と、内輪3と本体部70との間に介在する導電性磁性流体MRとを備えている。本体部70は、第1リング71及び第2リング72からなる磁路形成部材73と、磁路形成部材73に磁束を発生させる磁石74とを有している。第1リング71、第2リング72、及び磁石74は、軸受中心軸Oを中心として同心状に配置されている。
第1リング71は、磁石74の軸方向一方側に配置され、第2リング72は磁石74の軸方向他方側に配置されている。第1リング71及び第2リング72は、導電性を有する磁性金属からなる環状の導電性部材であり、具体的には例えば冷間圧延鋼板からなる。
磁石74は、例えばフェライト等の硬磁性体を着磁した永久磁石である。磁石74の材料としては、導電性を有するMn−Zn系フェライトを好適に用いることができる。磁石74は、第1リング71側の軸方向一方側が例えばS極に着磁され、第2リング72側の軸方向他方側が例えばN極に着磁されている。ただし、軸方向一方側がN極に着磁され、軸方向他方側がS極に着磁されていてもよい。
第1リング71は、軸方向に対して垂直な平板状であり、外周側の端部が外輪2の軸方向他方側の内周面に形成された環状溝22に嵌合されることで外輪2に固定されている。また、第1リング71は、外輪2と電気的に導通している。なお、第1リング71を加締めや溶接によって外輪2に固定してもよい。
第2リング72は、軸方向に対して垂直な平板状の平板部721と、平板部721の内周側の端部から軸方向一方側に向かって延在する円筒部722とを一体に有している。磁石74は、第1リング71と第2リング72の平板部721との間に介在して配置されている。第1リング71、第2リング72、及び磁石74は、磁石74の磁力によって互いに固定されている。ただし、これらを接着剤を用いてより強固に固定してもよい。第2リング72は、磁石74及び第1リング71を介して外輪2と電気的に導通している。
内輪3は、軌道面3aよりも軸方向他方側の端部に、外輪2の環状溝22から離間するように径方向内方に窪んで形成された凹部31を有している。凹部31における内輪3の外周面31aは軸方向に対して平行であり、第2リング72の円筒部722の内周面722aと凹部31における内輪3の外周面31aとの間の第1隙間Sには、導電性磁性流体MRが保持されている。第1隙間Sの寸法(内周面722aと外周面31aとの間隔)は、例えば0.2mmである。導電性磁性流体MRは、磁石74の磁力及び表面張力により第1隙間Sに保持されている。
導電性磁性流体MRは、例えばシリコンオイルなどの溶剤に、Ni−Fe合金、鉄、マグネタイトなどの導電性を有する強磁性体粒子を分散させたものである。導電性磁性流体MRが第1隙間Sに介在することで、磁路形成部材73と内輪3とが電気的に接続されている。これにより、環状開口部12が磁性流体シール7により密封されると共に、外輪2と内輪3とが磁性流体シール7を介して電気的に導通する。導電性磁性流体MRとしては、例えば株式会社フェローテック社製の商品名CFF100A、CFF200Aを用いることができる。
磁性流体シール7の本体部70と内輪3とは、導電性磁性流体MRを保持する第1隙間S、及び軸方向において第1隙間Sよりも軸方向一方側(転動体4側)に位置する第2隙間Sにおいて近接している。これにより、第1リング71、第2リング72、及び内輪3を含む磁路に磁石74の磁束が流れる。また、磁石74の磁束の一部は、内輪3、複数の転動体4、及び外輪2を含む磁路にも流れる。
また、内輪3には、第1隙間Sと第2隙間Sとの間に、第1隙間Sと軸方向に向かい合う段差面3bが形成されている。段差面3bは、軸方向に対して垂直な円環状の平面である。段差面3bと軌道面3aとの間における内輪3の外周面は、軸方向に対して平行な円筒面3cとなっている。第2隙間Sは、段差面3b及び円筒面3cにより形成される内輪3の角部32と磁石74との間に形成されている。
転がり軸受1の製造時において、導電性磁性流体MRは、軸受本体10に磁性流体シール7を取り付けた後に環状開口部12から第1隙間Sに注入される。この導電性磁性流体MRは、第1隙間Sに留まることが望ましく、一部が第2隙間Sに移動してしまったり、さらに軌道面3aに移動してしまうことは望ましくない。導電性磁性流体MRの一部が第2隙間Sに移動してしまうと、第1隙間Sの導電性磁性流体MRが減少してしまい、適切に磁路を形成することができず、さらに導電性磁性流体MRの一部が軌道面3aに移動してしまうと、転動体4の円滑な転動に影響を与えてしまうためである。
ここで、本発明者は、磁場の解析等により、第2隙間Sの磁束密度が第1隙間Sの磁束密度よりも高いと、モータの振動等によって導電性磁性流体MRが第1隙間Sから第2隙間Sに移動しやすくなるとの知見を得た。また、本発明者は、外輪2及び内輪3の周方向において、転動体4が位置する部位と位置しない部位とで第2隙間Sにおける磁束密度が異なることを見出し、導電性磁性流体MRを安定的に第1隙間Sに保持するためには、周方向の何れの部位においても第1隙間Sの磁束密度の平均値が第2隙間Sにおける磁束密度の平均値よりも高くすべきであることに想到した。
図3(a)は、転動体4の中心を含む転がり軸受1の軸方向断面における磁束密度の分布を示す図であり、図3(b)は、転動体4を含まない転がり軸受1の軸方向断面における磁束密度の分布を示す図である。図3(a)及び(b)では、導電性磁性流体MRがない場合の磁束密度の分布を示しており、図3(a)では図2(b)に示す範囲の磁束密度の分布を示している。図3(b)に示す断面は、図1の図面下方に示すB矢視における転がり軸受1の断面の一部である。
図3(a)及び(b)では、第1隙間S及び第2隙間Sを破線で示している。図3(a)及び(b)に示す第1隙間S及び第2隙間Sは、所定量の導電性磁性流体を配置した場合に、当該導電性磁性流体を保持し得る空間である。
図3(a)において、第1隙間Sの平均磁束密度は0.36Tであり、第2隙間Sの平均磁束密度は0.18Tである。また、図3(b)において、第1隙間Sの平均磁束密度は0.33Tであり、第2隙間Sの平均磁束密度は0.26Tである。すなわち、転動体4が位置する部位、及び転動体4が位置しない部位の両部位において、第1隙間Sの磁束密度の平均値が第2隙間Sにおける磁束密度の平均値よりも高い。これにより、第1隙間Sに配置された導電性磁性流体MRが第2隙間Sに移動してしまうことを抑止でき、外輪2と内輪3とを安定的に導通させることが可能となっている。
(比較例)
次に、比較例に係る転がり軸受100について、図4及び図5を参照して説明する。図4及び図5において、第1の実施の形態に係る転がり軸受1について説明したものに対応する部材等には、図1乃至図3に付したものと共通する符号を付して重複した説明を省略する。
図4(a)は、比較例に係る転がり軸受100を示す断面図である。図4(b)は、図4(a)のD部を示す拡大図である。図5(a)は、転動体4の中心を含む転がり軸受100の軸方向断面における磁束密度の分布を示す図であり、図5(b)は、転動体4を含まない転がり軸受100の軸方向断面における磁束密度の分布を示す図である。
この転がり軸受100は、第1の実施の形態に係る転がり軸受1と同様の構成を具備しているが、転がり軸受100の磁石74の内径及び外径が転がり軸受1の磁石74の内径及び外径よりも小さい。また、第1リング71の内径は磁石74の内径と同じであり、第2リング72の外径は磁石74の外形と同じである。これにより、転がり軸受100では、内輪3の角部32と磁性流体シール7の本体部70との最短距離Dが、転がり軸受1における内輪3の角部32と磁性流体シール7の本体部70との最短距離D(図2(b)参照)よりも短くなっている。
図5(a)において、第1隙間Sの平均磁束密度は0.37Tであり、第2隙間Sの平均磁束密度は0.31Tである。また、図5(b)において、第1隙間Sの平均磁束密度は0.34Tであり、第2隙間Sの平均磁束密度は0.41Tである。すなわち、転動体4が位置する部位では、第1隙間Sの磁束密度の平均値が第2隙間Sにおける磁束密度の平均値よりも高いが、転動体4が位置しない部位では、第1隙間Sの磁束密度の平均値が第2隙間Sにおける磁束密度の平均値よりも低い。このため、比較例に係る転がり軸受100では、第1の実施の形態に係る転がり軸受1に比較して、転動体4が位置しない部位において第1隙間Sに配置された導電性磁性流体MRが第2隙間Sに移動しやすくなっている。
(第1の実施の形態の効果)
第1の実施の形態では、転動体4の中心を含む軸方向断面ならびに転動体4を含まない軸方向断面の両断面において、第1隙間Sにおける磁束密度の平均値が第2隙間Sにおける磁束密度の平均値よりも高いことにより、導電性磁性流体MRが第1隙間Sから第2隙間Sに移動してしまうことが抑止されている。これにより、外輪2と内輪3とを安定的に導通させることが可能となり、外輪2と内輪3との間の電位差によって軌道面2a,3aに電食が発生してしまうことを防ぐことができる。また、軸受本体10の構成や材料としては一般的に使用されているものをそのまま用いることができ、例えばカーボンブラシを用いる場合のように摩擦摺動する部分もないので、外輪2と内輪3とを導通させるための構成により転がり軸受1の耐久性が損なわれることもない。
また、第1の実施の形態では、第1隙間Sと第2隙間Sとの間に内輪3の段差面3bが形成されているので、導電性磁性流体MRが第1隙間Sから第2隙間Sに移動してしまうことがより確実に抑止されている。
[第2の実施の形態]
次に、本発明の第2の実施の形態について、図6及び図7を参照して説明する。図6及び図7において、第1の実施の形態に係る転がり軸受1について説明したものに対応する部材等には、図1乃至図3に付したものと共通する符号を付して重複した説明を省略する。
図6(a)は、第2の実施の形態に係る転がり軸受1Aの一部を軸受中心軸Oに沿った軸方向断面で示す断面図である。図6(b)は、図6(a)のE部を示す拡大図である。図7(a)は、軸受中心軸Oと転動体4の中心とを含む転がり軸受1Aの軸方向断面における磁束密度の分布を示す図であり、図7(b)は、軸受中心軸Oを含み転動体4を含まない転がり軸受1Aの軸方向断面における磁束密度の分布を示す図である。
この転がり軸受1Aは、磁石74の内外径が図4及び図5を参照して説明した比較例のものと同じであるが、第1リング71の内径が磁石74の内径よりも大きくされ、内輪3の角部32と磁性流体シール7の本体部70との最短距離Dが、比較例に係る転がり軸受100における最短距離Dよりも長くなっている。
図7(a)において、第1隙間Sの平均磁束密度は0.36Tであり、第2隙間Sの平均磁束密度は0.32Tである。また、図7(b)において、第1隙間Sの平均磁束密度は0.33Tであり、第2隙間Sの平均磁束密度は0.32Tである。すなわち、転動体4が位置する部位、及び転動体4が位置しない部位の両部位において、第1隙間Sの磁束密度の平均値が第2隙間Sにおける磁束密度の平均値よりも高い。
これにより、第1の実施の形態と同様に、第1隙間Sに配置された導電性磁性流体MRが第2隙間Sに移動してしまうことを抑止でき、外輪2と内輪3とを安定的に導通させることが可能となっている。したがって、この第2の実施の形態によっても、第1の実施の形態と同様の作用及び効果を得ることができる。
(付記)
以上、本発明を実施の形態に基づいて説明したが、これらの実施の形態は特許請求の範囲に係る発明を限定するものではない。また、実施の形態の中で説明した特徴の組合せの全てが発明の課題を解決するための手段に必須であるとは限らない点に留意すべきである。
また、本発明は、その趣旨を逸脱しない範囲で適宜変形して実施することが可能である。例えば、第1及び第2の実施の形態では、磁性流体シール7が外輪2に取り付けられ、導電性磁性流体MRが磁性流体シール7の本体部70と凹部31における内輪3の外周面31aとの間に配置された場合について説明したが、これとは逆に、磁性流体シール7を内輪3に取り付け、導電性磁性流体MRを磁性流体シール7の本体部70と外輪2の内周面との間に配置してもよい。
1,1A…転がり軸受 11,12…環状開口部
2…外輪 3…内輪
3b…段差面 4…転動体
7…磁性流体シール 70…本体部
71…第1リング 72…第2リング
73…磁路形成部材 74…磁石
CP…中心点 MR…導電性磁性流体
…第1隙間 S…第2隙間

Claims (1)

  1. 外輪及び内輪からなる一対の軌道輪と、及び前記一対の軌道輪の間に転動可能に配設された複数の転動体と、前記一対の軌道輪の間の環状開口部をシールする磁性流体シールと、を備えた転がり軸受であって、
    前記磁性流体シールは、
    導電性を有する磁性金属からなる磁路形成部材、及び前記磁路形成部材に磁束を発生させる磁石を有し、前記一対の軌道輪のうち一方の軌道輪に取り付けられた本体部と、
    前記一対の軌道輪のうち他方の軌道輪と前記本体部との間に介在し、前記磁路形成部材と前記他方の軌道輪とを電気的に接続する導電性磁性流体とを備え、
    前記本体部と前記他方の軌道輪とは、前記導電性磁性流体を保持する第1隙間、及び前記一対の軌道輪の軸方向において前記第1隙間よりも前記転動体側に位置する第2隙間において近接し、
    前記転動体の中心を含む軸方向断面ならびに前記転動体を含まない軸方向断面の両断面において、前記第1隙間における磁束密度の平均値が前記第2隙間における磁束密度の平均値よりも高い、
    転がり軸受。
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