JP2019214657A - 透明ポリイミドワニス及びフィルム - Google Patents

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Abstract

【課題】本発明は、製膜プロセス中に破断することなく表面平滑な透明フィルムを得ることができるポリアミド酸ワニスの提供を目的とする。【解決手段】ポリアミド酸ワニスが、ポリスチレン換算の重量平均分子量が50,000以上150,000以下であるポリアミド酸と、溶媒とを含み、ポリアミド酸ワニスの粘度が、15,000mPa・s以上300,000mPa・s以下であり、ポリアミド酸ワニスを光路長1cmで測定した際に、波長450nmにおける透過率が、35%以上であり、かつ波長600nmにおける透過率が85%以上である。【選択図】なし

Description

本発明は、ポリアミド酸ワニス、ポリイミドフィルム、ポリイミドフィルムの製造方法、及びフレキシブルディスプレイに関する。
近年、フレキシブルディスプレイなどの折り曲げ可能なデバイス、有機EL照明又は有機ELディスプレイなどの曲面を有するデバイスが検討されている。折り曲げ可能なデバイス及び曲面を有するデバイスにおいては、硬質基板ではなく、折り曲げ可能なフィルムを、表面保護層、カラーフィルター、タッチパネル、TFTなどを形成する基板として用いることが検討されていた。
また、透明電極フィルムのようなタッチパネル材料の分野では、ガラス代替品として、軽量化、薄膜化及びフレキシブル化の観点から樹脂フィルムを基板として用いることが検討されていた。
折り曲げ可能な樹脂フィルムとして、例えば、ポリエチレンテレフタレートフィルム(PETフィルム)又はポリエチレンナフタレートフィルム(PENフィルム)、また光学特性に優れるシクロオレフィンフィルム(COPフィルム)の採用が検討されている。
さらに、ポリイミド樹脂が、一般的に、耐熱酸化性、耐熱特性、耐熱放射性、耐低温性、及び、耐薬品性などに優れた特性を有しているため、ポリイミドフィルムを折り曲げ可能なフィルムとして採用することも検討されていた。例えば、特許文献1には、透明性、全光線透過率及び黄色度(YI)などの光学特性を維持しつつ耐屈曲性も有する光学フィルムを形成するための樹脂組成物として、ポリイミド系高分子と、特定の粒子径を有するシリカ微粒子とを含むハイブリッドワニスが提案されている。
特開2017−203159号公報
従来のポリイミドフィルムには表面平滑性について改良の余地がある。また、近年、ポリイミド前駆体であるポリアミド酸を含むワニスから透明ポリイミドフィルムを得るための製膜プロセス中の膜破断が問題となっていた。
したがって、本発明は、表面平滑なフィルムを得ることができ、かつ製膜プロセス中に破断することなく透明フィルムを得ることができるポリアミド酸ワニスの提供を目的とする。
上記課題は、以下の技術的手段によって解決されるものである。
[1]
(a)ポリアミド酸と(b)溶媒とを含むポリアミド酸ワニスであって、
(I)該ポリアミド酸のポリスチレン換算の重量平均分子量が、50,000以上150,000以下であること、
(II)該ポリアミド酸ワニスの粘度が、15,000mPa・s以上300,000mPa・s以下であること、及び
(III)該ポリアミド酸ワニスを光路長1cmで測定した際に、波長450nmにおける透過率が35%以上であり、かつ波長600nmにおける透過率が85%以上であること、
を特徴とするポリアミド酸ワニス。
[2]
前記ポリアミド酸が、下記式(A1)〜(A3):
Figure 2019214657
Figure 2019214657
Figure 2019214657
で表される四価の有機基の少なくとも1種、及び/又は下記式(B1)〜(B5):
Figure 2019214657
Figure 2019214657
Figure 2019214657
Figure 2019214657
Figure 2019214657
で表される二価の有機基の少なくとも1種を有する、[1]に記載のポリアミド酸ワニス。
[3]
前記ポリアミド酸が、前記式(B1)及び(B2)で表される二価の有機基を有する、[1]又は[2]に記載のポリアミド酸ワニス。
[4]
前記溶媒が、エステル基、エーテル基、ケトン基、水酸基、スルホン基及びスルフィニル基から成る群から選択される少なくとも1種を含む、[1]〜[3]のいずれか1項に記載のポリアミド酸ワニス。
[5]
前記溶媒が、γ−ブチロラクトンを含む、[4]に記載のポリアミド酸ワニス。
[6]
(c)シリカ粒子をさらに含む、[1]〜[5]のいずれか1項に記載のポリアミド酸ワニス。
[7]
前記ポリアミド酸の一部に、アミド酸以外の構造に由来する非共有電子対を持つ構造(α)を有する、[6]に記載のポリアミド酸ワニス。
[8]
前記構造(α)が、アミド酸以外の構造に由来する窒素上の非共有電子対を持つ、[7]に記載のポリアミド酸ワニス。
[9]
前記構造(α)が、下記式(α1)及び(α2):
Figure 2019214657
Figure 2019214657
で表される構造の少なくとも1種である、[7]又は[8]に記載のポリアミド酸ワニス。
[10]
前記ポリアミド酸ワニスを光路長1cmで測定した際に、波長450nmにおける透過率が98%以下であり、かつ波長600nmにおける透過率が98%以下である、[1]〜[9]のいずれか1項に記載のポリアミド酸ワニス。
[11]
[1]〜[10]のいずれか1項に記載のポリアミド酸ワニスの硬化物であるポリイミドフィルムであって、該フィルムの黄色度(YI)が、3以下であり、かつヘイズ(Haze)が1以下であるポリイミドフィルム。
[12]
γ−ブチロラクトンを0.01質量%以上20質量%以下含有する、[11]に記載のポリイミドフィルム。
[13]
[5]に記載のポリアミド酸ワニスを空気中で乾燥させる乾燥工程を含む、ポリイミドフィルムの製造方法。
[14]
表示部を構成するフィルム基材の少なくとも一層として、[11]又は[12]に記載のポリイミドフィルムを備えるフレキシブルディスプレイ。
本発明によれば、ポリアミド酸ワニスを用いる製膜プロセス中に破断することなく表面平滑な透明ポリイミドフィルムを提供することができる。
以下、本発明の実施形態(以下、「本実施形態」という。)について、詳細に説明する。なお、本発明は、以下の実施形態に限定されるものではなく、その要旨の範囲内で種々変形して実施することができる。本願明細書において、各数値範囲の上限値及び下限値は任意に組み合わせることができる。
<ポリアミド酸ワニス>
本実施形態に係るポリアミド酸ワニスは、(a)ポリアミド酸と、(b)溶媒と、所望により(c)シリカ粒子及び/又は添加剤とを含む。
本実施形態に係るポリアミド酸ワニスは、
(I)該ポリアミド酸のポリスチレン換算の重量平均分子量が、50,000以上150,000以下であること、
(II)該ポリアミド酸ワニスの粘度が、15,000mPa・s以上300,000mPa・s以下であること、及び
(III)該ポリアミド酸ワニスを光路長1cmで測定した際に、波長450nmにおける透過率が、35%以上であり、かつ波長600nmにおける透過率が85%以上であること、
を特徴とする。
(I)については、ポリアミド酸のポリスチレン換算の重量平均分子量が50,000以上150,000以下であると、ポリアミド酸ワニスの粘度を15,000mPa・s以上300,000mPa・s以下の範囲内に調整し易く、かつポリアミド酸ワニスからのポリイミドフィルム製膜中に重量平均分子量が減少したとしても破断しない程度のフィルム強度を確保し易い。ポリアミド酸の重量平均分子量(Mw)は、ゲルパーミエーションクロマトグラフィー(GPC)により測定されることができる。
(II)については、ポリアミド酸ワニスの粘度を15,000mPa・s以上300,000mPa・s以下の範囲内に制御することによって、液だれ、オレンジピール、発泡などの現象を抑制して、製膜中に破断することなく表面平滑な透明フィルムを得られる傾向にある。この傾向は、空気中の製膜において及び/又はラクトン系溶媒の存在下で顕著である。ワニス粘度は、23℃でE型粘度計により測定されることができる。
(III)については、波長450nmにおける透過率が35%以上であるポリアミド酸ワニスから得られるポリイミドフィルムは、黄変し難い傾向にあり、かつ波長600nmにおける透過率が85%以上であるポリアミド酸ワニスから無色透明なポリイミドフィルムが得られる傾向にある。理論に拘束されることを望まないが、(b)溶媒又はポリアミド酸の官能基に由来する吸光は、主に300nm以下の波長域に見られ、また有色又は黄変のポリアミド酸又はポリイミドは、波長450nmでの光線透過率が35%未満であることが考えられる。ワニスの光線透過率は、紫外可視吸収スペクトル測定において、20質量%のワニス固形分濃度で測定されることができる。
ポリアミド酸ワニスの波長450nmにおける透過率は、高いほど好ましく、例えば、40%以上が好ましく、45%以上が好ましく、又は50%以上が好ましい。
ポリアミド酸ワニスの波長600nmにおける透過率は、高いほど好ましく、例えば、88%以上が好ましく、90%以上が好ましく、92%以上が好ましく、又は95%以上が好ましい。
ポリアミド酸ワニスの波長450nmにおける透過率は、特に限定されるものではないが、100%以下であってもよく、99%以下であってもよく、98%以下であってもよく、95%以下であってもよく、又は90%以下であってもよい。
ポリアミド酸ワニス又はポリイミドフィルムの波長600nmにおける透過率の上限は、特に限定されるものではないが、100%以下であってもよく、99%以下であってもよく、98%以下であってもよく、97%以下であってもよく、又は96%以下であってもよい。
(a)ポリアミド酸
本実施形態では、(a)ポリアミド酸は、ポリイミド前駆体として使用されることができ、そのために、イミド部分(−NHCO−)とともに、イミド化反応に供されることができる酸基、例えば−COOHを有してよい。
本実施形態に係るワニス中のポリアミド酸のポリスチレン換算の重量平均分子量は、50,000以上150,000以下である。ポリアミド酸のポリスチレン換算の重量平均分子量が50,000以上150,000以下であると、ポリアミド酸ワニスの粘度を15,000mPa・s以上300,000mPa・s以下の範囲内に調整し易く、かつポリアミド酸ワニスからのポリイミドフィルム製膜中に重量平均分子量が減少したとしても破断しない程度のフィルム強度を確保し易い。このような観点から、ポリアミド酸の重量平均分子量は、好ましくは60,000以上140,000以下、より好ましくは70,000以上130,000以下である。
ポリアミド酸は、イミド化時又はイミド化後に芳香族性と脂肪族性のバランスを取って透明性を確保するという観点から、下記式(A1)〜(A3):
Figure 2019214657
Figure 2019214657
Figure 2019214657
で表される四価の有機基の少なくとも1種、及び/又は下記式(B1)〜(B5):
Figure 2019214657
Figure 2019214657
Figure 2019214657
Figure 2019214657
Figure 2019214657
で表される二価の有機基の少なくとも1種を有することが好ましい。
理論に拘束されることを望まないが、式(A2)、(A3)又は(B5)で表される構造がポリアミド酸又はそのポリイミドに導入されることにより、相対的に芳香族基の構成単位のモル比が下がると、π共役が減少すること、及びπ−πスタック現象が抑制されることにより、フィルムの透明性を確保し易くなることが考えられる。
理論に拘束されることを望まないが、式(A1)又は(B1)〜(B4)で表される構造がポリアミド酸又はそのポリイミドに導入されることにより、スルホニル基又はフルオロアルキル基などの立体障害基がポリイミドのCT(Charge Transfer)錯体形成を抑制して、透明性を確保し易くなることが考えられる。
ポリアミド酸において、式(A1)〜(A3)で表される四価の有機基の少なくとも1種と式(B1)〜(B5)で表される二価の有機基の少なくとも1種が、−NHCO−を介して結合してよく、例えば、ポリアミド酸は、下記一般式(1):
Figure 2019214657
{式中、Xは4価の有機基であり、Yは2価の有機基であり、nは2〜150の整数であり、そしてR及びRは、それぞれ独立に、水素原子又は1価の有機基である}
で表される構造単位を有することができる。
一般式(1)において、4価の有機基Xは、式(A1)〜(A3)で表される四価の有機基の少なくとも1種でよく、2価の有機基Yは、式(B1)〜(B5)で表される二価の有機基の少なくとも1種でよい。また、4価の有機基Xは、事後的なイミド化のために、少なくとも1つの酸基、例えば−COOHを有することが好ましく、具体的には、一般式(1)においてR及びRの少なくとも一方は水素原子であることができる。
一般に、ポリイミド前駆体であるポリアミド酸は、X基を有する酸二無水物と、Y基を有するジアミンとの共重合体である。その場合、式(A1)〜(A3)で表される四価の有機基は、酸二無水物に由来し、式(B1)〜(B5)で表される二価の有機基は、ジアミンに由来することができる。
例えば、式(A1)で表される四価の有機基は、4,4’−(ヘキサフルオロイソプロピリデン)ジフタル酸無水物(略称:6FDA)などに由来し、式(A2)で表される四価の有機基は、1,2,4,5−シクロヘキサンテトラカルボン酸二無水物(略称:HPMDA)などに由来し、かつ式(A3)で表される四価の有機基は、ビシクロ[2.2.2]オクト−7−エン−2,3,5,6−テトラカルボン酸二無水物(略称:BTA)などに由来する。
例えば、式(B1)で表される二価の有機基は、3,3’−ジアミノジフェニルスルホン(略称:3−DAS)などに由来し、式(B2)で表される二価の有機基は、4,4’−ジアミノジフェニルスルホン(略称:4−DAS)などに由来し、式(B3)で表される二価の有機基は、2,2’−ビス(トリフルオロメチル)ベンジジン(略称:TFMBまたはTFDB)などに由来し、式(B4)で表される二価の有機基は、2,2−ビス(4−アミノフェニル)ヘキサフルオロプロパン(略称:6FDAm)などに由来し、かつ式(B5)で表される二価の有機基は、1,4−シクロヘキサンジアミン(trans体、cis体、又はcis−,trans−混合体)などに由来する。
ポリアミド酸は、ポリイミドの可溶性及びポリイミドフィルムの靭性の観点から、式(B1)で表される二価の有機基と式(B2)で表される二価の有機基の両方を有することが好ましい。ポリイミドの可溶性とポリイミドフィルムの靭性のバランスを取るためには、ポリアミド酸における式(B1)で表される二価の有機基と式(B2)で表される二価の有機基の割合が、式(B1):式(B2)のモル比として、好ましくは6:4〜2:8であり、より詳細には6:4、5:5、4:6、3:7又は2:8であることができる。
ポリアミド酸ワニスが後述の(c)シリカ粒子を含む場合には、シリカ粒子の分散性の観点から、ポリアミド酸は、その分子の一部分に、アミド酸以外の非共有電子対を持つ構造(α)を有することが好ましい。アミド酸以外の非共有電子対とシリカ粒子表面上の官能基との相互作用によって、シリカ粒子の(b)溶媒への分散性を確保し、ひいては分散剤又は界面活性剤を含まないポリアミド酸ワニスを達成することができる。このような観点から、構造(α)は、より好ましくは、アミド酸以外の窒素上に非共有電子対を有し、さらに好ましくは、下記式(α1)及び(α2):
Figure 2019214657
Figure 2019214657
で表される構造の少なくとも1種である。
式(α1)及び(α2)で表される構造は、ポリアミド酸の合成時において、例えば、5−アミノ−2−(4−アミノフェニル)−ベンゾイミダゾール(略称:ABI)、4,4’−ジアミノベンズアニリド(略称:DABA)などを使用することによりポリアミド酸に導入されることができる。
(b)溶媒
本実施形態では、(b)溶媒として、ポリアミド酸又はポリイミドを溶解することができる既知の溶媒を使用してよい。既知の溶媒の中でも、上記で説明されたワニス粘度の制御、約250℃以下の比較的低温でのイミド化、ポリイミドフィルムの透明性などの観点から、エステル基、エーテル基、ケトン基、水酸基、スルホン基及びスルフィニル基から成る群から選択される少なくとも1種を含む溶媒が好ましい。
エステル基を有する溶媒としては、エステル系溶媒、例えば、酢酸メチル、酢酸エチル、酢酸ブチル、炭酸ジメチルなどが挙げられる。
エステル基又はエーテル基を有する溶媒としては、ラクトン系溶媒、例えば、γ−ブチロラクトン(GBL)、δ−バレロラクトン、ε−カプロラクトン、γ−クロトノラクトン、γ−ヘキサノラクトン、α−メチル−γ−ブチロラクトン、γ−バレロラクトン、α−アセチル−γ−ブチロラクトン、δ−ヘキサノラクトンなどが挙げられる。
ケトン基を有する溶媒としては、ケトン系溶媒、例えば、アセトン、メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトン、シクロヘキサノンなどが挙げられる。
水酸基を有する溶媒としては、フェノール系溶媒、例えば、m−クレゾールなどが挙げられる。
スルホン基を有する溶媒としては、メチルスルホン、エチルフェニルスルホン、ジエチルスルホン、ジフェニルスルホン、スルホラン、ビスフェノールS、ソラプソン、ダプソン、ビスフェノールAポリスルホン、スルホランなどが挙げられる。
スルフィニル基を有する溶媒としては、スルホキシド系溶媒、例えば、N,N−ジメチルスルホキシド(DMSO)などが挙げられる。
これらのうち、ポリイミドフィルムの黄変の抑制、約220℃以下の比較的低温でのイミド化、空気中でのイミド化などの観点から、GBLが好ましい。
なお、上記で列挙された溶媒以外に、アミド系溶媒、例えば、N−メチル−2−ピロリドン(NMP)、N,N−ジメチルホルムアミド(DMF)、N,N−ジメチルアセトアミド(DMAc)などを使用することができる。
(c)シリカ粒子
ポリアミド酸ワニスは、ポリイミドフィルムの弾性率向上又は光学特性向上の観点から、シリカ粒子を含むことが好ましい。シリカ粒子は、二酸化ケイ素の粒子であり、非晶質であることが好ましい。非晶質に酸化ケイ素の形状としては、例えば、球状、回転楕円体状、扁平楕円体状、鎖状などが挙げられる。
シリカ粒子は、その走査型電子顕微鏡(SEM)の画像解析により求められる平均一次粒子径が、ポリイミドフィルムの光学特性の観点から、好ましくは21nm以上40nm以下であり、より好ましくは23nm以上40nm以下であり、さらに好ましくは25nm以上40nm以下である。
ポリアミド酸ワニス中の(c)シリカ粒子の含有量は、ポリイミドフィルムの弾性率と耐屈曲性のバランスを取るという観点から、(a)ポリアミド酸と(c)シリカ粒子の合計質量を基準として、好ましくは、10質量%以上80質量%以下、より好ましくは20質量%以上70質量%以下、さらに好ましくは25質量%以上60質量%以下である。
ポリアミド酸ワニスが(c)シリカ粒子を含む場合には、生産性、環境への配慮、フィルムの透明性などの観点から、ポリアミド酸ワニスは、後述される添加剤としての分散剤又は界面活性剤を含まないことが好ましく、(a)ポリアミド酸は、その一部に、上記で説明された構造(α)を有することがより好ましい。
添加剤
本実施形態では、ポリアミド酸ワニスに適宜の添加剤を添加してよい。添加剤は、例えば、フィルムの塗工性を改善する為のレベリング剤、分散剤又は界面活性剤、フィルムの支持体からの剥離性若しくは接着性を調整する為の界面活性剤又は密着助剤、フィルムに難燃性を付与する為の難燃剤、炭酸ストロンチウム等のシリカ以外の無機粒子、ポリスチレン、ポリビニルナフタレン、ポリメチルメタクリレート、セルローストリアセテート、フルオレン誘導体等の有機化合物、酸化防止剤、紫外線防止剤、光安定剤、可塑剤、ワックス類、充填剤、顔料、染料、発泡剤、消泡剤、脱水剤、帯電防止剤、抗菌剤、防カビ剤などがでよい。
レベリング剤としては、例えば、エチレンオキシドとポリジメチルシロキサンのコポリマーがフィルムの透明性の観点より好ましい。
なお、ワニスに添加された添加剤は、ポリイミドフィルムに残留してよい。
<ワニスの製造方法>
本実施形態に係るポリアミド酸ワニスの製造方法は、(b)溶媒中に、上記で説明されたジアミンと酸二無水物を溶解して、ポリイミド前駆体としての(a)ポリアミド酸を生成することを含む。ポリアミド酸の生成時又は生成後に、(c)シリカ粒子及び/又は添加剤を反応溶媒に加えてよい。反応溶媒に添加された(c)シリカ粒子及び/又は添加剤は、そのままポリイミドフィルムに含有されることができる。得られた反応溶媒は、そのままポリアミド酸ワニスとして使用されるか、又は別の溶媒に置換されることができる。
<ポリイミド>
本実施形態に係るポリアミド酸ワニスのイミド化後のワニス、又は製膜プロセス後のポリイミドフィルムは、下記式(2):
Figure 2019214657
{式中、X及びYは、一般式(1)中のX及びYと同じであり、mは正の整数である。}
で表される構造単位を有するポリイミドを含むことが好ましい。
上記項目「(a)ポリアミド酸」で説明された理由と同様に、上記一般式(1)中の好ましいXとYは、一般式(2)で表される構造単位を有するポリイミドにおいても好ましい。一般式(2)中の繰り返し単位数mは、特に限定されず、例えば、2〜150の整数でよい。
また、上記一般式(1)で表される構造単位を有する(a)ポリアミド酸と(b)溶媒とを含むワニスを、上記一般式(2)で表される構造単位を有するポリイミドに変換する工程を含むポリイミドの製造方法も本発明の一態様である。
<ポリイミドフィルム>
ポリイミドフィルムは、ポリイミドを主成分として含むフィルムである。本明細書において、フィルムが「ポリイミドを主成分として含む」とは、フィルムの全質量を基準として、ポリイミドを50質量%以上含むことを意味する。ポリイミドフィルムは、フィルムの全質量を基準として、ポリイミドを好ましくは60質量%以上、より好ましくは70質量%以上、更に好ましくは80質量%以上含む。また、ポリイミドフィルムは、(c)シリカ粒子及び/又は添加剤をさらに含んでよい。
ポリイミドフィルム中にγ−ブチロラクトンが0.01質量%以上20質量%以下の量で含まれることが好ましい。γ−ブチロラクトンの含有量は、フィルムの黄変を抑制し、無色透明なフィルムを得るという観点から、0.01質量%以上であり、フィルムのロール又は表面べたつきによるスタッキングを抑制するという観点から、20質量%以下である。ポリイミドフィルム中のγ−ブチロラクトンは、本実施形態に係るポリアミド酸ワニスの(b)溶媒に由来することができる。なお、本明細書では、「無色透明なフィルム」とは、フィルムの波長450nmにおける光線透過率が80%以上であり、ヘイズが2以下であり、黄色度(YI)が、5.0以下の状態をいう。従って、本実施形態のポリイミドフィルムは、タッチパネル、ディスプレイなどの光学用途に好適に用いることができる。
本実施形態に係るポリイミドフィルムの黄色度(YI)は、好ましくは5.0以下、より好ましくは3.0以下、更に好ましくは2.0以下である。その場合、ポリイミドフィルムの膜厚は、0.1μm〜50μmの範囲内であることが好ましく、1μm〜25μmの範囲内であることがより好ましく、またポリイミドフィルムのヘイズ(Haze)は、2以下であること好ましく、更に好ましくは1以下である。
フレキシブルデバイス用のフィルム基板に用いる際は、デバイスの薄膜化と耐屈曲性の向上の観点から、ポリイミドフィルムの膜厚は、1μm〜50μmの範囲内であることが好ましく、より好ましくは1μm〜25μmの範囲内である。
本実施形態に係るポリイミドフィルムは、例えば、支持体の表面上に形成されたポリイミドフィルム、又は支持体がなくても支持性のあるフィルム(自立フィルム)でよい。フィルムはロールフィルムとして加工プロセスに適用させる観点から自立フィルムであることが好ましい。本実施形態に係るポリイミドフィルムは、PETフィルム又はCOPフィルムと同様にガラスの代替品として用いることができ、更には折り畳み式の表示体又は曲面に追従した表示体に用いることができる。
<ポリイミドフィルムの製造方法>
本実施形態に係るポリイミドフィルムの製造方法は、例えば:
・ポリイミド前駆体であるポリアミド酸を加熱して、イミド化の際に発生する水を系外に除去しつつポリイミドを生成することで、ポリイミド及び溶媒を含有するポリイミドワニスを得るイミド化工程;
・ポリアミド酸又はポリイミドワニスを支持体上に塗工する塗工工程;及び
・ワニスの溶媒を乾燥させる乾燥工程;
を含むことができる。
ポリイミドフィルムの製造方法において、イミド化工程と塗工工程のいずれかを先行して逐次的に行うか、又は同時に行ってよい。
イミド化工程でのイミド化条件は、特に限定されないが、例えば、反応温度は0℃〜200℃でよく、反応時間は3〜72時間でよく、反応雰囲気は、アルゴン又は窒素などの不活性雰囲気でよい。所望により、トルエンやシクロヘキサンなどの水と共沸する溶媒をポリアミド酸ワニスに加えて、ポリアミド酸の加熱を促進してよい。
塗工工程は、フィルムの用途に応じて、各種の塗工装置を用いて行われることができ、例えば、スピンコート、スリットコート、スロットダイコート及びブレードコートなどの公知の塗工方法を用いてよい。
塗工工程で使用される支持体は、例えば、硬質基板としてアルカリガラス基板、無アルカリガラス基板(Eagle XG(登録商標)、コーニング社製)、及び、銅基板、アルミ基板、SUS基板等の金属基板、又はフレキシブル基板としてUpilex(登録商標)フィルム(宇部興産製)、Kapton(登録商標)フィルム(東レ・デュポン製)、ポリカーボネートフィルム、PETフィルム等のようなプラスチックフィルム、又は銅箔、アルミ箔、SUS箔等のような金属箔、またはフレキシブルガラスなど、である。本明細書では、支持体としての硬質基板とは、高剛性で折り曲げ等に適さないものを意味し、フレキシブル基板とは、可撓性であり、折り曲げ加工が可能なものを意味する。
乾燥工程では、例えば150〜350℃の温度で、ポリアミド酸又はポリイミドを含むワニスから溶媒を乾燥させて、ポリイミドフィルムを形成する。理論に拘束されることを望まないが、乾燥工程を窒素ガスなどの不活性ガス雰囲気下で行うと、ポリアミド酸ワニスに含まれる(b)溶媒の種類によらず、無色透明なポリイミドフィルムが得られる傾向にある。他方、ポリアミド酸ワニスに含まれる(b)溶媒がγ−ブチロラクトン(GBL)である場合には、経済性及びフィルムの無色透明性の観点から、乾燥工程を空気中で行うことが好ましい。
本実施形態では、得られたポリイミドフィルムを延伸工程に供して、フィルムの薄膜化を行うことができる。例えば、10μm未満の厚みを有するフィルムを得るためには、膜厚10μm以上のポリイミドフィルムを延伸処理することにより作製することができる。
<フレキシブルデバイス、フレキシブルディスプレイ、積層体>
本実施形態において、少なくとも一層のフィルム基材としてポリイミドフィルムを用いて、フレキシブルデバイスを製造することができる。また、本実施形態において、少なくとも一層のフィルム基材としてポリイミドフィルムを用いて表示部を構成して、フレキシブルディスプレイを製造することができる。フレキシブルデバイスとしては例えばフレキシブルディスプレイが考えられる。フレキシブルディスプレイとしては、有機ELディスプレイ、例えば、トップエミッション型フレキシブル有機ELディスプレイなど;又はフレキシブル液晶ディスプレイが挙げられる。本実施形態のポリイミドフィルムをフレキシブルデバイスに用いる場合、該フレキシブルデバイスは光源を備え、この光源の光が本実施形態のポリイミドフィルムを通過してフレキシブルデバイスの外部に出力されるように構成されることが好ましい。
別の実施形態では、ポリイミドフィルムの表面上に、機能性層を設けて、積層体を製造することができる。積層体は、ポリイミドフィルムの表面上に、例えば透明電極層をスパッタリング装置で成膜することにより得ることができる。ポリイミドフィルムは支持体を有していてもよく、支持体を有しない単層であってもよい。積層体は、透明電極層をポリイミドフィルムの両面に有してもよい。このとき、ポリイミドフィルムの両面に、それぞれ、少なくとも1層以上の透明電極層を有することが好ましい。また、透明電極層とポリイミドフィルムとの積層体は、平滑性を付与する為のアンダーコート層、表面硬度を付与する為のハードコート層、視認性を向上する為のインデックスマッチング層、ガスバリア性を付与する為のガスバリア層、など他の層を有していてもよい。表面硬度を付与する為のハードコート層、視認性を向上する為のインデックスマッチング層などは、透明電極層とポリイミドフィルムの上に積層されていてもよい。本実施形態の積層体は、透明電極フィルムのようなタッチパネル材料への使用に適している。
以下、本発明について、例に基づきさらに詳述するが、これらは説明のために記述されるものであって、本発明の範囲が下記例に限定されるものではない。例における各種評価は次のとおりに行った。
<測定及び評価方法>
[重量平均分子量(Mw)]
重量平均分子量(Mw)は、ゲルパーミエーションクロマトグラフィー(GPC)にて、下記の条件により測定した。溶媒としては、N,N−ジメチルホルムアミド(和光純薬工業社製、高速液体クロマトグラフ用)を用い、測定前に24.8mol/Lの臭化リチウム一水和物(和光純薬工業社製、純度99.5%)及び63.2mol/Lのリン酸(和光純薬工業社製、高速液体クロマトグラフ用)を加えたものを使用した。また、重量平均分子量を算出するための検量線は、スタンダードポリスチレン(東ソー社製)を用いて作製した。
カラム:TSK−GEL SUPER HM−H×2本
流速:0.5mL/分
カラム温度:40℃
ポンプ:PU−2080(JASCO社製)
検出器:RI−2031Plus(RI:示差屈折計、JASCO社製)
UV−2075Plus(UV−Vis:紫外可視吸光計、JASCO社製)
[粘度]
E型粘度計(東機産業社、TV25形粘度計)を用いて、25質量%溶液にて23℃でワニス粘度を測定した。測定粘度の単位はmPa・sである。
[透過率]
ワニスの透過率は、ワニス固形分濃度を20質量%に調整した後、紫外可視吸収スペクトル測定において、下記の条件により測定した。装置として、UV/VIS SPECTROPHOTOMETER(V−550、JASCO製)を用いた。バックグラウンドはレファレンス室とサンプル室にワニスと同じ溶媒を満たした光路長10mmの石英セルを置き、測定した。得られたデータより、光路長10mm(1cm)、波長450nm及び500nmにおける透過率を得た。
装置:UV/VIS SPECTROPHOTOMETER(V−550、JASCO社製)
セルサイズ:光路長10mm×幅10mm×高さ400mm
測定波長:300nm−800nm
バンド幅:2.0nm
走査速度:200nm/min
得られた透過率を下記基準に従ってランク分けした。
(透過率ランク)
〇(良好):波長450nmにおける透過率が35%以上であり、かつ600nmにおける透過率が85%以上である。
×(不良):波長450nmにおける透過率が35%未満、かつ/又は600nmにおける透過率が85%未満である。
[黄色度(YI)及びヘイズ]
コニカミノルタ株式会社製分光測色計(CM3600A)及びD65光源を用いて、ポリイミドフィルムの黄色度(YI値)及びヘイズを測定した。なお、特に記載のない限り、サンプルとして20±1μmの膜厚のフィルムについて測定を行った。
得られた黄色度(YI)及びヘイズを下記基準に従ってランク分けした。
(YIランク)
◎(非常に良好):窒素(N)又は大気(Air)雰囲気下でキュアされたフィルムのYIが3以下である。
〇(良好):キュアされたフィルムのYIが5以下である。
×(不良):キュアされたフィルムのYIが5を超える。
(ヘイズランク)
◎(非常に良好):ヘイズが1%以下である。
〇(良好):ヘイズが2%以下である。
×(不良):ヘイズが2%を超える。
[フィルム表面平滑性]
ナノスケールハイブリッド顕微鏡(VN8000、キーエンス株式会社製)を用いて、フィルムの測定面積(50μm×50μm)をスキャンして表面平滑性(Ra)を測定し、下記基準に従ってランク分けした。
(フィルム平滑性ランク)
〇(良好):Raが10nm以下である。
×(不良):Raが10nm超である。
[半乾燥フィルムの支持性の評価]
ポリアミド酸ワニスを、支持基材としてのupilex(宇部興産製、製品番号upilex125s)上に塗工厚み150μmで塗工して、50℃で30分、次いで150℃にて10分乾燥したサンプル(半乾燥フィルム)をサンプル3mm×50mmにカットし支持基材から剥離した状態で引っ張り試験機(株式会社A&D社製:RTG−1210)を用いて、速度100mm/minで引張り、破断伸度を測定した。得られた破断伸度を下記基準に従ってランク分けした。
(破断伸度ランク)
〇(良好):破断伸度が10%を超える。
×(不良):破断伸度が10%以下である。
<ポリアミド酸ワニス、ポリイミド、及びポリイミドフィルムの作製>
ディーン・スターク管及び還流管を上部に備えた撹拌棒付き500mLセパラブルフラスコに、窒素ガスを導入しながら、合成溶媒の存在下、表1に示されるとおり、酸二無水物とジアミンを加え、次にオイルバスを用いて40℃に昇温し適宜3〜12時間撹拌した後、オイルバスを外して室温に戻し、ポリアミド酸溶液(以下、ポリアミド酸ワニスともいう。)を得た。
次いで、オイルバスを再利用して、ポリアミド酸ワニスにトルエンを添加し、内温160℃まで昇温し、160℃で1時間加熱還流をしながら脱水を行い、イミド化を行った。イミド化完了後、180℃まで昇温し、トルエンを除去しながら反応を続けた。12時間反応後、オイルバスを外して室温に戻し、固形分が20質量%濃度となるように合成溶媒と同じ溶媒を加え、ポリイミド溶液(以下、ポリイミドワニスともいう)を得た。
得られたポリアミド酸ワニスまたはポリイミドワニスにシリカを添加する際は、NMP置換したアモルファスシリカゾル(シリカ成分30質量%)を添加し、シリカ成分の量がポリマーに対し30質量%となるように調整した。
表1に示されるフィルム塗工条件に従って、ポリアミド酸ワニスを、支持基材としてのupilex(宇部興産製、製品番号upilex125s)上に塗工厚み150μmで塗工して、50℃で30分乾燥させた。この溶媒含有ポリイミドフィルム付きupilexフィルムを270℃で1時間乾燥した後、支持体を剥離した状態のポリイミドフィルムを得た。
ポリアミド酸ワニスの組成及び評価結果を表1に、フィルムの評価結果を表2に示す。
Figure 2019214657
Figure 2019214657

Claims (14)

  1. (a)ポリアミド酸と(b)溶媒とを含むポリアミド酸ワニスであって、
    (I)該ポリアミド酸のポリスチレン換算の重量平均分子量が、50,000以上150,000以下であること、
    (II)該ポリアミド酸ワニスの粘度が、15,000mPa・s以上300,000mPa・s以下であること、及び
    (III)該ポリアミド酸ワニスを光路長1cmで測定した際に、波長450nmにおける透過率が35%以上であり、かつ波長600nmにおける透過率が85%以上であること、
    を特徴とするポリアミド酸ワニス。
  2. 前記ポリアミド酸が、下記式(A1)〜(A3):
    Figure 2019214657
    Figure 2019214657
    Figure 2019214657
    で表される四価の有機基の少なくとも1種、及び/又は下記式(B1)〜(B5):
    Figure 2019214657
    Figure 2019214657
    Figure 2019214657
    Figure 2019214657
    Figure 2019214657
    で表される二価の有機基の少なくとも1種を有する、請求項1に記載のポリアミド酸ワニス。
  3. 前記ポリアミド酸が、前記式(B1)及び(B2)で表される二価の有機基を有する、請求項1又は2に記載のポリアミド酸ワニス。
  4. 前記溶媒が、エステル基、エーテル基、ケトン基、水酸基、スルホン基及びスルフィニル基から成る群から選択される少なくとも1種を含む、請求項1〜3のいずれか1項に記載のポリアミド酸ワニス。
  5. 前記溶媒が、γ−ブチロラクトンを含む、請求項4に記載のポリアミド酸ワニス。
  6. (c)シリカ粒子をさらに含む、請求項1〜5のいずれか1項に記載のポリアミド酸ワニス。
  7. 前記ポリアミド酸の一部に、アミド酸以外の構造に由来する非共有電子対を持つ構造(α)を有する、請求項6に記載のポリアミド酸ワニス。
  8. 前記構造(α)が、アミド酸以外の構造に由来する窒素上の非共有電子対を持つ、請求項7に記載のポリアミド酸ワニス。
  9. 前記構造(α)が、下記式(α1)及び(α2):
    Figure 2019214657
    Figure 2019214657
    で表される構造の少なくとも1種である、請求項7又は8に記載のポリアミド酸ワニス。
  10. 前記ポリアミド酸ワニスを光路長1cmで測定した際に、波長450nmにおける透過率が98%以下であり、かつ波長600nmにおける透過率が98%以下である、請求項1〜9のいずれか1項に記載のポリアミド酸ワニス。
  11. 請求項1〜10のいずれか1項に記載のポリアミド酸ワニスの硬化物であるポリイミドフィルムであって、該フィルムの黄色度(YI)が、3以下であり、かつヘイズ(Haze)が1以下であるポリイミドフィルム。
  12. γ−ブチロラクトンを0.01質量%以上20質量%以下含有する、請求項11に記載のポリイミドフィルム。
  13. 請求項5に記載のポリアミド酸ワニスを空気中で乾燥させる乾燥工程を含む、ポリイミドフィルムの製造方法。
  14. 表示部を構成するフィルム基材の少なくとも一層として、請求項11又は12に記載のポリイミドフィルムを備えるフレキシブルディスプレイ。
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