JP2019214480A - ビスマス系ガラス及びこれを用いた焼結体 - Google Patents

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【課題】低融点特性を維持しつつ、金属部材(例えば、SUS、コバール、Ni合金等)の封着の際に不具合が生じ難いビスマス系ガラスを創案する。【解決手段】本発明のビスマス系ガラスは、ガラス組成として、質量%で、Bi2O330〜55%未満、B2O35〜20%、ZnO 15〜40%、MgO+CaO+SrO+BaO 2〜20%、SiO20〜12%を含有することを特徴とする。【選択図】なし

Description

本発明は、ビスマス系ガラス及びこれを用いた焼結体に関し、特に金属部材の封着に好適なビスマス系ガラス及びこれを用いた焼結体に関する。
金属部材等の封着には低融点ガラスが使用されている。そして、低融点ガラスは、用途に応じて、化学耐久性、機械的強度、電気絶縁性等の特性が要求される。
これらの要求特性を満たす低融点ガラスとして、PbOを多量に含む鉛系ガラスが広く用いられてきた(特許文献1参照)。
しかし、PbOは、環境負荷が大きいという問題がある。このため、鉛系ガラスから無鉛ガラスへの置き換えが望まれており、種々の無鉛ガラスが開発されるに至っている。特に、特許文献2等に記載のビスマス系ガラスは、低融点であるため、鉛系ガラスの代替候補として有力である。
特開昭63−315536号公報 特開2000−128574号公報
しかし、ビスマス系ガラスは、金属部材(例えば、SUS、Ni合金、コバール等)の封着の際に、金属部材と反応してしまい、金属部材の劣化が生じたり、ビスマス系ガラスから金属ビスマスが析出して、電気絶縁性が低下したりする。
そこで、本発明は、上記事情に鑑み成されたものであり、その技術的課題は、低融点特性を維持しつつ、金属部材(例えば、SUS、コバール、Ni合金等)の封着の際に不具合が生じ難いビスマス系ガラスを創案することである。
本発明者は、ビスマス系ガラスのガラス組成範囲を厳密に規制することにより、上記技術的課題を解決し得ることを見出し、本発明として、提案するものである。すなわち、本発明のビスマス系ガラスは、ガラス組成として、質量%で、Bi 30〜55%未満、B 5〜20%、ZnO 15〜40%、MgO+CaO+SrO+BaO(MgO、CaO、SrO及びBaOの合量) 2〜20%、SiO 0〜12%を含有することを特徴とする。
また、本発明のビスマス系ガラスは、質量比Bi/Bが1.50超、且つ6.00未満であることが好ましい。ここで、「Bi/B」は、Biの含有量をBの含有量で除した値を指す。
また、本発明のビスマス系ガラスは、LiO+NaO+KOの含有量(LiO、NaO及びKOの合量)が0.5質量%未満であることが好ましい。
また、本発明のビスマス系ガラスは、軟化点が470〜550℃であることが好ましい。ここで、「軟化点」は、平均粒子径D50が3.0μmとなるガラス粉末を測定試料に用い、マクロ型示差熱分析(DTA)装置で測定した値である。DTAは、大気中において、昇温速度10℃/分で行い、室温から測定を開始するものとする。また、「平均粒子径D50」は、レーザー回折法等により測定した際の体積基準の累積粒度分布曲線において、その積算量が粒子の小さい方から累積して50%である粒子径を表す。
また、本発明のビスマス系ガラスは、線熱膨張係数が78×10−7/℃超、且つ120×10−7/℃以下であることが好ましい。ここで、「線熱膨張係数」は、30〜300℃の温度範囲において、押し棒式線熱膨張係数測定(TMA)装置で測定した値である。
また、本発明のビスマス系ガラスは、大気中で封着温度が650℃以下であることが好ましい。ここで、「封着温度」は、フローボタン試験により評価する。詳述すると、比重に相当する質量のガラス粉末(平均粒子径D50:3.0μm)を金型により外径20mmのボタン状に乾式プレスし、次にNi合金基板上にこのボタンを載置した上で、各種焼成温度で焼成した後、焼成後のボタン(フローボタン)の直径を測定し、その直径が20mmを超えた最小温度を封着温度とする。なお、焼成は、室温から焼成温度まで10℃/分で昇温し、焼成温度で10分間保持した後、焼成温度から室温まで10℃/分で降温することで行う。
また、本発明のビスマス系ガラスは、金属部材の封着に用いることが好ましい。
本発明の焼結体は、ビスマス系ガラスからなるガラス粉末を所定形状の焼結させた焼結体であって、該ビスマス系ガラスが上記のビスマス系ガラスであることが好ましい。ここで、「ガラス粉末」とは、平均粒子径D50が50μm以下となるガラスを指す。
本発明のビスマス系ガラスは、ガラス組成として、質量%で、Bi 30〜55%未満、B 5〜20%、ZnO 15〜40%、MgO+CaO+SrO+BaO(MgO、CaO、SrO及びBaOの合量) 2〜20%、SiO 0〜12%を含有することを特徴とする。上記のようにガラス組成を限定した理由は以下の通りである。なお、以下の含有範囲の説明において、%表示は、質量%を指す。
Biは、軟化点を低下させる主要成分であるが、金属部材と反応し易い成分である。Biの含有量は30〜55%未満であり、好ましくは33〜54%、より好ましくは35〜53%である。Biの含有量が少なくなると、軟化点が高くなり過ぎて、650℃以下の温度域で軟化流動し難くなり、封着不良等が発生し易くなる。一方、Biの含有量が多くなると、金属部材(例えば、SUS、Ni合金等)の封着の際に、金属部材の劣化が生じ易くなり、またビスマス系ガラスから金属ビスマスが析出して、電気絶縁性が低下し易くなる。
は、ガラス形成成分として必須の成分である。Bの含有量は5〜20%であり、好ましくは8〜16%、より好ましくは10〜14%である。Bの含有量が少なくなると、熱的安定性(耐失透性)が低下し易くなる。一方、Bの含有量が多くなると、軟化点が高くなり過ぎて、650℃以下の温度域で軟化流動し難くなり、封着不良等が発生し易くなる。
質量比Bi/Bは、好ましくは1.50超〜6.00未満、より好ましくは2〜5、更に好ましくは3〜4.5である。質量比Bi/Bが小さくなると、軟化点が高くなり過ぎて、650℃以下の温度域で軟化流動し難くなり、封着不良等が発生し易くなる。一方、質量比Bi/Bが大きくなると、金属部材(例えば、SUS、Ni合金等)の封着の際に、金属部材の劣化が生じ易くなり、またビスマス系ガラスから金属ビスマスが析出して、電気絶縁性が低下し易くなる。
ZnOは、熱的安定性を高める成分である。ZnOの含有量は15〜40%であり、好ましくは20〜30%、より好ましくは22〜28%である。ZnOの含有量が少なくなると、熱的安定性が低下し易くなる。一方、ZnOの含有量が多くなると、線熱膨張係数が低下して、金属部材の線熱膨張係数に整合し難くなる。
の含有量が少ない場合に、質量比ZnO/Biを規制することが重要になる。質量比ZnO/Biは、好ましくは0.17〜1.8、より好ましくは0.3〜1.5、更に好ましくは0.4〜1.3である。質量比ZnO/Biが小さくなると、熱的安定性が低下し易くなる。一方、質量比ZnO/Biが大きくなると、線熱膨張係数が低下して、金属部材の線熱膨張係数に整合し難くなる。なお、「ZnO/Bi」は、ZnOの含有量をBiの含有量で除した値を指す。
MgO、CaO、SrO及びBaOは、熱的安定性を高める成分であり、また封着の際にビスマスの還元を抑制する成分である。MgO、CaO、SrO及びBaOの合量は2〜20%であり、好ましくは6〜18%、より好ましくは8〜15%である。MgO、CaO、SrO及びBaOの合量が少なくなると、熱的安定性が低下し易くなる。更に金属部材(例えば、SUS、Ni合金等)の封着の際に、金属部材の劣化が生じ易くなり、またビスマス系ガラスから金属ビスマスが析出して、電気絶縁性が低下し易くなる。一方、MgO、CaO、SrO及びBaOの合量が多くなると、軟化点が高くなり過ぎて、650℃以下の温度域で軟化流動し難くなり、封着不良等が発生し易くなる。
MgO、CaO、SrO及びBaOの内、SrOとBaOは、ビスマス系ガラスとの適合性が良好であるため、熱的安定性を高める効果が大きく、また封着の際にビスマスの還元を抑制する効果も大きい。SrOとBaOの合量は、好ましくは2〜18%、より好ましくは6〜17%、更に好ましくは8〜16%である。SrOの含有量は、好ましくは0〜12%、より好ましくは1〜10%、更に好ましくは3〜7%である。また、BaOの含有量は、好ましくは0〜12%、より好ましくは1〜10%、更に好ましくは3〜7%である。SrOとBaOの含有量が少なくなると、熱的安定性が低下し易くなる。更に金属部材(例えば、SUS、Ni合金等)の封着の際に、金属部材の劣化が生じ易くなり、またビスマス系ガラスから金属ビスマスが析出して、電気絶縁性が低下し易くなる。一方、SrOとBaOの含有量が多くなると、軟化点が高くなり過ぎて、650℃以下の温度域で軟化流動し難くなり、封着不良等が発生し易くなる。なお、MgOの含有量は、好ましくは0〜5%、より好ましくは0〜3%、更に好ましくは0〜1%未満である。CaOの含有量は、好ましくは0〜5%、より好ましくは0〜3%、更に好ましくは0〜1%未満である。MgOとCaOの含有量が多くなると、軟化点が高くなり過ぎて、650℃以下の温度域で軟化流動し難くなり、封着不良等が発生し易くなる。
質量比Bi/(MgO+CaO+SrO+BaO)は、好ましくは1.6〜7.5、より好ましくは2〜5.5である。質量比Bi/(MgO+CaO+SrO+BaO)が小さくなると、軟化点が高くなり過ぎて、650℃以下の温度域で軟化流動し難くなり、封着不良等が発生し易くなる。一方、質量比Bi/(MgO+CaO+SrO+BaO)が大きくなると、金属部材(例えば、SUS、Ni合金等)の封着の際に、金属部材の劣化が生じ易くなり、またビスマス系ガラスから金属ビスマスが析出して、電気絶縁性が低下し易くなる。なお、「Bi/(MgO+CaO+SrO+BaO)」は、Biの含有量をMgO、CaO、SrO及びBaOの含有量で除した値を指す。
SiOは、耐水性や耐候性を高める成分である。SiOの含有量は0〜12%であり、好ましくは1〜10%、より好ましくは3〜8%である。SiOの含有量が少なくなると、上記効果を得難くなる。一方、SiOの含有量が多くなると、軟化点が高くなり過ぎて、650℃以下の温度域で軟化流動し難くなり、封着不良等が発生し易くなる。
上記の成分以外にも、例えば、以下の成分を添加することができる。
LiO、NaO及びKOは、軟化点を低下させる成分であるが、失透を促進する作用を有する成分である。よって、LiO、NaO及びKOの合量及び個別含有量は、好ましくは2%以下、より好ましくは0.5%未満、更に好ましくは0.1%未満である。
Sbは、熱的安定性を高める成分である。しかし、Sbの含有量が多くなると、金属部材(例えば、SUS、Ni合金等)の封着の際に、金属部材の劣化が生じ易くなり、またビスマス系ガラスから金属ビスマスが析出して、電気絶縁性が低下し易くなる。よって、Sbの含有量は、好ましくは0〜1%未満、より好ましくは0〜0.1%未満である。
CuOは、熱的安定性を高める成分である。しかし、CuOの含有量が多くなると、金属部材(例えば、SUS、Ni合金等)の封着の際に、金属部材の劣化が生じ易くなり、またビスマス系ガラスから金属ビスマスが析出して、電気絶縁性が低下し易くなる。よって、CuOの含有量は、好ましくは0〜3%、より好ましくは0〜1%未満、更に好ましくは0〜0.1%未満である。
は、熱的安定性を高める成分であるが、その含有量が多くなると、ガラスの分相を助長する傾向がある。よって、Pの含有量は、好ましくは2%以下、より好ましくは0.5%未満、更に好ましくは0.1%未満である。
MoO、La、Y及びCeOは、熱的安定性を高める成分であるが、これらの含有量が多くなると、軟化点が高くなり過ぎて、650℃以下の温度域で軟化流動し難くなり、封着不良等が発生し易くなる。よって、MoO、La、Y及びCeOの合量及び個別含有量は、好ましくは2%以下、より好ましくは0.5%未満、更に好ましくは0.1%未満である。
環境上の理由から、実質的にPbOを含有しないこと、つまりPbOの含有量が0.1%未満であることが好ましい。また、ガラス組成中にPbOを添加すると、絶縁体として使用する場合、ガラス中にPb2+が拡散して、電気絶縁性が低下する場合がある。
上記成分以外にも、他の成分(Nd、Fe等)を5%まで添加してもよい
本発明のビスマス系ガラスは、以下の特性を有することが好ましい。
線熱膨張係数は、好ましくは78×10−7/℃超、且つ120×10−7/℃以下、より好ましくは80×10−7/℃以上、且つ105×10−7/℃以下である。線熱膨張係数が上記範囲外になると、SUS、Ni合金等の金属部材の線熱膨張係数に整合し難くなる。
軟化点は、好ましくは470〜550℃、より好ましくは500〜540℃である。軟化点が低過ぎる場合、ガラス組成中のBiが多くなる傾向があり、その結果、金属部材との反応性が高くなり易い。一方、軟化点が高過ぎると、金属部材及びその周辺部材の熱劣化を招く虞が生じる。
大気中での封着温度は、好ましくは650℃以下、より好ましくは635℃以下である。封着温度が高過ぎると、金属部材及びその周辺部材の熱劣化を招く虞が生じる。
本発明のビスマス系ガラスは、粉末形状であることが好ましい。このようにすれば、ビークルを添加し、ペースト化することにより、塗布作業性等を飛躍的に高めることができる。
ビークルは、主に溶媒と樹脂バインダーとからなり、樹脂バインダーはペーストの粘性を調整する目的で添加される。また、必要に応じて、界面活性剤、増粘剤等を添加することもできる。作製されたペーストは、通常、ディスペンサーやスクリーン印刷機等の塗布機を用いて基板等に塗布された後、脱バインダー工程に供される。
樹脂バインダーとしては、アクリル酸エステル(アクリル樹脂)、エチルセルロース、
ポリエチレングリコール誘導体、ニトロセルロース、ポリメチルスチレン、ポリエチレン
カーボネート、メタクリル酸エステル等が使用可能である。
溶媒としては、N、N’−ジメチルホルムアミド(DMF)、α−ターピネオール、高
級アルコール、γ−ブチルラクトン(γ−BL)、テトラリン、ブチルカルビトールアセ
テート、酢酸エチル、酢酸イソアミル、ジエチレングリコールモノエチルエーテル、ジエ
チレングリコールモノエチルエーテルアセテート、ベンジルアルコール、トルエン、3−
メトキシ−3−メチルブタノール、トリエチレングリコールモノメチルエーテル、トリエ
チレングリコールジメチルエーテル、ジプロピレングリコールモノメチルエーテル、ジプ
ロピレングリコールモノブチルエーテル、トリプロピレングリコールモノメチルエーテル
、トリプロピレングリコールモノブチルエーテル、プロピレンカーボネート、ジメチルス
ルホキシド(DMSO)、N−メチル−2−ピロリドン等が使用可能である。特に、α−
ターピネオールは、高粘性であり、樹脂バインダー等の溶解性も良好であるため、好まし
い。
また、ビスマス系ガラスを粉末形状にすれば、耐火性フィラーを添加することにより、複合材料に加工し易くなり、結果として、線熱膨張係数を調整し易くなると共に、機械的強度を高めることができる。
耐火性フィラーを添加する場合、混合割合は、ガラス粉末45〜99体積%、耐火性フィラー1〜55体積%であることが好ましい。その理由は、耐火性フィラーが1体積%より少ないと、耐火性フィラーに基づく効果が乏しくなり、耐火性フィラーが55体積%より多いと、複合材料の流動性が著しく低下するからである。
耐火性フィラーとして、ウイレマイト系セラミック、β−ユークリプタイト、コーディエライト、ジルコン系セラミック、酸化錫系セラミック、リン酸ジルコニウム系セラミック、ムライト、石英ガラス、アルミナ等の粉末を単独、或いは組み合わせて使用することができる。
本発明のビスマス系ガラスは、ガラス粉末を所定形状の焼結させた焼結体に加工されることが好ましい。このようにすれば、封着すべき部分に安定して、配置することができる。
焼結体は、ガラス粉末にビークルを添加して、スプレードライヤー等より顆粒化した後、得られた顆粒を金型に投入、プレス成型して、プレス体を作製し、更にそのプレス体を焼結することで作製することができる。
本発明のビスマス系ガラスは、金属部材(例えば、金属パッケージ)の封着に用いることが好ましい。そして、本発明のビスマス系ガラスは、封着の際にNi合金、SUS、コバールとの反応を抑制し得るため、Ni合金製、SUS製、コバール製の金属部材の封着に用いることが好ましい。なお、本発明のビスマス系ガラスは、封着用途以外にも、金属部材の絶縁被覆に用いることも好ましい。
以下、実施例に基づいて、本発明を詳細に説明する。
表1は、本発明の実施例(試料No.1〜4)および比較例(試料No.5、6)を示している。
次のようにして表1の各試料を調製した。まず、表中に示すガラス組成となるように、各種酸化物、炭酸塩等の原料を調合したガラスバッチを準備し、これを白金坩堝に入れて1200〜1400℃で2時間溶融した。次に、溶融ガラスの一部を線熱膨張係数の測定試料としてステンレス製の金型に流し出し、その他の溶融ガラスを水冷ローラーによりフィルム状に成形した。最後に、フィルム状のガラスをボールミルまたはライカイ機にて粉砕した後、空気分級して、平均粒子径D50約3.0μmのガラス粉末を得た。
以上の試料を用いて、軟化点、線熱膨張係数、封着温度及びNi合金との反応性を評価した。その結果を表1に示す。
線熱膨張係数は、30〜300℃の温度範囲において、TMA装置で測定した値である。
軟化点は、マクロ型DTA装置で測定した値である。測定は、大気中において、昇温速度10℃/分で行い、室温から測定を開始した。
封着温度は、フローボタン試験により評価したものである。詳述すると、比重に相当する質量のガラス粉末を金型により外径20mmのボタン状に乾式プレスし、次にNi合金基板上にこのボタンを載置した上で、各種焼成温度で焼成した後、焼成後のボタン(フローボタン)の直径を測定し、その直径が20mmを超えた最小温度を封着温度とした。なお、封着温度の測定に際し、室温から焼成温度まで10℃/分で昇温し、焼成温度で10分間保持した後、焼成温度から室温まで10℃/分で降温した。
Ni合金との反応性は、表中の封着温度で上記フローボタン試験を行った後にNi合金基板の劣化が生じず、且つ焼成後のボタンから金属ビスマスが析出していなかったものを「○」、Ni合金基板の劣化が生じたもの、或いは焼成後のボタンから金属ビスマスが析出していたものを「×」として評価した。
表から明らかなように、試料No.1〜4は、ガラス組成が所定範囲に規制されているため、封着温度が645℃以下であり、且つNi合金との反応性の評価が良好であった。一方、試料No.5は、封着温度が670℃であるため、Ni合金との反応性の評価が不良であった。また、試料No.6は、Biの含有量が多いため、Ni合金との反応性の評価が不良であった。

Claims (8)

  1. ガラス組成として、質量%で、Bi 30〜55%未満、B 5〜20%、ZnO 15〜40%、MgO+CaO+SrO+BaO 2〜20%、SiO 0〜12%を含有することを特徴とするビスマス系ガラス。
  2. 質量比Bi/Bが1.50超、且つ6.00未満であることを特徴とする請求項1に記載のビスマス系ガラス。
  3. LiO+NaO+KOの含有量が0.5質量%未満であることを特徴とする請求項1又は2に記載のビスマス系ガラス。
  4. 軟化点が470〜550℃であることを特徴とする請求項1〜3の何れかに記載のビスマス系ガラス。
  5. 線熱膨張係数が78×10−7/℃超、且つ120×10−7/℃以下であることを特徴とする請求項1〜4の何れかに記載のビスマス系ガラス。
  6. 大気中で封着温度が650℃以下であることを特徴とする請求項1〜5の何れかに記載のビスマス系ガラス。
  7. 金属部材の封着に用いることを特徴とする請求項1〜6の何れかに記載のビスマス系ガラス。
  8. ビスマス系ガラスからなるガラス粉末を所定形状の焼結させた焼結体であって、該ビスマス系ガラスが請求項1〜7の何れかに記載のビスマス系ガラスであることを特徴とする焼結体。
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