JP2019214275A - ホームステップ装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】ステップ部材の一部が収容されない事態を起こしにくくすること。【解決手段】ストッパ47は、ステップ部材30の筐体20内部側の端部321のレール延伸方向A4に配置されている。ホームステップ装置10は、端部321を筐体20の底面(固定台421の上面422)から離れた位置でストッパ47と接触させてステップ部材30の移動範囲を制限する。距離L1は、ストッパ47とステップ部材30の端部321が接触する位置(接触面471)の上面422(筐体20の底面)からの高さである。ホームステップ装置10においては、距離L1が、ステップ部材30が出入りする部分における筐体20とステップ部材30の鉛直上方側との距離以上となっている。【選択図】図8

Description

本発明は、ホームと車両の隙間への落下を防ぐ技術に関する。
ホームと車両の隙間への落下を防ぐ技術として、特許文献1には、可動ステップの正常又は異常を判断するためにモータ等の状態検知センサ及び可動ステップの位置検知センサ等を備えたプラットホームステップ装置が開示されている。
特開2013−63693号公報
ホームステップ装置には、収容されたステップ部材(ステップとそれを支持する部分を含めた部材)が筐体にぶつからないようにストッパが設けられる場合がある。その場合に、ステップ部材と筐体の隙間から侵入した小石等の異物がストッパとステップ部材の間に挟まると、ステップ部材が最後まで収容されなくなり少し張り出した状態になる。この状態ではステップ部材に車両が接触する恐れがあり危険である。
本発明は、上記の背景に鑑み、ステップ部材の一部が収容されない事態を起こしにくくすることを目的とする。
上述した課題を解決するために、本発明は、ステップ部材をレールの延伸方向に案内して筐体から出し入れし、前記ステップ部材の筐体内部側の端部の前記延伸方向に配置されたストッパと当該端部を前記筐体の底面から離れた位置で接触させて前記ステップ部材の移動範囲を制限するホームステップ装置を第1の態様として提供する。
第1の態様のホームステップ装置によれば、ステップ部材の一部が収容されない事態を起こしにくくすることができる。
上記の第1の態様のホームステップ装置において、前記ストッパと前記端部が接触する位置の前記底面からの高さは、前記ステップ部材が出入りする部分における前記筐体と当該ステップ部材の鉛直上方側との距離以上である、という構成が第2の態様として採用されてもよい。
第2の態様のホームステップ装置によれば、ステップ部材と筐体の隙間から侵入した異物が上記間に挟まりにくいようにすることができる。
上記の第1又は第2の態様のホームステップ装置において、前記ステップ部材は、鉛直上方に平面を有し、前記筐体内に侵入して前記平面を移動する異物の前記端部への到達を阻止する部材が前記平面に設けられている、という構成が第3の態様として採用されてもよい。
第3の態様のホームステップ装置によれば、ステップ部材上を移動する異物によりステップ部材の一部が収容されない事態を防ぐことができる。
上記の第3の態様のホームステップ装置において、前記阻止する部材は、前記ステップ部材が前記筐体から出るときの移動方向を向いた面を有し、当該面が前記ステップ部材の端に近づくほど当該移動方向の反対向きの方向側に位置する、という構成が第4の態様として採用されてもよい。
第4の態様のホームステップ装置によれば、ステップ部材上に異物が滞留することを防ぐことができる。
上記の第1又は第2の態様のホームステップ装置において、前記ステップ部材は、前記端部に近づくにつれて高くなる傾斜を鉛直上方に有する、という構成が第5の態様として採用されてもよい。
第5の態様のホームステップ装置によれば、阻止部材を設けなくても、ステップ部材上を移動した異物が上記間に挟まれることを防ぐことができる。
上記の第1又は第2の態様のホームステップ装置において、前記ステップ部材は、前記延伸方向に直交する方向の端に近づくにつれて低くなる傾斜を鉛直上方に有する、という構成が第6の態様として採用されてもよい。
第6の態様のホームステップ装置によれば、上記端部に到達する前にステップ部材上から異物が落下しやすいようにすることができる。
実施例に係るホームステップ装置の外観を表す図 ホームステップ装置の外観を表す図 ホームステップ装置の外観を表す図 天板部を外したホームステップ装置の外観を表す図 天板部を外したホームステップ装置の平面図を表す図 ステップを表す図 収容されたステップ部材を表す図 ホーム延伸方向に見たストッパを表す図 ホーム延伸方向に見た開口を表す図 阻止部材の一例を表す図 阻止部材の別の例を表す図 変形例のステップ部材の例を表す図 変形例のステップ部材の別の例を表す図
[1]実施例
図1は実施例に係るホーム設備1の外観を表す。ホーム設備1は、鉄道の駅のホーム9(プラットホーム)の線路側に設置され、ホーム9からの乗客の転落を防ぎつつ、鉄道の車両がホーム9に到着したときには乗降を可能にすると共に乗降時の転落を防ぐ役割を果たす設備である。図1(a)では、線路側から見たホーム設備1が表され、図1(b)では、鉛直上方から見たホーム設備1が表されている。
ホーム設備1は、少なくとも1つのホームドア3と、少なくとも1つのホームステップ装置10とを備えており、本実施例では、複数のホームドア3と、複数のホームステップ装置10とを備えている。各ホームドア3は、いずれもドア4と、格納部5とを備える。ドア4は、本実施例では、停車した車両のドアに対向する位置に配置されている。格納部5は、水平方向の一方の端から開放位置にあるドア4を格納する(いわゆる戸袋としての役割を果たす)。
また、格納部5は、反対側の端が閉鎖位置にあるドア4と接触してホーム9にいる乗客を線路側に通さないようにしている。開放位置とは最も開いた状態のドア4の位置であり、閉鎖位置とは完全に閉じた状態のドア4の位置である。複数のホームドア3がホーム9の延伸する方向であるホーム延伸方向A3(線路の延伸方向でもある)の全体に渡って並べて設置されることで、ホーム9の線路側及び内側を隔てるようにしている。ここでいう内側とは、ホーム9の線路側を外側とした場合の外側から離れた部分を意味する。線路側及び内側は、ホーム9のうちの線路に近い方(線路側)及び遠い方(内側)と言い換えてもよい。
ホームステップ装置10は、筐体20と、ステップ部材30とを備え、筐体20に収容されたステップ部材30を出し入れする装置である。筐体20は、板状且つ中空の形をしており、線路側に開口部21を有している。ステップ部材30は、筐体20の内部に収容され、後述する駆動手段によって駆動されて筐体20の開口部21を通って出し入れされる。ステップ部材30は、ホーム9と停車した車両との隙間に張り出して、乗降する乗客の足場となる。
ホームステップ装置10は、前述したホーム9の内側から線路側に向かう方向(張出方向A1)にステップ部材30を移動させて筐体20から張り出した張出状態にし、張り出した状態のステップ部材30を線路側からホーム9の内側に向かう方向(収容方向A2)に移動させて筐体20に収容された収容状態にする。ホームステップ装置10は、ホーム9のホーム延伸方向A3の寸法が張出方向A1の寸法よりも長い形をしている。なお、ホーム9のホーム延伸方向A3は、張出方向A1及び収容方向A2に直交する方向であるものとする。
ホーム9には、ホームステップ装置10を設置するための切り欠き93が設けられている。切り欠き93には、収容部材6が設置されている。収容部材6は、ホームステップ装置10を収容するためにホーム9の切り欠き93に設置される部材である。収容部材6は、中空の直方体の6面のうち上面及び線路側の側面を除く4面を有する形をしており、内側にホームステップ装置10を収容可能な大きさで形成された箱状の部材である。収容部材6は、自部材と切り欠き93との間にモルタル等の充填材が注入されることで切り欠き93に固定されている。
ホームステップ装置10は、切り欠き93に固定された収容部材6の内側に設置されている。この状態で、ホームステップ装置10は、自装置の上面11がホーム9の上面91と概ね同一の平面を成し、自装置の線路側の側面12(ステップ部材30が収容された状態における側面)がホーム9の側面92と概ね同一の平面を成すように設置される。ホーム9に設置されたホームステップ装置10のホーム延伸方向A3の両端の上方には、ホームドア3の格納部5が設置されている。
ステップ部材30は、本実施例では、ホーム延伸方向A3の寸法が、隣り合う格納部5同士の距離(ドア4が開いたときの乗降経路の幅)と概ね同じになっている。ホームドア3及びホームステップ装置10は、図示せぬ制御装置に電気的に接続されており、ドア4の開閉とステップ部材30の出し入れが連動するようになっている。具体的には、例えば、車両が停止すると、まずステップ部材30が張り出し、次にドア4が開く。そして、出発時間になると、まずドア4が閉じてからステップ部材30が収容され、車両が出発する。なお、乗客の安全が確保されるのであれば、これとは異なるタイミングで開閉及び出し入れが行われてもよい。
図2及び図3はホームステップ装置10の外観を表す。図2では、ステップ部材30が筐体20に収容された状態のホームステップ装置10が表されており、図3では、ステップ部材30が張出方向A1に移動して筐体20から張り出した状態のホームステップ装置10が表されている。筐体20は、本体部40と、天板部50とを備える。本体部40は、中空の直方体のうち鉛直上方及び線路側の面を除いた4面を有する箱状の部材である。
天板部50は、本体部40の鉛直上方を覆う板状の部材であり、5枚の天板51、52、53、54、55を有する。各天板は、金属等で形成され、乗客に踏まれても容易には変形しない強度を有する。各天板には、滑り止めの突起が上面に形成されている。この滑り止めの突起は、ステップ部材30の上面にも形成されている。各天板は、本体部40内の後述する天板支持部材にリベットで固定されている。ホーム9に一度設置すると、天板を外す機会は少ないが、修理等で必要な場合は、ドリル等を用いてリベットを取り外すことで天板を外すことができる。
ただし、それでは手間がかかるので、例えば不具合でステップ部材30が動かなくなるといった緊急の事態に対応するために、作業員(例えば駅員)が手動で作業を行うための開口部56が天板53に設けられており、開口部57が天板54に設けられている。天板53は開口部56を覆う蓋58を有し、天板54は開口部57を覆う蓋59を有している。蓋58及び59は、一般人が取り外しできないように、専用の冶具を用いて天板53、54への取り付け及び取り外しが行われる。
図4は天板部50を外したホームステップ装置10の外観を表し、図5はその平面図を表す。なお、図5以降では、図を見やすくするため、滑り止めの突起は図示を省略している。ホームステップ装置10は、本体部40と、天板支持部材41−1及び4つの41−2(それぞれを区別しない場合は「天板支持部材41」という)と、ガイドレール42−1及び42−2(それぞれを区別しない場合は「ガイドレール42」という)と、モータ駆動部43と、電磁ブレーキ部44と、手動駆動部45と、手動ロック部46と、ストッパ47とを備える。
本体部40は、側板401、402と、後方板403と、底板404とを有し、上述した4面を有する形状をしている。天板支持部材41は、各天板の端部に対応する位置に設けられ、各天板を支持する。天板支持部材41−1は、本体部40の側板401、402及び後方板403の鉛直上方の端に取り付けられている。天板支持部材41−2は、底板404のうち隣接する天板同士が接する位置に取り付けられている。各天板支持部材41には、前述したリベットを取り付ける孔が設けられており、各天板が固定される。
ガイドレール42は、天板部50を含む筐体20内に設けられ、自レールの延伸する方向であるレール延伸方向A4にステップ部材30を案内する。レール延伸方向A4は本発明の「延伸方向」の一例である。言い換えると、ホームステップ装置10は、ステップ部材30をガイドレール42のレール延伸方向A4に案内して筐体20から出し入れする。ガイドレール42は、レール延伸方向A4が張出方向A1に沿うように設けられているため、張出方向A1及び収容方向A2にステップ部材30を案内する。
ガイドレール42−1は、ホームステップ装置10を張出方向A1から見たときの中央よりも右側に配置され、ガイドレール42−2は、ホームステップ装置10を張出方向A1から見たときの中央よりも左側に配置されている。モータ駆動部43は、モータ431及びボールねじ432を有し、モータ431の回転力をボールねじ432が張出方向A1に沿った方向の力に変換してステップ部材30に伝達し、ステップ部材30を駆動する。
このように、モータ駆動部43は、電力で動作し、筐体20に収容されるステップ部材30に駆動力を伝達してそのステップ部材30を出し入れする。モータ駆動部43は、ホームステップ装置10を張出方向A1から見たときのホーム延伸方向A3における中央に配置されている。ここで、ステップ部材30について図6を参照して説明する。
図6はステップ部材30を表す。図6(a)では鉛直上方から見たステップ部材30を表し、図6(b)では収容方向A2から見たステップ部材30を表している。ステップ部材30は、ステップ部31と、支持部32と、伝達部33とを有する。ステップ部31は、筐体20から張り出して乗客に踏みつけられる板状の部分である。支持部32は、レール部32−1及び32−2と、板部32−3とを有する。
レール部32−1及び32−2は、ガイドレール42の鉛直上方に配置され、ガイドレール42によって支持される。レール部32−1は、レール上を移動可能な形をしたキャスタ部35−1を鉛直下方に有し、キャスタ部35−1は、ガイドレール42−1上を移動する。レール部32−2は、同じくキャスタ部35−2を鉛直下方に有し、キャスタ部35−2は、ガイドレール42−2上を移動する。
板部32−3は、ステップ部31よりも厚手で且つステップ部31をわずかに小さくした形をした板状の部材であり、ステップ部31のほぼ全体を鉛直下方から支持する。板部32−3は、レール部32−1及び32−2は板部32−3に溶接されており、ステップ部31に加わる乗客の荷重をレール部32−1及び32−2も一体になって支えている。伝達部33は、モータ駆動部43のボールねじ432が挿入されるナット孔34を有する。ナット孔34に挿入されたボールねじ432が回転すると、ボールねじ432の回転力が直線移動の駆動力として伝達される。
上記のとおり、ステップ部材30は、乗客が直接踏みつけるステップ部31と、ステップ部31を支持し且つガイドレール42による案内もされる支持部32とを一体にした一体型のステップである。また、ホームステップ装置10は、伝達部33に伝達される駆動力により、ガイドレール42の長手方向に案内されるこの一体型のステップ部材30を筐体20から出し入れする。
図5に戻る。電磁ブレーキ部44は、張り出した状態になったステップ部材30が張出方向A1及び収容方向A2のいずれに動いても危険なので、動かないようにブレーキをかける部分である。電磁ブレーキ部44は、レール部32−2に接触してブレーキをかけるように設置されている。手動駆動部45は、モータ駆動部43等に異常が生じてステップ部材30の出し入れが正常に行われなくなった場合に、手動でステップ部材30の出し入れをするための手段である。
手動ロック部46は、同じ場合に、手動で筐体20に収容したステップ部材30が動かないように固定(ロック)する手段である。レール部32−1には、ロック用の孔が設けられている。手動ロック部46は、棒状の部分を有し、この孔にその棒状の部分を挿入することでステップ部材30を固定する。ストッパ47は、ステップ部材30が収容されたときに、筐体20にぶつからないように移動を制限する部材である。
ストッパ47は、ステップ部材30の筐体20内部側の端部のレール延伸方向A4に配置されている。ステップ部材30の端部とは、本実施例では、図6に表すレール部32−2の収容方向A2側の端部321である。
図7は収容されたステップ部材30を表す。ステップ部材30が筐体20に完全に収容されると、端部321と丁度接触し又は少し隙間が残る位置にストッパ47が配置されている。
図8はホーム延伸方向A3に見たストッパ47を表す。筐体20の底板404の上面405には、筐体20内に設置される部品を取り付けるための固定台421が取り付けられている。固定台421には、ガイドレール42及びストッパ47が固定される。レール部32−2の端部321は、固定台421の上面422から距離L1だけ離れている。ストッパ47は、レール部32−2がぶつかってきたときに端部321と接触する接触面471を張出方向A1側に有している。
この接触面471も、固定台421の上面422から距離L1だけ離れている。このように、ホームステップ装置10は、ステップ部材30の筐体20内部側の端部である端部321を筐体20の底面から離れた位置でストッパ47と接触させてステップ部材30の移動範囲を筐体20と衝突しない範囲に制限する。筐体20の底面とは、基本的には底板404の上面405であるが、上面405の上に他の部材が取り付けられている場合には、その部材の上面が底面となる。
例えば固定台421が取り付けられている場所では、その固定台421の上面422が筐体20の底面となる。筐体20の内部には、図8に表す小石B1のような異物が入り込んでくることがある。ここで、仮にストッパとステップ部材が底面から離れていない位置で接触するように配置されていた場合、ストッパとステップ部材の間に異物が挟まることが起こり得る。そうなると、ステップ部材が収容方向A2に移動しきれなくなり、ステップ部材の一部が筐体から張り出したままの状態になり、車両がステップ部材に衝突する危険がある。
本実施例では、上記のとおりストッパ47及びステップ部材30の端部321を底面から離れた位置(接触位置)で接触させるので、この接触位置まで届かないサイズの異物が筐体20の底面に浸入しても、ストッパとステップ部材の間に異物が挟まることがない。このように、本実施例によれば、接触位置が底面から離れていない場合に比べて、筐体20内に侵入した異物によりステップ部材30の一部が収容されないという事態を起こしにくくすることができる。
上記の異物は筐体20の開口部21から侵入する。
図9はホーム延伸方向A3に見た開口部21を表す。開口部21付近では、板部32−3によってステップ部31が支持されている。ステップ部31の鉛直上方は天板部50が有する天板(図9では天板52)によって覆われている。天板52は、開口部21側(張出方向A1側)の端部522が鉛直下方に少し折れ曲がっていて開口部21を狭める形状になっており、この形状により、開口部21から異物が侵入しにくいようにしている。
しかし、端部522をステップ部31に近づけすぎると、乗客の荷重により天板52が撓んだときにステップ部31に接触する恐れがあるので、隙間が確保されている。本実施例では、天板52の端部522及びステップ部31は距離L2だけ離して配置されている。この距離L2は、ステップ部材30が出入りする部分(開口部21)における筐体20とステップ部材30の鉛直上方側との距離である。
ホームステップ装置10においては、前述した距離L1がこの距離L2以上となっている。距離L1は、ストッパ47とステップ部材30の端部321が接触する位置(接触面471)の上面422(筐体20の底面)からの高さである。筐体20内部への異物の侵入は、ステップ部材30が収容されるときに天板とステップ部31との隙間を経路とすることが多い。この隙間が距離L2となっているので、浸入する異物も、地面に置いた状態での高さがL2よりも小さいものになりやすい。
そのため、仮に侵入した異物がストッパ47の近くまで転がっていったとしても、高さがL2よりも小さいので、底面(固定台421の上面422)から距離L1(L2<L1)だけ離れた接触面471及びレール部32−2の端部321には届かない。このように、本実施例では、例えば上記の距離L1が距離L2よりも小さい場合に比べて、ステップ部材30と筐体20の隙間から侵入した異物がストッパ47及びステップ部材30の端部321の間に挟まりにくいようにすることができる。
[2]変形例
上述した実施例は本発明の実施の一例に過ぎず、以下のように変形させてもよい。また、実施例及び各変形例は必要に応じてそれぞれ組み合わせてもよい。
[2−1]阻止部材
実施例のステップ部材30は、鉛直上方に平面(レール部32−2の上面322)を有しており、その平面(上面322)が鉛直上方を向いていた。そのため、浸入した異物が上面322を移動して端部321まで到達する可能性があった。そこで、異物が端部321まで到達しないように阻止する阻止部材が設けられていてもよい。
図10は阻止部材の一例を表す。図10では、レール部32−2の上面322に阻止部材323が設けられたステップ部材30aが表されている。図10(a)ではホーム延伸方向A3に見た阻止部材323が表されており、図10(b)では鉛直上方から見た阻止部材323が表されている。阻止部材323は、2つの板部324及び325を有し、鉛直上方から見るとそれらの板部の端部同士が結合した「V」の形をしている。
阻止部材323は、ホーム延伸方向A3の寸法がレール部32−2と同じである。そのため、上面322を収容方向A2に向けて転がる異物があっても、図10に表す小石B1のように必ず阻止部材323に衝突して、端部321まで到達しないようになっている。このように、本変形例のホームステップ装置10aは、筐体20内に侵入して上面322を移動する異物(例えば小石B1)の端部321への到達を阻止する部材として阻止部材323がその上面322に設けられている。
これにより、ステップ部材上を転がった異物がステップ部材の端部321に到達することを防ぐことができる。阻止部材323は、Vの字の折り目部分の尖った方である尖端部326が、張出方向A1に向いている。そのため、板部324の面327及び板部325の面328も張出方向A1(ステップ部材30aが筐体20から出るときの移動方向)に向いている。これらの面327及び面328は、ステップ部材30aの端(ホーム延伸方向A3の端)に近づくほど収容方向A2(張出方向A1の反対向きの方向)側に位置している。
なお、異物の端部321への到達を阻止する部材はこれに限らない。
図11は阻止部材の別の例を表す。図11(a)では、1つの板部からなる阻止部材323bが表されている。阻止部材323bの張出方向A1側の面328bは、図10に表す面327及び面328と同様に、ステップ部材30bの端(ホーム延伸方向A3の端)に近づくほど収容方向A2側に位置している。
図11(b)では、同じく1つの板部からなる阻止部材323cが表されている。阻止部材323cの張出方向A1側の面328cは、ホーム延伸方向A3に沿っているため、ステップ部材30cの端(ホーム延伸方向A3の端)に近づいても収容方向A2側に位置しないようになっている。図11(c)では、ホーム延伸方向A3に沿って並べられた複数の円柱状の阻止部材群323dを有するステップ部材30dが表されている。
レール部32−2がレール延伸方向A4に移動するため、上面322上の異物もレール延伸方向A4に沿って移動しやすい。そのため、張出方向A1を向いた面が阻止部材323cのようにレール延伸方向A4に対して直交していたり、阻止部材群323dのように窪みを形成したりしている場合、阻止部材の張出方向A1側の面に接触した異物にホーム延伸方向A3の端部に向かう力が加わらないので、そのまま上面322上に滞留することになりやすい。
一方、張出方向A1を向いた面が、阻止部材323及び阻止部材323bのように上面322のホーム延伸方向A3の端に近づくほど収容方向A2側に位置するように傾いている場合、阻止部材に接触した異物にホーム延伸方向A3の端に向かう力が加わる。その結果、この傾きがない場合に比べて、接触した異物が上面322のホーム延伸方向A3の端に案内されてそこから落下することになりやすく、ステップ部材上に異物が滞留することを防ぐことができる。
なお、阻止部材323、323b及び323cは、いずれも、ホーム延伸方向A3の寸法がレール部32−2と同じであるが、この寸法はレール部32−2より長くてもよい。また、阻止部材群323dは、各阻止部材が互いに隙間を開けて配置されているが、その隙間が極めて小さい(例えば1mm程度)。そのため、仮にその隙間を異物が通り抜けてステップ部材とストッパ47の間に挟まったとしても、ステップ部材が開口部21よりも1mm以上引っ込むサイズであれば張り出すことがない。同様に、阻止部材のホーム延伸方向A3の寸法は、寸法差が十分に小さければレール部32−2よりも短くてもよい。
[2−2]ステップ部材
実施例のステップ部材30の上面322は鉛直上方を向いていたが、これに限らない。
図12は本変形例のステップ部材の例を表す。図12では、ステップ部材30eの一部として、筐体20内部側(収容方向A2側)の端部321eと、鉛直上方に上面322eとを有するレール部32−2eが表されている。
この上面322eは、端部321e側が、その反対側(張出方向A1側)よりも高くなっている。言い換えると、上面322eは、端部321eに近づくにつれて高くなる傾斜を有している。この傾斜を有することで、異物が収容方向A2に向けて移動してきたとしても、傾斜を上るだけの運動エネルギーを得ることができなければ端部321eまで到達することができない。これにより、上記変形例のように阻止部材を設けなくても、ステップ部材30e上を移動した異物がストッパ47及び端部321eの間に挟まりにくいようにすることができる。
なお、本変形例のステップ部材の形状はこれに限らない。
図13は本変形例のステップ部材の別の例を表す。図13では、張出方向A1に見たステップ部材30f(図13(a))、ステップ部材30g(図13(b))及びステップ部材30h(図13(c))が表されている。ステップ部材30fのレール部32−2fの上面322fは、全体的にホーム延伸方向A3の左側よりも右側が低くなる傾斜を有している。
ステップ部材30gのレール部32−2gの上面322gは、ホーム延伸方向A3の中央が一番高くなっており、そこからホーム延伸方向A3の両側に向けて低くなっていく傾斜を有している。ステップ部材30hのレール部32−2hの上面322hは、上面322g同様にホーム延伸方向A3の両側に向けて低くなっていく傾斜を有しているが、上面322gが2つの平面がそれぞれ傾斜を形成しているのに対して、上面322hは凸レンズの形をした曲面が傾斜を形成している。
いずれのステップ部材も、ホーム延伸方向A3(レール延伸方向A4に直交する方向)の端に近づくにつれて低くなる傾斜を鉛直上方に有している。いずれのステップ部材においても、これらの傾斜がない場合に比べて、上記端部に到達する前にステップ部材上から異物が落下しやすいようにすることができる。なお、これらの傾斜は、各レール部のレール延伸方向A4の全体にわたって設けられている必要はなく、どこか一部に設けられていればよい。そうすることで、その傾斜が設けられた部分で異物が落下しやすくなる。
[2−3]ストッパ
実施例では、2つあるレール部のうち一方(レール部32−2)にストッパが設けられたが、これに限らず、もう一方(レール部32−1)にストッパが設けられてもよいし、両方にストッパが設けられてもよい。
また、ステップ部材が有する筐体内部側(収容方向A2側)の端部のうち、レール部以外の部分の端部が接触する位置にストッパが設けられてもよい。いずれの場合も、筐体の底面から離れた位置でストッパと接触させてステップ部材の移動範囲を制限するように設けられていれば、この位置が底面から離れていない場合に比べて、筐体内に侵入した異物によりステップ部材の一部が収容されないという事態を起こしにくくすることができる。
ストッパの個数は1つでもよいし2以上でもよい。また、ストッパの固定位置は、図8等に表すものに限らない。例えば図8のストッパ47は筐体20の底板404に固定されていたが、後方板403に固定されていてもよいし、ストッパを接触させる位置によっては側板401又は402に固定されていてもよい。いずれの場合も、ストッパを設けることで、ステップ部材の筐体又は他の機器への衝突が防がれるようになっていればよい。
1…ホーム設備、6…収容部材、10…ホームステップ装置、20…筐体、30…ステップ部材、31…ステップ部、32…支持部、32−2…レール部、40…本体部、50…天板部、41…天板支持部材、42…ガイドレール、43…モータ駆動部、44…電磁ブレーキ部、45…手動駆動部、46…手動ロック部、47…ストッパ、323…阻止部材。

Claims (6)

  1. ステップ部材をレールの延伸方向に案内して筐体から出し入れし、前記ステップ部材の筐体内部側の端部の前記延伸方向に配置されたストッパと当該端部を前記筐体の底面から離れた位置で接触させて前記ステップ部材の移動範囲を制限するホームステップ装置。
  2. 前記ストッパと前記端部が接触する位置の前記底面からの高さは、前記ステップ部材が出入りする部分における前記筐体と当該ステップ部材の鉛直上方側との距離以上である
    請求項1に記載のホームステップ装置。
  3. 前記ステップ部材は、鉛直上方に平面を有し、前記筐体内に侵入して前記平面を移動する異物の前記端部への到達を阻止する部材が前記平面に設けられている
    請求項1又は2に記載のホームステップ装置。
  4. 前記阻止する部材は、前記ステップ部材が前記筐体から出るときの移動方向を向いた面を有し、当該面が前記ステップ部材の端に近づくほど当該移動方向の反対向きの方向側に位置する
    請求項3に記載のホームステップ装置。
  5. 前記ステップ部材は、前記端部に近づくにつれて高くなる傾斜を鉛直上方に有する
    請求項1又は2に記載のホームステップ装置。
  6. 前記ステップ部材は、前記延伸方向に直交する方向の端に近づくにつれて低くなる傾斜を鉛直上方に有する
    請求項1又は2に記載のホームステップ装置。
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