JP2019214089A - 工作機械のガイド機構、工作機械および工作機械のガイド部材 - Google Patents
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Abstract
Description
これらの移動機構は、第1部材に対して第2部材を移動させる駆動機構と、第1部材に対して第2部材をガイドするガイド機構と、で構成される。
駆動機構としては、電動モータとボールねじやラックピニオンとの組み合わせ、あるいは油圧シリンダなどが用いられる。
摺動式ガイド機構においては、摺動面に潤滑油が供給されるが、それでも摺動が繰り返される結果、摺動面の摩耗が避けられない。このような摩耗に対して、摺動面にガイドプレートやアテイタ等と称される別体式の摺動部材を装着することがなされている。摺動面に適切な摺動間隔が得られるよう調整するために、テーパギブやクサビ等と称される長手方向に厚みが変化する摺動部材を用いることがなされている(特許文献1参照)。
このような煩雑さを解消するため、油圧装置を用いた調整機構が開発されている(特許文献2および特許文献3参照)。
このような調整機構を用いることで、調整作業が簡単になり、稼働により摺動面の摩耗が進行し、間隔調整を繰り返し行う必要が生じても、作業の煩雑さを軽減できる。
しかし、油圧式の調整機構により間隔調整作業が簡素化できたとしても、間隔調整される各部の摺動部材が摩耗することは避けられず、摩耗の進行による摺動部材の寿命に対しては、各部材の交換作業が避けられない。
さらに、前述した油圧式の調整機構を組み込むために、工作機械の複雑化が避けられず、ガイド機構の周囲に相応の設置スペースが必要となる。その結果、既に稼働している工作機械については、摺動部分に新たに油圧式の調整機構を追加することは困難であった。
その結果、工作機械の稼働によりガイド面およびガイド部が摩耗することが抑制できる。そして、摩耗の軽減により、稼働の進行に伴って定期的に間隔調整を行う必要がなくなり、初期段階の間隔調整を長く維持でき、従来の油圧式の調整機構などを追加する必要がなくなる。
さらに、本発明のガイド部は、別体のガイド部材としてもよく、別体のガイド部材とする場合には、従来のテーパギブあるいはガイドプレートなどの摺動部材に相当する形状とすることができ、既に稼働している工作機械の摺動部材を置き換えること(レトロフィット)により、本発明を簡単に実施することができる。
例えば開放式の静圧軸受を設置すると、そこから周囲に排出される静圧油の量は、従来の潤滑油の量よりはるかに多く、回収が十分にできない等の不都合の可能性がある。
本発明では、周囲にシール部材が配置される閉回路式の静圧キャビティを用いることで、周囲に漏れ出す静圧油をほぼ全て回収でき、周囲への影響を避けることができる。
本発明では、別体のガイド部材として、従来のテーパギブあるいはガイドプレートなどの摺動部材に相当する形状とすることができ、既に稼働している工作機械の摺動部材を置き換えること(レトロフィット)により、本発明を簡単に実施することができる。
このような本発明では、厚みが変化するテーパ状のガイド部材を用いることで、既存の工作機械の摺動部材であるテーパギブやクサビ等に置き換えることができ、間隔の調整に利用できる。そして、既存の工作機械の摺動部材を置き換えることで、本発明を簡単に実施することができる。
このような本発明では、厚みが一定のガイド部材を用いることで、既存の工作機械の摺動部材であるガイドプレートやアテイタ等に置き換えることができる。そして、本発明のガイド部材によれば、既存の工作機械の摺動部材を置き換えることで、本発明を簡単に実施することができる。
このような本発明では、ガイド部材の端面に配管類を接続することで、配管類をガイド機構部分から外部へ引き出し、送油装置を構成するタンクやポンプなどに接続することができる。従って、ガイド機構の周辺に追加的な装置類が必要なく、コンパクトにできるとともに、既存の工作機械のガイド部材を置き換えて本発明を構成することも簡単に行える。
このような本発明では、外周部に送油装置からの静圧油が供給され、内側に向けて圧力低下してゆくため、外周部の広い範囲に内側より高い圧力を分布させることができ、効率よい荷重負担を行うことができる。
このような本発明では、供給孔からの静圧キャビティへの静圧油の供給に支障がないとともに、シール部材が外側溝に収容されることで、シール部材に十分な厚みを確保でき、ガイド面に圧接されて振動に伴って圧縮および復元される際の十分な弾性変形性能を得ることができる。
このような本発明では、送油装置により、静圧キャビティの静圧油の油圧および油量を調整でき、第1部材と第2部材の間隔や負担荷重、振動の減衰性能などを調整することができる。とくに、ガイド機構に大きな荷重が働き、静圧キャビティの静圧油の圧力が予め設定された適正油圧を超えて大きくなった際など、送油装置の送出圧力を一時的に所定油圧より高め、静圧キャビティへの静圧油の流入を継続することができ、静圧キャビティ内の静圧油を適切に維持することができる。
なお、ガイド機構にかかる負荷としては、例えば、主軸に装着された工具がワークを切削する際に、ワークが受ける力(荷重)がテーブルに伝達され、テーブルが受ける力(荷重)などである。また、工作機械が設置されている地面から受ける、周囲で発生した振動(他の工作機械の振動や地震)等がガイド機構にかかる負荷となることもある。
このようなガイド機構にかかる負荷は、例えば、シール部材に隣接して第2部材に荷重センサを埋め込み、シール部材と同様にガイド面に接触させることで、第1部材と第2部材との間の荷重として検出することができる。または、第2部材に静圧パッドを埋め込む際に、第2部材と静圧パッドとの間に荷重センサを挟み込むことで、静圧パッドにかかる荷重を検出してもよい。
このような本発明では、静圧キャビティに必要な構造を予め静圧パッドとして製造しておくことができる。そして、ガイド部材の製造時には、必要な部位に静圧パッド嵌め込むことで、そこに静圧キャビティを形成できる。そして、予め静圧パッドとして製造できるため、同じ形状寸法の静圧キャビティを複数用いる場合には、製造効率の向上およびコスト削減が期待できる。
本発明では、本発明のガイド機構で説明した通りの作用効果を得ることができる。
本発明では、工作機械のガイド機構に組み込むことで、本発明のガイド機構で説明した通りの作用効果を得ることができる。
〔工作機械T〕
図1において、工作機械Tは、Z軸方向に延びるコラムベッド1およびX軸方向に延びるテーブルベッド2を有し、それぞれ基礎上に固定されて平面「T」字状に配置されている。
コラムベッド1には上下方向(Y軸方向)へ延びるコラム3が支持され、コラム3には主軸ヘッド5が支持されている。テーブルベッド2には加工対象のワークを載置するテーブル4が支持されている。
コラム3は、コラム駆動機構1Aで駆動されるコラムベース3Aの上にコラム本体3Bを有する。コラム3の内部には図示しないY軸駆動機構が設置され、主軸ヘッド5はコラム本体3Bに沿ってY軸方向の任意位置へ移動可能である。
主軸ヘッド5は、コラム本体3Bに沿って駆動されるヘッド本体5Aと、ヘッド本体5Aに回転自在に支持されてZ軸方向へ延びる主軸5Bと、主軸5Bを回転させる回転駆動機構5Cとを有する。従って、主軸5Bに工具を装着し、回転駆動機構5Cで回転させることで、テーブル4に載置されたワークの加工を行うことができる。
テーブル4は、ワークを載置するテーブル本体4Aと、テーブル本体4Aを回動自在に支持するテーブルベース4Bと、テーブルベース4Bに設置されたモータ4Cとを有し、モータ4Cの駆動により垂直なY軸回りに回転可能である。
前述した通り、テーブル4はテーブルベッド2に対してX軸方向へ移動可能である。ここで、テーブルベッド2は本発明の第1部材であり、テーブル4が第2部材である。そして、テーブルベッド2に対するテーブル4の移動を正確にガイドするために、テーブルベッド2とテーブル4との間には、一対のガイドレール2L,2Rを含むガイド機構Gが形成されている。
図2はテーブルベッド2、テーブル4およびガイド機構Gの縦断面図であり、図3は図2におけるIII−III線での水平断面図である。
ガイドレール2L(図2左側)には、ガイド面として、水平かつ平滑な上面2L1が形成されている。
ガイドレール2R(図2右側)には、それぞれガイド面として、水平かつ平滑な上面2R1および下面2R3が形成されるとともに、両側に垂直かつ平滑な側面2R2,2R4が形成されている。
ガイド機構Gにおいては、ガイドレール2L,2Rの上面2L1,2R1が水平基準面とされ、ガイドレール2Rの一方の側面2R2が垂直基準面とされており、反対側の側面2R4が垂直ガイド面とされている。これらの各面によりガイド機構Gの移動方向、つまりテーブルベッド2に対するテーブルベース4Bの移動方向が規定される。
ガイド部材41の一方の側縁に沿って、垂直な表面が側面2R2に対向するガイド部材42が設置されている。ガイド部材42の下縁に沿って、水平上向きの表面が下面2R3に対向するガイド部材43が設置されている。ガイド部材43は所定間隔で配置された支持部材43Cでテーブルベース4Bの下面に支持されている。
ガイド部材41の他方の側縁に沿ってガイド部材6が設置されている。ガイド部材6の垂直な表面は、垂直ガイド面であるガイドレール2Rの側面2R4に対向されている。
ガイドレール2Rは、ガイド部材6とガイド部材42とにより、水平なZ軸方向に挟まれている。また、ガイドレール2Rは、ガイド部材41とガイド部材43とにより、垂直なY軸方向に挟まれている。
ガイド部材44,41は、上面2L1,2R1との間でテーブル4の荷重を負担する摺動面であるとともに、水平基準面である上面2L1,2R1に摺動し、テーブル4がX軸方向に移動した際に発生するY軸方向の変位、テーブル4のピッチングおよびローリングを規制する。
ガイド部材42は、垂直基準面である側面2R2に摺動し、テーブル4がX軸方向に移動した際に発生するZ軸方向の変位、およびテーブル4のヨーイングを規制する。
これらのガイド部材44,41,42,43は、それぞれ長手方向に一定の厚みに形成された定厚の摺動部材である。
このうち、従来のガイドプレートやアテイタ等に相当するガイド部材43には、閉回路式の静圧パッド50(図7参照、詳細は後述する)が設置されており、対向するガイド面に対する摺動は油膜を介して行われる。
ガイド部材6は、テーブルベース4BのX軸方向に延びる長尺材とされ、一対がテーブルベース4BのX軸方向の各端部からそれぞれ中間部に向けて挿入されている。ここで、ガイド部材6は、先端側(テーブルベース4Bの中間部側)から基端側(テーブルベース4Bの端部側)に向けて厚み(図3に示す設置状態でZ軸方向の寸法)が漸増するテーパ状に形成されており、テーブルベース4Bに対する挿入位置に応じて対向する側面2R4(ガイド面)に対する間隔を調整可能である。つまり、ガイド部材6は、従来のテーパギブやクサビ等のテーパ状の摺動部材に相当する。
ただし、本実施形態のガイド部材6には、それぞれ閉回路式の静圧パッド50(図7参照、詳細は後述する)が設置されており、対向するガイド面に対する摺動は油膜を介して行われる。
図4ないし図6には、テーパ状のガイド部材6が示されている。
ガイド部材6は、従来のテーパギブやクサビ等のテーパ状摺動部材のいずれかと同様な形状および寸法に形成され、同テーパ状摺動部材が設置されていた部分に代替設置が可能である。
ガイド部材6は、表面6Aがガイド面(ガイドレール2Rの側面2R4、垂直ガイド面)に対向される長尺の本体6Bを有する。本体6Bは、先端側(図4および図5の上側)から基端側(同下側)に漸増するテーパ状を有する。すなわち、図4において、本体6Bの上端側から下端側に至るに従って厚みが僅かに大きく形成されている。
本体6Bの基端側には表面6Aとは反対側に取付部6Cが形成され、取付部6Cにはガイド部材6をテーブルベース4Bに固定するためのボルト孔6Dが形成されている。
ガイド部材6における以上の構成は、従来のテーパ状摺動部材と同様である。
本体6Bの内部には、基端側から先端側に向けて穿孔された供給通路6Eおよび回収通路6Fが形成されている。供給通路6Eおよび回収通路6Fは、それぞれ本体6Bの基端側端面に開口されるとともに、本体6Bの内部で静圧パッド50の供給ポート612および回収ポート642(図7参照)に連通されている。
図7および図8には、静圧パッド50の詳細が示されている。
静圧パッド50は、円板状の本体51を有し、その表面52に静圧キャビティ60が形成されている。静圧パッド50は、ガイド部材6の表面6Aに嵌め込まれ、表面52の静圧キャビティ60がガイド面である側面2R4に僅かな隙間で対向される。
静圧キャビティ60内に静圧油71を供給しつつ、静圧キャビティ60内から静圧油71を回収するために、本体51には送油装置70が接続されている。
外側溝61および内側溝62は、それぞれ表面52から数ミリ程度の深さに彫り込まれた矩形断面の環状の凹部である。
静圧面63および降圧面64は、表面52と同じレベルまたは僅かに凹んだ平面である。
静圧面63には径方向に延びる等圧溝631が形成され、外側溝61と内側溝62とは等圧溝631により連通されている。
シール部材65は、その厚みの半分以上が外側溝61に収容され、残りの部分が表面52から突出した状態とされている。
静圧パッド50は、ガイドレール2Rの側面2R4に対向させた状態で、表面52と側面2R4との間には僅かな隙間(数十ミクロン程度)が空けられるが、シール部材65がその全周にわたって側面2R4に密接可能である。従って、このシール部材65により、静圧キャビティ60の内部は、外部に対して閉鎖された静圧空間とされる。
降圧面64の中央には回収孔641が形成され、回収孔641は本体51の内部通路を介して側面の回収ポート642に連通されている。
供給路73は、ガイド部材6の供給通路6Eを経由して静圧キャビティ60の供給ポート612に接続されており、油槽72に貯留された静圧油71をポンプ75で汲み上げ、静圧キャビティ60の外側溝61の内側に圧送可能である。
静圧油71の取り出しには、供給路73におけるポンプ75の動力が利用される。すなわち、静圧キャビティ60がシール部材65で外部から閉鎖されているため、供給路73から圧送された静圧油71はそのまま回収路74へ押し出され、油槽72へと戻される。
すなわち、送油装置70から供給された静圧油71は、静圧キャビティ60の外側溝61に充填され、その全周から内側に向けて、静圧面63と側面2R4との僅かな隙間を通って流れる。この際、内側溝62は等圧溝631により外側溝61と等圧とされており、静圧面63を通る静圧油71は、図8下部のグラフのR部に示すように最大圧力PRに維持される。つまり、静圧面63が静圧隙間を確保するためのリセス部となっている。
続いて、内側溝62に達した静圧油71は、降圧面64と側面2R4との僅かな隙間を通り、回収孔641に向かって流れる。この際、回収孔641は回収路74を介して油槽72内に開放されており、降圧面64を通る静圧油71は、図8下部のグラフのL部に示すように圧力が降下する。つまり、この降圧面64がリセス部の圧力を維持するためのランド部となっている。
静圧キャビティ60における静圧隙間を確保した状態は、内部の静圧油71の圧力および流量を、送油装置70のポンプ75の回転動作で変更することによって制御できる。
また、回収路74に絞り弁などを追加して、静圧キャビティ60における静圧油71の状態を調整できるようにしてもよい。
送油装置70は、ガイド機構Gにかかる負荷に応じて、静圧キャビティ60の静圧油71の油圧および油量を調整可能である。ガイド機構Gにかかる負荷は、例えば、静圧パッド50に隣接してガイド部材6に荷重センサを埋め込み、シール部材65と同様にガイド面である側面2R4に接触させることで、テーブルベッド2とテーブル4との間の荷重として検出することができる。または、ガイド部材6に静圧パッド50を埋め込む際に、ガイド部材6と静圧パッド50との間に荷重センサを挟み込むことで、静圧パッド50にかかる荷重を検出してもよい。
図9ないし図11には、定厚のガイド部材43が示されている。
ガイド部材43は、従来のガイドプレートやアテイタ等の定厚摺動部材のいずれかと同様な形状および寸法に形成され、それが設置されていた部分に代替設置が可能である。
ガイド部材43は、表面43Aがガイド面(ガイドレール2Rの下面2R3)に対向される長尺の本体43Bを有する。本体43Bは、先端側から基端側まで一定厚みとされている。ガイド部材43は所定間隔で配置された支持部材43Cでテーブルベース4Bの下面に支持されている。
ガイド部材43における以上の構成は、従来の定厚摺動部材(従来のガイドプレートやアテイタ等)と同様である。
本体43Bの内部には、基端側から先端側に向けて穿孔された供給通路43Eおよび回収通路43Fが形成されている。供給通路43Eおよび回収通路43Fは、それぞれ本体43Bの基端側端面に開口されるとともに、本体43Bの内部で静圧パッド50の供給ポート612および回収ポート642(図7参照)に連通されている。
静圧パッド50、これに形成される静圧キャビティ60、これに静圧油を供給および回収する送油装置70については、先にガイド部材6に関して図7および図8により説明した通りであるため、重複する説明は省略する。
これらの静圧キャビティ60および送油装置70を有する静圧パッド50が表面43Aに配列されることにより、ガイド部材43は下面2R3に対して静圧隙間を確保しつつX軸方向に移動可能である。
前述のように、ガイド部材43は、閉回路式の静圧パッド50を有する構成とした。
一方、他のガイド部材41,42,44は、それぞれ水平基準面である上面2R1、垂直基準面である側面2R2、水平基準面である上面2L1に対して正確に摺動するように、既存の低摩擦材料で形成された摺動部材とされている。
ただし、これらのガイド部材41,42,44についても、ガイド部材43と同様に静圧パッド50を有する構成としてもよい。
以上説明した実施形態では、テーブルベッド2(第1部材)のガイド面(2R3,2R4)と、テーブル4(第2部材)のガイド部材(43,6)との間に、静圧パッド50による閉回路油静圧式のガイド機構Gが構成される。
このガイド機構Gにおいては、静圧キャビティ60内の静圧油71を介して第1部材と第2部材とが摺動することになり、摺動抵抗を著しく減少させることができる。
その結果、工作機械Tの稼働によりガイド面(2R3,2R4)およびガイド部材(43,6)が摩耗することを抑制できる。
なかでも、ガイド部材6は、ヨーイングつまりY軸回りの変動の際に狭い面積で大きな力を受けて摩耗し易く、また移動方向に離れた一対の間に切粉などが侵入して摩耗する可能性が高いが、本実施形態では閉回路式の静圧キャビティ60が形成されることで、摩耗の軽減が図れる。
このような摩耗の軽減により、稼働の進行に伴って定期的に間隔調整を行う必要がなくなり、初期段階の間隔調整を長く維持でき、従来の油圧式の調整機構などを追加する必要がなくなる。
さらに、本実施形態のガイド部材(43,6)は、従来のテーパギブあるいはガイドプレートなどの摺動部材に相当する形状とすることができ、既に稼働している工作機械の摺動部材を置き換えること(レトロフィット)により、簡単に実施できる。
例えば開放式の静圧軸受を設置すると、そこから周囲に排出される静圧油の量は、従来の潤滑油の量よりはるかに多く、回収が十分にできない等の不都合の可能性がある。
これに対し、本実施形態では、静圧キャビティ60を閉回路式とすること、つまり、静圧キャビティ60の周囲にシール部材65を設けて静圧油71の周囲への漏れ出しを防止しつつ、送油装置70を用いて静圧油71の供給および回収を行うことで、静圧キャビティ60に供給する静圧油71をほぼ全て回収でき、静圧油71の溢れ出しなどの周囲への影響を避けることができる。
このように、本実施形態によれば、既存の工作機械の摺動部材を置き換えることで、本発明を簡単に実施することができる。
従って、ガイド機構Gの周辺に追加的な装置類が必要なく、コンパクトにできるとともに、既存の工作機械のガイド部材を置き換えて本発明を構成することも簡単に行える。
本実施形態では、外側溝61、内側溝62および等圧溝631により、静圧キャビティ60の外周側に広い面積にわたって一定の静圧が分布する静圧面63を形成することができる。一方、内側溝62から回収孔641にかけて降圧面64を形成でき、外側の静圧面63における静圧を維持できる。そして、外側溝61、内側溝62および等圧溝631によって静圧面63および降圧面64が形成できるので、静圧キャビティ60を凹状に形成する必要がなくなり、製造を容易にできる。
一方、供給孔611は外側溝61のシール部材65より内側に形成されているため、静圧キャビティ60への静圧油71の供給に支障がない。
本実施形態では、送油装置70により、静圧キャビティ60に供給される静圧油71の油圧および油量を調整でき、テーブル4(第2部材)とテーブルベッド2(第1部材)との間隔や負担荷重、振動の減衰性能などを調整することができる。とくに、ガイド機構Gに大きな荷重が働き、静圧キャビティ60の静圧油71の圧力が予め設定された適正油圧を超えて大きくなった際など、送油装置70の送出圧力を一時的に所定油圧より高め、静圧キャビティ60への静圧油71の流入を継続することができ、静圧キャビティ60内の静圧油71を適切に維持することができる。
なお、本発明は前述した実施形態に限定されるものではなく、本発明の目的を達成できる範囲での変形などは本発明に含まれる。
前記実施形態において、ガイド部材6,43に設置する静圧パッド50は、異なる間隔あるいは配置パターンとしてもよい。例えば、ガイド部材6,43では、その長手方向へ一列に静圧パッド50を配列したが、幅広のガイド部材においては、二列以上で配列してもよく、千鳥配置などとしてもよい。また、幅が狭いガイド部材については、小径の静圧パッド50を用いてもよい。ただし、同じ静圧パッド50を共用することで、部品管理が容易でコスト低減も図ることができる。
前記実施形態では、ガイド部材6,43の本体6B,43Bに別体の静圧パッド50を嵌め込むことで、閉回路油静圧式のガイド機構Gを構成した。ただし、別体の静圧パッド50を用いることは本発明に必須ではなく、ガイド部材6,43の本体6B,43Bに直接静圧キャビティ60を形成してもよい。このような静圧キャビティ60は、ガイド部材6,43の本体6B,43Bの表面に、例えば円形や矩形その他の形状の溝加工を施すことで形成できる。このような溝加工による静圧キャビティ60は、他のガイド部材41,42,44に形成してもよい。
静圧キャビティ60は、等圧溝631により外側溝61と等圧化された内側溝62を形成することで、同じ平面を静圧面63と降圧面64とを区切ることで形成される構造に限らず、静圧面63と降圧面64とを段差状にして形成されるものであってもよい。
静圧キャビティ60および静圧パッド50は円形に限らず、多角形状あるいは他の形状であってもよい。
前記実施形態では、複数の静圧キャビティ60(静圧パッド50)に対し、送油装置70から同じ油圧・油量で静圧油71を供給しているが、供給路73または回収路74を静圧キャビティ60の各々に対して分岐させ、分岐部分にバルブなどを設けることにより、個別に油圧・油量を調整できるようにしてもよい。
Claims (12)
- 工作機械の第1部材に対して第2部材を所定の移動方向にガイドする工作機械のガイド機構であって、
前記第1部材に形成されかつ前記移動方向に沿って延びるガイド面と、
前記第2部材に形成されかつ前記ガイド面に対向配置されたガイド部と、
前記ガイド面および前記ガイド部の前記ガイド面に対向する表面の一方もしくは両方に形成されかつ周囲にシール部材が配置される閉回路式の静圧キャビティと、
前記静圧キャビティに静圧油を供給しかつ前記静圧キャビティから前記静圧油を回収する送油装置と、を有することを特徴とする工作機械のガイド機構。 - 前記ガイド部は、前記第2部材に装着された別体のガイド部材であることを特徴とする請求項1に記載の工作機械のガイド機構。
- 前記第1部材は、前記移動方向に延びかつ側面に垂直基準面および垂直ガイド面が形成されたガイドレールを有し、
前記第2部材は、前記垂直ガイド面と対向しかつ前記移動方向に離れて配置された一対の前記ガイド部材を有し、
前記ガイド部材は、それぞれ前記移動方向に延びかつ長手方向に厚みが変化するテーパ状に形成された長尺材で形成されていることを特徴とする請求項2に記載の工作機械のガイド機構。 - 前記第1部材は、前記移動方向に延びかつ上面および下面に水平ガイド面を有し、上面で前記第2部材の荷重を支持するガイドレールを有し、
前記第2部材は、前記下面の前記水平ガイド面との間に、前記移動方向に延びる前記ガイド部材を有し、
前記ガイド部材は、前記移動方向に延びかつ長手方向に厚みが一定の長尺材で形成されていることを特徴とする請求項2に記載の工作機械のガイド機構。 - 前記送油装置は、前記ガイド部材の長手方向の端面に接続されることを特徴とする請求項2から請求項4のいずれか一項に記載の工作機械のガイド機構。
- 前記送油装置は、前記静圧キャビティの外周側に前記静圧油を供給し、前記静圧キャビティの中心部から前記静圧油を回収することを特徴とする請求項1から請求項5のいずれか一項に記載の工作機械のガイド機構。
- 前記静圧キャビティは、同心円状に形成された外側溝および内側溝と、前記外側溝に形成された供給孔と、前記外側溝と前記内側溝とを連通する等圧溝と、前記外側溝と前記内側溝との間に形成された静圧面と、前記内側溝より内側に形成された降圧面と、前記降圧面の中心に形成された回収孔と、を有し、
前記供給孔に前記送油装置から前記静圧油が供給され、前記回収孔から前記送油装置へと前記静圧油が回収されることを特徴とする請求項6に記載の工作機械のガイド機構。 - 前記外側溝には前記シール部材が配置され、前記供給孔は前記外側溝の前記シール部材より内側に形成されていることを特徴とする請求項7に記載の工作機械のガイド機構。
- 前記送油装置は、前記ガイド機構にかかる負荷に応じて、前記静圧キャビティの前記静圧油の油圧および油量を調整可能であることを特徴とする請求項1から請求項8のいずれか一項に記載の工作機械のガイド機構。
- 前記ガイド部の前記ガイド面に対向する表面には静圧パッドが嵌め込まれ、
前記静圧キャビティは、前記静圧パッドに形成されていることを特徴とする請求項1から請求項9のいずれか一項に記載の工作機械のガイド機構。 - 請求項1から請求項10のいずれか一項に記載のガイド機構を有する工作機械。
- 工作機械の第1部材に対して所定の移動方向に移動する第2部材に装着され、前記第1部材に形成されて前記移動方向に沿って延びるガイド面に対向配置された工作機械のガイド部材であって、
前記ガイド面に対向する表面に形成されかつ周囲にシール部材が配置される閉回路式の静圧キャビティを有し、
外部の送油装置から前記静圧キャビティに静圧油が供給される供給経路と、前記静圧キャビティから前記送油装置に前記静圧油を回収する回収経路と、を有することを特徴とする工作機械のガイド部材。
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