JP2019214040A - 分離膜エレメント - Google Patents

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Hiroho Hirozawa
洋帆 広沢
高木 健太朗
Kentaro Takagi
健太朗 高木
祐太郎 鈴木
Yutaro Suzuki
祐太郎 鈴木
剛士 誉田
Takeshi Konda
剛士 誉田
久美子 小川
Kumiko Ogawa
久美子 小川
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Shu Taniguchi
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Abstract

【課題】高圧運転下においても安定した分離除去性能発揮することができる、分離膜エレメントを提供すること。【解決手段】本発明は、集水管と、分離膜と、供給側流路材と、透過側流路材とを備え、上記供給側流路材は、上記分離膜の二つの面の間に配置され、その厚み方向において上記分離膜と接触する、複数の領域Xと、その厚み方向において上記分離膜と接触しない、複数の領域Yを有し、上記分離膜の一面と、上記領域Yとの最近接距離A1の変動係数CV1が、0.00〜0.15である、分離膜エレメントを提供する。【選択図】図3

Description

本発明は、分離膜エレメントに関する。
海水及びかん水等に含まれるイオン性物質を除くための技術においては、近年、省エネルギー及び省資源のためのプロセスとして、分離膜エレメントによる分離法の利用が拡大している。分離膜エレメントによる分離法に使用される分離膜は、その孔径や分離機能の点から、精密ろ過膜、限外ろ過膜、ナノろ過膜、逆浸透膜、正浸透膜に分類される。これらの膜は、例えば海水、かん水及び有害物を含んだ水等からの飲料水の製造、工業用超純水の製造、並びに、排水処理及び有価物の回収等に用いられており、目的とする分離成分及び分離性能によって使い分けられている。
分離膜エレメントとしては様々な形態があるが、分離膜の一方の面に供給水を供給し、他方の面から透過水を得る点では共通している。分離膜エレメントは、束ねられた多数の分離膜を備えることで、1個の分離膜エレメント当たりの膜面積が大きくなるように、つまり1個の分離膜エレメント当たりに得られる透過水の量が大きくなるように形成されている。分離膜エレメントとしては、用途や目的にあわせて、スパイラル型、中空糸型、プレート・アンド・フレーム型、回転平膜型又は平膜集積型等の各種の形状が提案されている。
例えば、逆浸透ろ過には、スパイラル型分離膜エレメントが広く用いられる。スパイラル型分離膜エレメントは、集水管と、集水管の周囲に巻き付けられた分離膜とを備える。分離膜は、供給水(つまり被処理水)を分離膜表面へ供給する供給側流路材、供給水に含まれる成分を分離する分離膜及び分離膜を透過し分離された透過水を集水管へと導くための透過側流路材が積層されることで形成される。スパイラル型分離膜エレメントは、供給水に高い圧力を付与することができるので、透過水を多く取り出すことができる点で好ましく用いられている。
濃度分極による分離膜エレメント性能低下を抑制するためには、例えば供給側流路材の厚みを薄くし、供給水の膜面線速度を大きくして分離膜表面近くで乱流を生じさせ、濃度分極層を薄くすればよいが、供給側流路材の厚みを薄くすると供給水中の不純物や微生物によるファウラントが供給側の流路を閉塞して分離膜エレメント性能が低下したり、分離膜エレメントの圧力損失が大きくなり、供給水を供給するポンプの必要動力が大きくなるため電力費が高くなったり、分離膜エレメントが破損するといった問題が生じるため、供給側流路材による分離膜エレメントの性能向上が提案されている。
具体的には、特許文献1及び2では、供給側流路材中の繊維状物の配列を制御することで、流動抵抗を低減させたネットが提案されている。また、特許文献3では縦糸及び横糸が非円形断面である織物状の流路材が考案されている。
日本国特表2015−525282号公報 日本国特開2000−000437号公報 日本国特開平10−118468号公報
しかしながら、従来の供給側流路材では、流動抵抗の低減とファウリング抑制のための排濁性の確保とが不十分であり、とりわけ供給側流路材近傍における供給水の滞留が問題視されていた。そこで本発明は、高圧運転下においても安定した分離除去性能を発揮することができる、分離膜エレメントを提供することを課題とする。
上記目的を達成するため、本発明によれば、集水管と、分離膜と、供給側流路材と、透過側流路材とを備え、上記供給側流路材は、上記分離膜の二つの面の間に配置され、その厚み方向において上記分離膜と接触する、複数の領域Xと、その厚み方向において上記分離膜と接触しない、複数の領域Yを有し、上記分離膜の一面と、上記領域Yとの最近接距離A1の変動係数CV1が、0.00〜0.15である、分離膜エレメントが提供される。
本発明によれば、高圧運転下においてもファウラントの付着によるファウリングの進行を減退させることが可能であり、造水量の維持や運転安定性に優れた分離膜エレメントを得ることができる。
分離膜エレメントの一形態を示す展開斜視図である。 本発明の分離膜エレメントが備える供給側流路材の一例の断面図である。 本発明の分離膜エレメントが備える供給側流路材の別の一例の断面図である。 本発明の分離膜エレメントが備える供給側流路材の一例の平面図である。
以下、本発明の実施の形態について、詳細に説明する。
<分離膜エレメント>
図1に示すように、分離膜エレメント(100)は、集水管(6)と、集水管(6)の周囲に巻回された分離膜(1)を備える。図1に示すx軸の方向が、集水管の長手方向である。またy軸やz軸等の方向が、集水管の長手方向に対し垂直な方向である。
<供給側流路材>
供給側流路材は、分離膜の二つの面の間に配置され、供給側流路材と分離膜とにより供給側流路が形成される。供給側流路には供給水が通水されるが、供給水が含有するファウラントの付着を抑制するためには、供給側流路の流動抵抗を低減し、排濁性を高めることが重要である。
本発明の分離膜エレメントが備える供給側流路材は、その厚み方向において分離膜と接触する、複数の領域Xと、その厚み方向において分離膜と接触しない、複数の領域Yを有し、分離膜の一面と、領域Yとの最近接距離A1の変動係数CV1が、0.00〜0.15であることが必要である。
分離膜と接触しない、供給側流路材の領域Yと、分離膜との間に複数の空隙が確保され、かつ、分離膜と領域Yとの最近接距離のバラツキが十分に小さいことで、供給側流路材の厚み方向への供給水の移動の自由度が高まり、供給側流路の流動抵抗を低減しつつ、排濁性を高めることができる。
具体的には、図2(a)や(b)、図3(a)や(b)に一態様を示すような、分離膜の一面と領域Yとの最近接距離A1のバラツキである変動係数CV1が、0.00〜0.15であることが要求される。なお変動係数CV1は、0.00〜0.10であることが好ましい。
また分離膜と接触する、複数の領域Xの存在により、供給側流路材と分離膜とのずれを抑止することができ、分離膜エレメントの分離除去性能を保持することが可能となる。供給側流路材が有する領域Xについては、図2(a)や(b)に一態様を示すように、分離膜の片面にのみ接触するものが混在していても構わないし、図3(a)や(b)に一態様を示すように、全ての領域Xが分離膜の二つの面と接触していても構わないが、上記のずれの抑止の観点から、供給側流路材は、その厚み方向において分離膜の二つの面と接触する領域Xを有することが好ましい。
さらには、供給水がより均一に通水可能な供給側流路を形成するため、図2(b)や図3(b)に一態様を示すように、分離膜の他の一面と、領域Yとの最近接距離A2の平均値M2と、領域Yとの最近接距離A2の平均値M1との比である(M2/M1)の値が、0.7〜1.3であることが好ましく、0.8〜1.2であることがより好ましい。
(領域X及び領域Yの確認)
分離膜エレメントを適宜分解し、分離膜の二つの面の間に配置された供給側流路材を、分離膜ごと集水管の長手方向に切断し、供給側流路材及び分離膜の横断面(以下、「断面Z」)を露出させる。断面Zをマイクロスコープで観察して、分離膜の膜面に対し垂直な方向に相当する、供給側流路材の厚み方向における供給側流路材と分離膜との接触の有無を確認することで、供給側流路材における領域Xと領域Yとを区別することができる。
なお図2及び図3における断面は、いずれも上記の断面Zに相当するものである。
(平均値M1及びM2の算出)
上記の断面Zにおいて、無作為に選択した30箇所の領域Yについて、マイクロスコープで分離膜の一面との最近接距離A1を測定し、それらの平均値としてM1を算出することができる。
また、平均値M1の算出に際して無作為に選択した30箇所の領域Yについて、マイクロスコープで分離膜の他の一面との最近接距離A2を測定し、それらの平均値としてM2を算出することができる。
(変動係数CV1及びCV2の算出)
平均値M1の算出に際して測定した30箇所の最近接距離A1について、それらの標準偏差を平均値M1で除することで、変動係数CV1を算出することができる。
また、平均値M2の算出に際して測定した30箇所の最近接距離A2について、それらの標準偏差をそれらの平均値M2で除することで、変動係数CV2を算出することができる。
(分離膜の膜面間隔)
上記の断面Zにおいて、無作為に選択した10箇所について、分離膜同士の間の距離を測定し、その平均値を分離膜の膜面間隔とすることができる。
分離膜の膜面間隔は、小さくすれば、供給水の膜面線速度が大きくなり分離膜表面の流れが乱れるので、濃度分極層が薄くなり、分離膜エレメントの分離性能が向上し好ましい。しかし過度に分離膜の膜面間隔を小さくすると、供給水中の不純物や、微生物等のファウラントが供給側流路を閉塞する傾向が高まりかねない。そこで分離膜の膜面間隔は、0.20〜1.5mmが好ましく、0.32〜0.85mmがより好ましく、0.50〜0.80mmがさらに好ましい。ただし、本発明の分離膜エレメントが備える供給側流路材を用いる場合は後述するように供給側流路材を薄くすることによって分離膜の膜面積を増大させる構成をとることができるが、その場合は供給水の水質に応じて膜面間隔を0.20mm〜0.50mmの範囲で適宜変更することが好ましい。
<高膜面積化>
上述したように、供給側流路材を薄くすると流路が狭小化するため流動抵抗が高く、供給水中の不純物や、微生物等のファウラントが供給側流路を閉塞する傾向が高まりかねない。本発明の分離膜エレメントが備える供給側流路材は、従来品に比べて空隙が大きい構造であり、膜面間隔が小さくなるように薄くしても流動抵抗と排濁性が優れている。
そのため膜面間隔を小さくして空間を創出し、その空間に分離膜を充填して分離膜エレメントの膜面積を増大させた構成においても、流動抵抗増加や排濁性悪化の影響が軽微であり、膜面積増大による造水量向上が可能となる。
(材料)
供給側流路材を成型するための材料としては、成型性の観点から熱可塑性樹脂が好ましく、分離膜の損傷を抑制する観点から、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリ乳酸、ABS(アクリロニトリル−ブタジエン−スチレン)樹脂又はUV硬化性樹脂がより好ましい。なお上記のような材料を用いて供給側流路材を成型するための方法としては、例えば、金型や3Dプリンターを用いる方法が挙げられる。
<透過側流路材>
本発明の分離膜エレメントは、透過側流路材を備える。透過側流路材としては、例えば、トリコット、不織布、突起物を固着させた多孔性シート、又は、凹凸成形し穿孔加工を施したフィルム等が挙げられる。また、透過側流路材として機能する突起物を、分離膜の表面に固着させても構わない。
<分離膜>
本発明の分離膜エレメントは、分離膜を備える。分離膜としては、例えば、基材と、多孔性支持体と、分離機能層とを備える、複合半透膜が挙げられる。
上記の基材としては、例えば、ポリエステル又は芳香族ポリアミドを主成分とする布帛が挙げられる。
上記の多孔性支持体としては、例えば、基材上に形成された、ポリスルホン、ポリエーテルスルホン、ポリアミド、ポリエステル、セルロース系ポリマー、ビニルポリマー、ポリフェニレンスルフィド、ポリフェニレンスルフィドスルホン、ポリフェニレンスルホン又はポリフェニレンオキシド等の高分子層が挙げられる。
分離機能層としては、例えば、イオン等の分離が十分行なえるほど緻密であり、かつ、水との親和性が高い、ポリアミドを主成分とする分離機能層が挙げられる。ポリアミドは、例えば、多官能性アミンと多官能性酸ハロゲン化物との界面重縮合により形成することができる。
<供給側流路材の配置>
供給側流路材は、供給側の面が内側を向くように折り畳まれた分離膜に挟まれるように、分離膜の二つの面の間に配置されても構わないし、供給側の面が向かい合った二枚の分離膜で挟まれるように、分離膜の二つの面の間に配置されても構わない。
供給側流路材を挟んだ分離膜の端部同士は、適宜封止されるが、その「封止」の方法としては、例えば、接着剤若しくはホットメルト等による接着、加熱若しくはレーザ等による融着又は、ゴム製シートを挟みこむ方法が挙げられるが、簡便な接着による封止が好ましい。
<分離膜モジュール及び水処理装置>
本発明の分離膜エレメントを含む、複数の分離膜エレメントを、直列又は並列に接続して圧力容器に収納することで、分離膜モジュールを構成することができる。
また、本発明の分離膜エレメント、又は、上記の分離膜モジュールに、供給水を供給するポンプや供給水の前処理装置等を組み合わせて、水処理装置を構成することができる。
水処理装置の操作圧力は、運転エネルギーの節約、及び、供給側流路材や透過側流路材の早期劣化防止の観点から、0.2〜10MPaが好ましい。水処理装置に供される供給水の温度は、塩除去率と膜透過流束とのバランスの好適なものとする観点から、5〜45℃が好ましい。水処理装置に供される供給水のpHは、マグネシウム等のスケール発生や分離膜劣化の抑制の観点から、中性領域であることが好ましい。
水処理装置に供される供給水としては、例えば、500mg/L〜100g/LのTDS(Total Dissolved Solids:総溶解固形分)を含有する海水、かん水又は排水等が挙げられる。
以下に実施例によって本発明をさらに詳細に説明するが、本発明はこれらの実施例によって何ら限定されるものではない。
(供給側流路材の作製)
ポリプロピレンを金型に流延して固化させ、供給側流路材を作製した。より具体的には、一部の領域Xが分離膜の二つの面と接触するような、図4に示す態様のネット状(a,bはいずれも2.5mm)の供給側流路材Aを成型した。また、全ての領域Xが分離膜の二つの面と接触するような(領域Xとなり得る部位の厚みが均一な)、図4に示す態様のネット状(a,bはいずれも2.5mm)の供給側流路材Bを成型した。なお供給側流路材A及び供給側流路材Bのそれぞれについて、金型を変更し、CV1等の値を変化させた複数のタイプを用意した。
(分離膜エレメントの作製)
抄紙法で製造されたポリエステル繊維からなる不織布(通気度1.0cc/cm/sec)上に、ポリスルホンの15質量%ジメチルホルムアミド(DMF)溶液を室温(25℃)、塗布厚み180μmでキャストした後、直ちに純水中に5分間浸漬することによって、基材である不織布上に多孔性支持体を形成した。
次に、2−エチルピペラジンが2.0質量%、ドデシルジフェニルエーテルジスルホン酸ナトリウムが100ppm、リン酸3ナトリウムが1.0質量%になるように溶解した水溶液に、多孔性支持体を形成した基材を10秒間浸漬した後、エアーノズルから窒素を吹き付けて、余分な水溶液を除去した。続いて70℃に加温した0.2質量%のトリメシン酸クロリドを含むn−デカン溶液を、多孔性支持体の表面に均一塗布し、60℃の膜面温度で3秒間保持した後に、膜面温度を10℃まで冷却し、この温度を維持したまま空気雰囲気下で1分間放置し、分離機能層を形成した。得られた複合半透膜を垂直に保持して液切りし、60℃の純水で2分間洗浄して、分離膜を得た。
得られた分離膜を幅920mmに裁断し、分離膜エレメントにおける有効面積が1.8mとなるように折り畳み、折り畳まれた分離膜に挟まれるように、三つの供給側流路材A−1を配置する構成とした。さらに、供給側流路材A−1が配置されたのとは逆側の分離膜の面に、透過側流路材としてトリコットのシートを配置し、これらの積層物を、ABS樹脂製集水管(幅:1000mm、径:18mm、孔数40個×直線2列)にスパイラル状に巻き付けた。最後に、両端のエッジカットを行い、直径が2インチの分離膜エレメントを作製した。なおネット状の供給側流路材A−1は、いずれも、供給水の流れ方向に対して図4に示す状態となるように配置した。
(造水量の低下率)
分離膜エレメントを圧力容器に入れて、琵琶湖水を供給水として、運転圧力0.55MPa、温度25℃、回収率25%の条件下で、供給水を循環しながら30分間運転した後に、1分間透過水のサンプリングを行い、得られた水量を造水量Aとした。
次に、供給水を新たな琵琶湖水に交換し、上記と同じ条件で評価を繰り返した。30分毎に供給水を新たな琵琶湖水に交換しながら計200時間運転した後に、1分間透過水のサンプリングを行い、得られた水量を造水量Bとした。造水量A及び造水量Bの値を用いて、下記式から造水量の低下率を算出した。造水量の低下率の値が小さいほど、ファウリングが生じ難く、運転安定性に優れた分離膜エレメントであるといえる。
造水量の低下率(%) = 100−(造水量B/造水量A×100)
(イオン透過量比)
造水量Aの測定のためにサンプリングした透過水、及び、供給水である琵琶湖水のTDS濃度を、市販の電気伝導率計を用いて測定し、下記式からTDS除去率Aを算出した。
TDS除去率(%)=100×{1−(透過水中のTDS濃度/供給水中のTDS濃度)}
次に、計200時間運転後の分離膜エレメントを用いて、昇圧1分(圧力0.55MPa)及び降圧1分(大気圧)の発停操作を5000回繰り返し、再び琵琶湖水を供給水として、0.55MPa、温度25℃、回収率25%の条件下で、供給水を循環しながら1分間透過水のサンプリングを行い、上記と同様にTDS除去率Bを測定した。
そして、下記式からイオン透過量比を算出した。
イオン透過量比(−) = {100−(5000回発停操作後のTDS除去率B)/100−(30分運転後のTDS除去率A)}
(実施例1)
分離膜エレメントを圧力容器に入れて、上述の条件で評価したところ、結果は表1のとおりであった。
Figure 2019214040
Figure 2019214040
(実施例2〜12)
供給側流路材を表1、表2のとおりに変更した以外は全て実施例1と同様にして、分離膜エレメントを作製した。
分離膜エレメントを圧力容器に入れて、実施例1と同条件で各性能を評価したところ、結果は表1、表2のとおりであった。
(実施例13および14)
供給側流路材を表2のとおり薄くし、有効膜面積を増大させた以外は全て実施例1と同様にして、分離膜エレメントを作製した。
分離膜エレメントを圧力容器に入れて、実施例1と同条件で各性能を評価したところ、結果は表2のとおりであった。
(比較例1)
供給側流路材を一般的なポリプロピレン製ネット(交点間の距離2.5mm×2.5mm、繊維が形成する角度45°、厚み0.75mm、一方向に配列した繊維に、他の方向に配列した繊維が積層)とした以外は全て実施例1と同様にして、分離膜エレメントを作製した。
分離膜エレメントを圧力容器に入れて、上述の条件で各性能を評価したところ、結果は表2のとおりであった。
(比較例2)
供給側流路材を表2のとおりにした以外は全て実施例1と同様にして、分離膜エレメントを作製した。
(比較例3および4)
供給側流路材を表2のとおりにし、有効膜面積を増大させた以外は全て比較例1と同様にして、分離膜エレメントを作製した。
分離膜エレメントを圧力容器に入れて、実施例1と同条件で各性能を評価したところ、結果は表2のとおりであった。
比較例1、3および4ではネットの全領域が厚み方向において分離膜のいずれかと接触し、領域Yが存在しないことから、流動抵抗が高まって供給水が滞留し易く、ファウリングが進行して造水量が大幅に低下した。
比較例2では分離膜の一面と、領域Yとの最近接距離A1の変動係数CV1が過度に大きいため、高圧運転下における供給水のせん断応力により供給側流路材がずれてしまい、分離膜を欠損させてしまい、イオン透過量比が極めて大きな値となった。
表1、表2に示す結果から明らかなように、実施例1〜14における分離膜エレメントは、供給水の流動抵抗が十分に低減されており、長時間の高圧下運転にもかかわらず、優れた分離除去性能を安定的に発揮しているといえる。
本発明の分離膜エレメントは、かん水や海水の脱塩に好適に用いることができる。
1 分離膜
2 供給側流路材
6 集水管
100 分離膜エレメント
201 供給水の流れ方向
a、b 領域X間の距離
A1、A2 最近接距離
H 分離膜の膜面間隔
X 領域X
Y 領域Y

Claims (4)

  1. 集水管と、分離膜と、供給側流路材と、透過側流路材とを備え、
    前記供給側流路材は、前記分離膜の二つの面の間に配置され、
    その厚み方向において前記分離膜と接触する、複数の領域Xと、
    その厚み方向において前記分離膜と接触しない、複数の領域Yを有し、
    前記分離膜の一面と、前記領域Yとの最近接距離A1の変動係数CV1が、0.00〜0.15である、分離膜エレメント。
  2. 前記分離膜の他の一面と、前記領域Yとの最近接距離A2の平均値M2と、前記領域Yとの最近接距離A1の平均値M1との比である(M2/M1)の値が、0.7〜1.3である、請求項1記載の分離膜エレメント。
  3. 前記供給側流路材は、その厚み方向において前記分離膜の二つの面と接触する、前記領域Xを有する、請求項1又は2記載の分離膜エレメント。
  4. 前記分離膜の厚み方向における間隔が0.20〜0.50mmである請求項1〜3のいずれかに記載の分離膜エレメント。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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