JP2020011231A - 供給側流路材及び分離膜エレメント - Google Patents

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Hiroho Hirozawa
洋帆 広沢
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健太朗 高木
祐太郎 鈴木
Yutaro Suzuki
祐太郎 鈴木
剛士 誉田
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剛士 誉田
久美子 小川
Kumiko Ogawa
久美子 小川
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Abstract

【課題】供給側流路における流動抵抗を低減しつつも、分離膜の損傷を抑制することが可能な、供給側流路材を提供すること。【解決手段】本発明は、繊維状物により区画された、略四角形の領域が網目状に連続しており、上記略四角形の一辺の長さLについて、平均値をAvL、及び、変動係数をCvL、としたとき、上記CvLが9〜25%であり、かつ、Lx/AvL≦0.55の関係を満たす、長さLxの辺を複数有する、供給側流路材を提供する。【選択図】図2

Description

本発明は、供給側流路材及び分離膜エレメントに関する。
海水及びかん水等に含まれるイオン性物質を除くための技術においては、近年、省エネルギー及び省資源のためのプロセスとして、分離膜エレメントによる分離法の利用が拡大している。分離膜エレメントによる分離法に使用される分離膜は、その孔径や分離機能の点から、精密ろ過膜、限外ろ過膜、ナノろ過膜、逆浸透膜、正浸透膜に分類される。これらの膜は、例えば海水、かん水及び有害物を含んだ水等からの飲料水の製造、工業用超純水の製造、並びに、排水処理及び有価物の回収等に用いられており、目的とする分離成分及び分離性能によって使い分けられている。
分離膜エレメントとしては様々な形態があるが、分離膜の一方の面に供給水を供給し、他方の面から透過水を得る点では共通している。分離膜エレメントは、束ねられた多数の分離膜を備えることで、1個の分離膜エレメント当たりの膜面積が大きくなるように、つまり1個の分離膜エレメント当たりに得られる透過水の量が大きくなるように形成されている。分離膜エレメントとしては、用途や目的に合わせて、スパイラル型、中空糸型、プレート・アンド・フレーム型、回転平膜型又は平膜集積型等の各種の形状が提案されている。
例えば、逆浸透ろ過には、スパイラル型分離膜エレメントが広く用いられる。スパイラル型分離膜エレメントは、集水管と、集水管の周囲に巻き付けられた分離膜とを備える。分離膜は、供給水(つまり被処理水)を分離膜表面へ供給する供給側流路材、供給水に含まれる成分を分離する分離膜及び分離膜を透過し分離された透過水を集水管へと導くための透過側流路材が積層されることで形成される。スパイラル型分離膜エレメントは、供給水に高い圧力を付与することができるので、透過水を多く取り出すことができる点で好ましく用いられている。
濃度分極による分離膜エレメント性能低下を抑制するためには、例えば供給側流路材の厚みを薄くし、供給水の膜面線速度を大きくして分離膜表面近くで乱流を生じさせ、濃度分極層を薄くすればよいが、供給側流路材の厚みを薄くすると供給水中の不純物や微生物によるファウラントが供給側の流路を閉塞して分離膜エレメント性能が低下したり、分離膜エレメントの圧力損失が大きくなり、供給水を供給するポンプの必要動力が大きくなるため電力費が高くなったり、分離膜エレメントが破損するといった問題が生じるため、供給側流路材による分離膜エレメントの性能向上が提案されている。
具体的には、特許文献1及び2では、供給側流路材中の繊維状物の配列を制御することで、流動抵抗を低減させたネットが提案されている。また、特許文献3ではネットの網目の大きさが原水の流れ方向に向かって漸増する、流路材が考案されている。
日本国特表2015−525282号公報 日本国特開2000−000437号公報 日本国特開2004−089764号公報
しかしながら、従来の供給側流路材では、分離膜エレメントの製造時等における供給側流路材と分離膜との接触による、分離膜の損傷が頻発することが問題視されていた。そこで本発明は、供給側流路における流動抵抗を低減しつつも、分離膜の損傷を抑制することが可能な、供給側流路材を提供することを課題とする。
上記目的を達成するため、本発明によれば、繊維状物により区画された、略四角形の領域が網目状に連続しており、上記略四角形の一辺の長さLについて、平均値をAvL、及び、変動係数をCvL、としたとき、上記CvLが9〜25%であり、かつ、Lx/AvL≦0.55の関係を満たす、長さLxの辺を複数有する、供給側流路材が提供される。
本発明によれば、供給側流路材と分離膜とが接触した際の接圧を好適に分散させることで、分離膜の損傷を効果的に抑制することが可能となる。
分離膜エレメントの一形態を示す展開斜視図である。 本発明の供給側流路材の一態様の平面図である。
以下、本発明の実施の形態について、詳細に説明する。
<分離膜エレメント>
図1に示すように、分離膜エレメント(100)は、集水管(6)と、集水管(6)の周囲に巻囲された分離膜ユニット(1)を備える。図1に示すx軸の方向が、集水管の長手方向である。またy軸やz軸等の方向が、集水管の長手方向に対し垂直な方向である。
<供給側流路材>
供給側流路材は、分離膜の二つの面の間に配置され、供給側流路材と分離膜とにより供給側流路が形成される。供給側流路には供給水が通水されるが、供給水が含有するファウラントの付着を抑制するためには、供給側流路の流動抵抗を低減し、排濁性を高めることが重要である。
本発明の供給側流路材は、繊維状物により区画された、略四角形の領域が網目状に連続しており、略四角形の一辺の長さLについて、平均値をAvL、及び、変動係数をCvL、としたとき、CvLが9〜25%であり、かつ、Lx/AvL≦0.55の関係を満たす、長さLxの辺を複数有することを必要とする。
図2に、本発明の供給側流路材の一態様を図示する。図2に示すように、複数の直線状の繊維状物(7)が交差することで、四つの交点で区画された、略四角形の領域(8)が連続的に形成されて網目状となり、いわゆるネット状の供給側流路材が成形される。ここで「略四角形」とは、略直線状の繊維状物(7)の交差により形成されるものであるが、厳密な意味での四角形である必要は無く、例えば繊維状物(7)がその一部に曲線状の部位を含むような態様であっても構わない。
一般的なネット状の供給側流路材では、一定面積内における略四角形の数を増やすことで、供給側流路材と分離膜とが接触した際の接圧をより分散させることが可能となるが、その一方で、供給側流路の流路抵抗も比例的に増加してしまう。
これに対し本発明の供給側流路材では、(i)略四角形の一辺の長さLが特定範囲のバラツキを有すること、より具体的には、Lの値のバラツキの度合いを示す変動係数CvLが、9〜25%の範囲にあること、及び、(ii)Lの平均値であるAvLに対して、十分に小さい値である長さLxの辺が複数含まれること、より具体的には、Lx/AvL≦0.55の関係を満たす、長さLxの辺を複数有すること、の要件を満たすことで、供給側流路の流路抵抗の抑制と、供給側流路材と分離膜とが接触した際の接圧の分散とのバランスの最適化が達成される。その結果として、供給側流路の流路抵抗を適度なものに維持しつつ、供給側流路材と分離膜とが接触した際の接圧を好適に分散させ、供給側流路材との接触に起因する、分離膜の損傷を防止することが可能となる。
なお本発明の供給側流路材における変動係数CvLは、9〜16%であることが好ましく、また本発明の供給側流路材は、Lx/AvL≦0.43の関係を満たす、長さLxの辺を複数有することが好ましい。
(略四角形の一辺の長さLの測定、平均値AvLおよびLxの算出)
ネット状の供給側流路材をその厚み方向からマイクロスコープで観察して、測定モードを用いることで、略四角形の一辺の長さLを測定することができる。平均値AvLは、無作為に選択した30箇所の略四角形の一辺の長さLを測定し、その平均値として算出することができる。また、平均値AvLの算出に際して測定した30箇所のLの内、Lxは平均値AvLの0.6倍以下の長さを有するLの平均値である。
(変動係数CvLの算出)
平均値AvLの算出に際して測定した30箇所の略四角形の一辺の長さLについて、それらの標準偏差を平均値AvLで除することで、変動係数CvLを算出することができる。
(全てのLの内のLx/AvL≦0.55を満たすLxの割合)
本発明の供給側流路材における、全てのLの内のLx/AvL≦0.55を満たすLxの割合は、AvLおよびCvLと同様の理由から10%以上25%以下であることが好ましく、10%以上20%以下がさらに好ましい。
(繊維状物の太径部及び細径部)
本発明の供給側流路材は、略四角形の一辺に相当する繊維状物の部位が、R1>R2の関係を満たす、径R1からなる太径部、及び、径R2からなる細径部を有することが好ましい。供給側流路材を構成する繊維状物が細径部を有することにより、供給側流路材と分離膜とが接触した際の接圧がより効果的に分散される。また供給側流路材を構成する繊維状物がこのような構造を有することで、分離膜エレメントに組み込まれ、分離膜と接触した際に、細径部の領域において分離膜との間に空間が生じ、流路が確保されるため、微生物等のファウラントの蓄積や、供給水の偏流を抑制することができる。なお細径部が、供給側流路材の厚み方向において太径部の中間に配置されることで、供給側流路材を構成する繊維状物と、分離膜との間に生じる空間量が多くなるのでより好ましい。
また供給側流路における供給水の流れをよりスムーズにするため、径R1に対する径R2の比率は、0.17〜0.78が好ましく、0.3〜0.5がより好ましい。
さらに、繊維状物の交点付近に滞留する供給水を下流側(分離膜エレメントの濃縮水排出部側)に移動しやすくするためには、略四角形の一辺の長さLに対する細径部の長さの比率は、0.25〜0.80が好ましく、0.35〜0.50がより好ましい。
(細径部と太径部との測定)
略四角形の一辺に相当する繊維状物の部位において、供給側流路材の厚みの50%以上の厚みを有する領域を太径部、その太径部の径R1に対して80%以下の厚みを有する領域を細径部とする。なお、太径部の径R1及び細径部の径R2を含む繊維状物の厚みは、マイクロスコープで繊維状物の長手方向に対して垂直な切断面を観察し、測定モードを用いて無作為に選択した30箇所の細径部又は太径部の径を測定し、その平均値としてそれぞれ算出することができる。
なおここで「供給側流路材の厚み」とは、直線状の繊維状物が交差する、略四角形の交点の厚みに相当する。供給側流路材の厚みは、無作為に選択した10箇所の交点の厚みを精密厚みゲージで測定し、その平均値として算出することができる。
供給側流路材の厚みを薄くすれば、供給水の膜面線速度が大きくなり分離膜表面の流れが乱れるので、濃度分極層が薄くなり、分離膜エレメントの分離性能が向上し好ましい。しかし過度に供給側流路材の厚みを薄くすると、供給水中の不純物や、微生物等のファウラントが供給側流路を閉塞する傾向が高まりかねない。そこで供給側流路材の厚みは、0.20〜1.5mmが好ましく、0.32〜0.90mmがより好ましく、0.50〜0.80mmがさらに好ましい。ただし、本発明の分離膜エレメントが備える供給側流路材を用いる場合は後述するように供給側流路材を薄くすることによって分離膜の膜面積を増大させる構成をとることができるが、その場合は供給水の水質に応じて膜面間隔を0.20mm〜0.50mmの範囲で適宜変更することが好ましい。
<高膜面積化>
上述したように、供給側流路材を薄くすると流路が狭小化するため流動抵抗が高く、供給水中の不純物や、微生物等のファウラントが供給側流路を閉塞する傾向が高まりかねない。本発明の分離膜エレメントが備える供給側流路材は、従来品に比べて空隙が大きい構造であり、膜面間隔が小さくなるように薄くしても流動抵抗と排濁性が優れている。
そのため膜面間隔を小さくして空間を創出し、その空間に分離膜を充填して分離膜エレメントの膜面積を増大させた構成においても、流動抵抗増加や排濁性悪化の影響が軽微であり、膜面積増大による造水量向上が可能となる。
(材料)
供給側流路材を構成する繊維状物の材料としては、成形性の観点から熱可塑性樹脂が好ましく、分離膜の損傷をより抑制する観点から、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリ乳酸又はABS(アクリロニトリル−ブタジエン−スチレン)樹脂がより好ましい。
<分離膜エレメント>
本発明の分離膜エレメントは、分離膜、本発明の供給側流路材、及び、透過側流路材とからなる、一以上の分離膜ユニットを備えることを必要とする。
透過側流路材としては、例えば、トリコット、不織布、突起物を固着させた多孔性シート、又は、凹凸成形し穿孔加工を施したフィルムが挙げられる。また、透過側流路材として機能する突起物を、分離膜の表面に固着させても構わない。
分離膜としては、例えば、基材と、多孔性支持体と、分離機能層とを備える、複合半透膜が挙げられる。
上記の基材としては、例えば、ポリエステル又は芳香族ポリアミドを主成分とする布帛が挙げられる。
上記の多孔性支持体としては、例えば、基材上に形成された、ポリスルホン、ポリエーテルスルホン、ポリアミド、ポリエステル、セルロース系ポリマー、ビニルポリマー、ポリフェニレンスルフィド、ポリフェニレンスルフィドスルホン、ポリフェニレンスルホン又はポリフェニレンオキシド等の高分子層が挙げられる。
分離機能層としては、例えば、イオン等の分離が十分行なえるほど緻密であり、かつ、水との親和性が高い、ポリアミドを主成分とする分離機能層が挙げられる。ポリアミドは、例えば、多官能性アミンと多官能性酸ハロゲン化物との界面重縮合により形成することができる。
本発明の供給側流路材は、分離膜ユニットにおいて、供給側の面が内側を向くように折り畳まれた分離膜に挟まれるように、分離膜の二つの面の間に配置されても構わないし、供給側の面が向かい合った二枚の分離膜で挟まれるように、分離膜の二つの面の間に配置されても構わない。
供給側流路材を挟んだ分離膜の端部同士は、適宜封止される。その「封止」の方法としては、例えば、接着剤若しくはホットメルト等による接着、加熱若しくはレーザ等による融着、又は、ゴム製シートを挟みこむ方法が挙げられるが、簡便な接着による封止が好ましい。
本発明の分離膜エレメントでは、分離膜と本発明の供給側流路材とを構成要素として含む、一以上の分離膜ユニットが集水管に巻囲されている。
分離膜エレメントの製造工程においては、巻囲の際の分離膜ユニットの弛みを解消すべく、例えば2本のローラーで分離膜エレメントを挟み込んで圧力をかけ、巻き締めをすることが多々ある。このような場合において、供給側流路材と分離膜とが接触した際の接圧を好適に分散させることが可能な本発明の供給側流路材は、特に顕著な効果を奏し、供給側流路材との接触に起因する、分離膜の損傷を防止することができる。
<分離膜モジュール及び水処理装置>
本発明の分離膜エレメントを含む、複数の分離膜エレメントを、直列又は並列に接続して圧力容器に収納することで、分離膜モジュールを構成することができる。
また、本発明の分離膜エレメント、又は、上記の分離膜モジュールに、供給水を供給するポンプや供給水の前処理装置等を組み合わせて、水処理装置を構成することができる。
水処理装置の操作圧力は、運転エネルギーの節約、及び、供給側流路材や透過側流路材の早期劣化防止の観点から、0.2〜10MPaが好ましい。水処理装置に供される供給水の温度は、塩除去率と膜透過流束とのバランスの好適なものとする観点から、5〜45℃が好ましい。水処理装置に供される供給水のpHは、マグネシウム等のスケール発生や分離膜劣化の抑制の観点から、中性領域であることが好ましい。
水処理装置に供される供給水としては、例えば、500mg/L〜100g/LのTDS(Total Dissolved Solids:総溶解固形分)を含有する海水、かん水又は排水等が挙げられる。
以下に実施例によって本発明をさらに詳細に説明するが、本発明はこれらの実施例によって何ら限定されるものではない。
(略四角形の一辺の長さLの測定、平均値AvLおよびLxの算出)
ネット状の供給側流路材をその厚み方向からマイクロスコープで観察し、測定モードを用いて略四角形の一辺の長さLを測定した。具体的には平均値AvLは、無作為に選択した30箇所の略四角形の一辺の長さLを測定し、その平均値として算出した。また、平均値AvLの算出に際して測定した30箇所のLの内、Lxは平均値AvLの0.6倍以下の長さを有するLの平均値とした。
(変動係数CvLの算出)
平均値AvLの算出に際して測定した30箇所の略四角形の一辺の長さLについて、それらの標準偏差を平均値AvLで除して変動係数CvLとした。
(全てのLの内のLx/AvL≦0.55を満たすLxの割合)
平均値AvLの算出に際して測定した30箇所の略四角形の一辺の長さLについて、
それぞれ平均値AvLで除して0.55以下となるLの数を測定数30で除して算出した。
(供給側流路材Aの作製)
回転口金の吐出孔の間隔を調整した上で、ポリプロピレンを材料とした溶融成形により、表1、表2に示すネット状の供給側流路材を作製した。なお供給側流路材Aについては、回転口金の吐出孔の間隔を変更し、CvL等の値を変化させた、複数のタイプを用意した。
(供給側流路材Bの作製)
ポリプロピレン製ネットを100℃の条件下にて二軸延伸を施して、細径部と太径部とを有する供給側流路材Bを作製した。各供給側流路材の特徴を表1、表2にまとめた。なお、太径部の径R1の厚みは0.36mmであり、径R1に対する細径部の径R2の比率は0.3であり、供給側流路材の交点間を結ぶ略直線の長さに対する細径部の長さの比率は0.7であった。
(分離膜エレメントの作製)
抄紙法で製造されたポリエステル繊維からなる不織布(通気度1.0cc/cm/sec)上に、ポリスルホンの15質量%ジメチルホルムアミド(DMF)溶液を室温(25℃)、塗布厚み180μmでキャストした後、直ちに純水中に5分間浸漬することによって、基材である不織布上に多孔性支持体を形成した。
次に、2−エチルピペラジンが2.0質量%、ドデシルジフェニルエーテルジスルホン酸ナトリウムが100ppm、リン酸3ナトリウムが1.0質量%になるように溶解した水溶液に、多孔性支持体を形成した基材を10秒間浸漬した後、エアーノズルから窒素を吹き付けて、余分な水溶液を除去した。続いて70℃に加温した0.2質量%のトリメシン酸クロリドを含むn−デカン溶液を、多孔性支持体の表面に均一塗布し、60℃の膜面温度で3秒間保持した後に、膜面温度を10℃まで冷却し、この温度を維持したまま空気雰囲気下で1分間放置し、分離機能層を形成した。得られた複合半透膜を垂直に保持して液切りし、60℃の純水で2分間洗浄して、分離膜を得た。
得られた分離膜を幅920mmに裁断し、分離膜エレメントにおける有効面積が1.8mとなるように折り畳み、折り畳まれた分離膜に挟まれるように、供給側流路材Aを配置する構成とした。さらに、供給側流路材Aが配置されたのとは逆側の分離膜の面に、透過側流路材としてトリコットのシートを配置し、これらの積層物である分離膜ユニットを、ABS樹脂製集水管(幅:1000mm、径:18mm、孔数40個×直線2列)にスパイラル状に巻囲した。最後に、両端のエッジカットを行い、直径が2インチの分離膜エレメントを作製した。
(劣化指数)
分離膜エレメントを圧力容器に入れて、2500ppm食塩水を供給水として、運転圧力0.41MPa、温度25℃、回収率10%の条件下で、供給水を循環しながら30分間運転した後に、1分間透過水のサンプリングを行った。この透過水のTDS濃度を、市販の電気伝導率計を用いて測定し、下記式からTDS除去率Aを算出した。
TDS除去率(%)=100×{1−(透過水中のTDS濃度/供給水中のTDS濃度)}
次に、分離膜エレメントを取り出し、2本のローラーで分離膜エレメントの長手方向の全長に亘って100mm当たり5kgの圧力をかけながら分離膜エレメントを10させた。その後、分離膜エレメントを再び圧力容器に入れて、先程と同条件で30分間運転した後に、1分間透過水のサンプリングを行い、上記と同様にTDS除去率Bを測定した。
そして、下記式から劣化指数を算出した。
劣化指数(−) = {(100−TDS除去率B)/(100−TDS除去率A)}
(実施例1)
分離膜エレメントを圧力容器に入れて、上述の条件で劣化指数を評価したところ、結果は表1のとおりであった。
Figure 2020011231
(実施例2〜10)
供給側流路材を表1、表2のとおりに変更した以外は全て実施例1と同様にして、分離膜エレメントを作製した。
分離膜エレメントを圧力容器に入れて、実施例1と同条件で劣化指数を評価したところ、結果は表1、表2のとおりであった。
Figure 2020011231
(比較例1〜4)
供給側流路材を表2のとおりにした以外は全て実施例1と同様にして、分離膜エレメントを作製した。
分離膜エレメントを圧力容器に入れて、実施例1と同条件で劣化指数を評価したところ、結果は表2のとおりであった。
比較例1ではCvLは本発明の要件を満たすものの、Lx/AvLが本発明の要件を満たさず、供給側流路材と分離膜とが接触した際の接圧の好適な分散が不十分となり、劣化指数が大きな値となった。
比較例2〜3ではCvL及びLx/AvLのいずれもが本発明の要件を満たさず、供給側流路材と分離膜とが接触した際の接圧を好適に分散させることができず、劣化指数が極めて大きな値となった。
表1、表2に示す結果から明らかなように、実施例1〜12における供給側流路材は、分離膜エレメントの製造時における分離膜の損傷を顕著に抑制しているといえる。
本発明の供給側流路材は、かん水や海水の脱塩用の分離膜エレメントに好適に用いることができる。
1 分離膜ユニット
2 供給側流路材
6 集水管
100 分離膜エレメント
7 繊維状物
8 略四角形の領域
〜L 略四角形の一辺の長さL

Claims (4)

  1. 繊維状物により区画された、略四角形の領域が網目状に連続しており、
    前記略四角形の一辺の長さLについて、平均値をAvL、及び、変動係数をCvL、としたとき、
    前記CvLが9〜25%であり、かつ、
    Lx/AvL≦0.55の関係を満たす、長さLxの辺を複数有する、供給側流路材。
  2. 前記略四角形の一辺に相当する前記繊維状物の部位が、R1>R2の関係を満たす、径R1からなる太径部、及び、径R2からなる細径部を有する、請求項1記載の供給側流路材。
  3. 集水管と、
    分離膜、請求項1又は2記載の供給側流路材、及び、透過側流路材とからなる、一以上の分離膜ユニットを備え、
    前記分離膜ユニットが、前記集水管に巻囲されている、分離膜エレメント。
  4. 前記分離膜の厚み方向における間隔が0.20〜0.50mmである請求項1〜3のいずれかに記載の分離膜エレメント。
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