JP2021090952A - 分離膜エレメント - Google Patents
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Abstract
【課題】分離膜エレメントを運転した時に、ファウリングと流動抵抗を抑制し、長期に亘り高造水量を安定に維持する分離膜エレメントを提供すること。【解決手段】少なくとも集水管と、分離膜と、供給側流路材と、透過側流路材とを備える分離膜エレメントであって、前記供給側流路材は、前記分離膜の二つの面の間に配置されて供給側流路を形成しており、前記供給側流路材は一方向に並んだ複数の繊維状物Aから構成される繊維状列Xおよび前記繊維状列Xとは異なる方向に並んだ複数の繊維状物Bから構成される繊維状列Yとが互いに立体交差して交点を形成したネット形状であり、繊維状物Aおよび繊維状物Bには複数の連通孔が形成されていることを特徴とする分離膜エレメントである。【選択図】なし
Description
本発明は、不純物を含む種々の液体から不純物を分離するため、特に海水の淡水化、かん水の脱塩、超純水の製造または排水処理などに用いるための分離膜および分離膜エレメントに関するものである。
海水およびかん水などに含まれるイオン性物質を除くための技術においては、近年、省エネルギーおよび省資源のためのプロセスとして、分離膜エレメントによる分離法の利用が拡大している。分離膜エレメントによる分離法に使用される分離膜は、その孔径や分離機能の点から、精密ろ過膜、限外ろ過膜、ナノろ過膜、逆浸透膜、正浸透膜に分類される。これらの膜は、例えば海水、かん水および有害物を含んだ水などからの飲料水の製造、工業用超純水の製造、並びに排水処理および有価物の回収などに用いられており、目的とする分離成分及び分離性能によって使い分けられている。
分離膜エレメントとしては様々な形態があるが、分離膜の一方の面に原水を供給し、他方の面から透過流体を得る点では共通している。分離膜エレメントは、束ねられた多数の分離膜を備えることで、1個の分離膜エレメントあたりの膜面積が大きくなるように、つまり1個の分離膜エレメントあたりに得られる透過流体の量が大きくなるように形成されている。分離膜エレメントとしては、用途や目的にあわせて、スパイラル型、中空糸型、プレート・アンド・フレーム型、回転平膜型、平膜集積型などの各種の形状が提案されている。
例えば、逆浸透ろ過には、スパイラル型分離膜エレメントが広く用いられる。スパイラル型分離膜エレメントは、集水管と、集水管の周囲に巻き付けられた分離膜とを備える。分離膜は、原水(つまり被処理水)を分離膜表面へ供給する供給側流路材、原水に含まれる成分を分離する分離膜、及び分離膜を透過し供給側流体から分離された透過側流体を集水管へと導くための透過側流路材が積層されることで形成される。スパイラル型分離膜エレメントは、原水に圧力を付与することができるので、透過流体を多く取り出すことができる点で好ましく用いられている。
ファウリングによるエレメント性能低下を抑制するためには、例えば供給側流路材の厚さを薄くし、供給水の膜面線速度を大きくして、ファウラントの剥離を促進すれば良いが、エレメントの圧力損失が大きくなり、供給水を供給するポンプの必要動力が大きくなるため電力費が高くなったり、エレメントが破損するといった問題が生じるため、供給側流路材による分離膜エレメントの性能向上が提案されている。
具体的には、特許文献1では、供給側流路材中の繊維状物の断面形状・糸径を制御することで、流動抵抗を低減させたネットが提案されている。
しかし、上記した分離膜エレメントは、供給側流路材の流動抵抗とファウリング抑制のバランスが十分とは言えず、連続運転時に性能が低下する場合があった。そこで、本発明は、供給側流路材の空隙率を上げることで圧力損失を下げると共に、供給側流路材の繊維状物の後方に供給水の流れを生み出すことで、ファウリングを抑制し、造水量と運転安定性に優れた分離膜エレメントを提供することを目的とする。
上記目的を達成するため、本発明によれば、少なくとも集水管と、分離膜と、供給側流路材と、透過側流路材とを備える分離膜エレメントであって、前記供給側流路材は、前記分離膜の二つの面の間に配置されて供給側流路を形成しており、前記供給側流路材は一方向に並んだ複数の繊維状物Aから構成される繊維状列Xおよび前記繊維状列Xとは異なる方向に並んだ複数の繊維状物Bから構成される繊維状列Yとが互いに立体交差して交点を形成したネット形状であり、繊維状物Aおよび繊維状物Bには複数の連通孔が形成されていることを特徴とする分離膜エレメントが提供される。
また、本発明の好ましい形態によれば、前記連通孔の少なくとも一部が繊維内部で連結していることを特徴とする分離膜エレメントが提供される。
また、本発明の好ましい形態によれば、前記繊維状物がスポンジ状の細孔構造を有することを特徴とする分離膜エレメントが提供される。
また、本発明の好ましい形態によれば、前記繊維状物の長手方向任意の100μm部分の空隙率が±10%の範囲内に収まることを特徴とする分離膜エレメントが提供される。
また、本発明の好ましい形態によれば、前記連通孔数が2個/mm以上であることを特徴とする分離膜エレメントが提供される。
また、本発明の好ましい形態によれば、前記連通孔が非直線状の経路を有することを特徴とする分離膜エレメントが提供される。
また、本発明の好ましい形態によれば、前記繊維状物Aおよび前記繊維状物Bのいずれかは、任意の繊維状列に平行な縦断面において、繊維状列Xおよび繊維状列Yの交点部間における中央部が交点部に比べて細径の糸で構成されていることを特徴とする分離膜エレメントが提供される。
また、本発明の好ましい形態によれば、前記供給側流路材の平面から厚み方向に観察したとき、任意の交点と隣り合う交点間の繊維が一方から他方に向かってテーパー状繊維であることを特徴とする分離膜エレメントが提供される。
また、本発明の好ましい形態によれば、前記分離膜は、供給水を濃度2000ppmの食塩水、pH6.5のNaCl水溶液とし、運転圧力1.0MPa、温度25℃の条件下で分離機能層側からろ過した際の透過水量が1.3m3/m2/日以上である、分離膜エレメントが提供される。
また、本発明の好ましい形態によれば、前記透過側流路材が、丸編みトリコットであることを特徴とする分離膜エレメントが提供される。
また、本発明の好ましい形態によれば、供給された水量の20%以上を造水する、分離膜エレメントの運転方法が提供される。
また、本発明の好ましい形態によれば、分離膜面クロスフロー流速が10cm/秒以下で造水する、分離膜エレメントの運転方法が提供される。
また、本発明の好ましい形態によれば、前記連通孔の少なくとも一部が繊維内部で連結していることを特徴とする分離膜エレメントが提供される。
また、本発明の好ましい形態によれば、前記繊維状物がスポンジ状の細孔構造を有することを特徴とする分離膜エレメントが提供される。
また、本発明の好ましい形態によれば、前記繊維状物の長手方向任意の100μm部分の空隙率が±10%の範囲内に収まることを特徴とする分離膜エレメントが提供される。
また、本発明の好ましい形態によれば、前記連通孔数が2個/mm以上であることを特徴とする分離膜エレメントが提供される。
また、本発明の好ましい形態によれば、前記連通孔が非直線状の経路を有することを特徴とする分離膜エレメントが提供される。
また、本発明の好ましい形態によれば、前記繊維状物Aおよび前記繊維状物Bのいずれかは、任意の繊維状列に平行な縦断面において、繊維状列Xおよび繊維状列Yの交点部間における中央部が交点部に比べて細径の糸で構成されていることを特徴とする分離膜エレメントが提供される。
また、本発明の好ましい形態によれば、前記供給側流路材の平面から厚み方向に観察したとき、任意の交点と隣り合う交点間の繊維が一方から他方に向かってテーパー状繊維であることを特徴とする分離膜エレメントが提供される。
また、本発明の好ましい形態によれば、前記分離膜は、供給水を濃度2000ppmの食塩水、pH6.5のNaCl水溶液とし、運転圧力1.0MPa、温度25℃の条件下で分離機能層側からろ過した際の透過水量が1.3m3/m2/日以上である、分離膜エレメントが提供される。
また、本発明の好ましい形態によれば、前記透過側流路材が、丸編みトリコットであることを特徴とする分離膜エレメントが提供される。
また、本発明の好ましい形態によれば、供給された水量の20%以上を造水する、分離膜エレメントの運転方法が提供される。
また、本発明の好ましい形態によれば、分離膜面クロスフロー流速が10cm/秒以下で造水する、分離膜エレメントの運転方法が提供される。
本発明によって、差圧を抑制しながら、ファウリングを低減できるため、運転安定性に優れた分離膜エレメントを得ることができる。
以下、本発明の実施の形態について、詳細に説明する。
<分離膜エレメント>
図1に示すスパイラル型分離膜エレメント1aでは、供給側の流路を形成する供給側流路材としては、高分子製のネット2が使用されている。また、透過側流路材としては、分離膜3aの落ち込みを防ぎ、かつ透過側の流路を形成させる目的で、供給側流路材よりも間隔が細かい透過側流路材4が使用されている。透過側流路材の両面に重ね合わせて封筒状に接着された分離膜3aにより、封筒状膜5aが形成される。封筒状膜5aの内側が透過流体流路を構成しており、ネット2と交互に積層された封筒状膜5aは、開口部側の所定部分を集水管の外周面に接着しスパイラル状に巻囲される。図1に示すx軸の方向が集水管の長手方向である。またy軸の方向が集水管の長手方向と垂直な方向である。スパイラル型分離膜エレメントでは、通常一方の側面から、供給水7が供給され、集水管と平行に流れながら、透過水8と濃縮水9とに徐々に分離される。透過水8は、供給水7が供給される反対の側面から分離エレメントの外部へと出ていく。この方式においては、供給水7が分離膜エレメントの一方の側面から他方の側面へ流れるため必然的に膜に接している距離が十分にあり、それにより供給水7が、透過水8と濃縮水9とに十分に分離されるという特徴がある。分離膜エレメントとしては様々な形態があるが、分離膜の一方の面に供給水を供給し、他方の面から透過水を得る点では共通している。本発明の分離膜エレメントとしては、用途や目的に合わせて、スパイラル型以外にも、プレート・アンド・フレーム型や平膜集積型等の平膜を使用する各種形状の分離膜エレメントに採用することができる。
図1に示すスパイラル型分離膜エレメント1aでは、供給側の流路を形成する供給側流路材としては、高分子製のネット2が使用されている。また、透過側流路材としては、分離膜3aの落ち込みを防ぎ、かつ透過側の流路を形成させる目的で、供給側流路材よりも間隔が細かい透過側流路材4が使用されている。透過側流路材の両面に重ね合わせて封筒状に接着された分離膜3aにより、封筒状膜5aが形成される。封筒状膜5aの内側が透過流体流路を構成しており、ネット2と交互に積層された封筒状膜5aは、開口部側の所定部分を集水管の外周面に接着しスパイラル状に巻囲される。図1に示すx軸の方向が集水管の長手方向である。またy軸の方向が集水管の長手方向と垂直な方向である。スパイラル型分離膜エレメントでは、通常一方の側面から、供給水7が供給され、集水管と平行に流れながら、透過水8と濃縮水9とに徐々に分離される。透過水8は、供給水7が供給される反対の側面から分離エレメントの外部へと出ていく。この方式においては、供給水7が分離膜エレメントの一方の側面から他方の側面へ流れるため必然的に膜に接している距離が十分にあり、それにより供給水7が、透過水8と濃縮水9とに十分に分離されるという特徴がある。分離膜エレメントとしては様々な形態があるが、分離膜の一方の面に供給水を供給し、他方の面から透過水を得る点では共通している。本発明の分離膜エレメントとしては、用途や目的に合わせて、スパイラル型以外にも、プレート・アンド・フレーム型や平膜集積型等の平膜を使用する各種形状の分離膜エレメントに採用することができる。
<供給側流路>
(供給側流路材)
本実施形態の供給側流路材は、図2に示すように一方向に並んだ複数の繊維状物A(21)から構成される繊維状列X、および繊維状列Xとは異なる方向に並んだ複数の繊維状物B(22)から構成される繊維状列Yから構成され、繊維状物A(21)は繊維状物B(22)と複数の地点で交差している。また、繊維状物AおよびBには、複数の連通孔が存在している。連通孔とは、繊維状物の表面から繊維状物の内部を通って再び別の表面に連通する孔をいう。繊維状物の内部は、繊維状物の側面に形成された溝を含むものである。
(供給側流路材)
本実施形態の供給側流路材は、図2に示すように一方向に並んだ複数の繊維状物A(21)から構成される繊維状列X、および繊維状列Xとは異なる方向に並んだ複数の繊維状物B(22)から構成される繊維状列Yから構成され、繊維状物A(21)は繊維状物B(22)と複数の地点で交差している。また、繊維状物AおよびBには、複数の連通孔が存在している。連通孔とは、繊維状物の表面から繊維状物の内部を通って再び別の表面に連通する孔をいう。繊維状物の内部は、繊維状物の側面に形成された溝を含むものである。
分離膜エレメントにおいて、ファウリングを抑制するには、供給水の滞留箇所を低減し、繊維状物周辺に流れを生むことが重要である。クロスフローによりファウラントが剥離されやすくなるためである。供給水は供給側流路材の繊維状物の間に沿って広がりながら流れるため、供給水の流れ方向と平行でない繊維状物は、供給水の流れの障害となり、糸の後ろ側で流れが剥離し、滞留箇所ができる。一方で、供給水の流れ方向と平行でない繊維状物は供給水の流れを妨げることになるため、流動抵抗が高くなる傾向にある。そこで、繊維状物Aおよび繊維状物B自体に複数の連通孔が形成されることで、供給水滞留抑制と流動抵抗低減に優れる分離膜エレメントを提供できる。
(供給側流路材の孔形態)
本実施形態の供給側流路材の孔形態として、任意の2つの連通孔同士が繊維状物Aまたは繊維状物Bの内部で連結していることが好ましい。連通孔が互いに連結していれば、繊維状物内に均一な流路を形成することで偏流を抑制し、除去率が改善された分離膜エレメントを得ることができる。孔数は、繊維状物Aまたは繊維状物Bの長手方向の単位長さあたりの孔数が2個/mm以上であることが好ましい。供給側流路材の孔数がこの範囲であれば、供給水滞留部分を極力減らしながら供給水流路体積が向上し、ファウリング抑制と流動抵抗のバランスが改善された分離膜エレメントとすることができる。また、本供給側流路材はスポンジ状の細孔構造を持つことが好ましい。具体的には、細孔の平均孔径が0.1μm以上100μm未満であり、かつ供給側流路材の空隙率が5%以上10%未満であり、かつ繊維状物の長手方向任意の100μm部分の空隙率偏差が10%の範囲内である構造のことを指す。細孔構造がスポンジ状であれば、繊維状物内に均一な流路を形成することで偏流を抑制し、除去率が改善された分離膜エレメントを得ることができる。また、繊維状物Aおよび繊維状物Bのいずれかの連通孔が非直線状の経路であることが好ましい。連通孔の経路が非直線状であれば、供給側流路材の空隙率を高めることが可能となり、供給水側の流動抵抗を下げることができる。
なお、孔数の測定には市販のマイクロスコープで繊維状物の表面を観察し、その孔数を測定することで求めることができ、具体的には、測定モードを用いて繊維状物の長手方向の任意の5mmの部分の孔数を30カ所測定して、その平均値として求めることができる。
(供給側流路材の空隙率偏差)
本実施形態の供給側流路材の空隙率とは、繊維状物に占める空隙の体積割合のことである。供給側流路材の空隙体積は、繊維状物に垂直な縦断面の投影面積と切り出し長さ(例えば5mm)の積で表される総体積に対して、切り出し長さ当たりの供給側流路材重量を供給側流路材素材の比重で除することにより供給側流路材本体の体積を算出し、総体積から供給側流路材本体の体積を減ずることにより求めることができる。
本実施形態において、長手方向任意の100μm部分の空隙率偏差が10%の範囲内であることが好ましい。供給側流路材の空隙率偏差がこの範囲であれば、供給水の流れのムラを減らし、均一な流路を形成することで偏流を抑制し、除去率が改善された分離膜エレメントとすることができる。
(繊維の平面形状)
本実施形態における供給側流路材の平面に対して垂直な方向から観察したときの繊維の平面形状は特に限定されず、例えば図2や図5(a)〜(e)に示したような形状とすることができ、図2が異径、図5(a)〜(c)がテーパー、図5(d)がネッキング、図5(e)が寸胴に当たる。本実施形態におけるテーパー状とは、繊維状物Aと繊維状物Bが形成する交点と、隣り合う交点の間の繊維が先細り形状または先太り形状になっていることを指す。ここでは、便宜上、異径状繊維を異径、テーパー状繊維をテーパー、交点間の繊維が細くなっており、ネッキングが存在する形状をネッキング、繊維が先細り形状になっておらず糸径が均一であるものを寸胴と呼称する。テーパーは図5(a)に示したように、供給側流路材の平面に対して垂直な方向から観察したとき、繊維が一方から他方に先細り形状になっていればよい。先細り形状になっていることで、糸からの流体剥離を抑制し、流動抵抗を低くすることが出来る。好ましくは、図5(b)、(c)に示したように、テーパー状繊維が、供給水側から濃縮水側に向かって先細り形状になっていることである。このような形状であれば、糸からの流体剥離を抑制し、流体の急拡流および急縮流を防ぎ、流動抵抗を低減することが出来る。また、供給側流路材の平面を観察したとき、繊維が重なり合う部分には、図5(b)、(c)に示した水かき部wが形成される。水かき部が形成されると、それぞれの交点の強度が向上し、ネット全体の剛性が上がるため、定長寸法カットや装置通過性に優れ、長期運転時にもネットがズレにくくなる。また、寸胴形状である場合に比べ、テーパー状繊維であると、交点がなだらかになるため、膜が傷つきにくく、除去率が低下しにくい。
また、図5(d)に示したネッキングであると、糸径が細い割合が多いため、供給側流路面積率を上げやすく、供給側流路材の空隙率が大きくなり、流動抵抗を低くすることが出来る。テーパー形状と同一流路面積率で比較した場合、ネッキング形状であるとネッキング箇所で流路が急激に拡大もしくは縮小するため、エネルギー損失が起き、差圧が大きくなる傾向にある。
(交点部および中央部の糸径)
本実施形態における交点部間における中央部L2とは、図3に示すように、繊維状物Aおよび繊維状物Bのいずれかの、任意の繊維状列に平行な縦断面において、隣接する2つの交点部間距離L1を10等分した際の、片側の交点からもう一方の交点に向かって30%以上70%以下まで範囲、つまり交点部間の中心点C0からそれぞれ隣接する交点に向かって20%までの範囲を言う。
いずれかの繊維状列に平行な縦断面において、図3における2本の糸が重なった交点部C1の厚みL3および中央部L2の厚みL4がそれぞれの径となる。すなわち、この断面において交点部C1に比べて中央部L2が細径の糸で構成されているほうが供給水滞留を抑制できるため、本実施形態として好ましく、例えば繊維状列を上方から観察した際に、厚み方向の中心を通るよう平面方向に切断した際の切断面に細径部と太径部が存在しなくてもよい。本実施形態において、中央部L2の糸径は、0.10mm以上0.75mm以下が好ましく、0.20mm以上0.40mm以下であることがより好ましい。中央部L2の糸径がこの範囲であれば、供給側流路材の厚さを薄くする場合でも供給側流路の流動抵抗を低減しながら、濃度分極を抑制することができ、分離膜エレメントの脱塩率および造水性の向上が可能となる。
なお、交点部および中央部の糸径の測定には市販のマイクロスコープやX線CT測定装置で繊維状列に平行な縦断面を観察し、その距離を測定することで求めることができ、測定モードを用いて交点部または中央部の任意の30カ所の径を測定して、その平均値とすることができる。
(供給側流路材の厚み)
供給側流路材の厚みとは、実質的に繊維状物AおよびBの交点厚みL3に相当する。すなわち、繊維状物Aと繊維状物Bの厚みの合計である。図3に示すように繊維状列Xおよび繊維状列Yは交点部分において部分的に融合する。
(供給側流路材の孔形態)
本実施形態の供給側流路材の孔形態として、任意の2つの連通孔同士が繊維状物Aまたは繊維状物Bの内部で連結していることが好ましい。連通孔が互いに連結していれば、繊維状物内に均一な流路を形成することで偏流を抑制し、除去率が改善された分離膜エレメントを得ることができる。孔数は、繊維状物Aまたは繊維状物Bの長手方向の単位長さあたりの孔数が2個/mm以上であることが好ましい。供給側流路材の孔数がこの範囲であれば、供給水滞留部分を極力減らしながら供給水流路体積が向上し、ファウリング抑制と流動抵抗のバランスが改善された分離膜エレメントとすることができる。また、本供給側流路材はスポンジ状の細孔構造を持つことが好ましい。具体的には、細孔の平均孔径が0.1μm以上100μm未満であり、かつ供給側流路材の空隙率が5%以上10%未満であり、かつ繊維状物の長手方向任意の100μm部分の空隙率偏差が10%の範囲内である構造のことを指す。細孔構造がスポンジ状であれば、繊維状物内に均一な流路を形成することで偏流を抑制し、除去率が改善された分離膜エレメントを得ることができる。また、繊維状物Aおよび繊維状物Bのいずれかの連通孔が非直線状の経路であることが好ましい。連通孔の経路が非直線状であれば、供給側流路材の空隙率を高めることが可能となり、供給水側の流動抵抗を下げることができる。
なお、孔数の測定には市販のマイクロスコープで繊維状物の表面を観察し、その孔数を測定することで求めることができ、具体的には、測定モードを用いて繊維状物の長手方向の任意の5mmの部分の孔数を30カ所測定して、その平均値として求めることができる。
(供給側流路材の空隙率偏差)
本実施形態の供給側流路材の空隙率とは、繊維状物に占める空隙の体積割合のことである。供給側流路材の空隙体積は、繊維状物に垂直な縦断面の投影面積と切り出し長さ(例えば5mm)の積で表される総体積に対して、切り出し長さ当たりの供給側流路材重量を供給側流路材素材の比重で除することにより供給側流路材本体の体積を算出し、総体積から供給側流路材本体の体積を減ずることにより求めることができる。
本実施形態において、長手方向任意の100μm部分の空隙率偏差が10%の範囲内であることが好ましい。供給側流路材の空隙率偏差がこの範囲であれば、供給水の流れのムラを減らし、均一な流路を形成することで偏流を抑制し、除去率が改善された分離膜エレメントとすることができる。
(繊維の平面形状)
本実施形態における供給側流路材の平面に対して垂直な方向から観察したときの繊維の平面形状は特に限定されず、例えば図2や図5(a)〜(e)に示したような形状とすることができ、図2が異径、図5(a)〜(c)がテーパー、図5(d)がネッキング、図5(e)が寸胴に当たる。本実施形態におけるテーパー状とは、繊維状物Aと繊維状物Bが形成する交点と、隣り合う交点の間の繊維が先細り形状または先太り形状になっていることを指す。ここでは、便宜上、異径状繊維を異径、テーパー状繊維をテーパー、交点間の繊維が細くなっており、ネッキングが存在する形状をネッキング、繊維が先細り形状になっておらず糸径が均一であるものを寸胴と呼称する。テーパーは図5(a)に示したように、供給側流路材の平面に対して垂直な方向から観察したとき、繊維が一方から他方に先細り形状になっていればよい。先細り形状になっていることで、糸からの流体剥離を抑制し、流動抵抗を低くすることが出来る。好ましくは、図5(b)、(c)に示したように、テーパー状繊維が、供給水側から濃縮水側に向かって先細り形状になっていることである。このような形状であれば、糸からの流体剥離を抑制し、流体の急拡流および急縮流を防ぎ、流動抵抗を低減することが出来る。また、供給側流路材の平面を観察したとき、繊維が重なり合う部分には、図5(b)、(c)に示した水かき部wが形成される。水かき部が形成されると、それぞれの交点の強度が向上し、ネット全体の剛性が上がるため、定長寸法カットや装置通過性に優れ、長期運転時にもネットがズレにくくなる。また、寸胴形状である場合に比べ、テーパー状繊維であると、交点がなだらかになるため、膜が傷つきにくく、除去率が低下しにくい。
また、図5(d)に示したネッキングであると、糸径が細い割合が多いため、供給側流路面積率を上げやすく、供給側流路材の空隙率が大きくなり、流動抵抗を低くすることが出来る。テーパー形状と同一流路面積率で比較した場合、ネッキング形状であるとネッキング箇所で流路が急激に拡大もしくは縮小するため、エネルギー損失が起き、差圧が大きくなる傾向にある。
(交点部および中央部の糸径)
本実施形態における交点部間における中央部L2とは、図3に示すように、繊維状物Aおよび繊維状物Bのいずれかの、任意の繊維状列に平行な縦断面において、隣接する2つの交点部間距離L1を10等分した際の、片側の交点からもう一方の交点に向かって30%以上70%以下まで範囲、つまり交点部間の中心点C0からそれぞれ隣接する交点に向かって20%までの範囲を言う。
いずれかの繊維状列に平行な縦断面において、図3における2本の糸が重なった交点部C1の厚みL3および中央部L2の厚みL4がそれぞれの径となる。すなわち、この断面において交点部C1に比べて中央部L2が細径の糸で構成されているほうが供給水滞留を抑制できるため、本実施形態として好ましく、例えば繊維状列を上方から観察した際に、厚み方向の中心を通るよう平面方向に切断した際の切断面に細径部と太径部が存在しなくてもよい。本実施形態において、中央部L2の糸径は、0.10mm以上0.75mm以下が好ましく、0.20mm以上0.40mm以下であることがより好ましい。中央部L2の糸径がこの範囲であれば、供給側流路材の厚さを薄くする場合でも供給側流路の流動抵抗を低減しながら、濃度分極を抑制することができ、分離膜エレメントの脱塩率および造水性の向上が可能となる。
なお、交点部および中央部の糸径の測定には市販のマイクロスコープやX線CT測定装置で繊維状列に平行な縦断面を観察し、その距離を測定することで求めることができ、測定モードを用いて交点部または中央部の任意の30カ所の径を測定して、その平均値とすることができる。
(供給側流路材の厚み)
供給側流路材の厚みとは、実質的に繊維状物AおよびBの交点厚みL3に相当する。すなわち、繊維状物Aと繊維状物Bの厚みの合計である。図3に示すように繊維状列Xおよび繊維状列Yは交点部分において部分的に融合する。
本実施形態において、供給側流路材の平均厚さは、0.20mm以上1.5mm以下が好ましく、0.50mm以上0.80mm以下であることがより好ましい。供給側流路材の平均厚さがこの範囲であれば、供給水の膜面線速度が大きくなり膜面の流れが乱れるので、濃度分極層が薄くなりエレメントの分離性能を向上でき、さらに供給水中の不純物や、微生物などのファウラントによる供給側流路の閉塞を抑制し、ポンプの必要動力を大きくすることなく、長期にわたり安定的に分離膜エレメントの運転を行うことが可能となる。
また、本実施形態において、交点部に対する中央部の糸径の比率「L4/L3」は、0.2以上0.55以下であることが好ましく、さらに好ましくは0.25以上0.50以下である。交点部と中央部の糸径の比率がこの範囲であれば、供給側流路面積率を高め、分離膜エレメント内部の供給側流路が十分に確保することが可能となる。
また、本実施形態において、交点部に対する中央部の糸径の比率「L4/L3」は、0.2以上0.55以下であることが好ましく、さらに好ましくは0.25以上0.50以下である。交点部と中央部の糸径の比率がこの範囲であれば、供給側流路面積率を高め、分離膜エレメント内部の供給側流路が十分に確保することが可能となる。
供給側流路材の平均厚さは、無作為に選択した10箇所以上の繊維状物AおよびBの交点厚み、すなわち繊維状物AおよびBの厚みの合計について、マイクロスコープやX線CT測定装置、精密厚みゲージ等で測定した値の平均値であり、測定値の合計/測定箇所数で算出することができる。
また、供給側流路材の厚さのばらつきは、供給側流路材の平均厚さの0.9倍以上1.1倍以下であることが好ましい。供給側流路材の厚さのばらつきがこの範囲であれば、分離膜エレメントに均一に供給水を供給できるため、分離膜の性能を均一に発揮させることができる。
(交点部間隔)
本実施形態では図2に示す、供給側流路材の供給水流れ方向に対して垂直方向の交点部間隔(交点部周期)cが3〜5mmの範囲である事が好ましく、さらに好ましくは3.5〜4.5mmの範囲である。供給側流路材の供給水流れ方向に対して垂直方向の交点部間隔がこの範囲であれば、分離膜エレメントの作製時に分離膜本体がネット空隙部分に落ち込む現象を抑制でき、特に供給水流入端面部分の流路を安定に形成することが可能となる。
(交点部間隔)
本実施形態では図2に示す、供給側流路材の供給水流れ方向に対して垂直方向の交点部間隔(交点部周期)cが3〜5mmの範囲である事が好ましく、さらに好ましくは3.5〜4.5mmの範囲である。供給側流路材の供給水流れ方向に対して垂直方向の交点部間隔がこの範囲であれば、分離膜エレメントの作製時に分離膜本体がネット空隙部分に落ち込む現象を抑制でき、特に供給水流入端面部分の流路を安定に形成することが可能となる。
また、供給側流路材の供給水流れ方向に対して平行方向の交点部間隔dは4〜8mmの範囲である事が好ましく、更に好ましくは4.5〜6.0mmの範囲である。供給側流路材の供給水流れ方向に対して平行方向の交点部間がこの範囲であれば、供給水の乱流強度と流動抵抗のバランスを両立できるため、分離膜エレメントの脱塩率および造水性の向上が可能となる。交点部間隔の測定方法としては、供給側流路材を厚み方向上部から観察し、例えばマイクロスコープにより距離を測定することができる。
(供給水の流れ方向と繊維状物との角度)
供給水の流れ方向(すなわち集水管の長手方向)と繊維状物との角度が大きくなるにつれて乱流強度が増すものの、流動抵抗が増す傾向にあるため、角度は15°以上50°以下が好ましく、30°以上45°以下が更に好ましい。
(素材)
供給側流路材の素材は特に限定されないが、成形性の観点から熱可塑性樹脂が好ましく、特にポリエチレンおよびポリプロピレンは分離膜の表面を傷つけにくく、また安価であるので好適である。また、供給側流路材は、繊維状物Aと繊維状物Bが同じ素材で形成されても構わないし、異なる素材で形成されていても構わない。
(製造方法)
供給側流路材ネットの成形は、一般的に内側と外側の2つの円周上に多数の孔を配置した内側と外側の2つの口金を逆方向に回転させながら、押出機から溶融させた樹脂を供給して、樹脂が口金から出る時または出た直後に内側と外側の口金から出る糸を溶融状態で交差させて溶融し網状構造を形成する。この段階ではネットは筒状の形状を取る。その後筒状のネットは冷却固化により厚みや糸径、交点部間隔を決定後、切開されてシート状ネットとして引き取られる。
(供給水の流れ方向と繊維状物との角度)
供給水の流れ方向(すなわち集水管の長手方向)と繊維状物との角度が大きくなるにつれて乱流強度が増すものの、流動抵抗が増す傾向にあるため、角度は15°以上50°以下が好ましく、30°以上45°以下が更に好ましい。
(素材)
供給側流路材の素材は特に限定されないが、成形性の観点から熱可塑性樹脂が好ましく、特にポリエチレンおよびポリプロピレンは分離膜の表面を傷つけにくく、また安価であるので好適である。また、供給側流路材は、繊維状物Aと繊維状物Bが同じ素材で形成されても構わないし、異なる素材で形成されていても構わない。
(製造方法)
供給側流路材ネットの成形は、一般的に内側と外側の2つの円周上に多数の孔を配置した内側と外側の2つの口金を逆方向に回転させながら、押出機から溶融させた樹脂を供給して、樹脂が口金から出る時または出た直後に内側と外側の口金から出る糸を溶融状態で交差させて溶融し網状構造を形成する。この段階ではネットは筒状の形状を取る。その後筒状のネットは冷却固化により厚みや糸径、交点部間隔を決定後、切開されてシート状ネットとして引き取られる。
本実施形態のように、繊維状物に複数の連通孔が存在する供給側流路材を製造するためには、例えば特許文献2に記載されているように、β晶核剤を添加したポリプロピレン樹脂を押し出し、延伸することで多孔化する製造技術が開示されている。また、特許文献3に記載されているように、ポリエチレン樹脂にDOPや珪酸微粒子を添加して溶融混練し、押し出した後、溶剤抽出して多孔化してもよい。
また、本実施形態のように、交点厚みが保たれたまま、交点部間の繊維状物において糸径が異なる領域が存在する供給側流路材を製造するには、筒状のネットの樹脂が完全に冷却固化する前に筒状ネットの内側に、筒状ネットの内径より径の大きい治具を通過させて、幅方向および長手方向に同時に引っ張りを加えながら冷却固化させる方法や、一旦筒状のネットの冷却固化を行った後に再度、加熱炉内で縦延伸および横延伸を同時または逐次で行う方法のいずれも採用することができる。筒状のネットの樹脂が完全に冷却固化する前に筒状ネットの内側に、筒状ネットの内径より径の大きい治具を通過させて作成したネットは、交点部から中央部にかけてなだらかに繊維状物の糸径が細くなることが特徴である。
一方、一旦筒状のネットの冷却固化を行った後に再度、加熱炉内で縦延伸および横延伸を行う方法により製造されたネットは、交点部に対し中央部の繊維状物の糸径がネッキング(高分子を伸長した際に、試料が均一に伸びず降伏後に局部的なくびれが生じる現象を指す)した形状のネットを製造することが可能であり、ネットの糸形状を観察することで、両者の製造方法の違いを判別することができる。一旦筒状のネットの冷却固化を行った後に再度、加熱炉内で縦延伸および横延伸を行う方法により製造されたネットは、前述の中央部の糸径を計測する場合と同様の手順で、ネットの中央部の任意の30カ所の糸径を測定して、その平均値および最小値、最大値を計測したときの、平均値に対する最小値および最大値の誤差がそれぞれ15%以内であることが好ましく、より好ましくは10%以内である。平均値に対する最小値および最大値の誤差をこの範囲内とすることで、供給側流路材の空隙体積を増加させることができ、供給側流路材の厚さを薄くすることができるので、1個のエレメントあたりの充填膜面積を増加させることが可能となる。
(供給水)
本実施形態の分離膜エレメントへの供給水は特に限定されず、予め処理された水道水でもよく、海水やかん水のように溶液中の不純物多いものでもよい。
<分離膜>
(分離膜性能)
本発明の分離膜エレメントに充填される分離膜は、47cm2に切り出し、供給水を濃度2000ppmの食塩水、pH6.5のNaCl水溶液とし、運転圧力1.0MPa、温度25℃、回収率1%以下の条件下で15分間運転した後に1分間のサンプリングを行った時に、透過水量が1.3m3/m2/日以上であることが好ましい。分離膜が高造水であるほど、供給水量が増加し、それに伴い流路の流動抵抗と膜面ファウリングリスクが増大するが、本発明の分離膜エレメントでは、高造水の分離膜を搭載しても、従来の分離膜エレメントよりも高い性能を安定して発現させることが可能となる。
<透過側流路>
(透過側流路材)
透過側流路材を挟む分離膜同士の間には、透過側流路材4によって透過側流路が形成される。透過側流路材の材料としては限定されず、トリコットや不織布、突起物を固着させた多孔性シート、凹凸成形し、穿孔加工を施したフィルム、凹凸不織布を用いることができる。また、透過側流路材として機能する突起物を分離膜の透過側に固着させてもよい。
中でも、丸編機により製造された丸編みトリコットを用いると、ニードルループの幅とシンカーループの幅とをほぼ同一にし、どちらのループをも流路として使用できるだけでなく、分離膜エレメントの運転時の膜落ち込みを考慮した最適な流路幅を均一に製造でき、さらに、薄くても十分な耐圧性と流動特性を併せ持つ透過側流路材を製造できるためエレメント造水量を向上させる点で好ましい。
<分離膜リーフの形成>
分離膜リーフは、供給側の面が内側を向くように分離膜を折りたたむことで形成することされてもよいし、別々の2枚の分離膜を、供給側の面が向かい合うように封止で形成されてもよい。
また、本実施形態のように、交点厚みが保たれたまま、交点部間の繊維状物において糸径が異なる領域が存在する供給側流路材を製造するには、筒状のネットの樹脂が完全に冷却固化する前に筒状ネットの内側に、筒状ネットの内径より径の大きい治具を通過させて、幅方向および長手方向に同時に引っ張りを加えながら冷却固化させる方法や、一旦筒状のネットの冷却固化を行った後に再度、加熱炉内で縦延伸および横延伸を同時または逐次で行う方法のいずれも採用することができる。筒状のネットの樹脂が完全に冷却固化する前に筒状ネットの内側に、筒状ネットの内径より径の大きい治具を通過させて作成したネットは、交点部から中央部にかけてなだらかに繊維状物の糸径が細くなることが特徴である。
一方、一旦筒状のネットの冷却固化を行った後に再度、加熱炉内で縦延伸および横延伸を行う方法により製造されたネットは、交点部に対し中央部の繊維状物の糸径がネッキング(高分子を伸長した際に、試料が均一に伸びず降伏後に局部的なくびれが生じる現象を指す)した形状のネットを製造することが可能であり、ネットの糸形状を観察することで、両者の製造方法の違いを判別することができる。一旦筒状のネットの冷却固化を行った後に再度、加熱炉内で縦延伸および横延伸を行う方法により製造されたネットは、前述の中央部の糸径を計測する場合と同様の手順で、ネットの中央部の任意の30カ所の糸径を測定して、その平均値および最小値、最大値を計測したときの、平均値に対する最小値および最大値の誤差がそれぞれ15%以内であることが好ましく、より好ましくは10%以内である。平均値に対する最小値および最大値の誤差をこの範囲内とすることで、供給側流路材の空隙体積を増加させることができ、供給側流路材の厚さを薄くすることができるので、1個のエレメントあたりの充填膜面積を増加させることが可能となる。
(供給水)
本実施形態の分離膜エレメントへの供給水は特に限定されず、予め処理された水道水でもよく、海水やかん水のように溶液中の不純物多いものでもよい。
<分離膜>
(分離膜性能)
本発明の分離膜エレメントに充填される分離膜は、47cm2に切り出し、供給水を濃度2000ppmの食塩水、pH6.5のNaCl水溶液とし、運転圧力1.0MPa、温度25℃、回収率1%以下の条件下で15分間運転した後に1分間のサンプリングを行った時に、透過水量が1.3m3/m2/日以上であることが好ましい。分離膜が高造水であるほど、供給水量が増加し、それに伴い流路の流動抵抗と膜面ファウリングリスクが増大するが、本発明の分離膜エレメントでは、高造水の分離膜を搭載しても、従来の分離膜エレメントよりも高い性能を安定して発現させることが可能となる。
<透過側流路>
(透過側流路材)
透過側流路材を挟む分離膜同士の間には、透過側流路材4によって透過側流路が形成される。透過側流路材の材料としては限定されず、トリコットや不織布、突起物を固着させた多孔性シート、凹凸成形し、穿孔加工を施したフィルム、凹凸不織布を用いることができる。また、透過側流路材として機能する突起物を分離膜の透過側に固着させてもよい。
中でも、丸編機により製造された丸編みトリコットを用いると、ニードルループの幅とシンカーループの幅とをほぼ同一にし、どちらのループをも流路として使用できるだけでなく、分離膜エレメントの運転時の膜落ち込みを考慮した最適な流路幅を均一に製造でき、さらに、薄くても十分な耐圧性と流動特性を併せ持つ透過側流路材を製造できるためエレメント造水量を向上させる点で好ましい。
<分離膜リーフの形成>
分離膜リーフは、供給側の面が内側を向くように分離膜を折りたたむことで形成することされてもよいし、別々の2枚の分離膜を、供給側の面が向かい合うように封止で形成されてもよい。
「封止」する方法としては、接着剤またはホットメルトなどによる接着、加熱またはレーザなどによる融着、およびゴム製シートを挟みこむ方法が挙げられる。接着による封止は、最も簡便で効果が高いために特に好ましい。
<分離膜エレメントの利用>
分離膜エレメントは、さらに、直列または並列に接続して圧力容器に収納されることで、分離膜モジュールとして使用されてもよい。
<分離膜エレメントの利用>
分離膜エレメントは、さらに、直列または並列に接続して圧力容器に収納されることで、分離膜モジュールとして使用されてもよい。
また、上記の分離膜エレメント、分離膜モジュールは、それらに流体を供給するポンプや、その流体を前処理する装置などと組み合わせて、流体分離装置を構成することができる。この分離装置を用いることにより、例えば供給水を飲料水などの透過水と膜を透過しなかった濃縮水とに分離して、目的にあった水を得ることができる。
本実施形態の分離膜エレメントは、供給された水量の20%以上を透過水として造水する(すなわち回収率20%以上)運転方法で運転されることが好ましい。一般的に分離膜面クロスフロー流速が低下する高回収率で運転する場合、繊維状物の前後に淀み箇所が発生し、膜面濃度分極が増大することにより造水量や脱塩率の低下やスケーリング・ファウリングの原因となるが、本実施形態の分離膜エレメントは膜面に接する繊維が少なく供給水の滞留箇所を低減することができ、安定した造水量および脱塩率を確保できる。
また、本実施形態の分離膜エレメントは、分離膜面クロスフロー流速が10cm/秒以下で造水する運転方法で運転されることが好ましい。一般的に分離膜面クロスフロー流速は高いほど乱流効果により膜面濃度分極の抑制に繋がるが、供給水量増加に伴う前処理負荷やエネルギーロスも大きくなる。本実施形態の分離膜エレメントは分離膜面クロスフロー流速が低い運転条件でも、分離膜表面に効率的に供給水を供給できることから濃度分極を抑制でき安定した造水量および脱塩率を確保できる。分離膜面クロスフロー流速は、以下の手順で算出する。
まず、供給側流路材を所定の面積(例えば30cm×30cm)に切り取りその重量を計測する。次いで、供給側流路材の厚みに切り出し面積を乗じて総体積を算出する。次いで、切り出した供給側流路材の重量を供給側流路材素材の密度で除して供給側流路材本体の体積を算出し、総体積から供給側流路材本体の体積を減ずることにより、供給側流路材の空隙体積を算出する。次いで、供給側流路材の空隙体積を総体積で除して供給側流路材の空隙率を算出する。
次いで、分離膜エレメントの供給水流入端面の供給側流路材の総長さ(1リーフあたりの供給側流路材長さにリーフ数を乗じた長さ)を計測する。供給側流路材の総長さに供給側流路材の厚みおよび供給側流路材の空隙率を乗じ、分離膜エレメントの供給水流入端面の流路面積を算出する。
次いで、単位時間あたりの供給水流量から濃縮水流量を減じた値を、供給水流量を濃縮水流量で除した値の自然対数で除して、その値をさらに分離膜エレメントの供給水流入端面の流路面積で除することにより、分離膜面クロスフロー流速を算出する。 流体分離装置の操作圧力は高い方が除去率は向上するが、運転に必要なエネルギーも増加すること、また、分離膜エレメントの供給流路、透過流路の保持性を考慮すると、膜モジュールに被処理水を透過する際の操作圧力は、0.2MPa以上5MPa以下が好ましい。原水温度は、高くなると塩除去率が低下するが、低くなるにしたがい膜透過流束も減少するので、5℃以上45℃以下が好ましい。また、原水のpHが中性領域にある場合、原水が海水などの高塩濃度の液体であっても、マグネシウムなどのスケールの発生が抑制され、また、膜の劣化も抑制される。
本実施形態の分離膜エレメントは、供給された水量の20%以上を透過水として造水する(すなわち回収率20%以上)運転方法で運転されることが好ましい。一般的に分離膜面クロスフロー流速が低下する高回収率で運転する場合、繊維状物の前後に淀み箇所が発生し、膜面濃度分極が増大することにより造水量や脱塩率の低下やスケーリング・ファウリングの原因となるが、本実施形態の分離膜エレメントは膜面に接する繊維が少なく供給水の滞留箇所を低減することができ、安定した造水量および脱塩率を確保できる。
また、本実施形態の分離膜エレメントは、分離膜面クロスフロー流速が10cm/秒以下で造水する運転方法で運転されることが好ましい。一般的に分離膜面クロスフロー流速は高いほど乱流効果により膜面濃度分極の抑制に繋がるが、供給水量増加に伴う前処理負荷やエネルギーロスも大きくなる。本実施形態の分離膜エレメントは分離膜面クロスフロー流速が低い運転条件でも、分離膜表面に効率的に供給水を供給できることから濃度分極を抑制でき安定した造水量および脱塩率を確保できる。分離膜面クロスフロー流速は、以下の手順で算出する。
まず、供給側流路材を所定の面積(例えば30cm×30cm)に切り取りその重量を計測する。次いで、供給側流路材の厚みに切り出し面積を乗じて総体積を算出する。次いで、切り出した供給側流路材の重量を供給側流路材素材の密度で除して供給側流路材本体の体積を算出し、総体積から供給側流路材本体の体積を減ずることにより、供給側流路材の空隙体積を算出する。次いで、供給側流路材の空隙体積を総体積で除して供給側流路材の空隙率を算出する。
次いで、分離膜エレメントの供給水流入端面の供給側流路材の総長さ(1リーフあたりの供給側流路材長さにリーフ数を乗じた長さ)を計測する。供給側流路材の総長さに供給側流路材の厚みおよび供給側流路材の空隙率を乗じ、分離膜エレメントの供給水流入端面の流路面積を算出する。
次いで、単位時間あたりの供給水流量から濃縮水流量を減じた値を、供給水流量を濃縮水流量で除した値の自然対数で除して、その値をさらに分離膜エレメントの供給水流入端面の流路面積で除することにより、分離膜面クロスフロー流速を算出する。 流体分離装置の操作圧力は高い方が除去率は向上するが、運転に必要なエネルギーも増加すること、また、分離膜エレメントの供給流路、透過流路の保持性を考慮すると、膜モジュールに被処理水を透過する際の操作圧力は、0.2MPa以上5MPa以下が好ましい。原水温度は、高くなると塩除去率が低下するが、低くなるにしたがい膜透過流束も減少するので、5℃以上45℃以下が好ましい。また、原水のpHが中性領域にある場合、原水が海水などの高塩濃度の液体であっても、マグネシウムなどのスケールの発生が抑制され、また、膜の劣化も抑制される。
分離膜エレメントによって処理される供給水は特に限定されないが、水処理に使用する場合、原水としては、海水、かん水、排水等の500mg/L以上100g/L以下のTDS(Total Dissolved Solids:総溶解固形分)を含有する液状混合物が挙げられる。一般に、TDSは総溶解固形分量を指し、「質量÷体積」で表されるが、1Lを1kgと見なして「重量比」で表されることもある。定義によれば、0.45μmのフィルターで濾過した溶液を39.5〜40.5℃の温度で蒸発させ残留物の重さから算出できるが、より簡便には実用塩分(S)から換算する。
以下に実施例によって本発明をさらに詳細に説明するが、本発明はこれらの実施例によってなんら限定されるものではない。
(交点部および中央部の糸径測定)
キーエンス社製高精度形状測定システムKS−1100を用い、ネット状サンプルの繊維状列に平行な縦断面を倍率20倍で観察し、交点部および中央部の糸径をそれぞれ確認した。具体的には、交点部については任意の交点部の中心部の糸径を30カ所、中央部については隣接する2つの交点部間の中心点からそれぞれ隣接する交点に向かって20%までの範囲の任意の30カ所の糸径を計測して、その平均値を算出した。
(供給側流路材の厚み)
キーエンス社製高精度形状測定システムKS−1100を用い、ネット状サンプルの繊維状列に平行な縦断面を倍率20倍で観察し、任意の交点部分の厚みを30カ所測定し、その平均値を算出した。
(交点部間隔)
キーエンス社製高精度形状測定システムKS−1100を用い、ネット状サンプルを厚み方向上部から観察し、倍率20倍で観察し、任意の供給側流路材の供給水流れ方向に対して垂直方向の交点部間隔および供給側流路材の供給水流れ方向に対して垂直方向の交点部間隔を30カ所測定し、その平均値を算出した。
(連通孔の有無)
繊維状物中の連通孔の有無は、X線CT測定装置で繊維状列に平行な縦断面を、奥行方向にずらしながら観察し、確認した。
(連通孔の孔径)
繊維状物中の連通孔の孔径は、X線CT測定装置で繊維状列に平行な縦断面を、奥行方向にずらしながら観察し、任意の30個の孔について、外径の最大値を測定し、それらの平均値として算出した。
(供給側流路材の空隙率)
繊維状物サンプルを2mm切り出し、その重量を計測した。繊維状物に垂直な縦断面の投影面積に切り出し長さを乗じて総体積を算出した。次いで、切り出した繊維状物サンプルの重量を供給側流路材素材の比重で除して繊維状物サンプル本体の体積を算出し、総体積から繊維状物サンプル本体の体積を減ずることにより、繊維状物サンプルの空隙体積を算出し、繊維状物サンプル本体の体積で除することにより、供給側流路材の空隙率を求めた。
(交点部間隔)
キーエンス社製高精度形状測定システムKS−1100を用い、ネット状サンプルを厚み方向上部から倍率20倍で観察し、供給側流路材の供給水流れ方向に対して垂直方向の交点部間隔と供給側流路材の供給水流れ方向に対して平行方向の交点部間隔について、任意の交点部間隔を30カ所測定し、その平均値を算出した。
(供給側流路材Pの作製)
フタル酸ビス(2−エチルへキシル)を混練したポリエチレンを材料として、多数の孔を配置した内側と外側の2つの口金を逆方向に回転させながら、押出機から溶融させた樹脂を供給して、網状構造を有する筒状ネットを成形し、さらにメタノールに浸漬させて、フタル酸ビス(2−エチルへキシル)を抽出する方法により、繊維状物に複数の連通孔を持つ、表1、表2に示す供給側流路材を作製した。なお、材料の混練組成、押出機からの溶融樹脂吐出圧、引き取り速度を変更し、最終的に表1、表2の供給側流路材形状となるよう構造制御を行った。
(供給側流路材Qの作製)
ポリプロピレンを材料として、多数の孔を配置した内側と外側の2つの口金を逆方向に回転させながら、押出機から溶融させた樹脂を供給して、網状構造を有する筒状ネットを成形し、さらにキーエンス社製3D−Axis CO2レーザマーカ MLZ9500を用いて繊維状物に連通孔を形成させる方法により、繊維状物に複数の連通孔を持つ、表1に示す供給側流路材を作製した。なお、CO2レーザー強度、照射箇所数を変更し、最終的に表1の供給側流路材形状となるよう構造制御を行った。
(供給側流路材Rの作製)
ポリプロピレンを材料として、多数の孔を配置した内側と外側の2つの口金を逆方向に回転させながら、押出機から溶融させた樹脂を供給して、網状構造を有する筒状ネットを成形し、さらに筒状のネットの樹脂が完全に冷却固化する前に筒状ネットの内側に、筒状ネットの内径より径の大きい治具を通過させて、幅方向および長手方向に同時に引っ張りを加えながら冷却固化させる方法により、表4に示す供給側流路材を作製した。なお、押出機からの溶融樹脂吐出圧、筒状ネットを通過させる治具の寸法、引き取り速度を変更し、最終的に表4の供給側流路材形状となるよう構造制御を行った。
(供給側流路材Sの作製)
ポリプロピレンを材料として、多数の孔を配置した内側と外側の2つの口金を逆方向に回転させながら、押出機から溶融させた樹脂を供給して、網状構造を有する筒状ネットを成形する方法により、表4に示す供給側流路材を作製した。なお、押出機からの溶融樹脂吐出圧、引き取り速度を変更し、最終的に表4の供給側流路材形状となるよう構造制御を行った。
(供給側流路材Tの作製)
フタル酸ビス(2−エチルへキシル)を混練したポリエチレンを材料として、多数の孔を配置した内側と外側の2つの口金を逆方向に回転させながら、押出機から溶融させた樹脂を供給して、網状構造を有する筒状ネットを成形し、さらに筒状のネットの樹脂が完全に冷却固化する前に筒状ネットの内側に、筒状ネットの内径より径の大きい治具を通過させて、幅方向および長手方向に同時に引っ張りを加えながら冷却固化させ、さらにメタノールに浸漬させて、フタル酸ビス(2−エチルへキシル)を抽出する方法により、繊維状物に複数の連通孔を持つ、表3に示す供給側流路材を作製した。なお、材料の混練組成、押出機からの溶融樹脂吐出圧、筒状ネットを通過させる治具の寸法、引き取り速度を変更し、最終的に表3の供給側流路材形状となるよう構造制御を行った。
(供給側流路材Uの作製)
フタル酸ビス(2−エチルへキシル)を混練したポリエチレンを材料とし、供給側流路材Pと同様の手順で作製した筒状のネットを一旦冷却固化させ、その後、加熱炉内で縦延伸次いで横延伸を逐次で行い、交点部に対し中央部の繊維状物の糸径がネッキングした形状のネットを製造した。なお、材料の混練組成、押出機からの溶融樹脂吐出圧、縦および横の延伸倍率、引き取り速度を変更し、最終的に表3の供給側流路材形状となるよう構造制御を行った。
(分離膜のフラックス)
分離膜を47cm2に切り出し、膜評価セルにて、供給水として、濃度200ppmの食塩水、pH6.5のNaCl水溶液を用い、運転圧力0.41MPa、温度25℃、回収率1%以下の条件下で15分間運転した後に1分間のサンプリングを行い、1日当たりの透水量を、分離膜フラックス(m3/m2/日)とした。
(造水量)
ポリエチレンテレフタレート繊維からなる不織布(繊度:1デシテックス、厚み:約90μm、通気度:1cc/cm2/秒、密度0.80g/cm3)上にポリスルホンの16.0質量%のDMF溶液を180μmの厚みで室温(25℃)にてキャストし、ただちに純水中に浸漬して5分間放置し、80℃の温水で1分間浸漬することによって繊維補強ポリスルホン支持膜からなる、多孔性支持層(厚さ130μm)ロールを作製した。
(交点部および中央部の糸径測定)
キーエンス社製高精度形状測定システムKS−1100を用い、ネット状サンプルの繊維状列に平行な縦断面を倍率20倍で観察し、交点部および中央部の糸径をそれぞれ確認した。具体的には、交点部については任意の交点部の中心部の糸径を30カ所、中央部については隣接する2つの交点部間の中心点からそれぞれ隣接する交点に向かって20%までの範囲の任意の30カ所の糸径を計測して、その平均値を算出した。
(供給側流路材の厚み)
キーエンス社製高精度形状測定システムKS−1100を用い、ネット状サンプルの繊維状列に平行な縦断面を倍率20倍で観察し、任意の交点部分の厚みを30カ所測定し、その平均値を算出した。
(交点部間隔)
キーエンス社製高精度形状測定システムKS−1100を用い、ネット状サンプルを厚み方向上部から観察し、倍率20倍で観察し、任意の供給側流路材の供給水流れ方向に対して垂直方向の交点部間隔および供給側流路材の供給水流れ方向に対して垂直方向の交点部間隔を30カ所測定し、その平均値を算出した。
(連通孔の有無)
繊維状物中の連通孔の有無は、X線CT測定装置で繊維状列に平行な縦断面を、奥行方向にずらしながら観察し、確認した。
(連通孔の孔径)
繊維状物中の連通孔の孔径は、X線CT測定装置で繊維状列に平行な縦断面を、奥行方向にずらしながら観察し、任意の30個の孔について、外径の最大値を測定し、それらの平均値として算出した。
(供給側流路材の空隙率)
繊維状物サンプルを2mm切り出し、その重量を計測した。繊維状物に垂直な縦断面の投影面積に切り出し長さを乗じて総体積を算出した。次いで、切り出した繊維状物サンプルの重量を供給側流路材素材の比重で除して繊維状物サンプル本体の体積を算出し、総体積から繊維状物サンプル本体の体積を減ずることにより、繊維状物サンプルの空隙体積を算出し、繊維状物サンプル本体の体積で除することにより、供給側流路材の空隙率を求めた。
(交点部間隔)
キーエンス社製高精度形状測定システムKS−1100を用い、ネット状サンプルを厚み方向上部から倍率20倍で観察し、供給側流路材の供給水流れ方向に対して垂直方向の交点部間隔と供給側流路材の供給水流れ方向に対して平行方向の交点部間隔について、任意の交点部間隔を30カ所測定し、その平均値を算出した。
(供給側流路材Pの作製)
フタル酸ビス(2−エチルへキシル)を混練したポリエチレンを材料として、多数の孔を配置した内側と外側の2つの口金を逆方向に回転させながら、押出機から溶融させた樹脂を供給して、網状構造を有する筒状ネットを成形し、さらにメタノールに浸漬させて、フタル酸ビス(2−エチルへキシル)を抽出する方法により、繊維状物に複数の連通孔を持つ、表1、表2に示す供給側流路材を作製した。なお、材料の混練組成、押出機からの溶融樹脂吐出圧、引き取り速度を変更し、最終的に表1、表2の供給側流路材形状となるよう構造制御を行った。
(供給側流路材Qの作製)
ポリプロピレンを材料として、多数の孔を配置した内側と外側の2つの口金を逆方向に回転させながら、押出機から溶融させた樹脂を供給して、網状構造を有する筒状ネットを成形し、さらにキーエンス社製3D−Axis CO2レーザマーカ MLZ9500を用いて繊維状物に連通孔を形成させる方法により、繊維状物に複数の連通孔を持つ、表1に示す供給側流路材を作製した。なお、CO2レーザー強度、照射箇所数を変更し、最終的に表1の供給側流路材形状となるよう構造制御を行った。
(供給側流路材Rの作製)
ポリプロピレンを材料として、多数の孔を配置した内側と外側の2つの口金を逆方向に回転させながら、押出機から溶融させた樹脂を供給して、網状構造を有する筒状ネットを成形し、さらに筒状のネットの樹脂が完全に冷却固化する前に筒状ネットの内側に、筒状ネットの内径より径の大きい治具を通過させて、幅方向および長手方向に同時に引っ張りを加えながら冷却固化させる方法により、表4に示す供給側流路材を作製した。なお、押出機からの溶融樹脂吐出圧、筒状ネットを通過させる治具の寸法、引き取り速度を変更し、最終的に表4の供給側流路材形状となるよう構造制御を行った。
(供給側流路材Sの作製)
ポリプロピレンを材料として、多数の孔を配置した内側と外側の2つの口金を逆方向に回転させながら、押出機から溶融させた樹脂を供給して、網状構造を有する筒状ネットを成形する方法により、表4に示す供給側流路材を作製した。なお、押出機からの溶融樹脂吐出圧、引き取り速度を変更し、最終的に表4の供給側流路材形状となるよう構造制御を行った。
(供給側流路材Tの作製)
フタル酸ビス(2−エチルへキシル)を混練したポリエチレンを材料として、多数の孔を配置した内側と外側の2つの口金を逆方向に回転させながら、押出機から溶融させた樹脂を供給して、網状構造を有する筒状ネットを成形し、さらに筒状のネットの樹脂が完全に冷却固化する前に筒状ネットの内側に、筒状ネットの内径より径の大きい治具を通過させて、幅方向および長手方向に同時に引っ張りを加えながら冷却固化させ、さらにメタノールに浸漬させて、フタル酸ビス(2−エチルへキシル)を抽出する方法により、繊維状物に複数の連通孔を持つ、表3に示す供給側流路材を作製した。なお、材料の混練組成、押出機からの溶融樹脂吐出圧、筒状ネットを通過させる治具の寸法、引き取り速度を変更し、最終的に表3の供給側流路材形状となるよう構造制御を行った。
(供給側流路材Uの作製)
フタル酸ビス(2−エチルへキシル)を混練したポリエチレンを材料とし、供給側流路材Pと同様の手順で作製した筒状のネットを一旦冷却固化させ、その後、加熱炉内で縦延伸次いで横延伸を逐次で行い、交点部に対し中央部の繊維状物の糸径がネッキングした形状のネットを製造した。なお、材料の混練組成、押出機からの溶融樹脂吐出圧、縦および横の延伸倍率、引き取り速度を変更し、最終的に表3の供給側流路材形状となるよう構造制御を行った。
(分離膜のフラックス)
分離膜を47cm2に切り出し、膜評価セルにて、供給水として、濃度200ppmの食塩水、pH6.5のNaCl水溶液を用い、運転圧力0.41MPa、温度25℃、回収率1%以下の条件下で15分間運転した後に1分間のサンプリングを行い、1日当たりの透水量を、分離膜フラックス(m3/m2/日)とした。
(造水量)
ポリエチレンテレフタレート繊維からなる不織布(繊度:1デシテックス、厚み:約90μm、通気度:1cc/cm2/秒、密度0.80g/cm3)上にポリスルホンの16.0質量%のDMF溶液を180μmの厚みで室温(25℃)にてキャストし、ただちに純水中に浸漬して5分間放置し、80℃の温水で1分間浸漬することによって繊維補強ポリスルホン支持膜からなる、多孔性支持層(厚さ130μm)ロールを作製した。
その後、多孔性支持膜のポリスルホンからなる層の表面をm−PDAの1.5質量%およびε−カプロラクタム1.0重量%を含む水溶液中に2分間浸漬してから、垂直方向にゆっくりと引き上げた。さらに、エアーノズルから窒素を吹き付けることで、支持膜表面から余分な水溶液を取り除いた。
その後、トリメシン酸クロリド0.08質量%を含むn−デカン溶液を、膜の表面が完全に濡れるように塗布してから、1分間静置した。その後、膜から余分な溶液をエアブローで除去し、80℃の熱水で1分間洗浄して、複合分離膜ロールを得た。
このように得られた分離膜を、分離膜エレメントでの有効面積が2.6m2となるように折り畳み断裁加工し、表1、表2に示すポリプロピレン製ネット(厚み:0.6mm)を供給水側流路材として挟み込んでリーフを作製した。
得られたリーフの透過側面に透過側流路材として表1、表2に示すトリコット(厚み:0.26mm)を積層し、リーフ接着剤を塗布して、PVC(ポリ塩化ビニル)製集水管(幅:1016mm、径:19mm、孔数23個×直線状1列)にスパイラル状に巻き付け、巻囲体の外周面をテープで固定後、両端のエッジカットと端板取り付けを行い、一方の側面から供給水が供給され濃縮水が排出される、直径が2.5インチの分離膜エレメントを作製した。
分離膜エレメントを圧力容器に入れて、下記2種類の評価条件にて測定を実施した。
(評価条件A)
供給水として、濃度200ppmの食塩水、pH6.5のNaCl水溶液を用い、運転圧力0.5MPa、温度25℃の条件下で30分間運転した後に1分間のサンプリングを行い、1日あたりの透水量(ガロン)を造水量(GPD(ガロン/日))として表した。
(評価条件B)
供給水として、全炭素(TC)35ppm、全有機炭素(TOC)3.8ppm、TDS濃度350ppm、pH7.3の中国上海市水道水を用い、運転圧力0.41MPa、温度25℃の条件下で30分間運転した後に1分間のサンプリングを行い、1日あたりの透水量(ガロン)を造水量(GPD(ガロン/日))を初期造水量として求め、さらに、分離膜エレメントの総造水量が3000Lに達した後に1分間のサンプリングを行い、1日あたりの透水量(ガロン)を造水量(GPD(ガロン/日))を3000L造水後の造水量として求め、下記式から造水量低下率(%)を算出した。なお、回収率は30%とした。
造水量低下率(%)=100×{1−(3000L造水後の造水量/初期造水量)}
(除去率(TDS除去率))
造水量の測定における1分間の運転で用いた供給水およびサンプリングした透過水について、TDS濃度を伝導率測定により求め、下記式からTDS除去率を算出した。
(評価条件A)
供給水として、濃度200ppmの食塩水、pH6.5のNaCl水溶液を用い、運転圧力0.5MPa、温度25℃の条件下で30分間運転した後に1分間のサンプリングを行い、1日あたりの透水量(ガロン)を造水量(GPD(ガロン/日))として表した。
(評価条件B)
供給水として、全炭素(TC)35ppm、全有機炭素(TOC)3.8ppm、TDS濃度350ppm、pH7.3の中国上海市水道水を用い、運転圧力0.41MPa、温度25℃の条件下で30分間運転した後に1分間のサンプリングを行い、1日あたりの透水量(ガロン)を造水量(GPD(ガロン/日))を初期造水量として求め、さらに、分離膜エレメントの総造水量が3000Lに達した後に1分間のサンプリングを行い、1日あたりの透水量(ガロン)を造水量(GPD(ガロン/日))を3000L造水後の造水量として求め、下記式から造水量低下率(%)を算出した。なお、回収率は30%とした。
造水量低下率(%)=100×{1−(3000L造水後の造水量/初期造水量)}
(除去率(TDS除去率))
造水量の測定における1分間の運転で用いた供給水およびサンプリングした透過水について、TDS濃度を伝導率測定により求め、下記式からTDS除去率を算出した。
TDS除去率(%)=100×{1−(透過水中のTDS濃度/供給水中のTDS濃度)}
(エレメント差圧)
分離膜エレメントを装填する円筒状圧力容器の上流側(供給水側)と下流側(濃縮水側)を長野計器製差圧計(型式DG16)を介して配管で接続し、運転中のエレメント差圧を計測した。評価条件Aにおいて、造水量測定時にエレメント差圧(kPa)を測定した。また、評価条件Bにおいて、初期造水量測定時、及び3000L造水後にエレメント差圧(kPa)を測定し、その差をエレメント差圧上昇(kPa)として算出した。
(分離膜面クロスフロー流速)
供給側流路材としてのポリプロピレン製ネットを30cm×30cmに切り取りその重量を計測した。次いで、供給側流路材の厚みに切り出し面積を乗じて総体積を算出した。次いで、切り出した供給側流路材の重量を供給側流路材素材の密度(0.91g/cm3)で除して供給側流路材本体の体積を算出し、総体積から供給側流路材本体の体積を減ずることにより、供給側流路材の空隙体積を算出した。次いで、供給側流路材の空隙体積を総体積で除して供給側流路材の空隙率を算出した。
次いで、分離膜エレメントの供給水流入端面のポリプロピレン製ネットの総長さ(1リーフあたりの供給側流路材長さにリーフ数を乗じた長さ)を計測した。供給側流路材の総長さに供給側流路材の厚みおよび供給側流路材の空隙率を乗じ、分離膜エレメントの供給水流入端面の流路面積を算出した。
次いで、単位時間あたりの供給水流量から濃縮水流量を減じた値を、供給水流量を濃縮水流量で除した値の自然対数で除して、その値をさらに分離膜エレメントの供給水流入端面の流路面積で除することにより、分離膜面クロスフロー流速を算出した。
(実施例1)
作製した分離膜エレメントを圧力容器に入れて、上述の条件で評価したところ、結果は表1の通りであった。
(エレメント差圧)
分離膜エレメントを装填する円筒状圧力容器の上流側(供給水側)と下流側(濃縮水側)を長野計器製差圧計(型式DG16)を介して配管で接続し、運転中のエレメント差圧を計測した。評価条件Aにおいて、造水量測定時にエレメント差圧(kPa)を測定した。また、評価条件Bにおいて、初期造水量測定時、及び3000L造水後にエレメント差圧(kPa)を測定し、その差をエレメント差圧上昇(kPa)として算出した。
(分離膜面クロスフロー流速)
供給側流路材としてのポリプロピレン製ネットを30cm×30cmに切り取りその重量を計測した。次いで、供給側流路材の厚みに切り出し面積を乗じて総体積を算出した。次いで、切り出した供給側流路材の重量を供給側流路材素材の密度(0.91g/cm3)で除して供給側流路材本体の体積を算出し、総体積から供給側流路材本体の体積を減ずることにより、供給側流路材の空隙体積を算出した。次いで、供給側流路材の空隙体積を総体積で除して供給側流路材の空隙率を算出した。
次いで、分離膜エレメントの供給水流入端面のポリプロピレン製ネットの総長さ(1リーフあたりの供給側流路材長さにリーフ数を乗じた長さ)を計測した。供給側流路材の総長さに供給側流路材の厚みおよび供給側流路材の空隙率を乗じ、分離膜エレメントの供給水流入端面の流路面積を算出した。
次いで、単位時間あたりの供給水流量から濃縮水流量を減じた値を、供給水流量を濃縮水流量で除した値の自然対数で除して、その値をさらに分離膜エレメントの供給水流入端面の流路面積で除することにより、分離膜面クロスフロー流速を算出した。
(実施例1)
作製した分離膜エレメントを圧力容器に入れて、上述の条件で評価したところ、結果は表1の通りであった。
(実施例2〜18)
供給側流路材を表1〜3の通りにした以外は全て実施例1と同様にして、分離膜エレメントを作製した。
供給側流路材を表1〜3の通りにした以外は全て実施例1と同様にして、分離膜エレメントを作製した。
分離膜エレメントを圧力容器に入れて、実施例1と同条件で各性能を評価したところ、結果は表1〜3の通りであった。
(比較例1〜5)
供給側流路材を表4の通りにした以外は全て実施例1と同様にして、分離膜エレメントを作製した。
供給側流路材を表4の通りにした以外は全て実施例1と同様にして、分離膜エレメントを作製した。
分離膜エレメントを圧力容器に入れて、上述の条件で各性能を評価したところ、結果は表4の通りであった。
本発明の膜エレメントは、特に、RO浄水器としての利用や、かん水や海水の脱塩に好適に用いることができる。
1a スパイラル型分離膜エレメント
2 供給側流路材
21 繊維状物A
22 繊維状物B
200 連通孔
3a 分離膜
4 透過側流路材
7 供給水
8 透過水
9 濃縮水
c 供給側流路材の供給水流れ方向に対して垂直方向の交点部間隔
d 供給側流路材の供給水流れ方向に対して平行方向の交点部間隔
A1 繊維状列に平行な縦断面における空間の面積
A2 繊維状列に平行な縦断面における隣接する2つの交点部間の面積
L1 隣接する2つの交点部間距離
L2 交点部間における中央部
L3 交点厚み
L4 中央部厚み
C0 交点部間の中心点
C1 交点部
w 水かき部
2 供給側流路材
21 繊維状物A
22 繊維状物B
200 連通孔
3a 分離膜
4 透過側流路材
7 供給水
8 透過水
9 濃縮水
c 供給側流路材の供給水流れ方向に対して垂直方向の交点部間隔
d 供給側流路材の供給水流れ方向に対して平行方向の交点部間隔
A1 繊維状列に平行な縦断面における空間の面積
A2 繊維状列に平行な縦断面における隣接する2つの交点部間の面積
L1 隣接する2つの交点部間距離
L2 交点部間における中央部
L3 交点厚み
L4 中央部厚み
C0 交点部間の中心点
C1 交点部
w 水かき部
Claims (12)
- 少なくとも集水管と、分離膜と、供給側流路材と、透過側流路材とを備える分離膜エレメントであって、
前記供給側流路材は、前記分離膜の二つの面の間に配置されて供給側流路を形成しており、
前記供給側流路材は一方向に並んだ複数の繊維状物Aから構成される繊維状列Xおよび前記繊維状列Xとは異なる方向に並んだ複数の繊維状物Bから構成される繊維状列Yとが互いに立体交差して交点を形成したネット形状であり、繊維状物Aおよび繊維状物Bには複数の連通孔が形成されていることを特徴とする分離膜エレメント。 - 前記連通孔の少なくとも一部が繊維内部で連結していることを特徴とする請求項1に記載の分離膜エレメント。
- 前記連通孔数が2個/mm以上であることを特徴とする請求項1または2に記載の分離膜エレメント。
- 前記繊維状物Aおよび前記繊維状物Bがスポンジ状の細孔構造を有し、前記連通孔を形成していることを特徴とする請求項1〜3のいずれかに記載の分離膜エレメント。
- 前記連通孔が非直線状の経路を有することを特徴とする請求項1〜4のいずれかに記載の分離膜エレメント。
- 前記繊維状物の長手方向任意の100μm部分の空隙率が±10%の範囲内に収まることを特徴とする請求項1〜5のいずれかに記載の分離膜エレメント。
- 前記繊維状物Aおよび前記繊維状物Bのいずれかは、任意の繊維状列に平行な縦断面において、繊維状列Xおよび繊維状列Yの交点部間における中央部が交点部に比べて細径の糸で構成されていることを特徴とする請求項1〜6のいずれかに記載の分離膜エレメント。
- 前記供給側流路材の平面から厚み方向に観察したとき、任意の交点と隣り合う交点間の繊維が一方から他方に向かってテーパー状繊維であることを特徴とする請求項1〜7のいずれかに記載の分離膜エレメント。
- 前記分離膜は、供給水を濃度2000ppmの食塩水、pH6.5のNaCl水溶液とし、運転圧力1.0MPa、温度25℃の条件下で分離機能層側からろ過した際の透過水量が1.3m3/m2/日以上である、請求項1〜8のいずれかに記載の分離膜エレメント。
- 前記透過側流路材が、丸編みトリコットであることを特徴とする請求項1〜9のいずれかに記載の分離膜エレメント。
- 請求項1〜10のいずれかに記載の分離膜エレメントを用いて、供給された水量の20%以上を造水する、分離膜エレメントの運転方法。
- 請求項1〜10のいずれかに記載の分離膜エレメントを用いて、分離膜面クロスフロー流速が10cm/秒以下で造水する、分離膜エレメントの運転方法。
Applications Claiming Priority (2)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2019216108 | 2019-11-29 | ||
JP2019216108 | 2019-11-29 |
Publications (1)
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---|---|
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JP2020154378A Pending JP2021090952A (ja) | 2019-11-29 | 2020-09-15 | 分離膜エレメント |
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Country | Link |
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JP (1) | JP2021090952A (ja) |
Cited By (2)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
WO2023008251A1 (ja) * | 2021-07-26 | 2023-02-02 | 東レ株式会社 | 分離膜エレメントおよび分離膜システム |
WO2024095643A1 (ja) * | 2022-10-31 | 2024-05-10 | 東レ株式会社 | 分離膜エレメント |
-
2020
- 2020-09-15 JP JP2020154378A patent/JP2021090952A/ja active Pending
Cited By (2)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
WO2023008251A1 (ja) * | 2021-07-26 | 2023-02-02 | 東レ株式会社 | 分離膜エレメントおよび分離膜システム |
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