JP2018015735A - 分離膜エレメント - Google Patents
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Abstract
【課題】本発明は、高い圧力で運転しても、高い除去性能と造水性能を有する分離膜エレメントを提供することにある。【解決手段】本発明の分離膜エレメントは、供給側の面と透過側の面とを有し、透過側の面同士が向かい合うように配置されることで分離膜対を形成する分離膜と、前記分離膜の前記透過側の面の間に設けられる透過側流路材と、を備え、前記透過側流路材の横断面は複数の流路を有し、かつ横断面積比が0.4以上0.75以下であり、前記有孔集水管の長手方向において、前記巻囲体の外側(端面側)に設けられた原水供給部と、前記有孔集水管の長手方向に直交する方向において、前記巻囲体の外側(外周側)に設けられた透過水排出部と、を備える分離膜エレメントである。【選択図】 図2
Description
本発明は、液体、気体等の流体に含まれる成分を分離するために使用される分離膜エレメントに関する。
海水およびかん水などに含まれるイオン性物質を除くための技術においては、近年、省エネルギーおよび省資源のためのプロセスとして、分離膜エレメントによる分離法の利用が拡大している。分離膜エレメントによる分離法に使用される分離膜は、その孔径や分離機能の点から、精密ろ過膜、限外ろ過膜、ナノろ過膜、逆浸透膜、正浸透膜に分類される。これらの膜は、例えば海水、かん水および有害物を含んだ水などからの飲料水の製造、工業用超純水の製造、並びに排水処理および有価物の回収などに用いられており、目的とする分離成分及び分離性能によって使い分けられている。
分離膜エレメントとしては様々な形態があるが、分離膜の一方の面に供給水を供給し、他方の面から透過水を得る点では共通している。分離膜エレメントは、束ねられた多数の分離膜を備えることで、1個の分離膜エレメントあたりの膜面積が大きくなるように、つまり1個の分離膜エレメントあたりに得られる透過水の量が大きくなるように形成されている。分離膜エレメントとしては、用途や目的にあわせて、スパイラル型、中空糸型、プレート・アンド・フレーム型、回転平膜型、平膜集積型などの各種の形状が提案されている。
例えば、逆浸透ろ過には、スパイラル型分離膜エレメントが広く用いられる。スパイラル型分離膜エレメントは、中心管と、中心管の周囲に巻き付けられた積層体とを備える。積層体は、供給水(つまり被処理水)を分離膜表面へ供給する供給水側流路材、供給水に含まれる成分を分離する分離膜、及び分離膜を透過し供給水側流体から分離された透過側流体を中心管へと導くための透過側流路材が積層されることで形成される。スパイラル型分離膜エレメントは、供給水に圧力を付与することができるので、透過水を多く取り出すことができる点で好ましく用いられている。
スパイラル型分離膜エレメントでは、一般的に、供給水側流体の流路を形成させるために、供給水側流路材として、主に高分子製のネットが使用される。また、分離膜として、積層型の分離膜が用いられる。積層型の分離膜は、供給水側から透過側に積層された、ポリアミドなどの架橋高分子からなる分離機能層、ポリスルホンなどの高分子からなる多孔性樹脂層(多孔性支持層)、ポリエチレンテレフタレートなどの高分子からなる不織布の基材を備えている。また、透過側流路材としては、分離膜の落込みを防き、かつ透過側の流路を形成させる目的で、供給水側流路材よりも間隔の細かいトリコットと呼ばれる編み物部材(緯編物とも言う)が使用される。
近年、造水コストの低減への要求の高まりから、分離膜エレメントの高性能化が求められている。例えば、分離膜エレメントの分離性能の向上、および単位時間あたりの透過水量の増大のために、各流路部材等の分離膜エレメント部材の性能向上が提案されている。
具体的には、特許文献1では、糸を不織布上に配置した流路材を備えた分離膜エレメントが提案されている。特許文献2では、一般的なフィルムをインプリント成形し、ドットなど、フィルム表面方向における液体通過性を改善した分離膜エレメントが提案されている。
このような分離膜エレメントは、図1に示すように、供給水側流路材1を分離膜2で挟み込み、透過側流路材3を積層させて一組のユニットとし、集水管4の周囲にスパイラル状に巻囲して分離膜エレメント5としている。
しかし、特許文献1や特許文献2に示された分離膜エレメントでは、供給水がエレメント端面から他方の端面へ流れるため濃度分極が生じやすい形態であり、特に高回収率運転(回収率:エレメントに供給する供給水量に対する造水量の割合)を実施する場合には、造水性や除去性能の低下、およびスケールが発生しやすい問題がある。そこで、本発明では、高回収率運転下においても高い造水性と高除去性を有し、かつスケールが生じにくい分離膜エレメントを提供することを目的とする。
上記目的を達成するため、本発明によれば、供給側の面と透過側の面とを有し、透過側の面同士が向かい合うように配置されることで分離膜対を形成する分離膜と、分離膜の透過側の面の間に設けられる透過側流路材と、を備え、透過側流路材の横断面は複数の流路を有し、かつ横断面積比が0.4以上0.75以下であり、有孔集水管の長手方向において、巻囲体の外側(端面側)に設けられた原水供給部と、有孔集水管の長手方向に直交する方向において、巻囲体の外側(外周側)に設けられた濃縮水排出部と、を備える分離膜エレメントが提供される。
また、本発明の好ましい形態によれば、分離膜エレメントにおける、供給側流路の長さが750mm以上2000mm以下である分離膜エレメントが提供される。
また、本発明の好ましい形態によれば、分離膜エレメントに供給された水量に対し、造水された水量の割合が35%以上である分離膜エレメントの運転方法が提供される。
また、本発明の好ましい形態によれば、上記の分離膜エレメントを含む水処理システムが提供される。
本発明によって、分離膜エレメントを通過する供給水の流速が速まり、濃度分極が起こりがたい構成になるため、特に高回収率運転においてスケールが生じ難く、造水量や除去性に優れた分離膜エレメントを得ることができる。
次に、本発明の分離膜エレメントの実施形態について、詳細に説明する。
<分離膜エレメントの概要>
図2を参照して、本発明の分離膜エレメント5Bについて説明する。なお、既に説明した構成要素については、同符号を付してその説明を省略する。
図2を参照して、本発明の分離膜エレメント5Bについて説明する。なお、既に説明した構成要素については、同符号を付してその説明を省略する。
分離膜エレメント5Bは、その第2端に配置され、かつ孔を有さない孔無し端板91と、第1端に配置され、かつ孔を有する孔付端板92とを備える。また、分離膜エレメント5Bは、巻囲された分離膜2の最外面にさらに巻き付けられた多孔性部材82を備える。
分離膜エレメント5Bの作製方法としては、次の通りである。具体的には供給水側流路材1を分離膜2で挟み込み、透過側流路材3を積層させて一組のユニットとし、集水管4の周囲にスパイラル状に巻囲する。その後、両端のエッジカットを行い、一端から濃縮水の排出を防ぐための封止板(第1端板91に相当する)の取り付け、さらに、供給水が流入する第2端板92に相当する端板を被覆された巻囲体の他端に取り付け、分離膜エレメントを得ることができる。
多孔性部材82としては、濃縮水を通過させることができる複数の孔を有する部材が用いられる。多孔性部材82に設けられたこれらの孔821は、濃縮水の出口と言い換えられてもよい。多孔性部材82は、複数の孔を有していれば、その材質、大きさ、厚み、剛性等は、特に限定されるものではない。多孔性部材82として、比較的小さい厚みを有する部材を採用することで、分離膜エレメントの単位体積当たりの膜面積を増大させることができる。
なお図2において、多孔性部材82に設けられた孔821はスリット状(直線状)に示されているが、円形や四角形、楕円形や三角形などの孔が複数配列される構造でもよい。
多孔性部材82の厚みは、例えば、1mm以下が好ましく、より好ましくは0.5mm以下、さらに好ましくは0.2mm以下である。また、多孔性部材82は、巻囲体の外周形状に沿うように変形することができる、柔軟性又は可撓性を有する部材であってもよい。より具体的には、多孔性部材82として、ネット、多孔性フィルム等が適用可能である。ネット及び多孔性フィルムは、巻囲体を内部に収容できるように筒状に形成されていてもよいし、長尺状であって、巻囲体の周囲に巻き付けられていてもよい。
分離膜エレメントの第1端には、孔付端板92が設けられる。供給水は孔付端板92を介し、供給側流路へ流入する。なお、孔付端板92と、孔付端板92が設置される分離膜エレメントとの端面との間には、供給水が滞留する空間があってもよい。
さらに、孔付端板92の孔の配置については、開孔が大きすぎると供給水が供給側流路に均一に流れず、ショートパスするといった場合があるため、本発明の効果が発現するように集水管の周辺に設けることができる。
多孔性部材82は、分離膜エレメント5Bの外周面に配置される。多孔性部材82がこのように設けられることで、孔が分離膜エレメント5Bの外周面に設けられる。「外周面」とは、特に、分離膜エレメント5Bの外周面全体のうち、上述の第1端の面及び第2端の面を除く部分であるとも言える。本実施形態では、多孔性部材82は、巻囲体の外周面のほぼ全体を覆うように配置される。
分離膜エレメント5Bにおいては、ベッセルに装填して運転する場合、第2端の端板が孔無し端板91なので、第2端の面からは、分離膜エレメント5Bから供給水(濃縮水)は流出しない。濃縮水103は、分離膜2に対して、分離膜エレメント5Bの外周面から、多孔性部材82を介して排出される。透過水102は、集水管6を通って、分離膜エレメント5Bの第2端から取り出される。なお、上述した分離膜エレメントにおいて、第2端における孔無し端板91を孔付端板92に変更し、分離膜エレメント5Bの外周面と第1端の両方から濃縮水103が排出される構成においても、従来エレメントと比べて高回収率運転に適した構成とすることができる。
分離膜エレメント5Bにおいて、第2端の端板が孔付端板92に変更し、第2端を完全に封止せず部分的に濃縮水が通過する構成になっても良い。
<透過側流路材>
本発明の分離膜エレメントには、分離膜の透過側面に透過側流路材が配置される。透過側流路材は、透過側流路の流動抵抗を低減し、かつ加圧ろ過下においても流路を安定に形成させる点では、透過側流路材の横断面積比が0.3以上0.75以下である。本範囲の横断面積比を有する透過側流路材であればその種類は限定されず、従来のトリコットを流路が広がるように厚くした緯編物や繊維の目付量を低減した緯編物、不織布のような多孔性シートに突起物を配置したり、フィルムや不織布を凹凸加工した凹凸シートを用いることができる。
本発明の分離膜エレメントには、分離膜の透過側面に透過側流路材が配置される。透過側流路材は、透過側流路の流動抵抗を低減し、かつ加圧ろ過下においても流路を安定に形成させる点では、透過側流路材の横断面積比が0.3以上0.75以下である。本範囲の横断面積比を有する透過側流路材であればその種類は限定されず、従来のトリコットを流路が広がるように厚くした緯編物や繊維の目付量を低減した緯編物、不織布のような多孔性シートに突起物を配置したり、フィルムや不織布を凹凸加工した凹凸シートを用いることができる。
ここで、透過側流路材の横断面積比について説明する。図3では一例として、シート状の透過側流路材について示しているが、透過側流路材を分離膜エレメントの装填した際、集水管の長手方向と平行な方向に沿って透過側流路材の凸部を通るように切断し、その断面について、凸部の中心と隣接する凸部の中心の距離(ピッチとも言う)と透過側流路材の高さの積に対する、凸部の中心と隣接する凸部の中心との間に占める透過側流路材の横断面積との比が横断面積比である。
また、図4のように透過側流路材が分離膜の透過側面に固着している場合においても同様に手法で計算できる。ただし、この場合は流路材が複数存在することになり、凸部の中心と隣接する凸部の中心との間に占める透過側流路材の横断面積は2つ(S1およびS2)存在することになり、横断面積SはS1とS2の和に相当する。
具体的な測定方法としては、上述のように透過側流路材を切断し、顕微鏡画像解析装置を用いて算出することができる。
特定の横断面積比を有する透過側流路材を本発明の分離膜エレメントに配置することにより、透過側流路の流動抵抗を低減することができ、それに伴い、流動抵抗が大きい流路材を含む分離膜エレメントと、同じ回収率で運転した際、供給水の流速が速まり濃度分極を小さくでき、特に高回収率運転下における濃度分極の低減、スケール発生を抑制することができる。
一般的な分離膜エレメントは回収率30%以下で運転するが、本発明の分離膜エレメントでは回収率35%以上においても安定に作動することができ、回収率が高くなるほど従来の分離膜エレメントに対して優位性を発現することができる。
<分離膜リーフの長さ(膜リーフ長)>
分離膜は、分離膜の供給水側面が対向するように配置された分離膜リーフ(単に膜リーフやリーフとも言う)の状態で分離膜エレメントに装填される。分離膜リーフの長さ(膜リーフ長とも言う)について、本発明に適用される透過側流路材は透過側抵抗を小さい状態に維持できるため、リーフ長が長くなっても透過側抵抗が低いことにより膜リーフ数を減らし、膜リーフ長を長くすることも可能である。膜リーフ数が減ると、供給水流路の入口が、減らした膜リーフ数分だけ減るが、供給する供給水量はほぼ同等であるため、より供給水の流速を早めることができる。ただし、膜リーフの長さが長くなるほど流動抵抗が高くなるため膜リーフの長さは750mm以上2000mm以下が好ましい。
<供給水の流速>
供給水の流速は単位時間に供給する供給水量を、供給水側流路入口の断面積で除して算出することができる。供給水流路入口の断面積とは、分離膜エレメントにおける膜の幅(すなわち、集水管の長手方向と平行な方向)と供給水側流路材の厚み、供給水側流路材の空隙率の積である。
<分離膜リーフの長さ(膜リーフ長)>
分離膜は、分離膜の供給水側面が対向するように配置された分離膜リーフ(単に膜リーフやリーフとも言う)の状態で分離膜エレメントに装填される。分離膜リーフの長さ(膜リーフ長とも言う)について、本発明に適用される透過側流路材は透過側抵抗を小さい状態に維持できるため、リーフ長が長くなっても透過側抵抗が低いことにより膜リーフ数を減らし、膜リーフ長を長くすることも可能である。膜リーフ数が減ると、供給水流路の入口が、減らした膜リーフ数分だけ減るが、供給する供給水量はほぼ同等であるため、より供給水の流速を早めることができる。ただし、膜リーフの長さが長くなるほど流動抵抗が高くなるため膜リーフの長さは750mm以上2000mm以下が好ましい。
<供給水の流速>
供給水の流速は単位時間に供給する供給水量を、供給水側流路入口の断面積で除して算出することができる。供給水流路入口の断面積とは、分離膜エレメントにおける膜の幅(すなわち、集水管の長手方向と平行な方向)と供給水側流路材の厚み、供給水側流路材の空隙率の積である。
<透過側流路材の厚み>
図5における透過側流路材の厚みH0は、0.1mm以上1mmであることが好ましい。厚みの測定は、電磁式、超音波式、磁力式、光透過式等さまざまな方式のフィルム膜厚測定器が市販されているが、非接触のものであればいずれの方式でもよい。ランダムに10ヶ所で測定を行いその平均値で評価する。0.1mm以上であることで透過側流路材としての強度を備え、応力が負荷されても透過側流路材の潰れや破れを引き起こすこと無く取り扱うことができる。また、厚みが1mm以下で集水管への巻囲性を損なうことなく、エレメント内に挿入できる分離膜や流路材数を増加させることができる。
図5における透過側流路材の厚みH0は、0.1mm以上1mmであることが好ましい。厚みの測定は、電磁式、超音波式、磁力式、光透過式等さまざまな方式のフィルム膜厚測定器が市販されているが、非接触のものであればいずれの方式でもよい。ランダムに10ヶ所で測定を行いその平均値で評価する。0.1mm以上であることで透過側流路材としての強度を備え、応力が負荷されても透過側流路材の潰れや破れを引き起こすこと無く取り扱うことができる。また、厚みが1mm以下で集水管への巻囲性を損なうことなく、エレメント内に挿入できる分離膜や流路材数を増加させることができる。
なお、図4のように透過側流路材が分離膜の透過側に固着している場合は、透過側流路材の厚みH0は、後述する透過側流路材の凸部の高さH1と同じである。
<透過側流路材の凸部の高さ、溝幅および溝長さ>
図5における透過側流路材の凸部の高さH1は、0.05mm以上0.8mm以下であることが好ましく、溝幅Dは0.02mm以上0.8mm以下であることが好ましい。凸部の高さや溝幅Dは、透過側流路材の横断面を市販のマイクロスコープなどで観察することで測定することができる。
図5における透過側流路材の凸部の高さH1は、0.05mm以上0.8mm以下であることが好ましく、溝幅Dは0.02mm以上0.8mm以下であることが好ましい。凸部の高さや溝幅Dは、透過側流路材の横断面を市販のマイクロスコープなどで観察することで測定することができる。
凸部の高さや溝幅D、および積層された分離膜とで形成される空間が流路となることができ、凸部の高さや溝幅Dが上記範囲であることで、加圧ろ過時の膜落込みを抑制しつつ、流動抵抗を低減し、耐圧性と造水性能に優れた分離膜エレメントを得ることができる。
また、凸部がドット状のように、MDおよびCDのいずれの方向にも凸部が離れて配置されるような場合(図6参照)は、溝長さEは溝幅Dと同様に設定することができる。
<透過側流路材の凸部の幅および長さ>
図5における透過側流路材の凸部の幅Wは、好ましくは0.1mm以上であり、より好ましくは0.3mm以上である。幅Wが0.2mm以上であることで、分離膜エレメントの運転時透過側流路材に圧力がかかっても、凸部の形状を保持することができ透過側流路が安定的に形成される。幅Wは、好ましくは1mm以下であり、より好ましくは0.7mm以下である。幅Wが1mm以下であることで、分離膜の透過側の面側の流路を十分確保することができる。
図5における透過側流路材の凸部の幅Wは、好ましくは0.1mm以上であり、より好ましくは0.3mm以上である。幅Wが0.2mm以上であることで、分離膜エレメントの運転時透過側流路材に圧力がかかっても、凸部の形状を保持することができ透過側流路が安定的に形成される。幅Wは、好ましくは1mm以下であり、より好ましくは0.7mm以下である。幅Wが1mm以下であることで、分離膜の透過側の面側の流路を十分確保することができる。
凸部6の幅Wは、次のように測定される。まず、第1方向(分離膜のCD)に垂直な1つの断面において、1つの凸部6の最大幅と最小幅の平均値を算出する。つまり、図7に示すような上部が細く下部が太い凸部6においては、流路材下部の幅と上部の幅を測定し、その平均値を算出する。このような平均値を少なくとも30箇所の断面において算出し、その相加平均を算出することで、1枚の膜当たりの幅Wを算出することができる。
なお、凸部がドット状のように、MDおよびCDのいずれの方向にも凸部が離れて配置されるような場合(図6参照)は、長さXは幅Wと同様に設定することができる。
<透過側流路材の材料>
シート状物の形態としては、編み物や織物、多孔性フィルムや不織布、ネットなどを用いることができ、特に不織布の場合では、不織布を構成する繊維同士で形成された流路となる空間が広くなるため、水が流動しやすく、その結果、分離膜エレメントの造水能が向上するため好ましい。
シート状物の形態としては、編み物や織物、多孔性フィルムや不織布、ネットなどを用いることができ、特に不織布の場合では、不織布を構成する繊維同士で形成された流路となる空間が広くなるため、水が流動しやすく、その結果、分離膜エレメントの造水能が向上するため好ましい。
また、透過側流路材の材料であるポリマーの材質については、透過側流路材としての形状を保持し、透過水中への成分の溶出が少ないものであるならば特に限定されず、例えば、ナイロン等のポリアミド系、ポリエステル系、ポリアクリロニトリル系、ポリエチレンやポリプロピレン等のポリオレフィン系、ポリ塩化ビニル系、ポリ塩化ビニリデン系、ポリフルオロエチレン系等の合成樹脂が挙げられるが、特に高圧化に耐えうる強度や親水性を考慮するとポリオレフィン系やポリエステル系を用いるのが好ましい。
シート状物が複数の繊維から構成される場合では、繊維がたとえばポリプロピレン/ポリエチレン芯鞘構造を有するものを用いてもよい。
<透過側流路材による流路>
透過側流路材の両面に分離膜が配置された際、凸部と隣接する凸部の空間は、透過水の流路となることができる。流路は、透過側流路材自体が波板状、矩形波状、三角波状などに賦形加工されていたり、透過側流路材の一面が平坦で他の表面が凹凸状に加工されていたり、透過側流路材表面に他の部材が凹凸形状に積層されることによって形成されたものであってもよい。
透過側流路材の両面に分離膜が配置された際、凸部と隣接する凸部の空間は、透過水の流路となることができる。流路は、透過側流路材自体が波板状、矩形波状、三角波状などに賦形加工されていたり、透過側流路材の一面が平坦で他の表面が凹凸状に加工されていたり、透過側流路材表面に他の部材が凹凸形状に積層されることによって形成されたものであってもよい。
<透過側流路材の形状>
本発明の透過側流路材は、流路を形成する凸部が、図2に示すようなドット状でも良い。ドットの配列は千鳥型に配置された場合は、供給水を受圧する時の応力が分散され、陥没の抑制に有利である。なお、図2には断面(シート平面に対して平行面)が円である円柱状の突起を記載したが、多角形や楕円等、特に断面形状については限定しない。また、異なる断面の凸部が混在していてもよい。また、図7に示すような溝が一方向に並んで連続した溝を有する凹凸形状であってもよい。
本発明の透過側流路材は、流路を形成する凸部が、図2に示すようなドット状でも良い。ドットの配列は千鳥型に配置された場合は、供給水を受圧する時の応力が分散され、陥没の抑制に有利である。なお、図2には断面(シート平面に対して平行面)が円である円柱状の突起を記載したが、多角形や楕円等、特に断面形状については限定しない。また、異なる断面の凸部が混在していてもよい。また、図7に示すような溝が一方向に並んで連続した溝を有する凹凸形状であってもよい。
巻回方向に垂直な方向での断面形状において、幅に変化があるような台形状の壁状物、楕円柱、楕円錐、四角錐あるいは半球のような形状であってもよい。
<水処理システム>
本発明の分離膜エレメントは、例えばRO浄水器などの水処理システムに適用することができる。
本発明の分離膜エレメントは、例えばRO浄水器などの水処理システムに適用することができる。
以下に実施例によって本発明をさらに詳細に説明するが、本発明はこれらの実施例によってなんら限定されるものではない。
(透過側流路材の厚みおよび凸部の高さ)
透過側流路材の厚みと凸部の高さはキーエンス社製高精度形状測定システムKS−1100で測定した。具体的には、キーエンス社製高精度形状測定システムKS−1100を用い、5cm×5cmの測定結果から平均の高低差を解析した。10μm以上の高低差のある30箇所を測定し、各高さの値を総和した値を測定総箇所(30箇所)の数で割って求めた値を凸部の高さとした。
(透過側流路材の凸部の幅および長さ、凹部の溝幅および溝長さ)
キーエンス社製高精度形状測定システムKS−1100を用い、上記の透過側流路材の厚みおよび凸部の高さと同様の手法で測定した。
(透過側流路材の凸部のピッチ)
キーエンス社製高精度形状測定システムKS−1100を用い、分離膜の透過側における流路材の頂点から、隣の流路材の頂点までの水平距離を200箇所について測定し、その平均値をピッチとして算出した。
(透過側流路材の横断面積比)
透過側流路材を分離膜エレメントの装填した際、集水管の長手方向と平行な方向に沿って透過側流路材の凸部を通るように切断した。その断面について、キーエンス社製高精度形状測定システムKS−1100を用いて、測定した凸部の中心と隣接する凸部の中心の距離と透過側流路材の高さの積に対する、凸部の中心と隣接する凸部の中心との間に占める透過側流路材の横断面積との比を算出し、任意の30カ所の平均値を横断面積比とした。
(造水量)
分離膜エレメントについて、供給水として、濃度200ppmの食塩水、pH6.5のNaCl水溶液を用い、運転圧力0.55MPa、温度25℃の条件下で15分間運転した後に1分間のサンプリングを行い、1日あたりの透水量(ガロン)を造水量(GPD(ガロン/日))として表した。
(回収率)
造水量の測定において、所定の時間に供給した供給水流量VFと、同時間での透過水量VPの比率を回収率とし、VP/VF×100から算出した。
(除去率(TDS除去率))
造水量Aの測定における1分間の運転で用いた供給水およびサンプリングした透過水について、TDS濃度を伝導率測定により求め、下記式からTDS除去率を算出した。
(透過側流路材の厚みおよび凸部の高さ)
透過側流路材の厚みと凸部の高さはキーエンス社製高精度形状測定システムKS−1100で測定した。具体的には、キーエンス社製高精度形状測定システムKS−1100を用い、5cm×5cmの測定結果から平均の高低差を解析した。10μm以上の高低差のある30箇所を測定し、各高さの値を総和した値を測定総箇所(30箇所)の数で割って求めた値を凸部の高さとした。
(透過側流路材の凸部の幅および長さ、凹部の溝幅および溝長さ)
キーエンス社製高精度形状測定システムKS−1100を用い、上記の透過側流路材の厚みおよび凸部の高さと同様の手法で測定した。
(透過側流路材の凸部のピッチ)
キーエンス社製高精度形状測定システムKS−1100を用い、分離膜の透過側における流路材の頂点から、隣の流路材の頂点までの水平距離を200箇所について測定し、その平均値をピッチとして算出した。
(透過側流路材の横断面積比)
透過側流路材を分離膜エレメントの装填した際、集水管の長手方向と平行な方向に沿って透過側流路材の凸部を通るように切断した。その断面について、キーエンス社製高精度形状測定システムKS−1100を用いて、測定した凸部の中心と隣接する凸部の中心の距離と透過側流路材の高さの積に対する、凸部の中心と隣接する凸部の中心との間に占める透過側流路材の横断面積との比を算出し、任意の30カ所の平均値を横断面積比とした。
(造水量)
分離膜エレメントについて、供給水として、濃度200ppmの食塩水、pH6.5のNaCl水溶液を用い、運転圧力0.55MPa、温度25℃の条件下で15分間運転した後に1分間のサンプリングを行い、1日あたりの透水量(ガロン)を造水量(GPD(ガロン/日))として表した。
(回収率)
造水量の測定において、所定の時間に供給した供給水流量VFと、同時間での透過水量VPの比率を回収率とし、VP/VF×100から算出した。
(除去率(TDS除去率))
造水量Aの測定における1分間の運転で用いた供給水およびサンプリングした透過水について、TDS濃度を伝導率測定により求め、下記式からTDS除去率を算出した。
TDS除去率(%)=100×{1−(透過水中のTDS濃度/供給水中のTDS濃度)}
(造水量低下率)
運転開始から1時間後と100時間後との造水量の変化率であり、100−(100時間後の造水量/1時間後の造水量)×100で表現でき、数値が0に近いほど分離膜の表面にスケールが発生し難く、高回収率運転において性能安定性に優れた分離膜エレメントとなる。
(不織布上に突起物を有する透過側流路材の作製)
スリット幅0.5mm、ピッチ0.9mmの櫛形シムを装填したアプリケーターを用いて、バックアップロールを20℃に温度調節しながら、分離膜エレメントとした場合に集水管の長手方向に対して垂直かつ封筒状膜とした場合に巻回方向の内側端部から外側端部まで集水管の長手方向に対して垂直になるよう直線状に、高結晶性PP(MFR1000g/10分、融点161℃)60質量%と低結晶性α−オレフィン系ポリマー(出光興産株式会社製;低立体規則性ポリプロピレン「L−MODU・S400」(商品名))40質量%からなる組成物ペレットを樹脂温度205℃、走行速度10m/minで直線状に不織布上に塗布した。不織布は厚み0.07mm、目付量が35g/m2、エンボス柄(φ1mmの円形、ピッチ5mmの格子状)であった。
(造水量低下率)
運転開始から1時間後と100時間後との造水量の変化率であり、100−(100時間後の造水量/1時間後の造水量)×100で表現でき、数値が0に近いほど分離膜の表面にスケールが発生し難く、高回収率運転において性能安定性に優れた分離膜エレメントとなる。
(不織布上に突起物を有する透過側流路材の作製)
スリット幅0.5mm、ピッチ0.9mmの櫛形シムを装填したアプリケーターを用いて、バックアップロールを20℃に温度調節しながら、分離膜エレメントとした場合に集水管の長手方向に対して垂直かつ封筒状膜とした場合に巻回方向の内側端部から外側端部まで集水管の長手方向に対して垂直になるよう直線状に、高結晶性PP(MFR1000g/10分、融点161℃)60質量%と低結晶性α−オレフィン系ポリマー(出光興産株式会社製;低立体規則性ポリプロピレン「L−MODU・S400」(商品名))40質量%からなる組成物ペレットを樹脂温度205℃、走行速度10m/minで直線状に不織布上に塗布した。不織布は厚み0.07mm、目付量が35g/m2、エンボス柄(φ1mmの円形、ピッチ5mmの格子状)であった。
なお、表中には本透過側流路材を、透過側流路材Aと示した。
(分離膜の透過側に固着された透過側流路材の作製)
不織布を分離膜に変更し、分離膜の透過側面に突起物を配置したこと以外は、不織布上に突起物を有する透過側流路材と同様の方法で透過側流路材を配置した。
(分離膜の透過側に固着された透過側流路材の作製)
不織布を分離膜に変更し、分離膜の透過側面に突起物を配置したこと以外は、不織布上に突起物を有する透過側流路材と同様の方法で透過側流路材を配置した。
なお、表中には本透過側流路材を、透過側流路材Bと示した。
(貫通孔を有するフィルムによる透過側流路材の作製)
無延伸ポリプロピレンフィルム(東レ製 トレファン)にインプリント加工およびCO2レーザ加工を施し、貫通孔を有する透過側流路材を得た。具体的には切削加工により溝を形成した金属金型で無延伸ポリプロピレンフィルムを挟み込み、140℃/2分間/15MPaで保圧し、40℃で冷却後に金型から取り出した。
(貫通孔を有するフィルムによる透過側流路材の作製)
無延伸ポリプロピレンフィルム(東レ製 トレファン)にインプリント加工およびCO2レーザ加工を施し、貫通孔を有する透過側流路材を得た。具体的には切削加工により溝を形成した金属金型で無延伸ポリプロピレンフィルムを挟み込み、140℃/2分間/15MPaで保圧し、40℃で冷却後に金型から取り出した。
続いて、3D−Axis CO2レーザマーカ MLZ9500を用いて、凹凸インプリントシートの非凹凸面から、凹凸における凹部対してレーザ加工し貫通孔を得た。なお、貫通孔は、実施例1〜8については各溝にピッチ2mmで設け、実施例9については各凸部のCDにおける中間に設けた。
なお、表中には本透過側流路材を、透過側流路材Cと示した。
(緯編物による透過側流路材の作製)
緯編物は、ポリエチレンテレフタレートフィラメント(融点:255℃)にポリエチレンテレフタレート系低融点ポリエステルフィラメント(融点:235℃)を混繊してなるマルチフィラメント糸(48フィラメント、110デシテックス)を編糸として、天竺編の緯編組織(ゲージ(編機の単位長間にあるニードルの本数))を編成し、それを245℃で熱セット処理した後にカレンダ加工を施して作製した。
(緯編物による透過側流路材の作製)
緯編物は、ポリエチレンテレフタレートフィラメント(融点:255℃)にポリエチレンテレフタレート系低融点ポリエステルフィラメント(融点:235℃)を混繊してなるマルチフィラメント糸(48フィラメント、110デシテックス)を編糸として、天竺編の緯編組織(ゲージ(編機の単位長間にあるニードルの本数))を編成し、それを245℃で熱セット処理した後にカレンダ加工を施して作製した。
なお、表中には本透過側流路材を、透過側流路材Dと示した。
(実施例1)
ポリエチレンテレフタレート繊維からなる不織布(糸径:1デシテックス、厚み:約0.09mm、密度0.80g/cm3)上にポリスルホンの15.2質量%のDMF溶液を180μmの厚みで室温(25℃)にてキャストし、ただちに純水中に浸漬して5分間放置し、80℃の温水で1分間浸漬することによって繊維補強ポリスルホン支持膜からなる、多孔性支持層(厚さ0.13mm)を作製した。
(実施例1)
ポリエチレンテレフタレート繊維からなる不織布(糸径:1デシテックス、厚み:約0.09mm、密度0.80g/cm3)上にポリスルホンの15.2質量%のDMF溶液を180μmの厚みで室温(25℃)にてキャストし、ただちに純水中に浸漬して5分間放置し、80℃の温水で1分間浸漬することによって繊維補強ポリスルホン支持膜からなる、多孔性支持層(厚さ0.13mm)を作製した。
その後、多孔性支持層ロールを巻き出し、m−PDAの2.7重量%水溶液中に2分間浸漬し、該支持膜を垂直方向にゆっくりと引き上げ、エアーノズルから窒素を吹き付け支持膜表面から余分な水溶液を取り除いた後、トリメシン酸クロリド0.15重量%を含むn−デカン溶液を表面が完全に濡れるように塗布して1分間静置した。次に、膜から余分な溶液を除去するために膜を1分間垂直に保持して液切りした。その後、60℃の熱水で2分間洗浄して分離膜ロールを得た。
このように得られた分離膜を、分離膜エレメントでの有効面積が0.5m2となるように折り畳み断裁加工し、ネット(厚み:0.5mm、ピッチ:3mm×3mm、繊維径:250μm、投影面積比:0.25)を供給水側流路材として表1に示す1枚のリーフを作製した。
得られたリーフの透過側面に透過側流路材として表1に示す透過側流路材を積層し、ABS(アクリロニトリル−ブタジエン−スチレン)製集水管(幅:350mm、径:18mm、孔数10個×直線状1列)にスパイラル状に巻き付け、巻囲体の外周面を、筒状に連続押し出し成形されたネット(厚み:0.7mm、ピッチ:5mm×5mm、繊維径:350μm、投影面積比:0.13)で被覆した。被覆された巻囲体の両端のエッジカットを行った後、一端からの供給水流入を防ぐための封止板(第1端板91に相当する)の取り付けを行った。こうして、供給水供給口を分離膜エレメントの外周面のみに設けた。さらに、第2端板92に相当する端板を被覆された巻囲体の他端に取り付け、濃縮流体出口を分離膜エレメントの他端に設けた直径が2インチの分離膜エレメントを作製した。
分離膜エレメントを圧力容器に入れて、回収率90%にて上述の条件で各性能を評価したところ、結果は表1の通りであった。
(実施例2〜6)
透過側流路材を表1の通りにした以外は全て実施例1と同様にして、分離膜および分離膜エレメントを作製した。
透過側流路材を表1の通りにした以外は全て実施例1と同様にして、分離膜および分離膜エレメントを作製した。
分離膜エレメントを圧力容器に入れて、実施例1と同条件で各性能を評価したところ、結果は表1の通りであった。
(実施例7〜12)
リーフの大きさや枚数を表2の通りにした以外は全て実施例1と同様にして、分離膜および分離膜エレメントを作製した。
(実施例7〜12)
リーフの大きさや枚数を表2の通りにした以外は全て実施例1と同様にして、分離膜および分離膜エレメントを作製した。
分離膜エレメントを圧力容器に入れて、実施例1と同条件で各性能を評価したところ、結果は表2の通りであった。
(実施例13、14)
実施例1と同一の分離膜エレメントを圧力容器に入れて、実施例13では回収率60%、実施例14では回収率35%にて変更したこと以外は、全て実施例1と同条件で各性能を評価したところ、結果は表3の通りであった。
実施例1と同一の分離膜エレメントを圧力容器に入れて、実施例13では回収率60%、実施例14では回収率35%にて変更したこと以外は、全て実施例1と同条件で各性能を評価したところ、結果は表3の通りであった。
(比較例1〜6)
透過側流路材を表3および表4の通りにした以外は全て実施例1と同様にして、分離膜および分離膜エレメントを作製した。
透過側流路材を表3および表4の通りにした以外は全て実施例1と同様にして、分離膜および分離膜エレメントを作製した。
分離膜エレメントを圧力容器に入れて、上述の条件で各性能を評価したところ、結果は表3および表4の通りであった。
すなわち、比較例1、3〜6では透過側流路材が緻密で透過側抵抗が大きくなり、造水量の低下と生じた。それに伴い、供給水量が低下し流速も低下したため、スケール発生による造水量の低下が生じた。
また、比較例2では溝の間隔が広いため、加圧ろ過により分離膜が透過側流路を閉塞すると共に、分離膜が変形して膜の機能層が破壊されたため造水量および除去率が低下した。
(比較例7)
得られたリーフの透過側面に透過側流路材を積層し、ABS(アクリロニトリル−ブタジエン−スチレン)製集水管(幅:350mm、径:18mm、孔数10個×直線状1列)にスパイラル状に巻き付け、外周にさらにフィルムを巻き付けた。テープで固定した後に、エッジカット、端板の取り付けおよびフィラメントワインディングを行い、直径が2インチの分離膜エレメントとしたこと以外は、全て実施例1と同様にして、分離膜および分離膜エレメントを作製した。
得られたリーフの透過側面に透過側流路材を積層し、ABS(アクリロニトリル−ブタジエン−スチレン)製集水管(幅:350mm、径:18mm、孔数10個×直線状1列)にスパイラル状に巻き付け、外周にさらにフィルムを巻き付けた。テープで固定した後に、エッジカット、端板の取り付けおよびフィラメントワインディングを行い、直径が2インチの分離膜エレメントとしたこと以外は、全て実施例1と同様にして、分離膜および分離膜エレメントを作製した。
分離膜エレメントを圧力容器に入れて、上述の条件で各性能を評価したところ、結果は表4の通りであった。
すなわち、本形態では供給側流路の入口が広いため、供給水の流速が低下し濃度分極が生じやすく、造水量低下率が大きい傾向にあった。
(比較例8、9)
比較例8と同一の分離膜エレメントを圧力容器に入れて、比較例7では回収率60%、比較例9では回収率35%にて変更したこと以外は、全て比較例6と同条件で各性能を評価したところ、結果は表4の通りであった。
(比較例8、9)
比較例8と同一の分離膜エレメントを圧力容器に入れて、比較例7では回収率60%、比較例9では回収率35%にて変更したこと以外は、全て比較例6と同条件で各性能を評価したところ、結果は表4の通りであった。
表1〜表4に示す結果から明らかなように、本発明の実施例1〜12の分離膜エレメントは、高い圧力で運転しても、高い除去性能を有する充分な量の透過水を得ることができ、優れた分離性能を安定して備えていると言える。
1 供給水側流路財
101 供給水
102 透過水
103 濃縮水
2 分離膜
3 透過側流路材
4 集水管
5 一般的な分離膜エレメント
5B 本発明の分離膜エレメント
6 凸部
7 凹部
8 貫通孔
821 多孔性部材に設けられた孔
91 孔無し端板
92 孔付端板
D 溝幅
E 溝長さ
H0 透過側流路材の厚み
H1 透過側流路材の凸部の高さ
J 貫通孔の幅
K 貫通孔の長さ
S 透過側流路材の凸部の横断面積
VF 単位時間あたりの供給水流量
VP 単位時間あたりの透過水量
W 透過側流路材の凸部の幅
X 透過側流路材の凸部の長さ
101 供給水
102 透過水
103 濃縮水
2 分離膜
3 透過側流路材
4 集水管
5 一般的な分離膜エレメント
5B 本発明の分離膜エレメント
6 凸部
7 凹部
8 貫通孔
821 多孔性部材に設けられた孔
91 孔無し端板
92 孔付端板
D 溝幅
E 溝長さ
H0 透過側流路材の厚み
H1 透過側流路材の凸部の高さ
J 貫通孔の幅
K 貫通孔の長さ
S 透過側流路材の凸部の横断面積
VF 単位時間あたりの供給水流量
VP 単位時間あたりの透過水量
W 透過側流路材の凸部の幅
X 透過側流路材の凸部の長さ
Claims (4)
- 供給側の面と透過側の面とを有し、透過側の面同士が向かい合うように配置されることで分離膜対を形成する分離膜と、
前記分離膜の前記透過側の面の間に設けられる透過側流路材と、を備え、
前記透過側流路材の横断面は複数の流路を有し、かつ横断面積比が0.4以上0.75以下であり、
前記有孔集水管の長手方向において、前記巻囲体の外側(端面側)に設けられた原水供給部と、
前記有孔集水管の長手方向に直交する方向において、前記巻囲体の外側(外周側)に設けられた濃縮水排出部と、
を備える分離膜エレメント。 - 前記分離膜エレメントにおける、供給側流路の長さが750mm以上2000mm以下である請求項1に記載の分離膜エレメント。
- 請求項1または2に記載の分離膜エレメントを用いて、前記分離膜エレメントに供給された水量に対し、造水された水量の割合を35%以上とする分離膜エレメントの運転方法。
- 請求項1または2のいずれかの分離膜エレメントを含む水処理システム。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2016149353A JP2018015735A (ja) | 2016-07-29 | 2016-07-29 | 分離膜エレメント |
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Publication Number | Publication Date |
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---|---|---|---|
JP2016149353A Pending JP2018015735A (ja) | 2016-07-29 | 2016-07-29 | 分離膜エレメント |
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---|---|
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Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
CN112135680A (zh) * | 2018-05-18 | 2020-12-25 | 日东电工株式会社 | 流路间隔物和螺旋型膜元件 |
CN114340770A (zh) * | 2019-08-30 | 2022-04-12 | 东丽株式会社 | 分离膜元件 |
CN114570214A (zh) * | 2022-03-30 | 2022-06-03 | 佛山市美的清湖净水设备有限公司 | 膜片结构、净水元件及其制作方法、以及净水设备 |
WO2023008251A1 (ja) * | 2021-07-26 | 2023-02-02 | 東レ株式会社 | 分離膜エレメントおよび分離膜システム |
WO2023246740A1 (zh) * | 2022-06-21 | 2023-12-28 | 杭州苏博瑞驰科技有限公司 | 短流道膜元件及滤芯 |
-
2016
- 2016-07-29 JP JP2016149353A patent/JP2018015735A/ja active Pending
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Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
CN112135680A (zh) * | 2018-05-18 | 2020-12-25 | 日东电工株式会社 | 流路间隔物和螺旋型膜元件 |
CN112135680B (zh) * | 2018-05-18 | 2022-10-28 | 日东电工株式会社 | 流路间隔物和螺旋型膜元件 |
CN114340770A (zh) * | 2019-08-30 | 2022-04-12 | 东丽株式会社 | 分离膜元件 |
WO2023008251A1 (ja) * | 2021-07-26 | 2023-02-02 | 東レ株式会社 | 分離膜エレメントおよび分離膜システム |
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