JP2019213336A - モータ制御装置、シート搬送装置及び画像形成装置 - Google Patents

モータ制御装置、シート搬送装置及び画像形成装置 Download PDF

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Abstract

【課題】 初期位相と初期指令位相との偏差が大きいほどモータの巻線に流れる駆動電流は急激に(ステップ状に)増大する。この結果、駆動電流には、回転位相を決定するために当該駆動電流に重畳された高周波成分だけでなく、回転位相と指令位相との偏差に起因する駆動電流のステップ状の変化による高周波成分が含まれ、回転位相が精度よく決定されない可能性がある。その結果、モータの制御が不安定になってしまう可能性がある。【解決手段】 回転子の回転位相と指令位相との偏差が所定範囲内の値である状態で、ベクトル制御を開始する。【選択図】 図8

Description

本発明は、モータを制御するモータ制御装置、シート搬送装置及び画像形成装置に関する。
従来、モータを制御する方法として、モータの回転子の回転位相を基準とした回転座標系における電流値を制御することによってモータを制御するベクトル制御と称される制御方法が知られている。具体的には、回転子の指令位相と実際の回転位相との偏差が小さくなるように回転座標系における電流値を制御する位相フィードバック制御を行うことによってモータを制御する制御方法が知られている。また、回転子の指令速度と実際の回転速度との偏差が小さくなるように回転座標系における電流値を制御する速度フィードバック制御を行うことによってモータを制御する制御方法も知られている。
ベクトル制御において、モータの巻線に流れる駆動電流は、回転子が回転するためのトルクを発生させる電流成分であるq軸成分(トルク電流成分)と、モータの巻線を貫く磁束の強度に影響する電流成分であるd軸成分(励磁電流成分)とにより表される。回転子にかかる負荷トルクの変化に応じてトルク電流成分の値が制御されることによって、回転に必要なトルクが効率的に発生する。この結果、余剰トルクに起因したモータ音の増大や消費電力の増大が抑制される。また、回転子にかかる負荷トルクがモータの巻線に供給された駆動電流に対応した出力トルクを超えることに起因して回転子が入力信号に同期しなくなり、モータが制御不能な状態(脱調状態)になってしまうことを抑制することができる。
ベクトル制御では、回転子の回転位相を決定する構成が必要となる。特許文献1には、回転子の回転位相を決定する方法として、巻線に印加された高周波電圧と当該高周波電圧に起因して巻線に流れる高周波電流とに基づいて回転子の回転位相を決定する高周波重畳方式が記載されている。特許文献1では、前記高周波重畳方式と回転子の回転位相が0°〜180°の位相であるか180°〜360°の位相であるかを判定する磁極判定の結果とに基づいてモータの駆動を開始するときに最初に用いられる回転位相(初期位相)が決定される。具体的には、例えば、磁極判定によって回転位相が0°〜180°の位相であると判定された場合は、高周波重畳方式によって決定された回転位相が初期位相として決定される。また、極性判定によって回転位相が180°〜360°の位相であると判定された場合は、高周波重畳方式によって決定された回転位相に180°が加算された位相が初期位相として決定される。
特開2002−171798号公報
モータが位相フィードバック制御によって制御される構成においては、例えば、回転子の目標位相を表す指令位相の出力が所定の位相(例えば、0°)から開始される。モータの駆動が開始されるときに出力される指令位相(初期指令位相)が所定の位相(例えば、0°)である場合、以下の問題が生じる可能性がある。
例えば、回転位相が180°〜360°の位相である場合における初期位相と初期指令位相(=0°)との偏差は、回転位相が0°〜180°の位相である場合における初期位相と初期指令位相との偏差よりも大きい。位相フィードバック制御においては、回転位相と指令位相との偏差が大きいほどトルク電流成分の値は大きくなる。したがって、初期位相と初期指令位相との偏差が大きいほどトルク電流成分の値は急激に(ステップ状に)増大する。即ち、初期位相と初期指令位相との偏差が大きいほどモータの巻線に流れる駆動電流は急激に(ステップ状に)増大する。この結果、駆動電流には、回転位相を決定するために当該駆動電流に重畳された高周波成分だけでなく、回転位相と指令位相との偏差に起因する駆動電流のステップ状の変化による高周波成分が含まれる。回転位相と指令位相との偏差に起因する駆動電流のステップ状の変化による高周波成分を含む駆動電流を用いて高周波重畳方式による回転位相の決定が行われると、回転位相が精度よく決定されない可能性がある。その結果、モータの制御が不安定になってしまう可能性がある。
上記課題に鑑み、本発明は、モータの制御が不安定になってしまうことを抑制することを目的とする。
上記課題を解決するために、本発明に係るモータ制御装置は、
モータの回転子の目標位相を表す指令位相に基づいて前記モータを制御するモータ制御装置において、
前記指令位相を生成する生成手段と、
前記回転子の回転位相と前記生成手段によって生成される前記指令位相との偏差が小さくなるように生成された第1の電圧と、前記第1の電圧よりも周波数が高い第2の電圧と、に基づいて前記巻線に流れる電流を制御する制御手段と、
前記巻線に流れる電流を検出する検出手段と、
前記検出手段によって検出された電流から前記第2の電圧の周波数を含む所定の周波数帯の信号を抽出する抽出手段と、
前記抽出手段によって抽出された前記所定の周波数帯の信号に基づいて前記回転子の回転位相に関する情報を出力する出力手段と、
を有し、
前記偏差に基づく前記電流の制御は、前記偏差が所定範囲内の値である状態で開始されることを特徴とする。
本発明によれば、モータの制御が不安定になってしまうことを抑制することができる。
第1実施形態に係る画像形成装置を説明する断面図である。 前記画像形成装置の制御構成を示すブロック図である。 A相及びB相から成る2相のモータと、d軸及びq軸によって表される回転座標系及びγ軸とδ軸とによって表される回転座標系との関係を示す図である。 第1実施形態に係るモータ制御装置の構成を示すブロック図である。 第1実施形態に係るローパスフィルタの構成の例を示す図である。 第1実施形態に係る位相決定器の構成を示すブロック図である。 駆動パルスに基づいて指令位相が生成される方法を説明する図である。 第1実施形態に係るモータの制御方法を示すフローチャートである。 第2実施形態におけるモータ制御装置の構成を示すブロック図である。 プレセット電圧と当該プレセット電圧に起因して回転する回転子が停止した後の回転位相との関係を示す図である。
以下に図面を参照して、本発明の好適な実施の形態を説明する。ただし、この実施の形態に記載されている構成部品の形状及びそれらの相対配置などは、この発明が適用される装置の構成や各種条件により適宜変更されるべきものであり、この発明の範囲が以下の実施の形態に限定される趣旨のものではない。なお、以下の説明においては、モータ制御装置が画像形成装置に設けられる場合について説明するが、モータ制御装置が設けられるのは画像形成装置に限定されるわけではない。例えば、記録媒体や原稿等のシートを搬送するシート搬送装置等にも用いられる。
〔第1実施形態〕
[画像形成装置]
図1は、本実施形態で用いられるシート搬送装置を有するモノクロの電子写真方式の複写機(以下、画像形成装置と称する)100の構成を示す断面図である。なお、画像形成装置は複写機に限定されず、例えば、ファクシミリ装置、印刷機、プリンタ等であっても良い。また、記録方式は、電子写真方式に限らず、例えば、インクジェット等であっても良い。更に、画像形成装置の形式はモノクロ及びカラーのいずれの形式であっても良い。
以下に、図1を用いて、画像形成装置100の構成および機能について説明する。図1に示すように、画像形成装置100は、原稿給送装置201、読取装置202及び画像印刷装置301を有する。
原稿給送装置201の原稿積載部203に積載された原稿は、給紙ローラ204によって給紙され、搬送ガイド206に沿って読取装置202の原稿ガラス台214上に搬送される。更に、原稿は、搬送ベルト208によって搬送されて、排紙ローラ205によって不図示の排紙トレイへ排紙される。読取装置202の読取位置において照明209によって照明された原稿画像からの反射光は、反射ミラー210、211、212からなる光学系によって画像読取部111に導かれ、画像読取部111によって画像信号に変換される。画像読取部111は、レンズ、光電変換素子であるCCD、CCDの駆動回路等で構成される。画像読取部111から出力された画像信号は、ASIC等のハードウェアデバイスで構成される画像処理部112によって各種補正処理が行われた後、画像印刷装置301へ出力される。前述の如くして、原稿の読取が行われる。即ち、原稿給送装置201及び読取装置202は、原稿読取装置として機能する。
また、原稿の読取モードとして、第1読取モードと第2読取モードがある。第1読取モードは、一定速度で搬送される原稿の画像を、所定の位置に固定された照明系209及び光学系によって読み取るモードである。第2読取モードは、読取装置202の原稿ガラス214上に載置された原稿の画像を、一定速度で移動する照明系209及び光学系によって読み取るモードである。通常、シート状の原稿の画像は第1読取モードで読み取られ、本や冊子等の綴じられた原稿の画像は第2読取モードで読み取られる。
画像印刷装置301の内部には、シート収納トレイ302、304が設けられている。シート収納トレイ302、304には、それぞれ異なる種類の記録媒体を収納することができる。例えば、シート収納トレイ302にはA4サイズの普通紙が収納され、シート収納トレイ304にはA4サイズの厚紙が収納される。なお、記録媒体とは、画像形成装置によって画像が形成されるものであって、例えば、用紙、樹脂シート、布、OHPシート、ラベル等は記録媒体に含まれる。
シート収納トレイ302に収納された記録媒体は、ピックアップローラ303によって給送されて、搬送ローラ306によってレジストレーションローラ308へ送り出される。また、シート収納トレイ304に収納された記録媒体は、ピックアップローラ305によって給送されて、搬送ローラ307及び306によってレジストレーションローラ308へ送り出される。
読取装置202から出力された画像信号は、半導体レーザ及びポリゴンミラーを含む光走査装置311に入力される。また、感光ドラム309は、帯電器310によって外周面が帯電される。感光ドラム309の外周面が帯電された後、読取装置202から光走査装置311に入力された画像信号に応じたレーザ光が、光走査装置311からポリゴンミラー及びミラー312、313を経由し、感光ドラム309の外周面に照射される。この結果、感光ドラム309の外周面に静電潜像が形成される。
続いて、静電潜像が現像器314内のトナーによって現像され、感光ドラム309の外周面にトナー像が形成される。
感光ドラム309に形成されたトナー像は、感光ドラム309と対向する位置(転写位置)に設けられた転写帯電器315によって記録媒体に転写される。この転写タイミングに合わせて、レジストレーションローラ308は記録媒体を転写位置へ送り込む。
前述の如くして、トナー像が転写された記録媒体は、搬送ベルト317によって定着器318へ送り込まれ、定着器318によって加熱加圧されて、トナー像が記録媒体に定着される。このようにして、画像形成装置100によって記録媒体に画像が形成される。
片面印刷モードで画像形成が行われる場合は、定着器318を通過した記録媒体は、排紙ローラ319、324によって、不図示の排紙トレイへ排紙される。また、両面印刷モードで画像形成が行われる場合は、定着器318によって記録媒体の第1面に定着処理が行われた後に、記録媒体は、排紙ローラ319、搬送ローラ320、及び反転ローラ321によって、反転パス325へと搬送される。その後、記録媒体は、搬送ローラ322、323によって再度レジストレーションローラ308へと搬送され、前述した方法で記録媒体の第2面に画像が形成される。その後、記録媒体は、排紙ローラ319、324によって不図示の排紙トレイへ排紙される。
また、第1面に画像形成された記録媒体がフェースダウンで画像形成装置100の外部へ排紙される場合は、定着器318を通過した記録媒体は、排紙ローラ319を通って搬送ローラ320へ向かう方向へ搬送される。その後、記録媒体の後端が搬送ローラ320のニップ部を通過する直前に搬送ローラ320の回転が反転することによって、記録媒体の第1面が下向きになった状態で、記録媒体が排紙ローラ324を経由して、画像形成装置100の外部へ排出される。
以上が画像形成装置100の構成および機能についての説明である。なお、本実施形態における負荷とはモータによって駆動される対象物である。例えば、給紙ローラ204、ピックアップローラ303、305、レジストレーションローラ308及び排紙ローラ319等の各種ローラ(搬送ローラ)や感光ドラム309、搬送ベルト208、317、現像器314、照明系209及び光学系等は本実施形態における負荷に対応する。本実施形態のモータ制御装置は、これら負荷を駆動するモータに適用することができる。
図2は、画像形成装置100の制御構成の例を示すブロック図である。システムコントローラ151は、図2に示すように、CPU151a、ROM151b、RAM151cを備えている。また、システムコントローラ151は、画像処理部112、操作部152、アナログ・デジタル(A/D)変換器153、高圧制御部155、モータ制御装置157、センサ類159、ACドライバ160と接続されている。システムコントローラ151は、接続された各ユニットとの間でデータやコマンドの送受信をすることが可能である。
CPU151aは、ROM151bに格納された各種プログラムを読み出して実行することによって、予め定められた画像形成シーケンスに関連する各種シーケンスを実行する。
RAM151cは記憶デバイスである。RAM151cには、例えば、高圧制御部155に対する設定値、モータ制御装置157に対する指令値及び操作部152から受信される情報等の各種データが記憶される。
システムコントローラ151は、画像処理部112における画像処理に必要となる、画像形成装置100の内部に設けられた各種装置の設定値データを画像処理部112に送信する。更に、システムコントローラ151は、センサ類159からの信号を受信して、受信した信号に基づいて高圧制御部155の設定値を設定する。
高圧制御部155は、システムコントローラ151によって設定された設定値に応じて、高圧ユニット156(帯電器310、現像器314、転写帯電器315等)に必要な電圧を供給する。なお、センサ類159には、搬送ローラによって搬送される記録媒体を検知するセンサ等が含まれる。
モータ制御装置157は、CPU151aから出力される指令に応じて、負荷を駆動するモータ509を制御する。なお、図2においては、画像形成装置のモータとしてモータ509のみが記載されているが、実際には、画像形成装置には2個以上のモータが設けられている。また、1個のモータ制御装置が複数個のモータを制御する構成であっても良い。更に、図2においては、モータ制御装置が1個しか設けられていないが、実際には、2個以上のモータ制御装置が画像形成装置に設けられている。
A/D変換器153は、定着ヒータ161の温度を検出するためのサーミスタ154が検出した検出信号を受信し、検出信号をアナログ信号からデジタル信号に変換してシステムコントローラ151に送信する。システムコントローラ151は、A/D変換器153から受信したデジタル信号に基づいてACドライバ160の制御を行う。ACドライバ160は、定着ヒータ161の温度が定着処理を行うために必要な温度となるように定着ヒータ161を制御する。なお、定着ヒータ161は、定着処理に用いられるヒータであり、定着器318に含まれる。
システムコントローラ151は、使用する記録媒体の種類(以下、紙種と称する)等の設定をユーザが行うための操作画面を、操作部152に設けられた表示部に表示するように、操作部152を制御する。システムコントローラ151は、ユーザが設定した情報を操作部152から受信し、ユーザが設定した情報に基づいて画像形成装置100の動作シーケンスを制御する。また、システムコントローラ151は、画像形成装置の状態を示す情報を操作部152に送信する。なお、画像形成装置の状態を示す情報とは、例えば、画像形成枚数、画像形成動作の進行状況、原稿読取装置201及び画像印刷装置301におけるシート材のジャムや重送等に関する情報である。操作部152は、システムコントローラ151から受信した情報を表示部に表示する。
前述の如くして、システムコントローラ151は画像形成装置100の動作シーケンスを制御する。
[モータ制御装置]
次に、本実施形態におけるモータ制御装置157について説明する。本実施形態におけるモータ制御装置は、第2モードとしてのベクトル制御を用いてモータを制御する。なお、以下の説明においては、電気角としての回転位相、指令位相及び電流の位相等に基づいて以下の制御が行われるが、例えば、電気角が機械角に変換され、当該機械角に基づいて以下の制御が行われてもよい。
<ベクトル制御>
まず、図3及び図4を用いて、本実施形態におけるモータ制御装置157がベクトル制御を行う方法について説明する。なお、以下の説明におけるモータには、モータの回転子の回転位相を検出するためのロータリエンコーダなどのセンサは設けられていない。
図3は、A相(第1相)とB相(第2相)との2相から成るステッピングモータ(以下、モータと称する)509と、d軸とq軸とによって表される回転座標系及びγ軸とδ軸とによって表される回転座標系との関係を示す図である。図3では、静止座標系において、A相の巻線に対応した軸であるα軸と、B相の巻線に対応した軸であるβ軸とが定義されている。また、図3では、回転子402に用いられている永久磁石の磁極によって作られる磁束の方向に沿ってd軸が定義され、d軸から反時計回りに90度進んだ方向(d軸に直交する方向)に沿ってq軸が定義されている。α軸とd軸との成す角度は第2の回転位相としてθmと定義される。また、図3では、d軸と位相差Δθを有する方向に沿ってγ軸が定義され、γ軸から反時計回りに90度進んだ方向(γ軸に直交する方向)に沿ってδ軸が定義されている。α軸とd軸との成す角度はθと定義される。即ち、Δθ、θm及びθの間には以下の式(1)のような関係がある。
Δθ=θm−θ (1)
ベクトル制御では、巻線に流れる駆動電流に対応する電流ベクトルの回転座標系における電流成分であって、回転子にトルクを発生させるq軸方向の成分(トルク電流成分)と巻線を貫く磁束の強度に影響するd軸方向の成分(励磁電流成分)とが用いられる。本実施形態におけるベクトル制御では、位相θを基準とする回転座標系、即ち、γ軸及びδ軸で表される回転座標系が用いられる。なお、γ軸はd軸(即ち、励磁電流成分を表す軸)に対応する軸であり、δ軸はq軸(即ち、トルク電流成分を表す軸)に対応する軸である。
ベクトル制御とは、回転子の目標位相を表す指令位相と実際の回転位相との偏差が小さくなるようにトルク電流成分の値と励磁電流成分の値とを制御する位相フィードバック制御を行うことによってモータを制御する制御方法である。また、回転子の目標速度を表す指令速度と実際の回転速度との偏差が小さくなるようにトルク電流成分の値と励磁電流成分の値とを制御する速度フィードバック制御を行うことによってモータを制御する方法もある。
図4は、モータ509を制御するモータ制御装置157の構成の例を示すブロック図である。なお、モータ制御装置157は、少なくとも1つのASICで構成されており、以下に説明する各機能を実行する。
図4に示すように、モータ制御装置157は、ベクトル制御を行う回路として、位相制御器502、電流制御器503、座標逆変換器505、座標変換器511、モータの巻線に駆動電流を供給するPWMインバータ506等を有する。座標変換器511は、モータ509のA相及びB相の巻線に流れる駆動電流に対応する電流ベクトルを、静止座標系からγ軸及びδ軸で表される回転座標系に座標変換する。この結果、巻線に流れる駆動電流は、回転座標系における電流値であるトルク電流成分の電流値と励磁電流成分の電流値とによって表される。なお、トルク電流成分は、モータ509の回転子402にトルクを発生させる電流成分に相当する。また、励磁電流成分は、モータ509の巻線を貫く磁束の強度に影響する電流成分に相当する。モータ制御装置157は、トルク電流成分の電流値及び励磁電流成分の電流値をそれぞれ独立に制御することができる。この結果、モータ制御装置157は、回転子402にかかる負荷トルクに応じてトルク電流成分の値を制御することによって、回転子402が回転するために必要なトルクを効率的に発生させることができる。即ち、ベクトル制御においては、図3に示す電流ベクトルの大きさは、回転子402にかかる負荷トルクに応じて変化する。
モータ制御装置157は、モータ509の回転子402の回転位相を表す位相θを後述する方法により決定し、その決定結果に基づいてベクトル制御を行う。CPU151aは、モータ509の動作シーケンスに基づいて、指令生成器500にモータを駆動する指令として駆動パルスを出力する。なお、モータの動作シーケンス(モータの駆動パターン)は、例えば、ROM151bに格納されており、CPU151aは、ROM151bに格納された動作シーケンスに基づいて、パルス列としての駆動パルスを出力する。
指令生成器500は、CPU151aから出力される駆動パルスに基づいて、回転子402の目標位相を表す指令位相θ_refを生成して出力する。
減算器101は、位相θと指令位相θ_refとの偏差を演算して出力する。
位相制御器502は、位相θと指令位相θ_refとの偏差を周期T(例えば、200μs)で取得する。位相制御器502は、比例制御(P)、積分制御(I)、微分制御(D)に基づいて、減算器101から出力された偏差が小さくなるように、δ軸電流指令値(目標値)iδ_refを生成して出力する。具体的には、位相制御器502は、P制御、I制御、D制御に基づいて減算器101から出力された偏差が0になるように、δ軸電流指令値iδ_refを生成して出力する。なお、P制御とは、制御する対象の値を指令値と推定値との偏差に比例する値に基づいて制御する制御方法である。また、I制御とは、制御する対象の値を指令値と推定値との偏差の時間積分に比例する値に基づいて制御する制御方法である。また、D制御とは、制御する対象の値を指令値と推定値との偏差の時間変化に比例する値に基づいて制御する制御方法である。本実施形態における位相制御器502は、PID制御に基づいてδ軸電流指令値iδ_refを生成しているが、これに限定されるものではない。例えば、位相制御器502は、PI制御に基づいてδ軸電流指令値iδ_refを生成しても良い。
界磁制御器518は、CPU151aから出力される指令に基づいてγ軸電流指令値(目標値)iγ_refを生成して出力する。なお、回転子402に永久磁石が用いられる場合、通常は巻線を貫く磁束の強度に影響するγ軸電流指令値iγ_refは0に設定されるが、これに限定されるものではない。
高周波重畳器519は、界磁制御器518から出力される第1の電流としてのγ軸電流指令値iγ_refに所定の周波数を有する信号(第2の電流)を重畳し、当該所定の周波数を有する信号が重畳されたγ軸電流指令値iγ_ref´を出力する。このように、本実施形態では、回転子402のトルクへの寄与が比較的小さいγ軸電流に所定の周波数の信号(以下、高周波信号と称する)が重畳される。この結果、回転子402のトルクへの寄与が比較的大きいδ軸電流に高周波信号が重畳される場合に比べて、前記高周波信号に起因するトルクの変動が起こりにくくなる。その結果、δ軸電流に高周波信号が重畳される場合に比べてモータの制御が不安定になることを抑制することができる。なお、高周波信号の周波数は、位相制御器502によって生成される第1の電流としてのδ軸電流指令値iδ_ref、即ち、モータ509を回転させるために用いられる電流値のうち最も高い周波数よりも高い周波数に設定される。また、高周波信号の周波数は、後述するA/D変換器510がアナログ値をデジタル値に変換する際の周波数よりも低い周波数に設定される。また、高周波信号の振幅は、例えば、位相θを精度よく決定するために必要な大きさの振幅よりも大きく、且つ、当該高周波信号に起因する異音が発生しないような大きさの振幅よりも小さい振幅に設定される。
モータ509のA相に流れる電流は、検出手段としての電流検出器507によって検出され、その後、A/D変換器510によってアナログ値からデジタル値へと変換される。A/D変換器510は、デジタル値である電流値iαを出力する。また、B相の巻線に流れる電流は、検出手段としての電流検出器508によって検出され、その後、A/D変換器510によってアナログ値からデジタル値へと変換される。A/D変換器510は、デジタル値である電流値iβを出力する。なお、A/D変換器510が電流値をアナログ値からデジタル値に変換して出力する周期は、例えば、位相制御器502が位相θと指令位相θ_refとの偏差を取得する周期T以下の周期(例えば、25μs)である。また、電流値iα及びiβには、駆動電流の電流値と当該駆動電流よりも周波数が高い高周波信号に起因する高周波電流の電流値とが含まれる。
電流値iα及びiβは、座標変換器511及び極性判定器515に入力される。
座標変換器511は、静止座標系における電流値iα及びiβを、次式によって、回転座標系におけるδ軸電流の電流値iδ及びγ軸電流の電流値iγに変換する。
iγ= cosθ*iα+sinθ*iβ (2)
iδ=−sinθ*iα+cosθ*iβ (3)
電流値iδはローパスフィルタ517及び位相決定器514に出力される。また、電流値iγはローパスフィルタ517に出力される。
図5は、所定の周波数帯の信号を低減するローパスフィルタ517の構成の例を示す図である。なお、所定の周波数帯には、駆動電流の周波数は含まれず、駆動電流よりも周波数の高い高周波電流の周波数が含まれる。本実施形態におけるローパスフィルタ517は所定の周波数帯に対応するフィルタ次数が設定されたデジタルフィルタである。図5に示すように、ローパスフィルタ517は、取得した電流値を複数個記憶するメモリ517a、メモリ517aに記憶されている複数個の電流値の平均値を演算する平均値演算器517bを有する。ローパスフィルタ517は、取得した電流値をメモリ517aに記憶し、平均値演算器517bは、メモリ517aに記憶されている電流値の平均値を演算する。具体的には、例えば、ローパスフィルタ517の次数が30次である場合は、ローパスフィルタ517は、取得した電流値を30個メモリ517aに記憶し、当該30個の電流値の平均値を演算する。なお、メモリ517aは、31個目以降の電流値を取得する際は、電流値を1個取得する毎に、記憶している電流値のうち最も古く記憶した電流値を削除して、取得した電流値を記憶する。また、平均値演算器517bは、メモリ517aが電流値を記憶する度に前述した演算を行う。更に、フィルタの構成は上述したような平均値を演算する構成に限定されるものではなく、信号を低減することができるフィルタであれば良い。
ローパスフィルタ517は、電流値iα及びiβに含まれる高周波電流を除去し、高周波電流が除去された電流値を出力する。
減算器102には、位相制御器502から出力されるδ軸電流指令値iδ_refとローパスフィルタ517から出力された電流値iδとが入力される。減算器102は、δ軸電流指令値iδ_refと電流値iδとの偏差を演算し、該偏差を電流制御器503に出力する。
また、減算器103には、高周波重畳器519から出力されるγ軸電流指令値iγ_ref´とローパスフィルタ517から出力された電流値iγとが入力される。減算器103は、γ軸電流指令値iγ_ref´と電流値iγとの偏差を演算し、該偏差を電流制御器503に出力する。
電流制御器503は、PID制御に基づいて、減算器102から出力される偏差が小さくなるように駆動電圧Vδを生成する。具体的には、電流制御器503は、減算器102から出力される偏差が0になるように駆動電圧Vδを生成して座標逆変換器505に出力する。
また、電流制御器503は、PID制御に基づいて、減算器103から出力される偏差が小さくなるように駆動電圧Vγを生成する。具体的には、電流制御器503は、減算器103から出力される偏差が0になるように駆動電圧Vγを生成して座標逆変換器505及び位相決定器514に出力する。
なお、本実施形態における電流制御器503は、PID制御に基づいて駆動電圧Vδ及びVγを生成しているが、これに限定されるものではない。例えば、電流制御器503は、PI制御に基づいて駆動電圧Vδ及びVγを生成しても良い。
座標逆変換器505は、電流制御器503から出力された回転座標系における駆動電圧Vδ及びVγを、次式によって、静止座標系における駆動電圧Vα及びVβに逆変換する。
Vα=cosθ*Vγ−sinθ*Vδ (4)
Vβ=sinθ*Vγ+cosθ*Vδ (5)
座標逆変換器505によって逆変換された駆動電圧Vα及びVβは、電圧切替器516に出力される。
PWMインバータ506は、フルブリッジ回路を有する。フルブリッジ回路は電圧切替器516を介して入力された電圧に基づくPWM(パルス幅変調)信号によって駆動される。その結果、PWMインバータ506は、駆動電圧Vα及びVβに応じた駆動電流iα及びiβを生成し、駆動電流iα及びiβをモータ509の各相の巻線に供給することによって、モータ509を駆動させる。なお、本実施形態においては、PWMインバータはフルブリッジ回路を有しているが、PWMインバータはハーフブリッジ回路等であっても良い。
{位相θを決定する構成}
次に、位相θを決定する構成について説明する。図6は、位相決定器514の構成を示すブロック図である。図6に示すように、位相決定器514は、高周波抽出部514a、誤差決定部514b、目標値決定部514c、PI制御部514d及び位相生成部514eを有する。
抽出手段としての高周波抽出部514aには、電流制御器503から出力される駆動電圧Vγ及び座標変換器511から出力される電流値iδが入力される。高周波抽出部514aは、例えば、所定の周波数帯の信号を抽出する(所定の周波数帯以外の信号を低減する)バンドパスフィルタを有する。高周波抽出部514aは、高周波重畳器519がγ軸電流指令値iγ_refに重畳する高周波信号の周波数を含む周波数帯の信号を抽出する。この結果、高周波抽出部514aは、駆動電圧Vγに含まれる高周波電圧VγH及び電流値iδに含まれる高周波電流iδHを抽出することができる。高周波抽出部514aは抽出した高周波電圧VγH及び高周波電流iδHを誤差決定部514bに出力する。なお、本実施形態においては、高周波抽出部514aはバンドパスフィルタを有しているが、ハイパスフィルタ等のフィルタであっても良い。
位相差決定手段としての誤差決定部514bは、入力された高周波電圧VγH及び高周波電流iδHに基づいて、以下の式(6)を用いて位相差Δθを決定して出力する。
Figure 2019213336
なお、Ld及びLqはそれぞれd軸方向に対応する巻線インダクタンス及びq軸方向に対応する巻線インダクタンスであり、モータに固有の値である。また、pは微分演算子である。
以下に、式(6)の導出方法を説明する。式(6)は、d軸及びq軸に基づく回転座標系における電圧電流方程式(7)に基づいて導出される。
Figure 2019213336
なお、Vd及びVqはそれぞれd軸における駆動電圧及びq軸における駆動電圧であり、Rは巻線の抵抗値である。また、id及びiqはそれぞれd軸における駆動電流及びq軸における駆動電流であり、ωが回転子の回転速度である。更に、Ψは逆起電圧係数であり、モータに固有の値である。
d軸及びq軸に基づく回転座標系と位相差Δθを有するγ軸及びδ軸に基づく回転座標系における電圧電流方程式(8)は式(7)に基づいて以下のようにして導出される。
Figure 2019213336
ここで、本実施形態では、回転速度ω、抵抗値R、逆起電圧係数Ψ等に、以下の条件を設定する。
条件1. 本実施形態における位相θの決定方法は、回転子が停止している状態及び回転子が比較的低速で回転している状態において用いられる方法であるため、回転速度ωを0に近似する。
条件2. 本実施形態における位相θの決定方法においては、高周波信号が用いられるため、インダクタンスによる電圧降下に対して巻線の抵抗値Rは十分小さいので、抵抗値Rを0に近似する。
条件3. 巻線に発生する逆起電圧の周波数は高周波信号の周波数よりも十分小さいため、逆起電圧係数Ψを0に近似する。
条件4. 高周波信号はγ軸にのみ重畳されるため、δ軸における電圧Vδを0に近似する。
以上のように、回転速度ω=0、抵抗値R=0、逆起電圧係数Ψ=0及び電圧Vδ=0を式(8)に適用することにより、以下の式(9)が導出される。
Figure 2019213336
そして、式(9)を式変換することにより、位相差Δθについての式(6)が導出される。以上のように、本実施形態においては、条件1乃至4により位相差Δθについての式の導出が簡略化され、位相差Δθを決定する際の演算負荷を軽減することができる。以上が、式(6)の導出方法の説明である。
減算器514fは、誤差決定部514bから出力される位相差Δθと目標値決定部514cから出力される位相差Δθの目標値Δθ_tgtとの偏差を演算して出力する。
速度決定手段としての位相差制御部514dは、PID制御に基づいて、減算器514fから出力される偏差が小さくなるように回転速度ω_estを生成する。具体的には、位相差制御部514dは、減算器514fから出力される偏差が0になるように回転速度ω_estを生成して位相生成部514eに出力する。なお、本実施形態における位相差制御部514dは、PID制御に基づいて回転速度ω_estを生成しているが、これに限定されるものではない。例えば、位相差制御部514dは、PI制御に基づいて回転速度ω_estを生成しても良い。
位相生成部514eは、位相差制御部514dから出力される回転速度ω_estに基づいて、位相θ´を生成する。具体的には、位相生成部514eは、位相差制御部514dから出力される回転速度ω_estに対して積分演算を行うことによって位相θ´を生成する。位相生成部514eは、後述する極性判定の結果に基づいて位相θ´を補正し、補正後の位相θを出力する。
なお、本実施形態では、目標値決定部514cから出力される目標値Δθ_tgtは0に設定される。即ち、d軸とγ軸との位相差Δθが0になるように位相θが決定される。この結果、より高精度に決定された位相θに基づいてモータの制御が行われる。
前述の如くして得られた位相θは、減算器101、座標逆変換器505及び座標変換器511に入力される。
モータ制御装置157は、ベクトル制御を行う場合は、上述の制御を繰り返し行う。
以上のように、本実施形態におけるモータ制御装置157は、指令位相θ_refと回転位相θとの偏差が小さくなるように回転座標系における電流値を制御する位相フィードバック制御を用いたベクトル制御を行う。ベクトル制御を行うことによって、モータが脱調状態となることや、余剰トルクに起因してモータ音が増大すること及び消費電力が増大することを抑制することができる。また、回転位相をフィードバックしているため、回転子の回転位相が所定の位相になるように制御することができる。したがって、画像形成装置において、記録媒体への画像形成を適切に行うために回転位相を高精度に制御する必要がある負荷(例えば、レジストレーションローラ等)を駆動するモータに位相フィードバック制御を用いたベクトル制御を適用する。この結果、記録媒体への画像形成を適切に行うことができる。
<モータの駆動開始の制御>
次に、本実施形態におけるモータの駆動開始の制御について説明する。本実施形態では、以下の構成が適用されることによって、モータの制御が不安定になることを抑制する。具体的には、本実施形態では、モータの回転子の回転位相θmが0°≦θm<90°(第1範囲)又は270°≦θm<360°(第1範囲)であるか90°≦θm<270°(第2範囲)であるかを判定する第1モードとしての極性判定が行われた後にベクトル制御が開始されることによって、モータの制御が不安定になることを抑制する。
{極性判定}
以下に、本実施形態における極性判定の方法を説明する。本実施形態におけるモータ制御装置157には、極性を判定する構成として、判定電圧生成器513、極性判定器515、電圧切替器516が設けられている。
極性判定を行う(モータの駆動を開始する)場合、CPU151aは、判定電圧生成器513によって生成された電圧がPWMインバータ506に入力されるように電圧切替器516を制御する指令をモータ制御装置157に出力する。モータ制御装置157は当該指令に応じて電圧切替器516を制御する。この結果、判定電圧生成器513によって生成された電圧がPWMインバータ506に入力され、極性判定の動作が開始される。
判定電圧生成器513は、正の電圧である判定電圧Vα0を生成し、判定電圧Vα0に対応する電流iα0がA相の巻線に所定時間T1流れるように判定電圧Vα0を出力する。
PWMインバータ506は、判定電圧Vα0に応じて、A相の巻線に判定電圧Vα0に対応する電流iα0を供給する。なお、所定時間T1はA相の巻線に電流iα0が流れるために必要最低限の時間以上の時間とする。
A/D変換器510は、電流検出器507によって検出された電流iα0をアナログ値からデジタル値へと変換して出力する。
判定電圧生成器513が判定電圧Vα0を出力してから所定時間T2後に、判定電圧生成器513は、判定電圧Vα0´を生成し、判定電圧Vα0´に対応する電流iα0´がA相の巻線に所定時間T1流れるように、判定電圧Vα0´を出力する。なお、判定電圧Vα0´は判定電圧Vα0と同じ大きさの電圧であって判定電圧Vα0とは逆極性の電圧である。
PWMインバータ506は、判定電圧Vα0´に応じて、A相の巻線に判定電圧Vα0´に対応する電流iα0´を供給する。なお、所定時間T2は、判定電圧生成器513が判定電圧Vα0を出力してから、判定電圧Vα0に起因してA相の巻線に流れる電流iα0が0になるまでに必要最低限の時間以上の時間である。
A/D変換器510は、電流検出器507によって検出された電流iα0´をアナログ値からデジタル値へと変換して出力する。
永久磁石の磁極によって作られる磁束が巻線を貫く方向と巻線に流れる電流に起因して発生する磁束の方向とが同じ方向である場合、電流は巻線に流れやすくなる。また、永久磁石の磁極によって作られる磁束が巻線を貫く方向と巻線に流れる電流に起因して発生する磁束の方向とが逆方向である場合、電流は巻線に流れにくくなる。
したがって、極性判定器515は、電流iα0の最大値と電流iα0´の最大値とを比較することによって、極性を判定することができる。
電流iα0の最大値が電流iα0´の最大値よりも大きい場合、極性判定器515は判定信号‘0’を位相決定器514の内部の位相生成部514e及び指令生成器500に出力する。
また、電流iα0´の最大値が電流iα0の最大値よりも大きい場合は、極性判定器515は判定信号‘1’を位相決定器514の内部の位相生成部514e及び指令生成器500に出力する。
モータ制御装置157は、上述の極性判定が完了すると、極性判定が完了したことをCPU151aに通知する。
CPU151aは、極性判定が完了したことを示す通知を受信すると、座標逆変換器505から出力された電圧がPWMインバータ506に入力されるように電圧切替器516を制御する指令をモータ制御装置157に出力する。モータ制御装置157は当該指令に応じて電圧切替器516を制御する。この結果、電圧切替器516は座標逆変換器505から出力された電圧がPWMインバータ506に入力される状態になる。
その後、CPU151aは、駆動パルスの出力を開始する。この結果、上述したベクトル制御が開始される。
なお、前述した極性の判定方法は、本実施形態における一例であって、これに限定されるものではない。例えば、極性判定用の簡易的なセンサ(ホールセンサ等)を用いて極性判定を行ってもよい。
{指令位相の初期値}
指令生成器500は、ベクトル制御が開始されると、ベクトル制御が開始された後の最初に出力する指令位相θ_refの初期値(初期指令位相)を判定信号に基づいて設定する。具体的には、指令生成器500は、判定信号が‘0’である場合、即ち、回転位相θmが0°≦θm<90°又は270°≦θm<360°である場合は、初期指令位相を0°に設定する。また、指令生成器500は、判定信号が‘1’である場合、即ち、回転位相θmが90°≦θm<270°である場合は、初期指令位相を180°に設定する。
指令生成器500は、設定された初期指令位相と駆動パルスとに基づいて指令位相θ_refを生成して出力する。具体的には、指令生成器500は、図7に示すようにして、指令位相θ_refを生成して出力する。なお、図7では、指令位相θ_refの初期値は0°に設定されている。
{位相θの初期値}
位相生成部514eは、極性判定器515から出力された判定信号に基づいて、ベクトル制御が開始された後の最初に出力する位相θの初期値(初期位相θ0)を設定する。具体的には、位相生成部514eは、判定信号が‘0’である場合、即ち、回転位相θmが0°≦θm<90°又は270°≦θm<360°である場合は、初期位相θ0を0°に設定する。また、位相生成部514eは、判定信号が‘1’である場合、即ち、回転位相θmが90°≦θm<270°である場合は、初期位相θ0を180°に設定する。
位相生成部514eは、初期位相θ0を決定した後は、当該初期位相θ0を積分演算の積分値の初期値として、回転速度ω_estに基づく積分演算により位相θを決定して出力する。
なお、ベクトル制御が実行されている期間中、極性判定器515は稼働していてもよいし停止していてもよい。位相生成部514eは、初期位相θ0を決定する際には判定信号を用いるが、当該初期位相θ0を決定する処理が完了した後に位相θを決定する際には判定信号を用いなくてもよい。
図8は、モータ制御装置157によるモータの制御方法を示すフローチャートである。以下に、図8を用いて、本実施形態におけるモータ509の制御について説明する。このフローチャートの処理は、CPU151aからの指示を受けたモータ制御装置157によって実行される。
まず、S1001において、CPU151aからモータ制御装置157にenable信号‘H’が出力されると、モータ制御装置157はCPU151aから出力される指令に基づいてモータ509の駆動を開始する。enable信号とは、モータ制御装置157の稼働を許可又は禁止する信号である。enable信号が‘L(ローレベル)’である場合は、CPU151aはモータ制御装置157の稼働を禁止する。即ち、モータ制御装置157によるモータ509の制御は終了される。また、enable信号が‘H(ハイレベル)’である場合は、CPU151aはモータ制御装置157の稼働を許可して、モータ制御装置157はCPU151aから出力される指令に基づいてモータ509の制御を行う。
次に、S1002において、判定電圧生成器513によって生成された電圧がPWMインバータ506に入力されるように電圧切替器516を制御する指令がCPU151aから出力されると、モータ制御装置157は当該指令に応じて電圧切替器516を制御する。この結果、電圧切替器516は判定電圧生成器513によって生成された電圧がPWMインバータ506に入力される状態になり、極性判定が実行される。
その後、S1003において、判定信号=‘0’が極性判定器515から出力されると、S1004において、位相生成器514eは初期位相θ0を0°に設定し、指令生成器500は初期指令位相を0°に設定する。
また、S1003において、判定信号=‘1’が極性判定器515から出力されると、S1005において、位相生成器514eは初期位相θ0を180°に設定し、指令生成器500は初期指令位相を180°に設定する。
次に、S1006において、モータ制御装置157は、極性判定が完了したことをCPU151aに通知する。その結果、座標逆変換器505から出力された電圧がPWMインバータ506に入力されるように電圧切替器516を制御する指令がCPU151aから出力される。モータ制御装置157は当該指令に応じて電圧切替器516を制御する。この結果、座標逆変換器505から出力された電圧がPWMインバータ506に入力される。また、CPU151aからモータ制御装置157に対する駆動パルスの出力が開始される。
S1007において、モータ制御装置157は、CPU151aから出力される駆動パルスと初期指令位相とに基づいて指令位相θ_refを生成し、ベクトル制御を実行する。
以降、CPU151aがモータ制御装置157にenable信号‘L’を出力するまで、モータ制御装置157は上述の制御を繰り返し行う。
以上のように、本実施形態では、位相生成部514eは、判定信号が‘0’である場合は初期位相θ0を0°に設定し、判定信号が‘1’である場合は初期位相θ0を180°に設定する。この結果、初期位相θ0と回転子の実際の回転位相との位相差Δθを可能な限り小さくすることができ、可能な限り早く位相差Δθを目標値Δθ_tgtに収束させることができる。
また、本実施形態では、指令生成器500は、判定信号が‘0’である場合は初期指令位相を0°に設定し、判定信号が‘1’である場合は初期指令位相を180°に設定する。即ち、本実施形態では、指令生成器500によって設定される初期指令位相は、位相生成器514eによって設定される初期位相θ0と同じ値に設定される。この結果、初期位相と初期指令位相との偏差が極性判定の結果に拘わらず0になり、ベクトル制御が開始された直後に巻線に流れる駆動電流が急激に(ステップ状に)増大することを抑制することができる。その結果、回転位相を精度よく決定することができ、モータの制御が不安定になってしまうことを抑制することができる。
なお、本実施形態では、A相の巻線を用いて極性判定が行われたが、B相の巻線を用いても良いし、A相及びB相の両方を用いて極性判定を行う構成でもよい。例えば、B相の巻線を用いて極性判定が行われる場合は、回転位相θmが0°≦θm<180°であるか180°≦θm<360°であるかが判定される。例えば、回転位相θmが0°≦θm<180°である場合は初期位相θ0及び初期指令位相が90°に設定され、回転位相θmが180°≦θm<360°である場合は、初期位相θ0及び初期指令位相が270°に設定される。
また、本実施形態では、回転位相θmが0°≦θm<90°又は270°≦θm<360°である場合は初期位相θ0及び初期指令位相が0°に設定され、回転位相θmが90°≦θm<270°である場合は、初期位相θ0及び初期指令位相が180°に設定されたが、この限りではない。具体的には、回転位相θmが0°≦θm<90°又は270°≦θm<360°である場合は初期位相θ0及び初期指令位相が0°〜90°又は270°〜360°に設定されればよい。また、回転位相θmが90°≦θm<270°である場合は、初期位相θ0及び初期指令位相が90°〜270°の位相に設定されればよい。
〔第2実施形態〕
画像形成装置100及びモータ制御装置157の構成が第1実施形態と同様である部分については、説明を省略する。
<モータの駆動開始の制御>
第1実施形態では、極性判定の結果に基づいて初期位相及び初期指令位相が設定され、設定された初期位相及び初期指令位相に基づいてベクトル制御が開始された。本実施形態では、予め決められた電流を巻線に供給することにより回転子を所定の位相まで回転させた後にベクトル制御を開始することによって、モータの制御が不安定になることを抑制する。
{プレセット励磁}
以下に、第1モードとしてのプレセット励磁の方法について説明する。図9は、本実施形態におけるモータ制御装置157の構成を示すブロック図である。本実施形態におけるモータ制御装置157には、プレセット励磁を行う構成として、プレセット電圧生成器520、電圧切替器516が設けられている。
プレセット励磁を行う(モータの駆動を開始する)場合、CPU151aは、プレセット電圧生成器520によって生成された電圧がPWMインバータ506に入力されるように電圧切替器516を制御する指令をモータ制御装置157に出力する。モータ制御装置157は当該指令に応じて電圧切替器516を制御する。この結果、プレセット電圧生成器520によって生成された電圧がPWMインバータ506に入力され、プレセット励磁の動作が開始される。
プレセット電圧生成器520は、プレセット電圧Vα_pre、Vβ_preを生成して出力する。この結果、A相の巻線及びB相の巻線には、プレセット電圧Vα_pre、Vβ_preに対応するプレセット電流が供給され、モータの回転子を所望の位相まで回転させることができる。例えば、図10に示すようなプレセット電圧Vα_pre、Vβ_preがプレセット電圧生成器520から出力されることによって、モータの回転子を所望の位相(停止後の回転位相)まで回転させることができる。
本実施形態では、一例として、プレセット電圧生成器520は、プレセット電圧Vα_preとして所定電圧V0を出力し、プレセット電圧Vβ_preとして0を出力する。即ち、本実施形態では、プレセット電圧生成器520は、モータの回転子の回転位相が0°になるようにプレセット電圧Vα_pre、Vβ_preを出力する。この結果、回転子は当該回転子の回転位相が0°になるまで回転する。
モータ制御装置157は、上述のプレセット励磁が完了すると、プレセット励磁が完了したことをCPU151aに通知する。
CPU151aは、プレセット励磁が完了したことを示す通知を受信すると、座標逆変換器505から出力された電圧がPWMインバータ506に入力されるように電圧切替器516を制御する指令をモータ制御装置157に出力する。モータ制御装置157は当該指令に応じて電圧切替器516を制御する。この結果、電圧切替器516は座標逆変換器505から出力された電圧がPWMインバータ506に入力される状態になる。
その後、CPU151aは、駆動パルスの出力を開始する。この結果、ベクトル制御が開始される。
{指令位相の初期値}
上述したように、本実施形態では、プレセット励磁が行われることによって回転子の回転位相が0°になるように回転子が回転する。そこで、本実施形態では、指令生成器500によって生成される指令位相θ_refの初期値(初期指令位相)は、予め0°に設定される。
指令生成器500は、設定された初期指令位相と駆動パルスとに基づいて指令位相θ_refを生成して出力する
{位相θの初期値}
本実施形態では、位相生成器514eによって生成される位相θの初期値(初期位相θ0)は、予め0°に設定される。
位相生成部514eは、初期位相θ0を積分演算の初期値として、回転速度ω_estに基づく積分演算により位相θを決定して出力する。
以上のように、本実施形態では、予め決められた電流を巻線に供給することにより回転子を所定の位相まで回転させるプレセット励磁が行われた後にベクトル制御が開始される。具体的には、本実施形態では、回転子の回転位相が0°になるようにプレセット励磁が行われ、初期位相θ0及び初期指令位相は予め0°に設定される。即ち、初期位相θ0及び初期指令位相が0°に設定され且つ回転子の実際の回転位相θmが0°である状態において、ベクトル制御(モータの駆動)が開始される。この結果、初期位相と初期指令位相との偏差が0になり、ベクトル制御が開始された直後に巻線に流れる駆動電流が急激に(ステップ状に)増大することを抑制することができる。その結果、回転位相を精度よく決定することができ、モータの制御が不安定になってしまうことを抑制することができる。
なお、第1実施形態及び第2実施形態では、γ軸電流指令値iγ_refに高周波信号が重畳されたが、例えば、駆動電圧Vγに重畳される構成でもよい。
また、第1実施形態及び第2実施形態においては、負荷を駆動するモータとしてステッピングモータが用いられているが、DCモータ等の他のモータであっても良い。また、モータは2相モータである場合に限らず、3相モータ等の他のモータであっても本実施形態を適用することができる。
また、第1実施形態及び第2実施形態は、ベクトル制御に限らず、回転子の回転位相を決定する構成を有するものに適用される。
また、第1実施形態及び第2実施形態においては、回転子として永久磁石が用いられているが、これに限定されるものではない。
また、指令生成器500、界磁制御器518、位相制御器502、高周波重畳器519、電流制御器503等は制御手段に含まれる。
第1実施形態及び第2実施形態では、初期指令位相は初期位相θ0と同じ値に設定されたが、この限りではない。例えば、初期指令位相は、当該初期指令位相と初期位相θ0との偏差Δが所定範囲内の値である(0≦Δ<≦Δmax)ように設定されてもよい。なお、Δmaxは、前記偏差がΔmaxであることに起因して電流値iδに高周波成分が含まれたとしても、位相θを高精度に決定することができるような値に設定される。
157 モータ制御装置
402 回転子
500 指令生成器
502 位相制御器
503 電流制御器
507、508 電流検出器
509 ステッピングモータ
514 位相決定器
514a 高周波抽出部
519 高周波重畳器

Claims (16)

  1. モータの回転子の目標位相を表す指令位相に基づいて前記モータを制御するモータ制御装置において、
    前記指令位相を生成する生成手段と、
    前記回転子の回転位相と前記生成手段によって生成される前記指令位相との偏差を小さくするために供給すべき第1の電流と、前記第1の電流よりも周波数が高い第2の電流と、に基づいて前記巻線に流れる電流を制御する制御手段と、
    前記巻線に流れる電流を検出する検出手段と、
    前記検出手段によって検出された電流から前記第2の電流の周波数を含む所定の周波数帯の信号を抽出する抽出手段と、
    前記抽出手段によって抽出された前記所定の周波数帯の信号に基づいて前記回転子の回転位相に関する情報を出力する出力手段と、
    を有し、
    前記偏差に基づく前記電流の制御は、前記偏差が所定範囲内の値である状態で開始されることを特徴とするモータ制御装置。
  2. 前記制御手段は、前記偏差が0である状態で、当該偏差に基づく前記電流の制御を開始することを特徴とする請求項1に記載のモータ制御装置。
  3. 前記制御手段は、予め決められた電流を前記モータの巻線に供給する第1モードと、前記第1モードが実行された後に開始される第2モードであって、前記第1の電流と前記第2の電流とのそれぞれを前記巻線に供給する第2モードと、を備え、
    前記出力手段は、前記第1モードにおいて前記巻線に供給された前記予め決められた電流に対応する回転位相に関する情報を、前記第2モードが開始されるときに出力し、
    前記第2モードが開始されるときに前記生成手段によって生成される前記指令位相は、前記第1モードにおいて前記巻線に供給された前記予め決められた電流に対応する回転位相に設定されることを特徴とする請求項2に記載のモータ制御装置。
  4. 前記制御手段は、前記回転子の回転位相が第1範囲内の位相であるか前記第1範囲とは異なる第2範囲内の位相であるかを判定する第1モードと、前記第1モードが実行された後に開始される第2モードであって、前記第1の電流と前記第2の電流とのそれぞれに対応する電流を前記巻線に供給する第2モードと、を備え、
    前記出力手段は、前記第1モードにおいて前記回転子の回転位相が前記第1範囲内の位相であると判定された場合は前記第1範囲内の位相である所定位相を前記第2モードが開始されるときに出力し、前記第1モードにおいて前記回転子の回転位相が前記第2範囲内の位相であると判定された場合は前記第2範囲内の位相である第2の所定位相を前記第2モードが開始されるときに出力し、
    前記第2モードが開始されるときに前記生成手段によって生成される前記指令位相は、前記第2モードが開始されるときに前記出力手段から出力される前記回転位相に関する情報に設定されることを特徴とする請求項2に記載のモータ制御装置。
  5. 前記制御手段は、前記巻線に流れる電流に含まれる電流成分のうち、前記出力手段から出力される前記回転位相を基準とする回転座標系における電流成分であって前記巻線を貫く磁束の強度に影響する電流成分である励磁電流成分の値に、前記第1の電圧よりも周波数が高い信号を重畳する重畳手段を有することを特徴とする請求項1乃至4のいずれか一項に記載のモータ制御装置。
  6. 前記抽出手段は、前記巻線に印加すべき電圧の前記励磁電流成分の値、及び、前記検出手段によって検出される電流に含まれる電流成分のうち前記回転座標系における電流成分であって前記回転子にトルクを発生させる電流成分であるトルク電流成分の値、から前記所定の周波数帯の信号を抽出し、
    前記出力段は、
    前記抽出手段によって抽出された前記所定の周波数帯の信号に基づいて、前記回転位相と前記回転子の実際の回転位相を表す第2の回転位相との位相差を決定する位相差決定手段と、
    前記位相差決定手段によって決定される前記位相差が0になるような前記回転子の回転速度を決定する速度決定手段と、
    を有し、
    前記出力手段は、前記速度決定手段によって決定される前記回転速度に対して積分演算を行うことによって前記回転位相を決定することを特徴とする請求項1乃至5のいずれか一項に記載のモータ制御装置。
  7. 前記積分演算における積分値の初期値は、前記第1モードにおいて前記巻線に供給された前記予め決められた電流に対応する回転位相を表す値に設定され、
    前記出力手段は、前記初期値に基づいて前記回転子の回転位相を決定することを特徴とする請求項3又は請求項3を引用する請求項5又は6に記載のモータ制御装置。
  8. 前記第1モードにおいて前記回転子の回転位相が前記第1範囲内の位相であると判定された場合は前記所定位相が前記積分演算における積分値の初期値に設定され、前記第1モードにおいて前記回転子の回転位相が前記第2範囲内の位相であると判定された場合は前記第2の所定位相が前記積分演算における積分値の初期値に設定され、
    前記出力手段は、前記初期値に基づいて前記回転位相を決定することを特徴とする請求項4又は請求項4を引用する請求項5又は6に記載のモータ制御装置。
  9. 前記制御手段は、前記第2モードにおいて、前記出力手段から出力される前記回転位相を基準とする回転座標系における電流成分であって前記回転子にトルクを発生させる電流成分であるトルク電流成分の値に基づいて、前記巻線に流れる電流を制御することを特徴とする請求項3乃至8のいずれか一項に記載のモータ制御装置。
  10. 前記抽出手段は、前記所定の周波数帯の信号以外の信号を低減するバンドパスフィルタであることを特徴とする請求項1乃至9のいずれか一項に記載のモータ制御装置。
  11. 前記制御手段は、前記検出手段によって検出された電流から前記所定の周波数帯の信号を低減するローパスフィルタを有し、
    前記制御手段は、前記偏差が小さくなるように決定された前記巻線に供給すべき電流と前記ローパスフィルタによる処理が適用された前記電流とに基づいて、前記巻線に流れる電流を制御することを特徴とする請求項1乃至10のいずれか一項に記載のモータ制御装置。
  12. シートを搬送する搬送ローラと、
    前記搬送ローラを駆動するモータと、
    請求項1乃至11のいずれか一項に記載のモータ制御装置と、
    を有し、
    前記モータ制御装置は、前記搬送ローラを駆動するモータの駆動を制御することを特徴とするシート搬送装置。
  13. 請求項12に記載のシート搬送装置と、
    原稿を積載する原稿積載部と、
    を有し、
    前記原稿積載部に積載された前記原稿を前記シート搬送装置が給送することを特徴とする原稿給送装置。
  14. 請求項13に記載の原稿給送装置と、
    前記原稿給送装置によって給送された前記原稿を読み取る読取手段と、
    を有することを特徴とする原稿読取装置。
  15. 請求項12に記載のシート搬送装置と、
    記録媒体に画像を形成する画像形成手段と、
    を有し、
    前記画像形成手段は、前記シート搬送装置によって搬送された前記記録媒体に画像を形成することを特徴とする画像形成装置。
  16. 記録媒体に画像を形成する画像形成装置であって、
    負荷を駆動するモータと、
    請求項1乃至11のいずれか一項に記載のモータ制御装置と、
    を有し、
    前記モータ制御装置は、前記負荷を駆動するモータの駆動を制御することを特徴とする画像形成装置。
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