JP2019212825A - ウェーハの加工方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】コストを抑制しながらもプラズマエッチングを行うことができるウェーハの加工方法を提供すること。【解決手段】ウェーハの加工方法は、デバイスが形成されたデバイス領域と外周余剰領域とを備えデバイスにバンプが配設されたウェーハを分割予定ラインに沿って分割する方法である。ウェーハの加工方法は、外周余剰領域に対応した接着材層を有するフィルムをウェーハの表面に貼着する保護部材配設ステップST1と、ウェーハの裏面に機能層に至らない深さの切削溝を分割予定ラインに沿って形成する切削ステップST2と、ウェーハの裏面側にプラズマ化したエッチングガスを供給し切削溝の底に残存する基板を除去するプラズマエッチングステップST3と、ウェーハの裏面側からレーザー光線の集光点を切削溝の底に位置づけて照射し、機能層を切断する機能層切断ステップST4とを備える。【選択図】図2

Description

本発明は、ウェーハの加工方法、特にプラズマダイシングに関する。
シリコン基板等からなる半導体ウェーハは、個々のデバイスチップに分割するため、切削ブレードやレーザー光線を用いた加工方法が適用されることが知られている。これらの加工方法は、分割予定ライン(ストリート)を1本ずつ加工してウェーハをデバイスチップに分割する。近年の電子機器の小型化からデバイスチップの軽薄短小化、コスト削減が進み、サイズが従来のように10mmを超えるようなデバイスチップから2mm以下のようなサイズの小さなデバイスチップが数多く生産されている。サイズの小さなデバイスチップを製造する場合、1枚のウェーハに対する分割予定ラインの数が激増し、1ラインずつの加工では加工時間も長くなってしまう。
そこで、ウェーハの分割予定ライン全てを一括で加工するプラズマダイシングという手法が開発されている(例えば、特許文献1参照)。特許文献1に示されたプラズマダイシングは、マスクによって遮蔽された領域以外をプラズマエッチングによって除去し、ウェーハ単位で加工を実施するため、分割予定ラインの本数が多くなっても加工時間が劇的に長くなることがないという効果がある。
しかしながら、特許文献1に示されたプラズマダイシングは、エッチングによって除去する領域のみを正確に露出させるために、それぞれのウェーハの分割予定ラインにあった精密なマスクを準備する必要がある(例えば、特許文献2及び特許文献3参照)。
また、ウェーハは、デバイスの電極として直径が100μmを超えるような高いバンプを備えるもの(例えば、特許文献4参照)が増加している。
特開2006−114825号公報 特開2013−055120号公報 特開2014−199833号公報 特開2017−050536号公報
しかしながら、特に、特許文献2及び特許文献3に示されたマスクは、製造コスト及び製造工数の抑制、マスクを位置合わせする技術の確立など、切削加工等に比べてコストが高く難易度の高い課題が残されていた。
また、特許文献4に示されたウェーハは、切削装置によりデバイス面側から切削されるには、バンプと干渉するのを避けるための切削ブレードの刃先出し量を長くする必要がある。切削装置は、切削ブレードの刃先出し量を長くすると、切削ブレードの曲がりなどの問題が発生するために、バンプを備えるウェーハを個々のデバイスチップに分割しにくい虞がある。
本発明は、かかる問題点に鑑みてなされたものであり、その目的は、コストを抑制しながらもプラズマエッチングを行うことができるウェーハの加工方法を提供することである。
上述した課題を解決し、目的を達成するために、本発明のウェーハの加工方法は、基板の表面に積層された機能層によって複数のデバイスが形成されたデバイス領域と該基板の表面の該デバイス領域を囲繞する外周余剰領域とを備え、該デバイスにはバンプが配設されたウェーハを、該複数のデバイスを区画する分割予定ラインに沿って分割するウェーハの加工方法であって、該ウェーハの該外周余剰領域に対応した接着材層を有する保護部材をウェーハの表面に貼着し、該ウェーハの表面を覆う保護部材配設ステップと、該ウェーハの該保護部材側を切削装置のチャックテーブルで保持し、該ウェーハの裏面に切削ブレードを切り込ませ、該機能層に至らない深さの切削溝を該分割予定ラインに沿って該基板に形成する切削ステップと、該ウェーハの該保護部材側をプラズマ装置のチャックテーブルで保持し、該ウェーハの裏面側にプラズマ化したガスを供給し、該切削溝の底に残存する基板をエッチングして除去し、該基板を該分割予定ラインに沿って分割するプラズマエッチングステップと、ウェーハの裏面側からレーザー光線の集光点をエッチングした該切削溝の底に位置づけて照射し、該機能層を切断する機能層切断ステップと、を備えることを特徴とする。
前記ウェーハの加工方法おいて、該プラズマエッチングステップの前に、ウェーハの裏面を予め研削する予備研削ステップと、を備えても良い。
前記ウェーハの加工方法において、該保護部材配設ステップでは、該接着材層を有するフィルムを該ウェーハの表面に密着させ、キャリアシートの表面に配設された硬化性樹脂に該フィルムを介して該バンプを埋め込んだ後に該硬化性樹脂を硬化させ、該キャリアシートと該硬化性樹脂と該フィルムとで該ウェーハの表面を覆っても良い。
前記ウェーハの加工方法において、該プラズマエッチングステップの後に、ウェーハの裏面を研削する研削ステップと、を備えても良い。
本願発明のウェーハの加工方法は、コストを抑制しながらもプラズマエッチングを行うことができるという効果を奏する。
図1は、実施形態1に係るウェーハの加工方法の加工対象のウェーハの一例を示す斜視図である。 図2は、実施形態1に係るウェーハの加工方法の流れを示すフローチャートである。 図3は、図2に示されたウェーハの加工方法の保護部材配設ステップにおいて、保護部材により覆われたバンプをキャリアシート上の硬化性樹脂と対向させた状態を示す断面図である。 図4は、図3中のIV部を拡大して示す断面図である。 図5は、図2に示されたウェーハの加工方法の保護部材配設ステップにおいて、ウェーハと硬化性樹脂とを固定した状態を示す断面図である。 図6は、図2に示されたウェーハの加工方法の切削ステップを一部断面で示す側面図である。 図7は、図2に示されたウェーハの加工方法の切削ステップ後のウェーハの要部の断面図である。 図8は、図2に示されたウェーハの加工方法のプラズマエッチングステップで用いられるプラズマ装置の構成を示す断面図である。 図9は、図2に示されたウェーハの加工方法のプラズマエッチングステップ後のウェーハの要部の断面図である。 図10は、図2に示されたウェーハの加工方法の機能層切断ステップを示す断面図である。 図11は、図2に示されたウェーハの加工方法の機能層切断ステップ後のウェーハの要部の断面図である。 図12は、図2に示されたウェーハの加工方法の研削ステップを一部断面で示す側面図である。 図13は、図2に示されたウェーハの加工方法のダイアタッチフィルム貼着ステップ後のウェーハの断面図である。 図14は、図2に示されたウェーハの加工方法のダイアタッチフィルム分割ステップを示す断面図である。 図15は、図2に示されたウェーハの加工方法のダイアタッチフィルム分割ステップ後のウェーハの要部の断面図である。 図16は、実施形態2に係るウェーハの加工方法の流れを示すフローチャートである。 図17は、図16に示されたウェーハの加工方法の予備研削ステップを示す側断面図である。 図18は、図16に示されたウェーハの加工方法の予備研削ステップ後のウェーハの要部の断面図である。 図19は、実施形態3に係るウェーハの加工方法のプラズマエッチングステップ後のウェーハの要部の断面図である。 図20は、実施形態4に係るウェーハの加工方法のプラズマエッチングステップ及び機能層エッチングステップで用いられるエッチング装置の構成を示す断面図である。
本発明を実施するための形態(実施形態)につき、図面を参照しつつ詳細に説明する。以下の実施形態に記載した内容により本発明が限定されるものではない。また、以下に記載した構成要素には、当業者が容易に想定できるもの、実質的に同一のものが含まれる。さらに、以下に記載した構成は適宜組み合わせることが可能である。また、本発明の要旨を逸脱しない範囲で構成の種々の省略、置換又は変更を行うことができる。
〔実施形態1〕
本発明の実施形態1に係るウェーハの加工方法を図面に基づいて説明する。図1は、実施形態1に係るウェーハの加工方法の加工対象のウェーハの一例を示す斜視図である。図2は、実施形態1に係るウェーハの加工方法の流れを示すフローチャートである。
実施形態1に係るウェーハの加工方法は、図1に示すウェーハ1の加工方法である。実施形態1では、ウェーハ1は、シリコン、サファイア、又はガリウムヒ素などを基板2とする円板状の半導体ウェーハや光デバイスウェーハである。ウェーハ1は、図1に示すように、基板2の表面に積層された機能層3によって複数のデバイス4が形成されたデバイス領域1−1と、基板2の表面のデバイス領域1−1を囲繞する外周余剰領域1−2とを備えている。機能層3は、SiOF、BSG(SiOB)等の無機物系の膜やポリイミド系、パリレン系等のポリマー膜である有機物系の膜からなる低誘電率絶縁体被膜(Low−k膜)により構成されている。なお、機能層3の表面は、ウェーハ1の表面5である。
デバイス4は、表面の交差する複数の分割予定ライン6で区画された各領域にそれぞれ形成されている。即ち、分割予定ライン6は、複数のデバイス4を区画するものである。デバイス4を構成する回路は、機能層3により支持されている。また、デバイス4には、ウェーハ1の表面5上から突出した電極であるバンプ7が複数配設されている。なお、実施形態1において、デバイス4は、切削加工によりウェーハ1から分割されるデバイスよりも小型であり、例えば、1mm×1mm程度の大きさである。また、ウェーハ1は、分割予定ライン6の少なくとも一部において、表面5に図示しない金属膜とTEG(Test Element Group)とのうち少なくとも一方が形成されている。TEGは、デバイス4に発生する設計上や製造上の問題を見つけ出すための評価用の素子である。
実施形態1に係るウェーハの加工方法は、ウェーハ1を分割予定ライン6に沿って個々のデバイス4に分割するとともに、デバイス4を仕上がり厚さ100まで薄化する方法である。ウェーハの加工方法は、図2に示すように、保護部材配設ステップST1と、切削ステップST2と、プラズマエッチングステップST3と、機能層切断ステップST4と、研削ステップST5と、ダイアタッチフィルム貼着ステップST6と、ダイアタッチフィルム分割ステップST7とを備える。
(保護部材配設ステップ)
図3は、図2に示されたウェーハの加工方法の保護部材配設ステップにおいて、保護部材により覆われたバンプをキャリアシート上の硬化性樹脂と対向させた状態を示す断面図である。図4は、図3中のIV部を拡大して示す断面図である。図5は、図2に示されたウェーハの加工方法の保護部材配設ステップにおいて、ウェーハと硬化性樹脂とを固定した状態を示す断面図である。
保護部材配設ステップST1は、保護部材であるフィルム200をウェーハ1の表面5に貼着し、ウェーハ1の表面5を覆うステップである。実施形態1の保護部材配設ステップST1において用いられるフィルム200は、ウェーハ1よりも大径な円板状に形成され、PVC(Polyvinyl Chloride)又はEVA(Ethylene Vinyl Acetate)等の可撓性及び伸縮性を有する樹脂により構成された基材層201と、基材層201上に積層された接着材層202とを有する。
接着材層202は、フィルム200がウェーハ1と同軸となる位置に配置されると、基材層201のウェーハ1の表面5と対向する面201−1の外周余剰領域1−2と対応した位置に円環状に設けられている。また、実施形態1において、接着材層202は、フィルム200がウェーハ1と同軸となる位置に配置されると、前述した面201−1の外周余剰領域1−2と対応する位置と外縁とに亘って設けられている。即ち、接着材層202は、フィルム200がウェーハ1と同軸となる位置に配置されると、基材層201のデバイス領域1−1と対向する位置には設けられていない(即ち、デバイス領域1−1を避けた位置に設けられている)。接着材層202は、アクリル樹脂又はエポキシ樹脂により形成されている。接着材層202は、UV(紫外)線、熱、電界及び化学剤の少なくとも一つの外的刺激が付与されると硬化する硬化型樹脂であるのが好ましい。接着材層202は、紫外線により硬化する紫外線硬化型樹脂として、例えば、ウレタンアクリレートオリゴマーを用いることができる。さらに、接着材層202は、例えば、水溶性樹脂で構成されてもよい。
保護部材配設ステップST1では、図示しない周知の真空ラミネート装置が、真空チャンバ内でウェーハ1とフィルム200とを同軸となる位置に配置し、ウェーハ1の表面5にフィルム200を重ねる。保護部材配設ステップST1では、真空ラミネート装置が、真空チャンバ内を減圧するとともに、真空チャンバ内でかつフィルム200に重ねられたゴム製膜に空気を供給して、ゴム製膜を拡張する。保護部材配設ステップST1では、真空ラミネート装置が、ゴム製膜でフィルム200をウェーハ1の表面5の機能層3の全面に密着させる。また、保護部材配設ステップST1では、図3に示すように、接着材層202を機能層3の外周余剰領域1−2に貼着するとともに、環状フレーム203に貼着し、接着材層202に外的刺激を付与して、接着材層202を硬化する。このとき、フィルム200の基材層201は、バンプ7の外表面に密着する。なお、環状フレーム203の内径は、ウェーハ1の外径よりも大きい。
保護部材配設ステップST1では、外的刺激が付与されると硬化する硬化性樹脂204が表面5に設けられたキャリアシート205を用意し、図3及び図4に示すように、取り付けチャンバ内で、キャリアシート205の表面5に配設された硬化性樹脂204をウェーハ1の表面5と対向させる。なお、キャリアシート205は、PET(Polyethylene Terephthalate)樹脂、PO(Polyolefin)樹脂、シリコン、ガラス、ステンレス鋼のような剛性材料から形成され、外径がウェーハ1の外径よりも大きく、環状フレーム203の内径よりも小さな円板形状に形成されて、ウェーハ1と同軸となる位置に配置される。また、硬化性樹脂204は、UV(紫外)線、熱、電界及び化学剤の少なくとも一つの外部刺激によって硬化可能な樹脂である。
保護部材配設ステップST1では、キャリアシート205の表面5とウェーハ1の表面5とをこれらに直交する方向に移動させて、互いに近づけて、図5に示すように、キャリアシート205の表面5に配設された硬化性樹脂204にフィルム200を介してバンプ7を埋め込み、キャリアシート205の裏面8とウェーハ1の裏面とを平行にする。保護部材配設ステップST1では、硬化性樹脂204にフィルム200を介してバンプ7を埋め込んだ後、硬化性樹脂204に外的刺激を付与して、硬化性樹脂204を硬化させて、硬化性樹脂204とウェーハ1とを固定する。こうして、保護部材配設ステップST1では、キャリアシート205と硬化性樹脂204とフィルム200とでウェーハ1の表面5を覆う。ウェーハの加工方法は、ウェーハ1の表面5をキャリアシート205と硬化性樹脂204とフィルム200とで覆うと、切削ステップST2に進む。
(切削ステップ)
図6は、図2に示されたウェーハの加工方法の切削ステップを一部断面で示す側面図である。図7は、図2に示されたウェーハの加工方法の切削ステップ後のウェーハの要部の断面図である。
切削ステップST2は、ウェーハ1のフィルム200側を図6に示す切削装置10のチャックテーブル13で保持し、ウェーハ1の裏面8に切削ブレード12を切り込ませ、機能層3に至らない深さの切削溝300を分割予定ライン6に沿って基板2に形成するステップである。実施形態1において、切削ステップST2では、図6に示すように、切削ユニット11を2つ備えた、即ち、2スピンドルのダイサ、いわゆるフェイシングデュアルタイプの切削装置10のチャックテーブル13の保持面14にキャリアシート205、硬化性樹脂204、及びフィルム200を介してウェーハ1の機能層3側を吸引保持する。切削ステップST2では、切削装置10の図示しない赤外線カメラがウェーハ1の裏面8を撮像して、ウェーハ1と各切削ユニット11の切削ブレード12との位置合わせを行なうアライメントを遂行する。
切削ステップST2では、ウェーハ1と各切削ユニット11の切削ブレード12とを分割予定ライン6に沿って相対的に移動させながら切削ブレード12を裏面8に切り込ませて、ウェーハ1の裏面8側に切削溝300を形成する。実施形態1で用いる切削装置10の一対の切削ユニット11のうちの一方の切削ユニット11(以下、符号11−1で記す)の切削ブレード12(以下、符号12−1で記す)の厚さは、他方の切削ユニット11(以下、符号11−2で記す)の切削ブレード12(以下、符号12−2で記す)の厚さよりも厚い。実施形態1の切削ステップST2では、一方の切削ユニット11−1の切削ブレード12−1を裏面8に仕上げ厚さ100分切り込ませて、第1切削溝301をウェーハ1の裏面8に形成する。なお、実施形態1では、切削ステップST2において、一方の切削ユニット11−1の切削ブレード12−1を裏面8に仕上げ厚さ100分切り込ませるが、本発明は、一方の切削ユニット11−1の切削ブレード12−1を裏面8に仕上がり厚さ100よりも浅い深さ切り込ませても良く、要するに、一方の切削ユニット11−1の切削ブレード12−1を裏面8に仕上がり厚さ100以下の深さ切り込ますのが望ましい。
切削ステップST2では、第1切削溝301を形成した後、他方の切削ユニット11−2の切削ブレード12−2を第1切削溝301の底303に切り込ませて、第1切削溝301より細い第2切削溝302を第1切削溝301の底303に形成する。切削ステップST2では、第1切削溝301と第2切削溝302とを形成して、ウェーハ1の裏面8にウェーハ1の仕上がり厚さ100を超えるとともに機能層3に至らない深さの切削溝300を形成して、プラズマエッチングステップST3でのプラズマ化したエッチングガスの切削溝300への侵入を促進させる。なお、実施形態1において、切削溝300は、第1切削溝301と第2切削溝302とで構成される。ウェーハの加工方法は、図7に示すように、ウェーハ1の全ての分割予定ライン6の裏面8側に第1切削溝301及び第2切削溝302を形成すると、プラズマエッチングステップST3に進む。なお、実施形態1において、切削ステップST2では、ウェーハ1を太い切削ブレード12−1で切削した後に、細い切削ブレード12−2で切削する所謂ステップカットを実施したが、本発明は、ウェーハ1を1枚の切削ブレードで切削する所謂シングルカットを実施しても良い。
(プラズマエッチングステップ)
図8は、図2に示されたウェーハの加工方法のプラズマエッチングステップで用いられるプラズマ装置の構成を示す断面図である。図9は、図2に示されたウェーハの加工方法のプラズマエッチングステップ後のウェーハの要部の断面図である。
プラズマエッチングステップST3は、ウェーハ1のフィルム200側を図8に示すプラズマ装置20のチャックテーブル21で保持し、ウェーハ1を裏面8側にプラズマ化したエッチングガスを供給し、切削溝300の底304(図7に示す)に残存する基板2をエッチングして除去し、基板2を分割予定ライン6に沿って分割するステップである。
プラズマエッチングステップST3では、プラズマ装置20の制御ユニット22が、ゲート作動ユニット23を作動してゲート24を図8中の下方に移動させ、ハウジング25の開口26を開ける。次に、図示しない搬出入手段によって切削ステップST2が実施されたウェーハ1を開口26を通してハウジング25内の密閉空間27に搬送し、下部電極28を構成する被加工物保持部29のチャックテーブル21(静電チャック、ESC:Electrostatic chuck)上にキャリアシート205、硬化性樹脂204、及びフィルム200を介してウェーハ1の機能層3側を載置する。このとき、制御ユニット22は、昇降駆動ユニット30を作動して上部電極31を上昇させておく。制御ユニット22は、被加工物保持部29内に設けられた電極32,33に電力を印加してチャックテーブル21上にウェーハ1を吸着保持する。
制御ユニット22は、ゲート作動ユニット23を作動してゲート24を上方に移動させ、ハウジング25の開口26を閉じる。制御ユニット22は、昇降駆動ユニット30を作動して上部電極31を下降させ、上部電極31を構成するガス噴出部34の下面と下部電極28を構成するチャックテーブル21に保持されたウェーハ1との間の距離をプラズマエッチング処理に適した所定の電極間距離に位置付ける。
制御ユニット22は、ガス排出ユニット35を作動してハウジング25内の密閉空間27を真空排気して、密閉空間27の圧力を所定の圧力に維持するとともに、冷媒供給ユニット36を作動させて下部電極28内に設けられた冷媒導入通路37、冷却通路38及び冷媒排出通路39に冷媒であるヘリウムガスを循環させて、下部電極28の異常昇温を抑制する。
次に、制御ユニット22は、ウェーハ1に対してプラズマ化したSFガスを供給してウェーハ1の裏面8全体をエッチングするとともに切削溝300を基板2の表面に向かって進行させるエッチングステップと、エッチングステップに次いでプラズマ化したCガスをウェーハ1に供給してウェーハ1の裏面8、切削溝301,302の内面及び切削溝300の底304に被膜を堆積させる被膜堆積ステップとを交互に繰り返す。なお、被膜堆積ステップ後のエッチングステップは、切削溝300の底304の被膜を除去して切削溝300の底304をエッチングする。このように、プラズマエッチングステップST3は、所謂ボッシュ法でウェーハ1をプラズマエッチングする。
なお、エッチングステップでは、制御ユニット22は、SFガス供給ユニット40を作動しエッチングガスであるSFガスを上部電極31の複数の噴出口41から下部電極28のチャックテーブル21上に保持されたウェーハ1に向けて噴出する。そして、制御ユニット22は、プラズマ発生用のSFガスを供給した状態で、高周波電源42から上部電極31にプラズマを作り維持する高周波電力を印加し、高周波電源42から下部電極28にイオンを引き込むための高周波電力を印加する。これにより、下部電極28と上部電極31との間の空間にSFガスからなる等方性を有するプラズマ化したエッチングガスが発生し、このプラズマ化したエッチングガスがウェーハ1に引き込まれて、ウェーハ1の裏面8、切削溝301,302の内面及び切削溝300の底304をエッチングして、切削溝300を基板2の表面に向かって進行させる。
また、被膜堆積ステップでは、制御ユニット22は、Cガス供給ユニット43を作動しエッチングガスであるCガスを上部電極31の複数の噴出口41から下部電極28のチャックテーブル21上に保持されたウェーハ1に向けて噴出する。そして、制御ユニット22は、プラズマ発生用のCガスを供給した状態で、高周波電源42から上部電極31にプラズマを作り維持する高周波電力を印加し、高周波電源42から下部電極28にイオンを引き込むための高周波電力を印加する。これにより、下部電極28と上部電極31との間の空間にCガスからなるプラズマ化したエッチングガスが発生し、このプラズマ化したエッチングガスがウェーハ1に引き込まれて、ウェーハ1に被膜を堆積させる。
プラズマエッチングステップST3では、制御ユニット22は、切削溝300の深さ即ちウェーハ1の厚さに応じて、エッチングステップと被膜堆積ステップとを繰り返す回数が予め設定されている。プラズマエッチングステップST3において、エッチングステップと被膜堆積ステップとを予め設定された回数繰り返されたウェーハ1は、図9に示すように、始めのエッチンングステップによって裏面8全体がエッチングされて、厚さ101分薄化されている。また、エッチングステップと被膜堆積ステップとを予め設定された回数繰り返されたウェーハ1は、図9に示すように、エッチングステップにおいて切削溝300の底に残存する基板2がエッチングされ除去され、切削溝300が機能層3に到達している。ウェーハ1は、基板2が切削溝300により分割され、切削溝300内に機能層3が露出して、切削溝300の底に機能層3が残っている。ウェーハの加工方法は、プラズマエッチングステップST3を終了すると、機能層切断ステップST4に進む。
(機能層切断ステップ)
図10は、図2に示されたウェーハの加工方法の機能層切断ステップを示す断面図である。図11は、図2に示されたウェーハの加工方法の機能層切断ステップ後のウェーハの要部の断面図である。
機能層切断ステップST4は、プラズマエッチングステップST3を実施した後、ウェーハ1の裏面8側から図10に示すレーザー加工装置50が機能層3に対して吸収性を有する波長のレーザー光線51の集光点51−1をエッチングした切削溝300の底の機能層3に位置付けて、レーザー光線51を照射し、機能層3を切削溝300に沿って切断するステップである。
機能層切断ステップST4では、レーザー加工装置50が、チャックテーブルにキャリアシート205、硬化性樹脂204、及びフィルム200を介してウェーハ1の機能層3側を保持し、図10に示すように、レーザー光線照射ユニット52とチャックテーブルとを分割予定ライン6に沿って相対的に移動させながらレーザー光線照射ユニット52から機能層3に対して吸収性を有する波長(例えば、355nm)のレーザー光線51の集光点51−1を切削溝300の底に露出した機能層3に設定して、レーザー光線51を機能層3に照射する。機能層切断ステップST4では、各分割予定ライン6において、切削溝300の底で露出した機能層3にアブレーション加工を施して、切削溝300の底で露出した機能層3を切断して、ウェーハ1を個々のデバイス4に分割する。なお、機能層切断ステップST4では、図示しない分割予定ライン6に形成された金属膜やTEGも分割する。ウェーハの加工方法は、図11に示すように、全ての分割予定ライン6において切削溝300の底で露出した機能層3を分割すると、研削ステップST5に進む。
(研削ステップ)
図12は、図2に示されたウェーハの加工方法の研削ステップを一部断面で示す側面図である。研削ステップST5は、プラズマエッチングステップST3及び機能層切断ステップST4の後に、ウェーハ1の裏面8を研削してウェーハ1を仕上がり厚さ100にするステップである。
研削ステップST5では、研削装置60が、チャックテーブル61の保持面62にキャリアシート205、硬化性樹脂204、及びフィルム200を介してウェーハ1の機能層3側を吸引保持する。研削ステップST5では、図12に示すように、スピンドル63により研削用の研削ホイール64を回転しかつチャックテーブル61を軸心回りに回転しながら研削水を供給するとともに、研削用砥石65をチャックテーブル61に所定の送り速度で近づけることによって、研削用砥石65でウェーハ1即ちデバイス4の裏面8を研削する。研削ステップST5では、仕上がり厚さ100になるまでウェーハ1即ちデバイス4を研削する。研削ステップST5では、仕上がり厚さ100になるまでウェーハ1即ちデバイス4を研削すると、第1切削溝301が除去されて、第1切削溝301と第2切削溝302との間の段差が除去される。ウェーハの加工方法は、仕上がり厚さ100までウェーハ1即ちデバイス4を薄化するとダイアタッチフィルム貼着ステップST6に進む。
(ダイアタッチフィルム貼着ステップ)
図13は、図2に示されたウェーハの加工方法のダイアタッチフィルム貼着ステップ後のウェーハの断面図である。ダイアタッチフィルム貼着ステップST6は、プラズマエッチングステップST3、機能層切断ステップST4及び研削ステップST5の後に、ウェーハ1の裏面8にダイアタッチフィルム210を貼着するステップである。
ダイアタッチフィルム貼着ステップST6では、研削ステップST5において研削されたウェーハ1即ちデバイス4の裏面8にデバイス4を接着するためのダイアタッチフィルム210を貼着する。ダイアタッチフィルム貼着ステップST6では、図13に示すように、外周縁に環状フレーム212が貼着されたダイシングテープ211に積層されたダイアタッチフィルム210をウェーハ1の裏面8に貼着するとともに、機能層3からフィルム200、硬化性樹脂204、及びキャリアシート205を剥がす。ウェーハの加工方法は、フィルム200、硬化性樹脂204、及びキャリアシート205を機能層3から剥がすと、ダイアタッチフィルム分割ステップST7に進む。
(ダイアタッチフィルム分割ステップ)
図14は、図2に示されたウェーハの加工方法のダイアタッチフィルム分割ステップを示す断面図である。図15は、図2に示されたウェーハの加工方法のダイアタッチフィルム分割ステップ後のウェーハの要部の断面図である。ダイアタッチフィルム分割ステップST7は、切削溝300に沿ってダイアタッチフィルム210に図14に示すレーザー加工装置70がレーザー光線71を照射してダイアタッチフィルム210を分割するステップである。
ダイアタッチフィルム分割ステップST7では、レーザー加工装置70が、チャックテーブルにダイシングテープ211を介してウェーハ1の裏面8側を保持し、図14に示すように、レーザー光線照射ユニット72とチャックテーブルとを分割予定ライン6に沿って相対的に移動させながらレーザー光線照射ユニット72からダイアタッチフィルム210に対して吸収性を有する波長(例えば、355nm)のレーザー光線71を切削溝300内で露出したダイアタッチフィルム210に照射する。ダイアタッチフィルム分割ステップST7では、各分割予定ライン6において、切削溝300内で露出したダイアタッチフィルム210にアブレーション加工を施して、切削溝300内で露出したダイアタッチフィルム210を分割する。ウェーハの加工方法は、図15に示すように、全ての分割予定ライン6において切削溝300内で露出したダイアタッチフィルム210を分割すると、終了する。なお、その後、デバイス4は、ダイアタッチフィルム210毎、図示しないピックアップによりダイシングテープ211からピックアップされる。
実施形態1に係るウェーハの加工方法は、切削ステップST2において裏面8から分割予定ライン6に沿って切削溝300を形成した後、プラズマエッチングステップST3において裏面8側からプラズマエッチングすることで、切削溝300を基板2の表面に向かって進行させて、ウェーハ1を分割するため、マスクを不要としたプラズマダイシングを実現することができる。このために、ウェーハの加工方法は、切削加工により分割するデバイスよりも小型であるためにプラズマエッチングで分割するのに好適なデバイス4を備えるウェーハ1の加工方法において、高価なマスクが不要となる。その結果、ウェーハの加工方法は、コストを抑制しながらもウェーハ1にプラズマエッチングを行ってウェーハ1を個々のデバイス4に分割することができる。
また、ウェーハの加工方法は、切削ステップST2及び研削ステップST5前の保護部材配設ステップST1において、機能層3側がフィルム200等で覆われている。このために、切削ステップST2及び研削ステップST5時に生じるコンタミがデバイス4に付着することを抑制することができる。
また、ウェーハの加工方法は、デバイス4に搭載されたバンプ7が機能層3から突出していても、フィルム200、硬化性樹脂204及びキャリアシート205でウェーハ1の表面5が覆われているので、裏面8に対して直交する方向に切削溝300を形成し、プラズマエッチングを進行させることができる。その結果、ウェーハの加工方法は、デバイス4に搭載されたバンプ7が機能層3から突出していても、ウェーハ1を個々のデバイス4に分割することができる。
また、ウェーハの加工方法は、外周余剰領域1−2に対応した接着材層202を有し、接着材層202がデバイス領域1−1を避けた位置に設けられている。その結果、ウェーハの加工方法は、フィルム200でウェーハ1の表面を保護しても、バンプ7に接着材層202が貼着しないので、バンプ7に接着材の残渣が残ることなく、ウェーハ1を保護出来るという効果を奏する。
また、ウェーハの加工方法は、機能層切断ステップST4において、切削溝300の底に残った機能層3にレーザー光線51を照射して分割するので、Low−k膜等の機能層3が積層されたウェーハ1を個々のデバイス4に分割することができる。また、ウェーハの加工方法は、機能層切断ステップST4前の保護部材配設ステップST1において、機能層3側がフィルム200等で覆われ、機能層切断ステップST4において、裏面8側からレーザー光線51を切削溝300の底の機能層3に照射するので、アブレーション加工時に生じるデブリがデバイス4に付着することを抑制することができる。
また、ウェーハの加工方法は、切削ステップST2において、第1切削溝301を形成した後に第1切削溝301の底303に第1切削溝301よりも細い第2切削溝302を形成すると共に、プラズマエッチングステップST3においてボッシュ法でウェーハ1をプラズマエッチングする。このために、ウェーハの加工方法は、プラズマエッチングステップST3のエッチングステップにおいて、SFガスからなるプラズマを第2切削溝302の底を通してウェーハ1に引き込むことができる。その結果、ウェーハの加工方法は、効率的にウェーハ1の基板2を分割することができる。
また、ウェーハの加工方法は、切削ステップST2において、ウェーハ1の仕上がり厚さ100より深い切削溝300を形成することで、裏面8側に仕上がり厚さ100以上の段差を設け、プラズマエッチングステップST3後に残されるウェーハ1の厚さが仕上がり厚さ100になりつつ、所望の深さの切削溝300を形成できる。
また、ウェーハの加工方法は、プラズマエッチングステップST3において、基板2を分割予定ライン6に沿って分割するために、個々に分割されたデバイス4の側面がプラズマエッチングによって除去された面である。このために、ウェーハの加工方法は、切削加工による欠けが個々に分割されたデバイス4の側面に残らず、抗折強度が高いデバイス4を製造できる、という効果も奏する。
また、ウェーハの加工方法は、研削ステップST5において、ウェーハ1の裏面8を研削して、第1切削溝301と第2切削溝302との間の段差を除去するので、所定寸法のデバイス4を得ることができる。
また、ウェーハの加工方法は、ダイアタッチフィルム貼着ステップST6と、ダイアタッチフィルム分割ステップST7とを備えるので、基板などに固定可能なデバイス4を得ることができる。
〔実施形態2〕
本発明の実施形態2に係るウェーハの加工方法を図面に基づいて説明する。図16は、実施形態2に係るウェーハの加工方法の流れを示すフローチャートである。図17は、図16に示されたウェーハの加工方法の予備研削ステップを示す側断面図である。図18は、図16に示されたウェーハの加工方法の予備研削ステップ後のウェーハの要部の断面図である。なお、図16、図17及び図18は、実施形態1と同一部分に同一符号を付して説明を省略する。
実施形態2に係るウェーハの加工方法は、図16に示すように、予備研削ステップST10を備えること以外、実施形態1と同じである。予備研削ステップST10は、プラズマエッチングステップST3の前に、ウェーハ1の裏面8を予め研削するステップである。実施形態2において、ウェーハの加工方法は、予備研削ステップST10を保護部材配設ステップST1の後でかつ切削ステップST2の前に実施するが、本発明では、プラズマエッチングステップST3の前であれば、保護部材配設ステップST1の前又は切削ステップST2の後に実施しても良い。
予備研削ステップST10では、研削装置80が、チャックテーブル81の保持面82にキャリアシート205、硬化性樹脂204、及びフィルム200を介してウェーハ1の機能層3側を吸引保持する。予備研削ステップST10では、図17に示すように、スピンドル83により粗研削用の研削ホイール84を回転しかつチャックテーブル81を軸心回りに回転しながら研削水を供給するとともに、粗研削用砥石85をチャックテーブル81に所定の送り速度で近づけることによって、粗研削用砥石85でウェーハ1の裏面8を粗研削する。なお、粗研削用砥石85は、研削用砥石65よりも大きな砥粒を有する研削砥石である。
予備研削ステップST10では、図18に示すように、仕上がり厚さ100とプラズマエッチングステップST3において除去される厚さ101とを合わせた厚さ以上になるまでウェーハ1を研削する。実施形態2において、ウェーハの加工方法は、仕上がり厚さ100とプラズマエッチングステップST3において除去される厚さ101とを合わせた厚さ以上になるまでウェーハ1を研削するとプラズマエッチングステップST3に進む。なお、本発明は、予備研削ステップST10では、仕上がり厚さ100とプラズマエッチングステップST3において除去される厚さ101とを合わせた厚さと略等しくなる厚さにウェーハ1を薄化するのが望ましい。
実施形態2に係るウェーハの加工方法は、切削ステップST2において裏面8から分割予定ライン6に沿って切削溝300を形成した後、プラズマエッチングステップST3において裏面8側からプラズマエッチングするので、マスクを不要としたプラズマダイシングを実現することができる。その結果、ウェーハの加工方法は、実施形態1と同様に、コストを抑制しながらもウェーハ1にプラズマエッチングを行ってウェーハ1を個々のデバイス4に分割することができる。
また、実施形態2に係るウェーハの加工方法は、プラズマエッチングステップST3の前に予備研削ステップST10を実施してウェーハ1を薄化するので、プラズマエッチングステップST3時のウェーハ1の基板2の除去量を抑制することができる。その結果、実施形態2に係るウェーハの加工方法は、プラズマエッチングステップST3において生じる所謂アウトガスの量を抑制することができる。
また、実施形態2に係るウェーハの加工方法は、切削ステップST2の前に予備研削ステップST10を実施してウェーハ1の裏面8を研削するので、予備研削ステップST10の前においてウェーハ1の裏面8が梨地面(細かい凹凸を有する面)であっても、切削ステップST2の前に裏面8を平坦化することができる。その結果、実施形態2に係るウェーハの加工方法は、切削ステップST2において、赤外線カメラが撮像した画像に基づいてアライメントを遂行した際の切削ブレード12−1,12−2と分割予定ライン6との位置ずれを抑制することができる。
〔実施形態3〕
本発明の実施形態3に係るウェーハの加工方法を図面に基づいて説明する。図19は、実施形態3に係るウェーハの加工方法のプラズマエッチングステップ後のウェーハの要部の断面図である。なお、図19は、実施形態1と同一部分に同一符号を付して説明を省略する。
実施形態3に係るウェーハの加工方法は、プラズマエッチングステップST3において、ボッシュ法の代わりに、異方性エッチングによりウェーハ1をエッチングすること以外、実施形態1と同じである。実施形態3に係るウェーハの加工方法は、プラズマエッチングステップST3では、図19に点線で示すエッチング前のウェーハ1の裏面8及び切削溝300の形状を維持した状態で、図19に実線で示すように、基板2全体を裏面8側からエッチングして、基板2を分割予定ライン6に沿って分割する。
実施形態3に係るウェーハの加工方法は、切削ステップST2において裏面8から分割予定ライン6に沿って切削溝300を形成した後、プラズマエッチングステップST3において裏面8側からプラズマエッチングするので、マスクを不要としたプラズマダイシングを実現することができる。その結果、ウェーハの加工方法は、実施形態1と同様に、コストを抑制しながらもウェーハ1にプラズマエッチングを行ってウェーハ1を個々のデバイス4に分割することができる。
また、実施形態3に係るウェーハの加工方法は、プラズマエッチングステップST3において、異方性エッチングによりウェーハ1の基板2を裏面8側からエッチングするので、ボッシュ法でエッチングする場合よりもウェーハ1の基板2を薄化することができる。その結果、ウェーハ1の加工方法は、研削ステップST5における基板2の研削量を抑制することができる。
なお、実施形態3に係るウェーハの加工方法は、実施形態2と同様に、予備研削ステップST10を実施しても良い。
〔実施形態4〕
本発明の実施形態4に係るウェーハの加工方法を図面に基づいて説明する。図20は、実施形態4に係るウェーハの加工方法のプラズマエッチングステップで用いられるプラズマ装置の構成を示す断面図である。なお、図20は、実施形態1と同一部分に同一符号を付して説明を省略する。
実施形態4に係るウェーハの加工方法は、プラズマエッチングステップST3で用いられる図20に示すプラズマ装置20−4の構成が、プラズマ装置20と異なること以外、実施形態1と同じである。
プラズマ装置20−4は、電極28,31に高周波電力を印加して密閉空間27内でエッチングガスなどをプラズマするものではなく、プラズマ化したエッチングガスなどをハウジング25内の密閉空間27に導入するリモートプラズマ方式のプラズマ装置である。プラズマ装置20−4は、図20に示すように、図示しない不活性ガス供給ユニットから不活性ガスが供給される配管45がハウジング25の外壁を貫通して接続している。なお、不活性ガス供給ユニットが供給する不活性ガスは、アルゴンガス(Ar)、ヘリウムガス(He)等の希ガスや、希ガスに窒素ガス(N)、又は水素ガス(H)等を混合した混合ガス等で構成することができる。
また、プラズマ装置20−4は、図20に示すように、ガス供給ユニット40,43からのエッチングガス又はオゾンを含むガスが供給される供給管46がハウジング25の上壁に貫通して接続し、供給管46内を流れるガスに高周波電力を加えるための電極47が供給管46に設けられている。供給管46は、ガス供給ユニット40,43から供給されるガスをハウジング25内の密閉空間27に導入する。電極47は、高周波電源42から高周波電力が印加されて、供給管46内を流れるガスをプラズマ化する。また、プラズマ装置20−4は、供給管46から密閉空間27に供給されるプラズマ化されたガスを分散させる分散部材48を備える。
実施形態4に係るウェーハの加工方法は、実施形態1と同様に、プラズマエッチングステップST3において、プラズマ装置20−4の制御ユニット22が、ウェーハ1をハウジング25内の密閉空間27に収容した後、チャックテーブル21上に吸着保持する。実施形態4に係るウェーハの加工方法のプラズマエッチングステップST3では、制御ユニット22が、ガス排出ユニット35を作動して密閉空間27を真空排気するとともに、不活性ガス供給ユニットを作動して密閉空間27内に不活性ガスを供給し、密閉空間27の圧力を所定の圧力に維持するとともに、冷媒供給ユニット36を作動させてヘリウムガスを循環させて、下部電極28の異常昇温を抑制する。
実施形態4に係るウェーハの加工方法は、プラズマエッチングステップST3において、実施形態1と同様に、ボッシュ法でウェーハ1をプラズマエッチングする。なお、プラズマエッチングステップST3のエッチングステップでは、制御ユニット22は、SFガス供給ユニット40を作動するとともに高周波電源42から電極47にプラズマを作り維持する高周波電力を印加して、SFガスをプラズマ化して、供給管46から下部電極28のチャックテーブル21上に保持されたウェーハ1に向けて噴出する。そして、制御ユニット22は、高周波電源42から下部電極28にイオンを引き込むための高周波電力を印加して、ウェーハ1の裏面8、切削溝301,302の内面及び切削溝300の底304をエッチングする。
また、プラズマエッチングステップST3の被膜堆積ステップでは、制御ユニット22は、Cガス供給ユニット43を作動しCガスを高周波電源42から電極47に印加する高周波電力でプラズマ化して、供給管46から下部電極28のチャックテーブル21上に保持されたウェーハ1に向けて噴出する。そして、制御ユニット22は、高周波電源42から下部電極28にイオンを引き込むための高周波電力を印加して、ウェーハ1に被膜を堆積させる。
実施形態4に係るウェーハの加工方法は、切削ステップST2において裏面8から分割予定ライン6に沿って切削溝300を形成した後、プラズマエッチングステップST3において裏面8側からプラズマエッチングするので、マスクを不要としたプラズマダイシングを実現することができる。その結果、ウェーハの加工方法は、実施形態1と同様に、コストを抑制しながらもウェーハ1にプラズマエッチングを行ってウェーハ1を個々のデバイス4に分割することができる。
また、実施形態4に係るウェーハの加工方法は、プラズマエッチングステップST3において、リモートプラズマ方式のプラズマ装置20−4を用いるので、プラズマ装置20−4ではプラズマ化したガスに混入するイオンが供給管46の内面に衝突してハウジング25内の密閉空間27に到達することを抑制できるので、より幅の狭い切削溝300であっても基板2をデバイス4毎に分割することができる。
なお、実施形態4に係るウェーハの加工方法は、実施形態2と同様に、予備研削ステップST10を実施しても良い。
なお、本発明は、上記実施形態に限定されるものではない。即ち、本発明の骨子を逸脱しない範囲で種々変形して実施することができる。例えば、本発明では、分割予定ライン6に形成される機能層3、金属膜及びTEGを切削ステップST2の前に、表面からレーザー光線を照射して、アブレーションで除去しても良い。また、本発明では、プラズマエッチングステップST3において、プラズマエッチングガスに樹脂で構成される機能層3をエッチングするために酸素ガスを混入しても良い。この場合、機能層切断ステップST4を実施することなく、切削溝300の底に残った機能層3を除去することができる。また、本発明は、ウェーハ1の裏面8に予め酸化被膜が形成されている場合、プラズマエッチングステップST3において、この酸化被膜をマスクとしてプラズマエッチングを行っても良い。また、本発明は、研削ステップST5及び予備研削ステップST10の双方において、粗研削用砥石85を用いてウェーハ1の裏面8を粗研削した後に、研削用砥石65でウェーハ1の裏面8を仕上げ研削しても良いし、ウェーハ1の裏面8を租研削のみしても良いし、ウェーハ1の裏面8を仕上げ研削のみしても良い。
1 ウェーハ
1−1 デバイス領域
1−2 外周余剰領域
2 基板
3 機能層
4 デバイス
5 表面
6 分割予定ライン
7 バンプ
8 裏面
10 切削装置
12,12−1,12−2 切削ブレード
13 チャックテーブル
20,20−4 プラズマ装置
21 チャックテーブル
51 レーザー光線
51−1 集光点
200 フィルム(保護部材)
202 接着材層
204 硬化性樹脂
205 キャリアシート
300 切削溝
304 底
ST1 保護部材配設ステップ
ST2 切削ステップ
ST3 プラズマエッチングステップ
ST4 機能層切断ステップ
ST5 研削ステップ
ST10 予備研削ステップ

Claims (4)

  1. 基板の表面に積層された機能層によって複数のデバイスが形成されたデバイス領域と該基板の表面の該デバイス領域を囲繞する外周余剰領域とを備え、該デバイスにはバンプが配設されたウェーハを、該複数のデバイスを区画する分割予定ラインに沿って分割するウェーハの加工方法であって、
    該ウェーハの該外周余剰領域に対応した接着材層を有する保護部材をウェーハの表面に貼着し、該ウェーハの表面を覆う保護部材配設ステップと、
    該ウェーハの該保護部材側を切削装置のチャックテーブルで保持し、該ウェーハの裏面に切削ブレードを切り込ませ、該機能層に至らない深さの切削溝を該分割予定ラインに沿って該基板に形成する切削ステップと、
    該ウェーハの該保護部材側をプラズマ装置のチャックテーブルで保持し、該ウェーハの裏面側にプラズマ化したガスを供給し、該切削溝の底に残存する基板をエッチングして除去し、該基板を該分割予定ラインに沿って分割するプラズマエッチングステップと、
    ウェーハの裏面側からレーザー光線の集光点をエッチングした該切削溝の底に位置づけて照射し、該機能層を切断する機能層切断ステップと、を備えるウェーハの加工方法。
  2. 該プラズマエッチングステップの前に、ウェーハの裏面を予め研削する予備研削ステップと、を備える請求項1記載のウェーハの加工方法。
  3. 該保護部材配設ステップでは、該接着材層を有するフィルムを該ウェーハの表面に密着させ、キャリアシートの表面に配設された硬化性樹脂に該フィルムを介して該バンプを埋め込んだ後に該硬化性樹脂を硬化させ、該キャリアシートと該硬化性樹脂と該フィルムとで該ウェーハの表面を覆うことを特徴とする請求項1または請求項2に記載のウェーハの加工方法。
  4. 該プラズマエッチングステップの後に、ウェーハの裏面を研削する研削ステップと、を備える請求項1乃至請求項3のうちいずれか一項に記載のウェーハの加工方法。
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