JP2019212839A - ウェーハの加工方法 - Google Patents
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Abstract
【課題】コストを抑制しながらもプラズマエッチングを行うことができるウェーハの加工方法を提供すること。【解決手段】ウェーハの加工方法は、表面に複数のデバイスが形成されたウェーハを分割する方法である。ウェーハの加工方法は、ウェーハの表面の機能層側に粘着テープを配設する保護部材配設ステップST1と、ウェーハの裏面に切削溝を分割予定ラインに沿って形成する切削ステップST2と、プラズマエッチングチャンバー内でウェーハの裏面側にプラズマ化したエッチングガスを供給し、基板を分割するプラズマエッチングステップST3と、ウェーハの裏面側からレーザー光線を切削溝の底に照射し機能層を切断する機能層切断ステップST4と、を備え、プラズマエッチングステップST3では、反応光を検出する光センサーを用いて、基板のエッチング進行状況を判定する。【選択図】図2
Description
本発明は、ウェーハの加工方法、特にプラズマダイシングに関する。
シリコン基板等からなる半導体ウェーハは、個々のデバイスチップに分割するため、切削ブレードやレーザー光線を用いた加工方法が適用されることが知られている。これらの加工方法は、分割予定ライン(ストリート)を1本ずつ加工してウェーハをデバイスチップに分割する。近年の電子機器の小型化からデバイスチップの軽薄短小化、コスト削減が進み、サイズが従来のように10mmを超えるようなデバイスチップから2mm以下のようなサイズの小さなデバイスチップが数多く生産されている。サイズの小さなデバイスチップを製造する場合、1枚のウェーハに対する分割予定ラインの数が激増し、1ラインずつの加工では加工時間も長くなってしまう。
そこで、ウェーハの分割予定ライン全てを一括で加工するプラズマダイシングという手法が開発されている(例えば、特許文献1参照)。特許文献1に示されたプラズマダイシングは、マスクによって遮蔽された領域以外をプラズマエッチングによって除去し、ウェーハ単位で加工を実施するため、分割予定ラインの本数が多くなっても加工時間が劇的に長くなることがないという効果がある。
しかしながら、特許文献1に示されたプラズマダイシングは、エッチングによって除去する領域のみを正確に露出させるために、それぞれのウェーハの分割予定ラインにあった精密なマスクを準備する必要がある(例えば、特許文献2及び特許文献3参照)。
しかしながら、特に、特許文献2及び特許文献3に示されたマスクは、製造コスト及び製造工数の抑制、マスクを位置合わせする技術の確立など、切削加工等に比べてコストが高く難易度の高い課題が残されていた。
本発明は、かかる問題点に鑑みてなされたものであり、その目的は、コストを抑制しながらもプラズマエッチングを行うことができるウェーハの加工方法を提供することである。
上述した課題を解決し、目的を達成するために、本発明のウェーハの加工方法は、基板の表面に機能層が積層され複数のデバイスが形成されたウェーハを、該複数のデバイスを区画する分割予定ラインに沿って分割するウェーハの加工方法であって、該ウェーハの表面の該機能層側に保護部材を配設する保護部材配設ステップと、該ウェーハの裏面に切削ブレードを切り込ませ、該機能層に至らない深さの切削溝を該分割予定ラインに沿って該基板に形成する切削ステップと、プラズマエッチングチャンバー内のチャックテーブルで該保護部材側を保持した該ウェーハの裏面側にプラズマ化したガスを供給し、該切削溝の底に残存する基板をエッチングして除去し、該基板を該分割予定ラインに沿って分割するプラズマエッチングステップと、該プラズマエッチングステップを実施した後に、ウェーハの裏面側からレーザー光線の集光点をエッチングした該切削溝の底に位置づけて照射し、該機能層を切断する機能層切断ステップと、を備え、該プラズマエッチングステップでは、該プラズマエッチングチャンバー内で発生するプラズマ発光を検出する光センサーを用いて、該基板のエッチング進行状況を判定することを特徴とする。
前記ウェーハの加工方法において、該プラズマエッチングステップの後に、ウェーハの裏面を研削してウェーハを仕上がり厚さにする仕上げ研削ステップを備えても良い。
前記ウェーハの加工方法において、該プラズマエッチングステップの前に、ウェーハの裏面を予め研削する予備研削ステップと、を備えても良い。
前記ウェーハの加工方法において、該プラズマエッチングステップの後に、ウェーハの裏面にダイアタッチフィルムを貼着するダイアタッチフィルム貼着ステップと、該切削溝に沿って該ダイアタッチフィルムにレーザー光線を照射してダイアタッチフィルムを分割するダイアタッチフィルム分割ステップと、を備えても良い。
本願発明のウェーハの加工方法は、コストを抑制しながらもプラズマエッチングを行うことができるという効果を奏する。
本発明を実施するための形態(実施形態)につき、図面を参照しつつ詳細に説明する。以下の実施形態に記載した内容により本発明が限定されるものではない。また、以下に記載した構成要素には、当業者が容易に想定できるもの、実質的に同一のものが含まれる。さらに、以下に記載した構成は適宜組み合わせることが可能である。また、本発明の要旨を逸脱しない範囲で構成の種々の省略、置換又は変更を行うことができる。
〔実施形態1〕
本発明の実施形態1に係るウェーハの加工方法を図面に基づいて説明する。図1は、実施形態1に係るウェーハの加工方法の加工対象のウェーハの一例を示す斜視図である。図2は、実施形態1に係るウェーハの加工方法の流れを示すフローチャートである。
本発明の実施形態1に係るウェーハの加工方法を図面に基づいて説明する。図1は、実施形態1に係るウェーハの加工方法の加工対象のウェーハの一例を示す斜視図である。図2は、実施形態1に係るウェーハの加工方法の流れを示すフローチャートである。
実施形態1に係るウェーハの加工方法は、図1に示すウェーハ1の加工方法である。実施形態1では、ウェーハ1は、シリコン、サファイア、又はガリウムヒ素などを基板2とする円板状の半導体ウェーハや光デバイスウェーハである。ウェーハ1は、図1に示すように、基板2の表面3に機能層4が積層され、かつ複数のデバイス5が形成されている。機能層4は、SiOF、BSG(SiOB)等の無機物系の膜やポリイミド系、パリレン系等のポリマー膜である有機物系の膜からなる低誘電率絶縁体被膜(Low−k膜)により構成されている。機能層4は、基板2の表面3に積層されている。
デバイス5は、表面3の交差する複数の分割予定ライン6で区画された各領域にそれぞれ形成されている。即ち、分割予定ライン6は、複数のデバイス5を区画するものである。デバイス5を構成する回路は、機能層4により支持されている。なお、実施形態1において、デバイス5は、切削加工によりウェーハ1から分割されるデバイスよりも小型であり、例えば、1mm×1mm程度の大きさである。また、ウェーハ1は、分割予定ライン6の少なくとも一部において、基板2の表面3側に図示しない金属膜とTEG(Test Element Group)とのうち少なくとも一方が形成されている。TEGは、デバイス5に発生する設計上や製造上の問題を見つけ出すための評価用の素子である。
実施形態1に係るウェーハの加工方法は、ウェーハ1を分割予定ライン6に沿って個々のデバイス5に分割するとともに、デバイス5を仕上がり厚さ100まで薄化する方法である。ウェーハの加工方法は、図2に示すように、保護部材配設ステップST1と、切削ステップST2と、プラズマエッチングステップST3と、機能層切断ステップST4と、洗浄ステップST5と、仕上げ研削ステップST6と、ダイアタッチフィルム貼着ステップST7と、ダイアタッチフィルム分割ステップST8とを備える。
(保護部材配設ステップ)
保護部材配設ステップST1は、ウェーハ1の基板2の表面3の機能層4側に保護部材である粘着テープ200を配設するステップである。実施形態1において、保護部材配設ステップST1は、図1に示すように、ウェーハ1よりも大径な粘着テープ200を機能層4側に貼着し、粘着テープ200の外周縁に環状フレーム201を貼着する。実施形態1では、保護部材として粘着テープ200を用いるが、本発明では、保護部材は、粘着テープ200に限定されない。ウェーハの加工方法は、ウェーハ1の機能層4側に粘着テープ200を貼着すると、切削ステップST2に進む。
保護部材配設ステップST1は、ウェーハ1の基板2の表面3の機能層4側に保護部材である粘着テープ200を配設するステップである。実施形態1において、保護部材配設ステップST1は、図1に示すように、ウェーハ1よりも大径な粘着テープ200を機能層4側に貼着し、粘着テープ200の外周縁に環状フレーム201を貼着する。実施形態1では、保護部材として粘着テープ200を用いるが、本発明では、保護部材は、粘着テープ200に限定されない。ウェーハの加工方法は、ウェーハ1の機能層4側に粘着テープ200を貼着すると、切削ステップST2に進む。
(切削ステップ)
図3は、図2に示されたウェーハの加工方法の切削ステップを一部断面で示す側面図である。図4は、図2に示されたウェーハの加工方法の切削ステップ後のウェーハの要部の断面図である。
図3は、図2に示されたウェーハの加工方法の切削ステップを一部断面で示す側面図である。図4は、図2に示されたウェーハの加工方法の切削ステップ後のウェーハの要部の断面図である。
切削ステップST2は、ウェーハ1の基板2の裏面7に図3に示す切削装置10の切削ブレード12を切り込ませ、機能層4に至らない深さの切削溝300を分割予定ライン6に沿って基板2に形成するステップである。実施形態1において、切削ステップST2では、図3に示すように、切削ユニット11を2つ備えた、即ち、2スピンドルのダイサ、いわゆるフェイシングデュアルタイプの切削装置10のチャックテーブル13の保持面14に粘着テープ200を介してウェーハ1の機能層4側を吸引保持する。切削ステップST2では、切削装置10の図示しない赤外線カメラがウェーハ1の裏面7を撮像して、ウェーハ1と各切削ユニット11の切削ブレード12との位置合わせを行なうアライメントを遂行する。
切削ステップST2では、ウェーハ1と各切削ユニット11の切削ブレード12とを分割予定ライン6に沿って相対的に移動させながら切削ブレード12を裏面7に切り込ませて、ウェーハ1の裏面7側に切削溝300を形成する。実施形態1で用いる切削装置10の一対の切削ユニット11のうちの一方の切削ユニット11(以下、符号11−1で記す)の切削ブレード12(以下、符号12−1で記す)の厚さは、他方の切削ユニット11(以下、符号11−2で記す)の切削ブレード12(以下、符号12−2で記す)の厚さよりも厚い。実施形態1の切削ステップST2では、一方の切削ユニット11−1の切削ブレード12−1を裏面7に仕上げ厚さ100分切り込ませて、第1切削溝301をウェーハ1の裏面7に形成する。なお、実施形態1では、切削ステップST2において、一方の切削ユニット11−1の切削ブレード12−1を裏面7に仕上げ厚さ100分切り込ませるが、本発明は、一方の切削ユニット11−1の切削ブレード12−1を裏面7に仕上がり厚さ100よりも浅い深さ切り込ませても良く、要するに、一方の切削ユニット11−1の切削ブレード12−1を裏面7に仕上がり厚さ100以下の深さ切り込ますのが望ましい。
切削ステップST2では、第1切削溝301を形成した後、他方の切削ユニット11−2の切削ブレード12−2を第1切削溝301の溝底303に切り込ませて、第1切削溝301より細い第2切削溝302を第1切削溝301の溝底303に形成する。切削ステップST2では、第1切削溝301と第2切削溝302とを形成して、ウェーハ1の裏面7にウェーハ1の仕上がり厚さ100を超えるとともに機能層4に至らない深さの切削溝300を形成して、プラズマエッチングステップST3でのプラズマ化したエッチングガスの切削溝300への侵入を促進させる。なお、実施形態1において、切削溝300は、第1切削溝301と第2切削溝302とで構成される。ウェーハの加工方法は、図4に示すように、ウェーハ1の全ての分割予定ライン6の裏面7側に第1切削溝301及び第2切削溝302を形成すると、プラズマエッチングステップST3に進む。なお、実施形態1において、切削ステップST2では、ウェーハ1を太い切削ブレード12−1で切削した後に、細い切削ブレード12−2で切削する所謂ステップカットを実施したが、本発明は、ウェーハ1を1枚の切削ブレードで切削する所謂シングルカットを実施しても良い。
(プラズマエッチングステップ)
図5は、図2に示されたウェーハの加工方法のプラズマエッチングステップで用いられるエッチング装置の構成を示す断面図である。図6は、図2に示されたウェーハの加工方法のプラズマエッチングステップ中の電極間に発生する反応光の光量の変化を示す図である。図7は、図2に示されたウェーハの加工方法のプラズマエッチングステップ後のウェーハの要部の断面図である。
図5は、図2に示されたウェーハの加工方法のプラズマエッチングステップで用いられるエッチング装置の構成を示す断面図である。図6は、図2に示されたウェーハの加工方法のプラズマエッチングステップ中の電極間に発生する反応光の光量の変化を示す図である。図7は、図2に示されたウェーハの加工方法のプラズマエッチングステップ後のウェーハの要部の断面図である。
プラズマエッチングステップST3は、図5に示すエッチング装置20のプラズマエッチングチャンバー25内のチャックテーブル21で粘着テープ200側を保持したウェーハ1の裏面7側にプラズマ化したエッチングガスを供給し、切削溝300の底304(図4に示す)に残存する基板2をエッチングして除去し、基板2を分割予定ライン6に沿って分割するステップである。プラズマエッチングステップST3は、ウェーハ1の基板2をプラズマダイシングするステップである。
プラズマエッチングステップST3では、エッチング装置20の制御ユニット22が、ゲート作動ユニット23を作動してゲート24を図5中の下方に移動させ、プラズマエッチングチャンバー25の開口26を開ける。次に、図示しない搬出入手段によって切削ステップST2が実施されたウェーハ1を開口26を通してプラズマエッチングチャンバー25内の密閉空間27に搬送し、下部電極28を構成する被加工物保持部29のチャックテーブル21(静電チャック、ESC:Electrostatic chuck)上に粘着テープ200を介してウェーハ1の機能層4側を載置する。このとき、制御ユニット22は、昇降駆動ユニット30を作動して上部電極31を上昇させておく。制御ユニット22は、被加工物保持部29内に設けられた電極32,33に電力を印加してチャックテーブル21上にウェーハ1を吸着保持する。
制御ユニット22は、ゲート作動ユニット23を作動してゲート24を上方に移動させ、プラズマエッチングチャンバー25の開口26を閉じる。制御ユニット22は、昇降駆動ユニット30を作動して上部電極31を下降させ、上部電極31を構成するガス噴出部34の下面と下部電極28を構成するチャックテーブル21に保持されたウェーハ1との間の距離をプラズマエッチング処理に適した所定の電極間距離に位置付ける。
制御ユニット22は、ガス排出ユニット35を作動してプラズマエッチングチャンバー25内の密閉空間27を真空排気して、密閉空間27の圧力を所定の圧力に維持するとともに、冷媒供給ユニット36を作動させて下部電極28内に設けられた冷媒導入通路37、冷却通路38及び冷媒排出通路39に冷媒であるヘリウムガスを循環させて、下部電極28の異常昇温を抑制する。
次に、制御ユニット22は、ウェーハ1に対してプラズマ化したSF6ガスを供給してウェーハ1の裏面7全体をエッチングするとともに切削溝300を基板2の表面3に向かって進行させるエッチングステップと、エッチングステップに次いでプラズマ化したC4F8ガスをウェーハ1に供給してウェーハ1の裏面7、切削溝301,302の内面及び切削溝300の底304に被膜を堆積させる被膜堆積ステップとを交互に繰り返す。なお、被膜堆積ステップ後のエッチングステップは、切削溝300の底304の被膜を除去して切削溝300の底304をエッチングする。このように、プラズマエッチングステップST3は、所謂ボッシュ法でウェーハ1をプラズマエッチングする。
なお、エッチングステップでは、制御ユニット22は、SF6ガス供給ユニット40を作動しエッチングガスであるSF6ガスを上部電極31の複数の噴出口41から下部電極28のチャックテーブル21上に保持されたウェーハ1に向けて噴出する。そして、制御ユニット22は、プラズマ発生用のSF6ガスを供給した状態で、高周波電源42から上部電極31にプラズマを作り維持する高周波電力を印加し、高周波電源42から下部電極28にイオンを引き込むための高周波電力を印加する。これにより、下部電極28と上部電極31との間の空間にSF6ガスからなる等方性を有するプラズマ化したエッチングガスが発生し、このプラズマ化したエッチングガスがウェーハ1に引き込まれて、ウェーハ1の裏面7、切削溝301,302の内面及び切削溝300の底304をエッチングして、切削溝300を基板2の表面3に向かって進行させる。
また、被膜堆積ステップでは、制御ユニット22は、C4F8ガス供給ユニット43を作動しエッチングガスであるC4F8ガスを上部電極31の複数の噴出口41から下部電極28のチャックテーブル21上に保持されたウェーハ1に向けて噴出する。そして、制御ユニット22は、プラズマ発生用のC4F8ガスを供給した状態で、高周波電源42から上部電極31にプラズマを作り維持する高周波電力を印加し、高周波電源42から下部電極28にイオンを引き込むための高周波電力を印加する。これにより、下部電極28と上部電極31との間の空間にC4F8ガスからなるプラズマ化したエッチングガスが発生し、このプラズマ化したエッチングガスがウェーハ1に引き込まれて、ウェーハ1に被膜を堆積させる。
プラズマエッチングステップST3のエッチングステップでは、プラズマ化したエッチングガスがウェーハ1に引き込まれて、ウェーハ1の裏面7、切削溝301,302の内面及び切削溝300の底304がエッチングされる際に、電極28,31間にプラズマ発光である反応光が発生する。反応光の光量は、図6に示すように、プラズマエッチングステップST3の開始からの経過時間が長くなるのにしたがって減少する。なお、図6の横軸は、プラズマエッチングステップST3の開始からの経過時間を示し、図6の縦軸は、反応光の光量を示している。なお、図6に示すように、反応光の光量が経過時間が長くなるのにしたがって減少するのは、エッチング可能な切削溝300の底304に残存する基板2を構成するシリコン等が減少するためと考えられる。
エッチング装置20は、プラズマエッチングチャンバー25の側壁25−1の電極28,31間と水平方向に対向する位置に設けられた光透過窓49−1と、光透過窓49−1と光ファイバ49−2で接続された光センサー44とを備えている。光センサー44は、光透過窓49−1及び光ファイバ49−2を介して反応光を受光し、反応光の光量を示す情報を制御ユニット22に出力する。プラズマエッチングステップST3では、制御ユニット22は、プラズマエッチングチャンバー25内で発生する反応光の光量を光センサー44を用いて測定する。制御ユニット22は、光センサー44が検出した反応光の光量が予め定められて記憶した所定値400(図6に示す)以下になると、プラズマエッチングステップST3を終了する。なお、所定値400は、図7に示すように、切削溝300の底304に基板2が残存せずに、機能層4が露出した際の反応光の光量に応じた値(望ましくは、機能層4が露出した際の反応光の光量)であるのが望ましい。このように、実施形態1に係るウェーハの加工方法は、プラズマエッチングステップST3では、プラズマエッチングチャンバー25内で発生する反応光を検出する光センサー44を用いて、基板2のエッチング進行状況を判定する。
プラズマエッチングステップST3後のウェーハ1は、図7に示すように、始めのエッチンングステップによって裏面7全体がエッチングされて、厚さ101分薄化されている。また、プラズマエッチングステップST3後のウェーハ1は、図7に示すように、エッチングステップにおいて切削溝300の底304に残存する基板2がエッチングされ除去され、切削溝300が機能層4に到達している。ウェーハ1は、基板2が切削溝300により分割され、切削溝300内に機能層4が露出して、切削溝300の底に機能層4が残っている。ウェーハの加工方法は、プラズマエッチングステップST3を終了すると、機能層切断ステップST4に進む。
(機能層切断ステップ)
図8は、図2に示されたウェーハの加工方法の機能層切断ステップを示す断面図である。図9は、図2に示されたウェーハの加工方法の機能層切断ステップ後のウェーハの要部の断面図である。
図8は、図2に示されたウェーハの加工方法の機能層切断ステップを示す断面図である。図9は、図2に示されたウェーハの加工方法の機能層切断ステップ後のウェーハの要部の断面図である。
機能層切断ステップST4は、プラズマエッチングステップST3を実施した後、ウェーハ1の裏面7側から図8に示すレーザー加工装置50が機能層4に対して吸収性を有する波長のレーザー光線51の集光点51−1をエッチングした切削溝300の底の機能層4に位置づけて照射し、機能層4を切削溝300に沿って切断するステップである。
機能層切断ステップST4では、レーザー加工装置50が、チャックテーブルに粘着テープ200を介してウェーハ1の機能層4側を保持し、図8に示すように、レーザー光線照射ユニット52とチャックテーブルとを分割予定ライン6に沿って相対的に移動させながらレーザー光線照射ユニット52から機能層4に対して吸収性を有する波長(例えば、355nm)のレーザー光線51の集光点51−1を切削溝300の底に露出した機能層4に設定して、レーザー光線51を機能層4に照射する。機能層切断ステップST4では、各分割予定ライン6において、切削溝300の底で露出した機能層4にアブレーション加工を施して、切削溝300の底で露出した機能層4を切断して、ウェーハ1を個々のデバイス5に分割する。なお、機能層切断ステップST4では、図示しない分割予定ライン6に形成された金属膜やTEGも分割する。なお、実施形態1において、機能層4が切断されたウェーハ1は、図9に示すように、切削溝300の内面にアブレーション加工により生じたデブリ310が付着している。ウェーハの加工方法は、図9に示すように、全ての分割予定ライン6において切削溝300の底で露出した機能層4を分割すると、洗浄ステップST5に進む。
(洗浄ステップ)
図10は、図2に示されたウェーハの加工方法の洗浄ステップを示す側断面図である。図11は、図2に示されたウェーハの加工方法の洗浄ステップ後のウェーハの要部の断面図である。洗浄ステップST5は、機能層切断ステップST4の後にウェーハ1に水である洗浄水57を供給し、レーザー光線51の照射で発生し切削溝300の内面に付着したデブリ310を除去するステップである。
図10は、図2に示されたウェーハの加工方法の洗浄ステップを示す側断面図である。図11は、図2に示されたウェーハの加工方法の洗浄ステップ後のウェーハの要部の断面図である。洗浄ステップST5は、機能層切断ステップST4の後にウェーハ1に水である洗浄水57を供給し、レーザー光線51の照射で発生し切削溝300の内面に付着したデブリ310を除去するステップである。
洗浄ステップST5では、図10に示すように、洗浄装置53がスピンナーテーブル54の保持面55に粘着テープ200を介してウェーハ1の機能層4側を吸引保持し、スピンナーテーブル54を軸心回りに回転させるとともに、洗浄水ノズル56をウェーハ1上で径方向に移動させながら洗浄水ノズル56から洗浄水57をウェーハ1の裏面7に向けて噴射する。洗浄ステップST5では、洗浄水57がウェーハ1の裏面7及び切削溝300の内面上をスムーズに流れて、図11に示すように、これらに付着したデブリ310を洗い流すこととなる。洗浄ステップST5では、所定時間、洗浄装置53がスピンナーテーブル54を回転させながらウェーハ1の裏面7に洗浄水57を供給すると、ウェーハ1の洗浄を終了し、ウェーハ1を乾燥させる。ウェーハの加工方法は、ウェーハ1の裏面7の乾燥を終了すると、仕上げ研削ステップST6に進む。
(仕上げ研削ステップ)
図12は、図2に示されたウェーハの加工方法の仕上げ研削ステップを示す側断面図である。仕上げ研削ステップST6は、プラズマエッチングステップST3、機能層切断ステップST4及び洗浄ステップST5の後に、ウェーハ1の裏面7を研削してウェーハ1を仕上がり厚さ100にするステップである。
図12は、図2に示されたウェーハの加工方法の仕上げ研削ステップを示す側断面図である。仕上げ研削ステップST6は、プラズマエッチングステップST3、機能層切断ステップST4及び洗浄ステップST5の後に、ウェーハ1の裏面7を研削してウェーハ1を仕上がり厚さ100にするステップである。
仕上げ研削ステップST6では、研削装置60が、チャックテーブル61の保持面62に粘着テープ200を介してウェーハ1の機能層4側を吸引保持する。仕上げ研削ステップST6では、図12に示すように、スピンドル63により仕上げ研削用の研削ホイール64を回転しかつチャックテーブル61を軸心回りに回転しながら研削水を供給するとともに、仕上げ研削用砥石65をチャックテーブル61に所定の送り速度で近づけることによって、仕上げ研削用砥石65でウェーハ1即ちデバイス5の裏面7を仕上げ研削する。仕上げ研削ステップST6では、仕上がり厚さ100になるまでウェーハ1即ちデバイス5を研削する。仕上げ研削ステップST6では、仕上がり厚さ100になるまでウェーハ1即ちデバイス5を研削すると、第1切削溝301が除去されて、第1切削溝301と第2切削溝302との間の段差が除去される。ウェーハの加工方法は、仕上がり厚さ100までウェーハ1即ちデバイス5を薄化するとダイアタッチフィルム貼着ステップST7に進む。
(ダイアタッチフィルム貼着ステップ)
図13は、図2に示されたウェーハの加工方法のダイアタッチフィルム貼着ステップ後のウェーハの断面図である。ダイアタッチフィルム貼着ステップST7は、プラズマエッチングステップST3、機能層切断ステップST4、洗浄ステップST5及び仕上げ研削ステップST6の後に、ウェーハ1の裏面7にダイアタッチフィルム202を貼着するステップである。
図13は、図2に示されたウェーハの加工方法のダイアタッチフィルム貼着ステップ後のウェーハの断面図である。ダイアタッチフィルム貼着ステップST7は、プラズマエッチングステップST3、機能層切断ステップST4、洗浄ステップST5及び仕上げ研削ステップST6の後に、ウェーハ1の裏面7にダイアタッチフィルム202を貼着するステップである。
ダイアタッチフィルム貼着ステップST7では、仕上げ研削ステップST6において仕上げ研削されたウェーハ1即ちデバイス5の裏面7にデバイス5を接着するためのダイアタッチフィルム202を貼着する。ダイアタッチフィルム貼着ステップST7では、図13に示すように、外周縁に環状フレーム204が貼着されたダイシングテープ203に積層されたダイアタッチフィルム202をウェーハ1の裏面7に貼着するとともに、機能層4から粘着テープ200を剥がす。ウェーハの加工方法は、粘着テープ200を機能層4から剥がすと、ダイアタッチフィルム分割ステップST8に進む。
(ダイアタッチフィルム分割ステップ)
図14は、図2に示されたウェーハの加工方法のダイアタッチフィルム分割ステップを示す断面図である。図15は、図2に示されたウェーハの加工方法のダイアタッチフィルム分割ステップ後のウェーハの要部の断面図である。ダイアタッチフィルム分割ステップST8は、切削溝300に沿ってダイアタッチフィルム202に図14に示すレーザー加工装置70がレーザー光線71を照射してダイアタッチフィルム202を分割するステップである。
図14は、図2に示されたウェーハの加工方法のダイアタッチフィルム分割ステップを示す断面図である。図15は、図2に示されたウェーハの加工方法のダイアタッチフィルム分割ステップ後のウェーハの要部の断面図である。ダイアタッチフィルム分割ステップST8は、切削溝300に沿ってダイアタッチフィルム202に図14に示すレーザー加工装置70がレーザー光線71を照射してダイアタッチフィルム202を分割するステップである。
ダイアタッチフィルム分割ステップST8では、レーザー加工装置70が、チャックテーブルにダイシングテープ203を介してウェーハ1の裏面7側を保持し、図14に示すように、レーザー光線照射ユニット72とチャックテーブルとを分割予定ライン6に沿って相対的に移動させながらレーザー光線照射ユニット72からダイアタッチフィルム202に対して吸収性を有する波長(例えば、355nm)のレーザー光線71を切削溝300内で露出したダイアタッチフィルム202に照射する。ダイアタッチフィルム分割ステップST8では、各分割予定ライン6において、切削溝300内で露出したダイアタッチフィルム202にアブレーション加工を施して、切削溝300内で露出したダイアタッチフィルム202を分割する。ウェーハの加工方法は、図15に示すように、全ての分割予定ライン6において切削溝300内で露出したダイアタッチフィルム202を分割すると、終了する。なお、その後、デバイス5は、ダイアタッチフィルム202毎、図示しないピックアップによりダイシングテープ203からピックアップされる。
実施形態1に係るウェーハの加工方法は、切削ステップST2において裏面7から分割予定ライン6に沿って切削溝300を形成した後、プラズマエッチングステップST3において裏面7側からプラズマエッチングすることで、切削溝300を基板2の表面3に向かって進行させて、ウェーハ1を分割するため、マスクを不要としたプラズマダイシングを実現することができる。このために、ウェーハの加工方法は、切削加工により分割するデバイスよりも小型であるためにプラズマエッチングで分割するのに好適なデバイス5を備えるウェーハ1の加工方法において、高価なマスクが不要となる。その結果、ウェーハの加工方法は、コストを抑制しながらもウェーハ1にプラズマエッチングを行ってウェーハ1を個々のデバイス5に分割することができる。
また、ウェーハの加工方法は、プラズマダイシングを実施するプラズマエッチングステップST3において、プラズマエッチングチャンバー25内で発生する反応光の光量を検出するので、機能層4まで切削溝300が到達したか否か、または目標とする深さや量のエッチングが出来ているかを把握することができる。また、ウェーハの加工方法は、プラズマダイシングを実施するプラズマエッチングステップST3において、プラズマエッチングチャンバー25内で発生する反応光の光量を検出するので、所定値400を適宜変更することで、プラズマエッチングステップST3を終了するタイミングを決定することが出来るため、不要な加工時間が無くなり、機能層4の不要なエッチングを避けることが出来る。
また、ウェーハの加工方法は、切削ステップST2及び仕上げ研削ステップST6前の保護部材配設ステップST1において、機能層4側に粘着テープ200が貼着されている。このために、切削ステップST2及び仕上げ研削ステップST6時に発生するコンタミがデバイス5に付着することを抑制することができる。
また、ウェーハの加工方法は、機能層切断ステップST4において、切削溝300の溝底に残った機能層4にレーザー光線51を照射して分割するので、Low−k膜等の機能層4が積層されたウェーハ1を個々のデバイス5に分割することができる。また、ウェーハの加工方法は、機能層切断ステップST4前の保護部材配設ステップST1において、機能層4側に粘着テープ200が貼着され、機能層切断ステップST4において、裏面7側からレーザー光線51を切削溝300の底の機能層4に照射するので、アブレーション加工時に発生するデブリがデバイス5に付着することを抑制することができる。
また、ウェーハの加工方法は、切削ステップST2において、第1切削溝301を形成した後に第1切削溝301の溝底303に第1切削溝301よりも細い第2切削溝302を形成すると共に、プラズマエッチングステップST3においてボッシュ法でウェーハ1をプラズマエッチングする。このために、ウェーハの加工方法は、プラズマエッチングステップST3のエッチングステップにおいて、SF6ガスからなるプラズマを切削溝300の底を通してウェーハ1に引き込むことができる。その結果、ウェーハの加工方法は、効率的にウェーハ1の基板2を分割することができる。
また、ウェーハの加工方法は、切削ステップST2において、ウェーハ1の仕上がり厚さ100より深い切削溝300を形成することで、裏面7側に仕上がり厚さ100以上の段差を設け、プラズマエッチングステップST3後に残されるウェーハ1の厚さが仕上がり厚さになりつつ、所望の深さの切削溝300を形成できる。
また、ウェーハの加工方法は、プラズマエッチングステップST3において、基板2を分割予定ライン6に沿って分割するために、個々に分割されたデバイス5の側面がプラズマエッチングによって除去された面である。このために、ウェーハの加工方法は、切削加工による欠けが個々に分割されたデバイス5の側面に残らず、抗折強度が高いデバイス5を製造できる、という効果も奏する。
また、ウェーハの加工方法は、仕上げ研削ステップST6において、ウェーハ1の裏面7を研削して、第1切削溝301と第2切削溝302との間の段差を除去するので、所定寸法のデバイス5を得ることができる。
また、ウェーハの加工方法は、ダイアタッチフィルム貼着ステップST7と、ダイアタッチフィルム分割ステップST8とを備えるので、基板などに固定可能なデバイス5を得ることができる。
〔実施形態2〕
本発明の実施形態2に係るウェーハの加工方法を図面に基づいて説明する。図16は、実施形態2に係るウェーハの加工方法の流れを示すフローチャートである。図17は、図16に示されたウェーハの加工方法の予備研削ステップを示す側断面図である。図18は、図16に示されたウェーハの加工方法の予備研削ステップ後のウェーハの要部の断面図である。なお、図16、図17及び図18は、実施形態1と同一部分に同一符号を付して説明を省略する。
本発明の実施形態2に係るウェーハの加工方法を図面に基づいて説明する。図16は、実施形態2に係るウェーハの加工方法の流れを示すフローチャートである。図17は、図16に示されたウェーハの加工方法の予備研削ステップを示す側断面図である。図18は、図16に示されたウェーハの加工方法の予備研削ステップ後のウェーハの要部の断面図である。なお、図16、図17及び図18は、実施形態1と同一部分に同一符号を付して説明を省略する。
実施形態2に係るウェーハの加工方法は、図16に示すように、予備研削ステップST10を備えること以外、実施形態1と同じである。予備研削ステップST10は、プラズマエッチングステップST3の前に、ウェーハ1の裏面7を予め研削するステップである。実施形態2において、ウェーハの加工方法は、予備研削ステップST10を保護部材配設ステップST1の後でかつ切削ステップST2の前に実施するが、本発明では、プラズマエッチングステップST3の前であれば、保護部材配設ステップST1の前又は切削ステップST2の後に実施しても良い。
予備研削ステップST10では、研削装置80が、チャックテーブル81の保持面82に粘着テープ200を介してウェーハ1の機能層4側を吸引保持する。予備研削ステップST10では、図17に示すように、スピンドル83により粗研削用の研削ホイール84を回転しかつチャックテーブル81を軸心回りに回転しながら研削水を供給するとともに、粗研削用砥石85をチャックテーブル81に所定の送り速度で近づけることによって、粗研削用砥石85でウェーハ1の裏面7を粗研削する。なお、粗研削用砥石85は、仕上げ研削用砥石65よりも大きな砥粒を有する研削砥石である。
予備研削ステップST10では、図18に示すように、仕上がり厚さ100とプラズマエッチングステップST3において除去される厚さ101とを合わせた厚さ以上になるまでウェーハ1を研削する。実施形態2において、ウェーハの加工方法は、仕上がり厚さ100とプラズマエッチングステップST3において除去される厚さ101とを合わせた厚さ以上になるまでウェーハ1を研削するとプラズマエッチングステップST3に進む。なお、本発明は、予備研削ステップST10では、仕上がり厚さ100とプラズマエッチングステップST3において除去される厚さ101とを合わせた厚さと略等しくなる厚さにウェーハ1を薄化するのが望ましい。
実施形態2に係るウェーハの加工方法は、切削ステップST2において裏面7から分割予定ライン6に沿って切削溝300を形成した後、プラズマエッチングステップST3において裏面7側からプラズマエッチングするので、マスクを不要としたプラズマダイシングを実現することができる。その結果、ウェーハの加工方法は、実施形態1と同様に、コストを抑制しながらもウェーハ1にプラズマエッチングを行ってウェーハ1を個々のデバイス5に分割することができる。
また、実施形態2に係るウェーハの加工方法は、プラズマエッチングステップST3の前に予備研削ステップST10を実施してウェーハ1を薄化するので、プラズマエッチングステップST3時のウェーハ1の基板2の除去量を抑制することができる。その結果、実施形態2に係るウェーハの加工方法は、プラズマエッチングステップST3において発生する所謂アウトガスの量を抑制することができる。
また、実施形態2に係るウェーハの加工方法は、切削ステップST2の前に予備研削ステップST10を実施してウェーハ1の裏面7を研削するので、予備研削ステップST10の前においてウェーハ1の裏面7が梨地面(細かい凹凸を有する面)であっても、切削ステップST2の前に裏面7を平坦化することができる。その結果、実施形態2に係るウェーハの加工方法は、切削ステップST2において、赤外線カメラが撮像した画像に基づいてアライメントを遂行した際の切削ブレード12−1,12−2と分割予定ライン6との位置ずれを抑制することができる。
〔実施形態3〕
本発明の実施形態3に係るウェーハの加工方法を図面に基づいて説明する。図19は、実施形態3に係るウェーハの加工方法のプラズマエッチングステップ後のウェーハの要部の断面図である。なお、図19は、実施形態1と同一部分に同一符号を付して説明を省略する。
本発明の実施形態3に係るウェーハの加工方法を図面に基づいて説明する。図19は、実施形態3に係るウェーハの加工方法のプラズマエッチングステップ後のウェーハの要部の断面図である。なお、図19は、実施形態1と同一部分に同一符号を付して説明を省略する。
実施形態3に係るウェーハの加工方法は、プラズマエッチングステップST3において、ボッシュ法の代わりに、異方性エッチングによりウェーハ1をエッチングすること以外、実施形態1と同じである。実施形態3に係るウェーハの加工方法は、プラズマエッチングステップST3では、図19に点線で示すエッチング前のウェーハ1の裏面7及び切削溝300の形状を維持した状態で、図19に実線で示すように、基板2全体を裏面7側からエッチングして、基板2を分割予定ライン6に沿って分割する。
実施形態3に係るウェーハの加工方法は、切削ステップST2において裏面7から分割予定ライン6に沿って切削溝300を形成した後、プラズマエッチングステップST3において裏面7側からプラズマエッチングするので、マスクを不要としたプラズマダイシングを実現することができる。その結果、ウェーハの加工方法は、実施形態1と同様に、コストを抑制しながらもウェーハ1にプラズマエッチングを行ってウェーハ1を個々のデバイス5に分割することができる。
また、実施形態3に係るウェーハの加工方法は、プラズマエッチングステップST3において、異方性エッチングによりウェーハ1の基板2を裏面7側からエッチングするので、ボッシュ法でエッチングする場合よりもウェーハ1の基板2を薄化することができる。その結果、ウェーハ1の加工方法は、仕上げ研削ステップST6における基板2の研削量を抑制することができる。
なお、実施形態3に係るウェーハの加工方法は、実施形態2と同様に、予備研削ステップST10を実施しても良い。
〔実施形態4〕
本発明の実施形態4に係るウェーハの加工方法を図面に基づいて説明する。図20は、実施形態4に係るウェーハの加工方法のプラズマエッチングステップで用いられるエッチング装置の構成を示す断面図である。なお、図20は、実施形態1と同一部分に同一符号を付して説明を省略する。
本発明の実施形態4に係るウェーハの加工方法を図面に基づいて説明する。図20は、実施形態4に係るウェーハの加工方法のプラズマエッチングステップで用いられるエッチング装置の構成を示す断面図である。なお、図20は、実施形態1と同一部分に同一符号を付して説明を省略する。
実施形態4に係るウェーハの加工方法は、プラズマエッチングステップST3で用いられる図20に示すエッチング装置20−4の構成が、エッチング装置20と異なること以外、実施形態1と同じである。
エッチング装置20−4は、電極28,31に高周波電力を印加して密閉空間27内でエッチングガスなどをプラズマするものではなく、プラズマ化したエッチングガスなどをプラズマエッチングチャンバー25内の密閉空間27に導入するリモートプラズマ方式のプラズマエッチング装置である。エッチング装置20−4は、図20に示すように、図示しない不活性ガス供給ユニットから不活性ガスが供給される配管45がプラズマエッチングチャンバー25の外壁を貫通して接続している。なお、不活性ガス供給ユニットが供給する不活性ガスは、アルゴンガス(Ar)、ヘリウムガス(He)等の希ガスや、希ガスに窒素ガス(N2)、又は水素ガス(H2)等を混合した混合ガス等で構成することができる。
また、エッチング装置20−4は、図20に示すように、ガス供給ユニット40,43からのエッチングガス又は酸素ガスが供給される供給管46がプラズマエッチングチャンバー25の上壁に貫通して接続し、供給管46内を流れるガスに高周波電力を加えるための電極47が供給管46に設けられている。供給管46は、ガス供給ユニット40,43から供給されるガスをプラズマエッチングチャンバー25内の密閉空間27に導入する。電極47は、高周波電源42から高周波電力が印加されて、供給管46内を流れるガスをプラズマ化する。また、エッチング装置20−4は、供給管46から密閉空間27に供給されるプラズマ化されたガスを分散させる分散部材48を備える。
実施形態4に係るウェーハの加工方法は、実施形態1と同様に、プラズマエッチングステップST3において、エッチング装置20−4の制御ユニット22が、ウェーハ1をプラズマエッチングチャンバー25内の密閉空間27に収容した後、チャックテーブル21上に吸着保持する。実施形態4に係るウェーハの加工方法のプラズマエッチングステップST3では、制御ユニット22が、ガス排出ユニット35を作動して密閉空間27を真空排気するとともに、不活性ガス供給ユニットを作動して密閉空間27内に不活性ガスを供給し、密閉空間27の圧力を所定の圧力に維持するとともに、冷媒供給ユニット36を作動させてヘリウムガスを循環させて、下部電極28の異常昇温を抑制する。
実施形態4に係るウェーハの加工方法は、プラズマエッチングステップST3において、実施形態1と同様に、ボッシュ法でウェーハ1をプラズマエッチングする。なお、プラズマエッチングステップST3のエッチングステップでは、制御ユニット22は、SF6ガス供給ユニット40を作動するとともに高周波電源42から電極47にプラズマを作り維持する高周波電力を印加して、SF6ガスをプラズマ化して、供給管46から下部電極28のチャックテーブル21上に保持されたウェーハ1に向けて噴出する。そして、制御ユニット22は、高周波電源42から下部電極28にイオンを引き込むための高周波電力を印加して、ウェーハ1の裏面7、切削溝301,302の内面及び切削溝300の底304をエッチングする。
また、プラズマエッチングステップST3の被膜堆積ステップでは、制御ユニット22は、C4F8ガス供給ユニット43を作動しC4F8ガスを高周波電源42から電極47に印加する高周波電力でプラズマ化して、供給管46から下部電極28のチャックテーブル21上に保持されたウェーハ1に向けて噴出する。そして、制御ユニット22は、高周波電源42から下部電極28にイオンを引き込むための高周波電力を印加して、ウェーハ1に被膜を堆積させる。
また、実施形態4に係るウェーハの加工方法は、プラズマエッチングステップST3において、実施形態1と同様に、制御ユニット22は、プラズマエッチングチャンバー25内で発生する反応光の光量を光センサー44を用いて測定し、光センサー44が検出した反応光の光量が予め定められて記憶した所定値400以下になると、プラズマエッチングステップST3を終了する。
実施形態4に係るウェーハの加工方法は、切削ステップST2において裏面7から分割予定ライン6に沿って切削溝300を形成した後、プラズマエッチングステップST3において裏面7側からプラズマエッチングするので、マスクを不要としたプラズマダイシングを実現することができる。その結果、ウェーハの加工方法は、実施形態1と同様に、コストを抑制しながらもウェーハ1にプラズマエッチングを行ってウェーハ1を個々のデバイス5に分割することができる。
また、実施形態4に係るウェーハの加工方法は、プラズマエッチングステップST3において、リモートプラズマ方式のエッチング装置20−4を用いるので、エッチング装置20−4ではプラズマ化したガスに混入するイオンが供給管46の内面に衝突してプラズマエッチングチャンバー25内の密閉空間27に到達することを抑制でききるので、より幅の狭い切削溝300であっても基板2をデバイス5毎に分割することができる。
なお、実施形態4に係るウェーハの加工方法は、実施形態3と同様に、予備研削ステップST10を実施しても良い。
なお、本発明は、上記実施形態に限定されるものではない。即ち、本発明の骨子を逸脱しない範囲で種々変形して実施することができる。例えば、本発明では、分割予定ライン6に形成される機能層4、金属膜及びTEGを切削ステップST2の前に、表面からレーザー光線を照射して、アブレーションで除去しても良い。また、本発明では、プラズマエッチングステップST3において、プラズマエッチングガスに樹脂で構成される機能層4をエッチングするために酸素ガスを混入しても良い。この場合、機能層切断ステップST4を実施することなく、切削溝300の底に残った機能層4を除去することができる。若しくは、本発明は、酸素ガスによって機能層4を部分的に除去し、径方向に拡張する外力を加える事で(具体的には、粘着テープ200を拡張する事で)部分的に除去された部分を破断起点に機能層4を引きちぎって分割しても良い。また、本発明は、ウェーハ1の裏面7に予め酸化被膜が形成されている場合、プラズマエッチングステップST3において、この酸化被膜をマスクとしてプラズマエッチングを行っても良い。また、本発明は、仕上げ研削ステップST6及び予備研削ステップST10の双方において、粗研削用砥石85を用いてウェーハ1の裏面7を粗研削した後に、仕上げ研削用砥石65でウェーハ1の裏面7を仕上げ研削しても良いし、ウェーハ1の裏面7を租研削のみしても良いし、ウェーハ1の裏面7を仕上げ研削のみしても良い。
1 ウェーハ
2 基板
3 表面
4 機能層
5 デバイス
6 分割予定ライン
7 裏面
12,12−1,12−2 切削ブレード
21 チャックテーブル
25 プラズマエッチングチャンバー
44 光センサー
51 レーザー光線
51−1 集光点
71 レーザー光線
100 仕上がり厚さ
200 粘着テープ(保護部材)
202 ダイアタッチフィルム
300 切削溝
304 底
ST1 保護部材配設ステップ
ST2 切削ステップ
ST3 プラズマエッチングステップ
ST4 機能層切断ステップ
ST6 仕上げ研削ステップ
ST7 ダイアタッチフィルム貼着ステップ
ST8 ダイアタッチフィルム分割ステップ
ST10 予備研削ステップ
2 基板
3 表面
4 機能層
5 デバイス
6 分割予定ライン
7 裏面
12,12−1,12−2 切削ブレード
21 チャックテーブル
25 プラズマエッチングチャンバー
44 光センサー
51 レーザー光線
51−1 集光点
71 レーザー光線
100 仕上がり厚さ
200 粘着テープ(保護部材)
202 ダイアタッチフィルム
300 切削溝
304 底
ST1 保護部材配設ステップ
ST2 切削ステップ
ST3 プラズマエッチングステップ
ST4 機能層切断ステップ
ST6 仕上げ研削ステップ
ST7 ダイアタッチフィルム貼着ステップ
ST8 ダイアタッチフィルム分割ステップ
ST10 予備研削ステップ
Claims (4)
- 基板の表面に機能層が積層され複数のデバイスが形成されたウェーハを、該複数のデバイスを区画する分割予定ラインに沿って分割するウェーハの加工方法であって、
該ウェーハの表面の該機能層側に保護部材を配設する保護部材配設ステップと、
該ウェーハの裏面に切削ブレードを切り込ませ、該機能層に至らない深さの切削溝を該分割予定ラインに沿って該基板に形成する切削ステップと、
プラズマエッチングチャンバー内のチャックテーブルで該保護部材側を保持した該ウェーハの裏面側にプラズマ化したガスを供給し、該切削溝の底に残存する基板をエッチングして除去し、該基板を該分割予定ラインに沿って分割するプラズマエッチングステップと、
該プラズマエッチングステップを実施した後に、ウェーハの裏面側からレーザー光線の集光点をエッチングした該切削溝の底に位置づけて照射し、該機能層を切断する機能層切断ステップと、を備え、
該プラズマエッチングステップでは、該プラズマエッチングチャンバー内で発生するプラズマ発光を検出する光センサーを用いて、該基板のエッチング進行状況を判定するウェーハの加工方法。 - 該プラズマエッチングステップの後に、ウェーハの裏面を研削してウェーハを仕上がり厚さにする仕上げ研削ステップを備える請求項1に記載のウェーハの加工方法。
- 該プラズマエッチングステップの前に、ウェーハの裏面を予め研削する予備研削ステップと、を備える請求項1または請求項2に記載のウェーハの加工方法。
- 該プラズマエッチングステップの後に、ウェーハの裏面にダイアタッチフィルムを貼着するダイアタッチフィルム貼着ステップと、
該切削溝に沿って該ダイアタッチフィルムにレーザー光線を照射してダイアタッチフィルムを分割するダイアタッチフィルム分割ステップと、を備える請求項1乃至請求項3のうちいずれか一項に記載のウェーハの加工方法。
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JP2018109643A JP2019212839A (ja) | 2018-06-07 | 2018-06-07 | ウェーハの加工方法 |
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Cited By (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
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-
2018
- 2018-06-07 JP JP2018109643A patent/JP2019212839A/ja active Pending
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