JP2019211121A - 空調システム - Google Patents

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Abstract

【課題】放射空調を行いつつ、対流空調により対象空間において空調効果を局所的にも調整し得る空調システムを提供する。【解決手段】調整空気3を送り出す空調機1と、対象空間Sに隣接し、空調機1から供給される調整空気3を送り込まれる給気チャンバCと、対象空間Sと給気チャンバCの間に設置されて調整空気3により冷却または加温され、対象空間Sに対して放射空調を行う温度調整パネルと、給気チャンバCに送り込まれた調整空気3を対象空間Sへ供給する吹出口9と、吹出口9に設置され、給気チャンバC内の調整空気3を対象空間Sへ送り出すファン9bと、対象空間S内の空気を給気チャンバCと別な面で対象空間Sに隣接し空調機内蔵ファンにより還気として空調機1へ戻す還気経路とを備える。【選択図】図1

Description

本発明は、放射式の空調と、対流式の空調とを併用する空調システムに関する。
従来、業務や商業用途の建物における居住者に対する保健空調として冷暖房を用いることがあり、このような冷暖房の空調システムとしては、空調機から供給される空調空気を対象空間に吹出口などから強制的に吹出して室内に流し、空調機と対象空間との間で空調空気を循環させて対象空間内の空気を調和する対流式の空調(対流空調)が主流である。換言すると、空調機で温調されて室内に吹出した給気と、室内熱負荷から熱が移動された室内空気との、流体として温度差による密度差によって渦流などの発生した運動などに伴い、給気から大部分の熱が対流熱伝達として室内空気へ移動されるのが対流空調である。一方、近年では、対象空間に面した天井パネル等を冷却あるいは加温し、熱の放射によって対象空間内の空調を行う放射式の空調(放射空調。輻射空調などとも呼ばれる)が登場してきている。こうした放射空調は、対流空調と比較して対象空間内における居住者に電磁波としての放射熱を気流に乗せず直接与えることで給気量,還気量を削減し空気の搬送動力を低減でき、また対象空間内の居住者に空調空気の気流が直接当たると感じるドラフト(長い間当たると不快に感じる強い気流)感を軽減できるといった特長があり、日本でもオフィスビル等に導入されつつある。
放射空調には、天井パネル等に冷水や温水といった熱媒を流すことにより前記天井パネルの冷却・加温を行う方式のものや、天井裏の空間に温度調整のための空気を送り込んで前記天井パネルの冷却・加温を行う方式のものがある。後者の方式の場合、天井裏の空間に送り込まれた空気が、前記天井パネルに開口した孔等を通って対象空間内に供給されるような構成が採用されることがあり、このようなシステムは、放射空調と対流空調の併用方式(放射・対流併用型の空調システム)と考えることができる。
下記特許文献1に記載されている空調制御システムは、こうした放射・対流併用型の空調システムに分類することができる。特許文献1の図1、図2に記載されたシステムにおいては、天井裏空間に空調機が設置され、該空調機から天井裏空間内に供給される温度調整空気により天井板が冷却され、空調対象室に対し放射式の空調を行うようになっている。
給気プレナムチャンバーとなっている天井裏空間内の温度調整空気は、前記天井板を冷却した後、多孔金属板として構成された前記天井板の孔から空調対象室に供給される。一部は放射熱として用いるために天井裏で天井板に対流伝熱したあと、前記天井板の孔から空調対象室に給気として供給され、給気は、残存する室内空気との温度差により対流熱伝達して空調対象室内の室内空気となる。空調対象室内の室内空気は、給気で増加した量分が、前記天井板に装備された還気口から還気ダクトを通じて前記空調機に戻り、再び温度調整空気として天井裏空間へ供給される。
特開2014−228241号公報
しかしながら、上述の如き放射空調式の空調システムにおいては、対象空間の上面の天井板からの放射熱により、天井板の温度が均一になれば室内における同平面積の冷却対象物への放射熱も均一に与えやすい反面、対象空間内で空調効果の要求に偏りが生じた場合に、これに対応しにくいというデメリットがある。例えば、対象空間内が概ね均一に空調されているような状態において、対象空間内にいる一部の人がより強い冷暖房効果を要求した場合、対流空調であれば、該当の領域に対する送風量を増加することで容易に対応できる。ところが、放射空調の場合、該当領域の上方に位置する天井パネルだけを局部的に冷却・加温するといったことは難しい。
これは、放射・対流併用型の空調システムにおいても同様である。例えば上記特許文献1に記載の如きシステムでは、放射空調に対流空調が併用されているといっても、空調対象室内に対しては前記天井板の前記孔から温度調整空気が漏れ出すようにして僅かずつ供給されるのみであり、温度調整空気を空調空気として積極的に空調対象室へ供給したり、その供給量を場所によって変更するような仕組みはないからである。
本発明は、斯かる実情に鑑み、放射空調を行いつつ、対流空調により対象空間において空調効果を局所的にも調整し得る空調システムを提供しようとするものである。
本発明は、調整空気を送り出す空調機と、対象空間に隣接し、前記空調機から供給される調整空気を送り込まれる給気チャンバと、対象空間と前記給気チャンバの間に設置されて調整空気により冷却または加温され、対象空間に対して放射空調を行う無孔の温度調整パネルと、前記給気チャンバに送り込まれた調整空気を対象空間へ供給する吹出口と、前記吹出口に設置され、前記給気チャンバ内の調整空気を対象空間へ送り出すファンと、対象空間内の空気を、前記給気チャンバと別な面で対象空間に隣接し空調機内蔵ファンにより還気として前記空調機へ戻す還気経路とを備えていることを特徴とする空調システムにかかるものである。
本発明は、調整空気を送り出す空調機と、対象空間に隣接し、前記空調機から供給される調整空気を送り込まれる給気チャンバと、対象空間と前記給気チャンバの間に設置されて調整空気により冷却または加温され、対象空間に対して放射空調を行う無孔の温度調整パネルと、前記給気チャンバに送り込まれた調整空気を対象空間へ供給する吹出口と、前記吹出口に設置され、前記給気チャンバ内の調整空気を対象空間へ送り出すファンと、対象空間内の空気を、前記給気チャンバと隔離されたダクトにより形成され空調機内蔵ファンにより還気として前記空調機へ戻す還気経路とを備えていることを特徴とする空調システムにかかるものである。
本発明の空調システムにおいて、前記ファンの動作は、各ファン毎に対象空間内から個別に制御可能に構成することができる。
本発明の空調システムは、前記給気チャンバと対象空間を連通し、少なくとも前記ファンが全数停止している時にも前記温度調整パネルに調整空気を接触させる気流を前記給気チャンバ内に形成する調圧口を備えることができる。
本発明の空調システムにおいて、前記温度調整パネルは、対象空間の天井に設置された天井パネルとし、前記給気チャンバは、前記天井の上方に位置する空間とすることができる。
本発明の空調システムにおいて、前記天井は、天井構造材により構成されるグリッドを備え、前記温度調整パネルは、前記天井構成材で形成されるグリッドで前記天井を多数に区分けされたグリッドごとに分割された複数の天井パネルからなり、前記吹出口は、対象空間に面する吹出部の上方に前記ファンを備えた吹出口ユニットとして構成し、該吹出口ユニットおよび前記天井パネルは、各々が一個の前記グリッド内に設置可能に構成することができる。
本発明の空調システムは、前記空調機に内蔵する冷水コイルまたは温水コイルまたは冷温水コイルの熱媒である水の流量を比例調整する流量制御弁と、前記還気経路に位置する還気温度計と、前記還気温度計の計測値と還気温度設定値との偏差に基づき制御信号を演算する温度調節計回路を備えた演算機とを備え、前記還気温度計の計測値と還気温度設定値との偏差に基づき演算した制御信号に応じて前記流量制御弁を制御することができる。
本発明の空調システムは、前記還気温度計を前記還気経路に複数設置し、前記演算機により複数の還気温度計の計測値を平均値演算処理して、その結果を前記流量制御弁の制御に用いることができる。
本発明の空調システムは、前記空調機内蔵ファンには空調機ファン風量可変機構を備え、対象空間内から居住者により個別に運転制御された前記吹出口ユニットのファンの台数や状態に応じて、前記空調機ファン風量可変機構の空調機内蔵ファンへの風量変化を決定することができる。
本発明の空調システムは、前記空調機と前記給気チャンバとの間の経路に、風速センサにより自己の風量を計測する仕組みを有する変風量ユニットを備え、前記空調機に内蔵するフィルタの目詰まり度合いが変化しても前記吹出口ユニット全数停止時に一定風量を前記給気チャンバへ送給でき、前記演算機は、前記変風量ユニットのダンパが所定の時間、所定の開度未満の開度を保持しているとき、前記空調機ファン風量可変機構に送風量を減じるよう制御信号を送ることができる。
本発明の空調システムは、前記ファンに、気流がインペラにより主にインペラ軸方向に通過し翼の揚力作用で昇圧する軸流ファンを用い、前記ファン停止時に前記給気チャンバ内が低圧でも対象空間への漏気流を許すことができる。
本発明の空調システムにおいて、前記ファンの動作は、電力線通信により制御することができる。
本発明の空調システムによれば、放射空調を行いつつ、対流空調により対象空間において空調効果を局所的にも調整し得るという優れた効果を奏し得る。
本発明の実施による空調システムの一例を示す概略図である。 本発明の実施例における給気ダクトや吹出口の配置を示す概略平面図である。 本発明の実施例における天井および吹出口の形態を示す分解斜視図である。 本発明の実施例における吹出口の形態を示す側面図であり、図3のIV−IV矢視相当図である。 本発明の実施例において天井に設置される格子パネルの形態を示す斜視図である。
以下、本発明の実施の形態を添付図面を参照して説明する。
図1、図2は本発明の実施による空調システムの形態の一例を示している。本実施例の空調システムにおいては、オフィスビルの部屋等である対象空間Sに向かい、対象空間S外の空調機1から給気ダクト2を通して調整空気3が送り出されるようになっている。空調機1には、還気を吸い込んで調整空気3として送り出す空調機内蔵ファン1bと、インバータなど空調機内蔵ファン1bの回転数を変えて送風量を変化させる空調機ファン風量可変機構1cと、空調機1に内蔵され、熱媒である水と間接的に還気と熱交換し調整空気3として温調する冷水コイルまたは温水コイルまたは冷温水コイルであるコイル1dと、当該コイル1dへ熱媒である水の流量を調整することで熱交換量を制御する流量制御弁1eと、空調機1の還気吸込口直後にあるフィルタ1fとが備わっている。給気ダクト2は、空調機1から延びるメインダクト4と、該メインダクト4から対象空間Sに向かって分岐する分岐ダクト5とを備えて構成されている。
対象空間Sの天井6は、対象空間Sに対して放射空調を行うための温度調整パネルとして機能する天井パネル7(図3参照)と、調整空気3を室内空気8として対象空間Sに供給する吹出口9を備えている。本実施例の場合、各吹出口9は後述するように吹出口ユニットとして構成されている。また、本実施例では、後述するファン9bが少なくとも全数停止している時にも、温度調整パネルとしての天井パネル7に調整空気3を接触させるように気流を給気チャンバC内に形成し、かつ給気チャンバC内の圧力を逃がすための調圧口10が設けられており、吹出口ユニット9のほか、調圧口10において給気チャンバCと対象空間Sとが連通されている。天井パネル7や吹出口ユニット9、調圧口10の構成や作動については後に詳述するが、これらの設備により、本実施例の空調システムでは放射空調に対流空調を併用するようになっている。すなわち、給気チャンバCに供給された調整空気3により天井パネル7が冷却・加温され、対象空間Sに対して放射空調を行うとともに、吹出口ユニット9から室内空気8として供給される調整空気3によって対流空調を行うのである。
天井6の上方の空間は給気チャンバCとして設定されており、該給気チャンバCは、天井6およびこれを構成する天井パネル7を介して対象空間Sと隣接している。なお、給気チャンバCを区画し天井パネル7と対向する面は屋根や上階床スラブや2重天井となっているが、この面は断熱されて熱が逃げないようになっている。給気チャンバCには、給気ダクト2の吐出側である分岐ダクト5の末端が接続され、空調機1から供給される調整空気3が送り込まれるようになっている。給気チャンバCに設定された天井6の上方の空間は、全体が給気圧に耐えられるよう設計されており、特に給気圧が掛かっても漏れが発生してはならない部位に関しては、調整空気3が給気チャンバCの外へ漏れ出ないようになっている。
分岐ダクト5には、対象空間Sの手前の位置に変風量ユニット11が備えられており、分岐ダクト5を通って給気チャンバCへ送り込まれる調整空気3の量を操作できるようになっている。変風量ユニット11は、VAV(Variable Air Volume)等と称される装置であり、風速センサ(図示せず)により自己の風量を計測する仕組みを備えたダンパユニットである。
図1に示す如く、対象空間Sにおける下方の位置(ここでは床下)には還気口12が設けられている。対象空間S内の室内空気8は、床13に開口した吸込口14を通って床下の空間に抜け、還気口12から還気ダクト15を通って還気16として空調機1へ戻されるようになっている。吸込口14から還気口12、還気ダクト15に至るまでは還気経路である。また、還気経路には、還気温度計18が最低限必要であるが、還気経路に、還気温度計18の代わりにあるいは追加して、複数の還気温度計19を設置してもよい。
天井6、およびこれを構成する天井パネル7、吹出口ユニット9、調圧口10の構成について説明する。本実施例の場合、天井6はグリッド式のシステム天井として構成されており、図3に示す如く、野縁である天井構造材6aを縦横に組んでグリッド6bを形成し、該グリッド6b毎に、天井パネル7やその他の天井設備機器を嵌め込むように設置できるようになっている。天井構造材6aは、例えばTバー等の名称でシステム天井用の部材として販売されている建築材であり、吊具6cにより上方から吊り下げられて天井下地を構成し、グリッド6bに設置された天井パネル7やその他の器具類ごと天井6全体を支持するようになっている。尚、グリッド6bに天井パネル7以外の器具類を設置する場合、該器具類の重量が十分に小さければ該器具類を天井構造材6aごと吊具6cにより支持すれば良いが、前記器具類の重量がある程度以上大きければ、該器具類を支持するため、該器具類を直接吊り下げる吊具等(図示せず)を別途備える必要がある。
天井パネル7は、四辺の寸法がちょうど一個のグリッド6bの四辺に一致するよう設計されたパネルであり、一個のグリッド6bにつき一枚の天井パネル7が、四辺を天井構造材6aに載置される形で設置される。
天井パネル7は、放射空調用の温度調整パネルとして作用するよう、熱伝導性の高い素材(例えば、鉄やアルミ等の金属)により構成されている。天井パネル7の表面のうち、少なくとも対象空間S側にあたる下面は平滑な光沢面ではなく、樹脂塗料等による塗装が施されており、表面の反射率を小さくすることで放射による熱の伝達が効率良く行われるようになっている。こうして、上下に隣接する給気チャンバCと対象空間Sの間に設置されかつグリッドごとに嵌合された複数の天井パネル7は、上面においては給気チャンバC内の調整空気3と接し、調整空気3と熱交換することで冷却または加温され、下面においては対象空間Sに対し放射空調を行うようになっている。
吹出口ユニット9は、各々が一個のグリッド6b内に設置可能に構成されており、吹出部9aの上方にファン9bを備えた吹出口ユニット9の全体を天井構造材6aに支持できるようになっている。具体的には、図3、図4に示す如く、箱型の筐体9cの上下に開口を設け、上部の開口にファン9bを設置すると共に、対象空間Sに面する下部の開口には気流の整流機能を有する吹出部9aを備えており、給気チャンバC内の調整空気3(図1参照)を筐体9cの上方からファン9bにより引き込み、吹出部9aから下方の対象空間Sへ送り出すようになっている。吹出部9aは、例えばアネモスタット(登録商標)やディフューザー等と呼称される複数枚の羽根を備えた配風用の部材で構成された制気口である。ここで、ファン9bは、気流がインペラにより主にインペラ軸方向に通過し翼の揚力作用で昇圧する軸流ファンを用いることが好ましい。
本実施例では、吹出口ユニット9をその他の天井設備機器である一対の照明器具6dと共にグリッド6b内に設置するようにしている。照明器具6dは、長辺の寸法がグリッド6bの一辺に合致しており、一対の照明器具6dが、一個のグリッド6bの向かい合う二辺にそれぞれ沿うように配置される。各照明器具6dは、吹出口ユニット9に接する辺以外の三辺を、グリッド6bを構成する天井構造材6aに支持される。
一方、吹出口ユニット9は、下面の短辺の寸法がグリッド6bの一辺と、照明器具6dの短辺の2倍との差に合致するように設計されており、一個のグリッド6b内に支持された一対の照明器具6dの間に吹出口ユニット9を配置することができる。ここで、照明器具6dの吹出口ユニット9に接する辺には、下面に吹出口ユニット9側へ張り出す板状の張出部6eを備えている。張出部6eは、吹出口ユニット9の長辺に沿い、該長辺に直交する2本の天井構造材6a同士の間に張り渡すように配置される。2台の照明器具6dに挟まれた吹出口ユニット9は、下面の2つの長辺を両側の照明器具6dの張出部6eに載置される形で、グリッド6b内に支持される。
吹出口ユニット9の寸法は、要求される吹出し風量によって異なる。ここに示した例では、吹出口ユニット9の下面は、長辺の寸法がグリッド6bの一辺より小さくなっており、このため、グリッド6bに照明器具6dと吹出口ユニット9を設置すると吹出口ユニット9の両脇に隙間が生じる。このような隙間は、例えば図3に示す如き設備パネル6fを嵌め込んで埋めることができる。尚、吹出口ユニット9をグリッド6bに設置するにあたり、採用し得る構成はここで説明した例に限定されない。例えば、吹出口ユニット9の割り当て吹出し風量によっては、吹出口ユニット9の下面を長辺の寸法がグリッド6bの一辺と一致する設計とする場合があるが、その場合、設備パネル6fは省略することができる。また、照明器具6dを介さず、吹出口ユニット9を直接天井構造材6aに支持するようにしても良い。また、照明器具6dの代わりに別の設備パネルを設置しても良い。吹出口ユニット9をグリッド6bに好適に支持することができる限りにおいて、吹出口ユニット9やその周辺の構成は適宜変更し得る。
このように、放射空調と対流空調を併用する本実施例の空調システムにおいては、吹出口ユニット9が対流空調を担っている。その際、天井6を介して対象空間Sと隣接する空間(天井裏の空間)が給気チャンバCとなっており、給気チャンバCから吹出口ユニット9を通じて調整空気3が供給される。このような方式では、個別の吹出口ユニット9に対しては給気用のダクトを接続する必要がないので、吹出口ユニット9の重量を小さく抑えることができる。筐体9cを例えばグラスウールやロックウール等、軽量の部材により構成すれば、吹出口ユニット9に関し別途吊具等を設けなくとも、天井構造材6aを支える吊具6cだけで十分に吹出口ユニット9を天井構造材6aごと支持することが可能である。また、放射空調と対流空調を併用する本実施例の空調システムにおいて、基本的に所定の枚数の天井パネルごとをモジュールとし、モジュールごとに吹出口ユニット9が設置されるので、吹出口ユニット9のファン停止時もファンインペラの隙間から調整空気3が漏気として給気チャンバから対象空間へ出てくることになり、放射空調の給気チャンバ内を熱媒として流れる調整空気3が分散して流れ、気体である調整空気と固体である全数の天井パネル7との熱伝達がよく進む。
また、図1、図2に示す如く、天井6の所定位置には調圧口10が設けられている。これは、後述するファン9bが少なくとも全数停止している時にも温度調整パネルとしての天井パネル7に調整空気3を接触させるように気流を給気チャンバC内に形成し、かつ給気チャンバC内の圧力を必要に応じて対象空間S内に逃がすための構成である。
上述の如き放射式と対流式の併用による空調システムにおいては、温度調整パネルである天井パネル7を冷却・加温するために、ある程度の量の調整空気3を給気チャンバCに流す必要がある。この際の空気の循環は、空調機1の空調機内蔵ファン1bの空調機ファン風量可変機構1cにより絞り込んだ最低送風量を、変風量ユニット11の風速センサによる空調機内臓フィルタの閉塞分も加味した開度によって確保しながら、各吹出口ユニット9に備えたファン9bからの漏気流の合計により空気の流れを維持し、あるいはそれに調圧口10により逃がされる風量を加えて、少なくとも天井パネル7を適切に冷却・加温するのに必要な風量の調整空気3が、変風量ユニット11から供給される。
ここで、吹出口ユニット9の作動状況によっては、対象空間の居住者から個別に各吹出口ユニット9のうち任意の吹出口ユニット9が起動、または弱または強の風量を選択されて、最低送風量より風量の合計が増加する場合がある。その際は図示しない吹出口ユニット9の動力制御盤などから、各吹出口ユニット9の運転状態を信号として取り出して、演算機である制御装置17に送り、制御装置17内で吹出口ユニット9の増加総風量を演算し、その増加分に見合うよう段階的、あるいは比例的に空調機ファン風量可変機構1cに風量増加の信号を送信して、空調機内蔵ファンの風量を増加させる。よって、そのような場合にも最低送風量よりも少なくなることにならず、調圧口10から調整空気3を対象空間S側へ所定量を逃がすことで、温度調整パネルである天井パネル7の大部分に熱媒である調整空気を接触させ、熱伝達を良好に保つことができる。
天井6のうち、調圧口10として設定される部分には、例えば図5に示す如き格子パネル10aが備えられる。格子パネル10aは、天井構造材6aにより構成されるグリッド6b(図3参照)に合わせて寸法を設定された方形のパネルであり、複数の帯状の部材をそれぞれが鉛直面をなすよう、縦横に組み合わせて構成される(尚、図5では、格子パネル10aを構成する格子は隅の一部のみを図示している)。このような格子パネル10aを、天井6のうち一部のグリッド6bにおいて天井パネル7の代わりに設置することで、給気チャンバCと対象空間Sとを連通する調圧口10が設定される。
尚、調圧口10においては、近傍の対象空間S内における要求風量等とは無関係に、給気チャンバCと対象空間Sとの圧力差に応じて調整空気3が吹き出すので、対象空間Sにおける調圧口10の近傍の領域は、あまり厳密な(あるいは柔軟な)空調が要求される用途には向かない。例えば対象空間Sがオフィスビルの一室等である場合には、空調機1の給気ダクト2の分岐ダクト5からなるだけ遠い箇所の、利用頻度の低い書棚等を配置すると良い。
また、調圧口10は、吹出口ユニット9の構成や作動状況によっては設置が不要な場合もあり得る。例えば、各吹出口ユニット9のうち、空調機1の給気ダクト2の分岐ダクト5からなるだけ遠い箇所において所定のいくつかの吹出口ユニット9のファン9bを常時所定の最小風量、例えば弱などで運転することで、調圧口10がなくとも放射空調のための最低限の空気の循環は確保されるようにすることができる。吹き出し口ユニット9の漏気や、所定のいくつかのファン9bの最低風量運転による風量だけでは、温度調整パネルとしての全天井パネル7に対して熱媒である調整空気との熱伝達が不足する可能性が考えられる場合に、調圧口10を天井6に設置すれば良い。
このような本実施例の空調システムの運転は、制御装置17により制御される(図1参照)。制御装置17は、空調システム各所の状態(例えば、空気の温度や風量、機器の作動状況等)の信号を入力して演算し、操作器である空調機内蔵ファン1bの空調機ファン風量可変機構1c、流量制御弁1e、変風量ユニット11、ファン9bを制御する装置で、外部の監視装置に監視情報を出力してもよいものである。
還気ダクト15の途中には還気温度センサ18が設置されており、還気16の温度を計測するようになっている。検出された温度値は、温度信号18aとして制御装置17の温度調整回路に入力される。
前記温度調整回路では、対象空間Sにおける熱負荷を処理して戻ってくる還気温度は、対象空間Sの設定温度に準じており、この還気温度が設定還気温度に維持されていれば給気による熱処理がうまくいっているので、還気温度として検出された温度値と、還気設定温度との偏差に基づいて演算された制御信号を、コイル1dの流量制御弁1eへ送って熱交換量を制御すればよい。これにより、給気温度は熱負荷に応じて熱交換の結果決まり、給気ダクトの分岐ダクト5に設置された変風量ユニット11を介して、負荷に応じた給気温度になった調整空気3が送風される。例えば、冷房時に温度信号18aの検出値が設定値よりも高い場合には、コイル1dによる熱交換量が流量制御弁1eを開けることで増加させた結果調整空気3の給気温度が下がり、それにより天井パネル7の温度を下げるようにする。また、温度信号18aの検出値が設定値よりも低い場合には調整空気3の給気温度を上げる調整を行い、天井パネル7の温度を上げるようにする。
あるいは、図1に一点鎖線にて示す如く、還気16の流通する床下の適宜位置にそれぞれ還気温度センサ19を備え、それぞれの位置で室内熱負荷を処理した後の還気温度を計測し、温度信号19aを制御装置17に入力するようにしても良い。この場合、各還気温度センサ19の計測値に基づく計測信号を制御装置17に入力し、制御装置17の還気温度調整回路では、例えば、各位置における計測値を平均した平均値、あるいは、最高または最低温度値などの演算値に応じて、調整空気3の温度を調整すれば良い。
さらに、本実施例の場合、吹出口ユニット9のファン9bは、オンオフといった動作や、強、弱といった送風状態を、室内である対象空間S側からファン9b毎に個別に制御できるようになっている。すなわち、ファン9bの動作は、室内である対象空間Sの各位置に設置される操作装置20から、操作装置20の一つにひとつ割り当てられるファン9bの動作や送風状態を操作し、その信号を吹出口ユニット動力制御盤(図示せず)から、制御線を通じてファン9bの動作風量切替回路へ送信して動作制御する。あるいは、吹出口ユニット動力制御盤回路が制御装置17に内蔵されている場合、室内である対象空間Sの各位置に設置される操作装置20から、操作装置20の一つにひとつ割り当てられるファン9bの動作や送風状態を操作し、その信号を制御装置17に入力した後、演算されて出力される制御信号9dにより、ファン9bの運転動作や送風状態を個別に制御されるようになっている。この際、ファン9bの動作は、例えば1台のファン9b毎に1台の操作装置20を紐付け、特定の吹出口ユニット9におけるファン9bの動作を特定の操作装置20により操作するようにしても良いし、また例えば、1台の操作装置20により複数あるいは対象空間Sにおける全ての吹出口ユニット9におけるファン9bの動作を操作するようにしても良い。
操作装置20としては、一般的なファンコイルや換気扇に使用されるようなコントローラを設けても良いし、例えば対象空間S内の在室者に割り当てられたPCやスマートフォン、タブレットのような情報端末装置を利用することもできる。
ここで、図1では制御装置17として1つのブロックを図示しているが、実際の空調システムにおいては、制御装置17を例えば空調機1の制御を行う制御装置と、ファン9bの制御を行う制御装置とに分けて備えても良い。また、操作装置20として情報端末装置を利用する場合、操作信号20aの入力はネットワークを介して行うようにしても良い。各種の通信に、図示しない中継機や子機等を用いることもできる。ここに説明するような各機器の動作や制御を好適に行える限りにおいて、制御系統に係る実機の構成は適宜変更して良い。
吹出口ユニット9に対する制御信号9dの入力は、無線あるいは有線のいずれの方式を用いて行っても良く、種々の方式を採用し得るが、特に好適には、吹出口ユニット9に電力を供給するための図示しない電源ラインを介した電力線通信によって行うことができる。電力線通信は、吹出口ユニット9のファン9bに供給される交流電源(一般的なAC100V等を利用できる)に信号を重畳させて通信する技術であり、装置としては、ファンモータを制御し運転するファンコントローラ部、信号を処理する電力線通信ユニット、通信データを絶縁するブロッキングフィルタ(同一電源系統に接続される他の機器に影響を及ぼさないよう設置される)、電力線通信インターフェース、といった機器類を備えている。重畳する信号に低い周波数帯域(100〜400kHz程度)を利用すると、伝送速度をある程度速くすることができ、他の電子精密機器から漏洩する電波の影響も少なく、電力の波形ともうまく重畳できるうえ、信号(制御信号9d)の分離もしやすい。
このようにすると、無線通信用の装置を吹出口ユニット9に別途設ける必要がなく、また、電源ライン以外に通信用の配線等を設置する必要もないので、吹出口ユニット9の構成や、吹出口ユニット9や制御装置17の間の配線構成を簡素なものとすることができ、後述するように吹出口ユニット9の配置上の自由度の確保にも資する。
こうして、制御装置17では、操作装置20から入力される操作信号20aに応じ、吹出口ユニット9のファン9bを操作できるようになっている。また、吹出口ユニット9における風量の合計に応じ、上流側の変風量ユニット11における供給風量も制御信号11aにより適宜調整される。
このように、本実施例の空調システムにおいては、温度調整パネルである天井パネル7で放射空調を実行しつつ、天井6に設置された吹出口ユニット9で対流空調をも行うようになっている。その際、各吹出口ユニット9の風量を個別に操作することができるので、例えば対象空間S内の一部の人がドラフト感を伴う強い空調を要求したり、あるいは対象空間Sの一部に排熱の大きい機器が設置されている等、他に比べて特に強い空調効果を求められる領域がある場合には、対象空間S内の状況に合わせ、特定の領域に対し局所的な風量操作を行う(例えば、近傍の吹出口ユニット9から調整空気3を多めの風量で供給する)といった対応が可能である。
また、本実施例の場合、対流空調を担う吹出口は、上述の如く天井6のグリッド6bに設置される各吹出口ユニット9として構成されている。これらの吹出口ユニット9は、個別のダクト等は接続されず、また電力線通信を使って制御するので、配線も電力線のみであり、個々が軽量且つ独立性の高い構成となっている。よって、対象空間S内におけるレイアウトの変更等により空調効果の要求の分布が変動するような場合には、室内の操作装置20により動作を切り替えたりして対応でき、さらに分布変動が大きい場合、グリッドに載置して各吹出口ユニット9を配置しているので、天井6における吹出口ユニット9の配置を自由に変更することができる。
すなわち、吹出口ユニット9や調圧口10の配置を変更しようとすれば、工事の手順としては、天井6におけるそれらの位置を動かすだけで済む。しかも、上述の如く十分に軽量な吹出口ユニット9であれば、該吹出口ユニット9を支持するにあたって吊具6c(図3参照)以外に別途吊具等を用いなくとも良いため、例えば単に吹出口ユニット9と天井パネル7の位置を入れ替えるだけで配置の変更が完了する。
また、上述の如く吹出口ユニット9への制御信号9dの入力に電力線通信を採用すれば、吹出口ユニット9に付随する配線類は電源ケーブルのみであるので、吹出口ユニット9を増設したり、位置を変更するにあたり、配線による制限を小さくすることができる。すなわち、吹出口ユニット9の配置の設計や変更にあたっては複雑な配線を行う必要がなく、最低限の手間で済む。
こうして、本実施例の空調システムは、対象空間の区画面の温度調整パネルからの放射熱により、温度調整パネル温度が均一になれば室内における同平面積の冷却対象物への放射熱も均一に与えやすいという利点を備えつつ、対象空間Sにおける空調効果の要求の変動に対しては対流空調を担う吹出口ユニット9の風量の変更により柔軟に対応することができ、例えば、対象空間S内において空調効果の偏りが要求される場合には一部の吹出口ユニット9における風量を変更するといった形で要求に応じることができる。しかも、吹出口ユニット9の配置も簡便に変更することができるのである。
また、制御装置17は、前記温度調整回路(図示せず)のほかに、空調機1に内蔵されるフィルタ1fの経年目詰まりによっても、放射空調に重要な熱媒である調整空気量を減らさない変風量ユニット11の制御を備え、さらに、多数の吹出口ユニット9に対して居住者の任意の動作や送風状態の変更にも、放射空調と対流空調とを十分に満たす調整空気の風量を確保する空調機ファン風量制御回路(図示せず)を備えている。
上述の如く各ファン9bにおける風量の合計を変数の一つとして空調機ファン風量可変機構の送風量を段階的あるいは比例制御的に変化させるのが基本だが、経年により空調機1内のフィルタ1fの目詰まりにより、末端のファン9bの合計風量と、それに応じて設定される空調機ファン風量可変機構の回転数設定値とはずれが生じる可能性がある。そのため、自身風速センサを有する変風量ユニット11の出力制御信号を利用して、空調機ファン風量可変機構の送風量について、フィルタ1fの目詰まりの補正を変風量ユニット11の要求風量信号により補正する制御を行う。また、本実施例の空調システムでは、放射空調のために天井パネル7が適切に冷却あるいは加温されるよう、基本的には上述の如く調整空気3の温度が調整される。
以上のように、上記本実施例の空調システムは、調整空気3を送り出す空調機1と、対象空間Sに隣接し、空調機1から供給される調整空気3を送り込まれる給気チャンバCと、対象空間Sと給気チャンバCの間に設置されて調整空気3により冷却または加温され、対象空間Sに対して放射空調を行う無孔の温度調整パネル7と、給気チャンバCに送り込まれた調整空気3を対象空間Sへ供給する吹出口9と、吹出口9に設置され、前記給気チャンバC内の調整空気3を対象空間Sへ送り出すファン9bと、対象空間S内の空気を給気チャンバCと別な面で対象空間Sに隣接し、空調機内蔵ファン1bにより還気16を空調機1への戻す還気経路とを備えている。こうすることにより、対象空間S区画面の温度調整パネルからの放射熱により、温度調整パネル7の温度が均一になれば室内における同平面積の冷却対象物への放射熱も均一に与えやすいという放射式の空調システムの利点を備えつつ、対流空調を担う吹出口9の風量の変更により、対象空間Sにおける空調効果の要求の変動に対して柔軟に対応することができる。
また、上記本実施例の空調システムは、調整空気3を送り出す空調機1と、対象空間Sに隣接し、空調機1から供給される調整空気3を送り込まれる給気チャンバCと、対象空間Sと給気チャンバCの間に設置されて調整空気3により冷却または加温され、対象空間Sに対して放射空調を行う無孔の温度調整パネル7と、給気チャンバCに送り込まれた調整空気3を対象空間Sへ供給する吹出口9と、吹出口9に設置され、前記給気チャンバC内の調整空気3を対象空間Sへ送り出すファン9bと、対象空間S内の空気を給気チャンバCと隔離されたダクトにより形成され空調機内蔵ファン1bにより還気を空調機1へ戻す還気経路とを備えている。この給気チャンバCと隔離されたダクトである還気経路は断熱されていることが好ましい。こうすることにより、対象空間S区画面の温度調整パネルからの放射熱により、温度調整パネル7の温度が均一になれば室内における同平面積の冷却対象物への放射熱も均一に与えやすいという放射式の空調システムの利点を備えつつ、対流空調を担う吹出口9の風量の変更により、対象空間Sにおける空調効果の要求の変動に対して柔軟に対応することができる。
本実施例において、ファン9bの動作は、各ファン9b毎に対象空間S内から個別に制御可能に構成されているので、対象空間S内の状況に合わせた局所的な風量操作が可能である。
本実施例は、給気チャンバCと対象空間Sを連通し、少なくとも前記ファンが全数停止している時にも前記温度調整パネルに調整空気を接触させる気流を前記給気チャンバ内に形成する調圧口10を備えているので、給気チャンバC内の圧力を必要に応じて対象空間S内に逃がしつつ、調圧口10から調整空気3を対象空間S側へ所定量を逃がすことで、温度調整パネルである天井パネル7の大部分に熱媒である調整空気を接触させ、熱伝達を良好に保つことができる。
本実施例において、温度調整パネル7は、対象空間Sの天井6に設置された天井パネルであり、給気チャンバCは、天井6の上方に位置する空間である。
本実施例において、天井6は、天井構造材6aにより構成されるグリッド6bを備え、温度調整パネルは、天井構造材6aで形成されるグリッド6bで天井6を多数に区分けされたグリッド6bごとに分割された複数の天井パネル7からなり、吹出口9は、対象空間Sに面する吹出部9aの上方にファン9bを備えた吹出口ユニットとして構成され、該吹出口ユニット9および天井パネル7は、各々が一個のグリッド6b内に設置可能に構成されているので、吹出口ユニット9と天井パネル7の位置を入れ替えるといった作業だけで、天井6におけるそれらの配置を簡便に変更することができる。
本実施例は、吹出口ユニット9のファン9b毎に紐付けられ、該ファン9bの動作を個別に制御可能な操作装置20を備えることができる。
本実施例は、空調機1に内蔵する冷水コイルまたは温水コイルまたは冷温水コイル1dの熱媒である水の流量を比例調整する流量制御弁1eと、還気経路に還気温度センサ18と、還気温度センサ18の計測値と還気温度設定値との偏差に基づき制御信号を演算する温度調節計回路を備えた制御装置17とを備え、還気温度センサ18の計測値と還気温度設定値との偏差に基づき演算した制御信号1gに応じて流量制御弁1eを制御することができるので、空調機1からの送風量によらず、室内負荷の処理熱量を調整空気に持たせることができる。
本実施例は、還気温度センサ19を還気経路に複数設置し、制御装置17により複数の還気温度計の計測値を平均値演算処理して、その結果を流量制御弁1eの制御に用いることができるので、対象空間の熱負荷を正確に拾うことができる。
本実施例は、空調機内蔵ファン1bには空調機ファン風量可変機構1cを備え、対象空間S内から居住者により個別に運転制御された吹出口ユニット9のファン9bの台数や状態に応じて、空調機ファン風量可変機構1cの空調機内蔵ファン1bへの風量変化を決定することができるので、対象空間S内の任意の居住者が任意にファン9bを運転状態変化させても、放射空調と対流空調の破綻を招くことなく、局所のドラフトを確保できる。
本実施例は、空調機1と給気チャンバCとの間の経路(分岐ダクト5)に、風速センサにより自己の風量を計測する仕組みを有する変風量ユニット11を備え、空調機1に内蔵するフィルタ1fの目詰まり度合いが変化しても吹出口ユニット9全数停止時に一定風量を給気チャンバCへ送給でき、制御装置17は、変風量ユニット11のダンパが所定の時間、所定の開度未満の開度を保持しているとき、空調機ファン風量可変機構1cに送風量を減じるよう制御信号を送ることができるので、経年変化による給気風量減を起こさずにすむ。
本実施例は、ファン9bに、気流がインペラにより主にインペラ軸方向に通過し翼の揚力作用で昇圧する軸流ファンを用い、ファン停止時に給気チャンバC内が低圧でも対象空間Sへの漏気流を許すことができるので、所定のモジュールごとに分散設置されているファン9bからの漏気流により、放射空調に必要な、熱媒である調整空気3と無孔の温度調整パネル7との間の熱伝達がどの部分の天井パネル7でも有効となる。
したがって、上記本実施例によれば、放射空調を行いつつ、対流空調により対象空間において空調効果を局所的にも調整し得る。
尚、本発明の空調システムは、上述の実施例にのみ限定されるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲内において種々変更を加え得ることは勿論である。
1 空調機
1b 空調機内蔵ファン
1c 空調機ファン風量可変機構
1d コイル
1e 流量制御弁
1f フィルタ
3 調整空気
6 天井
6a 天井構造材
6b グリッド
7 温度調整パネル(天井パネル)
9 吹出口(吹出口ユニット)
9a 吹出部
9b ファン
10 調圧口
11 変風量ユニット
18 環気温度計
19 環気温度計
C 給気チャンバ
S 対象空間

Claims (12)

  1. 調整空気を送り出す空調機と、
    対象空間に隣接し、前記空調機から供給される調整空気を送り込まれる給気チャンバと、
    対象空間と前記給気チャンバの間に設置されて調整空気により冷却または加温され、対象空間に対して放射空調を行う無孔の温度調整パネルと、
    前記給気チャンバに送り込まれた調整空気を対象空間へ供給する吹出口と、
    前記吹出口に設置され、前記給気チャンバ内の調整空気を対象空間へ送り出すファンと、
    対象空間内の空気を、前記給気チャンバと別な面で対象空間に隣接し空調機内蔵ファンにより還気として前記空調機へ戻す還気経路と
    を備えていることを特徴とする空調システム。
  2. 調整空気を送り出す空調機と、
    対象空間に隣接し、前記空調機から供給される調整空気を送り込まれる給気チャンバと、
    対象空間と前記給気チャンバの間に設置されて調整空気により冷却または加温され、対象空間に対して放射空調を行う無孔の温度調整パネルと、
    前記給気チャンバに送り込まれた調整空気を対象空間へ供給する吹出口と、
    前記吹出口に設置され、前記給気チャンバ内の調整空気を対象空間へ送り出すファンと、
    対象空間内の空気を、前記給気チャンバと隔離されたダクトにより形成され空調機内蔵ファンにより還気として前記空調機へ戻す還気経路と
    を備えていることを特徴とする空調システム。
  3. 前記ファンの動作は、各ファン毎に対象空間内から個別に制御可能に構成されて
    いることを特徴とする請求項1または2に記載の空調システム。
  4. 前記給気チャンバと対象空間を連通し、
    少なくとも前記ファンが全数停止している時にも前記温度調整パネルに調整空気を接触させる気流を前記給気チャンバ内に形成する調圧口
    を備えていることを特徴とする請求項1〜3のいずれか一項に記載の空調システム。
  5. 前記温度調整パネルは、対象空間の天井に設置された天井パネルであり、
    前記給気チャンバは、前記天井の上方に位置する空間であること
    を特徴とする請求項1〜4のいずれか一項に記載の空調システム。
  6. 前記天井は、天井構造材により構成されるグリッドを備え、
    前記温度調整パネルは、前記天井構造材で形成されるグリッドで前記天井を多数に区分けされたグリッドごとに分割された複数の天井パネルからなり、
    前記吹出口は、対象空間に面する吹出部の上方に前記ファンを備えた吹出口ユニットとして構成され、
    該吹出口ユニットおよび前記天井パネルは、各々が一個の前記グリッド内に設置可能に構成されていること
    を特徴とする請求項5に記載の空調システム。
  7. 前記空調機に内蔵する冷水コイルまたは温水コイルまたは冷温水コイルの熱媒である水の流量を比例調整する流量制御弁と、
    前記還気経路に位置する還気温度計と、
    前記還気温度計の計測値と還気温度設定値との偏差に基づき制御信号を演算する温度調節計回路を備えた演算機と
    を備え、
    前記還気温度計の計測値と還気温度設定値との偏差に基づき演算した制御信号に応じて前記流量制御弁を制御すること
    を特徴とする請求項1〜6のいずれか一項に記載の空調システム。
  8. 前記還気温度計を前記還気経路に複数設置し、
    前記演算機により複数の還気温度計の計測値を平均値演算処理して、その結果を前記流量制御弁の制御に用いること
    を特徴とする請求項7に記載の空調システム。
  9. 前記空調機内蔵ファンには空調機ファン風量可変機構を備え、
    対象空間内から居住者により個別に運転制御された前記吹出口ユニットのファンの台数や状態に応じて、前記空調機ファン風量可変機構の空調機内蔵ファンへの風量変化を決定すること
    を特徴とする請求項1〜8のいずれか一項に記載の空調システム。
  10. 前記空調機と前記給気チャンバとの間の経路に、風速センサにより自己の風量を計測する仕組みを有する変風量ユニットを備え、
    前記空調機に内蔵するフィルタの目詰まり度合いが変化しても前記吹出口ユニット全数停止時に一定風量を前記給気チャンバへ送給でき、
    前記演算機は、前記変風量ユニットのダンパが所定の時間、所定の開度未満の開度を保持しているとき、前記空調機ファン風量可変機構に送風量を減じるよう制御信号を送ること
    を特徴する請求項1〜9のいずれか一項に記載の空調システム。
  11. 前記ファンに、気流がインペラにより主にインペラ軸方向に通過し翼の揚力作用で昇圧する軸流ファンを用い、
    前記ファン停止時に前記給気チャンバ内が低圧でも対象空間への漏気流を許すこと
    を特徴とする請求項1〜10のいずれか一項に記載の空調システム。
  12. 前記ファンの動作は、電力線通信により制御されることを特徴とする請求項1〜11のいずれか一項に記載の空調システム。
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