JP2019210401A - 部材、流体分離装置、及び、組成物 - Google Patents

部材、流体分離装置、及び、組成物 Download PDF

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Abstract

【課題】より簡易な方法で製造でき、かつ、流体分離膜に適用可能な部材、流体分離装置及び組成物を提供する。【解決手段】硬化性シリコーンゴム成分と、充填材と、を含有する組成物を硬化させて得られる部材であって、充填材は、核部と、核部から異なる4軸方向に伸びた針状部と、を有する立体形状を有し、組成物中における、硬化性シリコーンゴム成分と充填材の含有量の合計に対する、充填材の含有量の含有質量比rが0.70以上である、部材。【選択図】なし

Description

本発明は、部材、流体分離装置、及び、組成物に関する。
2種以上の流体の混合物から、その一方の流体(気体成分又は液体成分)を分離するために、流体を選択的に透過させる部材(分離膜)を利用する方法が知られている。
上記のような技術として、特許文献1には、「気体の通過は許容し、かつ液体の通過は毛管力により阻止する複数の通気孔が形成された気液分離膜において、前記複数の通気孔は、レーザー加工によって、互いに独立しかつ均一な孔径に形成されたことを特徴とする気液分離膜。」が記載されている。
特開2003−088733号公報
上記気体分離膜は、膜に配置された複数の通気孔をレーザー加工により形成したものであり、その製造工程は煩雑であり、その上、微細加工の技術を必要とし、かつ、製造には大掛かりな装置を必要とする点に問題があった。
そこで、本発明は、より簡易な方法で製造でき、かつ、流体分離膜に適用可能な部材を提供することを課題とする。また、本発明は、流体分離装置、及び、組成物を提供することも課題とする。
本発明者らは、上記課題を達成すべく鋭意検討した結果、以下の構成により上記課題を達成することができることを見出した。
[1] 硬化性シリコーンゴム成分と、充填材と、を含有する組成物を硬化させて得られる部材であって、上記充填材は、核部と、上記核部から異なる4軸方向に伸びた針状部と、を有する立体形状を有し、上記組成物中における、上記硬化性シリコーンゴム成分と上記充填材の含有量の合計に対する、上記充填材の含有量の含有質量比rが0.70以上である、部材。
[2] 上記硬化性シリコーンゴム成分が、ケイ素原子に結合した加水分解性基を有するオルガノポリシロキサンを含有する、[1]に記載の部材。
[3] 上記rが0.80以上である、[1]又は[2]に記載の部材。
[4] 少なくとも2種以上の流体を含有する混合物から、上記流体の一方を分離するための分離膜に用いられる、[1]〜[3]のいずれかに記載の部材。
[5] [1]〜[4]のいずれかに記載の部材を備える分離膜と、上記分離膜により隔てられた導入部、及び、取り出し部を備え、上記導入部には、少なくとも2種以上の流体を含有する混合物が導入され、上記取り出し部から、上記分離膜によって上記混合物から分離された上記流体の一方が取り出される、流体分離装置。
[6] 硬化性シリコーンゴム成分と、充填材と、を含有する組成物であって、上記充填材は、核部と、上記核部から異なる4軸方向に伸びた針状部と、を有する立体形状を有し、上記組成物中における、上記硬化性シリコーンゴム成分と上記充填材の含有量の合計に対する、前記充填材の含有量の含有質量比rが0.70以上である、組成物。
本発明によれば、より簡易な方法で製造でき、かつ、流体分離膜に適用可能な部材を提供できる。また、本発明によれば、流体分離装置、及び、組成物も提供できる。
本発明の実施形態に係る流体分離装置の第1実施形態を示す模式図である。 本発明の実施形態に係る流体分離装置の第2実施形態を示す模式図である。 部材の水接触角の測定結果である。 部材のガス透過性の確認に係る実験方法を説明する説明図である。 r=0.20の部材に係る水銀圧入法による測定結果であり、細孔径に対する細孔体積の関係を表す図である。 r=0.30の部材に係る水銀圧入法による測定結果であり、細孔径に対する細孔体積の関係を表す図である。 r=0.40の部材に係る水銀圧入法による測定結果であり、細孔径に対する細孔体積の関係を表す図である。 r=0.50の部材に係る水銀圧入法による測定結果であり、細孔径に対する細孔体積の関係を表す図である。 r=0.60の部材に係る水銀圧入法による測定結果であり、細孔径に対する細孔体積の関係を表す図である。 r=0.70の部材に係る水銀圧入法による測定結果であり、細孔径に対する細孔体積の関係を表す図である。 r=0.80の部材に係る水銀圧入法による測定結果であり、細孔径に対する細孔体積の関係を表す図である。 r=0.90の部材に係る水銀圧入法による測定結果であり、細孔径に対する細孔体積の関係を表す図である。 r=0.20〜0.90の各部材に係る水銀圧入法による測定結果であり、細孔径に対する細孔体積の関係をまとめた図である。 部材のrに対する細孔のモード径の関係を表す図である。 r=0.20の部材に係る水銀圧入法による測定結果であり、細孔径に対する累積細孔体積の関係を表す図である。 r=0.30の部材に係る水銀圧入法による測定結果であり、細孔径に対する累積細孔体積の関係を表す図である。 r=0.40の部材に係る水銀圧入法による測定結果であり、細孔径に対する累積細孔体積の関係を表す図である。 r=0.50の部材に係る水銀圧入法による測定結果であり、細孔径に対する累積細孔体積の関係を表す図である。 r=0.60の部材に係る水銀圧入法による測定結果であり、細孔径に対する累積細孔体積の関係を表す図である。 r=0.70の部材に係る水銀圧入法による測定結果であり、細孔径に対する累積細孔体積の関係を表す図である。 r=0.80の部材に係る水銀圧入法による測定結果であり、細孔径に対する累積細孔体積の関係を表す図である。 r=0.90の部材に係る水銀圧入法による測定結果であり、細孔径に対する累積細孔体積の関係を表す図である。 r=0.20〜0.90の各部材に係る水銀圧入法による測定結果であり、細孔径に対する累積細孔体積の関係をまとめた図である。 rに対する細孔の総容積の関係を表す図である。 rに対する気孔率の関係を表す図である。
以下、本発明について詳細に説明する。
以下に記載する構成要件の説明は、本発明の代表的な実施形態に基づいてなされることがあるが、本発明はそのような実施形態に制限されるものではない。
なお、本明細書において、「〜」を用いて表される数値範囲は、「〜」の前後に記載される数値を下限値及び上限値として含む範囲を意味する。
本明細書における基(原子群)の表記において、置換及び無置換を記していない表記は、本発明の効果を損ねない範囲で、置換基を有さないものと共に置換基を有するものをも包含するものである。例えば、「アルキル基」とは、置換基を有さないアルキル基(無置換アルキル基)のみならず、置換基を有するアルキル基(置換アルキル基)をも包含するものである。このことは、各化合物についても同義である。
また、本明細書において、「(メタ)アクリレート」はアクリレート及びメタクリレートの双方、又は、いずれかを表し、「(メタ)アクリル」はアクリル及びメタクリルの双方、又は、いずれかを表す。また、「(メタ)アクリロイル」はアクリロイル及びメタクリロイルの双方、又は、いずれかを表す。
[部材]
本発明の実施形態に係る部材は、硬化性シリコーンゴム成分と、所定の立体形状を有する充填材と、を含有する組成物を硬化させて得られる部材であって、上記組成物中における、上記硬化性シリコーンゴム成分と上記充填材の含有量の合計に対する、上記充填材の含有量の含有質量比r(充填材/(充填材+シリコーンゴム成分))が0.70以上である、部材である。
部材の形状、及び、大きさ等としては特に制限されず、用途に応じて適宜選択可能である。なかでも、流体分離膜(以下、単に「分離膜」ともいう。)に適用しやすい点で、基材上に積層される形態(例えば、支持体上に形成されたメンブレンフィルタ等)、及び、自己支持可能な膜状の形態であることも好ましい。
部材が平板状である場合、より優れた力学強度を有し、分離膜に適用しやすい点で、厚みとしては2000μmを超えることが好ましい。上限値としては特に制限されないが一般に、1cm以下が好ましい。
上記部材により本発明の効果が得られる機序としては必ずしも明らかではないが、本発明者らは以下のとおり推測している。なお、以下の機序は推測であり、以下に説明する機序以外の機序により本発明の効果が得られる場合であっても、本発明の範囲に含まれるものとする。
一般に、流体分離膜、典型的には、気液分離膜として好ましく使用できる部材としては、気液混合流体と接触させた際に、液体の透過を許容せず、一方で、気体の透過を許容することにより、気液を分離することができる部材が挙げられる。
この部材が膜状である時には、膜の一方の主面から他方の主面に至る細孔を有していることが好ましく、この細孔を、分離される流体(例えば、気液分離膜であれば、気体であることが多い)が通過する。
例えば、分離膜が有する細孔の大きさにばらつきがあり、より大きな孔径の孔が少量存在する場合を想定する。
この時、上記気液分離膜の一方側の主面に気液混合流体が供給されると、分離膜に存在する、より大きな孔径の孔は、本来、気体のみを他方側の主面に透過させる経路となるべきところ、液体をより容易に透過させてしまうことがある。すなわち、より大きな孔径を有する細孔は、液体をより透過させやすいものと推測される。
また、このように一旦液体を透過させてしまった細孔は、その後は、液体が容易に膜中を透過するための経路(リークパス)となるものと推測される。その結果、上記分離膜は、十分な気液分離機能が得られなくなるものと推測される。
また、分離膜中により小さな孔径の細孔が存在すると、その細孔については、気体の透過速度がより低くなりやすく、結果として、分離膜全体としては、分離の効率(分離能)が不十分となってしまう。
上記のとおり、部材中の細孔の大きさにばらつきがあると、分離膜として十分な機能が得られないという問題があった。
本発明の実施形態に係る部材は、上記の問題に鑑みて検討されたものであり、所定の立体形状を有する充填材と、硬化性シリコーンゴム成分を含有し、rが0.70以上である組成物を硬化させて得られた部材である点を特徴点の1つとしている。
本発明の実施形態に係る部材は、上記組成物を硬化させて得られたもので、得られる部材は、硬化性シリコーンゴム成分が硬化して得られたバインダ中に、所定の立体形状を有する充填材が分散されたものである。
上記部材中には、後述する立体形状を有する充填材が分散されているため、多孔質となりやすいものと推測される。
更に、上記組成物を硬化させると、硬化性シリコーンゴム成分の硬化収縮によって充填材同士がより緻密にパッキングされるものの、後述する特定の立体形状を有する充填材は、その構造上、一定以上、密にパッキングされにくいものと推測され、結果として、得られる孔径がより均一となることが推測される。
結果として本発明の実施形態に係る部材は、より多くの細孔を有し、かつ、それぞれの細孔の孔径の孔径分布の半値幅がより小さく(言い換えれば分布ががよりシャープであり)、分離膜に適用した場合には優れた分離能が得られる。以下、本発明の実施形態に係る部材の各成分について詳述する。
〔組成物〕
本発明の実施形態に係る部材は、硬化性シリコーンゴム成分と、特定の立体形状を有する充填材(以下「特定充填材」ともいう。)とを含有する組成物を硬化させて得られる部材である。
上記組成物においては、硬化性シリコーンゴム成分と充填材の含有量の合計に対する、充填材の含有量の含有質量比rが0.70以上である。上記含有質量比が0.70以上であると、得られる部材は、分離膜として十分な分離能を発揮できる程度の、十分な量の細孔を有するものと推測される。
一般に、部材中の細孔には、開孔と閉孔(独立細孔)があり、開孔にも部材の表と裏に通じている貫通細孔と、そうでない入り口細孔(出口がない)の区別がある(参考:多孔体の測定法と物性、後藤誠史、Gypsum & Lime No,240 p299,1992)。
後述する水銀圧入法で得られた数値は開孔の値であり、本明細書において、部材の全体積に対する開孔の総体積の体積比を「気孔率(体積%)」とする。
この気孔率は、部材中における開孔の量を表しており、すなわち上記定義によれば、貫通細孔と非貫通細孔の合計を表す。この開孔の量が多い(すなわち気孔率が高い)ほど、分離膜としてより優れた機能を有する。
含有質量比rとしては、より優れた本発明の効果を有する部材が得られる点で、0.80以上が好ましく、0.90以上がより好ましい。
なお、含有質量比rの上限値としては特に制限されないが、一般に1.0未満が好ましい。
なお、本明細書において、含有質量比rは、各成分の仕込み量から計算でき、少数第3位を切り捨てて得られる数値を意味する。
なお、部材から、含有質量比rを計算する方法には燃焼式全有機炭素分析(TOC)法を用いることができる。すなわち、予め硬化性シリコーンゴム成分からの二酸化炭素発生量を定量化し、どのくらいの割合の硬化性シリコーンゴム成分が含まれているかを計測することにより、含有質量比rが計算できる。
<硬化性シリコーンゴム成分>
硬化性シリコーン成分は硬化してバインダとなる成分であり、溶媒を含まない固形分を意図する。また、硬化性シリコーンゴム成分は硬化性を示す。硬化性シリコーン成分を含有する上記組成物によれば、高い撥水性を示す表面を有する部材が得られる。
硬化性シリコーン成分と後述する充填材を含有する、上記の組成物を硬化して得られる部材の表面の、水に対する接触角(静的接触角)は、特に制限されないが、120°以上が好ましく、130°以上がより好ましく、140°以上が更に好ましく、150°以上が特に好ましい。
なお、本明細書において、水に対する静的接触角は、実施例に記載した方法により測定される水接触角を意味する。
硬化性シリコーン成分としては、特に制限されないが、例えば、反応硬化型のシリコーンゴム組成物が挙げられる。
反応硬化型のシリコーンゴム組成物としては、縮合型のシリコーンゴム組成物、及び、付加重合型のシリコーンゴム組成物が挙げられ、公知のシリコーンゴム組成物を特に制限なく使用できる。
なかでも、より優れた本発明の効果を有する部材が得られやすい点で、縮合型のシリコーンゴム組成物が好ましく、常温硬化型のシリコーンゴム組成物がより好ましい。
反応硬化型のシリコーンゴム組成物の具体例としては、反応性官能基を有するオルガノポリシロキサンを含有するシリコーンゴム組成物が挙げられる。
反応性官能基としては、例えば、ヒドロキシ基(シラノール基)、アルコキシ基(アルコキシシリル基)、メルカプト基、エポキシ基、及び、エチレン性不飽和基(ビニル基、(メタ)アクリル基等)等が挙げられる。
なかでも、より優れた本発明の効果を有する部材が得られる点で、硬化性シリコーンゴム成分は、ケイ素原子に結合した加水分解性基を有するオルガノポリシロキサンを含有することが好ましい。
ケイ素原子に結合した加水分解性基を有するオルガノポリシロキサンは、縮合反応により硬化し、硬化の際に水、及び/又は、アルコール等が脱離するため、一般に硬化収縮がより大きいことが多い。このようなケイ素原子に結合した加水分解性基を有するオルガノポリシロキサンを用いると、特定充填材同士が十分に接触し、より均一な孔径を有する細孔が得られやすい。
例えば、オルガノポリシロキサンがアルコキシシリル基を有する場合には、上記オルガノポリシロキサンを含有するシリコーンゴム組成物としては、上記アルコキシシリル基の一部が加水分解した部分加水分解物、全部が加水分解した加水分解物、及び、それらの一部が縮合した縮合物を含んでいてもよい。
より具体的には、オルガノポリシロキサンとしては、例えば、分子鎖両末端に水酸基を有するジオルガノポリシロキサン等が挙げられる。
また、上記反応硬化型のシリコーンゴム組成物はオルガノポリシロキサン以外の他の成分を含有していてもよい。以下では、他の成分について説明する。
ただし、本明細書において、反応硬化型のシリコーンゴム組成物を構成する成分としては、溶媒は含めないものとする。
一般に、市販の硬化性シリコーンゴム(分散)液には、溶媒が含有されることがある。
しかし、本明細書における硬化性シリコーンゴム成分は固形分を意味し、従って、硬化性シリコーンゴム成分として、上記のような市販の硬化性シリコーンゴム(分散)液を用いる場合には、「硬化性シリコーンゴム成分」としては、上記のような市販の硬化性シリコーンゴム液の固形分を「硬化性シリコーンゴム成分」として、含有質量比rを計算するものとする。
上記他の成分としては、特に制限されないが、例えば、シラン化合物、シラン化合物の部分加水分解物、及び、シラン化合物の縮合物からなる群より選択される少なくとも1種のシラン添加剤が挙げられる。
シラン添加剤は、ヒドロキシ基(シラノール基)を有するオルガノポリシロキサン(典型的には、分子鎖末端にヒドロキシ基を有するジオルガノポリシロキサン)と反応可能な化合物である。
分子鎖両末端にヒドロキシ基を有するジオルガノポリシロキサンと、シラン添加剤とは、室温又は加温等によって化学的に反応して硬化可能である。
反応硬化型シリコーンゴム組成物は、例えば、室温で硬化する湿気硬化型のシリコーンゴム組成物であることが好ましい。
反応性官能基を有するオルガノポリシロキサンにおいて、Si原子に結合している反応性官能基以外の有機基としては、特に制限されないが、例えば、メチル基、エチル基、n−プロピル基、及び、イソプロピル基等のアルキル基;フェニル基、及び、トリル基等のアリール基;シクロヘキシル基等のシクロアルキル基;これらの基の炭素原子に結合した水素原子の一部又は全部をハロゲン原子、及び、シアノ基等で置換した基等が挙げられる。なお、結合している有機基が複数ある場合、これらは、同一であってもよいし異なっていてもよい。
シロキサン結合の繰り返し数としては特に制限されないが、5以上の整数が好ましい。反応硬化型シリコーンゴム組成物は、オルガノポリシロキサンの1種を単独で含有してもよく、2種以上を併せて含有してもよい。
オルガノポリシロキサンはの動粘度としては特に制限されないが、一般に、25℃において、0.000025〜0.5m/s(25〜500000cSt)が好ましく、0.001〜0.1m/s(1000〜100000cSt)がより好ましい。
シラン添加剤のうち、シラン化合物は、加水分解可能な基を有する多官能シラン化合物であってもよく、部材の撥水性等を高める観点からは、下記式(1)で表されるシラン化合物が好ましい。
(RSiX (1)
上記式中、Rは、メチル基、ビニル基、又は、フェニル基を表す。Xは、炭素数1〜5のアルコキシ基、メチルエチルケトオキシム基、プロペニルオキシ基、又は、アセトキシ基を表す。
mは0又は1を表す。nは3又は4を表す。ただし、mが0のときnが4であり、mが1のときnが3である。
上記式(1)で表されるシラン化合物の具体例としては、メチルトリ(メチルエチルケトオキシム)シラン、ビニルトリ(メチルエチルケトオキシム)シラン、メチルトリプロペニルオキシシラン、ビニルトリプロペニルオキシシラン、フェニルトリプロペニルオキシシラン、メチルトリアセトキシシラン、ビニルトリアセトキシシラン、及び、テトラアルコキシシラン(アルコキシ基は、例えばメトキシ基、エトキシ基)等が挙げられる。
反応硬化型シリコーンゴム組成物は、シラン添加剤の1種を単独で含有してもよく、2種以上を併せて含有してもよい。
反応硬化型シリコーンゴム組成物が、反応性官能基を有するオルガノポリシロキサンと、シラン添加剤とを含有する場合、シラン添加剤の含有量としては特に制限されないが、反応性官能基を有するオルガノポリシロキサン100質量部に対して、0.1〜30質量部であることが好ましい。
反応硬化型シリコーンゴム組成物は、必要に応じて、触媒を含有してもよい。
触媒としては、例えば、ナフテン酸錫、カプリル酸錫、及び、オレイン酸錫等の錫カルボン酸塩;ジブチル錫ジアセテート、ジブチル錫ジオクテート、ジブチル錫ジラウレート、ジブチル錫ジオレエート、ジフェニル錫ジアセテート、酸化ジブチル錫、ジブチル錫ジメトキシド、ジブチルビス(トリエトキシシロキシ)錫、及び、ジブチル錫ベンジルマレート等の錫化合物;テトライソプロポキシチタン、テトラ−n−ブトキシチタン、テトラキス(2−エチルヘキソキシ)チタン、ジプロポキシ・ビス(アセチルアセトナ)チタン、及び、チタニウム・イソ・プロポキシオクチレングリコール等のチタン酸エステル又はチタンキレート化合物;ドデシルベンゼンスルホン酸等の有機スルホン酸化合物;等が挙げられる。
硬化性シリコーン成分としては、湿気硬化型のシリコーンゴム組成物(シリコーンゴム成分)が好ましく、硬化反応形式が脱水、脱アルコール、及び、脱オキシムからなる群より選択される少なくとも1種の縮合反応であることがより好ましく、脱水又は脱アルコールタイプの縮合反応である一液型の湿気硬化型シリコーンゴム組成物が更に好ましい。
<特定充填材>
上記組成物は、核部と、核部から異なる4軸方向に伸びた針状部と、を有する立体形状を有する充填材(特定充填材)を含有する。組成物中における特定充填材の含有量としては、上記硬化性シリコーン成分との関係で上記含有質量比rの範囲を満たせば特に制限されないが、より優れた本発明の効果を有する部材が得られる点で、組成物の固形分の全質量に対して、70〜99質量%が好ましく、80質量%以上がより好ましく、90質量%以上が更に好ましい。
組成物は、特定充填材の1種を単独で含有してもよく、2種以上を併せて含有してもよい。組成物が2種以上の特定充填材を含有する場合には、その合計含有量が上記範囲内であることが好ましい。
本明細書において、特定充填材は、核部と、核部から異なる4軸方向に伸びた針状部と、を有する立体形状を有していれば特に制限されないが、より優れた本発明の効果を有する部材が得られる点で、上記核部を重心とする正四面体を観念したとき、各針状部が、上記核部を重心とする正四面体の4つの頂点方向に延在する形状であることが好ましい。
特定充填材は、一般に「テトラポッド状」と呼ばれる立体形状(核部と、核部から異なる4軸方向に伸びた針状部と、を有する立体形状)を有するものが好ましい。
針状部の形状としては特に制限されないが、アスペクト比が3以上であることが好ましい。また、4つの針状部の長さとしては特に制限されないが、略同一であることが好ましい。
針状部の長さとしては特に制限されないが、平均長さとして、1〜50μmが好ましく、5〜30μmがより好ましい。
特定充填材の材料としては特に制限されず、有機物、無機物、及び、これらの複合体が挙げられる。複合体としては、例えば、無機物を含有する基材上に、有機物を含有する被覆層を有する複合体が挙げられる。
無機物としては、アルミナ、チタン酸カリウム、ウォラストナイト、酸化亜鉛、及び、ホウ酸アルミニウム等の金属酸化物;クロム、銅、鉄、及び、ニッケル等の金属単体;炭化ケイ素、黒鉛、及び、窒化ケイ素等の金属以外の無機酸化物、並びに、上記の複合体が挙げられる。なかでもより優れた本発明の効果を有する部材が得られる点で、無機物としては、金属酸化物が好ましく、特に、上記針状部のそれぞれが、金属酸化物の単結晶であることがより好ましい。
<その他の成分>
上記組成物は、硬化性シリコーンゴム成分、及び、特定充填材以外の他の成分を含有していてもよい。他の成分としては例えば、溶媒が挙げられる。
(溶媒)
上記組成物は溶媒を含有することが好ましい。組成物が溶媒を含有することにより、特定充填材がより均一に分散した部材が得られやすい。
上記組成物中における溶媒の含有量としては特に制限されないが、一般に、組成物の固形分が1〜30質量%となるように調整されることが好ましい。
なお、組成物は、溶媒の1種を単独で含有してもよく、2種以上を併せて含有してもよい。組成物が2種以上の溶媒を含有する場合、2種以上の溶媒の合計含有量が上記範囲内であることが好ましい。
溶媒としては、特に制限されないが、例えば、トルエン、キシレン、エチルベンゼン、シクロペンタン、オクタン、ヘプタン、シクロヘキサン、ホワイトスピリット等の脂肪族又は芳香族炭化水素類;ジオキサン、テトラヒドロフラン、エチレングリコールモノメチルエーテル、エチレングリコールモノエチルエーテル、エチレングリコールモノブチルエーテル、エチレングリコールジブチルエーテル、ジエチレングリコールモノメチルエーテル、ジエチレングリコールモノエチルエーテル等のエーテル類;酢酸ブチル、酢酸プロピル、酢酸ベンジル、エチレングリコールモノメチルエーテルアセテート、エチレングリコールモノエチルエーテルアセテート等のエステル類;エチルイソブチルケトン、メチルイソブチルケトン等のケトン類;n−ブタノール、プロピルアルコール等のアルコールなどを挙げることができる。これらの溶剤は、単独で用いてもよく、2種以上を併用してもよい。
なかでも、より優れた本発明の効果を有する部材が得られる点で、組成物は溶媒として脂肪族又は芳香族炭化水素類、及び、エステル類からなる群より選択される少なくとも1種の溶媒を含有することが好ましい。
組成物は本発明の効果を損なわない範囲内において、上記以外の他の成分を含有していてもよい。上記以外の成分としては、特に制限されないが、例えば、特定充填材以外の充填材、顔料、溶剤、沈降防止剤、消泡剤、硬化促進剤、紫外線吸収剤、酸化防止剤、表面調整剤、粘度調整剤、レベリング剤、分散剤、可塑剤、及び、防腐剤等が挙げられ、いずれも公知の成分を使用可能である。
<組成物の製造方法>
上記組成物の製造方法としては特に制限されず、すでに説明した各成分を混合すればよい。各成分の混合順序としては特に制限されないが、例えば、組成物が溶媒を含有する場合、予め溶媒と硬化性シリコーンゴム成分とを混合して混合液を得て、その混合液に充填材を分散させる方法であってもよい。
また、硬化性シリコーンゴム成分として、市販の硬化性シリコーンゴム(分散)液を用いる場合、硬化性シリコーンゴム(分散)液にその他の成分を混合させて組成物を得る形態であってもよい。
〔部材の製造方法〕
本発明の実施形態に係る部材の製造方法としては特に制限されず、すでに説明した組成物を硬化させればよい。
組成物を硬化させる方法としては特に制限されないが、例えば、基材上に上記組成物を塗布して組成物層を得て、上記組成物層に対して、必要に応じてエネルギ(典型的には熱エネルギ)を加えて硬化せればよい。
なかでもより優れた力学強度を有する部材が得られる点で、本発明の実施形態に係る部材は以下の製造方法により得られる部材が好ましい。
すなわち、すでに説明した組成物を鋳型内に注入する工程aと、上記鋳型内で上記組成物を硬化する工程bとを有する、部材の製造方法である。以下では、各工程について詳述する。
<工程a>
工程aは、上記組成物を鋳型内に注入する工程である。本工程は、鋳型(モールド)に組成物を注入する工程であり、組成物の注入方法としては特に制限されず、公知の方法が適用できる。
また、鋳型の形状としては特に制限されず、所望の部材の形状に応じて適宜選択すればよい。また、本工程は、組成物を脱気する工程を更に有していてもよく、具体的には、鋳型に注入した後の組成物を減圧状態で維持する方法が挙げられる。
<工程b>
工程bは、上記鋳型内で上記組成物を硬化する工程である。硬化方法としては硬化性シリコーン成分の硬化条件に合わせて適宜選択可能である。例えば、組成物が、縮合型の常温硬化型の硬化性シリコーン成分を含有する場合には、組成物が注入された鋳型を大気下、常温に維持することにより、組成物を硬化させることができる。
なお、上記実施形態に係る部材の製造方法においては、組成物が溶媒を含有する場合、更に組成物中の溶媒を除去する工程を有していてもよい。組成物中の溶媒を除去する方法としては特に制限されないが、例えば、工程bにおいて、組成物の硬化と合わせて、溶媒を除去する(蒸発させる)方法が挙げられる。
本発明の実施形態に係る部材は、表面の水接触角が大きく、十分な量の細孔を有し、かつ、細孔の孔径分布が均一であるという特徴を有するため、少なくとも2種以上の流体を含有する混合物から、流体の一方を分離するための分離膜(言いかえれば、流体分離膜)として好ましく用いることができる。
[流体分離装置]
本発明の実施形態に係る流体分離装置は、すでに説明した部材を備える分離膜と、上記分離膜により隔てられた導入部、及び、取り出し部を備え、上記導入部には少なくとも2種以上の流体を含有する混合物が導入され、上記取り出し部から、上記分離膜によって上記混合物から分離された流体の一方が取り出される、流体分離装置である。
(第1実施形態)
図1は、本発明の実施形態に係る流体分離装置の第1実施形態を示す模式図である。流体分離装置10は、導入部11と取り出し部12とを備え、導入部11及び取り出し部12は、分離膜13により隔てられている。
流体分離装置10の導入部11は、混合物が導入される導入口14、及び、上記混合物から一部の成分が取り出された後の濃縮物が取り出される濃縮物取出口15とを有している。また、取り出し部12は、分離膜13を透過した流体を取り出すための分離物取出口16を有している。
なお、以下の説明では、上記流体分離装置10を用いて、気液混合流体から、気体を分離する方法を例にして説明するが、本発明の実施形態に係る流体分離装置に適用できる混合物としては気液混合流体(気液二相流)であってもいし、液液二相流(典型的には、水と油の混合流体)であってもよい。
混合物(気液混合流体)は導入口14からF方向に沿って導入部11に導入され、その成分の一部が、F方向に沿って、分離膜13を透過する。このとき、混合物中の気体がF方向に沿って取り出し部12へと移動する(分離される)。
この際、典型的には、取り出し部12よりも導入部11側が高圧であることが好ましい。取り出し部12側が減圧されていてもよい。
分離された流体(上記の例では気体)は、分離物取出口16から、流体分離装置10の外へと取り出される。
一方、混合物からは、一部の成分(上記の例では気体)が取り除かれて、濃縮物となり、濃縮物は濃縮物取出口15から、流体分離装置10の外へと取り出される。
(第2実施形態)
図2は本発明の実施形態に係る流体分離装置の第2実施形態を示す模式図である。流体分離装置20は、導入部21と取り出し部22とを備え、導入部21及び取り出し部22は、分離膜23により隔てられている。
流体分離装置20の導入部21は、混合物が導入される導入口24を備える。また、取り出し部22は、分離膜23を透過した流体を取り出すための分離物取出口25を有している。
なお、以下の説明では、上記流体分離装置20を用いて、気液混合流体から気体を分離する方法を例にして説明するが、本発明の実施形態に係る流体分離装置に適用できる混合物としては、上記に制限されない。
混合物(気液混合流体)は導入口24から、F方向に沿って導入部21に導入され、その成分の一部が、F方向に沿って、分離膜23を透過する。このとき、混合物中の気体がF方向に沿って取り出し部22へと移動する(分離される)。
この際、典型的には、取り出し部22よりも導入部21側が高圧であることが好ましい。
分離された流体(上記の例では気体)は、分離物取出口25から、流体分離装置20の外へと取り出される(F方向)。
一方、混合物からは、一部の成分(上記の例では気体)が取り除かれ、濃縮物となり、濃縮物はF方向に沿って導入口24から流体分離装置20の外へと取り出される。
以下に実施例に基づいて本発明をさらに詳細に説明する。以下の実施例に示す材料、使用量、割合、処理内容、処理手順等は、本発明の趣旨を逸脱しない限り適宜変更することができる。したがって、本発明の範囲は以下に示す実施例により限定的に解釈されるべきものではない。
以下の材料を準備した。
A:
テトラポッド形状を有する酸化亜鉛(パナソニック、平均繊維長(針状部分):約10μm、「パナテトラ WZ−0501(商品名)」、特定充填材に該当する。)
B:
RTV(Room Temperature Vulcanizing)シリコーン(東レ、1成分/アルコール型、「HC2100(商品名)」、固形分96.7質量%)
C:
有機溶媒(酢酸エチル、又は、ヘキサン)
[実施例1]
(組成物D1の調製)
B成分0.43gとC成分の12mlをガラス容器中で約1分間混合して混合液を得た。次に、混合液にA成分の1gを加え、約10分間攪拌して組成物D1(白色分散液)を得た。なお、組成物D1における含有質量比rは0.70だった。
(組成物E1の調製)
B成分0.43gとC成分の3mlをガラス容器中で約1分間混合して混合液を得た。次に、混合液にA成分の1gを加え、約1分間攪拌して組成物E1(白色分散液)を得た。なお、組成物E1における含有質量rは0.70だった。
(部材1の作成)
組成物D1を用いて塗膜状の部材を作成した。すなわち、スプレー缶に組成物D1を入れ、パナテトラが沈降しないように十分に攪拌した後、支持体(ポリエチレンテレフタレート、ガラス、ステンレス、アルミホイル、紙、及び、コットン)にスプレーし、コーティングして乾燥させ、支持体上にと膜状の部材を形成した。得られた部材の水接触角を後述する方法により測定した。
(部材2の作成)
上記の組成物E1をサンプル管瓶(マルエムNo.3、内容積10ml、鋳型に該当する)に注入し、室温で自然乾燥させることにより組成物を硬化させ、モノリス状の部材を作成した。得られた部材(円盤型、直径:21mm、厚み:4mm)は、サンプル管瓶を割って取り出した。
[実施例2、3]
得られる部材中における含有質量比rが表1に記載したとおりとなるよう硬化性シリコーンゴム成分及び充填材の含有量を調整したこと以外は、実施例1と同様にして、実施例2及び実施例3の部材(塗膜状、及び、モノリス状)を得た。
[比較例1〜5]
得られる部材中における含有質量比rが表1に記載したとおりとなるようにシリコーンゴム及び充填材の含有量を調整したこと以外は、実施例1と同様にして比較例1〜5の部材(塗膜状、及び、モノリス状)を得た。
<水接触角の測定>
実施例1〜3及び比較例1〜5の塗膜状の部材について、20℃における水接触角(静的水接触角)を測定した。測定には、協和界面科学社製「接触角計 DropMasterシリーズ DMs−401」を用いた。結果を表1、及び、図3に示した。
図3によれば、実施例1〜3の部材は、いずれもその表面の水接触角が150°程度であり、優れた撥水性を有することが確認できた。
<ガス透過性の確認>
開口部を有するガラス容器を準備し、アンモニア水を入れた。次に、上記開口部を覆うように、実施例1〜3のモノリス状の部材をガラス容器上に配置した。次に、上記部材上にフェノールフタレイン水溶液の液滴を配置した。その結果、上記液滴は、1分ほどでゆっくりと赤色を呈した。実験方法を図4に示した。
上記から、実施例1〜3の部材は流体分離膜に適用できることがわかった。
<水銀圧入法による孔径分布の測定>
実施例1〜3、及び、比較例1〜5のモノリス状の部材について、水銀圧入法により孔径分布を測定した。測定には、島津製作所−マイクロメリテックス社製「細孔分布測定装置 オートポアIV 9520 形」を用いた。結果を図5〜25に示した。
表1には、上記の測定から得られた開孔の総体積(mL/g)、メディアン径(μm)、モード径(μm)、気孔率(体積%)、及び、孔径の均一性(半値幅、μm)の結果をそれぞれまとめて記載した。
なお、水銀圧入法とは、細孔に圧力を加えて水銀を浸入させ、この圧力と、圧入された水銀量とから開孔の容積と比表面積を求める分析方法である。また、分析結果から、開孔を円筒と仮定したときに開孔の容積と比表面積の関係から得た開孔の直径を算出することができる。
ここで、気孔率及び孔径の均一性については以下の基準により評価し、表1にあわせて記載した。
(気孔率)
気孔率(体積%)の評価基準は以下のとおりである。なお、流体分離用の膜(分離膜)に使用する部材としては、Aが最も優れており、より優れた順に、A〜Dとなっている。
A 気孔率が75体積%を超えた。
B 気孔率が65体積%を超え、75体積%以下だった。
C 気孔率が55体積%を超え、65体積%以下だった。
D 気孔率が55体積%以下だった。
(孔径の均一性)
孔径の均一性は、孔径分布における半値幅を計算し、その値を以下の基準により評価した。なお、流体分離用の膜(分離膜)に使用する部材としては、AAが最も優れており、より優れた順にAA〜Cの順となっている。
AA 半値幅が1.4μm未満だった。
A 半値幅が1.4μm以上、1.9μm未満だった。
B 半値幅が1.9μm以上、2.4μm未満だった。
C 半値幅が2.4μm以上だった。
表1中、「−」は測定又は計算を行わなかったことを表す。
表1に示した結果から実施例1〜3の部材は、開孔の量が十分にあり、及び、その孔径は優れた均一性を有していることから、流体分離膜に適用した場合にも十分な性能が得られることが推測され、本発明の所望の効果を有する部材であることが確認された。
一方、比較例1〜4の部材は開孔がほとんど見られないか、見られてもその量が不十分であり、本発明の所望の効果を有していないことが分かった。また、比較例5の部材は、開孔の量が不十分であり、かつ、孔径の均一性も不十分であり、本発明の所望の効果を有していないことが分かった。
また、表1に示した結果から、実施例2の部材は、実施例1の部材と比較して、より多くの開孔を有し、かつ、得られた開孔はより優れた均一性を有していた。従い、実施例2の部材は、実施例1の部材と比較して、流体分離膜に適用した際により優れた分離能を有することがわかった。
また、表1に示した結果から、実施例3の部材は、実施例2の部材と比較して、開孔の量は同程度であったが、より優れた孔径の均一性を有していた。従い、実施例3の部材は、実施例2の部材と比較して、流体分離膜に適用した際に、更に優れた分離能を有することが分かった。
10、20 流体分離装置
11、21 導入部
12、22 取り出し部
13、23 分離膜
14、24 導入口
15 濃縮物取出口
16、25 分離物取出口

Claims (6)

  1. 硬化性シリコーンゴム成分と、充填材と、を含有する組成物を硬化させて得られる部材であって、
    前記充填材は、核部と、前記核部から異なる4軸方向に伸びた針状部と、を有する立体形状を有し、
    前記組成物中における、前記硬化性シリコーンゴム成分と前記充填材の含有量の合計に対する、前記充填材の含有量の含有質量比rが0.70以上である、部材。
  2. 前記硬化性シリコーンゴム成分が、ケイ素原子に結合した加水分解性基を有するオルガノポリシロキサンを含有する、請求項1に記載の部材。
  3. 前記rが0.80以上である、請求項1又は2に記載の部材。
  4. 少なくとも2種以上の流体を含有する混合物から、前記流体の一方を分離するための分離膜に用いられる、請求項1〜3のいずれか1項に記載の部材。
  5. 請求項1〜4のいずれか1項に記載の部材を備える分離膜と、
    前記分離膜により隔てられた導入部、及び、取り出し部を備え、
    前記導入部には、少なくとも2種以上の流体を含有する混合物が導入され、
    前記取り出し部から、前記分離膜によって前記混合物から分離された前記流体の一方が取り出される、流体分離装置。
  6. 硬化性シリコーンゴム成分と、充填材と、を含有する組成物であって、
    前記充填材は、核部と、前記核部から異なる4軸方向に伸びた針状部と、を有する立体形状を有し、
    前記組成物中における、前記硬化性シリコーンゴム成分と前記充填材の含有量の合計に対する、前記充填材の含有量の含有質量比rが0.70以上である、組成物。
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