JP2019207212A - 放射性セシウム回収方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】放射性物質を蓄積した土壌や汚泥等の被処理物から放射性セシウムを効率的に分離する方法を提供する。【解決手段】放射性セシウムを含む被処理物から放射性セシウムを回収する放射性セシウム回収方法であって、被処理物と、酸化剤と、アルカリとの混合物を加熱して溶融する溶融工程と、溶融した混合物を冷却し、溶媒に溶解させる溶解工程と、溶媒に溶解させた混合物中の放射性セシウムを回収する回収工程とを有する、放射性セシウム回収方法【選択図】図1

Description

本発明は、放射性セシウムに汚染された被処理物から、放射性セシウムを回収する放射性セシウム回収方法に関する。
近年、原子力発電所等から漏洩した放射性物質で汚染された土壌、汚泥等から放射性物質を分離濃縮する技術が求められている。漏洩した放射線物質のうち、主となるヨウ素、および、セシウムに関する技術は、特に注目されている。ヨウ素131は、半減期が約8日のガス体であり、拡散および減衰が早い。しかし、セシウム137は半減期が約30年と長いため、技術的な対策が必要である。また、セシウムは粘土鉱物との吸着性が強く、ひとたび粘土鉱物内に吸着されると、酸洗浄や強熱等でも容易に遊離せず、放射性物質で汚染された土壌等の処理上の大きな問題になっていることが、様々な研究から報告されている。
このような状況下、我々は、高効率の汚染土壌における放射性セシウムの除去方法として、金属酸化物、塩素系酸化剤、アルカリを添加した被処理物を加熱溶融し、溶融物を水に溶かした後、イオン交換膜を用いてセシウムを濃縮する技術を見出した(例えば、特許文献1参照)。特許文献1の技術は、1350℃と非常に高い温度での処理(例えば、特許文献2参照)や、高濃度の強酸による処理(例えば、特許文献3参照)は必要なく、従来の方法に比べて、安全に、高効率で放射性セシウムを分離できるものである。
特開2015−215186号公報 特開2013−242194号公報 特開2014−32110号公報
本発明の目的は、安全に、効率よく、放射性セシウムの分離・回収を行うことのできる方法を提供することである。
本発明の目的は、以下の[1]〜[9]により達成される。
[1]放射性セシウムを含む被処理物から放射性セシウムを回収する放射性セシウム回収方法であって、被処理物と、酸化剤と、アルカリとの混合物を加熱して溶融する溶融工程と、溶融した混合物を冷却し、溶媒に溶解させる溶解工程と、溶媒に溶解させた混合物中の放射性セシウムを回収する回収工程とを有する、放射性セシウム回収方法;
[2]回収工程において、放射性セシウムを無機物に吸着させて回収する、前記[1]の放射性セシウム回収方法;
[3]無機物が、ゼオライト、ケイ酸カルシウム鉱物、及び、雲母を含む鉱物からなる群より選択される少なくとも1種である、前記[2]の放射性セシウム回収方法;
[4]溶融工程において、混合物に二酸化マンガンが含まれる、前記[1]〜[3]の放射性セシウム回収方法;
[5]酸化剤が、塩素酸ナトリウム、塩素酸カリウム、次亜塩素酸、塩素酸カルシウム、および、塩素ガスからなる群より選択される少なくとも1種である、前記[4]の放射性セシウム回収方法;
[6]酸化剤が、過マンガン酸ナトリウム又は過マンガン酸カリウムである、前記[1]〜[3]の放射性セシウム回収方法;
[7]溶媒により溶解させた混合物中の放射性セシウムを無機物に吸着させた後のろ液中に残存する酸化剤を、溶融工程による溶融前の混合物に投入する、前記[1]〜[6]の放射性セシウム回収方法;
[8]アルカリが、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、および、水酸化カルシウムからなる群より選択される少なくとも1種である、前記[1]〜[7]の放射性セシウム回収方法;
[9]溶融工程において、混合物を400℃以上、800℃以下の条件で溶融する、前記[1]〜[8]の放射性セシウム回収方法。
本発明では、放射性セシウムが吸着された被処理物を、アルカリで加熱して溶融することにより、放射性セシウムを被処理物から遊離させて、回収することができる。また、本発明によれば、放射性セシウムは、被処理物から物理的にではなく、化学的に分離をするため、放射性セシウムを単独で濃縮することができ、且つ、粒度の小さい被処理物からも放射性セシウムを分離することが可能である。
本発明の実施の形態の少なくとも1つに対応する、放射性セシウム回収方法の工程を示すフロー図である。
以下、本発明の実施の形態を説明する。放射性セシウム回収方法は、被処理物と、酸化剤と、アルカリとの混合物を加熱して溶融する溶融工程と、溶融した混合物を冷却し、溶媒に溶解させる溶解工程と、溶解させた混合物を無機物に吸着させる回収工程と、を少なくとも含む。図1は、本発明の実施の形態の少なくとも1つに対応する、放射性セシウム回収方法の工程を示すフロー図であり、該フローに沿って工程を説明する。
なお、本発明における被処理物としては、放射性物質で汚染された土壌、汚泥、廃棄物などがあげられる。本発明は、粘土鉱物を有する土壌、汚泥などから、放射性セシウムを回収するのに、特に適している。
(溶融工程;S11)
溶融工程は、被処理物と、酸化剤と、アルカリとの混合物を加熱して溶融する工程である。被処理物は、処理対象となる放射性セシウムを含有するものである。例えば、被処理物の粒径は特に限定されるものではなく、アルカリ等と混和できる粒径のものであればよい。また、酸化剤を用いるため、予備焼成により被処理物中の可燃物を除去してから溶融工程を行うことが好ましい。溶融工程は、アルカリ性の条件下で行われるので、加熱溶融の際に爆発の危険がない。
酸化剤は、溶融工程において、低温で、被処理物を溶融し放射性セシウムを遊離させるために用いられる。酸化剤としては、塩素酸ナトリウム、塩素酸カリウム、次亜塩素酸、塩素酸カルシウム、および、塩素ガスからなる群より選択される少なくとも1種の塩素系酸化剤であることが好ましい。これらのなかでも塩素酸ナトリウム又は塩素酸カリウムを用いる場合は、溶融工程における加熱温度を400℃程度の低温とすることができる点から好ましい。
塩素系酸化剤の使用量は、被処理物の全量に対して10質量%以上であることが好ましい。また、アルカリの使用量が、被処理物の全量に対して10質量%未満となると、被処理物の流動性が落ち溶融する際の効率が低下する傾向にある。
また、塩素系酸化剤の使用量は、被処理物の全量に対して20質量%以下であることが好ましい。アルカリの使用量は、被処理物の全量に対して20質量%を超えてもよいが、アルカリの使用量が被処理物の全量に対して20質量%を超えると、溶融後の溶解の際に粘度が上がるため、溶媒の添加量が多くなる傾向がある。したがって、系内に存在する塩素系酸化物の使用量を20質量%程度にとどめ、溶融工程を経て、反応が不十分であれば塩素系酸化物を追加して溶融工程を実行することが好ましい。
アルカリとしては、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、水酸化カルシウム、および、炭酸カルシウムを例示することができる。これらのなかでも、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、および、水酸化カルシウムからなる群より選択される少なくとも1種であることが好ましく、特に水酸化カリウムを用いる場合は、溶融工程における加熱温度を、より低温にすることができる点から好ましい。
アルカリの使用量は、被処理物の全量の20質量%以上であることが好ましい。アルカリの使用量は、被処理物の全量の50質量%以下であることが好ましい。アルカリの使用量は、被処理物の粒子径により適宜変更すればよく、被処理物の粒子径が小さいほどアルカリを吸収する傾向にあるので、アルカリの使用量を多くすることが好ましい。
溶融工程における混合物には、被処理物、酸化剤、アルカリの他、金属酸化物を添加してもよい。金属酸化物は、酸化剤により酸化される。例えば、金属酸化物としては、二酸化マンガンを用いることが好ましい。金属酸化物の使用量は、被処理物の全量の2質量%以上であることが好ましい。また、金属酸化物の使用量は、被処理物の全量の5質量%以下であることが好ましい。
例えば、金属酸化物として二酸化マンガン、塩素系酸化剤として塩素酸カリウム、アルカリとして水酸化カリウムを用いた場合、以下のような反応が進行する。
Figure 2019207212
この反応により、過マンガン酸カリウム、二酸化マンガン、塩化カリウムが生成するが、この反応に伴って、被処理物に吸着されていた放射性セシウムが、被処理物から遊離し、過マンガン酸セシウムが生成される。溶解工程において、この過マンガン酸セシウムが水などの溶媒に溶解され、さらに、回収工程において、放射性セシウムが回収される。
ところで、ここでは、酸化剤として、塩素系酸化剤を用いた場合について説明をしているが、酸化剤として、塩素系酸化剤の代わりに、過マンガン酸カリウム又は過マンガン酸ナトリウムなどの過マンガン酸塩を用いることができる。過マンガン酸塩の使用量は、被処理物の全量に対して1質量%以上であることが好ましく、5質量%以上であることがより好ましく、10質量%以上は必要ないであろう。ただし、熔融剤であるアルカリの使用量が少なくなると、混合物の流動性が得られなくなり、流動性がない状態で加熱すると、酸化剤が被処理物の内部まで浸透しないため回収率が悪くなる傾向にある。また、汚染土壌粒子径が小さくなると、アルカリが吸収されて流動性が低下するため、アルカリの添加量を多くしないと、混合物が固化して内部への熱の伝達が悪くなる傾向にある。なお、被処理物が有機物を含む場合は、過マンガン酸塩の消費が大きくなるので、アルカリ溶融を行う前に被処理物を焙焼することが好ましい。過マンガン酸塩を有効に利用するためには、塩素酸塩を添加することが好ましい。
過マンガン酸塩を酸化剤として用いる場合、溶融工程において、被処理物が酸化され、溶融されることで、被処理物に吸着した放射性セシウムが遊離し、過マンガン酸セシウムが生成される。溶解工程において、この過マンガン酸セシウムが水などの溶媒に溶解され、さらに、回収工程において、放射性セシウムが回収される。酸化剤として、過マンガン酸塩を用いた場合、二酸化マンガン、塩素系酸化剤、アルカリとともに被処理物を溶融する場合と比べて、二酸化マンガンの生成が少なくなる。その結果、系中のセシウム濃度が高くなり、セシウムと吸着可能な無機物が接触しやすくなるため、放射性セシウムの吸着を効率的に行うことができる。
汚染土壌中の放射性セシウムは、粘土鉱物のカルシウムと置換されており、粘土鉱物から遊離しにくい状態になっている。放射性セシウムの汚染土壌中の粘土鉱物への吸着は、粘土鉱物のごく表面に限られているため、アルカリ溶融により、放射性セシウムを遊離することが可能になる。セシウムは、カリウムより電気陰性度が大きいため、遊離した放射性セシウムは、優先的に過マンガン酸と結合し、マンガン酸セシウムとなる。
過マンガン酸塩を酸化剤として添加する場合、過マンガン酸のみを粉末で添加するだけでは、被処理物と過マンガン酸塩の接触頻度は十分に大きくならないため、溶融工程において、過マンガン酸塩とアルカリだけでなく水を混合物に添加することで、放射性セシウムと過マンガン酸塩との接触頻度を増加させることができる。溶融前の混合物における水の含有量は、10質量%以下であることが好ましい。
本発明は、放射性セシウムというアルカリ金属のみを対象として回収を行うものである。アルカリを利用して、土壌等の粘土鉱物を低温で溶融するため、その他の金属は溶出されにくく、また、マンガン酸塩という化学的に不安定な塩としてセシウムを溶出させるため、イオン交換が起きやすく、効率よく放射性セシウムを回収することができる。
放射性セシウムを含む被処理物と、酸化剤と、アルカリとの混合物、或いは、被処理物と、酸化剤と、金属酸化物と、アルカリとの混合物を加熱により溶融する処理について説明する。溶融工程により、被処理物から放射性セシウムが遊離する。溶融温度は、使用するアルカリにより適宜変更すればよく、400℃以上であることが好ましい。また、溶融温度は、800℃以下であることが好ましい。アルカリとして水酸化ナトリウムを用いる場合は400℃付近の温度で処理することができる。溶融時間は被処理物の量にもよるが、通常は15分程度である。溶融温度は、水酸化カリウムが一番低く次に水酸化ナトリウム、水酸化カルシウムとなる。
ここで、図1のフローに示すように、溶融後の混合物の色を目視により確認し、混合物が緑色の場合(S12でYES)、溶融した混合物を冷却し、水などの溶媒に溶解させる溶解工程(S13)に進む。混合物が緑色でない場合(すなわち、S12でNO)、溶融工程(S11)に戻る。
二酸化マンガンの存在下、酸化剤として塩素系酸化剤を用いる場合は、上記反応式に示すように、二酸化マンガンが混合物内に存在したままとなるので、再添加の必要がなく、塩素系酸化剤とアルカリとだけを追加して再度、溶融工程を実施することができるので、回収率がよい。塩素系酸化剤とアルカリの追加量は、初期の被処理物の量により決定すればよい。
混合物の色は、溶融工程が完了したか否かの判断基準となる。被処理物から放射性セシウムの遊離が不十分である場合は、例えば、溶融の際に、塩素系酸化剤が被処理物に含まれる可燃性物質に消費されてしまう場合と、アルカリが被処理物に吸収されて、二酸化マンガン存在下における被処理物への塩素系酸化剤とアルカリの接触が不十分である場合とが考えられる。これらの場合、溶融後の混合物が黒色、または、茶色となる。処理が充分である場合は、混合物が過マンガン酸塩を含む緑色となる。
なお、酸化剤として過マンガン酸塩を用いた場合でも、混合物が十分なアルカリ性を有していれば、混合物は緑色となる。ただし、被処理物である汚染土壌に有機物等の酸化しやすいものが混入した場合は、過マンガン酸が分解して茶色になる。
(溶解工程;S13)
次いで、溶融した混合物を冷却し、水などの溶媒に溶解させる(図1のS13)。溶融した混合物を、静置により常温まで温度を下げた状態とし、水を添加する。水の添加量は混合物の量により適宜調整すればよい。被処理物に含まれる放射性セシウムより生成した塩化セシウムを水に溶解させて、その後、溶解したセシウムをフィルタープレスなどにより分離する。分離したろ液を、後述の回収工程に供する。フィルタープレスにより、ろ液と分離された固形分には、二酸化マンガンが含まれており、これを溶融工程における二酸化マンガンとして再利用することで、二酸化マンガンの使用総量を抑えることができる。
(回収工程;S14)
回収工程は、溶解させた混合物を無機物に吸着させる工程である。無機物としては、溶解工程により水などの溶媒に溶解したセシウムを吸着できる材料であればいずれも用いることができるが、モレキュラーシーブなどのゼオライト、ケイ酸カルシウム鉱物、及び、バーミキュライト等の雲母を含む鉱物からなる群より選択される少なくとも1種であることが好ましい。本発明では、放射性セシウムを無機物に吸着させて回収を行うため、処理工程において無機物が劣化等することなく、結果として高効率で、放射性セシウムの回収を行うことができる。
放射性セシウムをゼオライトへ吸着させる場合、ゼオライトに含まれているカルシウムに代わって、放射性セシウムが吸着される。セシウムのイオン半径と、カルシウムのイオン半径が同じためと、カルシウムに比べて電気陰性度が高いセシウムが、カルシウムと入れ替わりゼオライトに吸着される。
無機物の粒径は特に限定されないが、被処理物との接触面積が大きくなるように選択することが好ましい。
無機物の添加量が少なくなると、被処理物と無機物との接触が少なく、吸着処理が不十分となる傾向がある。
無機物として粉末状のものを添加する方法のほか、多孔質で、所定の形状(例えば、板状など)に成形したものを添加することも可能である。
回収工程により、溶解させた被処理物に含まれるイオン化したセシウムを、無機物に吸着させた状態で回収することができる。回収後のろ液に残存する酸化剤は、溶融工程による溶融前の混合物に投入して利用することが可能である。このため、溶融工程において用いる新規の酸化剤の使用量を低減することができる。ろ液中の酸化剤だけでは足りない場合は、新規の酸化剤を投入する。
溶解工程を経た混合物中の放射性セシウムをイオン交換樹脂で吸着する場合、過マンガン酸塩が強い酸化剤なので、アルカリ性の溶液であっても、イオン交換樹脂が分解されることになる。そのため、過マンガン酸塩が還元され、二酸化マンガンの生成量が増える。一方、無機物により吸着を行う場合は、二酸化マンガンの生成を抑えることができる。
(処理装置)
本発明を実施するための装置は、例えば、被処理物、及び、金属酸化物と塩素系酸化剤とアルカリのそれぞれ薬剤を定量的に送り出すフィーダー、それらを混和しながら溶融するロータリーキルン、溶融した混合物を溶解するために用いる水槽、溶解したセシウムと混合物とを分離するフィルタープレス、ろ液内のセシウムを吸着するための槽から構成される。
以下、本発明の放射性セシウムを分離する方法について、実施例を用いて説明する。ただし、本発明は、以下の実施例に限定されるものではない。
(放射線量の測定)
下記の実施例における放射線量の測定は、株式会社堀場製作所のシンチレーションカウンターであるRadi(登録商標)PA−1000を用いて行った。
(実施例1)
放射線量0.225μSvの土1kgを、篩下5mm以下2mm以上の粒度の試料にして、この被処理物に対する質量比が5質量%の二酸化マンガン、10質量%の塩素酸ナトリウム、10質量%の水酸化ナトリウムと混合した混合物を、400℃、15分の条件で溶融した。溶融後の混合物が緑色であることを確認後、室温に放冷した。その後、混合物を5リットルの水に溶解し、フィルタープレスを用いてろ液を分離した後、ゼオライト(商品名モレキュラーシーブ、粒子径1mm)500gを添加して放射性セシウムを吸着させた。
放射性セシウムを吸着させた後のろ液の放射線量を測定したところ、放射線量は0.074μSvであり、初期の被処理物に比べて、約67%低下した結果となった。
本発明の放射性セシウム回収方法は、土壌、汚泥、廃棄物等に含まれる放射性セシウムを効率よく回収するものとして、汚染物を除去するプラントに広く採用することができる。

Claims (9)

  1. 放射性セシウムを含む被処理物から放射性セシウムを回収する放射性セシウム回収方法であって、
    被処理物と、酸化剤と、アルカリとの混合物を加熱して溶融する溶融工程と、
    溶融した混合物を冷却し、溶媒に溶解させる溶解工程と、
    溶媒に溶解させた混合物中の放射性セシウムを回収する回収工程と
    を有する、放射性セシウム回収方法。
  2. 回収工程において、放射性セシウムを無機物に吸着させて回収する、請求項1に記載の放射性セシウム回収方法。
  3. 無機物が、ゼオライト、ケイ酸カルシウム鉱物、及び、雲母を含む鉱物からなる群より選択される少なくとも1種である、請求項2に記載の放射性セシウム回収方法。
  4. 溶融工程において、混合物に二酸化マンガンが含まれる、請求項1〜3のいずれかに記載の放射性セシウム回収方法。
  5. 酸化剤が、塩素酸ナトリウム、塩素酸カリウム、次亜塩素酸、塩素酸カルシウム、および、塩素ガスからなる群より選択される少なくとも1種である、請求項4に記載の放射性セシウム回収方法。
  6. 酸化剤が、過マンガン酸ナトリウム又は過マンガン酸カリウムである、請求項1〜3のいずれかに記載の放射性セシウム回収方法。
  7. 溶媒により溶解させた混合物中の放射性セシウムを無機物に吸着させた後のろ液中に残存する酸化剤を、溶融工程による溶融前の混合物に投入する、請求項1〜6のいずれかに記載の放射性セシウム回収方法。
  8. アルカリが、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、および、水酸化カルシウムからなる群より選択される少なくとも1種である、請求項1〜7のいずれかに記載の放射性セシウム回収方法。
  9. 溶融工程において、混合物を400℃以上、800℃以下の条件で溶融する、請求項1〜8のいずれかに記載の放射性セシウム回収方法。
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