JP2014014802A - 土壌からのセシウム除去方法 - Google Patents
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Abstract
【課題】土壌からセシウムを低コストで効率よく除去し、かつ、処理後の土壌を再利用可能な土壌からのセシウム除去方法を提供すること。
【解決手段】本発明の土壌からのセシウム除去方法は、(1)セシウムを含有する土壌に、土壌量に対して5質量%以上10質量%以下の塩化ナトリウムを添加する添加工程と、(2)800℃以上1200℃以下で30分以上120分以下加熱処理することにより、塩化ナトリウムを添加した土壌からセシウムを揮発させる加熱工程と、(3)加熱工程によって土壌から揮発したセシウムを回収する回収工程と、(4)土壌から塩化ナトリウムを除去する脱塩工程とを有することを特徴とする。
【選択図】図1
【解決手段】本発明の土壌からのセシウム除去方法は、(1)セシウムを含有する土壌に、土壌量に対して5質量%以上10質量%以下の塩化ナトリウムを添加する添加工程と、(2)800℃以上1200℃以下で30分以上120分以下加熱処理することにより、塩化ナトリウムを添加した土壌からセシウムを揮発させる加熱工程と、(3)加熱工程によって土壌から揮発したセシウムを回収する回収工程と、(4)土壌から塩化ナトリウムを除去する脱塩工程とを有することを特徴とする。
【選択図】図1
Description
本発明は、セシウムを含有する土壌に塩化ナトリウムを添加した後、加熱処理することにより、セシウムを揮発させて土壌から除去するための方法に関する。
建設残土又は廃棄物を焼却した後に生じる焼却灰から、有害な有機分又は可燃分を除去するために、キルンを用いて有機分又は可燃分を焼却することが行われる。特許文献1は、フィーダによって建設残土を回転キルン内に連続的に投入し、キルンの回転によって投入された残土をフィーダの反対側に設けた排出口へと徐々に移送しながら、残土中の有機分の燃焼により生ずる灰を飛灰として搬送する風量の高温の燃焼ガスを回転キルン内に向流で吹き込んで、残土内に含まれる可燃性の有機分を燃焼してその灰を上記燃焼ガスで搬送排出すると共に、残土中の不燃分を上記燃焼ガスに晒すことにより焼成して排出する、建設残土の焼成方法を開示している。
特許文献1の焼成方法では、向流に吹き込まれた高温燃焼ガスにより、残土又は焼却灰に含まれる可燃分が燃焼されると共に、砂、瓦礫、灰等の不燃分を高温の燃焼ガスに晒すことにより焼成される。回転キルン内で焼成された土砂、瓦礫又は灰は、可燃分を含まない無菌化された純度の高い焼砂(焼成土)又は焼成灰となって回転キルンから排出されるため、磁力選鉱によって金属を分別し、さらにふるい選別によって粒径を揃えることが可能とされている。
一方、放射性廃棄物の場合には、有機分又は可燃分と異なり、加熱によっても分解することができないため、独自の処理方法が必要となる。特許文献2は、硝酸ナトリウム加熱を主成分とする放射性廃棄物と還元剤とガラス化剤を加熱し、窒素酸化物を発生させることなくガラス固化体を作成することを特徴とする硝酸ナトリウムを主成分とする放射性廃棄物の処理方法を開示している。特許文献2の処理方法は、廃棄物が埋設処分され地下水と接触した場合でも、放射性核種の溶出が少なく、また、脱硝及びガラス化処理時に放射性核種の揮発率が低いとされている。
特許文献3は、原子力発電施設の解体により発生した放射化コンクリートをブロック状に切り出し、該コンクリートブロックを密閉区画内で破砕し、所定粒径の粗骨材、細骨材、および微粉末を分級し、再生材料を製造する再生材料製造工程と、前記再生材料のうち微粉末を、加熱分解炉内に供給し、送気された高温空気で700℃以上に加熱し、前記微粉末に含有したトリチウム、炭素-14を分離する加熱処理工程と、前記加熱分解炉内から前記高温空気を環流させる経路上で、該高温空気内に含有する前記トリチウム、炭素-14を吸着除去する除染工程とを備え、各再生材料は除染が確認された後、前記密閉区画から排出されることを特徴とする放射化コンクリートのリサイクル処理方法を開示している。特許文献3のリサイクル方法は、放射化コンクリートに付着した所定の放射性物質を除去して再生骨材等を再生製造し得るとされている。
ここで、平成23年3月に発生した東京電力・福島第一原子力発電所の爆発事故の後、福島県を中心とする広範囲な地域において、土壌から放射性セシウムが検出される事態となっている。放射性セシウムに汚染された土壌の除染処理については、水洗浄、加熱下での酸処理、表土剥離、高圧洗浄、又はカルシウム塩存在下での高温処理のような多くの方法が検討されてきたが、実用規模で採用できるレベルの処理方法は開発されていない。その主原因は、土壌中のセシウムの存在形態、セシウム化合物の化学的・物理的特性、及びセシウム化合物と土壌成分との反応挙動が明らかにされていない点にある。
放射性セシウムを含有する汚染土壌から放射性セシウムを除去する技術として、非特許文献1は、汚染土壌にセシウム揮発促進剤として2種類のカルシウム化合物を添加し、1350℃で加熱処理することにより、セシウムを土壌から99.9%揮発させて除去する方法を開示している。また、非特許文献2には、土壌に塩化カルシウムを添加した場合には、土壌を1000℃以上に加熱してもセシウムがほとんど揮発しないことが開示されている。
2012年3月1日朝日新聞記事、http://www.asahi.com/national/update/0301/TKY201203010146.html
独立行政法人農業・食品産業技術総合研究機構、2012年2月22日付プレスリリース、「放射性物質を含む汚染土壌等からの乾式セシウム除去技術の開発」について、http://www.naro.affrc.go.jp/publicity_report/press/laboratory/narc/027564.html
特許文献1の焼成方法は、土壌中から有機分又は可燃分を除去し、土壌を再生する方法としては利用し得るが、セシウム化合物のような無機物を除去対象とはしていない。
特許文献2の放射性廃棄物の処理方法は、放射性廃棄物をガラス固化体として固定する方法であり、処理後の土壌を再利用することはできない。また、土壌に適用した場合、汚染土壌の体積を減少させることはできないため、大量の土壌について適用することもできない。
特許文献3のリサイクル方法は、トリチウム又は炭素-14の除去を対象としており、土壌中のセシウムを除去対象とはしていない。
非特許文献1のセシウム除去方法は、土壌中のセシウムをほぼ完全に除去できるとされているが、土壌を1300℃以上に加熱する必要があり、エネルギー消費量が大きい。また、そのような高温で加熱処理された場合、処理後の土壌を土壌として再利用することは不可能となる。このため、処理コストが非常に大きく、土壌を減容することができないという問題がある。
本発明は、土壌からセシウムを低コストで効率よく除去し、かつ、処理後の土壌を再利用可能な土壌からのセシウム除去方法の提供を目的とする。
本発明者等は、セシウムを含有する土壌を加熱処理することにより、セシウムを土壌から揮発させる際、塩化ナトリウムを土壌に添加して加熱すると、非特許文献1に開示されているセシウム除去方法よりも低い加熱温度で土壌からセシウムが揮発することを見出し、本発明を完成させるに至った。
具体的に、本発明は、
セシウムを含有する土壌に、土壌に対して5質量%以上10質量%以下の量の塩化ナトリウムを添加する添加工程と、
800℃以上1200℃以下で30分以上120分以下の時間加熱処理することにより、塩化ナトリウムを添加したセシウムを含有する土壌からセシウムを揮発させる加熱工程と、
加熱工程によって土壌から揮発したセシウムを回収する回収工程と、
土壌から塩化ナトリウムを除去する脱塩工程と、
を有する、土壌からのセシウム除去方法に関する。
セシウムを含有する土壌に、土壌に対して5質量%以上10質量%以下の量の塩化ナトリウムを添加する添加工程と、
800℃以上1200℃以下で30分以上120分以下の時間加熱処理することにより、塩化ナトリウムを添加したセシウムを含有する土壌からセシウムを揮発させる加熱工程と、
加熱工程によって土壌から揮発したセシウムを回収する回収工程と、
土壌から塩化ナトリウムを除去する脱塩工程と、
を有する、土壌からのセシウム除去方法に関する。
本発明では、セシウム除去促進剤として、従来使用されていた塩化カルシウムよりも安価な塩化ナトリウムを少量使用することにより、非特許文献1の1300℃より低い800℃〜1200℃の加熱によって、より低コストでありながら、セシウムを効率的に除去し得る。特に950℃以上とすることで、約80%のセシウム除去率を達成し得る。添加された塩化ナトリウムは、例えば、土壌を水と接触させることにより、土壌から除去することが可能である。土壌の脱塩方法としては、公知の脱塩方法を利用し得る。
前記添加工程の前に、粒径1mm以下の土壌を分級し、加熱工程に供する土壌を減容することが好ましい。
セシウムは、粒径の小さい土壌に含有されているため、前処理である分級によって加熱処理する土壌を減容すれば、処理コストを削減し、処理効率を高めることが可能となる。前記添加工程の前に、粒径500μm以下の土壌を分級することがより好ましく、粒径75μm以下の土壌を分級することがさらにより好ましい。
ここでいう「粒径」とは、篩を通過した粒径を意味し、例えば、「粒径1mm以下」は、メッシュ幅1mmの篩を通過した粒径を意味する。
土壌から揮発したセシウムは、バグフィルター、HEPAフィルター、及び湿式スクラバーからなる群より選択される1種以上の手段によって捕集されることが好ましい。
土壌からのセシウム除去については、放射性セシウムの除去を目的とされることが想定される。この場合、土壌からセシウムを揮発させるだけでは、放射性セシウムを大気中に拡散させることになる。本発明では、土壌に含有されるセシウムが放射性セシウムである場合、揮発させた放射性セシウムをバグフィルター、HEPAフィルター、及び湿式スクラバーからなる群より選択される1種以上の手段によって捕集し、系外に放射性セシウムが排出されないようにすることが望ましい。
本発明によれば、従来の土壌からのセシウム除去方法と比較して、より低い加熱温度で同程度の除去率を達成することが可能であり、使用する添加剤も安価かつ入手容易である。また、水を用いて処理後の土壌を洗浄することにより、セシウム除去後の土壌の再利用も可能である。
本発明の実施の形態について、適宜図面を参照しながら説明する。本発明は、以下の記載に限定されない。
<添加工程>
本発明の各工程について順次説明する。まず、セシウムを含有する土壌に、土壌量の5質量%以上10質量%以下の塩化ナトリウムを添加する。すなわち、土壌及び塩化ナトリウムの混合物中における塩化ナトリウムの質量%が4.76(=5/105×100)質量%以上9.1(=10/110×100)質量%以下となるように、セシウムを含有する土壌と塩化ナトリウムを混合する。土壌と塩化ナトリウムとの混合には、一般的なブレンダーが使用可能である。また、土壌を粒径1mm以下へ分級する時に、分級する粒径以下の塩化ナトリウムを分級前の土壌重量の5重量%以上10重量%以下を添加し、添加剤と共に分級を行うことで、分級と同時に塩化ナトリウムを土壌に混合させてもよい。このようにすることで、特別な混合装置を用いることなく、土壌と塩化ナトリウムとを均一に混合することが可能となる。
本発明の各工程について順次説明する。まず、セシウムを含有する土壌に、土壌量の5質量%以上10質量%以下の塩化ナトリウムを添加する。すなわち、土壌及び塩化ナトリウムの混合物中における塩化ナトリウムの質量%が4.76(=5/105×100)質量%以上9.1(=10/110×100)質量%以下となるように、セシウムを含有する土壌と塩化ナトリウムを混合する。土壌と塩化ナトリウムとの混合には、一般的なブレンダーが使用可能である。また、土壌を粒径1mm以下へ分級する時に、分級する粒径以下の塩化ナトリウムを分級前の土壌重量の5重量%以上10重量%以下を添加し、添加剤と共に分級を行うことで、分級と同時に塩化ナトリウムを土壌に混合させてもよい。このようにすることで、特別な混合装置を用いることなく、土壌と塩化ナトリウムとを均一に混合することが可能となる。
<加熱工程>
塩化ナトリウムを添加された土壌は、加熱炉、焼却炉、又はロータリーキルンのような加熱装置へと供給される。そして、800℃以上1200℃以下、好ましくは900℃以上1050℃以下、さらに好ましくは950℃以上1050℃以下で30分以上120分以下加熱処理されることにより、塩化ナトリウムを添加した土壌からセシウムが揮発して除去される。本発明の土壌からのセシウム除去方法は、塩化ナトリウムをセシウム揮発促進剤として利用することを特徴としている。非特許文献2では、無機系の反応促進剤2種類を組み合わせて利用した場合、セシウム揮発率を80%とするためには約1300℃に加熱する必要があるとされている(非特許文献2の図1)。
塩化ナトリウムを添加された土壌は、加熱炉、焼却炉、又はロータリーキルンのような加熱装置へと供給される。そして、800℃以上1200℃以下、好ましくは900℃以上1050℃以下、さらに好ましくは950℃以上1050℃以下で30分以上120分以下加熱処理されることにより、塩化ナトリウムを添加した土壌からセシウムが揮発して除去される。本発明の土壌からのセシウム除去方法は、塩化ナトリウムをセシウム揮発促進剤として利用することを特徴としている。非特許文献2では、無機系の反応促進剤2種類を組み合わせて利用した場合、セシウム揮発率を80%とするためには約1300℃に加熱する必要があるとされている(非特許文献2の図1)。
しかし、本発明のセシウム除去方法は、セシウム揮発促進剤として塩化ナトリウムを利用することにより、土壌が溶融しない1200℃以下の加熱処理によって、約80%のセシウムを土壌から除去することが可能である。セシウム揮発促進剤のコストが低く、土壌の加熱処理に要するエネルギーも少ないという利点を有する。さらに、加熱温度が1200℃以下、好ましくは1050℃以下であるため、土壌中のSiのような成分が溶融し難く、処理後の土壌が焼結するおそれも低い。そのため、加熱処理後の土壌を元の土壌と同様に利用することができる。
なお、加熱工程としては、酸素存在下で土壌を加熱してもよく、逆に窒素雰囲気下で酸素がほとんど無い状態で土壌を加熱してもよい。特に有機物が含有される土壌を加熱処理する場合又は窒素成分の含有量が多い土壌を加熱処理する場合、窒素酸化物又はダイオキシンが生成することを抑制するために、窒素雰囲気下、例えば酸素濃度が1%未満というような酸素がほとんど無い状態で土壌を加熱処理することが好ましい。
<回収工程>
加熱工程によって土壌から揮発したセシウムは、加熱工程実行中に、排ガスに含有された状態で加熱装置から排出される。この排ガスは、必要に応じて減温塔へと供給されて冷却された後、バグフィルター、HEPAフィルター、又は湿式スクラバーによってセシウムが捕集される。
加熱工程によって土壌から揮発したセシウムは、加熱工程実行中に、排ガスに含有された状態で加熱装置から排出される。この排ガスは、必要に応じて減温塔へと供給されて冷却された後、バグフィルター、HEPAフィルター、又は湿式スクラバーによってセシウムが捕集される。
なお、回収されたセシウムが放射性セシウムであり、バグフィルター又はHEPAフィルターを用いて、乾式でセシウムが回収された場合、当該回収物及び当該回収物が付着したフィルター類をそのまま他の有害物質等と共に容器内に貯留し、遮蔽された管理型処分場に埋め立ててもよく、溶融処理によってガラス化すると共に溶出しないように封じ込め、同様に管理型処分場に埋め立てられてもよい。また、コンクリートと混練して固化された後に、管理型処分場に埋め立ててもよい。
また、土壌から揮発したセシウムは、塩化セシウムのように水に溶解しやすい化合物として揮発しており、バグフィルター又はHEPAフィルターの代わりに、湿式スクラバーを用いてこのようなセシウム化合物を水に溶解させることが可能である。湿式スクラバーの洗浄水をろ過処理し、水に溶解しない固体成分を分離し、洗浄水中のセシウム化合物を逆浸透膜(RO膜)装置によって濃縮したり、吸着材を利用した吸着処理によって分離したりしてもよい。濃縮又は吸着処理を行うことにより、最終処分が必要な放射性廃棄物量を減量化できる。吸着材は、乾式でセシウムを回収する場合と同様に、容器内に貯留、溶融処理、又はコンクリートを利用した固形化処理を行い、管理型処分場に埋め立てられてもよい。
<脱塩工程>
加熱工程後の土壌は、水と接触させることにより、含有されている塩化ナトリウムを除去される。脱塩方法としては、公知の脱塩処理方法を採用し得るが、例えば、加熱処理後の土壌を水で洗浄する脱塩方法が採用され得る。この場合、洗浄水に溶出した塩化ナトリウムは、RO膜装置を用いて濃縮処理した後、蒸発濃縮によって析出させ、回収されることが可能である。
加熱工程後の土壌は、水と接触させることにより、含有されている塩化ナトリウムを除去される。脱塩方法としては、公知の脱塩処理方法を採用し得るが、例えば、加熱処理後の土壌を水で洗浄する脱塩方法が採用され得る。この場合、洗浄水に溶出した塩化ナトリウムは、RO膜装置を用いて濃縮処理した後、蒸発濃縮によって析出させ、回収されることが可能である。
また、土壌を高温で(例えば、ロータリーキルンの後段側において)、水蒸気と接触させることによって、土壌中に含有されている塩化ナトリウム由来の塩素原子を水蒸気と反応させ、塩素ガスとして除去する方法も採用され得る。この場合、排出される塩素ガスは、加熱工程において排出される排ガスと混合して処理されてもよく、別個の排気系として排ガスと同じ方法によって処理されてもよい。
土壌に添加された塩化ナトリウムは、上述した通り、水と接触させることにより土壌から水中に溶出するため、洗浄液を蒸発濃縮すること等により回収することができる。回収された塩化ナトリウムは、セシウム揮発促進剤として、後続する添加工程において再利用することが可能である。
塩化ナトリウムを含有する洗浄水を蒸発濃縮する場合、加熱工程に利用した後の廃熱を利用してもよい。具体的には、加熱工程で発生する排ガスを洗浄水の蒸発濃縮のための熱源として利用しても良く、一度別の熱媒体と熱交換した後、当該熱媒体を利用して直接又は間接加熱するようにしてもよい。また、加熱炉(例えば、ロータリーキルン)の外壁に熱媒体を供給し、加熱炉から熱交換により廃熱を回収し、当該熱媒体を蒸発濃縮の熱源として利用してもよい。
<土壌の分級>
セシウムを含有する土壌は、添加工程前に、粒径1mm以下、好ましくは500μm以下、より好ましくは75μm以下となるように分級されることが好ましい。セシウムは、粒径が小さな土壌中に主に存在しているため、分級処理によって粒径の大きな土壌を取り除くことにより、加熱工程に供する土壌を減容することが可能となる。その結果、加熱処理に要するコストが削減される。土壌の分級は、公知の土壌分級方法である乾式分級又は湿式分級のどちらも利用可能である。
セシウムを含有する土壌は、添加工程前に、粒径1mm以下、好ましくは500μm以下、より好ましくは75μm以下となるように分級されることが好ましい。セシウムは、粒径が小さな土壌中に主に存在しているため、分級処理によって粒径の大きな土壌を取り除くことにより、加熱工程に供する土壌を減容することが可能となる。その結果、加熱処理に要するコストが削減される。土壌の分級は、公知の土壌分級方法である乾式分級又は湿式分級のどちらも利用可能である。
(セシウム揮発促進剤の種類による影響)
土壌として、園芸用土壌を使用した。この土壌に水酸化セシウム(非放射性、メーカー:MP Biomedicals,LLC)を10mg/kgとなるように添加し、セシウム含有土壌とした。このセシウム含有土壌に、土壌量の5質量%となる塩化ナトリウム、塩化カリウム、塩化カルシウム、又は炭酸ナトリウムを揮発促進剤として添加した。
土壌として、園芸用土壌を使用した。この土壌に水酸化セシウム(非放射性、メーカー:MP Biomedicals,LLC)を10mg/kgとなるように添加し、セシウム含有土壌とした。このセシウム含有土壌に、土壌量の5質量%となる塩化ナトリウム、塩化カリウム、塩化カルシウム、又は炭酸ナトリウムを揮発促進剤として添加した。
その後、土壌加熱装置として横型加熱炉を使用し、各土壌サンプル5gを1000℃で60分間加熱した。加熱中、各土壌サンプルは、空気と接触した状態とした。加熱終了後、各土壌サンプルを室温まで放冷し、土壌を酸分解し、その分解液中のセシウム濃度をICP-MSを用いて分析することで土壌中のセシウム濃度(mg/kg)を測定した。さらに、加熱処理前後の土壌中セシウム濃度からセシウム除去率を算出した。
図1は、添加剤の種類とセシウム除去率との関係を表したグラフを示す。塩化ナトリウムを添加剤(セシウム揮発促進剤)として使用した場合には、除去率は77%であったが、化学的性質が類似している塩化カリウム及び塩化カルシウムを添加剤として使用した場合には、除去率はそれぞれ57%及び33%であった。また、ナトリウム塩として塩化ナトリウムと共通する炭酸ナトリウムを添加剤として使用した場合には、セシウム除去率は4%に過ぎなかった。このように、塩化ナトリウムは、土壌に含有されているセシウムの揮発促進効果が最も高いことが確認された。
なお、塩化カリウムの除去率が塩化ナトリウムに次いで高く、炭酸ナトリウムの除去率が非常に低かったことから、セシウムの揮発促進には、塩素が関与している割合が高いと考察された。
(加熱温度の影響)
上記と同様にしてセシウム含有土壌に、土壌量の5質量%の塩化ナトリウムを添加した。そして、土壌サンプルを5g磁性ボートに分取し、横型加熱炉に入れ、空気と接触した状態で800℃、900℃、又は1000℃、60分間加熱処理した。加熱終了後、各土壌サンプルを室温まで放冷し、土壌中のセシウム濃度(mg/kg)を測定し、セシウム除去率を算出した。
上記と同様にしてセシウム含有土壌に、土壌量の5質量%の塩化ナトリウムを添加した。そして、土壌サンプルを5g磁性ボートに分取し、横型加熱炉に入れ、空気と接触した状態で800℃、900℃、又は1000℃、60分間加熱処理した。加熱終了後、各土壌サンプルを室温まで放冷し、土壌中のセシウム濃度(mg/kg)を測定し、セシウム除去率を算出した。
図2は、加熱温度とセシウム除去率との関係をプロットしたグラフを示す。図2より、加熱温度を1000℃に加熱すれば、セシウム除去率は約80%以上となることが確認された。
(加熱時間の影響)
上記と同様にして、セシウム含有土壌に、土壌量の5質量%の塩化ナトリウムを添加し、混合した。そして、土壌サンプルを5g磁性ボートに分取し、横型加熱炉に入れ、空気と接触した状態で、1000℃で、10分、20分、30分、60分、及び120分間加熱処理した。加熱終了後、各土壌サンプルを室温まで放冷し、土壌中のセシウム濃度(mg/kg)を測定し、セシウム除去率を算出した。
上記と同様にして、セシウム含有土壌に、土壌量の5質量%の塩化ナトリウムを添加し、混合した。そして、土壌サンプルを5g磁性ボートに分取し、横型加熱炉に入れ、空気と接触した状態で、1000℃で、10分、20分、30分、60分、及び120分間加熱処理した。加熱終了後、各土壌サンプルを室温まで放冷し、土壌中のセシウム濃度(mg/kg)を測定し、セシウム除去率を算出した。
図3は、加熱時間とセシウム除去率との関係をプロットしたグラフを示す。図3より、加熱温度1000℃の場合、30分以上加熱すれば、セシウム除去率は約80%以上となることが確認された。
(塩化ナトリウム添加量の影響)
上記と同様にしてセシウム含有土壌に、土壌量の0〜10質量%の塩化ナトリウムを添加し、混合した。そして、土壌サンプルを5g磁性ボートに分取し、横型加熱炉に入れ、空気と接触した状態で、1000℃で60分間加熱処理した。加熱終了後、各土壌サンプルを室温まで放冷し、土壌中のセシウム濃度(mg/kg)を測定し、セシウム除去率を算出した。
上記と同様にしてセシウム含有土壌に、土壌量の0〜10質量%の塩化ナトリウムを添加し、混合した。そして、土壌サンプルを5g磁性ボートに分取し、横型加熱炉に入れ、空気と接触した状態で、1000℃で60分間加熱処理した。加熱終了後、各土壌サンプルを室温まで放冷し、土壌中のセシウム濃度(mg/kg)を測定し、セシウム除去率を算出した。
図4は、塩化ナトリウム添加量とセシウム除去率との関係をプロットしたグラフを示す。図4より、加熱温度1000℃で60分間加熱する場合、塩化ナトリウムの添加量を土壌量の5質量%以上とすれば、セシウム除去率は約80%以上となることが確認された。
塩化ナトリウムの添加量を土壌量の10質量%超としても、セシウム除去率は向上せず、後段の脱塩工程の負荷が大きくなる。このため、セシウムを含有する土壌に対する塩化ナトリウムの添加量は、土壌量の5質量%以上10質量%以下に調整することが好ましく、添加コストを押さえるためには土壌量の5質量%7質量%以下に調整することがより好ましいと判断された。
(土壌の粒径による影響)
加熱処理に先立ち、上記と同じセシウム含有土壌を、電磁式ふるい振とう機を用いて、それぞれメッシュ幅が75μm、500μm、1000μm、2000μmの篩を用い、粒径が(1) 75μm以下、(2) 75〜500μm、(3) 500〜1000μm、(4) 1000〜2000μmという4種類の粒径範囲の土壌に分級した。それぞれの粒径範囲の土壌について、上記と同様にして、土壌量の5質量%の塩化ナトリウムを添加し、混合した。土壌サンプルを5g磁性ボートに分取し、横型加熱炉に入れ、空気と接触した状態で、1000℃で60分間加熱処理した。加熱終了後、各土壌サンプルを室温まで放冷し、土壌中のセシウム濃度(mg/kg)を測定し、セシウム除去率を算出した。
加熱処理に先立ち、上記と同じセシウム含有土壌を、電磁式ふるい振とう機を用いて、それぞれメッシュ幅が75μm、500μm、1000μm、2000μmの篩を用い、粒径が(1) 75μm以下、(2) 75〜500μm、(3) 500〜1000μm、(4) 1000〜2000μmという4種類の粒径範囲の土壌に分級した。それぞれの粒径範囲の土壌について、上記と同様にして、土壌量の5質量%の塩化ナトリウムを添加し、混合した。土壌サンプルを5g磁性ボートに分取し、横型加熱炉に入れ、空気と接触した状態で、1000℃で60分間加熱処理した。加熱終了後、各土壌サンプルを室温まで放冷し、土壌中のセシウム濃度(mg/kg)を測定し、セシウム除去率を算出した。
図5は、加熱前後のセシウム含有土壌中のセシウム濃度(棒グラフ)及びセシウム除去率(折れ線グラフ)をプロットしたグラフを示す。図5より、加熱前のセシウム濃度は、粒径の小さい土壌程高いことが確認された。また、図5より、同じ条件で加熱処理した場合、セシウム除去率も粒径の小さい土壌程高いことが確認された。特に、粒径75μm以下に分級された土壌の場合には、セシウム除去率は約88%に達していた。
セシウム含有土壌を全量加熱処理する場合、処理設備及び処理コストが過大となる。しかし、添加工程前にセシウム濃度の高い粒径1mm以下のセシウム含有土壌を分級し、分級された土壌のみを処理対象とすることによって、処理すべき土壌の量を60%に減容することが可能となる。さらに粒径500μm以下の場合には40%、75μm以下の場合には10%にまで減容することが可能となる。その結果、処理設備及び処理コストが過大となることを抑制し得る。
(共存する塩類の影響)
耕作地の土壌の場合、肥料として石灰(炭酸カルシウム、CaCO3)のような無機塩類が含有されている可能性が高い。上記と同様にしてセシウム含有土壌に、土壌量の5質量%の塩化ナトリウムと、土壌量の0〜50質量%の炭酸カルシウムを添加及び混合して、空気と接触させた状態で1000℃、60分間加熱した。図6は、土壌に添加した炭酸カルシウム量とセシウム除去率との関係をプロットしたグラフを示す。図6に示されるように、0〜50質量%の炭酸カルシウムが土壌に含有されていても、セシウム除去率は減少しないことが確認された。
耕作地の土壌の場合、肥料として石灰(炭酸カルシウム、CaCO3)のような無機塩類が含有されている可能性が高い。上記と同様にしてセシウム含有土壌に、土壌量の5質量%の塩化ナトリウムと、土壌量の0〜50質量%の炭酸カルシウムを添加及び混合して、空気と接触させた状態で1000℃、60分間加熱した。図6は、土壌に添加した炭酸カルシウム量とセシウム除去率との関係をプロットしたグラフを示す。図6に示されるように、0〜50質量%の炭酸カルシウムが土壌に含有されていても、セシウム除去率は減少しないことが確認された。
本発明の土壌からのセシウム除去方法は、土壌処理分野において有用である。
Claims (3)
- セシウムを含有する土壌に、土壌量に対して5質量%以上10質量%以下の塩化ナトリウムを添加する添加工程と、
800℃以上1200℃以下で30分以上120分以下の時間加熱処理することにより、塩化ナトリウムを添加したセシウムを含有する土壌からセシウムを揮発させる加熱工程と、
加熱工程によって土壌から揮発したセシウムを回収する回収工程と、
土壌から塩化ナトリウムを除去する脱塩工程と、
を有する、土壌からのセシウム除去方法。 - 前記添加工程の前に、粒径1mm以下の土壌を分級し、加熱工程に供する土壌を減容する、請求項1に記載の土壌からのセシウム除去方法。
- 前記回収工程において、土壌から揮発したセシウムを、バグフィルター、HEPAフィルター、及び湿式スクラバーからなる群より選択される1種以上の手段によって捕集する、請求項1又は2に記載の土壌からのセシウム除去方法。
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