JP2019206808A - 扉の改修方法、及び扉 - Google Patents

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【課題】扉の使用性を維持することが可能になる、扉の改修方法、及び扉を提供すること。【解決手段】建物の開口部に既設されている扉の改修方法は、改修前扉を構成する既存開閉体及び既存ヒンジ部を撤去する撤去工程と、撤去工程の後に、戸尻側縦枠材11の内縁側の側面に設けられる取付補助材30を戸尻側縦枠材11に取り付ける第1取付工程と、第1取付工程の後に行われる第2取付工程であって、新規ヒンジ部40を取付補助材30を介して戸尻側縦枠材11に取り付け、且つ新規開閉体20を新規ヒンジ部40に取り付けると共に、戸尻側既存気密部11cに向けて突出した当接部50を新規開閉体20に設けることで、全閉状態において当接部50と戸尻側既存気密部11cとの当接により戸尻側縦枠材11と新規開閉体20との相互間の気密性を高めることを可能とする第2取付工程と、を含む。【選択図】図2

Description

本発明は、扉の改修方法、及び扉に関する。
従来、建物の開口部に設けられている扉を対象とした技術であって、扉によって区画される空間の気密性を高めるための技術の一つとして、開口部の周縁に設けられた扉枠と、扉枠に対して丁番を介して取り付けられた扉本体であって開口部を開閉する扉本体と、扉枠の部分のうち開口部の周縁側の部分に設けられた気密材であって、扉本体によって開口部を全閉した状態において気密材と開閉体との当接により上記空間の気密性を高めるための気密材と、を備えた技術が提案されている(例えば、特許文献1参照)。
また、このような扉の改修方法については、例えば、まず、扉枠を残存させながら扉本体及び丁番を撤去し、次いで、残存させた扉枠に対して平鋼を介して新設される新規丁番を取り付けた後に、新設される扉本体を新規丁番に取り付ける方法がある。このような改修方法により、平鋼によって新規丁番の取り付けに用いるネジの必要はめ合い長さを確保しやすくなるので、新規丁番を扉枠に対して強固に固定することが可能となる。
特開2004−107955号公報
ここで、上記従来の改修方法においては、扉枠に対して平鋼を介して新規丁番を取り付けるので、新規扉本体の位置が改修前の開閉体の位置よりも平鋼の厚さ分ずれることになる。これにより、例えば、新規扉本体によって開口部を全閉した状態において気密材のうち戸尻側に設けられた気密材と新規開閉体との当接が不十分になることで、改修後の扉において上記空間の気密性を確保することが難しくなるおそれがあることから、扉の使用性の観点からは改善の余地があった。
本発明は、上記従来技術における課題を解決するためのものであって、扉の使用性を維持することが可能になる、扉の改修方法、及び扉を提供することを目的とする。
上述した課題を解決し、目的を達成するために、請求項1に記載の扉の改修方法は、建物の開口部に既設されている扉であり、前記開口部の周縁に設けられた既存枠体と、前記既存枠体に取り付けられた既存ヒンジ部によって回動自在に軸支された既存開閉体と、前記既存枠体を構成する長尺な枠材のうち戸尻側に位置する戸尻側枠材に設けられた既存気密部であり、前記戸尻側枠材と前記既存開閉体との相互間の気密性を高めるための既存気密部と、を備える扉を改修するための改修方法であって、前記既存開閉体及び前記既存ヒンジ部を撤去し、又は前記既存開閉体、前記既存ヒンジ部、及び前記既存気密部を撤去する撤去工程と、前記撤去工程の後に、前記戸尻側枠材の内縁側の側面に設けられる取付補助材であって、前記既存ヒンジ部に代えて新設される新規ヒンジ部を取り付けるための取付補助材を前記戸尻側枠材に取り付ける第1取付工程と、前記第1取付工程の後に行われる第2取付工程であって、前記撤去工程において前記既存開閉体及び前記既存ヒンジ部が撤去された場合には、前記既存ヒンジ部に代えて新設される新規ヒンジ部を前記取付補助材を介して前記戸尻側枠材に取り付け、且つ前記既存開閉体に代えて新設される新規開閉体を前記新規ヒンジ部に取り付けると共に、前記既存気密部に向けて突出した当接部を前記新規開閉体に設けることで、前記新規開閉体によって前記開口部を全閉した全閉状態において当該当接部と前記既存気密部との当接により前記戸尻側枠材と前記新規開閉体との相互間の気密性を高めることを可能とし、前記撤去工程において前記既存開閉体、前記既存ヒンジ部、及び前記既存気密部が撤去された場合には、前記新規ヒンジ部を前記取付補助材を介して前記戸尻側枠材に取り付け、前記新規開閉体を前記新規ヒンジ部に取り付け、且つ、前記既存気密部に代えて新設される新規気密部を前記戸尻側枠材に取り付けると共に、前記新規開閉体又は前記新規気密部のいずれか一方に向けて突出した当接部を前記新規開閉体又は前記新規気密部のいずれか他方に設けることで、前記全閉状態において当該当接部と前記新規開閉体又は前記新規気密部との当接により前記戸尻側枠材と前記新規開閉体との相互間の気密性を高めることを可能とする、第2取付工程と、を含む。
請求項2に記載の扉の改修方法は、請求項1に記載の扉の改修方法において、前記当接部の先端から基端までの長さを、前記取付補助材の厚さと略同一とした。
請求項3に記載の扉の改修方法は、請求項1又は2に記載の扉の改修方法において、前記新規開閉体に設けられる前記当接部は、前記新規開閉体を構成する表面材の一部を折り返すことにより形成される。
請求項4に記載の扉の改修方法は、請求項1から3のいずれか一項に記載の扉の改修方法において、前記第1取付工程においては、前記取付補助材を前記戸尻側枠材の長手方向の全長にわたって設ける。
請求項5に記載の扉の改修方法は、請求項1から4のいずれか一項に記載の扉の改修方法において、前記既存ヒンジ部は、丁番又はピボットヒンジであり、前記新規ヒンジ部は、丁番である。
請求項6に記載の扉は、建物の開口部に設けられる扉であって、前記開口部の周縁に設けられた枠体と、前記枠体を構成する長尺な枠材のうち戸尻側に位置する戸尻側枠材における内縁側の側面に設けられた取付補助材であって、前記枠体にヒンジ部を取り付けるための取付補助材と、前記ヒンジ部によって回動自在に軸支された開閉体と、前記戸尻側枠材に設けられた気密部であり、前記戸尻側枠材と前記開閉体との相互間の気密性を高めるための気密部と、少なくとも前記気密部に設けられた当接部であって、前記開閉体によって前記開口部を全閉した全閉状態において当該当接部と前記開閉体との当接により前記戸尻側枠材と前記開閉体との相互間の気密性を高めることを可能にする当接部と、を備えた。
請求項1に記載の扉の改修方法によれば、撤去工程の後に、戸尻側枠材の内縁側の側面に設けられる取付補助材を戸尻側枠材に取り付ける第1取付工程と、第1取付工程の後に行われる第2取付工程であって、撤去工程において既存開閉体及び既存ヒンジ部が撤去された場合には、新規ヒンジ部を取付補助材を介して戸尻側枠材に取り付け、且つ新規開閉体を新規ヒンジ部に取り付けると共に、既存気密部に向けて突出した当接部を新規開閉体に設けることで、全閉状態において当該当接部と既存気密部との当接により戸尻側枠材と新規開閉体との相互間の気密性を高めることを可能とし、撤去工程において既存開閉体、既存ヒンジ部、及び既存気密部が撤去された場合には、新規ヒンジ部を取付補助材を介して戸尻側枠材に取り付け、新規開閉体を新規ヒンジ部に取り付け、且つ、新規気密部を戸尻側枠材に取り付けると共に、新規開閉体又は新規気密部のいずれか一方に向けて突出した当接部を新規開閉体又は新規気密部のいずれか他方に設けることで、全閉状態において当該当接部と新規開閉体又は新規気密部との当接により戸尻側枠材と新規開閉体との相互間の気密性を高めることを可能とする、第2取付工程と、を含むので、新規ヒンジ部を強固に固定できると共に、全閉状態において当接部によって戸尻側枠材と新規開閉体との相互間の気密性を確保することができ、改修後の扉が少なくとも改修前の扉と同等の使用性を維持することが可能となる。
請求項2に記載の扉の改修方法によれば、当接部の先端から基端までの長さを、取付補助材の厚さと略同一としたので、全閉状態において当接部と既存気密部、新規気密部、又は新規開閉体とを確実に当接させながら、新規開閉体の回動によって当接部と戸尻側枠材とが接触することで損傷することを抑制できる。よって、全閉状態において戸尻側枠材と新規開閉体との相互間の気密性を確保しながら、当接部が健全な状態を維持しやすくなる。
請求項3に記載の扉の改修方法によれば、新規開閉体に設けられる当接部が、新規開閉体を構成する表面材の一部を折り返すことにより形成されるので、当接部を新規開閉体とは別体に形成する場合に比べて、当接部と周辺部材との意匠の調和を図ることができ、改修後の扉の意匠性を維持しやすくなる。また、例えば、当接部の先端部と人の手とが触れることで当該手が損傷することを回避でき、改修後の扉の使用時における安全性を確保しやすくなる。さらに、当接部を取り付ける手間を省略でき、改修作業を効率的に行うことが可能となる。
請求項4に記載の扉の改修方法によれば、第1取付工程においては、取付補助材を戸尻側枠材の長手方向の全長にわたって設けるので、取付補助材又は新規ヒンジ部を取り付けるための固定具の固定箇所や固定数を状況に応じて設定しやすくなる。よって、例えば、取付補助材を戸尻側枠材に対して比較的強固に固定できると共に、新規ヒンジ部の取付位置の自由度を高めることができ、取付補助材や新規ヒンジ部の設置性を向上させることが可能となる。
請求項5に記載の扉の改修方法によれば、既存ヒンジ部が丁番又はピボットヒンジであり、新規ヒンジ部が丁番であるので、既存の丁番から新規の丁番に改修する際に当該改修方法を適用することができ、改修後の扉が改修前の扉と同等の使用性を一層維持することが可能となる。
請求項6に記載の扉によれば、戸尻側枠材における内縁側の側面に設けられた取付補助材と、ヒンジ部によって回動自在に軸支された開閉体と、戸尻側枠材に設けられた気密部と、少なくとも気密部に設けられた当接部であって、全閉状態において当該当接部と開閉体との当接により戸尻側枠材と開閉体との相互間の気密性を高めることを可能にする当接部と、を備えたので、ヒンジ部を強固に固定できると共に、全閉状態において当接部によって戸尻側枠材と開閉体との相互間の気密性を確保することができ、当該扉の使用性を高めることが可能となる。
本発明の実施の形態1に係る扉(改修後扉)を示す正面図である。 図1のA−A矢視断面図である(一部図示省略)。 取付補助材及び新規ヒンジ部の取付状況を示す図である(一部図示省略)。 改修前扉を示す図であって、図2に対応する領域を示す図である(一部図示省略)。 扉の改修方法の撤去工程を示す図であって、図2に対応する図である(一部図示省略)。 扉の改修方法の第1取付工程を示す図であって、図2に対応する図である(一部図示省略)。 実施の形態2に係る扉(改修後扉)を示す図であって、図2に対応する図である(一部図示省略)。 戸尻側縦枠材及び取付補助材を示す図であって、図7に対応する図である(一部図示省略)。 扉の改修方法の撤去工程を示す図であって、図7に対応する図である(一部図示省略)。 扉の改修方法の第1取付工程を示す図であって、図7に対応する図である(一部図示省略)。 改修前扉の変形例を示す図であって、図4に対応する領域を示す図である。
以下に添付図面を参照して、この発明に係る扉の改修方法、及び扉の実施の形態を詳細に説明する。まず、〔I〕実施の形態の基本的概念を説明した後、〔II〕実施の形態の具体的内容について説明し、最後に、〔III〕実施の形態に対する変形例について説明する。ただし、実施の形態によって本発明が限定されるものではない。
〔I〕実施の形態の基本的概念
まず、実施の形態の基本的概念について説明する。実施の形態は、概略的に、建物の開口部に既設されている扉を改修するための改修方法、及び扉に関するものである。
ここで、「建物」とは、その具体的な構造や種類は任意であるが、例えば、戸建て住宅、アパートやマンションの如き集合住宅、オフィスビル、商業施設、及び公共施設等を含む概念である。また、「建物の開口部」とは、建物の躯体の一部分(例えば、壁、床、天井等)において出入口や窓を設置するために形成された開口部である。また、「扉」は、開口部に設置される構造体であって、開口部の出入りを抑制又は制限するための構造体を意味する。また、扉の取り付け位置や用途は任意であるが、例えば玄関に設置される「玄関扉」、勝手口や通用口に設置される「勝手口扉」、あるいは建物内部に設置される「室内扉」等を含む。また、扉の開閉構造は任意であり、例えば、片開式の開き戸や両開式の開き戸(いわゆる親子扉)等の「開き戸」として構成することができる。また「扉を構成する開閉体の状態」とは、例えば、開閉体によって開口部を全閉した「全閉状態」と、開閉体によって開口部を全開した「全開状態」と、開口部の一部を開いて開口部の他の一部を閉じている「半開状態」とを含む概念である。また、「改修」とは、扉の部分のうち使用によって劣化された部分を直すことを意味する。以下、実施の形態では、扉が、集合住宅の如き建物の玄関に設けられた片開式の開き戸である場合について説明する。
〔II〕実施の形態の具体的内容
次に、実施の形態の具体的内容について説明する。
〔実施の形態1〕
まず、実施の形態1に係る扉の改修方法、及び扉について説明する。この実施の形態1は、後述の当接部を後述の開閉体に設ける形態である。
(構成)
最初に、実施の形態1に係る扉の構成について説明する。以下の説明では、図1のX方向を扉の左右方向(−X方向を扉の左方向、+X方向を扉の右方向)、図2のY方向を扉の前後方向(+Y方向を扉の前方向(建物の屋外側の方向)、−Y方向を扉の後方向(建物の屋内側の方向))、図1のZ方向を扉の上下方向(+Z方向を扉の上方向、−Z方向を扉の下方向)と称する。図1に示すように、この扉1は、建物の躯体2(具体的には、建物の壁部)に形成された開口部3に設けられたものであり、且つ後述の改修前扉101の一部が改修されたものであり、概略的に、既存枠体10、新規開閉体20、取付補助材30、及び新規ヒンジ部40を備えている。ただし、扉1に関する特記しない構成については、従来と同様であるものとして説明を省略する。
なお、扉1を構成する各種部材同士の取付方法(又は接続方法)については任意であるが、例えば、取付側の部材又は取付相手側の部材に形成された取付孔(例えば、リベット孔、ネジ孔、ビス孔等)を介して、取付側の部材を取付相手側の部材に対して固定具(例えば、リベット、取付ネジ、ビス等)、溶接、接着剤、両面テープ等によって取り付ける(又は接続する)方法が採用されている。また、扉1を構成する部材のうち、既存枠体10は、後述する改修方法によって扉1が改修される前に既設された既存部材として説明すると共に、新規開閉体20、取付補助材30、及び新規ヒンジ部40は、後述する改修方法によって扉1が改修される際に既存部材に代えて新設された新規部材として説明する。また、以下では、図1に示す扉1を「改修後扉1」と称する。
(構成−既存枠体)
既存枠体10は、開口部3の周縁に設置される枠体である。この既存枠体10は、図1、図2に示すように、鋼製(一例として、スチール、ステンレス等)の左右一対の長尺な縦枠材11、12及び上下一対の長尺な横枠材13、14を備えている。これら縦枠材11、12及び横枠材13、14は、それぞれ躯体2に対して固定されており、相互に組み合わせられることによって、正面形状が略矩形環状となるように形成されている。以下では、必要に応じて、左右一対の縦枠材11、12のうち、開口部3の戸尻側に位置する縦枠材11を「戸尻側縦枠材11」と称し、開口部3の戸先側に位置する縦枠材12を「戸先側縦枠材12」と称する。また、上下一対の横枠材13、14のうち、開口部3の上方側に位置する横枠材13を「上側横枠材13」と称し、開口部3の下方側に位置する横枠材14を「くつずり横枠材14」と称する。なお、上述した「戸尻側縦枠材11」は、特許請求の範囲における「戸尻側枠材」に対応する。
また、この戸先側縦枠材12には、デッドボルト受け及びラッチ受けが設けられている(いずれも図示省略)。デッドボルト受けは、全閉状態において、新規開閉体20に設けられた後述する公知のデッドボルトを受けるためのデッドボルト受容手段であり、後述するデッドボルトと対応する位置に配置されている。ラッチ受けは、新規開閉体20に設けられた後述するラッチを受けるためのラッチ受容手段であり、ラッチと対応する位置に配置されている。なお、既存枠体10の構成の詳細については後述する。
(構成−新規開閉体)
図1に戻り、新規開閉体20は、開口部3を開閉するための平板状の開閉体であり、図1、図2に示すように、開閉体枠21、屋外側表面材22、屋内側表面材23、及び芯材(図示省略)を備えている。
(構成−新規開閉体−開閉体枠)
開閉体枠21は、新規開閉体20の剛性を主として担うものである。この開閉体枠21は、複数の鋼製の枠材(一例として、断面形状がコ字状である長尺な鋼製の枠材)を組み合わせることによって、正面形状が矩形環状となるように形成されており、具体的には、左右一対の縦枠材及び上下一対の横枠材から構成されている。このうち、左右一対の縦枠材は、長手方向の長さが相互に略同一となるように形成されており、上下方向に略沿うように配置されている。また、上下一対の横枠材は、長手方向の長さが相互に略同一となるように形成されており、左右方向に略沿うように配置されている。
(構成−新規開閉体−屋外側表面材、屋内側表面材)
屋外側表面材22及び屋内側表面材23は、開閉体枠21及び芯材を覆うためのものである。これら屋外側表面材22及び屋内側表面材23は、例えば公知の表面材(一例として、鋼製の化粧板)等を用いて構成され、図2に示すように、開閉体枠21及び芯材を覆うように設けられており、具体的には、開閉体枠21及び芯材を建物の屋外側及び屋内側から挟むように配置され、開閉体枠21及び芯材に対して接着剤等によって固定されている。
(構成−新規開閉体−芯材)
芯材は、新規開閉体20の内部に充填されるものである。この芯材は、例えば公知の芯材等を用いて構成されてり、開閉体枠21、屋外側表面材22、及び屋内側表面材23によって囲繞された空間内に充填されている。
(構成−新規開閉体−その他の構成)
図1に戻り、また、図1に示すように、新規開閉体20の戸先側には、ユーザが新規開閉体20の開閉操作を行うための把手部24と、新規開閉体20を施錠するための施錠装置25と、施錠装置25による施錠の有無に関わらず、全閉状態の位置に新規開閉体20を維持するためのラッチ(図示省略)とが設けられている。また、新規開閉体20における建物の屋内側の上方には、新規開閉体20が開かれた場合に、新規開閉体20を安全な速度で自動的に閉じるためのものであると共に、新規開閉体20の回動状態が全開状態以上の状態になることを規制するためのドアクローザ(図示省略)が設けられている。
(構成−取付補助材)
取付補助材30は、既存枠体10(具体的には、戸尻側縦枠材11)に新規ヒンジ部40を取り付けるためのものである。この取付補助材30は、例えば鋼製の板状体にて形成されており、図1、図2に示すように、戸尻側縦枠材11における内縁側の側面に設けられ、戸尻側縦枠材11に対して固定具31によって固定されている。
また、この取付補助材30の具体的な形状及び大きさについては任意であるが、実施の形態1では、取付補助材30や新規ヒンジ部40の設置性を向上できるように設定している。具体的には、取付補助材30の形状については、長方形状に設定している。また、取付補助材30の幅(図2では、前後方向の長さ)については、戸尻側縦枠材11の前後方向の長さよりも小さく設定している。また、取付補助材30の高さ(図1では、上下方向の長さ)については、戸尻側縦枠材11の上下方向の長さと略同一(又は、それよりも若干小さく)設定している。また、取付補助材30の厚さ(図2では、左右方向の長さ)については、取付補助材30の厚さが新規ヒンジ部40の取り付けに用いられる固定具41(具体的には、ネジ)の必要はめ合い長さに達する長さに設定している。このような設定(特に、取付補助材30の高さの設定)により、取付補助材30又は新規ヒンジ部40を取り付けるための固定具31又は後述の固定具41の固定箇所や固定数を状況に応じて設定しやすくなる。よって、例えば、取付補助材30を戸尻側縦枠材11に対して比較的強固に固定できると共に、新規ヒンジ部40の取付位置の自由度を高めることができ、取付補助材30や新規ヒンジ部40の設置性を向上させることが可能となる。
(構成−新規ヒンジ部)
図1に戻り、新規ヒンジ部40は、新規開閉体20を戸尻側縦枠材11に対して回動自在に軸支するためのヒンジ部である。この新規ヒンジ部40は、例えば公知の丁番(一例として、面付け式の旗丁番等)を用いて構成されており、図1に示すように、新規開閉体20の戸尻側の端部(図1では、右端部)において、相互に間隔を隔てて上下方向に沿って複数並設されており、新規開閉体20及び戸尻側縦枠材11に対して固定具41によって取り付けられている。この固定具41の取付方法については、実施の形態1では、図3に示すように、取付補助材30の固定具31の固定位置及び後述する既存ヒンジ部120の固定具の固定位置と重複しない位置に取り付けている。
(構成−戸尻側縦枠材及び戸先側縦枠材の構成の詳細)
図1に戻り、次に、既存枠体10の戸尻側縦枠材11及び戸先側縦枠材12の構成の詳細について説明する。ただし、これら戸尻側縦枠材11及び戸先側縦枠材12は、特記する場合を除いて、任意の形状、方法、及び材質で製造することができる。実施の形態1において、図1、図2に示すように、戸尻側縦枠材11及び戸先側縦枠材12の各々は、縦枠材本体11a、固定材11b、及び既存気密部11cを備えている。また、戸尻側縦枠材11は、これらの構成要素に加えて、図4に示す裏板11fをさらに備えている。
縦枠材本体11aは、戸尻側縦枠材11又は戸先側縦枠材12の基本構造体である。この縦枠材本体11aは、X−Y平面に沿った断面形状が左右方向の外側(図2では、右側)に向けて開放された略コ字状となるように形成された中空状体であり、開口部3の上下方向の略全長にわたって形成されている。また、図2に示すように、縦枠材本体11aには、凹部11d及び気密凹部11eが設けられている。ここで、凹部11dは、新規開閉体20を収容しながら縦枠材本体11aと新規開閉体20との干渉を回避するためのもの(いわゆる相じゃくり構造である凹部11d)であり、縦枠材本体11aにおける新規開閉体20に対応する部分を左右方向の外側(図2では、右側)に向けて窪ませることにより形成されている。また、気密凹部11eは、既存気密部11cの一部を収容するためのものであり、凹部11dのうち建物の屋内側の部分(図2では、後側部分)に設けられており、具体的には、当該建物の屋内側の部分を建物の屋内側に向けて窪ませることにより形成されている。
固定材11bは、縦枠材本体11aを躯体2に対して固定するためのものである。この固定材11bは、板状体にて形成されており、具体的には、当該固定材11bの前後方向の長さが縦枠材本体11aのコ字状の開放端部における前後方向の長さと略同一(又はそれ以上の長さ)であり、当該固定材11bの上下方向の長さが縦枠材本体11aの上下方向の長さよりも短くなるように形成されている。また、この固定材11bは、縦枠材本体11aのコ字状の開放端部側(縦枠材本体11aの左右方向の外側の端部側)において、所定間隔を隔てて上下方向に沿って複数並設配置されており、縦枠材本体11a及び躯体2に対して溶接等によって固定されている。
既存気密部11cは、戸尻側縦枠材11又は戸先側縦枠材12と新規開閉体20又は後述の既存開閉体110との相互間の気密性を高めるための気密部である。この既存気密部11cは、例えば公知の長尺な気密材(一例として、エアタイトゴム等)を用いて構成されており、図2に示すように、気密凹部11eにおいて縦枠材本体11aの上下方向の略全長にわたって埋設されている。なお、以下では、既存気密部11cのうち、戸尻側縦枠材11に設けられた既存気密部11cを「戸尻側既存気密部11c」と称し、戸先側縦枠材12に設けられた既存気密部(図示省略)を「戸先側既存気密部」と称する。
裏板11fは、後述する既存ヒンジ部120を固定するためのものである。この裏板11fは、板状体にて形成されており、具体的には、当該裏板11fの前後方向の長さが縦枠材本体11aのコ字状の開放端部における前後方向の長さよりも短く、当該裏板11fの上下方向の長さが縦枠材本体11aの上下方向の長さよりも短くなるように形成されている。また、この裏板11fは、戸尻側縦枠材11の縦枠材本体11aの内部であり、且つ縦枠材本体11aの開放端部側とは反対側(図2では、凹部11d側)において、所定間隔を隔てて上下方向に沿って複数並設配置されており、縦枠材本体11aに対して溶接等によって固定されている。
(構成−上側横枠材及びくつずり横枠材の構成の詳細)
図1に戻り、次に、既存枠体10の上側横枠材13及びくつずり横枠材14の構成の詳細について説明する。ただし、上側横枠材13及びくつずり横枠材14は、特記する場合を除いて、任意の形状、方法、及び材質で製造することができる。実施の形態1において、図1に示すように、上側横枠材13及びくつずり横枠材14の各々は、横枠材本体13a、固定材(図示省略)、及び既存気密部(図示省略)を備えている。
横枠材本体13aは、上側横枠材13又はくつずり横枠材14の基本構造体である。この横枠材本体13aは、Y−Z平面に沿った断面形状が上下方向の外側に向けて開放された略U字状となるように形成された中空状体であり、開口部3の左右方向の略全長にわたって形成されている。また、図1に示すように、横枠材本体13aには、凹部及び気密凹部が設けられており(いずれ図示省略)、凹部及び気密凹部は、上述した縦枠材本体11aの凹部11d及び気密凹部11eと略同様に構成されている。
固定材は、横枠材本体13aを躯体2に対して固定するためのものである。この固定材は、板状体にて形成されており、具体的には、当該固定材の前後方向の長さが横枠材本体13aのコ字状の開放端部における前後方向の長さと略同一(又はそれ以上の長さ)であり、当該固定材の左右方向の長さが横枠材本体13aの左右方向の長さよりも短くなるように形成されている。また、この固定材は、横枠材本体13aのコ字状の開放端部側(横枠材本体13aの上下方向の外側の端部側)において、所定間隔を隔てて左右方向に沿って複数並設配置されており、横枠材本体13a及び躯体2に対して溶接等によって固定されている。
既存気密部は、上側横枠材13又はくつずり横枠材14と新規開閉体20又は後述の既存開閉体110との相互間の気密性を高めるための気密部である。この既存気密部は、例えば公知の長尺な気密材(一例として、エアタイトゴム等)を用いて構成されており、気密凹部において横枠材本体13aの左右方向の略全長にわたって埋設されている。なお、以下では、既存気密部のうち、上側横枠材13に設けられた既存気密部を「上側既存気密部」と称し、くつずり横枠材14に設けられた既存気密部を「くつずり側既存気密部」と称する。
(構成−気密構造)
図2に戻り、次に、改修後扉1の気密構造について説明する。この改修後扉1は、全閉状態において、当該改修後扉1の気密性を高めるための気密構造を備えている。そして、この気密構造の特徴については、実施の形態1では、図2に示すように、新規開閉体20に当接部50が設けられている。
当接部50は、全閉状態において当該当接部50と戸尻側既存気密部11cとの当接により戸尻側縦枠材11と新規開閉体20との相互間の気密性を高めることを可能にする当接手段である。この当接部50は、図2に示すように、新規開閉体20において戸尻側既存気密部11cに向けて突出するように設けられている。具体的には、当接部50が新規開閉体20の建物の屋内側の側面と面一となるように、新規開閉体20から左右方向の外側(図2では、右側)に向けて張り出されている(より具体的には、図2に示すように、新規開閉体20の側面のうち新規ヒンジ部40が取り付けられる側面よりも右側に突出するように設けられている)と共に、新規開閉体20の上下方向の略全長にわたって形成されている。
また、当接部50の大きさについては任意であるが、実施の形態1では、全閉状態において当接部50と戸尻側既存気密部11cとが当接可能な大きさに設定しており、具体的には、当接部50の先端から基端までの長さCLを、取付補助材30の厚さと略同一に設定している。これにより、全閉状態において当接部50と戸尻側既存気密部11cとを確実に当接させながら、新規開閉体20の回動によって当接部50と戸尻側縦枠材11とが接触することで損傷することを抑制でき、全閉状態において戸尻側縦枠材11と新規開閉体20との相互間の気密性を確保しながら、当接部50が健全な状態を維持しやすくなる。ただし、上記設定に限らず、例えば、当接部50の先端から基端までの長さCLを、取付補助材30の厚さよりも長く設定してもよい。
また、この当接部50の形成方法については任意であるが、実施の形態1では、新規開閉体20を構成する表面材(図2では、屋内側表面材23)の一部を折り返すことにより形成している。具体的には、図2に示すように、当接部50が新規開閉体20の当該当接部50以外の部分よりも戸尻側縦枠材11側(図2では、右側)に向けて突出するように、屋内側表面材23の戸尻側部分を折り返すことにより形成している。これにより、当接部50を新規開閉体20とは別体に形成する場合に比べて、当接部50と周辺部材との意匠の調和を図ることができ、改修後扉1の意匠性を維持しやすくなる。また、例えば、当接部50の先端部と人の手とが触れることで当該手が損傷することを回避でき、改修後扉1の使用時における安全性を確保しやすくなる。さらに、当接部50を取り付ける手間を省略でき、改修作業を効率的に行うことが可能となる。
このような気密構造により、新規ヒンジ部40を強固に固定できると共に、全閉状態において当接部50によって戸尻側縦枠材11と新規開閉体20との相互間の気密性を確保することができ、改修後扉1の使用性を高めることが可能となる。
(扉の改修方法)
続いて、扉の改修方法について説明する。図2、図4から図6に示すように、改修前に開口部3に既設されている図4の扉101(以下、「改修前扉101」と称する)を図2の改修後扉1に改修する改修方法は、撤去工程、修繕工程、第1取付工程、第2取付工程、及び塗装工程を含んでいる。
ここで、改修前扉101の具体的な構成については任意であるが、実施の形態1では、図4に示すように、既存枠体10、既存開閉体110、及び既存ヒンジ部120を備えている。このうち、既存枠体10は、図1の既存枠体10と同一のものである。また、既存開閉体110は、開口部3を開閉するための平板状の開閉体であり、当接部50が省略され、且つ既存開閉体110の平面形状の大きさが新規開閉体20の平面形状の大きさに比べて若干大きく設定されていることを除き、新規開閉体20と略同様に構成されている。また、既存ヒンジ部120は、既存開閉体110を戸尻側縦枠材11に対して回動自在に軸支するためのヒンジ部である。この既存ヒンジ部120は、例えば公知の丁番(一例として、掘り込み式の旗丁番等)を用いて構成されており、図4に示すように、既存開閉体110の戸尻側の端部(図4では、右端部)において、相互に間隔を隔てて上下方向に沿って複数並設されており、既存開閉体110の内部に設けられた図4の補助板111を介して既存開閉体110に対して固定具によって取り付けられ、且つ裏板11fを介して戸尻側縦枠材11に対して固定具によって取り付けられている。このような改修前扉101の構成により、既存ヒンジ部120を強固に固定できると共に、全閉状態において戸尻側既存気密部11cによって戸尻側縦枠材11と既存開閉体110との相互間の気密性を確保することができ、改修前扉101の使用性を高めることが可能となる。
(扉の改修方法−撤去工程)
まず、撤去工程について説明する。撤去工程は、図5に示すように、改修前扉101の既存開閉体110及び既存ヒンジ部120を撤去する工程である。具体的には、まず、略全開状態において既存開閉体110を上方に持ち上げることで、既存開閉体110を既存ヒンジ部120の一部(具体的には、戸尻側縦枠材11に取り付けられる部分)から取り外す。そして、上記既存ヒンジ部120の一部に取り付けられた固定具を取り外すことで、既存ヒンジ部120を戸尻側縦枠材11から取り外すことにより、撤去する。ただし、これに限らず、例えば、略全開状態において既存ヒンジ部120に取り付けられた固定具を取り外すことで、既存開閉体110及び既存ヒンジ部120を戸尻側縦枠材11から同時に取り外すことにより、撤去してもよい(特に、開口部3の上方に庇がある場合には有効である)。
(扉の改修方法−修繕工程)
次に、修繕工程について説明する。修繕工程は、撤去工程の後に、戸尻側縦枠材11を修繕するための工程である。具体的には、戸尻側縦枠材11に設けられた挿通孔であって、既存ヒンジ部120の一部(具体的には、裏板11fに取り付けられる部分)を戸尻側縦枠材11の内部に挿通させるための挿通孔(図示省略)を、図示しない塞ぎ材(一例として、パテ材又はシール材等)で塞ぐことにより、修繕する。
(扉の改修方法−第1取付工程)
次いで、第1取付工程について説明する。第1取付工程は、修繕工程の後に、取付補助材30を戸尻側縦枠材11に取り付ける工程である。具体的には、図6に示すように、工場等で製造された取付補助材30であって、取付補助材30の上下方向の長さが戸尻側縦枠材11の長手方向の全長と略同一である取付補助材30を戸尻側縦枠材11の内縁側の側面に当接させた状態で、この取付補助材30を戸尻側縦枠材11に対して固定具31によって固定することにより、取り付ける。これにより、取付補助材30を戸尻側縦枠材11に対して比較的強固に固定できると共に、新規ヒンジ部40の取付位置の自由度を高めることができ、取付補助材30や新規ヒンジ部40の設置性を向上させることができる。
(扉の改修方法−第2取付工程)
次に、第2取付工程について説明する。第2取付工程は、図2に示すように、第1取付工程の後に、新規ヒンジ部40を取付補助材30を介して戸尻側縦枠材11に取り付け、且つ新規開閉体20を新規ヒンジ部40に取り付けると共に、新規開閉体20に当接部50を設けることで、全閉状態において当該当接部50と戸尻側既存気密部11cとの当接により戸尻側縦枠材11と新規開閉体20との相互間の気密性を高めることを可能とする工程である。具体的には、まず、新規ヒンジ部40を、戸尻側縦枠材11に取り付けられる部分(以下、「新規ヒンジ部40の一部」と称する)と、新規開閉体20に取り付けられる部分(以下、「新規ヒンジ部40の他の一部」と称する)とに分解する。次に、新規ヒンジ部40の一部を取付補助材30に当接させた状態で、この新規ヒンジ部40の一部を取付補助材30及び戸尻側縦枠材11に対して固定具41によって固定する。次いで、工場等で製造された新規開閉体20であって、屋内側表面材23の一部を折り返すことで形成された当接部50を有する新規開閉体20に新規ヒンジ部40の他の一部を当接させた状態で、この新規ヒンジ部40の他の一部を新規開閉体20に対して固定具41によって固定する。そして、新規ヒンジ部40の他の一部が新規ヒンジ部40の一部に差し込まれるように、上記新規開閉体20を持ち上げ且つ持ち下げることにより、取り付けてもよい。あるいは、これに限らず、例えば、まず、新規ヒンジ部40を分解することなく、新規ヒンジ部40の一部を取付補助材30に当接させた状態で、この新規ヒンジ部40の一部を取付補助材30及び戸尻側縦枠材11に対して固定具41によって固定する。そして、上記工場等で製造された新規開閉体20を新規ヒンジ部40の他の一部に当接させた状態で、この新規開閉体20を新規ヒンジ部40の他の一部に対して固定具41によって固定することにより、取り付けてもよい(特に、開口部3の上方に庇がある場合には有効である)。なお、新規ヒンジ部40を戸尻側縦枠材11に取り付ける際に、取付補助材30を用いることなく、戸尻側縦枠材11の裏板11fのみを用いることも考えられるが、既存枠体10が躯体2に取り付けられている状態では、裏板11fの設置位置を確認することが難しいため、新規ヒンジ部40を裏板11fに取り付けることが困難になることから、実施の形態1では、取付補助材30を用いることにしている。
(扉の改修方法−塗装工程)
続いて、塗装工程について説明する。塗布乾燥工程は、第2取付工程の後に、既存枠体10を塗装するための工程である。具体的には、戸尻側縦枠材11の外表面のうち、修繕工程において塞ぎ材が取り付けられた部分及びその近傍部分に公知の塗装材(図示省略)を塗布した後に、所定時間経過するまで乾燥させることにより、塗装する。
以上のような改修方法により、新規ヒンジ部40を強固に固定できると共に、全閉状態において当接部50によって戸尻側縦枠材11と新規開閉体20との相互間の気密性を確保することができ、改修後扉1が少なくとも改修前扉101と同等の使用性を維持することが可能となる。また、既存ヒンジ部120及び新規ヒンジ部40の各々が丁番であるので、既存の丁番から新規の丁番に改修する際に上記改修方法を適用することができ、改修後扉1が改修前扉101と同等の使用性を一層維持することが可能となる。
(実施の形態の効果)
このように実施の形態1によれば、撤去工程の後に、戸尻側縦枠材11の内縁側の側面に設けられる取付補助材30を戸尻側縦枠材11に取り付ける第1取付工程と、第1取付工程の後に行われる第2取付工程であって、撤去工程において既存開閉体110及び既存ヒンジ部120が撤去された場合には、新規ヒンジ部40を取付補助材30を介して戸尻側縦枠材11に取り付け、且つ新規開閉体20を新規ヒンジ部40に取り付けると共に、戸尻側既存気密部11cに向けて突出した当接部50を新規開閉体20に設けることで、全閉状態において当該当接部50と戸尻側既存気密部11cとの当接により戸尻側縦枠材11と新規開閉体20との相互間の気密性を高めることを可能とする第2取付工程と、を含むので、新規ヒンジ部40を強固に固定できると共に、全閉状態において当接部50によって戸尻側縦枠材11と新規開閉体20との相互間の気密性を確保することができ、改修後扉1が少なくとも改修前扉101と同等の使用性を維持することが可能となる。
また、当接部50の先端から基端までの長さCLを、取付補助材30の厚さと略同一としたので、全閉状態において当接部50と戸尻側既存気密部11cとを確実に当接させながら、新規開閉体20の回動によって当接部50と戸尻側縦枠材11とが接触することで損傷することを抑制できる。よって、全閉状態において戸尻側縦枠材11と新規開閉体20との相互間の気密性を確保しながら、当接部50が健全な状態を維持しやすくなる。
また、新規開閉体20に設けられる当接部50が、新規開閉体20を構成する表面材の一部を折り返すことにより形成されるので、当接部50を新規開閉体20とは別体に形成する場合に比べて、当接部50と周辺部材との意匠の調和を図ることができ、改修後扉1の意匠性を維持しやすくなる。また、例えば、当接部50の先端部と人の手とが触れることで当該手が損傷することを回避でき、改修後扉1の使用時における安全性を確保しやすくなる。さらに、当接部50を取り付ける手間を省略でき、改修作業を効率的に行うことが可能となる。
また、第1取付工程においては、取付補助材30を戸尻側縦枠材11の長手方向の全長にわたって設けるので、取付補助材30又は新規ヒンジ部40を取り付けるための固定具31又は固定具41の固定箇所や固定数を状況に応じて設定しやすくなる。よって、例えば、取付補助材30を戸尻側縦枠材11に対して比較的強固に固定できると共に、新規ヒンジ部40の取付位置の自由度を高めることができ、取付補助材30や新規ヒンジ部40の設置性を向上させることが可能となる。
また、既存ヒンジ部120が丁番であり、新規ヒンジ部40が丁番であるので、既存の丁番から新規の丁番に改修する際に当該改修方法を適用することができ、改修後扉1が改修前扉101と同等の使用性を一層維持することが可能となる。
〔実施の形態2〕
次に、実施の形態2に係る扉の改修方法、及び扉について説明する。この実施の形態2は、当接部を後述の新規気密部に設ける形態である。ただし、この実施の形態2の構成は、特記する場合を除いて、実施の形態1の構成と略同一であり、実施の形態1の構成と略同一の構成についてはこの実施の形態1で用いたものと同一の符号及び/又は名称を必要に応じて付して、その説明を省略する。
(構成)
最初に、実施の形態2に係る扉の構成について説明する。実施の形態2に係る扉201(以下、「改修後扉201」と称する)は、開口部3に設けられるものであり、且つ図4の改修前扉101の一部が改修されたものであり、図7に示すように、実施の形態1に係る改修後扉1とほぼ同様に構成されている。ただし、既存枠体10及び気密構造の構成の詳細については、下記に示す工夫が施されている。
(構成−既存枠体)
次に、既存枠体10の構成の詳細について説明する。
実施の形態2において、図7に示すように、既存枠体10の戸尻側縦枠材11及び戸先側縦枠材12の各々は、縦枠材本体11a、固定材11b、及び新規気密部210を備えている。また、戸尻側縦枠材11は、これらの構成要素に加えて、裏板11fをさらに備えている。このうち、新規気密部210は、戸尻側縦枠材11又は戸先側縦枠材12と新規開閉体20との相互間の気密性を高めるための気密部である。この新規気密部210は、例えば公知の長尺な気密材(一例として、エアタイトゴム等)を用いて構成されており、図7に示すように、縦枠材本体11aの気密凹部11eにおいて縦枠材本体11aの上下方向の略全長にわたって埋設されている。なお、以下では、新規気密部210のうち、戸尻側縦枠材11に設けられた新規気密部210を「戸尻側新規気密部210」と称し、戸先側縦枠材12に設けられた新規気密部(図示省略)を「戸先側新規気密部」と称する。
また、上側横枠材13及びくつずり横枠材14の各々は、横枠材本体13a、固定材(図示省略)、及び新規気密部(図示省略)を備えている。このうち、新規気密部は、例えば公知の長尺な気密材(一例として、エアタイトゴム等)を用いて構成されており、横枠材本体13aの気密凹部において横枠材本体13aの左右方向の略全長にわたって埋設されている。なお、以下では、新規気密部のうち、上側横枠材13に設けられた新規気密部を「上側新規気密部」と称し、くつずり横枠材14に設けられた新規気密部を「くつずり側新規気密部」と称する。
(構成−気密構造)
次に、改修後扉201の気密構造について説明する。この気密構造の特徴については、実施の形態2では、図7、図8に示すように、戸尻側新規気密部210に当接部220が設けられている。
当接部220は、全閉状態において当該当接部220と新規開閉体20との当接により戸尻側縦枠材11と新規開閉体20との相互間の気密性を高めることを可能にする当接手段である。この当接部220は、図7、図8に示すように、戸尻側新規気密部210において新規開閉体20に向けて突出するように設けられている。具体的には、当接部220が戸尻側新規気密部210から左右方向の内側(図8では、左側)に向けて張り出されている(より具体的には、図6の戸尻側既存気密部11cよりも左側に突出するように設けられている)と共に、戸尻側新規気密部210の上下方向の略全長にわたって形成されている。
また、当接部220の大きさについては任意であるが、実施の形態2では、図8に示すように、実施の形態1と同様に、当接部220の先端から基端までの長さCLを、取付補助材30の厚さと略同一に設定している。ここで、「当接部220の基端」とは、実施の形態2では、戸尻側新規気密部210の部分のうち戸尻側既存気密部11cの左右方向の内側の端部(図8では、左端部)に対応する部分として説明する。これにより、全閉状態において当接部220と新規開閉体20とを確実に当接させながら、新規開閉体20の回動によって当接部220と戸尻側縦枠材11とが接触することで損傷することを抑制でき、全閉状態において戸尻側縦枠材11と新規開閉体20との相互間の気密性を確保しながら、当接部220が健全な状態を維持しやすくなる。
また、この当接部220の形成方法については任意であるが、実施の形態2では、気密材を射出成形することにより、当接部220と戸尻側新規気密部210とを一体に形成している。これにより、当接部220を戸尻側新規気密部210とは別体に形成する場合に比べて、当接部220と周辺部材との意匠の調和を図ることができ、改修後扉201の意匠性を維持しやすくなる。また、当接部220を取り付ける手間を省略でき、改修作業を効率的に行うことが可能となる。
このような気密構造により、実施の形態1に係る気密構造と同様に、新規ヒンジ部40を強固に固定できると共に、全閉状態において当接部220によって戸尻側縦枠材11と新規開閉体20との相互間の気密性を確保することができ、改修後扉201の使用性を高めることが可能となる。
(扉の改修方法)
続いて、扉の改修方法について説明する。図4、図7、図9、図10に示すように、図4に示す改修前扉101を図7の改修後扉201に改修する改修方法は、撤去工程、修繕工程、第1取付工程、第2取付工程、及び塗装工程を含んでいる。なお、修繕工程、第1取付工程、及び塗装工程は、実施の形態1に係る修繕工程、第1取付工程、及び塗装工程とそれぞれ略同様に行われるので、以下では、その説明を省略する。
(扉の改修方法−撤去工程)
まず、撤去工程について説明する。撤去工程は、図9に示すように、改修前扉101の既存開閉体110、既存ヒンジ部120、及び戸尻側既存気密部11cを含む既存気密部を撤去する工程である。具体的には、実施の形態1に係る撤去工程と同様に、既存開閉体110及び既存ヒンジ部120を撤去した後に、既存枠体10から各種の既存気密部のすべてを取り外すことにより、撤去する。
(扉の改修方法−第2取付工程)
次に、第2取付工程について説明する。第2取付工程は、図7に示すように、取付補助材30を取り付ける図10の第1取付工程が行われた後に、新規ヒンジ部40を取付補助材30を介して戸尻側縦枠材11に取り付け、新規開閉体20を新規ヒンジ部40に取り付け、且つ、戸尻側新規気密部210を戸尻側縦枠材11に取り付けると共に、新規開閉体20又は戸尻側新規気密部210のいずれか一方に向けて突出した当接部220を新規開閉体20又は戸尻側新規気密部210のいずれか他方に設けることで、全閉状態において当該当接部220と新規開閉体20又は戸尻側新規気密部210との当接により戸尻側縦枠材11と新規開閉体20との相互間の気密性を高めることを可能とする工程である。具体的には、まず、工場等で製造された各種の新規気密部(具体的には、新規開閉体20に向けて突出した当接部220と一体形成された戸尻側新規気密部210を含む各種の新規気密部)を既存枠体10に形成された対応する気密凹部にそれぞれ埋設する。そして、実施の形態1に係る第2取付工程と同様に、新規ヒンジ部40を取付補助材30を介して戸尻側縦枠材11に取り付けると共に、新規開閉体20を新規ヒンジ部40に取り付ける。
以上のような改修方法により、実施の形態1に係る改修方法と同様に、新規ヒンジ部40を強固に固定できると共に、全閉状態において当接部220によって戸尻側縦枠材11と新規開閉体20との相互間の気密性を確保することができ、改修後扉201が少なくとも改修前扉101と同等の使用性を維持することが可能となる。
(実施の形態の効果)
このように実施の形態2によれば、撤去工程の後に、戸尻側縦枠材11の内縁側の側面に設けられる取付補助材30を戸尻側縦枠材11に取り付ける第1取付工程と、第1取付工程の後に行われる第2取付工程であって、撤去工程において既存開閉体110、既存ヒンジ部120、及び戸尻側既存気密部11cが撤去された場合には、新規ヒンジ部40を取付補助材30を介して戸尻側縦枠材11に取り付け、新規開閉体20を新規ヒンジ部40に取り付け、且つ、戸尻側新規気密部210を戸尻側縦枠材11に取り付けると共に、新規開閉体20に向けて突出した当接部220を戸尻側新規気密部210に設けることで、全閉状態において当該当接部220と新規開閉体20との当接により戸尻側縦枠材11と新規開閉体20との相互間の気密性を高めることを可能とする第2取付工程と、を含むので、実施の形態1に係る扉の改修方法と同様に、新規ヒンジ部40を強固に固定できると共に、全閉状態において当接部220によって戸尻側縦枠材11と新規開閉体20との相互間の気密性を確保することができ、改修後扉201が少なくとも改修前扉101と同等の使用性を維持することが可能となる。
また、戸尻側縦枠材11における内縁側の側面に設けられた取付補助材30と、新規ヒンジ部40によって回動自在に軸支された新規開閉体20と、戸尻側縦枠材11に設けられた戸尻側新規気密部210と、少なくとも戸尻側新規気密部210に設けられた当接部220であって、全閉状態において当該当接部220と新規開閉体20との当接により戸尻側縦枠材11と新規開閉体20との相互間の気密性を高めることを可能にする当接部220と、を備えたので、新規ヒンジ部40を強固に固定できると共に、全閉状態において当接部220によって戸尻側縦枠材11と新規開閉体20との相互間の気密性を確保することができ、改修後扉201の使用性を高めることが可能となる。
〔III〕実施の形態に対する変形例
以上、本発明の実施の形態について説明したが、本発明の具体的な構成及び手段は、特許請求の範囲に記載した各発明の技術的思想の範囲内において、任意に改変及び改良することができる。以下、このような変形例について説明する。
(解決しようとする課題や発明の効果について)
まず、発明が解決しようとする課題や発明の効果は、前記した内容に限定されるものではなく、本発明によって、前記に記載されていない課題を解決したり、前記に記載されていない効果を奏することもでき、また、記載されている課題の一部のみを解決したり、記載されている効果の一部のみを奏することがある。
(形状、数値、構造、時系列について)
実施の形態や図面において例示した構成要素に関して、形状、数値、又は複数の構成要素の構造若しくは時系列の相互関係については、本発明の技術的思想の範囲内において、任意に改変及び改良することができる。
(改修前扉について)
上記実施の形態1、2では、改修前扉101の構成が、改修後扉の構成と異なるものしてと説明したが、これに限らず、改修後扉の構成と同一のものであってもよい。
(取付補助材について)
上記実施の形態1、2では、取付補助材30が鋼製であると説明したが、これに限らず、例えば、樹脂製、又は木製であってもよい。
(既存ヒンジ部について)
上記実施の形態1、2では、既存ヒンジ部120が丁番であると説明したが、これに限らず、例えば、ピボットヒンジであってもよい。
また、上記実施の形態1、2では、改修前扉101の既存ヒンジ部120が掘り込み式の旗丁番であると説明したが、これに限らず、例えば、図11に示すように、面付け式の旗丁番であってもよい。この場合において、改修前扉101を改修後扉に改修する改修方法については、既存ヒンジ部120が掘り込み式の旗丁番である場合と略同様に行うことができる。ただし、掘り込み式の旗丁番のように、既存ヒンジ部120の一部を戸尻側縦枠材11の内部に挿通させるための挿通孔が戸尻側縦枠材11に形成されないので、修繕工程及び塗装工程を省略できる。
(気密構造について)
上記実施の形態1では、当接部50が新規開閉体20と一体に形成されていると説明したが、これに限らず、例えば、新規開閉体20とは別体に形成され、新規開閉体20に対して固定具等によって固定されてもよい。また、上記実施の形態2では、当接部220が戸尻側新規気密部210と一体に形成されていると説明したが、これに限らず、例えば、戸尻側新規気密部210とは別体に形成され、戸尻側新規気密部210に対して固定具等によって固定されてもよい。
また、上記実施の形態1では、当接部50が、屋内側表面材23の一部で形成されていると説明したが、これに限らない。例えば、屋外側表面材22の一部で形成されてもよく、又は開閉体枠21の一部で形成されてもよい。また、上記実施の形態1では、当接部50が、屋内側表面材23の一部を折り返すことにより形成されていると説明したが、これに限らず、例えば、屋内側表面材23の一部を折り返さないで形成されてもよい。
また、上記実施の形態2では、新規開閉体20に向けて突出した当接部220を戸尻側新規気密部210に設けると説明したが、これに限らない。戸尻側新規気密部210に向けて突出した当接部220を新規開閉体20に設けてもよい。この場合には、戸尻側新規気密部210は、戸尻側既存気密部11cの構成と同一のものが用いられる。また、改修方法の第2取付工程において、全閉状態において当接部220と戸尻側新規気密部210との当接により戸尻側縦枠材11と新規開閉体20との相互間の気密性を高めることが可能となる。あるいは、当接部220を戸尻側新規気密部210及び新規開閉体20の両方に設けてもよい。この場合に、改修方法の第2取付工程において、全閉状態において当接部220と新規開閉体20及び戸尻側新規気密部210の各々との当接により戸尻側縦枠材11と新規開閉体20との相互間の気密性を高めることが可能となる。
(改修方法について)
また、上記実施の形態1、2では、修繕工程及び塗装工程が行われると説明したが、これに限らず、例えば、修繕工程及び塗装工程を省略してもよい。
また、上記実施の形態1、2では、第1取付工程において、取付補助材30を戸尻側縦枠材11の長手方向の全長にわたって設けていると説明したが、これに限らず、例えば、戸尻側縦枠材11の長手方向の全長の一部のみにわたって設けてもよい。
また、上記実施の形態2では、撤去工程において既存枠体10から各種の既存気密部のすべてを取り外すと説明したが、これに限らず、例えば、各種の既存気密部の一部のみ(ただし、戸尻側既存気密部11c含む)を取り外してもよい。
(付記)
付記1の扉の改修方法は、建物の開口部に既設されている扉であり、前記開口部の周縁に設けられた既存枠体と、前記既存枠体に取り付けられた既存ヒンジ部によって回動自在に軸支された既存開閉体と、前記既存枠体を構成する長尺な枠材のうち戸尻側に位置する戸尻側枠材に設けられた既存気密部であり、前記戸尻側枠材と前記既存開閉体との相互間の気密性を高めるための既存気密部と、を備える扉を改修するための改修方法であって、前記既存開閉体及び前記既存ヒンジ部を撤去し、又は前記既存開閉体、前記既存ヒンジ部、及び前記既存気密部を撤去する撤去工程と、前記撤去工程の後に、前記戸尻側枠材の内縁側の側面に設けられる取付補助材であって、前記既存ヒンジ部に代えて新設される新規ヒンジ部を取り付けるための取付補助材を前記戸尻側枠材に取り付ける第1取付工程と、前記第1取付工程の後に行われる第2取付工程であって、前記撤去工程において前記既存開閉体及び前記既存ヒンジ部が撤去された場合には、前記既存ヒンジ部に代えて新設される新規ヒンジ部を前記取付補助材を介して前記戸尻側枠材に取り付け、且つ前記既存開閉体に代えて新設される新規開閉体を前記新規ヒンジ部に取り付けると共に、前記既存気密部に向けて突出した当接部を前記新規開閉体に設けることで、前記新規開閉体によって前記開口部を全閉した全閉状態において当該当接部と前記既存気密部との当接により前記戸尻側枠材と前記新規開閉体との相互間の気密性を高めることを可能とし、前記撤去工程において前記既存開閉体、前記既存ヒンジ部、及び前記既存気密部が撤去された場合には、前記新規ヒンジ部を前記取付補助材を介して前記戸尻側枠材に取り付け、前記新規開閉体を前記新規ヒンジ部に取り付け、且つ、前記既存気密部に代えて新設される新規気密部を前記戸尻側枠材に取り付けると共に、前記新規開閉体又は前記新規気密部のいずれか一方に向けて突出した当接部を前記新規開閉体又は前記新規気密部のいずれか他方に設けることで、前記全閉状態において当該当接部と前記新規開閉体又は前記新規気密部との当接により前記戸尻側枠材と前記新規開閉体との相互間の気密性を高めることを可能とする、第2取付工程と、を含む。
付記2の扉の改修方法は、付記1に記載の扉の改修方法において、前記当接部の先端から基端までの長さを、前記取付補助材の厚さと略同一とした。
付記3の扉の改修方法は、付記1又は2に記載の扉の改修方法において、前記新規開閉体に設けられる前記当接部は、前記新規開閉体を構成する表面材の一部を折り返すことにより形成される。
付記4の扉の改修方法は、付記1から3のいずれか一項に記載の扉の改修方法において、前記第1取付工程においては、前記取付補助材を前記戸尻側枠材の長手方向の全長にわたって設ける。
付記5の扉の改修方法は、付記1から4のいずれか一項に記載の扉の改修方法において、前記既存ヒンジ部は、丁番又はピボットヒンジであり、前記新規ヒンジ部は、丁番である。
付記6の扉の改修方法は、建物の開口部に設けられる扉であって、前記開口部の周縁に設けられた枠体と、前記枠体を構成する長尺な枠材のうち戸尻側に位置する戸尻側枠材における内縁側の側面に設けられた取付補助材であって、前記枠体にヒンジ部を取り付けるための取付補助材と、前記ヒンジ部によって回動自在に軸支された開閉体と、前記戸尻側枠材に設けられた気密部であり、前記戸尻側枠材と前記開閉体との相互間の気密性を高めるための気密部と、少なくとも前記気密部に設けられた当接部であって、前記開閉体によって前記開口部を全閉した全閉状態において当該当接部と前記開閉体との当接により前記戸尻側枠材と前記開閉体との相互間の気密性を高めることを可能にする当接部と、を備えた。
(付記の効果)
付記1に記載の扉の改修方法によれば、撤去工程の後に、戸尻側枠材の内縁側の側面に設けられる取付補助材を戸尻側枠材に取り付ける第1取付工程と、第1取付工程の後に行われる第2取付工程であって、撤去工程において既存開閉体及び既存ヒンジ部が撤去された場合には、新規ヒンジ部を取付補助材を介して戸尻側枠材に取り付け、且つ新規開閉体を新規ヒンジ部に取り付けると共に、既存気密部に向けて突出した当接部を新規開閉体に設けることで、全閉状態において当該当接部と既存気密部との当接により戸尻側枠材と新規開閉体との相互間の気密性を高めることを可能とし、撤去工程において既存開閉体、既存ヒンジ部、及び既存気密部が撤去された場合には、新規ヒンジ部を取付補助材を介して戸尻側枠材に取り付け、新規開閉体を新規ヒンジ部に取り付け、且つ、新規気密部を戸尻側枠材に取り付けると共に、新規開閉体又は新規気密部のいずれか一方に向けて突出した当接部を新規開閉体又は新規気密部のいずれか他方に設けることで、全閉状態において当該当接部と新規開閉体又は新規気密部との当接により戸尻側枠材と新規開閉体との相互間の気密性を高めることを可能とする、第2取付工程と、を含むので、新規ヒンジ部を強固に固定できると共に、全閉状態において当接部によって戸尻側枠材と新規開閉体との相互間の気密性を確保することができ、改修後の扉が少なくとも改修前の扉と同等の使用性を維持することが可能となる。
付記2に記載の扉の改修方法によれば、当接部の先端から基端までの長さを、取付補助材の厚さと略同一としたので、全閉状態において当接部と既存気密部、新規気密部、又は新規開閉体とを確実に当接させながら、新規開閉体の回動によって当接部と戸尻側枠材とが接触することで損傷することを抑制できる。よって、全閉状態において戸尻側枠材と新規開閉体との相互間の気密性を確保しながら、当接部が健全な状態を維持しやすくなる。
付記3に記載の扉の改修方法によれば、新規開閉体に設けられる当接部が、新規開閉体を構成する表面材の一部を折り返すことにより形成されるので、当接部を新規開閉体とは別体に形成する場合に比べて、当接部と周辺部材との意匠の調和を図ることができ、改修後の扉の意匠性を維持しやすくなる。また、例えば、当接部の先端部と人の手とが触れることで当該手が損傷することを回避でき、改修後の扉の使用時における安全性を確保しやすくなる。さらに、当接部を取り付ける手間を省略でき、改修作業を効率的に行うことが可能となる。
付記4に記載の扉の改修方法によれば、第1取付工程においては、取付補助材を戸尻側枠材の長手方向の全長にわたって設けるので、取付補助材又は新規ヒンジ部を取り付けるための固定具の固定箇所や固定数を状況に応じて設定しやすくなる。よって、例えば、取付補助材を戸尻側枠材に対して比較的強固に固定できると共に、新規ヒンジ部の取付位置の自由度を高めることができ、取付補助材や新規ヒンジ部の設置性を向上させることが可能となる。
付記5に記載の扉の改修方法によれば、既存ヒンジ部が丁番又はピボットヒンジであり、新規ヒンジ部が丁番であるので、既存の丁番から新規の丁番に改修する際に当該改修方法を適用することができ、改修後の扉が改修前の扉と同等の使用性を一層維持することが可能となる。
付記6に記載の扉によれば、戸尻側枠材における内縁側の側面に設けられた取付補助材と、ヒンジ部によって回動自在に軸支された開閉体と、戸尻側枠材に設けられた気密部と、少なくとも気密部に設けられた当接部であって、全閉状態において当該当接部と開閉体との当接により戸尻側枠材と開閉体との相互間の気密性を高めることを可能にする当接部と、を備えたので、ヒンジ部を強固に固定できると共に、全閉状態において当接部によって戸尻側枠材と開閉体との相互間の気密性を確保することができ、当該扉の使用性を高めることが可能となる。
1 扉、改修後扉
2 躯体
3 開口部
10 既存枠体
11 縦枠材、戸尻側縦枠材
11a 縦枠材本体
11b 固定材
11c 既存気密部、戸尻側既存気密部
11d 凹部
11e 気密凹部
11f 裏板
12 縦枠材、戸先側縦枠材
13 横枠材、上側横枠材
13a 横枠材本体
14 横枠材、くつずり横枠材
20 新規開閉体
21 開閉体枠
22 屋外側表面材
23 屋内側表面材
24 把手部
25 施錠装置
30 取付補助材
31 固定具
40 新規ヒンジ部
41 固定具
50 当接部
101 扉、改修前扉
110 既存開閉体
111 補助板
120 既存ヒンジ部
201 扉、改修後扉
210 新規気密部、戸尻側新規気密部
220 当接部
CL 当接部の先端から基端までの長さ

Claims (6)

  1. 建物の開口部に既設されている扉であり、
    前記開口部の周縁に設けられた既存枠体と、
    前記既存枠体に取り付けられた既存ヒンジ部によって回動自在に軸支された既存開閉体と、
    前記既存枠体を構成する長尺な枠材のうち戸尻側に位置する戸尻側枠材に設けられた既存気密部であり、前記戸尻側枠材と前記既存開閉体との相互間の気密性を高めるための既存気密部と、を備える扉を改修するための改修方法であって、
    前記既存開閉体及び前記既存ヒンジ部を撤去し、又は前記既存開閉体、前記既存ヒンジ部、及び前記既存気密部を撤去する撤去工程と、
    前記撤去工程の後に、前記戸尻側枠材の内縁側の側面に設けられる取付補助材であって、前記既存ヒンジ部に代えて新設される新規ヒンジ部を取り付けるための取付補助材を前記戸尻側枠材に取り付ける第1取付工程と、
    前記第1取付工程の後に行われる第2取付工程であって、
    前記撤去工程において前記既存開閉体及び前記既存ヒンジ部が撤去された場合には、前記既存ヒンジ部に代えて新設される新規ヒンジ部を前記取付補助材を介して前記戸尻側枠材に取り付け、且つ前記既存開閉体に代えて新設される新規開閉体を前記新規ヒンジ部に取り付けると共に、前記既存気密部に向けて突出した当接部を前記新規開閉体に設けることで、前記新規開閉体によって前記開口部を全閉した全閉状態において当該当接部と前記既存気密部との当接により前記戸尻側枠材と前記新規開閉体との相互間の気密性を高めることを可能とし、
    前記撤去工程において前記既存開閉体、前記既存ヒンジ部、及び前記既存気密部が撤去された場合には、前記新規ヒンジ部を前記取付補助材を介して前記戸尻側枠材に取り付け、前記新規開閉体を前記新規ヒンジ部に取り付け、且つ、前記既存気密部に代えて新設される新規気密部を前記戸尻側枠材に取り付けると共に、前記新規開閉体又は前記新規気密部のいずれか一方に向けて突出した当接部を前記新規開閉体又は前記新規気密部のいずれか他方に設けることで、前記全閉状態において当該当接部と前記新規開閉体又は前記新規気密部との当接により前記戸尻側枠材と前記新規開閉体との相互間の気密性を高めることを可能とする、第2取付工程と、
    を含む扉の改修方法。
  2. 前記当接部の先端から基端までの長さを、前記取付補助材の厚さと略同一とした、
    請求項1に記載の扉の改修方法。
  3. 前記新規開閉体に設けられる前記当接部は、前記新規開閉体を構成する表面材の一部を折り返すことにより形成される、
    請求項1又は2に記載の扉の改修方法。
  4. 前記第1取付工程においては、前記取付補助材を前記戸尻側枠材の長手方向の全長にわたって設ける、
    請求項1から3のいずれか一項に記載の扉の改修方法。
  5. 前記既存ヒンジ部は、丁番又はピボットヒンジであり、
    前記新規ヒンジ部は、丁番である、
    請求項1から4のいずれか一項に記載の扉の改修方法。
  6. 建物の開口部に設けられる扉であって、
    前記開口部の周縁に設けられた枠体と、
    前記枠体を構成する長尺な枠材のうち戸尻側に位置する戸尻側枠材における内縁側の側面に設けられた取付補助材であって、前記枠体にヒンジ部を取り付けるための取付補助材と、
    前記ヒンジ部によって回動自在に軸支された開閉体と、
    前記戸尻側枠材に設けられた気密部であり、前記戸尻側枠材と前記開閉体との相互間の気密性を高めるための気密部と、
    少なくとも前記気密部に設けられた当接部であって、前記開閉体によって前記開口部を全閉した全閉状態において当該当接部と前記開閉体との当接により前記戸尻側枠材と前記開閉体との相互間の気密性を高めることを可能にする当接部と、
    を備えた扉。
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