JP2019206224A - シートベルトリトラクタ及びシートベルト装置 - Google Patents

シートベルトリトラクタ及びシートベルト装置 Download PDF

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Abstract

【課題】よりきめ細かいEA荷重コントロールが可能なシートベルトリトラクタを提供する。【解決手段】シートベルトリトラクタ3は、シートベルト4にかかる荷重を制限して乗員のエネルギを吸収緩和するEA機構60を備える。EA機構60は、スプール12内に内蔵され、一端部がスプール12に連結され、他端部がロック機構50でロック可能であって、スプール12とロック機構50との回転差によってエネルギを吸収するトーションバー61と、スプール12とトーションバー61との間に配置される減速機構62と、減速機構62によるスプール12からトーションバー61への減速比を1から1より大きい所定値へと切り替える切替機構40とを有する。【選択図】図3

Description

本発明は、シートベルトリトラクタ及びこれを備えるシートベルト装置に関する。
従来から自動車等の車両に装備されているシートベルト装置は、例えばシートベルト装着状態で衝突時等の車両に大きな車両減速度が作用した場合のような緊急時に、シートベルトで乗員を拘束することにより乗員のシートからの飛び出しを阻止する。
このようなシートベルト装置においては、シートベルトを巻き取るシートベルトリトラクタを備えている。このシートベルトリトラクタでは、シートベルトは非装着時にはスプールに巻き取られているが、装着時には引き出されて乗員に装着される。そして、前述のような緊急時にシートベルトリトラクタのロック手段が作動してスプールのベルト引出方向の回転を阻止することにより、シートベルトの引出しが阻止される。これにより、緊急時にシートベルトは乗員を拘束する。
ところで、この従来のシートベルト装置のシートベルトリトラクタにおいては、車両衝突等の緊急時にシートベルトが乗員を拘束するとき、車両減速度が生じるため、乗員が慣性により前方へ移動しようとする。このため、シートベルトには荷重が加えられるとともに、乗員はこのシートベルトからエネルギを加えられるようになる。乗員に対してこのエネルギは、できれば制限される方が望ましい。
そこで、シートベルトリトラクタにおいては、従来、トーションバーを設けて、シートベルト装着状態での緊急時に、エネルギ吸収部材の作用によりこのシートベルトにかかる荷重を制限して乗員のエネルギを吸収緩和するエネルギ吸収機構(以下、EA機構ともいう)を備えるシートベルトリトラクタが開発されている。
しかしながら、従来のシートベルトリトラクタは、衝突後の制限荷重が1つの制限荷重に設定されるだけである。実際には、乗員に加えられるエネルギは、乗員の体重等によって種々異なる。このように種々異なる大きなエネルギに対して、1つの制限荷重で対応するだけではなく、車両緊急時の状況に応じて制限荷重を設定する方が、乗員をより効果的にかつより適切に拘束することができる。
そこで、シートベルトにかかる制限荷重を種々設定することができるシートベルトリトラクタが提案されている(例えば、特許文献1及び特許文献2参照)。
この特許文献1、2に開示のシートベルトリトラクタは、EA特性の異なる2つのEA機構(2種類のトーションバー、または、トーションバー及びDピン)を設けるとともに、これらのEA機構を緊急時の状況に応じて1つまたは2つ作動するようにしている。このように、2つのEA機構を適宜選択して作動することで、シートベルトにかかる制限荷重を緊急時の状況に応じて2段階に設定することができる。
特許第6176719号公報 特許第5160373号公報
EA荷重の段階を増やすためにEA要素を増やすと、シートベルトリトラクタのコストや重量が増えてしまう。より少ないEA要素でより多くのEA荷重を設定可能、例えば1つのEA要素だけで2段階のEA荷重を設定できるのが好ましい。
本発明は、よりきめ細かいEA荷重コントロールが可能なシートベルトリトラクタ及びこれを備えるシートベルト装置を提供することを目的とする。
本発明の実施形態の一観点に係るシートベルトリトラクタは、フレームに回転可能に支持されるとともにシートベルトを巻き取るスプールと、非作動時に前記スプールの回転を許容し、作動時に前記スプールのシートベルト引出し方向の回転を阻止するロック機構と、前記シートベルトにかかる荷重を制限して乗員のエネルギを吸収緩和するエネルギ吸収機構と、を備え、前記エネルギ吸収機構は、前記スプール内に内蔵され、一端部が前記スプールに連結され、他端部が前記ロック機構でロック可能であって、前記スプールと前記ロック機構との回転差によってエネルギを吸収するエネルギ吸収部材と、前記スプールと前記エネルギ吸収部材との間に配置される減速機構と、前記減速機構による前記スプールから前記エネルギ吸収部材への減速比を1から1より大きい所定値へと切り替える切替機構と、を有し、前記減速機構は、サンギヤ、プラネタリギヤ、インターナルギヤ、キャリアを有する遊星歯車機構であり、前記サンギヤが前記スプールと一体的に回転し、前記切替機構は、前記サンギヤと前記キャリアとを連結して一体回転させて前記減速比を1とする状態から、前記インターナルギヤを停止することによって、前記サンギヤと前記キャリアとの連結を解除して、前記減速比を前記所定値とする状態へと切り替える。
同様に、本発明の実施形態の一観点に係るシートベルト装置は、乗員を拘束するシートベルトと、前記シートベルトを引き出し可能に巻き取るとともに、緊急時に作動して前記シートベルトの引出しを阻止する、上記のシートベルトリトラクタと、前記シートベルトリトラクタから引き出された前記シートベルトに摺動可能に支持されたタングと、車体または車両のシートに設けられ、前記タングが離脱可能に係止されるバックルと、を備える。
本発明によれば、よりきめ細かいEA荷重コントロールが可能なシートベルトリトラクタ及びこれを備えるシートベルト装置を提供することができる。
実施形態に係るシートベルトリトラクタが適用されるシートベルト装置の構成の一例を示す図である。 実施形態に係るシートベルトリトラクタの分解斜視図である。 シートベルトリトラクタのうちEA機構を含むシャフトサブアセンブリの分解斜視図である。 EA機構の構成を模式的に示す図である。 カプラーによるサンギヤとキャリアとの係合/離脱の構成を模式的に示す断面図である。 EA機構の動作の第1段階の状態を示す模式図である。 EA機構の動作の第2段階の状態を示す模式図である。 カプラーによる連結解除動作の第1段階を示す断面図である。 カプラーによる連結解除動作の第2段階を示す断面図である。 カプラーによる連結解除動作の第3段階を示す断面図である。 切替機構の逆回転規制部によるインターナルギヤの逆回転規制動作の第1段階を示す断面図である。 切替機構の逆回転規制部によるインターナルギヤの逆回転規制動作の第2段階を示す断面図である。 切替機構の逆回転規制部によるインターナルギヤの逆回転規制動作の第3段階を示す断面図である。 本実施形態により実現可能なスプールの回転ストロークとEA荷重の特性を示す図である。
以下、添付図面を参照しながら実施形態について説明する。説明の理解を容易にするため、各図面において同一の構成要素に対しては可能な限り同一の符号を付して、重複する説明は省略する。なお、以下の説明において、図2以降の各図面で示すx方向、y方向、z方向は互いに垂直な方向である。x方向はスプール12の回転軸の方向である。y方向、z方向は、それぞれスプール12の回転軸からの遠心方向であり、典型的にはz方向は上下方向である。
まず図1を参照して、実施形態に係るシートベルトリトラクタ3が適用されるシートベルト装置1の構成の一例を説明する。
シートベルト装置1は、車両に搭載された車載システムの一例である。シートベルト装置1は、例えば、シートベルト4と、シートベルトリトラクタ3と、ショルダーアンカー6と、タング7と、バックル8とを備える。
シートベルト4は、車両のシート2に座る乗員9を拘束するウェビングの一例であり、リトラクタ3に引き出し可能に巻き取られる帯状部材である。シートベルト4の先端のベルトアンカー5は、シート2又はシート2の近傍の車体に固定される。
シートベルトリトラクタ3は、シートベルト4の巻き取り又は引き出しを可能にする巻き取り装置の一例であり、車両衝突時等の所定値以上の減速度が車両に加わると、シートベルト4がシートベルトリトラクタ3から引き出されることを制限する。シートベルトリトラクタ3は、シート2又はシート2の近傍の車体に固定される。
ショルダーアンカー6は、シートベルト4が挿通するベルト挿通具の一例であり、シートベルトリトラクタ3から引き出されたシートベルト4を乗員9の肩部の方へガイドする部材である。
タング7は、シートベルト4が挿通するベルト挿通具の一例であり、ショルダーアンカー6によりガイドされたシートベルト4に摺動可能に取り付けられた部品である。
バックル8は、タング7が離脱可能に係止される部品であり、例えば、シート2又はシート2の近傍の車体に固定される。
次に図2〜図5を参照して、実施形態に係るシートベルトリトラクタ3と、本実施形態の要部であるエネルギ吸収機構60の構成を説明する。なお、以下ではエネルギ吸収機構60はEA(Energy Absorption)機構60とも表記する。図2は、実施形態に係るシートベルトリトラクタ3の分解斜視図である。図3は、シートベルトリトラクタ3のうちEA機構60を含むシャフトサブアセンブリ20の分解斜視図である。図4は、EA機構60の構成を模式的に示す図である。なお、図4の模式図は、図3に記載の部品を一部省略して、主にEA機構60の接続関係を示している。図5は、カプラー46によるサンギヤ63とキャリア66との係合/離脱の構成を模式的に示す断面図である。
図2に示すように、シートベルトリトラクタ3は、プリテンショナ(PT)サブアセンブリ10と、シャフトサブアセンブリ20と、駆動機構30と、切替機構40と、ロック機構50と、を備える。
PTサブアセンブリ10は、フレーム11にプリテンショナが搭載されている。プリテンショナは、シャフトサブアセンブリ20のパドルホイール53と接続されており、プリテンショナの作動によって、パドルホイール53がプリテンショナから回転力を受け、これによりスプール12がシートベルト4を引き込む方向に回転する。
また、フレーム11には、切替機構40のパウル41が設置されている。フレーム11は、y方向を向いて配置される背板11aと、この背板11aのx方向両側端から直交する方向に突設された左右の側壁11b,11cと、を備え、断面コ字状を形成している。側壁11bはx正方向側、側壁11cはx負方向側に配置されて対向している。側壁11b,11cには、それぞれ円形状の開口11d、11eが形成される。
シャフトサブアセンブリ20は、シートベルト4の一端が係止され、シートベルト4が巻きつけられるスプール12を備える。シャフトサブアセンブリ20は、x方向の回転軸まわりに回転可能にフレーム11に取り付けられる。また、シャフトサブアセンブリ20は、図3に示すように、シートベルト4にかかる荷重を制限して乗員9のエネルギを吸収緩和するEA機構60も備える。EA機構60の詳細については後述する。
切替機構40は、EA機構60の連結状態を切り替える。切替機構40は、図3に示すように、パウル41(正回転規制部)と、逆回転規制部42と、カプラー46(係合部)とを備える。パウル41は、フレーム11の側壁11bに取り付けられる。切替機構40の詳細についても後述する。
駆動機構30は、切替機構40の切替動作のための駆動力を出力する。駆動機構30は、図2に示すように、レバー31と、イニシエータ32と、Oリング33と、ピストン34と、ハウジング35とを有する。
レバー31は、環状の部材であり、スプール12の回転軸と同心円状に配置され、周方向の所定距離を移動可能にハウジング35に嵌合される。イニシエータ32は、マイクロガスジェネレータ(MGG)であり、ピストン34を内蔵し、Oリング33を介してハウジング35に取り付けられる。イニシエータ32が発生するガスによりピストン34がレバー31を周方向に押圧して、これによりレバー31は周方向に移動する。
また、レバー31は、この周方向の移動によって、ハウジング35に対してx負方向側に突き出すように移動するように、ハウジング35との嵌合部分の構造が形成されている。なお、このような駆動機構30の構成については、例えば、国際公開第2015/076377号などに開示されている。
ロック機構50は、スプール12の軸部を構成する後述するトーションバー61に連結され、非作動時にスプール12の回転を許容し、作動時にスプール12のシートベルト引出し方向の回転を阻止する。ロック機構50は、図2に示すロックサブアセンブリ51と、図3に示すロッキングベース52とを有する。
なお、ロック機構50やプリテンショナ、スプール12の具体的な構成や動作については従来からある通常の構成でよいので説明を省略する。
図2に示すように、シャフトサブアセンブリ20は、フレーム11の側壁11b,11cの開口11d,11eをx方向に貫通して設置され、x負方向側の開口11eからの突出部分ではロックサブアセンブリ51と接続される。フレーム11のx負方向側の側壁11cにはリテーナ14が取り付けられ、ロックサブアセンブリ51が内蔵される。この状態で、スプール12は、フレーム11に回転可能に支持されるとともにシートベルト4を巻き取ることができる。
駆動機構30は、レバー31がパウル41を径方向外側に押し出した状態で(図11(a)参照)フレーム11のx正方向側の側壁11bに取り付けられる。駆動機構30のx正方向側からは、さらにベアリングプレート15、スペーサ16、リターンスプリング13が取り付けられる。
リターンスプリング13は、一端がスプール12の軸部を構成する後述するトーションバー61に連結され、他端がケースに取り付けられ、スプール12をベルト巻取方向に付勢する図示しないスプリングを有する。
図3に示すように、シャフトサブアセンブリ20は、スプール12と、EA機構60と、ベアリングシャフト22と、ロッドガイド23と、ロッキングベース52と、パドルホイール53と、を有する。
EA機構60は、シートベルトにかかる荷重を制限して乗員のエネルギを吸収緩和するための装置である。図3、図4に示すように、EA機構60は、エネルギ吸収部材としてトーションバー61を有する。また、EA機構60は減速機構62を有する。また、上述の切替機構40もEA機構60の一部である。
トーションバー61は、スプール12とロック機構50との回転差によってエネルギを吸収するエネルギ吸収要素である。図3,図4に示すように、トーションバー61は、スプール12の軸中心に形成された貫通孔12aに挿入されてスプール12内に内蔵される。トーションバー61は、x正方向側の一端部61aが減速機構62を介してスプール12に連結され、x負方向側の他端部61bがロック機構50に連結される。
トーションバー61の一端部61aは、円環状のコネクタ70に嵌入されて、コネクタ70を介して減速機構62のキャリア66に連結固定される。図3に示すようにキャリア66は円板状の部材であり、キャリア66の中心位置に設けられる円孔にコネクタ70が嵌入されることにより、キャリア66とコネクタ70とが一体回転可能に連結される。また、トーションバー61の一端部61aの先端はリターンスプリング13に連結される。
トーションバー61の他端部61bは、ベアリングシャフト22、ロッドガイド23を通って、ロッキングベース52と一体回転可能に嵌合される。ロッキングベース52には、x正方向側からパドルホイール53もトーションバー61の外周側に取り付けられる。トーションバー61は、他端部61bがロック機構50でロック可能であり、ロック機構50の作動時には他端部61bの回転が停止される。
減速機構62は、所定の減速比でスプール12からトーションバー61へ回転を伝達する。本実施形態では、減速機構62は遊星歯車機構であり、図3、図4に示すように、サンギヤ63と、プラネタリギヤ64と、インターナルギヤ65と、キャリア66とを含む。
サンギヤ63は、遊星歯車機構の軸心の径方向外側に回転自在に配置されている外歯歯車である。インターナルギヤ65は、サンギヤ63の径方向外側、かつ、サンギヤ63と同軸上に回転自在に配置されている内歯歯車である。プラネタリギヤ64は、サンギヤ63とインターナルギヤ65との間に配置されており、サンギヤ63及びインターナルギヤ65とそれぞれ噛み合う外歯歯車である。プラネタリギヤ64は複数個(図3では3個)が配置され、サンギヤ63やインターナルギヤ65と同軸上に配置されたキャリア66によって回転自在に支持されている。本実施形態では、図3に示すように、プラネタリギヤ64は、円板状のキャリア66とリングプレート68によりx方向両側から挟持され、x負方向側からピン67が貫通されてx正方向側のキャリア66に連結されている。
サンギヤ63は、スプール12に固定され、スプール12と一体的に回転する。キャリア66は、コネクタ70を介してトーションバー61の一端部61aに連結固定され、トーションバー61の一端部61aと一体的に回転する。
切替機構40は、減速機構62によるスプール12からトーションバー61への減速比を、1から、1より大きい所定値へと切り替える。具体的には、切替機構40は、(1)サンギヤ63(スプール12)とキャリア66とを連結して一体回転させて減速比を1とする第1の状態(図6参照)から、(2)サンギヤ63とキャリア66との連結を解除して、かつ、インターナルギヤ65の回転を止めて、減速比を所定値とする第2の状態(図7参照)へと切り替える。
切替機構40は、上述のとおりパウル41と逆回転規制部42とカプラー46とを有する。カプラー46は、サンギヤ63と一体回転するスプール12とキャリア66との連結及び解除を切り替える。
図5に示すように、サンギヤ63とキャリア66は、x軸方向に沿って隣接して配置される。また、コネクタ70は、サンギヤ63及びキャリア66の略中央部にx方向に沿って嵌入される。図3、図5に示すように、コネクタ70は、外周面にカプラー46を収容するカプラー収容部71を有する。カプラー収容部71は、コネクタ外周面から径方向内側に掘り下げて設けられる溝であり、カプラー46が収容される際には、カプラー46がコネクタ70の外周面より径方向外側に突出しないように形成される。例えば、図3に示すように、カプラー収容部71はコネクタ70の径方向の両端の2カ所に設けられる。
一方、サンギヤ63及びキャリア66は、コネクタ70と対向する内周面にカプラー46が係止可能なカプラー係止部63a,66aをそれぞれ有する。カプラー係止部63a,66aは、サンギヤ63及びキャリア66の内周面から径方向外側に掘り下げて設けられる溝である。図5に示すように、サンギヤ63のカプラー係止部63aは、カプラー46のx負方向側の部分が進入可能に形成される。キャリア66のカプラー係止部66aは、カプラー46のx正方向側の部分が進入可能に形成される。カプラー46は、そのx方向の長さが、カプラー係止部63a、66aの両方に同時に進入可能な寸法で形成される。
カプラー46は、図3などに示すようにコネクタ70の外周面に沿って形成される板状部材であり、コネクタ70の周方向に沿った一方の端部(基端部)にx軸方向に沿った回転軸を有する。本実施形態では、x正方向側から視たときに時計回り方向の端部が回転軸を有する基端部である(図8など参照)。この回転軸と基端部は、カプラー収容部71内に配置される。カプラー係止部63a、66aとカプラー収容部71は、対向可能な位置に設けられる。カプラー係止部63a、66aとカプラー収容部71とが対向配置されるとき、カプラー46は、その先端部をカプラー収容部71とカプラー係止部63a,66aとの間で回動可能となる。
図5に実線で示すように、カプラー46の先端部がカプラー係止部63a、66aに進入している状態では、サンギヤ63とコネクタ70とが連結されて一体回転する(図8など参照)。一方、図5に点線で示すように、カプラー46の先端がカプラー収容部71に進入している状態では、サンギヤ63とコネクタ70とが連結が解除される(図10など参照)。
図2、図3に示すように、インターナルギヤ65の円筒形状の外周面には、x正方向側の端部に径方向外側に突出するラチェット歯車65aが設けられている。ラチェット歯車65aは、パウル41と係合した際にインターナルギヤ65の一方向(図11の時計回り方向)の回転を規制する。ラチェット歯車65aは、x方向視において、回転を規制する上記一方向側に傾斜して形成され、多方向側に傾斜面を有する。すなわち本実施形態では、パウル41は、インターナルギヤ65のラチェット歯車65aと係合することによって、インターナルギヤ65を係止して一方向の回転を止めることができる正回転規制部として機能する。
また、図2に示すように、逆回転規制部42は、ボール43と、スプリング44と、通路45とを有する。逆回転規制部42は、パウル41により一方向の回転を規制されたインターナルギヤ65が、サンギヤ63及びプラネタリギヤ64の回転が伝達されることによって逆方向へ回転するのを規制する。ボール43及びスプリング44は、駆動機構30のハウジング35に収容される(図11など参照)。通路45は、駆動機構30のレバー31の外周面と内周面とを貫通して設けられ、ハウジング35に収容されるボール43が通過してレバー31の径方向内側に移動可能に形成される。このボール43が、レバー31の内周面と、インターナルギヤ65のラチェット歯車65aの傾斜面により挟持されることで、インターナルギヤ65の逆回転が規制される。
本実施形態では、パウル41と逆回転規制部42とが、インターナルギヤ56の回転を規制する規制部として機能する。
図6〜図13を参照して本実施形態のシートベルトリトラクタ3におけるEA機構60の動作を説明する。図6は、EA機構60の動作の第1段階の状態を示す模式図である。図7は、EA機構60の動作の第2段階の状態を示す模式図である。
本実施形態では、EA機構60は、ロック機構50が作動状態となると、下記の第1、第2段階をこの順番で実施可能である。
EA機構60の動作の第1段階では、切替機構40が減速比を1に維持し、相対的に大きなエネルギ吸収荷重でトーションバー61がねじられる。
図6に示すように、第1段階では、切替機構40のカプラー46の先端部は、サンギヤ63のカプラー係止部63a及びキャリア66のカプラー係止部66aに配置され(図8参照)、サンギヤ63とキャリア66とが係合する。また、切替機構40のパウル41は、駆動機構30のレバー31によってインターナルギヤ65より径方向外側の位置に保持され、インターナルギヤ65のラチェット歯車65aと係合せず、インターナルギヤ65は自由に回転可能な状態である(図11(a)参照)。これにより、遊星歯車機構のすべてのギヤが一体回転する状態となる。第1段階では、シートベルト4からスプール12に伝わったエネルギは、コネクタ70を介してトーションバー61へ直接伝わる。すなわち、減速機構62の減速比は1となる。
EA機構60の動作の第2段階では、切替機構40が減速比を1以上の所定値に切り替え、相対的に小さなエネルギ吸収荷重でトーションバー61がねじられる。
図7に示すように、第2段階では、切替機構40のカプラー46によって、スプール12(すなわちサンギヤ63)とキャリア66との連結が解除される。なお、カプラー46の連結解除動作については図8〜図10を参照して後述する。また、切替機構40のパウル41は、駆動機構30の作動に伴い、インターナルギヤ65のラチェット歯車65aと係合し、インターナルギヤ65は回転を規制される(図12(a)参照)。これにより、サンギヤ63とインターナルギヤ65との間に回転差が発生するので、キャリア66は、サンギヤ63とプラネタリギヤ64との間のギヤ比に応じて減速回転する。したがって、シートベルト4からスプール12に伝わったエネルギは、サンギヤ63、プラネタリギヤ64、キャリア66、コネクタ70を介してトーションバー61へ減速されて伝わる。すなわち、減速機構62の減速比は1以上の所定値となる。この所定値は、サンギヤ63とプラネタリギヤ64との間のギヤ比によって決まる。
このようにEA機構60の動作の第2段階では、減速機構62による減速が行われ、相対的に小さなエネルギ吸収荷重でトーションバー61がねじられる。
特に本実施形態では、切替機構40のカプラー46によるコネクタ70とサンギヤ63との連結解除は、パウル41によるインターナルギヤ65の停止動作に応じて発生する。図8〜図10を参照してカプラー46の連結解除動作について詳細に説明する。図8、図9、図10は、それぞれカプラー46による連結解除動作の第1、第2、第3段階を示す断面図である。図8〜図10では、図5のA−A断面図を(a)で示し、図5のB−B断面図を(b)で示す。すなわち(a)はコネクタ70とキャリア66との関係を示し、(b)はコネクタ70とサンギヤ63との関係を示す。図8〜図10の遷移は、図6の状態と図7の状態との間に行われる。
図8(a)(b)に示すように、連結解除動作の第1段階では、図6に示した高荷重EA時であり、カプラー46の先端部は、サンギヤ63のカプラー係止部63aと、キャリア66のカプラー係止部66aとに進入して嵌っており、サンギヤ63とキャリア66とコネクタ70とが一体回転している。図8では、この状態を同一長さの矢印で表す。また、このときコネクタ70は、図8(a)に示すように、キャリア66の内周面に設けられる圧入リブ66cによってもキャリア66と嵌合されており、これによりキャリア66もコネクタ70に引き摺られて連れまわる。
連結解除動作の第2段階では、切替機構40のパウル41は、駆動機構30の作動に伴い、インターナルギヤ65のラチェット歯車65aと係合し、インターナルギヤ65は回転を規制される(図12など参照)。これにより、キャリア66は、サンギヤ63とプラネタリギヤ64との間のギヤ比に応じて減速回転するので、図9(a)(b)に示すようにサンギヤ63とキャリア66との間に回転差が発生する。このときのキャリア66の減速を、図9(a)では短い矢印で示す。
このとき、コネクタ70はサンギヤ63と一体回転しているので減速せず、図9(a)に示すようにコネクタ70とキャリア66との間に回転差が発生し、キャリア66は、コネクタ70に対して相対的に逆回転(図9では反時計回りの点線矢印で示す)する。これにより、キャリア66のカプラー係止部66aが、コネクタのカプラー収容部71に対して相対的に周方向に移動しはじめる。この移動に伴い、カプラー係止部66aの傾斜状の底面がカプラー46を径方向内側に押圧して、カプラー46の先端部が径方向内側に回動する。この結果、図9(a)に示すようにカプラー46はコネクタ70のカプラー収容部71に収容される。これに伴い、図9(b)に示すように、カプラー46の先端部はサンギヤ63のカプラー係止部63aからも回動してカプラー収容部71に収容され、この結果、サンギヤ63とコネクタ70及びキャリア66との連結が解除される。
図10(b)に示すように、連結解除動作の第3段階では、サンギヤ63の回転はコネクタ70に直接伝達されなくなる。一方、図10(a)に示すようにキャリア66はサンギヤ63の回転に伴ってサンギヤ63と同方向(図では時計回り)に減速回転する。これによりキャリア66の内周面から径方向内側に突出する突起66bがコネクタ70の周方向に沿って設けられる溝72を時計回り方向に相対移動し、溝72の端面に突き当たると、以降はキャリア66の回転が突起66b及び溝72を介してコネクタ70に伝達され、コネクタ70はキャリア66と連れまわる。
なお、切替機構40のパウル41によってインターナルギヤ65は一方向への回転が規制されるが、その後のサンギヤ63及びプラネタリギヤ64の回転によって、インターナルギヤ65は逆方向に回転する。本実施形態では、逆回転規制部42によってこのインターナルギヤ65の逆回転も規制する。
図11〜図13を参照して逆回転規制動作について説明する。図11、図12、図13は、それぞれ切替機構40の逆回転規制部42によるインターナルギヤ65の逆回転規制動作の第1、第2、第3段階を示す断面図である。図11〜図13では、減速機構62の近傍の断面図を(a)で示し、(a)の図中のボール43近傍の領域Aの拡大図を(b)で示す。
図11に示す逆回転規制動作の第1段階では、駆動機構30の作動前の状態であり、レバー31は初期位置にある。すなわち、図11(a)に示すように駆動機構30のレバー31がパウル41をインターナルギヤ65より径方向外側に押し出した状態で設置される。このときレバー31に設けられる通路45は、ボール43やスプリング44が収容されるハウジング35の収容部の開口と重ならない。このため図11(b)に示すようにボール43はレバー31の外周面により封止されている。このとき、インターナルギヤ65は、図中に矢印で示すように時計回り方向(ベルト引き出し方向)に回転自在である。
図12に示す逆回転規制動作の第2段階では、駆動機構30が作動してイニシエータ32が発生するガスによりピストン34がレバー31を反時計回り方向に押し出す。これにより図12(a)に示すように、レバー31が反時計回りに回動してx負方向側に移動してパウル41から離れる。パウル41はレバー31による規制が無くなるので径方向内側に回動して、パウル41がインターナルギヤ65のラチェット歯車65aを係止する。これによりインターナルギヤ65の時計回り方向の回転(正回転)が規制される。このとき、レバー31の回動に伴って通路45がハウジング35の収容部の開口位置と重なる。このため図12(b)に示すように、収容部からボール43が通路45を通ってインターナルギヤ65の外周面に向かって射出される。
図13に示す逆回転規制動作の第3段階では、インターナルギヤ65の正回転規制後に、図13(b)に示すようにインターナルギヤ65はサンギヤ63及びプラネタリギヤ64の回転によって、反時計回り方向の回転(逆回転)を生じる。このとき、ボール43はレバー31の内周面とインターナルギヤ65のラチェット歯車65aの傾斜面との間隙に配置されている。また、ラチェット歯車65aの傾斜面は、図13(b)に示すように正回転方向(図の時計回り方向)に進むほど、その外周面が径方向外側に遷移する傾斜方向となっている。このため、インターナルギヤ65が逆回転するにつれて、ボール43はインターナルギヤ65のラチェット歯車65aの傾斜面とレバー31の内周面との間に挟み込まれ、これ以上インターナルギヤ65の逆回転方向に回転しなくなる。この結果、インターナルギヤ65の逆回転が規制される。
図14は、本実施形態により実現可能なスプール12の回転ストロークとEA荷重の特性を示す図である。図14に示すように、スプール12の回転ストロークが発生する初期段階では、EA機構60の動作の第1段階Aが実施され、主にスプール12からの外力が減速無しで伝わるトーションバー61によるエネルギ吸収が行われる。第1段階AではEA荷重は相対的に大きくなる。その後駆動機構30が作動すると、EA機構60の動作の第2段階Bに遷移し、減速機構62の減速比が増加して、スプール12からの外力が減速機構62により減速されて伝わるトーションバー61によるエネルギ吸収が行われる。第2段階Bでは、EA荷重は相対的に小さくなる。
また、本実施形態では、駆動機構30の作動タイミングを制御することによって、EA荷重の特性を変化させることができる。例えば第1段階AのEA荷重に達する前に駆動機構30を作動させれば、第1段階を経ずに第2段階Bを最初に実施できる。つまり、駆動機構30の作動タイミングを早くして、切替機構40が減速機構62の減速比を1以上の所定値に切り替えるタイミングを早くした場合には、EA機構60の動作の第2段階Bのみを実施可能である。また、駆動機構30を作動させず、切替機構40が減速機構62の減速比を1に維持した場合には、第2段階Bに遷移させずに第1段階Aのみを実施可能である。
このように、本実施形態では、減速機構62の作動方法(減速比を1から所定値に切り替えるタイミングや、切替の有無の変更)によって、第1段階A、第2段階Bのうち少なくとも1つを実施することができる。また、第1段階A、第2段階Bが実施されるスプール12の回転ストロークの範囲を調整できる。
なお、本実施形態では、駆動機構30としてMGGを用いる。MGGは発火の応答性に優れるので、制御指令から作動までのタイムラグを抑制でき、減速機構62の切り替え制御を高精度に行うことができる。特に減速機構62のギヤ比の切り替えタイミングを調整する際に有利である。
従来のEA機構では、シートベルトにかかる制限荷重を種々設定することができるように、EA特性の異なる2つのEA要素を設けるとともに、これらのEA要素を緊急時の状況に応じて1つまたは2つ作動するようにしている。つまり、2段階のEA荷重を実現するためには2つのEA要素が必要であり、EA要素の数より大きい数のEA荷重の設定はできなかった。
これに対して本実施形態では、スプール12とトーションバー61との間に減速機構62を設けて減速比を切り替えることによって、単一EA要素を有する構成で2種類のEA荷重を設定できる。このように、本実施形態のシートベルトリトラクタ3は、EA要素の数より大きい数のEA荷重の設定が可能となるので、よりきめ細かいEA荷重コントロールが可能となる。また、EA荷重の段階を増やすためにEA要素を増やさなくても済むので、リトラクタ3の小型化も図れる。
また、本実施形態では、切替機構40は、減速機構62のサンギヤ63とキャリア66とを連結して一体回転させて減速比を1とする状態から、減速機構62のインターナルギヤ65を停止することによって、サンギヤ63とキャリア66との連結を解除して、減速比を1より大きい所定値とする状態へと切り替える。より詳細には、切替機構40は、サンギヤ63とキャリア66とを連結解除する係合部としてのカプラー46と、インターナルギヤ65の回転を規制する規制部としてのパウル41及び逆回転規制部42、を有する。規制部が非作動時には、カプラー46によってサンギヤ63とキャリア66が連結されて一体回転し、一方、規制部によりインターナルギヤ65を停止することによって、サンギヤ63とキャリア66との回転数差によってカプラー46の連結を解除する。
この構成により、インターナルギヤ65の回転を止める動作を行うことにより、自動的にカプラー46によるサンギヤ63とキャリア66との連結を解除できるので、より確実に減速機構62の減速比の切り替えを行うことができ、高精度な制御が可能となる。
また、本実施形態では、パウル41が、インターナルギヤ65に係止することにより一方向の回転を規制する正回転規制部として機能する。さらに、パウル41により一方向の回転を規制されたインターナルギヤ65が、サンギヤ63及びプラネタリギヤ64の回転によって逆方向に回転するのを規制する逆回転規制部42を備える。
この構成により、インターナルギヤ65の回転を確実に止めることが可能となり、減速機構62の減速比の切り替えをより確実に行うことができる。
また、本実施形態では、駆動機構30は、パウル41がインターナルギヤ65の径方向外側に押し出された状態を作動によって解除する。つまり、駆動機構30は、サンギヤ63とキャリア66との連結状態を直接解除するのではなく、また、回転しているインターナルギヤ65を直接止めるのでもなく、単にパウル41の規制を除くだけの力を発生させればよいので、少ないエネルギで切替機構40を作動させることができ、省エネルギ化を図れる。また、駆動機構30に発火応答性に優れるMGGを用いることで、切り替えタイミングを高精度に制御できる。
以上、具体例を参照しつつ本実施形態について説明した。しかし、本開示はこれらの具体例に限定されるものではない。これら具体例に、当業者が適宜設計変更を加えたものも、本開示の特徴を備えている限り、本開示の範囲に包含される。前述した各具体例が備える各要素およびその配置、条件、形状などは、例示したものに限定されるわけではなく適宜変更することができる。前述した各具体例が備える各要素は、技術的な矛盾が生じない限り、適宜組み合わせを変えることができる。
上記実施形態では、EA機構60がエネルギ吸収部材としてトーションバー61を有する構成を例示したが、これに限られず、例えばEAプレートやトーションパイプなど他の部材を適用してもよい。また、例えばトーションバー61とD(Deformation)ピンの組合せなど、複数のエネルギ吸収部材を有する構成でもよい。なおDピンは、減速機構62のトーションバー61側の出力部(本実施形態ではキャリア66)とスプール12とを連結し、スプール12と減速機構62の出力部の回転差により生じる塑性変形によってエネルギを吸収するエネルギ吸収要素である。
1 シートベルト装置
2 シート
3 シートベルトリトラクタ
4 シートベルト
7 タング
8 バックル
9 乗員
12 スプール
30 駆動機構
41 パウル(正回転規制部、規制部)
42 逆回転規制部(規制部)
46 カプラー(係止部)
50 ロック機構
60 EA機構(エネルギ吸収機構)
61 トーションバー(エネルギ吸収部材)
62 減速機構
63 サンギヤ
64 プラネタリギヤ
65 インターナルギヤ
66 キャリア
66a カプラー係止部
70 コネクタ
71 カプラー収容部

Claims (8)

  1. フレームに回転可能に支持されるとともにシートベルトを巻き取るスプールと、
    非作動時に前記スプールの回転を許容し、作動時に前記スプールのシートベルト引出し方向の回転を阻止するロック機構と、
    前記シートベルトにかかる荷重を制限して乗員のエネルギを吸収緩和するエネルギ吸収機構と、
    を備え、
    前記エネルギ吸収機構は、
    前記スプール内に内蔵され、一端部が前記スプールに連結され、他端部が前記ロック機構でロック可能であって、前記スプールと前記ロック機構との回転差によってエネルギを吸収するエネルギ吸収部材と、
    前記スプールと前記エネルギ吸収部材との間に配置される減速機構と、
    前記減速機構による前記スプールから前記エネルギ吸収部材への減速比を1から1より大きい所定値へと切り替える切替機構と、
    を有し、
    前記減速機構は、サンギヤ、プラネタリギヤ、インターナルギヤ、キャリアを有する遊星歯車機構であり、前記サンギヤが前記スプールと一体的に回転し、
    前記切替機構は、前記サンギヤと前記キャリアとを連結して一体回転させて前記減速比を1とする状態から、前記インターナルギヤを停止することによって、前記サンギヤと前記キャリアとの連結を解除して、前記減速比を前記所定値とする状態へと切り替える、
    シートベルトリトラクタ。
  2. 前記エネルギ吸収部材はトーションバーである、
    請求項1に記載のシートベルトリトラクタ。
  3. 前記切替機構は、
    前記サンギヤと前記キャリアとを連結解除する係合部と、
    前記インターナルギヤの回転を規制する規制部と、を有し、
    前記規制部が非作動時には、前記係合部によって前記サンギヤと前記キャリアが連結されて一体回転し、
    前記規制部によりインターナルギヤを停止することによって、前記サンギヤと前記キャリアとの回転数差によって前記係合部の連結を解除する、
    請求項1または2に記載のシートベルトリトラクタ。
  4. 前記エネルギ吸収部材と前記キャリアとを連結する円環状のコネクタを備え、
    前記係合部は、板状で形成され、前記コネクタの径方向に回動可能なカプラーであり、
    前記コネクタは、外周面に前記カプラーを収容するカプラー収容部を有し、
    前記コネクタは、前記サンギヤ及び前記キャリアに嵌入され、
    前記サンギヤ及び前記キャリアは前記コネクタと対向する内周面に前記カプラーが係止可能なカプラー係止部を有し、
    前記カプラーが前記カプラー係止部に進入するとき前記サンギヤと前記キャリアが連結され、
    前記カプラーが前記カプラー収容部に進入するとき前記サンギヤと前記キャリアの連結が解除される、
    請求項3に記載のシートベルトリトラクタ。
  5. 前記規制部は、
    前記インターナルギヤに係止することにより一方向の回転を規制する正回転規制部と、
    前記正回転規制部により一方向の回転を規制された前記インターナルギヤが、前記サンギヤ及び前記プラネタリギヤの回転によって逆方向に回転するのを規制する逆回転規制部と、
    を有する、請求項3または4に記載のシートベルトリトラクタ。
  6. 前記正回転規制部は、前記インターナルギヤの径方向外側に配置され、駆動機構の作動によって径方向内側に回動することにより前記インターナルギヤを係止するパウルであり、
    前記駆動機構は、前記パウルが前記インターナルギヤの径方向外側に押し出された状態を作動によって解除する、
    請求項5に記載のシートベルトリトラクタ。
  7. 前記駆動機構はMGGである、
    請求項6に記載のシートベルトリトラクタ。
  8. 乗員を拘束するシートベルトと、
    前記シートベルトを引き出し可能に巻き取るとともに、緊急時に作動して前記シートベルトの引出しを阻止する、請求項1〜7のいずれか1項に記載のシートベルトリトラクタと、
    前記シートベルトリトラクタから引き出された前記シートベルトに摺動可能に支持されたタングと、
    車体またはシートに設けられ、前記タングが離脱可能に係止されるバックルと、
    を備えるシートベルト装置。
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