JP2019206117A - 印刷方法、及び印刷装置 - Google Patents
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Abstract
Description
本発明の印刷方法は、記録媒体に下地層形成液を付与し、40℃以上80℃以下の記録媒体温度で前記下地層形成液を乾燥して下地層を形成する下地層形成工程と、前記下地層の上に金属粒子含有層を形成する金属粒子含有層形成工程と、前記金属粒子含有層の上に保護層形成液を付与し、55℃以下の記録媒体温度で前記保護層形成液を乾燥して保護層を形成する保護層形成工程と、を含み、更に必要に応じて、その他の工程を含む。
本発明の印刷装置は、記録媒体に下地層形成液を付与し、40℃以上80℃以下の記録媒体温度で前記下地層形成液を乾燥して下地層を形成する下地層形成手段と、前記下地層の上に金属粒子含有層を形成する金属粒子含有層形成手段と、前記金属粒子含有層の上に保護層形成液を付与し、55℃以下の記録媒体温度で前記保護層形成液を乾燥して保護層を形成する保護層形成手段と、を有し、更に必要に応じてその他の手段を有する。
本発明の印刷方法は、本発明の印刷装置により好適に実施することができ、下地層形成工程は下地層形成手段により好適に実施することができ、金属粒子含有層形成工程は銀粒子含有層形成手段により好適に実施することができ、保護層形成工程は保護層形成手段により好適に実施することができる。
例えば、従来の記録方法では、記録媒体にクリアインクを下塗りし、その上に光輝性顔料インクを記録し、光輝性顔料インクを記録後にクリアインクを上塗りすることが記載されているが、下塗り及び上塗りするクリアインクが適切に乾燥できず、優れた光沢度を得ることができない可能性があるという問題がある。
また、例えば、従来のインクジェット記録方法では、保護層形成液の乾燥温度について考慮していないため、適切な保護層が形成されず、得られた印刷物の耐擦過性を得ることができない可能性があるという問題がある。
下地層形成工程は、記録媒体に下地層形成液を付与し、40℃以上80℃以下の記録媒体温度で下地層形成液を乾燥して下地層を形成する工程である。
記録媒体温度としては、50℃以上70℃以下がより好ましい。記録媒体温度が、50℃以上70℃以下であると、下地層形成液に含まれる樹脂によって下地層に細孔を生じさせやすく、形成する画像の光沢度、及び耐擦過性を向上させることができる。なお、記録媒体温度とは、記録媒体自体の温度、又は記録媒体を加温する機器の温度などを意味する。
下地層形成液は、樹脂、有機溶剤、及び水を含有し、さらに必要に応じてその他の成分を含有する。なお、本発明の説明において、下地層形成液を樹脂インク、インクなどと称することもある。
樹脂としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、水に可溶な水溶性樹脂、水に分散可能な水分散性樹脂などが挙げられる。
水溶性樹脂としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、ゼラチン、カゼイン等のタンパク質、アラビアゴム等の天然ゴム、サボニン等のグルコキシド、メチルセルロース、カルボキシメチルセルロース、ヒドロキシメチルセルロース等のセルロース誘導体、リグニンスルホン酸塩、セラック等の天然高分子、ポリアクリル酸塩、ポリアクリルアミド、スチレン−アクリル酸共重合物塩、ビニルナフタレン−アクリル酸共重合物塩、スチレン−マレイン酸共重合物塩、ビニルナフタレン−マレイン酸共重合物塩、β−ナフタレンスルホン酸ホリマリン縮合物のナトリウム塩、ポリリン酸等のイオン性高分子、ポリビニルアルコール、ポリビニルブチラール、ポリエチレングリコール、ポリプロピレングリコール、ポリエチレンオキシド、ポリビニルメチルエーテル、ポリエチレンイミン等が挙げられる。これらは1種を単独で使用してもよく、2種類以上を併用してもよい。
また、水溶性樹脂としては、適宜合成したものを使用してもよく、市販品を使用してもよい。
水分散性樹脂としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、ウレタン樹脂、ポリエステル樹脂、アクリル系樹脂、酢酸ビニル系樹脂、スチレン系樹脂、ブタジエン系樹脂、スチレン−ブタジエン系樹脂、塩化ビニル系樹脂、アクリルスチレン系樹脂、アクリルシリコーン系樹脂等が挙げられる。これらは1種単独で使用してもよく、2種以上を併用してもよい。
また、水分散性樹脂としては、適宜合成したものを使用してもよく、市販品を使用してもよい。
なお、水分散性樹脂を、水を分散媒として分散した樹脂エマルジョン(樹脂粒子と称することもある)の状態にして、金属粒子、有機溶剤などと混合することにより後述する金属粒子含有液(金属インク)を調製することもできる。
樹脂粒子の体積平均粒径は、例えば、粒度分析装置(装置名:ナノトラック Wave−UT151、マイクロトラック・ベル株式会社製)などを用いて測定することができる。
本発明に使用する有機溶剤としては特に制限されず、水溶性有機溶剤を用いることができる。例えば、多価アルコール類、多価アルコールアルキルエーテル類や多価アルコールアリールエーテル類などのエーテル類、含窒素複素環化合物、アミド類、アミン類、含硫黄化合物類が挙げられる。
多価アルコール類の具体例としては、例えば、エチレングリコール、ジエチレングリコール、1,2−プロパンジオール、1,3−プロパンジオール、1,2−ブタンジオール、1,3−ブタンジオール、1,4−ブタンジオール、2,3−ブタンジオール、3−メチル−1,3−ブタンジオール、トリエチレングリコール、ポリエチレングリコール、ポリプロピレングリコール、1,2−ペンタンジオール、1,3−ペンタンジオール、1,4−ペンタンジオール、2,4−ペンタンジオール、1,5−ペンタンジオール、1,2−ヘキサンジオール、1,6−ヘキサンジオール、1,3−ヘキサンジオール、2,5−ヘキサンジオール、1,5−ヘキサンジオール、グリセリン、1,2,6−ヘキサントリオール、2−エチル−1,3−ヘキサンジオール、エチル−1,2,4−ブタントリオール、1,2,3−ブタントリオール、2,2,4−トリメチル−1,3−ペンタンジオール、ペトリオール等が挙げられる。
多価アルコールアルキルエーテル類としては、エチレングリコールモノエチルエーテル、エチレングリコールモノブチルエーテル、ジエチレングリコールモノメチルエーテル、ジエチレングリコールモノエチルエーテル、ジエチレングリコールモノブチルエーテル、テトラエチレングリコールモノメチルエーテル、プロピレングリコールモノエチルエーテル等の多価アルコールアルキルエーテル類、が挙げられる。
多価アルコールアリールエーテル類としては、エチレングリコールモノフェニルエーテル、エチレングリコールモノベンジルエーテル等が挙げられる。
含窒素複素環化合物としては、2−ピロリドン、N−メチル−2−ピロリドン、N−ヒドロキシエチル−2−ピロリドン、1,3−ジメチル−2−イミダゾリジノン、ε−カプロラクタム、γ−ブチロラクトン等が挙げられる。
アミド類としては、ホルムアミド、N−メチルホルムアミド、N,N−ジメチルホルムアミド、3−メトキシ−N,N−ジメチルプロピオンアミド、3−ブトキシ−N,N−ジメチルプロピオンアミド等が挙げられる。
アミン類としては、モノエタノールアミン、ジエタノールアミン、トリエチルアミン等が挙げられる。
含硫黄化合物類としては、ジメチルスルホキシド、スルホラン、チオジエタノール等が挙げられる。
その他の有機溶剤としては、プロピレンカーボネート、炭酸エチレン等が挙げられる。
湿潤剤として機能するだけでなく、良好な乾燥性を得られることから、沸点が250℃以下の有機溶剤を用いることが好ましい。
グリコールエーテル化合物の具体例としては、エチレングリコールモノエチルエーテル、エチレングリコールモノブチルエーテル、ジエチレングリコールモノメチルエーテル、ジエチレングリコールモノエチルエーテル、ジエチレングリコールモノブチルエーテル、テトラエチレングリコールモノメチルエーテル、プロピレングリコールモノエチルエーテル等の多価アルコールアルキルエーテル類;エチレングリコールモノフェニルエーテル、エチレングリコールモノベンジルエーテル等の多価アルコールアリールエーテル類などが挙げられる。
沸点が200℃以下の溶剤としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、1,2−プロパンジオール、1,2−ブタンジオールなどが挙げられる。
沸点が200℃以下の溶剤の含有量としては、下地層形成液全量に対して、10質量%以上80質量%以下が好ましく、20質量%以上60質量%以下がより好ましい。沸点が200℃以下の溶剤の含有量が、10質量%以上80質量%以下であると、加温により溶剤成分を速やかに蒸発させることができる。
インクにおける水の含有量は、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、インクの乾燥性及び吐出信頼性の点から、10質量%以上90質量%以下が好ましく、20質量%以上60質量%以下がより好ましい。
その他の成分としては、例えば、界面活性剤、消泡剤、防腐防黴剤、防錆剤、pH調整剤などが挙げられる。
シリコーン系界面活性剤としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、例えば、側鎖変性ポリジメチルシロキサン、両末端変性ポリジメチルシロキサン、片末端変性ポリジメチルシロキサン、側鎖両末端変性ポリジメチルシロキサンなどが挙げられ、変性基としてポリオキシエチレン基、ポリオキシエチレンポリオキシプロピレン基を有するポリエーテル変性シリコーン系界面活性剤が水系界面活性剤として良好な性質を示すので特に好ましい。
このような界面活性剤としては、適宜合成したものを使用してもよいし、市販品を使用してもよい。市販品としては、例えば、ビックケミー株式会社、信越化学工業株式会社、東レ・ダウコーニング・シリコーン株式会社、日本エマルジョン株式会社、共栄社化学などから入手できる。
上記のポリエーテル変性シリコーン系界面活性剤としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、一般式(S−1)式で表わされる、ポリアルキレンオキシド構造をジメチルポリシロキサンのSi部側鎖に導入したものなどが挙げられる。
上記のポリエーテル変性シリコーン系界面活性剤としては、市販品を用いることができ、例えば、KF−618、KF−642、KF−643(信越化学工業株式会社)、EMALEX−SS−5602、SS−1906EX(日本エマルジョン株式会社)、FZ−2105、FZ−2118、FZ−2154、FZ−2161、FZ−2162、FZ−2163、FZ−2164(東レ・ダウコーニング・シリコーン株式会社)、BYK−33、BYK−387(ビックケミー株式会社)、TSF4440、TSF4452、TSF4453(東芝シリコン株式会社)などが挙げられる。
消泡剤としては、特に制限はなく、例えば、シリコーン系消泡剤、ポリエーテル系消泡剤、脂肪酸エステル系消泡剤などが挙げられる。これらは、1種を単独で用いても、2種以上を併用してもよい。これらの中でも、破泡効果に優れる点から、シリコーン系消泡剤が好ましい。
防腐防黴剤としては、特に制限はなく、例えば、1,2−ベンズイソチアゾリン−3−オンなどが挙げられる。
防錆剤としては、特に制限はなく、例えば、酸性亜硫酸塩、チオ硫酸ナトリウムなどが挙げられる。
pH調整剤としては、pHを7以上に調整することが可能であれば、特に制限はなく、ジエタノールアミン、トリエタノールアミン等のアミンなどが挙げられる。
インクの物性としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、粘度、表面張力、pH等が以下の範囲であることが好ましい。
インクの25℃での粘度は、印字濃度や文字品位が向上し、また、良好な吐出性が得られる点から、5mPa・s以上30mPa・s以下が好ましく、5mPa・s以上25mPa・s以下がより好ましい。ここで、粘度は、例えば回転式粘度計(東機産業社製RE−80L)を使用することができる。測定条件としては、25℃で、標準コーンローター(1°34’×R24)、サンプル液量1.2mL、回転数50rpm、3分間で測定可能である。
インクの表面張力としては、記録媒体上で好適にインクがレベリングされ、インクの乾燥時間が短縮される点から、25℃で、35mN/m以下が好ましく、32mN/m以下がより好ましい。
インクのpHとしては、接液する金属部材の腐食防止の観点から、7〜12が好ましく、8〜11がより好ましい。
記録媒体としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、光沢紙、非浸透性基材などを用いることができる。また、記録媒体としては、記録媒体表面にあらかじめ受容層が形成されていることが好ましい。受容層としては、例えば、多孔質などが挙げられる。
また、記録媒体としては、一般的に記録媒体として用いられるものに限られず、壁紙、床材、タイルなどの建材、Tシャツなど衣料用などの布、テキスタイル、皮革などを適宜使用することができる。また、記録媒体を搬送する経路の構成を調整することにより、セラミックス、ガラス、金属などを使用することができる。
下地層の層厚としては、30nm以上1,000nm以下が好ましく、後述する金属粒子含有層の色調に影響を与えない範囲という見地から5nm以上300nm以下の範囲がより好ましい。
金属粒子含有層形成工程は、下地層の上に金属粒子含有層を形成する工程である。
金属粒子含有液としては、金属粒子を含有し、更に必要に応じてその他の成分を含有する。なお、金属粒子含有液は、金属インクとも称することがある。
金属粒子としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、銀粒子などが好ましい。
銀は、各種金属の中でも白色度が高い金属であり、他色の色材又は他色の色材を含むインクと組み合せることにより、金属光沢を有する様々な色を実現することができる。また、銀は水との反応性が低く、水中で安定であるため、環境負荷の少ない水系光輝性インクへの展開が可能である。
一方、銀粒子の個数平均粒径が100nm超500nm以下であると、白色度を高くすることができる。
その他の成分としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、保護コロイドなどが挙げられる。
保護コロイドは、金属粒子の表面に付着し、水系分散媒中に分散させることができる性質を持つものである。
金属粒子は、表面に保護コロイドが付着した金属コロイドとして、水系分散媒中に分散していることが好ましい。保護コロイドが金属粒子の表面に付着していることにより、金属粒子の水系分散媒への分散性、及び金属粒子含有液の吐出安定性を向上させることができる。
保護コロイドを有する金属粒子としては、例えば、特開2006−299329号公報に開示されているように、銀イオンを含む溶液を用意し、溶液中の銀イオンを保護コロイドの存在下で還元剤により還元することで得ることができる。これら方法によって銀コロイドを製造する際に、還元反応の前後の、任意の時点で水溶液に界面活性剤等を加えると、金属粒子の分散安定性はさらに向上する。また、サイズの大きい銀粒子に関しては、特許第5059317号公報や特許第6180769号公報に記載の方法で得た銀コロイドを用いることができる。
カルボキシル基を有する有機化合物には、カルボン酸が含まれる。カルボン酸としては、金属粒子を被覆可能であれば特に限定はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、脂肪族モノカルボン酸、芳香族モノカルボン酸などのモノカルボン酸、脂肪族ポリカルボン酸、芳香族ポリカルボン酸などのポリカルボン酸、ヒドロキシモノカルボン酸、ヒドロキシポリカルボン酸などのヒドロキシカルボン酸(又はオキシカルボン酸)などが挙げられる。
これらの中でも、ヒドロキシカルボン酸が好ましい。ヒドロキシカルボン酸としては、例えば、脂肪族ヒドロキシカルボン酸(脂肪族ヒドロキシモノカルボン酸及び脂肪族ヒドロキシポリカルボン酸)が好ましく、脂肪族ヒドロキシカルボン酸の中でも、さらに、脂環族ヒドロキシカルボン酸(又は脂環族骨格を有するヒドロキシカルボン酸、例えば、コール酸などのC6−34脂環族ヒドロキシカルボン酸、好ましくはC10−34脂環族ヒドロキシカルボン酸、さらに好ましくはC16−30脂環族ヒドロキシカルボン酸)が好ましい。特に、コール酸などの多環式脂肪族ヒドロキシカルボン酸は、嵩高い構造を有しており、金属粒子の凝集を抑制する効果が大きいため好ましい。
高分子分散剤としては、金属粒子を被覆可能であれば特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、両親媒性の高分子分散剤(又はオリゴマー型分散剤)を好適に使用できる。
高分子分散剤としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、通常、塗料、インキ分野などで着色剤の分散に用いられている高分子分散剤などが挙げられる。より具体的には、例えば、スチレン系樹脂(スチレン−(メタ)アクリル酸共重合体、スチレン−無水マレイン酸共重合体など)、アクリル系樹脂((メタ)アクリル酸メチル−(メタ)アクリル酸共重合体など)、水溶性ウレタン樹脂、水溶性アクリルウレタン樹脂、水溶性エポキシ樹脂、水溶性ポリエステル系樹脂、セルロース誘導体(エチルセルロースなどのアルキルセルロース、エチルヒドロキシエチルセルロースなどのアルキル−ヒドロキシアルキルセルロース、ヒドロキシエチルセルロース、ヒドロキシプロピルセルロースなどのヒドロキシアルキルセルロース、カルボキシメチルセルロースなどのカルボキシアルキルセルロース等)、ポリビニルアルコール、ポリアルキレングリコール(液状のポリエチレングリコール、ポリプロピレングリコールなど)、天然高分子(ゼラチン、デキストリンなど)、ポリエチレンスルホン酸塩、ナフタレンスルホン酸のホルマリン縮合物などが挙げられる。代表的な高分子分散剤(両親媒性の高分子分散剤)としては、親水性モノマーで構成された親水性ユニットを含む樹脂(水溶性樹脂又は水分散性樹脂)が含まれる。
高分子分散剤(又は少なくとも両親媒性の分散剤で構成された分散剤)の市販品としては、例えば、ソルスパース13240、ソルスパース13940、ソルスパース32550、ソルスパース31845、ソルスパース24000、ソルスパース26000、ソルスパース27000、ソルスパース28000、ソルスパース41090などのソルスパースシリーズ(アビシア株式会社製);ディスパービック160、ディスパービック161、ディスパービック162、ディスパービック163、ディスパービック164、ディスパービック166、ディスパービック170、ディスパービック180、ディスパービック182、ディスパービック184、ディスパービック190、ディスパービック191、ディスパービック192、ディスパービック193、ディスパービック194、ディスパービック2001、ディスパービック2050などのディスパービックシリーズ(ビックケミー株式会社製);EFKA−46、EFKA−47、EFKA−48、EFKA−49、EFKA−1501、EFKA−1502、EFKA−4540、EFKA−4550、ポリマー100、ポリマー120、ポリマー150、ポリマー400、ポリマー401、ポリマー402、ポリマー403、ポリマー450、ポリマー451、ポリマー452、ポリマー453(EFKAケミカル株式会社製);アジスパーPB711、アジスパーPAl11、アジスパーPB811、アジスパーPB821、アジスパーPW911などのアジスパーシリーズ(味の素株式会社製);フローレンDOPA−158、フローレンDOPA−22、フローレンDOPA−17、フローレンTG−700、フローレンTG−720W、フローレン−730W、フローレン−740W、フローレン−745Wなどのフローレンシリーズ(共栄社化学株式会社製);ジョンクリル678、ジョンクリル679、ジョンクリル62などのジョンクリルシリーズ(ジョンソンポリマー株式会社製)などが挙げられる。これらの高分子分散剤の中でも、酸基を有する高分子分散剤であるディスパービック190、ディスパービック194が好ましい。
金属粒子含有層(以下、印刷層と称することがある)の層厚としては、50nm以上300nm以下が好ましく、50nm以上250nm以下がより好ましく、50nm以上200nm以下が更に好ましく、50nm以上180nm以下が特に好ましい。印刷層の層厚がこの範囲内であることにより、金属粒子のプラズモン吸収に由来する構造色調が低くなり、光沢度に優れる印刷層を形成することができる。
また、印刷層の層厚がこの範囲内となる金属粒子含有液の付与量であれば、記録媒体が多孔質構造を有する場合に金属粒子含有液のビヒクルを直ちに吸収することができ、光沢度に優れた印刷層を形成することができる。
また、印刷層の層厚としては、少なくとも金属粒子1つ分以上の層厚が必要である。金属粒子が記録媒体上に1層分(金属粒子1つ分の最大平均粒子径と同等の厚み)以上横方向に並ぶことで、金属粒子間の相互作用が増加し、金属様の光沢度に優れた印刷層を形成することができる。なお、層厚を測定する印刷層は、記録媒体に付与された金属粒子含有液が十分に乾燥した後の層である。また、印刷層の層厚は、印刷層の任意の点を10点測定した層厚の平均値である。印刷層の層厚を測定する方法としては、例えば、記録物を切断し、切断面を光学顕微鏡、レーザー顕微鏡、SEM、TEMなどの顕微鏡で観察する方法が挙げられる。
金属粒子含有層のb*値は、上記の通り、CIE(Commission International del’Eclairage)により規格化されているL*a*b*表色系による色差表示法に基づく。印刷層が高い写像性を有し、銀色であるためには、b*値が−7〜+4であることが好ましい。b*値は、マイナス側に行くほど青味が強くなり、逆にプラス側行くほど黄色味が強くなる。黄色が強くなると印刷層は金色に近づき、b*値が+4を越えてくると金色が強く発現して銀色とは言いがたい色調となる。また、逆にb*値が−7を下回ると青味が強くなり暗い色調で銀色とは異なる色調となる。b*値の測定方法については、分光測色計で簡便に測定することができる。
カラーインク印刷層の平均厚みは、1nm以上300nm以下が好ましく、2nm以上250nm以下がより好ましい。印刷層の呈する銀色を調色する場合、銀色を隠蔽しないことが必要であり、その際の平均厚みとしては3nm以上100nm以下であることが好ましい。カラーインク印刷層の平均厚みを上記範囲で調色した場合、有色メタリック画像が得られ、写像性、及び色調ともに風合いの良い記録物を得ることができる。調色の順序としては、金属粒子含有液で印刷層を形成した後、印刷層上にカラーインク印刷層を形成することが好ましい。カラーインク印刷層の層厚を測定する方法としては、例えば、記録物を切断し、切断面を光学顕微鏡、レーザー顕微鏡、SEM、TEMなどの顕微鏡で観察する方法が挙げられる。
保護層形成工程は、金属粒子含有層の上に保護層形成液を付与し、55℃以下の記録媒体温度で保護層形成液を乾燥して保護層を形成する工程である。
記録媒体温度としては、30℃以上55℃以下がより好ましい。
保護層形成液としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、上述した下地層形成液と同一の材料を好適に用いることができるため、その説明を省略する。
保護層形成液としては、さらに色材を含有させてもよい。
色材としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、一般的なインクに用いられているものを使用することができる。
色材の含有量としては、色材の種類によって異なるが、例えば、保護層の透過率が20%超となる範囲が好ましく、50%超となる範囲がより好ましい。
また、樹脂を水や有機溶剤に溶解又は分散させて金属粒子含有層とカラーインク印刷層の一部又は全面に付与することが好ましい。樹脂を水や有機溶剤に溶解又は分散させて付与する場合、付与方法としては、例えば、ブレードコート法、グラビアコート法、バーコート法、ロールコート法、ディップコート法、カーテンコート法、スライドコート法、ダイコート法、スプレーコート法、インクジェット法などが挙げられる。
保護層の平均厚みとしては、5nm以上300nm以下が好ましい。保護層の平均厚みが5nm以上300nm以下であると金属粒子含有層の色度を保持できる。
本発明において、記録装置、記録方法とは、記録媒体に対してインクや各種処理液等を吐出することが可能な装置、当該装置を用いて記録を行う方法である。記録媒体とは、インクや各種処理液が一時的にでも付着可能なものを意味する。
この記録装置には、インクを吐出するヘッド部分だけでなく、記録媒体の給送、搬送、排紙に係わる手段、その他、前処理装置、後処理装置と称される装置などを含むことができる。
記録装置、記録方法は、加熱工程に用いる加熱手段、乾燥工程に用いる乾燥手段を有しても良い。加熱手段、乾燥手段には、例えば、記録媒体の印字面や裏面を加熱、乾燥する手段が含まれる。加熱手段、乾燥手段としては、特に限定されないが、例えば、温風ヒーター、赤外線ヒーターを用いることができる。加熱、乾燥は、印字前、印字中、印字後などに行うことができる。
また、記録装置、記録方法は、インクによって文字、図形等の有意な画像が可視化されるものに限定されるものではない。例えば、幾何学模様などのパターン等を形成するもの、3次元像を造形するものも含まれる。
また、記録装置には、特に限定しない限り、吐出ヘッドを移動させるシリアル型装置、吐出ヘッドを移動させないライン型装置のいずれも含まれる。シリアル型装置においては、下地層形成液吐出ヘッド(ノズル列)、及び保護層形成液吐出ヘッド(ノズル列)の少なくともいずれかを更に有する。ライン型装置においては、搬送方向上流に下地層形成液吐出ヘッド、搬送方向下流に保護層形成液吐出ヘッドを更に有する。
更に、この記録装置には、卓上型だけでなく、A0サイズの記録媒体への印刷も可能とする広幅の記録装置や、例えばロール状に巻き取られた連続用紙を記録媒体として用いることが可能な連帳プリンタも含まれる。
記録装置の一例について、図1及び図2を参照して説明する。図1は、記録装置の一例を示す斜視説明図である。図2は、メインタンクの一例を示す斜視説明図である。記録装置の一例としての画像形成装置400は、シリアル型画像形成装置である。画像形成装置400の外装401内に機構部420が設けられている。シルバー(S)、シアン(C)、マゼンタ(M)、イエロー(Y)の各色用のメインタンク410(410s、410c、410m、410y)の各インク収容部411は、例えば、アルミニウムラミネートフィルム等の包装部材により形成されている。インク収容容器411は、例えば、プラスチックス製の収容容器ケース414内に収容される。これによりメインタンク410は、各色のインクカートリッジとして用いられる。
一方、装置本体のカバー401cを開いたときの開口の奥側にはカートリッジホルダ404が設けられている。カートリッジホルダ404には、メインタンク410が着脱自在に装着される。これにより、各色用の供給チューブ436を介して、メインタンク410の各インク排出口413と各色用の吐出ヘッド434とが連通し、吐出ヘッド434から記録媒体へインクを吐出可能となる。
なお、上記のシルバー(S)のインクは本発明の記録方法及び記録装置に用いることができるインクである。また、シアン(C)、マゼンタ(M)、イエロー(Y)の各色のカラーインクは、特に制限はなく、目的に応じて公知のインクを適宜選択することができる。また、上記のシルバー(S)以外の3色に加えて、ブラック(K)、ホワイト(W)等のインクを追加で使用してもよい。追加のインクを使用する場合は、追加のインクを有する液体収容部と液体吐出ヘッドを記録装置に追加する。本発明のシルバーインクを付与した記録媒体上の位置に、これらのシルバー以外の色材を含むインクを付与することで、銀色以外の様々な金属光沢を有する色を再現することができる。
前処理装置、後処理装置の一態様として、シルバー(S)、シアン(C)、マゼンタ(M)、イエロー(Y)などのインクの場合と同様に、前処理液や、後処理液を有する液体収容部と液体吐出ヘッドを追加し、前処理液や、後処理液をインクジェット記録方式で吐出する態様がある。
前処理装置、後処理装置の他の態様として、インクジェット記録方式以外の、例えば、ブレードコート法、ロールコート法、スプレーコート法による前処理装置、後処理装置を設ける態様がある。
本発明のインクの用途は、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、印刷物、塗料、コーティング材、下地用などに応用することが可能である。さらに、インクとして用いて2次元の文字や画像を形成するだけでなく、3次元の立体像(立体造形物)を形成するための立体造形用材料としても用いることができる。
立体造形物を造形するための立体造形装置は、公知のものを使用することができ、特に限定されないが、例えば、インクの収容手段、供給手段、吐出手段や乾燥手段等を備えるものを使用することができる。立体造形物には、インクを重ね塗りするなどして得られる立体造形物が含まれる。また、記録媒体等の基材上にインクを付与した構造体を加工してなる成形加工品も含まれる。成形加工品は、例えば、シート状、フィルム状に形成された記録物や構造体に対して、加熱延伸や打ち抜き加工等の成形加工を施したものであり、例えば、自動車、OA機器、電気・電子機器、カメラ等のメーターや操作部のパネルなど、表面を加飾後に成形する用途に好適に使用される。
<ポリエステルウレタン樹脂分散液1の調製>
温度計、窒素ガス導入管、及び撹拌器を備えた窒素置換された容器中で、ポリエステルポリオール(商品名:PTMG1000、三菱化学株式会社製、平均分子量:1,000)200.4g、2,2−ジメチロールプロピオン酸15.7g、イソホロンジイソシアネート48.0g、及び有機溶剤としてメチルエチルケトン77.1gを、ジブチルスズジラウレート(DMTDL、東京化成工業株式会社製)0.06gを触媒として使用して反応させた。前記反応を4時間継続した後、希釈溶剤としてメチルエチルケトン30.7gを供給し、更に反応を継続した。反応を合計6時間になるように行った後、メタノール1.4gを投入し、前記反応を終了することによって、ウレタン樹脂の有機溶剤溶液を得た。前記ウレタン樹脂の有機溶剤溶液に48質量%水酸化カリウム水溶液を13.4g加えることにより、前記ウレタン樹脂が有するカルボキシル基を中和し、次いで、水715.3gを加え、十分に撹拌した後、エージング及び脱溶剤することによって、固形分濃度が30質量%の樹脂粒子を含む、ポリエステルウレタン樹脂分散液1を得た。
<ポリエステルウレタン樹脂分散液2の調製>
樹脂分散液の調製例1において、DMTDLの含有量0.06gを0.12gにし、全反応時間を8時間に変更した以外は、樹脂分散液の調製例1と同様にして、固形分濃度が30質量%の樹脂粒子を含む、ポリエステルウレタン樹脂分散液2を得た。
<ポリエステルウレタン樹脂分散液3の調製>
樹脂分散液の調製例1において、DMTDLの含有量0.06gを0.2gにし、全反応時間を8時間にした以外は、樹脂分散液の調製例1と同様にして、固形分濃度が30質量%の樹脂粒子を含む、ポリエステルウレタン樹脂分散液3を得た。
<ポリエステルウレタン樹脂分散液4の調製>
樹脂分散液の調製例1において、DMTDLの含有量0.06gを0.03gにし、全反応時間を10時間にした以外は、樹脂分散液の調製例1と同様にして、固形分濃度が30質量%の樹脂粒子を含む、ポリエステルウレタン樹脂分散液4を得た。
<ポリエステルウレタン樹脂分散液5の調製>
樹脂分散液の調製例1において、DMTDLの含有量0.06gを0.2gにし、反応時間を5時間にした以外は、樹脂分散液の調製例1と同様にして、固形分濃度が30質量%の樹脂粒子を含む、ポリエステルウレタン樹脂分散液5を得た。
<ポリエステルウレタン樹脂分散液6の調製>
樹脂分散液の調製例1において、DMTDLの含有量0.06gを0.2gにし、反応時間を15時間にした以外は、樹脂分散液の調製例1と同様にして、固形分濃度が30質量%の樹脂粒子を含む、ポリエステルウレタン樹脂分散液6を得た。
<ポリカーボネートウレタン樹脂分散液1の調製>
撹拌機、還流冷却管、及び温度計を挿入した反応容器に、ポリカーボネートジオール(1,6−ヘキサンジオールとジメチルカーボネートとの反応生成物(数平均分子量(Mn):1,200))1,500g、2,2−ジメチロールプロピオン酸(DMPA)220g、及びN−メチルピロリドン(NMP)1,347gを窒素気流下で仕込み、60℃に加熱してDMPAを溶解させた。次いで、4,4’−ジシクロヘキシルメタンジイソシアネート1,445g(5.5モル)、及びジブチルスズジラウリレート(触媒)2.6gを加えて90℃まで加熱し、5時間かけてウレタン化反応を行い、イソシアネート末端ウレタンプレポリマーを得た。この反応混合物を80℃まで冷却し、これにトリエチルアミン149gを添加、混合したものの中から、4,340gを抜き出して、強撹拌下にて、水5,400g、及びトリエチルアミン15gの混合溶液の中に加えた。次いで、氷1,500gを投入し、35質量%の2−メチル−1,5−ペンタンジアミン水溶液626gを加えて鎖延長反応を行い、固形分濃度が30質量%となるように溶剤を留去し、脂環式ジイソシアネートに由来する構造を有するポリカーボネートウレタン樹脂分散液1を得た。
<ポリカーボネートウレタン樹脂分散液2の調製>
樹脂分散液の調製例7において、ジブチルスズジラウリレートの含有量2.6gを2.0gにし、と反応時間を4時間にした以外は、樹脂分散液の調製例7と同様にして、固形分濃度が30質量%のポリカーボネートウレタン樹脂粒子を含むポリカーボネートウレタン樹脂分散液2を得た。
<アクリル樹脂分散液1の調製>
撹拌機、還流コンデンサー、滴下装置、及び温度計を備えた反応容器に、イオン交換水900g、及びラウリル硫酸ナトリウム1gを仕込み、撹拌下に窒素置換しながら70℃まで昇温した。内温を70℃に保ち、重合開始剤として過硫酸カリウム2gを添加し、溶解後、予めイオン交換水450g、ラウリル硫酸ナトリウム3gにアクリルアミド20gにスチレン365g、ブチルアクリレート545g、及びメタクリル酸10gを撹拌下に加えて作製した乳化物を、反応溶液内に連続的に6時間かけて滴下した。滴下終了後、3時間の熟成を行った。得られた水性粒子を常温まで冷却した後、イオン交換水と水酸化ナトリウム水溶液を添加して固形分濃度30質量%、pH8に調整し、アクリル樹脂粒子を含むアクリル樹脂分散液1を得た。
<樹脂インク1の調製>
下記表2に示す成分を混合、撹拌した後、平均孔径が0.2μmのポリプロピレンフィルター(商品名:シリンジフィルター、ザルトリウス社製)でろ過し、樹脂インク1を得た。
樹脂インクの調製例1において、樹脂分散液調製例1におけるポリウレタン樹脂分散液1を樹脂分散液調製例2〜8において調製したポリウレタン樹脂分散液2〜6、及びポリカーボネートウレタン樹脂分散液1〜2に変更した以外は、樹脂インクの調製例1と同様にして、樹脂インク2〜8を調製した。
樹脂インクの調製例1において、樹脂分散液調製例1におけるポリウレタン樹脂分散液1を樹脂分散液調製例9において調製したアクリル樹脂分散液1に変更し、色材として、ピグメントブルー15:3を15質量部、アニオン系界面活性剤(商品名:パイオニンA−51−B、竹本油脂株式会社製)を2質量部、イオン交換水83質量部の色材分散体を樹脂インク全量に対して0.2質量%添加した以外は、樹脂インクの調製例1と同様にして、樹脂インク9を調製した。
<銀粒子分散液1の調製>
硝酸銀66.8g、カルボキシル基を有する分散剤ポリマー(商品名:ディスパービック190、ビックケミー・ジャパン株式会社製、溶剤:水、不揮発成分40質量%、酸価:10mgKOH/g、アミン価:0mgKOH/g)7.2g、及びコール酸(和光純薬工業株式会社製)2.2gを、イオン交換水100gに添加し、激しく撹拌し、懸濁液を得た。得られた懸濁液に対して、ジメチルアミノエタノール(和光純薬工業株式会社製)100gを水温が50℃を超えないように徐々に加えた後、水温50℃のウォーターバス中で3時間加熱撹拌し、反応溶液を得た。得られた反応溶液を、ガラスフィルタ(商品名:GC−90、ADVANTEC社製、平均孔径:0.8μm)でろ過し、銀粒子を20質量%含む銀粒子分散液1を得た。
得られた銀粒子分散液1について、透過型電子顕微鏡(日本電子株式会社製)にて銀粒子を観察したところ、球状で、個数平均粒径は25nmであった。
<銀粒子分散液2の調製>
1Lの蒸留水に50gの硝酸銀を溶解させて、第一の溶液を得た。一方、1Lの蒸留水に22.2gのシュウ酸を溶解させて、第二の溶液を得た。第一の溶液と第二の溶液とを混合し、シュウ酸銀を含む混合溶液を得た。この混合溶液から、不純物を除去した。1Lの混合溶液に3gのポリエチレングリコール(分散剤)を添加し、超音波を加えつつ、30分間撹拌した。これにより、シュウ酸銀を分散させた。この混合溶液を、オートクレーブに投入し、0.5MPaの圧力で加圧、800rpmの速度で撹拌しつつ、120℃まで加熱した状態で30分間の撹拌を行い、銀を主成分とする微小粒子を含む液体を得た。この微小粒子の算術平均粗さRaの平均値は、2.0nmであった。
該銀を主成分とする微小粒子を含む液体を遠心分離機にかけ、余剰なポリエチレングリコールを除去した。さらに、この沈殿物をエチレングリコールモノエチルエーテルアセテート(ECA)に投入し、撹拌した。沈殿物を取り出して、遠心分離機にて余剰のエチレングリコールモノエチルエーテルアセテートを除去した。この沈殿物に所定時間の熱乾燥を施し、銀粒子分散液2を得た。この組成物は、90質量%の銀粒子と、10質量%のその他物質(主にエチレングリコールモノエチルエーテルアセテート)を含んでいる。
得られた銀粒子分散液2について、透過型電子顕微鏡(日本電子株式会社製)にて銀粒子を観察したところ、薄片状形状で、個数平均粒径は260nmであった。
<銀粒子分散液3の調製>
銀粒子分散液の調製例2において、オートクレーブに投入した混合溶液の撹拌条件を1,200rpmとした以外は、銀粒子分散液の調製例2と同様にして、銀粒子分散液3を得た。
得られた銀粒子分散液3について、透過型電子顕微鏡(日本電子株式会社製)にて銀粒子を観察したところ、薄片状形状で、個数平均粒径は160nmであった。
<銀粒子分散液4の調製>
銀粒子分散液の調製例2において、オートクレーブに投入した混合溶液の撹拌条件を1,000rpmとした以外は、銀粒子分散液の調製例2と同様にして、銀粒子分散液4を得た。
得られた銀粒子分散液4について、透過型電子顕微鏡(日本電子株式会社製)にて銀粒子を観察したところ、薄片状形状で、個数平均粒径は200nmであった。
<銀粒子分散液5の調製>
銀粒子分散液の調製例2において、オートクレーブに投入した混合溶液の撹拌条件を700rpmとした以外は、銀粒子分散液の調製例2と同様にして、銀粒子分散液5を得た。
得られた銀粒子分散液5について、透過型電子顕微鏡(日本電子株式会社製)にて銀粒子を観察したところ、薄片状形状で、個数平均粒径は310nmであった。
<銀粒子分散液6の調製>
銀粒子分散液の調製例2において、オートクレーブに投入した混合溶液の撹拌条件を600rpmとした以外は、銀粒子分散液2の調製例と同様にして、銀粒子分散液6を得た。
得られた銀粒子分散液6について、透過型電子顕微鏡(日本電子株式会社製)にて銀粒子を観察したところ、薄片状形状で、個数平均粒径は370nmであった。
<銀粒子分散液7の調製>
銀粒子分散液の調製例2において、オートクレーブに投入した混合溶液の撹拌条件を560rpmとした以外は、銀粒子分散液の調製例2と同様にして、銀粒子分散液7を得た。
得られた銀粒子分散液7について、透過型電子顕微鏡(日本電子株式会社製)にて銀粒子を観察したところ、薄片状形状で、個数平均粒径は400nmであった。
<銀粒子分散液8の調製>
銀粒子分散液の調製例2において、オートクレーブに投入した混合溶液の撹拌条件を480rpmとした以外は、銀粒子分散液の調製例2と同様にして、銀粒子分散液8を得た。
得られた銀粒子分散液8について、透過型電子顕微鏡(日本電子株式会社製)にて銀粒子を観察したところ、薄片状形状で、個数平均粒径は500nmであった。
<銀粒子分散液9の調製>
銀粒子分散液の調製例2において、オートクレーブに投入した混合溶液の撹拌条件を460rpmとした以外は、銀粒子分散液の調製例2と同様にして、銀粒子分散液9を得た。
得られた銀粒子分散液9について、透過型電子顕微鏡(日本電子株式会社製)にて銀粒子を観察したところ、薄片状形状で、個数平均粒径は510nmであった。
<銀粒子分散液10の調製>
銀粒子分散液の調製例2において、オートクレーブに投入した混合溶液の撹拌条件を380rpmとした以外は、銀粒子分散液の調製例2と同様にして、銀粒子分散液10を得た。
得られた銀粒子分散液10について、透過型電子顕微鏡(日本電子株式会社製)にて銀粒子を観察したところ、薄片状形状で、個数平均粒径は660nmであった。
<銀粒子分散液11の調製>
銀粒子分散液の調製例2において、オートクレーブに投入した混合溶液の撹拌条件を500rpmで30分間撹拌した後、1,000rpmで30分間撹拌した以外は、銀粒子分散液の調製例2と同様にして、銀粒子分散液11を得た。
得られた銀粒子分散液11について、透過型電子顕微鏡(日本電子株式会社製)にて銀粒子を観察したところ、薄片状形状で、個数平均粒径は220nmであった。
<銀インク1の調製>
下記表3に示す成分を混合、撹拌した後、平均孔径が0.2μmのポリプロピレンフィルター(商品名:シリンジフィルター、ザルトリウス社製)でろ過し、銀インク1を得た。
<銀インク2の調製>
下記表4に示す成分を混合、撹拌した後、平均孔径が0.2μmのポリプロピレンフィルター(商品名:シリンジフィルター、ザルトリウス社製)でろ過し、銀インク2を得た。
<銀インク3〜11の調製>
銀インクの調製例2において、銀粒子分散液2を銀粒子分散液3〜11に変更した以外は、銀インクの調製例2と同様にして、銀インク3〜11を得た。
次に、得られた樹脂インク1〜9及び銀インク1〜11を充填したインクジェットカートリッジを搭載したインクジェットプリンタ(株式会社リコー製、装置名:IPSiO GXe5500)にホットプレート搬送機を挿入して、記録媒体が表5に示す温度となるような条件で記録媒体(商品名:E−1000ZC、リンテック株式会社製)に対し、樹脂インクを付与して下地層を形成し、形成した下地層の上に銀インクを25℃の環境下でベタ画像を印刷して印刷層を形成し、形成した印刷層の上に記録媒体が表5に示す温度となるような条件で樹脂インクを付与して保護層を形成し、印刷物を作製した。なお、記録媒体温度の測定は熱電対を装着し行った。印刷物の作製条件を下記表5に示す。作製した印刷物の光沢度、色度b*値、耐擦過性を下記の基準に基づき評価した。結果を表6に示した。
ベタ画像の20°光沢度を光沢度計(BYK Gardener社製、マイクロトリグロス)により測定し、下記の基準で評価した。所望するレベルはS以上となる。
[評価基準]
SS:20°光沢度が500以上
S:20°光沢度が400以上、500未満
A:20°光沢度が300以上、400未満
B:20°光沢度が100以上、300未満
C:20°光沢度が100未満
CIE L*a*b*色座標の「色度(色彩値(b*値))」を、X−Rite938 分光測色濃度計(X−Rite社製)を用いて測定し、下記の基準で評価した。所望するレベルはランクB以上となる。
[評価基準]
ランクA:b*値が−3以下
ランクB:b*値が−3を越えて0以下
ランクC:b*値が0を超える
乾燥後の印刷物を学振型磨耗堅牢度試験機AB−301(テスター産業株式会社製)にセットし、接触部に白綿布(JIS L 0803準拠)を取り付けた摩擦子(荷重;300g)にて10回擦り、その劣化具合を目視にて観察し、下記の基準で評価した。所望するレベルはA以上となる。
[評価基準]
S:傷の数が5本未満であり、下地も見えない。
A:傷の数が5本以上10本未満であり、下地も見えない。
B:傷の数が10本以上あり、下地の露出がある。
<1> 記録媒体に下地層形成液を付与し、40℃以上80℃以下の記録媒体温度で前記下地層形成液を乾燥して下地層を形成する下地層形成工程と、
前記下地層の上に金属粒子含有層を形成する金属粒子含有層形成工程と、
前記金属粒子含有層の上に保護層形成液を付与し、55℃以下の記録媒体温度で前記保護層形成液を乾燥して保護層を形成する保護層形成工程と、を含むことを特徴とする印刷方法である。
<2> 前記保護層が、色材を含まない前記<1>に記載の印刷方法である。
<3> 前記保護層を形成する記録媒体温度が、30℃以上55℃以下である前記<1>から<2>のいずれかに記載の印刷方法である。
<4> 前記下地層形成液と、前記保護層形成液とが同一の材料である前記<1>から<3>のいずれかに記載の印刷方法である。
<5> 前記下地層を形成する記録媒体温度が、50℃以上70℃以下である前記<1>から<4>のいずれかに記載の印刷方法である。
<6> 前記金属粒子が平板状であり、前記金属粒子の平板上の長径をX、短径をY、厚みをZとすると前記金属粒子のXY平面の面積より求めた円相当径における個数平均粒径が、100nm超500nm以下であり、かつ、個数平均粒径/Zが5超である前記<1>から<5>のいずれかに記載の印刷方法である。
<7> 前記金属粒子の体積平均粒径が5nm以上500nmである前記<1>から<6>のいずれかに記載の印刷方法である。
<8> 前記金属粒子の含有量が、金属粒子含有液の全量に対して1.0質量%以上15.0質量%以下である前記<1>から<7>のいずれかに記載の印刷方法である。
<9> 前記金属粒子含有液における金属粒子の含有量に対する金属粒子含有液における樹脂の含有量の質量比(樹脂/金属粒子)が、0.001以上0.2以下である前記<8>に記載の印刷方法である。
<10> 前記金属粒子が、銀粒子である前記<1>から<9>のいずれかに記載の印刷方法である。
<11> 前記下地層形成液が、樹脂を含有する前記<1>から<10>のいずれかに記載の印刷方法である。
<12> 前記樹脂が、ポリエステルウレタン樹脂、ポリカーボネートウレタン樹脂、及びアクリル樹脂の少なくともいずれかである前記<11>に記載の印刷方法である。
<13> 前記樹脂の含有量が、前記下地層形成液の全量に対して、0.01質量%以上10質量%以下である前記<11>から<12>のいずれかに記載の印刷方法である。
<14> 前記樹脂の含有量が、前記下地層形成液の全量に対して、0.05質量%以上4.0質量%以下である前記<11>から<13>のいずれかに記載の印刷方法である。
<15> 前記樹脂の含有量が、前記下地層形成液の全量に対して、0.3質量%以上2.0質量%以下である前記<11>から<14>のいずれかに記載の印刷方法である。
<16> 前記下地層形成液が、さらに沸点が200℃以下の溶剤を含有する前記<1>から<15>のいずれかに記載の印刷方法である。
<17> 記録媒体に下地層形成液を付与し、40℃以上80℃以下の記録媒体温度で前記下地層形成液を乾燥して下地層を形成する下地層形成手段と、
前記下地層の上に金属粒子含有層を形成する金属粒子含有層形成手段と、
前記金属粒子含有層の上に保護層形成液を付与し、55℃以下の記録媒体温度で前記保護層形成液を乾燥して保護層を形成する保護層形成手段と、を有することを特徴とする印刷装置である。
401 画像形成装置の外装
401c 装置本体のカバー
404 カートリッジホルダ
410 メインタンク
410s、410c、410m、410y シルバー(S)、シアン(C)、マゼンタ(M)、イエロー(Y)の各色用のメインタンク
411 インク収容容器
413 インク排出口
414 収容容器ケース
420 機構部
434 吐出ヘッド
436 供給チューブ
Claims (7)
- 記録媒体に下地層形成液を付与し、40℃以上80℃以下の記録媒体温度で前記下地層形成液を乾燥して下地層を形成する下地層形成工程と、
前記下地層の上に金属粒子含有層を形成する金属粒子含有層形成工程と、
前記金属粒子含有層の上に保護層形成液を付与し、55℃以下の記録媒体温度で前記保護層形成液を乾燥して保護層を形成する保護層形成工程と、を含むことを特徴とする印刷方法。 - 前記保護層が、色材を含まない請求項1に記載の印刷方法。
- 前記保護層を形成するときの記録媒体温度が、30℃以上55℃以下である請求項1から2のいずれかに記載の印刷方法。
- 前記下地層形成液と、前記保護層形成液とが同一の材料である請求項1から3のいずれかに記載の印刷方法。
- 前記下地層を形成するときの記録媒体温度が、50℃以上70℃以下である請求項1から4のいずれかに記載の印刷方法。
- 前記金属粒子が平板状であり、前記金属粒子の平板上の長径をX、短径をY、厚みをZとすると前記金属粒子のXY平面の面積より求めた円相当径における個数平均粒径が、100nm超500nm以下であり、かつ、個数平均粒径/Zが5超である請求項1から5のいずれかに記載の印刷方法。
- 記録媒体に下地層形成液を付与し、40℃以上80℃以下の記録媒体温度で前記下地層形成液を乾燥して下地層を形成する下地層形成手段と、
前記下地層の上に金属粒子含有層を形成する金属粒子含有層形成手段と、
前記金属粒子含有層の上に保護層形成液を付与し、55℃以下の記録媒体温度で前記保護層形成液を乾燥して保護層を形成する保護層形成手段と、を有することを特徴とする印刷装置。
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