JP2019205969A - パラキシレン製造用触媒、パラキシレン製造用触媒の製造方法、およびパラキシレンの製造方法 - Google Patents

パラキシレン製造用触媒、パラキシレン製造用触媒の製造方法、およびパラキシレンの製造方法 Download PDF

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Abstract

【課題】二酸化炭素と水素とを原料として用いてパラキシレンを効率よく製造可能なパラキシレン製造用触媒、パラキシレン製造用触媒の製造方法およびパラキシレンの製造方法を提供する。【解決手段】本発明に係るパラキシレン製造用触媒は、酸化クロムを含む第1の触媒と、表面がシリカライト−1により被覆されたH−ZSM−5ゼオライトを含む第2の触媒と、を含む。【選択図】なし

Description

本発明は、パラキシレン製造用触媒、パラキシレン製造用触媒の製造方法、およびパラキシレンの製造方法に関する。
近年、地球温暖化への関心が高まっている。温室効果ガス排出削減等の国際的枠組みを協議するCOP(Conference of the Parties)では、世界共通の長期目標として産業革命前からの平均気温の上昇を2℃よりも十分下方に保持することを目的とし、排出ピークをできるだけ早期に抑え、最新の科学に従って急激に削減することが目標とされている。COP21パリ協定では、全ての国が長期の温室効果ガス低排出開発戦略を策定・提出するように努めるべきとされており、我が国では長期的目標として2050年までに80%の温室効果ガスの排出削減を目指すことが策定された。人為的に排出されている温室効果ガスの中では、二酸化炭素の影響量が最も大きいと見積もられており、二酸化炭素削減のための対策技術開発が各所で精力的に行われている。対策技術の一つとして、排出された二酸化炭素を有用物に変換する幾つかの試みが提案されているが、二酸化炭素を別の物質に変換させるためには大きなエネルギーが必要であり、反応を促進させるための有効な触媒の開発が望まれていた。
また、二酸化炭素削減に資する技術とするためには、需要の多い有用物を製造する必要がある。パラキシレンは、汎用樹脂であるポリエチレンテレフタレート(polyethylene terephthalate:PET)の原料として有用な化合物である。このような化合物を二酸化炭素と水素から効率よく製造することが可能であれば、二酸化炭素の削減のための有用な方策となり得る。
従来、パラキシレンは、原油、ナフサからの改質により製造されてきた。また、一酸化炭素と水素の混合ガス、いわゆる合成ガスを原料として、パラキシレンを製造する技術が提案されている(例えば、非特許文献1)。この技術においては、合成ガスからメタノールを合成するための触媒として、ZnCrスピネル構造の触媒を用い、メタノールからパラキシレンを合成するための触媒として、亜鉛ドープH−ZSM−5ゼオライトにシリカライト−1を被覆した触媒を用いる。そして、これらの触媒が存在する系において、合成ガスを導入することにより、1段階でのパラキシレンの合成が可能となる。
Peipei Zhang et al., Chemical Science, The Royal Society of Chemistry, 2017年10月, 第8巻, 7941〜7946頁
しかしながら、二酸化炭素と水素とを原料として用いてパラキシレンを効率よく製造可能な方法については、未だ十分に検討されていない。
そこで、本発明は、上記問題に鑑みてなされたものであり、本発明の目的とするところは、二酸化炭素と水素とを原料として用いてパラキシレンを効率よく製造可能なパラキシレン製造用触媒、パラキシレン製造用触媒の製造方法およびパラキシレンの製造方法を提供することにある。
本発明者らは、上記課題を解決すべく鋭意検討する中で、二酸化炭素および水素の混合ガスを使用してパラキシレンを製造する場合、合成ガスを原料とした場合に使用される触媒を単純には適用できないことを知見した。
具体的には、まず、従来合成ガスのメタノールへの変換に使用されていたCuZnOx触媒や、CrZnOx触媒は、二酸化炭素および水素の混合ガスのメタノール変換には適していないことを見出した。すなわち、これらの触媒は、プロトン供与性が高いため、二酸化炭素を原料とする場合には一酸化炭素が多く副生し、却ってメタノールの生成効率が低下する。さらに、このようなCuZnOx触媒や、CrZnOx触媒と非特許文献1に開示されるようなシリカライト−1で被覆した亜鉛ドープH−ZSM−5ゼオライトとを併用した場合、CuZnOx触媒や、CrZnOx触媒の高いプロトン供与性に起因して、亜鉛ドープH−ZSM−5ゼオライトで生成したパラキシレンが還元されて、ジメチルシクロヘキサンが生成してしまう。このような還元反応は、一酸化炭素を含む合成ガスを用いた反応でも二酸化炭素と水素からの反応でも、副反応であり、抑制すべきである。
また、本件である二酸化炭素と水素からの場合、非特許文献1に開示されるような亜鉛ドープH−ZSM−5ゼオライトは、酸点がZnにより置換されており、酸量が少ないため、亜鉛ドープH−ZSM−5ゼオライト上でメタノールからジメチルエーテル、軽質オレフィンを経由して芳香族化合物が生成し、さらにベンゼン環の1,4位にメタノールによるフリーデル・クラフツ反応を介したメチル化によるパラキシレンの合成が進行しにくいことが判ってきた。すなわち、以下のことが判ってきた。非特許文献1に開示されるような亜鉛ドープH−ZSM−5ゼオライトでは、原料が合成ガスであり、CO+2H→CHOHで表される反応が生じるため、メタノール合成において、水の副生が少ないので、C1−C5のような軽質炭化水素を生成させないように、ゼオライトの強すぎる酸点を亜鉛ドープの手法で無くし、芳香族などの選択率を高めてきた。しかし、本件である二酸化炭素と水素からの場合、この手法が適用できない。すなわち、CO+3H→CHOH+HOで表される反応が生じるため、メタノール合成において、水の副生が非常に多く、H−ZSM−5ゼオライトの酸点がルイス塩基である水によってかなり弱められてきた。さらに亜鉛ドープすると、ゼオライトの酸点がほとんどなくなり、芳香族までの生成シーケンス反応が進行できない。この結果、従来合成ガスを原料としていた際に提案されている触媒を適用しても、パラキシレンの収量が高くならないことが判明した。
検討により得られた以上のような知見を踏まえ、さらに検討を行った結果、本発明者らは、プロトン供与性が比較的低いメタノール合成用触媒として酸化クロムを採用し、さらに、メタノールからのパラキシレンの合成触媒として酸点が豊富なH−ZSM−5ゼオライトを採用すると、パラキシレンの収量が向上すること見出し、本発明に至った。
本発明の要旨は、以下に記す通りである。
(1) 酸化クロムを含む第1の触媒と、
表面がシリカライト−1により被覆されたH−ZSM−5ゼオライトを含む第2の触媒と、を含む、パラキシレン製造用触媒。
(2) 前記第2の触媒は、前記第1の触媒に対し、10質量%以上1000質量%以下含まれる、請求項1に記載のパラキシレン製造用触媒。
(3) 前記第1の触媒の平均細孔径が、0.5nm以上100nm以下である、(1)または(2)に記載のパラキシレン製造用触媒。
(4) 前記第1の触媒の比表面積が3m/g以上500m/g以下である、(1)〜(3)のいずれか一項に記載のパラキシレン製造用触媒。
(5) 前記第2の触媒の比表面積が20m/g以上1000m/g以下である、(1)〜(4)のいずれか一項に記載のパラキシレン製造用触媒。
(6) 前記第2の触媒の平均細孔径が、0.1nm以上2.5nm以下である、(1)〜(5)のいずれか一項に記載のパラキシレン製造用触媒。
(7) 前記第1の触媒と、前記第2の触媒とが、物理的に混合されている、(1)〜(6)のいずれか一項に記載のパラキシレン製造用触媒。
(8) 前記第1の触媒中の前記酸化クロムは、酸化クロム(III)を含む、(1)〜(7)のいずれか一項に記載のパラキシレン製造用触媒。
(9) 二酸化炭素および水素からのパラキシレンの合成反応を触媒する、(1)〜(8)のいずれか一項に記載のパラキシレン製造用触媒。
(10) 二酸化炭素および水素を、(1)〜(9)のいずれか一項に記載のパラキシレン製造用触媒に接触させて、パラキシレンを合成する、パラキシレンの製造方法。
(11) ケイ素化合物とH−ZSM−5ゼオライトとの存在下で水熱合成を行い、前記H−ZSM−5ゼオライトの表面にシリカライト−1を被覆させた第2の触媒を得る工程と、
酸化クロムを含む第1の触媒と、前記第2の触媒とを混合する工程と、を有する、パラキシレン製造用触媒の製造方法。
(12) さらに、湿式沈殿法によりクロム水酸化物を得、当該クロム水酸化物を乾燥および/または焼成して前記第1の触媒を得る工程を有する、(11)に記載のパラキシレン製造用触媒の製造方法。
(13) さらに、水熱合成法により、ケイ素化合物とアルミニウム化合物とから、前記H−ZSM−5ゼオライトを合成する工程を有する、(11)または(12)に記載のパラキシレン製造用触媒の製造方法。
本発明によれば、二酸化炭素と水素とを原料として用いてパラキシレンを効率よく製造可能なパラキシレン製造用触媒、パラキシレン製造用触媒の製造方法およびパラキシレンの製造方法を提供することができる。
以下、本発明の好適な実施の形態について詳細に説明する。
<1. パラキシレン製造用触媒>
まず、本発明のパラキシレン製造用触媒の好適な実施形態について説明する。本実施形態に係るパラキシレン製造用触媒は、二酸化炭素および水素を原料とした炭化水素化合物、特にパラキシレンの合成反応を触媒する。本実施形態に係るパラキシレン製造用触媒は、酸化クロムを含む第1の触媒と、表面がシリカライト−1により被覆されたH−ZSM−5ゼオライトを含む第2の触媒と、を含む。
そして、酸化クロムを含む第1の触媒は、二酸化炭素および水素からメタノールへの変換を触媒する。一方で、表面がシリカライト−1により被覆されたH−ZSM−5ゼオライトを含む第2の触媒は、メタノールからのパラキシレンへの変換を触媒する。すなわち、本実施形態に係るパラキシレン製造用触媒は、異なる機能を有する第1の触媒および第2の触媒を含む、触媒組成物(複合触媒)である。
(1.1. 第1の触媒)
上述したように、第1の触媒は、酸化クロムを含む。酸化クロムは、酸化炭素および水素からメタノールへの変換を触媒する。ここで、酸化クロムは酸素欠陥を有することから、酸化クロム表面に二酸化炭素が吸着しやすく、酸化クロムに吸着された二酸化炭素と水素との反応が効率よく生じ、メタノールが効率よく生成される。また、酸化クロムは、従来合成ガスからのメタノールへの変換に用いられていたCuZnOx触媒や、CrZnOx触媒とは異なり、プロトン供与性が比較的低い。したがって、第2の触媒において生成したパラキシレンが第1の触媒によって還元されてジメチルシクロヘキサンが生じることが抑制されている。
第1の触媒に含まれる酸化クロムとしては、例えば、酸化クロム(II)、酸化クロム(III)、酸化クロム(VI)、酸化クロム(VI)が挙げられ、これらのうち1種を単独で、または2種以上を組み合わせて用いることができる。これらのうち、酸化クロム(III)、および酸化クロム(III)を含む複合酸化物は、良好な触媒作用を有するとともに、触媒反応が生じる環境下において安定であることから、好ましい。
また、第1の触媒は、酸化クロムを主体として構成される。一方で、第1の触媒の製造に起因した他の化合物や、第1の触媒の担持に用いる担体に由来する化合物が、第1の触媒中に含まれていてもよい。第1の触媒は、好ましくは95質量%以上の酸化クロムを含み、より好ましくは本質的に酸化クロムからなり、さらに好ましくは酸化クロムからなる。
第1の触媒の形態は、特に限定されず、例えば、粒状であってもよいし、層状(膜状)であってもよい。第1の触媒は、通常、多孔質であり、したがって、反応を行うための細孔を備えており、比較的大きな比表面積を有する。
第1の触媒の比表面積は、細孔径を小さくする、又は細孔容積を大きくすることにより大きくすることができる。すなわち、細孔径と細孔容量は、第1の触媒の比表面積と関連している。一般的には比表面積は大きい方が好ましいが、細孔径、細孔容積を適正な範囲に維持しようとすると極端に大きい比表面積は得られない。
第1の触媒の比表面積は、特に限定されないが、例えば、3m/g以上500m/g以下、好ましくは10m/g以上100m/g以下である。これにより、水素と二酸化炭素との反応のための活性点を十分に供給することができる。また、比表面積が上述した上限以下であることにより、細孔径が過度に小さくなり、細孔内において二酸化炭素と水素のガス拡散速度の差が生じ、第1の触媒内で二酸化炭素の分圧と、水素の分圧とで差が生じることを防止できる。この結果、水素および二酸化炭素からのメタノールへの変換が効率よく行われる。比表面積は、BET法により測定することができる。
また、第1の触媒の平均細孔径は、特に限定されないが、例えば、0.5nm以上100nm以下、好ましくは2nm以上30nm以下である。これにより、細孔内における二酸化炭素と水素とのガス拡散速度の差が生じることが防止されるとともに、第1の触媒の比表面積を大きくすることができ、活性点を十分に供給することが可能となる。この結果、水素と二酸化炭素からのメタノールへの変換が効率よく行われることができる。
第1の触媒の細孔容量は、特に限定されず、例えば、0.1cc/g以上5cc/g以下、好ましくは、0.5cc/g以上2cc/g以下である。
なお、細孔容積は水銀圧入法で求めることができる。水銀圧入法が使用できない場合は水滴定法により測定することができる。また、平均細孔径は、水銀ポロシメーターによる水銀圧入法により測定することができる。水銀圧入法が使用できない場合はガス吸着法により求めることができる。
また、第1の触媒が粒状をなす場合、第1の触媒の平均粒子径は、例えば1μm以上800μm以下、好ましくは10μm以上200μm以下であることができる。これにより、第1の触媒と第2の触媒の間の物質移動も加速され、原料ガスの流通抵抗も低下する(圧損低減)。なお、本明細書中において「平均粒子径」とは、湿式のレーザ回折・散乱法による、体積基準50%粒子径(D50)をいう。また、分散性が悪い等の理由でレーザー回折・散乱法による測定が困難な場合には、画像イメージング法等の手法を適用することができる。
(1.2. 第2の触媒)
上述したように、第2の触媒は、表面がシリカライト−1により被覆されたH−ZSM−5ゼオライトを含む。第2の触媒は、第1の触媒を介して生成したメタノールからのパラキシレンへの変換を触媒する。ここで、第2の触媒において、H−ZSM−5ゼオライトは、主としてメタノールからのパラキシレンへの選択的な変換を触媒し、一方でH−ZSM−5ゼオライト表面に被覆したシリカライト−1は、パラキシレンの異性化を防止する。
具体的には、H−ZSM−5ゼオライトの細孔内においては、ZnドープH−ZSM−5ゼオライトと比較して酸点が多く存在しており、当該酸点を活性点として、メタノールから、ジメチルエーテル、軽質オレフィンを経由し、芳香環(ベンゼン環)が形成される。さらに、ベンゼン環は、H−ZSM−5ゼオライトの細孔内において、さらなるメタノールにより、その1,4位がフリーデル・クラフツ反応を介してメチル化される。ここで、H−ZSM−5ゼオライトの細孔は、その細孔径が、パラキシレンが通過可能であり、一方で、オルトキシレン、メタキシレンが通過不可能な大きさである。したがって、いわゆる空間局限効果により、パラキシレンが優先的に生成する。なお、空間局限効果とは、一定の空間内で反応が進行する際に空間の形状とサイズに応じて反応が制御または局限(制限)され、特定の反応または特定の部位での反応が優先的に進行する現象・効果をいう。
さらに、ZnドープH−ZSM−5ゼオライトと比較して、H−ZSM−5ゼオライトの細孔内においては生成したパラキシレンが安定に存在することができる。この結果、一旦生成したパラキシレンのメタキシレン、オルトキシレンへの異性化が防止される。
一方で、H−ZSM−5ゼオライトの細孔を除く外表面においては、空間的な制限が存在しないため、空間局限効果が発現しない。したがって、外表面の酸点においてオルトキシレン、メタキシレンが生じる恐れがある。これに対し、本実施形態においては、H−ZSM−5ゼオライトの表面(外表面)をシリカライト−1が被覆している。
シリカライト−1は、H−ZSM−5ゼオライトと同一の結晶構造を有する、シリカを主成分とするゼオライトである。シリカライト−1は、その結晶構造に起因して、H−ZSM−5ゼオライトと同程度の細孔径の細孔を有する。そして、シリカライト−1は、酸性度が低く、メタノールや、メタノール由来の化合物の反応を触媒する機能を基本的に有していない。このような反応に寄与しないシリカライト−1をH−ZSM−5ゼオライトの外表面に被覆させることにより、H−ZSM−5ゼオライトの外表面の活性点である酸点を消失させ、パラキシレンのメタキシレン、オルトキシレンへの異性化を防止することができる。一方で、H−ZSM−5ゼオライトの細孔内で生成したパラキシレンは、シリカライト−1の細孔を介して、第2の触媒の外部に放出される。
第2の触媒において、シリカライト−1とH−ZSM−5ゼオライトとは、H−ZSM−5ゼオライトの表面にシリカライト−1が被覆していればよく、いかなる位置関係であってもよい。例えば、第2の触媒は、H−ZSM−5ゼオライトの粒子が核(コア)を形成し、その周囲に殻(シェル)としてのシリカライト−1が被覆する、いわゆるコア−シェル構造を備えていてもよい。
また、第2の触媒において、被覆するシリカライト−1の膜厚は、特に限定されないが、例えば0.01μm以上200μm以下、好ましくは0.1μm以上50μm以下であることができる。これにより、パラキシレンのメタキシレン、オルトキシレンへの異性化をより確実に防止することができるとともに、シリカライト−1の膜厚が大きすぎてH−ZSM−5ゼオライトへメタノールが十分に供給されず、反応効率が低下することを防止することができる。
H−ZSM−5ゼオライトの外表面に形成されるシリカライト−1の膜厚は、触媒の断面を走査型電子顕微鏡(SEM)を用いて観察することにより測定することができる。触媒断面を観察するためのサンプル調製方法としては、触媒粒子を樹脂に埋め込んだ後、研磨する方法がある。なお、上記の膜厚は平均値であり、触媒断面のSEMによる観察にて測定する場合、膜厚が均一であれば測定箇所は数点で良いが、均一で無い場合には平均値を算出できる程度(例えば、周方向に略均等間隔となるように16箇所)の測定箇所を設定する必要がある。また、粒子毎に膜厚が異なる場合には、複数粒子(例えば、10粒子)を代表として観察し、平均化する必要がある。代表となる複数粒子の選択にあたっては、代表となる粒子よりも多くの粒子を観察した後、極端に膜厚の異なる粒子を除いた平均的な膜厚のものを選定する。異なる粒子径の触媒が混在する場合には、前記のように代表として観察する場合、平均粒子径程度の粒子径のものを選定する。平均粒子径の測定には、分散した触媒粒子にレーザー光を照射し、粒子からの散乱光強度の角度依存性を測定することにより粒子径分布を求めるレーザー回折式粒度分布測定装置を使用する。なお、一部にシリカライト−1膜が形成されない欠陥部が存在する場合もあるが、このような場合には欠陥部は測定箇所とせずに、シリカライト−1が形成されている箇所の平均値とする。
また、第2の触媒において、シリカライト−1の質量は、特に限定されないが、例えばH−ZSM−5ゼオライトの質量に対し、5質量%以上100質量%以下、好ましくは10質量%以上40質量%以下であることができる。これにより、パラキシレンのメタキシレン、オルトキシレンへの異性化をより確実に防止することができるとともに、シリカライト−1の膜厚が大きすぎてH−ZSM−5ゼオライトへメタノールが十分に供給されず、反応効率が低下することを防止することができる。
第2の触媒中のシリカライト−1の質量は、以下の方法により求められる。まず、ICP−AES法により第2の触媒のシリカ(シリカライト+H−ZSM−5)とアルミナを定量分析する。次いで、走査型電子顕微鏡−エネルギー分散型X線分光法(SEM−EDS)により、断面分析した際のH−ZSM−5のシリカ/アルミナ比を得る。そして、H−ZSM−5のシリカ/アルミナ比を考慮して、ICP−AES法にて定量されたシリカ全体をシリカライト−1分とH−ZSM−5分に区別することにより、シリカライト−1の質量が算出される。
第2の触媒の平均細孔径は、特に限定されないが、例えば、0.1nm以上2.5nm以下、好ましくは0.4nm以上0.6nm以下である。これにより、細孔内における上述した空間局限効果をより確実に得ることができ、合成されたパラキシレンが通過できる程度に大きな細孔径となる。
第2の触媒の比表面積は、特に限定されないが、例えば、20m/g以上1000m/g以下、好ましくは100m/g以上400m/g以下である。これにより、メタノールの反応およびパラキシレンの合成のための活性点を十分に供給することができるとともに、第2の触媒の細孔径を容易に上述した範囲とすることができる。
第2の触媒の細孔容量は、特に限定されず、例えば、0.1cc/g以上5cc/g以下、好ましくは、0.5cc/g以上2cc/g以下である。
また、第2の触媒が粒状をなす場合、第2の触媒の平均粒子径は、例えば0.1μm以上μm以下、好ましくは0.5μm以上5μm以下であることができる。これにより、第1の触媒と第2の触媒の間の物質移動も加速され、原料ガスの流通抵抗も低下する(圧損低減)。
(1.3. 混合状態)
上述したように、本実施形態において、パラキシレン製造用触媒は、第1の触媒と、第2の触媒とを含む。パラキシレン製造用触媒中において、第1の触媒と第2の触媒との位置関係(混合状態)は特に限定されず、例えば、第1の触媒と第2の触媒とが粒状である場合、物理的に混合されていることができる。あるいは、第1の触媒と第2の触媒とが層を構成する場合、第1の触媒と第2の触媒とは積層していてもよい。この場合において、パラキシレン製造用触媒の外表面側に第2の触媒のシリカライト−1が配置される。
パラキシレン製造用触媒中において、第2の触媒は、第1の触媒に対し、例えば10質量%以上1000質量%以下、好ましくは80質量%以上120質量%以下含まれる。これにより、第1の触媒におけるメタノールの合成速度と、第2の触媒におけるメタノールの消費速度を、比較的近いものとすることができ、余剰の化合物により意図せぬ副反応が生じることが防止される。
製造時に第1の触媒に対する第2の触媒の割合を適正化するには、第1の触媒と第2の触媒の混合時の質量を調整することで、行うことができる。混合された後(その後、成形された場合や、整粒された場合を含む)の触媒において、当該割合は、例えば、走査型高周波誘導結合プラズマ法(ICP)と呼ばれる方法を用いて求めることができる。具体的には、試料を粉砕後、アルカリ融解剤(例えば炭酸ナトリウム、ホウ酸ナトリウムなど)を加えて白金坩堝内で加熱融解し、冷却後に塩酸溶液に加温下で全量溶解させる。その溶液をICP分析装置へインジェクションすると、装置内の高温プラズマ状態の中で試料溶液が原子化・熱励起し、これが基底状態に戻る際に元素固有の波長の発光スペクトルを生じるため、その発光波長及び強度から含有元素種、量を定性・定量することができる。そして、定量された含有元素種の比率を考慮して、第1の触媒と、第2の触媒との割合を算出することができる。
以上、本実施形態に係るパラキシレン製造用触媒について説明した。本実施形態によれば、二酸化炭素と水素とを原料として用いてパラキシレンを効率よく製造することができる。すなわち、第1の触媒として二酸化炭素が吸着しやすく二酸化炭素と水素との反応が効率よく進行する酸化クロムを用い、第2の触媒として、空間局限効果を有しパラキシレンを選択的かつ効率よく合成可能な表面がシリカライト−1により被覆されたH−ZSM−5ゼオライトを用いることにより、パラキシレンが効率よく、また大きな収率で合成される。
なお、一酸化炭素と水素とを含む合成ガスを原料とする場合、亜鉛をドープしない触媒を用いると、メタノールの生成効率およびパラキシレンの収量は低下する。このように、本発明者らは、合成ガスに含まれる一酸化炭素と本発明において使用される二酸化炭素との化学的性質の相違に着目し、合成ガスでは収量が低下し得る触媒により、二酸化炭素および水素からのパラキシレンの収量が向上することを見出したものである。
<2. パラキシレン製造用触媒>
次に、本実施形態に係るパラキシレン製造用触媒の製造方法について説明する。本実施形態に係るパラキシレン製造用触媒の製造方法は、少なくともケイ素化合物とH−ZSM−5ゼオライトとの存在下で水熱合成を行い、H−ZSM−5ゼオライトの表面にシリカライト−1を被覆させた第2の触媒を得る工程(第3の工程)と、酸化クロムを含む第1の触媒と、第2の触媒とを混合する工程(第4の工程)と、を有する。なお、本実施形態に係るパラキシレン製造用触媒の製造方法は、任意に、第3の工程に先立ち、水熱合成法により、ケイ素化合物とアルミニウム化合物とから、H−ZSM−5ゼオライトを合成する工程(第2の工程)を有する。さらに、本実施形態に係るパラキシレン製造用触媒の製造方法は、任意に、上記第2の工程、第3の工程とは別個に、湿式沈殿法によりクロム水酸化物を得、当該クロム水酸化物を乾燥および/または焼成して第1の触媒を得る工程を有する。
(2.1. 第1の工程)
まず、第1の工程においては、湿式沈殿法によりクロム水酸化物を得、当該クロム水酸化物を乾燥および/または焼成して第1の触媒を得る。
具体的には、まず、クロム化合物を水溶液中に溶解させ、沈降剤を添加することによりクロム水酸化物を沈降させる。
クロム化合物(クロム源)としては、水溶液に溶解可能であれば特に限定されず、例えば硝酸クロム、酢酸クロム、塩化クロム、臭化クロム、重クロム酸アンモニウム等を用いることができる。
また、沈降剤としては、クロム水酸化物を沈降(析出)可能であれば特に限定されず、例えば炭酸アンモニウム、炭酸ナトリウム、炭酸水素ナトリウム、尿素、炭酸カリウム等を用いることができる。
なお、クロム水酸化物の粒径、形状の制御等を目的として、クロム水酸化物が沈降した状態で、熟成処理を行ってもよい。熟成処理は、例えば、30分以上12時間以下攪拌することにより行うことができる。
上記の処理において、水溶液の温度は、特に限定されないが、例えば30℃以上100℃以下であることができる。
次に、得られたクロム水酸化物について乾燥および/または焼成して、クロム酸化物を含む第1の触媒を得る。なお、乾燥、焼成に先立ち、クロム水酸化物を適宜洗浄してもよい。
乾燥は、例えば60℃以上200℃以下の大気雰囲気下で、30分以上12時間以下行うことができる。また、焼成は、例えば400℃以上600℃以下の大気雰囲気下で、30分以上10時間以下行うことができる。
以上のようにして、クロム酸化物を含む第1の触媒が得られる。
なお、クロム酸化物を別途入手可能であれば、本工程は省略されてもよい。また、上記の説明に関わらず、クロム酸化物は、湿式沈降法により製造されていなくてもよい。
(2.2. 第2の工程)
本工程では、水熱合成法により、ケイ素化合物とアルミニウム化合物とから、H−ZSM−5ゼオライトを合成する。H−ZSM−5ゼオライトの形成は、例えば、ケイ素化合物(シリカ源)およびアルミニウム化合物(アルミナ源)を含む水溶液(前駆体溶液)を加熱することにより行われる。
ケイ素化合物としてはテトラオルトシリケート、テトラエチルオルトシリケート等、アルミニウム化合物としては硝酸アルミニウム、酢酸アルミニウム等を使用することができるが、これらに限定されない。
また、前駆体溶液には、テンプレート剤(有機構造規定剤)としてアミン化合物、例えばテトラプロピルアンモニウムヒドロキシド、テトラエチルアンモニウムヒドロキシド等が含まれていてもよい。さらに、前駆体溶液の溶媒は、水を主成分とするが、ケイ素化合物加水分解速度の制御を目的として、エタノール、メタノール等のアルコール系溶媒が含まれていてもよい。
水熱合成における温度は、特に限定されないが、例えば、150〜200℃、好ましくは、170〜190℃とすることができる。
水熱合成の時間増加に伴い、H−ZSM−5ゼオライトの粒径が増加する。水熱合成の時間は、例えば1時間以上168時間以下であり、好ましくは24時間以上48時間以下である。
なお、水熱合成においては、必要に応じ、反応液を撹拌してもよい。撹拌条件は、適宜設定可能である。また、ZSM−5ゼオライトの粒径や、細孔径、比表面積等の物性は時間等の水熱合成の条件によって制御することが可能である。
水熱合成により製造されたH−ZSM−5ゼオライトは、水熱合成終了後適宜、洗浄、乾燥に供される。乾燥時間は、特に限定されないが、例えば、0.5〜20時間とすることができる。乾燥温度は、特に限定されないが、例えば、50〜150℃とすることができる。
次いで、乾燥した触媒について焼成処理を行い、ゼオライトの孔内に存在する有機物を除去する。これによりH−ZSM−5ゼオライトを得る。焼成時間は、特に限定されないが、例えば、0.5〜15時間とすることができる。焼成温度は、特に限定されないが、例えば、400〜600℃とすることができる。
なお、H−ZSM−5ゼオライトを別途入手可能であれば、本工程は省略されてもよい。また、上記の説明に関わらず、H−ZSM−5ゼオライトは、水熱合成法により製造されていなくてもよい。
(2.2. 第3の工程)
本工程では、少なくともケイ素化合物とH−ZSM−5ゼオライトとの存在下で水熱合成を行い、H−ZSM−5ゼオライトの表面にシリカライト−1を被覆させた第2の触媒を得る。シリカライト−1の形成は、例えば、シリカ化合物を含む水溶液(前駆体溶液)にH−ZSM−5ゼオライトを添加し、加熱することにより行われる。
シリカ化合物としてはシリカ、オルトケイ酸テトラエチル等を使用することができるが、これらに限定されない。
また、前駆体溶液には、テンプレート剤(有機構造規定剤)としてアミン化合物、例えばテトラプロピルアンモニウムヒドロキシド、テトラエチルアンモニウムヒドロキシド等が含まれていてもよい。さらに、前駆体溶液の溶媒は、水を主成分とするが、ケイ素化合物加水分解速度の制御を目的として、エタノール、メタノール等のアルコール系溶媒が含まれていてもよい。
水熱合成における温度は、特に限定されないが、例えば、150〜200℃、好ましくは、170〜190℃とすることができる。
水熱合成の時間増加に伴い、シリカライト−1の膜厚が増加する。水熱合成の時間は、例えば1時間以上168時間以下であり、好ましくは20時間以上40時間以下である。
なお、水熱合成においては、必要に応じ、反応液を撹拌してもよい。撹拌条件は、適宜設定可能である。また、シリカライト−1の膜厚は時間等の水熱合成の条件によって制御することが可能である。
水熱合成によりシリカライト−1が被覆したH−ZSM−5ゼオライトは、必要に応じて、水熱合成終了後、洗浄、乾燥に供される。乾燥時間は、特に限定されないが、例えば、0.5〜20時間とすることができる。乾燥温度は、特に限定されないが、例えば、50〜150℃とすることができる。
以上により、表面にシリカライト−1が被覆したH−ZSM−5ゼオライトを含む第2の触媒を得ることができる。
(2.2. 第2の工程)
酸化クロムを含む第1の触媒と、第2の触媒とを物理的に混合する。これにより、パラキシレン製造用触媒を得る。混合は、例えば乳鉢、ボールミル、自動混練器等により行うことができる。
なお、混合後、第1の触媒と、第2の触媒との密着性を向上させることを目的として、パラキシレン製造用触媒のペレットを成形し、同ペレットを粉砕してもよい。
<3.パラキシレンの製造方法>
次に、上述したパラキシレン製造用触媒を用いたパラキシレンの製造方法について、好適な実施形態に基づき説明する。
パラキシレンの製造は、二酸化炭素および水素を本実施形態に係るパラキシレン製造用触媒と接触させることにより行うことができる。二酸化炭素および水素は別個に供給されてもよいが、通常これらの混合ガスとして供給される。
本実施形態に係る方法で使用する二酸化炭素と水素の混合ガスには、二酸化炭素と水素の合計が全体の50体積%以上であるガスが生産性の面から好ましく、特に、水素と二酸化炭素のモル比(水素/二酸化炭素)が0.5〜4.0の範囲であることが望ましい。これは、水素と二酸化炭素のモル比が0.5未満の場合には、原料ガス中の水素の存在量が少な過ぎるため、二酸化炭素の水素化反応が進み難く、生産性が高くならないためであり、一方、水素と二酸化炭素のモル比が4.0を超える場合には、原料ガス中の二酸化炭素の存在量が少な過ぎるため、触媒活性に関わらず液状炭化水素の生産性が高くならないためである。
また、混合ガスと本実施形態に係る触媒との接触に用いられる反応器としては、特に限定されず、例えば、固定床、噴流床、流動床等の一般的な気相合成プロセス用反応器、スラリー床等の液相合成プロセス用反応器およびマイクロチャネル反応器等が挙げられる。
パラキシレンを製造する反応を行う際には、酸化クロム触媒(第1の触媒)が、還元された状態である必要がある。したがって、混合ガスを供給してパラキシレンを製造する前に、水素ガス等の還元性ガスを流通させてパラキシレン製造用触媒の還元処理を行うことができる。このような還元処理は、特に限定されないが、例えば300〜500℃の温度で、1〜40時間行うことができる。
なお、パラキシレン製造用触媒は、反応器への充填後に還元されてもよいし、充填前に還元されてもよい。例えば、反応器内にパラキシレン製造用触媒を仕込む前に還元処理を行い、その後に充填することも可能である。
パラキシレンの製造時における条件は、特に限定されず、反応器の種類に応じて条件を設定することができる。
例えば、パラキシレンを製造する反応時における反応温度は、特に限定されないが、200〜500℃、好ましくは300〜400℃であることができる。また、反応時における系内の圧力は、特に限定されないが、例えば、0.8〜3.5MPa、好ましくは2.5〜3MPaであることができる。
著しく転化率が高い、あるいは反応時間が長いなどの要因で、活性低下が生じた場合には、混合ガスの代わりに水素を含むガス(再生ガス)を供給することにより、パラキシレン製造用触媒を再生することができる。再生ガスの水素含有量は、5%以上であることが好ましい。なお、再生ガス中の水素含有量は100%であってもよい。また、再生ガスは、水素に加え、窒素、アルゴン等の不活性ガスを含有してもよい。
パラキシレン製造用触媒の再生の条件としては、触媒再生が進行すれば、特に限定されない。水素を含む再生ガスとパラキシレン製造用触媒を接触させることによる触媒再生機構としては、副生水により酸化した酸化クロム触媒等の再還元と、水素による析出炭素の除去によるものと推察される。
具体的には、再生時における温度は、例えば、300〜500℃であることができる。再生時における圧力は、例えば、常圧〜反応圧であることができる。特に、再生圧力を反応圧以下にすると、反応において反応圧に昇圧するためのコンプレッサーを利用することが可能となり、再生のために新たにコンプレッサーを設置する必要がなくなるため、設備コストの面から有利となる。また、再生時間は、例えば、1時間以上とすることができる。
以下、実施例及び比較例により本発明をさらに詳細に説明するが、本発明はこれら実施例及び比較例に限定されない。
〔実施例1〕
(1.パラキシレン製造用触媒の製造)
硝酸クロム40gを精秤して、100mlの純水に溶解させた。この水溶液を70℃の加温下、炭酸アンモニウム水溶液を加えて、クロムを水酸化物として沈殿させ、スターラーで十分に攪拌した。その後、70℃に保持したまま3時間攪拌を続けて熟成を行った後、ろ過を行い、80℃の純水で十分に洗浄を行った。洗浄後に得られた沈殿物を100℃で乾燥し粗粉砕した後、空気中500℃で焼成(か焼)した。これにより、第1の触媒としての酸化クロム粉末(Cr)を得た。得られた酸化クロム粉末は、N吸脱着によるBET比表面積が12.9m/g、平均細孔径が18.4nmであった。以下、第1の触媒を「Cr」と略することもある。
一方、H−ZSM−5ゼオライトは、テトラオルトシリケート、硝酸アルミニウム、水、テトラプロピルアンモニウム水酸化物とエタノールをモル比で1:1/40:50:0.24:4に精秤して溶解させた。その溶液をテフロンシールのオートクレーブに導入し、マグネティックスターラーで4時間撹拌後、180℃、24時間反応させた。そこで得られた生成物を蒸留水で洗浄、120℃で一晩乾燥させたのち、550℃で5時間空気中で焼成(か焼)することでゼオライトポアに存在していた有機物を分解除去し、H−ZSM−5ゼオライト粉末を得た。得られたH−ZSM−5ゼオライト粉末は、N吸脱着によるBET比表面積が367.6m/g、平均細孔径が2.0nmであった。
こうして得られた1gのゼオライト(H−ZSM−5)を用い、シリカ、テトラプロピルアンモニウム水酸化物、エタノールと水をモル比で1:0.06:16:240の溶液中に浸したのち、テフロンシールのオートクレーブに仕込み、分速3回転の速度で回転させながら180℃、24時間反応させた。この操作を2回繰り返すことで第2の触媒としてのシリカライト−1が被覆したゼオライトを得た。得られたシリカライト−1被覆ゼオライト粉末は、N吸脱着によるBET比表面積が308.0m/g、平均細孔径が2.1nmであった。以下、第2の触媒を「H−ZSM−5@S−1」と略することもある。
このようにして得られた酸化クロム(第1の触媒)とシリカライト被覆ゼオライト(第2の触媒)を重量比で1:1となるように精秤し、乳鉢内で10分間物理混合した。その後、粉末を圧縮成形器を用いて3mmφの錠剤状にプレス成型し、錠剤成型体を得た後、粉砕して20−40meshとなるように整粒し、パラキシレン製造用触媒を得た。
(パラキシレンの製造)
得られたパラキシレン製造用触媒0.5gを用い、内径6mmのSUS製反応管の中央に位置するよう石英ウールで固定し、触媒層中央位置に熱電対を挿入し、これら固定床反応管を所定の位置にセットした。
合成反応を始める前に、まず反応器を窒素雰囲気下で400℃まで昇温した後、水素ガスを60mL/min流しながら2h還元処理を行った。その後、室温に下げた後、水素:CO=3:1、内部標準としてアルゴンを3%含むガスを10mL/minになるよう導入し、3MPa下、350℃で6時間合成を行った。反応生成物は、水分を除去した後、二つのガスクロマトグラフィー(株式会社島津製作所製:GC−8A)に注入して熱伝導度型検出器(TCD:Thermal Conductivity Detector)、水素炎イオン化型検出器(FID:Flame Ionization Detector)による分析を行った。
合成反応の反応度合(パラキシレンの生成率)は、CO転化率、CO選択率、メタン選択率、エタン、プロパン、ブタンからC2−C4(O)の選択率、エチレン、プロピレン、ブチレンからC2−C4(=)の選択率、メタノールとジメチルエーテルからCHOH+DME選択率、ペンタン以降の長鎖脂肪族炭化水素(C5+)選択率と芳香族(Aromatics)選択率並びに、芳香族化合物中のベンゼン(B)選択率、トルエン(T)選択率、オルトキシレン(o−X)選択率、メタキシレン(m−X)選択率、パラキシレン(p−X)選択率、炭素数9の芳香族炭化水素(A(C9))選択率、炭素数10以上の芳香族炭化水素(A(C10+))選択率および全キシレン(オルトキシレンとメタキシレンとパラキシレン)中のパラキシレンの割合としてのp−X/Xを、各成分濃度より、以下の式で算出した。その結果を表1に示す。
CO転化率(%)=(1−(COの減少量)/(供給されたCOの供給量))×100
CO選択率(%)=(COの体積量)/(供給されたCOの供給量)×100
CH選択率(%)=(CHの体積量)/(供給されたCOの供給量)×100
エタン選択率(%)=(エタンの体積量)/(供給されたCOの供給量)×100
プロパン選択率(%)=(プロパンの体積量)/(供給されたCOの供給量)×100
ブタン選択率(%)=(ブタンの体積量)/(供給されたCOの供給量)×100
C2−C4(O)選択率(%)=(エタン選択率)+(プロパン選択率)+(プロパン選択率)
エチレン選択率(%)=(エチレンの体積量)/(供給されたCOの供給量)×100
プロピレン選択率(%)=(プロピレンの体積量)/(供給されたCOの供給量)×100
ブチレン選択率(%)=(ブチレンの体積量)/(供給されたCOの供給量)×100
C2−C4(=)選択率(%)=(エチレン選択率)+(プロピレン選択率)+(ブチレン選択率)
CHOH選択率(%)=(CHOHの体積量)/(供給されたCOの供給量)×100
DME選択率(%)=(DMEの体積量)/(供給されたCOの供給量)×100
CHOH+DME選択率(%)=(CHOH選択率)+(DME選択率)
ペンタン選択率(%)=(ペンタンの体積量)/(供給されたCOの供給量)×100
ペンタン以降長鎖脂肪族炭化水素(C5+)(%)=(ペンタン選択率)+(C6以上の長鎖脂肪族炭化水素選択率)
B選択率(%)=(ベンゼンの体積量)/(供給されたCOの供給量)×100
T選択率(%)=(トルエンの体積量)/(供給されたCOの供給量)×100
o−X選択率(%)=(オルトキシレンの体積量)/(供給されたCOの供給量)×100
m−X選択率(%)=(メタキシレンの体積量)/(供給されたCOの供給量)×100
p−X選択率(%)=(パラキシレンの体積量)/(供給されたCOの供給量)×100
A(C9)選択率(%)=(クメンの体積量)/(供給されたCOの供給量)×100
テトラリン選択率(%)=(テトラリンの体積量)/(供給されたCOの供給量)×100
A(C10+)選択率(%)=(テトラリン選択率)+(C11以上の芳香族炭化水素選択率)
芳香族(Aromatics)選択率(%)=(B選択率)+(T選択率)+(o−X選択率)+(m−X選択率)+(p−X選択率)+(A(C9)選択率)+(A(C10+)選択)
全キシレン中のパラキシレン割合(%)=(p−X選択率)/((o−X選択率)+(m−X選択率)+(p−X選択率))×100
Figure 2019205969
パラキシレンの収量(%)は、CO転化率(%)×(100−CO選択率(%))×p−X選択率(%)により算出できる。従って、本条件では、パラキシレンは、31.1×(100−8.7)×26.8=7.61%の割合で生成することが分かった。
〔比較例1〕
硝酸クロムに硝酸亜鉛を加えたほかは実施例と同様にして調製し、クロム亜鉛酸化物(CrZnOx)を得た。また、ゼオライトは、H−ZSM−5を水熱合成した後、シリカライト−1を被覆したものを用いたが、実施例と同様にして調製した。その後、それらを実施例と同様にして混合物を調製した。それ以外は実施例と同様にして合成反応を行った。その結果を表2に示す。
Figure 2019205969
従って、本条件では、パラキシレンは、26.6×(100−17.5)×15.6=3.42%の割合でしか生成しないことが分かった。
〔比較例2〕
比較例1と同様にしてクロム亜鉛酸化物(CrZnOx)を得た。またゼオライト(Zn−H−HZM−5)については、H−ZSM−5において亜鉛が1質量%となるようにイオン交換して調製した。すなわち、実施例と同様にして得られたH−ZSM−5ゼオライト1.5gを、0.1Mの硝酸亜鉛水溶液100mLに浸漬、還流冷却器を用いて、80℃で15時間反応させた。その後、遠心分離機を用いて粉末を分離後、蒸留水で3回洗浄し、空気中100℃で乾燥、550℃で5時間焼成して作成した。それら混合物を触媒に用いた以外は実施例と同様にして合成反応を行った。その結果を表3に示す。
Figure 2019205969
従って、本条件では、パラキシレンは、27.3×(100−12.1)×21.1=5.06%の割合でしか生成しないことが分かった。
以上、本発明の好適な実施形態について詳細に説明したが、本発明はかかる例に限定されない。本発明の属する技術の分野における通常の知識を有する者であれば、特許請求の範囲に記載された技術的思想の範疇内において、各種の変更例または修正例に想到し得ることは明らかであり、これらについても、当然に本発明の技術的範囲に属するものと了解される。

Claims (13)

  1. 酸化クロムを含む第1の触媒と、
    表面がシリカライト−1により被覆されたH−ZSM−5ゼオライトを含む第2の触媒と、を含む、パラキシレン製造用触媒。
  2. 前記第2の触媒は、前記第1の触媒に対し、10質量%以上1000質量%以下含まれる、請求項1に記載のパラキシレン製造用触媒。
  3. 前記第1の触媒の平均細孔径が、0.5nm以上100nm以下である、請求項1または2に記載のパラキシレン製造用触媒。
  4. 前記第1の触媒の比表面積が3m/g以上500m/g以下である、請求項1〜3のいずれか一項に記載のパラキシレン製造用触媒。
  5. 前記第2の触媒の比表面積が20m/g以上1000m/g以下である、請求項1〜4のいずれか一項に記載のパラキシレン製造用触媒。
  6. 前記第2の触媒の平均細孔径が、0.1nm以上2.5nm以下である、請求項1〜5のいずれか一項に記載のパラキシレン製造用触媒。
  7. 前記第1の触媒と、前記第2の触媒とが、物理的に混合されている、請求項1〜6のいずれか一項に記載のパラキシレン製造用触媒。
  8. 前記第1の触媒中の前記酸化クロムは、酸化クロム(III)を含む、請求項1〜7のいずれか一項に記載のパラキシレン製造用触媒。
  9. 二酸化炭素および水素からのパラキシレンの合成反応を触媒する、請求項1〜8のいずれか一項に記載のパラキシレン製造用触媒。
  10. 二酸化炭素および水素を、請求項1〜9のいずれか一項に記載のパラキシレン製造用触媒に接触させて、パラキシレンを合成する、パラキシレンの製造方法。
  11. ケイ素化合物とH−ZSM−5ゼオライトとの存在下で水熱合成を行い、前記H−ZSM−5ゼオライトの表面にシリカライト−1を被覆させた第2の触媒を得る工程と、
    酸化クロムを含む第1の触媒と、前記第2の触媒とを混合する工程と、を有する、パラキシレン製造用触媒の製造方法。
  12. さらに、湿式沈殿法によりクロム水酸化物を得、当該クロム水酸化物を乾燥および/または焼成して前記第1の触媒を得る工程を有する、請求項11に記載のパラキシレン製造用触媒の製造方法。
  13. さらに、水熱合成法により、ケイ素化合物とアルミニウム化合物とから、前記H−ZSM−5ゼオライトを合成する工程を有する、請求項11または12に記載のパラキシレン製造用触媒の製造方法。


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