JP2019205391A - 加熱調理用衣材 - Google Patents

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Abstract

【課題】揚げ物や焼き物において、加熱調理による食材の劣化を効果的に抑制することができる加熱調理用衣材及び方法を提供する。【解決手段】加熱調理用衣材に、ウェランガムを0.001質量%以上含有させることで加熱調理による食材の劣化を効果的に抑制する。【選択図】なし

Description

本発明は、加熱調理用衣材に関する。
一般に、揚げ物や焼き物の調理を行う際、肉類や魚介類等の食材に衣材を付けた後に油ちょう等の加熱処理を行う。例えば、天ぷらの調理を行う場合、衣材として薄力粉等が用いられ、ビーフカツレツや海老フライの調理を行う場合、小麦粉等が用いられる。衣材を用いることには、加熱調理時に、食材から旨み成分が溶出することを防ぎ、加熱調理後の揚げ物や焼き物にサクサクとした食感を与える等の利点がある。
加熱調理後の揚げ物や焼き物の食感を向上させるために、衣材に対して種々の改良が行われている。例えば、特許文献1では、未焼成カルシウム組成物を含有させることによる、油切れがよく、加熱調理後のサクサク感に優れる天ぷら粉が提案されている。
特開2018−29528号公報
加熱調理後の揚げ物や焼き物には、用いられた食材自体が高温調理により劣化していないことの品質も要求される。具体的には、食材に衣材を付して加熱調理を行う際、食材から水分や旨みが溶出する。この溶出を衣材が抑制し、食材が硬化したり、風味が損なわれたりすること等の劣化を防いでいるが、この食材自体の劣化現象に対して、効果的な衣材の開発は十分になされていない。
本発明は、上記課題に鑑みてなされたものであり、加熱調理用衣材に食品添加物として使用されるウェランガムを所定量含有させることにより、加熱調理された食材の劣化を抑制することができることを見出し、本発明を完成させるに至った。
すなわち、本発明は、下記に掲げる加熱調理用衣材を提供する。
項1.
ウェランガムを0.001質量%以上含む、加熱調理用衣材。
項2.
打ち粉、バッター及びまぶし粉からなる群より選択される少なくとも1種である、項1に記載の加熱調理用衣材。
項3.
加熱調理された食材の劣化を抑制するために用いられるための、項1又は2に記載の加熱調理用衣材。
項4.
前記食材の劣化が、食材の硬化及び/又はジューシー感の喪失である、項3に記載の加熱調理用衣材。
また、本発明は、下記に掲げる加熱調理された食材の劣化抑制方法を提供する。
項5.
加熱調理用衣材の全量に対して、ウェランガムを0.001質量%以上含有させることを含む、加熱調理された食材の劣化抑制方法。
項6.
前記食材の劣化が、食材の硬化及び/又はジューシー感の喪失である、項5に記載の方法。
また、本発明は、下記に掲げる加熱調理後の食材の劣化が抑制された加熱調理食品の製造方法を提供する。
項7.
ウェランガムを0.001質量%以上含む加熱調理用衣材を、調理食材に付着させる工程を含む、加熱調理による食材の劣化が抑制された加熱調理食品の製造方法。
本発明によれば、揚げ物や焼き物において、加熱調理による食材の劣化を効果的に抑制することができる加熱調理用衣材及び方法を提供することが可能となる。
[加熱調理用衣材]
本発明は、ウェランガムを含有する加熱調理用衣材に関する。
本発明で用いるウェランガムは、スフィンゴモナス属細菌(Sphingomonas sp.)の培養液から得られた多糖類を主成分とするものである。簡便には、一般に流通している市販製品を利用することが可能であり、具体的には三栄源エフ・エフ・アイ株式会社の「ビストップ[登録商標]W」、「ビストップ[登録商標]ESW−1」等が例示できる。
本発明において、加熱調理用衣材におけるウェランガムの含有量は、衣材全量に対して、0.001質量%以上であり、好ましくは0.005質量%以上、更に好ましくは0.01質量%以上、特に好ましくは0.05質量%以上、最も好ましくは0.1質量%以上である。また、加熱調理用衣材におけるウェランガムの含有量の上限値は、食品に通常用いられる範囲であれば、特に制限されないが、衣材全量に対して、例えば、100質量%以下とすることができ、好ましくは75質量%以下、より好ましくは50質量%以下、更に好ましくは25質量%以下、特に好ましくは15質量%以下、最も好ましくは10質量%以下である。また、加熱調理用衣材におけるウェランガムの含有量は、衣材全量に対して、例えば、0.001〜100質量%とすることができ、好ましくは0.001〜75質量%、より好ましくは0.005〜50質量%、更に好ましくは0.01〜25質量%、特に好ましくは0.05〜15質量%、最も好ましくは0.1〜10質量%である。ウェランガムの含有量において、「衣材の全量」とは、ウェランガムが配合されている処方の全量を意味する。例えば、衣材として、打ち粉、バッター及びまぶし粉を用い、ウェランガムが打ち粉のみに配合されている場合は、打ち粉全量におけるウェランガムの含有量をいう。また、例えば、衣材として、打ち粉、バッター及びまぶし粉を用い、ウェランガムが打ち粉及びまぶし粉に配合されている場合は、打ち粉及びまぶし粉全量におけるウェランガムの含有量をいう。
本発明の加熱調理用衣材は、加熱調理用衣材に通常用いられる原料にウェランガムを添加することにより、又は加熱調理用衣材の製造過程においてウェランガムを添加することにより、調製することができる。好ましくは、本発明の加熱調理用衣材は、ウェランガムを添加後、撹拌混合することで調製することができる。撹拌混合する方法は特に制限されず、箸、スプーン又はフォークを使用して撹拌混合してもよく、家庭用ミキサー、フードプロセッサー、ハンドミキサー、ブレンダー、クッキングカッター、プロペラ撹拌機等の撹拌器具を使用して撹拌混合してもよい。また、蓋付きの密封容器に入れて振とうすることにより混合してもよい。
なお、ウェランガムは粉末状又は顆粒状のものを使用でき、水性溶媒に溶解させてから使用してもよい。本発明の効果を顕著に奏する観点から、ウェランガムは顆粒状のものを使用することが好ましい。顆粒化の方法は特に制限されない。通常、造粒法により顆粒化される。最も好ましくは流動層造粒法である。その他、転動造粒法、複合造粒法、撹拌造粒法、押出し造粒法、噴霧乾燥造粒法、真空凍結造粒法などで造粒した顆粒を用いても構わない。
また、本発明の加熱調理用衣材には、発明の効果を妨げない範囲において、食品に使用が許可されている各種成分を配合することができる。例えば、多糖類であれば、キサンタンガム、ガラクトマンナン(例えば、グァーガム、ローカストビーンガム、タラガム等)、脱アシル型ジェランガム、ネイティブ型ジェランガム、カラギナン(例えば、カッパ型、イオタ型、ラムダ型等)、タマリンドシードガム、グルコマンナン、サイリウムシードガム、マクロホモプシスガム、寒天、ペクチン(例えば、HMペクチン、LMペクチン等)、アルギン酸、アルギン酸塩(例えば、アルギン酸ナトリウム、アルギン酸カリウム、アルギン酸カルシウム等)、プルラン、カードラン、トラガントガム、ガティガム、アラビアガム、アラビノガラクタン、カラヤガム、ファーセレラン、キチン、セルロース類(例えば、カルボキシメチルセルロースナトリウム、カルボキシメチルセルロースカルシウム、カルボキシメチルセルロース、ヒドロキシプロピルセルロース、ヒドロキシプロピルメチルセルロース、ヒドロキシプロピルエチルセルロース、ヒドロキシエチルセルロース、ヒドロキシメチルセルロース、エチルセルロース、メチルセルロース、発酵セルロース、結晶セルロース等)、デンプン類(例えば、デンプン、カルボキシメチルスターチナトリウム、カルボキシメチルスターチ、ヒドロキシプロピルスターチ、α化デンプン、アセチル化アジピン酸架橋デンプン、リン酸架橋デンプン、オクテニルコハク酸デンプン、酢酸デンプン等)、デキストリン類(例えば、ポリデキストロース、難消化性デキストリン等)、大豆多糖類等が挙げられる。
これらの多糖類の中でも、加熱調理用衣材は、デンプン類を含有することが好ましく、デンプン及び加工デンプンからなる群より選択される少なくとも1種を含有することがより好ましく、加工デンプンを含有することが更に好ましく、リン酸架橋デンプンを含有することが特に好ましい。
限定はされないが、ウェランガムを除くその他の多糖類の総含有量は、衣材全量に対して、好ましくは0.001〜99.999質量%であり、好ましくは0.01〜99質量%、より好ましくは0.1〜95質量%、更に好ましくは0.5〜90質量%、特に好ましくは0.75〜90質量%、最も好ましくは1〜85質量%である。
各種成分としては、上記以外にも、加熱調理用衣材に通常用いられる原料、例えば各種澱粉類;小麦粉(薄力粉、中力粉、強力粉、全粒粉、製粉後に熱処理を施された熱処理小麦粉など)、米粉、コーンフラワー等の穀粉;大豆蛋白、乳蛋白、卵白、卵黄等の蛋白質;しょうゆ、食塩、香辛料等の調味料;動植物油脂(魚油、豚脂、牛脂、大豆油、トウモロコシ油、米油、ナタネ油、ヒマワリ油、パーム油、ココアバターなど)、食用加工油脂(マーガリン、ファットスプレッド、ショートニング、パームオレイン、パームステアリンなど)、乳バター(発酵バター、無塩バター、有塩バターなど)、これらの粉末油脂等の油脂類;乳化剤;ベーキングパウダー等の膨張剤等が挙げられる。加熱調理用衣材に通常用いられる原料としては、市販のミックス粉を使用してもよい。
各種成分としては、上記以外にも、例えば、有機酸、甘味料、香料、着色料、可食性金属塩、賦形剤、アミノ酸、ビタミン類、ミネラル、抗酸化剤、保存料、抗菌剤、静菌剤、植物抽出物、果汁等が挙げられる。
本明細書において、加熱調理用衣材とは、油ちょうやノンフライヤー等での加熱調理後の揚げ物や焼き物の衣を構成するようになる材料をいう。限定はされないが、加熱調理用衣材は、打ち粉、バッター及びまぶし粉からなる群より選択される少なくとも1種であることが好ましい。本明細書において、打ち粉とは、バッターや卵液などと併用する粉状の衣材である。打ち粉は、例えば調理食材に直接まぶし、さらにバッターや卵液等を付着させて使用することができる。例えば調理食材から衣が剥がれやすい食材などに対して、バッターや卵液で被覆する前に打ち粉を使用することで、調理食材からの衣の剥がれを抑制することができる。本明細書において、バッターとは、水分を多く含むスラリー状または液状の衣材である。本明細書において、スラリーとは、小麦粉等の原料粉に水を加えて均一にした流体をいう。バッターは、例えば適度な粘着性を有するように調製して調理食材へのバッターやパン粉の付着量を適切に調節する為に使用することができる。本明細書において、まぶし粉とは、例えば、から揚げ粉などのように、必ずしもバッター等との併用を必要としない粉状の衣材である。
天ぷら、から揚げ、パン粉付きフライ食品等の所望する揚げ物、ムニエル等の焼き物を製造するに際し、その製造に使用される加熱調理用衣材は適宜選択され得る。例えば、天ぷらでは、必要により食材に打ち粉をし、天ぷら用バッターに浸漬してから油ちょうして調理する。から揚げでは、から揚げ粉をまぶし粉として調理食材にまぶして油ちょうする、又はから揚げ粉をから揚げ用バッターに調製し、調理食材を浸漬、被覆してから油ちょうして調理する。コロッケでは、コロッケパテに必要により打ち粉をし、卵液やバッターに浸漬した後パン粉をまぶして油ちょうして調理する。ムニエルでは、必要により食材に打ち粉をし、油の存在下で焼いて調理する。本発明において、加熱調理は、油ちょうに限定されず、油の存在下での焼き調理、ノンフライヤーを用いた調理であってもよい。
加熱調理用衣材は、単独で用いても良いし、本発明によらない他の加熱調理用衣材と組み合わせて使用しても良い。加熱調理用衣材の形態は、限定はされないが、食材の劣化を効果的に抑制する観点から、調理食材に直接付着する形態が好ましく、打ち粉及び/又はまぶし粉がより好ましく、打ち粉が更に好ましい。加熱調理用衣材は、打ち粉やまぶし粉として用いられる場合は、そのまま調理食材の表面にまぶすことにより付着させることが好ましい。加熱調理用衣材の調理食材への付着方法は、本発明の効果を顕著に奏する観点から、均一に付着させることが好ましい。
調理食材に対するウェランガムの添加量は、本発明の効果が奏される限り、限定はされないが、食材全量に対して、例えば、0.01〜50質量%とすることができ、好ましくは0.1〜25質量%である。
加熱調理用衣材を付着させる調理食材は特に限定されず、種々の食材が挙げられる。限定はされないが、調理食材は、肉類(鶏、豚、牛、羊、ヤギ等)、魚介類(イカ、エビ、アジ等)、貝類(ホタテ貝、アサリ、シジミ、ハマグリ、カキ、ホッキ等)、甲殻類、野菜類、根菜類、コロッケやメンチカツ等の調理済みパテ類等が挙げられる。
本発明の加熱調理用衣材は、加熱調理された食材の劣化を抑制するために用いられることが好ましい。食材に衣材を付して加熱調理を行う際、高温により食材から水分や旨みが溶出する。このような溶出が過度に起こると、加熱調理された食材の劣化により、加熱調理後の食材が硬化したり、風味の損失を引き起こす。このような食材の硬化により、食材が硬くなったように感じたり、ボソボソした食感を感じたりすることがある。また、このような風味の損失により、食材のジューシー感が失われたように感じたり、食材の味や香りが変化したり、失われたように感じたりすることがある。本明細書において、ジューシー感とは、食材を噛んだときに、液状成分(例、水分、脂、肉汁等)が口中に広がる食感をいい、当該ジューシー感は、官能評価によって評価できる。
加熱調理に際して、調理食材は、調理目的によって、適切に下ごしらえされる。具体的には、調理食材に熱が十分に伝わるよう、適切な大きさにカット、スライス等され、調味料や香辛料等により味付けされていてもよい。例えば、豚肉を用いる場合、塊状のブロックを5〜20mm程度にスライスして用いることが可能である。調理食材は塊状の食材には限定されず、薄切りや細かくカットされた食材であってもよい。また、ミンチ状に処理されたものあってもよい。
加熱調理の方法は、調理目的によって適宜設定され、限定されないが、例えば、油ちょう加熱、過熱水蒸気加熱、焼成加熱、熱風加熱、マイクロ波加熱、蒸し加熱、ボイル加熱等が挙げられる。
加熱調理の条件は、調理目的、調理食材の種類や大きさ、分量等によって適宜設定され、限定はされない。加熱温度の条件としては、例えば、100℃以上とすることができる。油ちょう調理を行う場合、例えば、120〜200℃の温度に設定することが可能である。加熱時間の条件としては、例えば、10秒〜10分とすることが好ましく、30秒〜5分とすることがより好ましい。加熱調理は、常圧下で行ってもよく、減圧下や高圧下で行ってもよい。ノンフライヤー等を用いて揚げない調理を行う場合は、製品の仕様書に従い、加熱調理の条件を適宜設定することができる。
本発明の加熱調理用衣材は、加熱調理された食材の劣化を抑制することが可能であるため、別の実施形態として、加熱調理された食材の室温保存、冷蔵保存、又は冷凍保存において安定的に保存するために用いることも可能である。具体的には、本発明の加熱調理用衣材を用いることで、食材に水分や旨みを閉じ込めて加熱調理をすることが可能となるため、室温保存、冷蔵保存(約2〜10℃)、氷温保存(チルド、約−2〜2℃)又は冷凍保存(約2℃以下)を行った場合であっても、美味しさを持続させることが可能となる。
本発明の加熱調理用衣材は、別の実施形態として、加熱調理された食材を保存した後、食前に再加熱する際にも食材の劣化を抑制することが可能である。再加熱には、油ちょうしてもよく、電子レンジやノンフライヤーを用いてもよい。
[加熱調理された食材の劣化抑制方法]
また、本発明は、加熱調理用衣材の全量に対して、ウェランガムを0.001質量%以上含有させることを含む、加熱調理された食材の劣化抑制方法に関する。
加熱調理用衣材は、調理食材に付され得る。加熱調理用衣材を調理食材へ付着させる際、加熱調理用衣材は固体状(例えば、粉状、顆粒状等)であってもよく、液状であってもよい。加熱調理用衣材の形態は、上記の[加熱調理用衣材]の項目の記載に準ずる。加熱調理用衣材に配合される他の各種成分やその含有量、食材の劣化等についても、上記の[加熱調理用衣材]の項目の記載に準ずる。
[加熱調理による食材の劣化が抑制された加熱調理食品の製造方法]
また、本発明は、ウェランガムを0.001質量%以上含む加熱調理用衣材を、調理食材に付着させる工程を含む、加熱調理による食材の劣化が抑制された加熱調理食品の製造方法に関する。
加熱調理された食材は、調理方法によって様々であり、特に限定されないが、例えば、から揚げ(チキン、魚介等)、竜田揚げ(チキン、魚介等)、とんかつ、ビーフカツレツ、エビフライ、魚フライ、野菜フライ、天ぷら、ムニエル、フリット、揚げ団子、ギョウザ、シュウマイ、点心等が挙げられる。
加熱調理用衣材を調理食材へ付着させる際、加熱調理用衣材は固体状(例えば、粉状、顆粒状等)であってもよく、液状であってもよい。加熱調理用衣材の形態は、上記の[加熱調理用衣材]の項目の記載に準ずる。加熱調理用衣材に配合される他の各種成分やその含有量、食材の劣化等についても、上記の[加熱調理用衣材]の項目の記載に準ずる。
以下、本発明の内容を以下の実施例、比較例等を用いて具体的に説明するが、本発明はこれらに何ら限定されるものではない。なお、実施例中の「%」は、「質量%」であることを意味する。
[試験例1:とんかつの加熱調理における劣化抑制試験]
以下の手順により、とんかつを調製した。
(1)冷凍状態の豚ロース肉原木を2cmの厚みにカットし、冷蔵庫に2時間入れて半解凍状態にした。
(2)半解凍した肉の質量を測定後、表1に示す処方の打ち粉を肉の表面に均一に吸着させた。打ち粉を吸着させた後の肉の質量を測定した。
(3)水4質量部に対し、市販のバッターミックス(バターミックス757(千葉製粉株式会社製))を1質量部加えてダマがなくなるまで混合し、バッターを調製した。
(4)上記(2)の肉を、上記(3)のバッターに浸し、バッタリングを行なった。バッタリング後の肉の質量を測定した。
(5)上記(4)の肉の表面に生パン粉を均一にまぶし、175℃のキャノーラ油で8分間油ちょうを行なった。
(6)室温(25℃)で15分間放冷後、質量を測定した。
Figure 2019205391
調製したとんかつの食感について、官能評価を行った。官能評価パネルとしては、三栄源エフ・エフ・アイ株式会社内で食感の評価に3年間以上従事した者2名を選定した。各官能評価パネルをパネルA、Bと表記した。
また、とんかつの各調製過程において、質量(g)の測定を行なった。
なお、調製例1では、ウェランガムは打ち粉のみに配合されており、衣材全量に対して、ウェランガムの含有量は、6.25質量%である。
結果を表2に示す。
Figure 2019205391
表2に示すように、ウェランガムを含有しない衣材(比較例1)を使用したとんかつでは、パネラーA、B共に「硬く、ボソボソした食感だった。」と評価した。すなわち、高温の加熱調理により、用いた食材の劣化が生じ、食材の硬化と風味の損失を引き起こしたことが示された。一方で、ウェランガムを特定量含有する衣材(実施例1)を使用したとんかつでは、パネラーA、B共に「対照例1に比べて食感が軟らかく、ジューシー感が強かった。」と評価した。すなわち、本発明の加熱調理用衣材を用いることにより、高温の加熱調理を行った場合であっても、用いた食材の劣化を抑制し、硬化が起こらず、風味に優れた加熱調理食品を提供できることが示された。
[試験例2:エビフライの加熱調理における劣化抑制試験]
以下の手順により、エビフライを調製した。
(1)ブラックタイガーエビの殻と背わたを除いた。
(2)エビの質量を測定後、表1及び表3に示す処方の打ち粉をエビの表面に均一に吸着させた。打ち粉を吸着させた後のエビの質量を測定した。
(3)水4質量部に対し、市販のバッターミックス(バターミックス757(千葉製粉株式会社製))を1質量部加えてダマがなくなるまで混合し、バッターを調製した。
(4)上記(2)のエビを上記(3)のバッター液に浸し、バッタリングを行なった。バッタリング後のエビの質量を測定した。
(5)上記(4)のエビの表面に生パン粉を均一にまぶし、175℃のキャノーラ油で2分間油ちょうを行なった。
(6)室温(25℃)で15分間放冷後、質量を測定した。
Figure 2019205391
調製したエビフライの食感について、官能評価を行った。官能評価パネルとしては、三栄源エフ・エフ・アイ株式会社内で食感の評価に3年間以上従事した者2名を選定した。各官能評価パネルをパネルA、Bと表記した。
また、エビフライの各調製過程において、質量(g)の測定を行なった。
なお、調製例2−1、調製例2−2では、ウェランガムは打ち粉のみに配合されており、衣材全量に対して、ウェランガムの含有量は、6.25質量%である。
結果を表4に示す。
Figure 2019205391
表4に示すように、ウェランガムを含有しない衣材(比較例1)を使用したエビフライでは、パネラーA、B共に「食感が硬く、ジューシー感が少なかった。」と評価した。すなわち、高温の加熱調理により、用いた食材の劣化が生じ、食材の硬化と風味の損失を引き起こしたことが示された。一方で、ウェランガムを特定量含有する衣材(実施例1、実施例2)を使用したエビフライでは、パネラーA、B共に「対照例2に比べて食感が軟らかく、ジューシー感が強かった。」と評価した。すなわち、本発明の加熱調理用衣材を用いることにより、高温の加熱調理を行った場合であっても、用いた食材の劣化を抑制し、硬化が起こらず、風味に優れた加熱調理食品を提供できることが示された。
[試験例3:魚フライの加熱調理における劣化抑制試験]
以下の手順により、魚(タラ)のフライを調製した。
(1)タラの切り身の質量を測定後、表1に示す処方の打ち粉をタラの表面に均一に吸着させた。打ち粉を吸着させた後のタラの質量を測定した。
(2)水4質量部に対し、市販のバッターミックス(バターミックス757(千葉製粉株式会社製))を1質量部加えてダマがなくなるまで混合し、バッターを調製した。
(3)上記(1)のタラを上記(2)のバッター液に浸し、バッタリングを行なった。バッタリング後のタラの質量を測定した。
(4)上記(3)のタラの表面に生パン粉を均一にまぶし、175℃のキャノーラ油で2分間油ちょうを行なった。
(5)室温(25℃)で15分間放冷後、質量を測定した。
調製したタラのフライの食感について、官能評価を行った。官能評価パネルとしては、三栄源エフ・エフ・アイ株式会社内で食感の評価に3年間以上従事した者2名を選定した。各官能評価パネルをパネルA、Bと表記した。
また、タラのフライの各調製過程において、質量(g)の測定を行なった。
なお、調製例3では、ウェランガムは打ち粉のみに配合されており、衣材全量に対して、ウェランガムの含有量は、6.25質量%である。
結果を表5に示す。
Figure 2019205391
表5に示すように、ウェランガムを含有しない衣材(比較例1)を使用したタラのフライでは、パネラーA、B共に「硬くボソボソした食感であり、ジューシー感が少なかった。」と評価した。すなわち、高温の加熱調理により、用いた食材の劣化が生じ、食材の硬化と風味の損失を引き起こしたことが示された。一方で、ウェランガムを特定量含有する衣材(実施例1)を使用したタラのフライでは、パネラーA、B共に「対照例3に比べて食感が軟らかく、ジューシー感が強かった。」と評価した。すなわち、本発明の加熱調理用衣材を用いることにより、高温の加熱調理を行った場合であっても、用いた食材の劣化を抑制し、硬化が起こらず、風味に優れた加熱調理食品を提供できることが示された。

Claims (7)

  1. ウェランガムを0.001質量%以上含む、加熱調理用衣材。
  2. 打ち粉、バッター及びまぶし粉からなる群より選択される少なくとも1種である、請求項1に記載の加熱調理用衣材。
  3. 加熱調理された食材の劣化を抑制するために用いられるための、請求項1又は2に記載の加熱調理用衣材。
  4. 前記食材の劣化が、食材の硬化である、請求項3に記載の加熱調理用衣材。
  5. 加熱調理用衣材の全量に対して、ウェランガムを0.001質量%以上含有させることを含む、加熱調理された食材の劣化抑制方法。
  6. 前記食材の劣化が、食材の硬化及び/又はジューシー感の喪失である、請求項5に記載の方法。
  7. ウェランガムを0.001質量%以上含む加熱調理用衣材を、調理食材に付着させる工程を含む、加熱調理による食材の劣化が抑制された加熱調理食品の製造方法。
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Citations (2)

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