JP2019204948A - スピン軌道トルク型磁化回転素子、スピン軌道トルク型磁気抵抗効果素子及び磁気メモリ - Google Patents

スピン軌道トルク型磁化回転素子、スピン軌道トルク型磁気抵抗効果素子及び磁気メモリ Download PDF

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Abstract

【課題】外部磁場が印加されていない条件でも磁化の向きを反転できるスピン軌道トルク型磁化回転素子を提供することを目的とする。【解決手段】このスピン軌道トルク型磁化回転素子は、スピン軌道トルク配線と、前記スピン軌道トルク配線に積層された積層体と、を備え、前記積層体は、単独で第1の方向に磁化容易軸を有する第1強磁性層と、非磁性の反強磁性結合層と、単独で第2の方向に磁化容易軸を有する第2強磁性層と、を前記スピン軌道トルク配線側から順に備え、前記第1の方向と前記第2の方向とが交差している。【選択図】図1

Description

本発明は、スピン軌道トルク型磁化回転素子、スピン軌道トルク型磁気抵抗効果素子及び磁気メモリに関する。
強磁性層と非磁性層の多層膜からなる巨大磁気抵抗(GMR)素子、及び、非磁性層に絶縁層(トンネルバリア層、バリア層)を用いたトンネル磁気抵抗(TMR)素子が知られている。これらは、磁気センサ、高周波部品、磁気ヘッド及び不揮発性ランダムアクセスメモリ(MRAM)用の素子として、注目が集まっている。
MRAMは、絶縁層を挟む二つの強磁性層の互いの磁化の向きが変化するとGMR素子又はTMR素子の素子抵抗が変化するという特性を利用してデータを読み書きする。MRAMの書き込み方式としては、電流が作る磁場を利用して書き込み(磁化反転)を行う方式や磁気抵抗効果素子の積層方向に電流を流して生ずるスピントランスファートルク(STT)を利用して書き込み(磁化反転)を行う方式が知られている。
STTを用いた磁気抵抗効果素子の磁化反転は、データを書き込む際に磁気抵抗効果素子の積層方向に電流を流す必要がある。書き込み電流は、磁気抵抗効果素子の特性を劣化させる場合がある。
そこで近年、書き込み時に磁気抵抗効果素子の積層方向に電流を流さなくてもよい方法に注目が集まっている。その一つの方法が、スピン軌道トルク(SOT)を利用した書込み方法である(例えば、特許文献1)。SOTは、スピン軌道相互作用によって生じた純スピン流又は異種材料の界面におけるラシュバ効果により誘起される。磁気抵抗効果素子内にSOTを誘起するための電流は、磁気抵抗効果素子の積層方向と交差する方向に流す。すなわち、磁気抵抗効果素子の積層方向に電流を流す必要がなく、磁気抵抗効果素子の長寿命化が期待されている。
一方で、SOTを用いた磁化反転の場合、素子の構成によっては、外部磁場により磁化反転をアシストする必要がある場合がある(例えば、非特許文献1)。外部磁場を印加するためには外部磁場の発生源が必要である。
例えば、特許文献2には、磁化反転する強磁性体と結合する酸化膜の酸素量を変更することで、磁化の強度の対称性が崩れることが記載されている。磁化の強度の対称性が崩れると、磁化回転しやすくなり、無磁場下でもSOTを用いた磁化反転が可能となる。
特開2017−216286号公報 米国特許第9343658号明細書
S.Fukami,T.Anekawa,C.Zhang,and H.Ohno,Nature Nanotechnology,DOI:10.1038/NNANO.2016.29.
外部磁場の発生源を別途設けると、素子サイズの大型化や製造プロセスの複雑化を招く。素子構成によっては、外部磁場を印加せずに磁化反転を行うことができるが、磁化反転に時間がかかると言う問題がある。
また特許文献2に記載の方法は、一部の磁気異方性を弱めることで磁化の強度の対称性を崩している。磁気異方性が弱まると熱安定性が低下するという問題がある。
本発明は上記問題に鑑みてなされたものであり、外部磁場が印加されていない条件でも磁化の向きを反転できるスピン軌道トルク型磁化回転素子を提供することを目的とする。
本発明者らは、鋭意検討の結果、磁気異方性の強さを保ちつつ、磁化の対称性を崩し磁化の配向方向を傾斜できることを見出した。
すなわち、本発明は、上記課題を解決するため、以下の手段を提供する。
(1)第1の態様にかかるスピン軌道トルク型磁化回転素子は、スピン軌道トルク配線と、前記スピン軌道トルク配線に積層された積層体と、を備え、前記積層体は、単独で第1の方向に磁化容易軸を有する第1強磁性層と、非磁性の反強磁性結合層と、単独で第2の方向に磁化容易軸を有する第2強磁性層と、を前記スピン軌道トルク配線側から順に備え、前記第1の方向と前記第2の方向とが交差している、スピン軌道トルク型磁化回転素子。
(2)上記態様にかかるスピン軌道トルク型磁化回転素子において、前記第1の方向と前記第2の方向とが直交していてもよい。
(3)上記態様にかかるスピン軌道トルク型磁化回転素子において、前記第1の方向が前記積層体の面内方向であり、前記第2の方向が前記積層体の面直方向であってもよい。
(4)上記態様にかかるスピン軌道トルク型磁化回転素子において、前記第1の方向が前記積層体の面直方向であり、前記第2の方向が前記積層体の面内方向であってもよい。
(5)上記態様にかかるスピン軌道トルク型磁化回転素子において、前記第2強磁性層がFeを含んでもよい。
(6)上記態様にかかるスピン軌道トルク型磁化回転素子において、前記第1強磁性層がCoを含んでもよい。
(7)上記態様にかかるスピン軌道トルク型磁化回転素子において、前記第1強磁性層と前記第2強磁性層とのうち面直方向に磁化容易軸を有する強磁性層の膜厚が、面内方向に磁化容易軸を有する強磁性層の膜厚より薄くてもよい。
(8)上記態様にかかるスピン軌道トルク型磁化回転素子において、前記第2強磁性層の膜厚が、前記第1強磁性層の膜厚よりも厚くてもよい。
(9)上記態様にかかるスピン軌道トルク型磁化回転素子において、前記反強磁性結合層がRu、Ir、Rhからなる群から選択される少なくとも一つを含んでもよい。
(10)上記態様にかかるスピン軌道トルク型磁化回転素子において、前記積層体は平面視円形であってもよい。
(11)上記態様にかかるスピン軌道トルク型磁化回転素子において、前記積層体は、平面視において長軸と短軸を備える形状異方性を有してもよい。
(12)第2の態様にかかるスピン軌道トルク型磁気抵抗効果素子は、上記態様にかかるスピン軌道トルク型磁化回転素子と、前記積層体の前記スピン軌道トルク配線と反対側に積層された非磁性層と、前記積層体と前記非磁性層を挟む第3強磁性層と、を備える。
(13)上記態様にかかるスピン軌道トルク型磁気抵抗効果素子において、前記第1強磁性層と前記第2強磁性層とのうち前記第3強磁性層と同一方向に磁化容易軸を有する強磁性層の磁気異方性は、他方の強磁性層の磁気異方性より強くてもよい。
(14)第3の態様にかかる磁気メモリは、上記態様にかかるスピン軌道トルク型磁気抵抗効果素子を複数備える。
上記態様にかかるスピン軌道トルク型磁化回転素子、スピン軌道トルク型磁気抵抗効果素子及び磁気メモリによれば、外部磁場が印加されていない状態でも磁化の向きを反転できる。
第1実施形態にかかるスピン軌道トルク型磁化回転素子を模式的に示した断面図である。 第1実施形態にかかるスピン軌道トルク型磁化回転素子の積層体の磁化状態を模式的に示した図である。 第1実施形態にかかるスピン軌道トルク型磁化回転素子の動作を説明するための模式図である。 第2実施形態にかかるスピン軌道トルク型磁化回転素子を模式的に示した断面図である。 第2実施形態にかかるスピン軌道トルク型磁化回転素子の積層体の磁化状態を模式的に示した図である。 第2実施形態にかかるスピン軌道トルク型磁化回転素子の動作を説明するための模式図である。 第1実施形態にかかるスピン軌道トルク型磁化回転素子の変形例を模式的に示した断面図である。 第1実施形態にかかるスピン軌道トルク型磁化回転素子の変形例を模式的に示した断面図である。 第1実施形態にかかるスピン軌道トルク型磁化回転素子の変形例を模式的に示した断面図である。 第1実施形態にかかるスピン軌道トルク型磁化回転素子の変形例を模式的に示した断面図である。 第3実施形態にかかるスピン軌道トルク型磁気抵抗効果素子の断面模式図である。 第4実施形態にかかるスピン軌道トルク型磁気抵抗効果素子の断面模式図である。 第5実施形態にかかる磁気メモリの模式図である。 第5実施形態にかかる磁気メモリをA-A’面で切断した断面図である。
以下、本実施形態について、図を適宜参照しながら詳細に説明する。以下の説明で用いる図面は、特徴をわかりやすくするために便宜上特徴となる部分を拡大して示している場合があり、各構成要素の寸法比率などは実際とは異なっていることがある。以下の説明において例示される材料、寸法等は一例であって、本発明はそれらに限定されるものではなく、本発明の効果を奏する範囲で適宜変更して実施することが可能である。
(スピン軌道トルク型磁化回転素子)
「第1実施形態」
図1は、第1実施形態にかかるスピン軌道トルク型磁化回転素子を模式的に示した断面図である。図1に示すスピン軌道トルク型磁化回転素子100は、積層体10とスピン軌道トルク配線50とを備える。
以下、スピン軌道トルク配線が延在する方向をx方向、積層体10の積層方向をz方向、x方向及びz方向に直交する方向をy方向という。
<積層体10>
積層体10は、スピン軌道トルク配線50の一面に積層されている。積層体10は、スピン軌道トルク配線50側から第1強磁性層11と、反強磁性結合層13と、第2強磁性層12と、を備える。
図2は、第1実施形態にかかるスピン軌道トルク型磁化回転素子100の積層体10の磁化状態を模式的に示した図である。図2に示すように、第1強磁性層11は単独で第1の方向に磁化容易軸を有し、第2強磁性層12は単独で第2の方向に磁化容易軸を有する。第1の方向と第2の方向とは交差しており、直交していることが好ましい。「単独で」とは、他の層と積層される前の状態を意味する。また磁化容易軸は、磁性体において磁化されやすい主の結晶方位を意味する。
図2に示す例では、単独での第1強磁性層11の磁化容易軸は積層体10の積層面の面内方向であり、単独での第2強磁性層12の磁化容易軸は積層体10の積層面の面直方向(積層方向)である。すなわち図2の例において、第1の方向は面内方向であり、第2の方向は面直方向である。
積層体10における第1強磁性層11及び第2強磁性層12は、それぞれ単独では存在せず、反強磁性結合層13を介して近接して積層されている。第1強磁性層11の磁化M11及び第2強磁性層12の磁化M12は、反強磁性結合層13を介して近接することで、反強磁性結合する。
その結果、単独で面内方向に配向していた第1強磁性層11の磁化M11は面直方向に傾き、単独で面直方向に配向していた第2強磁性層12の磁化M12は面内方向に傾く。つまり、積層体10に組み込まれた状態における第1強磁性層11及び第2強磁性層12の磁化M11、M12は、面内方向及び面直方向から傾斜している。第1強磁性層11の磁化M11と第2強磁性層12の磁化M12の面内方向に対する傾斜角は、例えば、それぞれ異なる。第1強磁性層11の磁化M11は、例えば、面内方向に対して0°以上45°未満の角度で傾いている。第2強磁性層12の磁化M12は、例えば、面内方向に対して45°以上90°未満の角度で傾いている。
第1強磁性層1及び第2強磁性層には、強磁性材料、特に軟磁性材料を適用できる。例えば、Cr、Mn、Co、Fe及びNiからなる群から選択される金属、これらの金属を1種以上含む合金、これらの金属とB、C、及びNの少なくとも1種以上の元素とが含まれる合金等を用いることができる。具体的には、Co−Fe、Co−Fe−B、Ni−Fe、Co−Ho合金(CoHo)、Sm−Fe合金(SmFe12)等が挙げられる。
強磁性層の膜厚によっても異なるが、Co−Fe、Co−Fe−B、Ni−Feを用いた場合は磁化容易軸が面直方向となりやすく、Co−Ho合金(CoHo)、Sm−Fe合金(SmFe12)を用いた場合は磁化容易軸が面内方向となりやすい。
図2の例の場合、第2強磁性層12はFeを含むことが好ましい。第2強磁性層12の反強磁性結合層13と反対側の面に酸化膜を積層することで、第2強磁性層12の磁化M12の面直方向への磁気異方性を、Fe−O結合により強めることができる。
また図2の例の場合、第2強磁性層12の膜厚は、第1強磁性層11の膜厚より薄いことが好ましい。膜厚が薄いと積層界面の影響をより強く受け、第2強磁性層12の磁化M12の面直方向への磁気異方性が強まる。
第1強磁性層11及び第2強磁性層12にはCoFeSi等のホイスラー合金を用いることができる。ホイスラー合金は、XYZまたはXYZの化学組成をもつ金属間化合物を含み、Xは、周期表上でCo、Fe、Ni、あるいはCu族の遷移金属元素または貴金属元素であり、Yは、Mn、V、CrあるいはTi族の遷移金属又はXの元素種であり、Zは、III族からV族の典型元素である。例えば、CoFeSi、CoFeGe, CoFeGa,CoMnSiやCoMn1−aFeAlSi1−b, CoFeGe1−cGa等が挙げられる。
反強磁性結合層13は、第1強磁性層11と第2強磁性層12との間に位置する。反強磁性結合層13は、非磁性である。第1強磁性層11の磁化M11と第2強磁性層12の磁化M12とは、反強磁性結合層13を挟むことで反強磁性結合する。第1強磁性層11の磁化M11と第2強磁性層12の磁化M12とが反強磁性結合するか否かは、反強磁性結合層13の材料、膜厚等により制御できる。反強磁性結合層13の膜厚は、用いる材料にもよるが3Åから10Åであることが好ましい。
反強磁性結合層13は、Ru、Ir、Rhからなる群から選択される少なくとも一つを含むことが好ましい。これらの元素は多くのスピンを有し、スピン軌道相互作用が大きい。そのため、隣接する二つの強磁性層(第1強磁性層11及び第2強磁性層12)の磁化M11、M12に強く作用し、磁化M11と磁化M12とが強く反強磁性結合する。
<スピン軌道トルク配線>
スピン軌道トルク配線50は、x方向に延在する。スピン軌道トルク配線50は、積層体10のz方向の一面に接続されている。スピン軌道トルク配線50は、積層体10に直接接続されていることが好ましい。
スピン軌道トルク配線50は、電流が流れるとスピンホール効果によってスピン流が生成される材料からなる。かかる材料としては、スピン軌道トルク配線50中にスピン流が生成される構成のものであれば足りる。従って、単体の元素からなる材料に限らないし、スピン流を生成しやすい材料で構成される部分とスピン流を生成しにくい材料で構成される部分とからなるもの等であってもよい。
スピンホール効果とは、材料に電流を流した場合にスピン軌道相互作用に基づき、電流の向きと直交する方向にスピン流が誘起される現象である。スピンホール効果によりスピン流が生み出されるメカニズムについて説明する。
スピン軌道トルク配線50の両端に電位差を与えると、スピン軌道トルク配線50に沿って電流が流れる。電流が流れると、一方向に配向した第1スピンS1と、第1スピンS1と反対方向に配向した第2スピンS2とは、それぞれ電流と直交する方向に曲げられる。例えば、第1スピンS1は進行方向に対しz方向に曲げられ、第2スピンS2は進行方向に対して−z方向に曲げられる。
通常のホール効果とスピンホール効果とは運動(移動)する電荷(電子)が運動(移動)方向を曲げられる点で共通する。一方で、通常のホール効果は磁場中で運動する荷電粒子がローレンツ力を受けて運動方向を曲げられるのに対して、スピンホール効果では磁場が存在しなくても、電子が移動するだけ(電流が流れるだけ)でスピンの移動方向が曲げられる点が大きく異なる。
非磁性体(強磁性体ではない材料)では第1スピンS1の電子数と第2スピンS2の電子数とが等しいので、図中で+z方向に向かう第1スピンS1の電子数と−z方向に向かう第2スピンS2の電子数が等しい。この場合、電荷の流れは互いに相殺され、電流量はゼロとなる。電流を伴わないスピン流は特に純スピン流と呼ばれる。
第1スピンS1の電子の流れをJ、第2スピンS2の電子の流れをJ、スピン流をJと表すと、J=J−Jで定義される。スピン流Jは、図中のz方向に流れる。図1において、スピン軌道トルク配線50の上面には後述する第1強磁性層1が存在する。そのため、第1強磁性層1にスピンが注入される。
スピン軌道トルク配線50は、電流が流れる際のスピンホール効果によってスピン流を発生させる機能を有する金属、合金、金属間化合物、金属硼化物、金属炭化物、金属珪化物、金属燐化物のいずれかによって構成される。
スピン軌道トルク配線50の主構成は、非磁性の重金属であることが好ましい。ここで、重金属とは、イットリウム以上の比重を有する金属を意味する。非磁性の重金属は最外殻にd電子又はf電子を有する原子番号39以上の原子番号が大きい非磁性金属であることが好ましい。これらの非磁性金属は、スピンホール効果を生じさせるスピン軌道相互作用が大きい。
電子は、一般にそのスピンの向きに関わりなく、電流とは逆向きに動く。これに対し、最外殻にd電子又はf電子を有する原子番号が大きい非磁性金属はスピン軌道相互作用が大きく、スピンホール効果が強く作用する。そのため、電子の動く方向は、電子のスピンの向きに依存する。従って、これらの非磁性の重金属中ではスピン流Jが発生しやすい。
またスピン軌道トルク配線50は、磁性金属を含んでもよい。磁性金属とは、強磁性金属、あるいは、反強磁性金属を指す。非磁性金属に微量な磁性金属が含まれるとスピンの散乱因子となる。スピンが散乱するとスピン軌道相互作用が増強され、電流に対するスピン流の生成効率が高くなる。スピン軌道トルク配線50の主構成は、反強磁性金属だけからなってもよい。
一方で、磁性金属の添加量が増大し過ぎると、発生したスピン流が添加された磁性金属によって散乱され、結果としてスピン流が減少する作用が強くなる場合がある。そのため、添加される磁性金属のモル比はスピン軌道トルク配線を構成する元素の総モル比よりも十分小さい方が好ましい。添加される磁性金属のモル比は、全体の3%以下であることが好ましい。
スピン軌道トルク配線50は、トポロジカル絶縁体を含んでもよい。トポロジカル絶縁体とは、物質内部が絶縁体、あるいは、高抵抗体であるが、その表面にスピン偏極した金属状態が生じている物質である。この物質にはスピン軌道相互作用により内部磁場が生じる。そこで外部磁場が無くてもスピン軌道相互作用の効果で新たなトポロジカル相が発現する。これがトポロジカル絶縁体であり、強いスピン軌道相互作用とエッジにおける反転対称性の破れにより純スピン流を高効率に生成できる。
トポロジカル絶縁体としては例えば、SnTe、Bi1.5Sb0.5Te1.7Se1.3、TlBiSe、BiTe、Bi1−xSb、(Bi1−xSbTeなどが好ましい。これらのトポロジカル絶縁体は、高効率にスピン流を生成することが可能である。
積層体10の平面視形状は一態様として円形を選択できる。積層体10の平面視形状が円形であると集積しやすく、集積性を高めることができる。
積層体10の平面視形状は別の態様として長軸と短軸を備える形状異方性を有する形状を選択できる。長軸と短軸を備える形状異方性を有する形状とは、例えば長方形、楕円等が挙げられる。
積層体10の平面視形状が形状異方性を有する場合、第1強磁性層11及び第2強磁性層12の磁化M11、M12は、長軸方向に配向しやすくなる。
高速な磁化反転が求められる場合は、スピン軌道トルク配線50の延在方向と長軸方向とを一致させる。スピン軌道トルク配線50から注入される第1スピンS1の向きと、磁化M11、M12の配向方向(長軸方向に配向)とが直交するため、磁化M11、M12が高速反転する。
反転電流密度の低減が求められる場合は、スピン軌道トルク配線50の延在方向と長軸方向とを直交させる。スピン軌道トルク配線50から注入される第1スピンS1の向きと、磁化M11、M12の配向方向(長軸方向に配向)とが一致するため、磁化M11、M12に大きなトルクを与えることができ、反転電流密度を低減できる。
高速な磁化反転と反転電流密度の低減との両立が求められる場合は、スピン軌道トルク配線50の延在方向に対して長軸方向を傾斜させる。
次いで、スピン軌道トルク型磁化回転素子100の原理について説明する。また本実施形態にかかるスピン軌道トルク型磁化回転素子100が外部磁場を印加することなく、磁化反転が可能な理由について説明する。図3は、スピン軌道トルク型磁化回転素子100の動作を説明するための模式図である。
スピン軌道トルク配線50に書き込み電流Iが流れると、スピンホール効果が生じる。z方向に曲げられた第1スピンS1は、書き込み電流Iと直交する方向に配向する。スピン軌道トルク配線50のz方向には、第1強磁性層11が配設されている。そのため、スピン軌道トルク配線50から第1強磁性層11にスピンが注入される。注入されたスピンは、第1強磁性層11の磁化M11にスピン軌道トルク(SOT)を与える。
第1強磁性層11の単独での磁化容易軸は面内方向(x方向)である。積層体10に組み込まれた状態では、第1強磁性層11の磁化M11は、第1強磁性層11の固有の磁化容易軸に配向しようとする力と、第2強磁性層12の磁化M12から作用する力とを受け、固有の磁化容易軸方向から傾斜する。つまり、第1強磁性層11の磁化M11は、第2強磁性層12の磁化M12から作用する力を受けることにより、磁化容易軸方向と磁化困難軸方向の2状態からなる安定状態(対称な状態)から複雑な安定状態を取りうる状態に移行する(対称性が崩されている)。
y方向に配向した第1スピンS1は、第1強磁性層11に注入されることで、磁化M11をy方向に向かって90°回転させるトルクを与える。
第1強磁性層11の磁化M11の対称性が崩れていない場合(第1強磁性層11の磁化M11がx方向に配向する場合)は、90°回転した磁化M11が元の状態に戻る確率と反転する確率とが、ほぼ一致する。したがって、外部磁場等を加えて磁化M11の対称性を崩さない限り、安定的に反転させることができない。
これに対し、第1強磁性層11の磁化M11の対称性が崩れている場合、90°回転した磁化M11が元の状態に戻るか反転するかの確率が対称にならない。反転する確率を元の状態に戻ろうとする確率より高くすると、外部磁場を印加しなくても磁化M11は安定的に反転する。厳密な議論ではないが、以下のようなイメージが理解しやすいであろう。例えば、−xz方向に傾斜している磁化M11がy方向に配向するためには、z方向のトルクが加わる。磁化M11がy方向に配向した後も、慣性の法則によりz方向のトルクが磁化M11に加わる。つまり、磁化M11は元の状態(図3左図)に戻るより反転した状態(図3右図)の方がとりやすく、磁化M11が安定的に磁化反転する。
第1強磁性層11と第2強磁性層12とは、反強磁性結合している。第1強磁性層11の磁化M11が磁化反転すると、第2強磁性層12の磁化M12も磁化反転する。
上述のように、第1実施形態にかかるスピン軌道トルク型磁化回転素子100は、第1強磁性層11の磁化M11が、注入される第1スピンS1に対して傾斜している。そのため、注入される第1スピンS1に対して第1強磁性層11の磁化M11の対称性が崩れている。その結果、第1実施形態にかかるスピン軌道トルク型磁化回転素子100は、素子外部から磁場を印加しなくても、容易に磁化反転を行うことができる。
また第1強磁性層11の磁化M11は、第2強磁性層12の磁化M12により配向方向が傾斜しているが、第1強磁性層11の磁気異方性の強さ自体が変化しているわけではない。したがって、第1強磁性層11の熱安定性は高く、熱安定性に優れたスピン軌道トルク型磁化回転素子100を実現できる。
第1実施形態にかかるスピン軌道トルク型磁化回転素子100は、スパッタリング等の成膜方法及びフォトリソグラフィー等の加工方法を用いることにより製造できる。第1強磁性層11の磁化M11及び第2強磁性層12の磁化M12の磁化容易軸方向は、これらを構成する材料、膜厚を制御することで規定する。
「第2実施形態」
図4は、第2実施形態にかかるスピン軌道トルク型磁化回転素子を模式的に示した断面図である。図4に示すスピン軌道トルク型磁化回転素子101は、積層体20とスピン軌道トルク配線50とを備える。図4に示すスピン軌道トルク型磁化回転素子101は、第1強磁性層21及び第2強磁性層22の磁化M21、M22の配向方向が異なる点が、第1実施形態にかかるスピン軌道トルク型磁化回転素子100と異なる。その他の構成は同一であり、同一の構成については同一の符号を付す。
積層体20は、スピン軌道トルク配線50側から第1強磁性層21と、反強磁性結合層13と、第2強磁性層22と、を備える。
図5は、第2実施形態にかかるスピン軌道トルク型磁化回転素子101の積層体20の磁化状態を模式的に示した図である。図5に示す例では、単独での第1強磁性層21の磁化容易軸は積層体10の積層面の面直方向であり、単独での第2強磁性層22の磁化容易軸は積層体10の積層面の面内方向である。すなわち図5の例において、第1の方向は面直方向であり、第2の方向は面内方向である。
第1強磁性層21の磁化M21及び第2強磁性層22の磁化M22は、反強磁性結合層13を介して近接することで、反強磁性結合する。その結果、単独で面直方向に配向していた第1強磁性層21の磁化M21は面内方向に向かって傾き、単独で面内方向に配向していた第2強磁性層22の磁化M22は面直方向に向かって傾く。つまり、積層体20に組み込まれた状態における第1強磁性層21及び第2強磁性層22の磁化M21、M22は、面内方向及び面直方向から傾斜している。第1強磁性層21の磁化M21と第2強磁性層22の磁化M22の面内方向に対する傾斜角は、例えば、それぞれ異なる。第1強磁性層21の磁化M21は、例えば、面内方向に対して45°以上90°未満の角度で傾いている。第2強磁性層22の磁化M22は、例えば、面内方向に対して0°以上45°未満の角度で傾いている。
図5の例の場合、第1強磁性層21はCoを含むことが好ましい。第1強磁性層21の磁化M21は、スピン軌道トルク配線50との界面磁気異方性の影響を受けて面直方向(垂直方向)に配向する。スピン軌道トルク配線50の重金属とCoとにより、界面磁気異方性が強まる。
また図5の例の場合、第1強磁性層21の膜厚は、第2強磁性層22の膜厚より薄いことが好ましい。膜厚が薄いと積層界面の影響をより強く受け、第1強磁性層21の磁化M21の面直方向への磁気異方性が強まる。
図6は、スピン軌道トルク型磁化回転素子101の動作を説明するための模式図である。スピン軌道トルク型磁化回転素子101の動作は、第1実施形態にかかるスピン軌道トルク型磁化回転素子100と同様である。
第1強磁性層21の磁化M21は、第1強磁性層21の固有の磁化容易軸に配向しようとする力と、第2強磁性層22の磁化M22から作用する力とを受け、固有の磁化容易軸方向から傾斜する。つまり、第1強磁性層21の磁化M21は、注入される第1スピンS1に対して傾斜している。そのため、注入される第1スピンS1に対して第1強磁性層21の磁化M21の対称性が崩れている。
第2実施形態にかかるスピン軌道トルク型磁化回転素子101は、第1実施形態と同様に、素子外部から磁場を印加しなくても、容易に磁化反転を行うことができる。また第2実施形態にかかるスピン軌道トルク型磁化回転素子101は、熱安定性に優れる。
以上、第1実施形態及び第2実施形態について図面を参照して詳述したが、各実施形態における各構成及びそれらの組み合わせ等は一例であり、本発明の趣旨から逸脱しない範囲内で、構成の付加、省略、置換、及びその他の変更が可能である。
「第1変形例」
図7および図8は、第1実施形態にかかるスピン軌道トルク型磁化回転素子の第1変形例を模式的に示した断面図である。図7は、スピン軌道トルク型磁気抵抗効果素子100Aをスピン軌道トルク配線50Aのy方向の中心を通るxz平面で切断した断面図である。図8は、スピン軌道トルク型磁化回転素子100を第1強磁性層11Aのx方向の中心を通るyz平面で切断した断面図である。
図7および図8に示す第1変形例は、第2強磁性層12A、反強磁性結合層13A、第1強磁性層11Aのそれぞれの側面及びスピン軌道トルク配線50Aの一部が、+z方向に対してx方向またはy方向に湾曲している点で、第1実施形態と異なる。その他の構成は、第1実施形態にかかるスピン軌道トルク型磁化回転素子100と同様であり、同様の構成には同一の符号を付し、説明を省く。
積層体10Aの側面10sは、第2強磁性層12A、反強磁性結合層13A、および、第1強磁性層11Aのそれぞれの側面12s、13s、11sによって構成される。積層体10Aの側面10sは、一つの連続した側面を形成する。
「連続」とは、xz平面又はyz平面で切断した断面図において、側面10sの接線の傾きが一定である、又は、連続的に変化することをいう。
図7に示すとおり、第1変形例にかかるスピン軌道トルク配線50Aは、一部に傾斜面50sを有する点が第1実施形態にかかるスピン軌道トルク配線50と異なる。xz平面で切断した断面図では、積層体10Aの側面10sは、スピン軌道トルク配線50Aの傾斜面50sに連続する。図8に示すとおり、yz平面で切断した断面図では、積層体10Aの側面10sは、スピン軌道トルク配線50Aの傾斜面50sとの接合部分で屈折している。そのため図8では、積層体10Aの側面10sは、傾斜面50sと連続しない。スピン軌道トルク配線50Aのy方向の加工は積層体10Aを積層する前に行い、x方向の加工は積層体10Aと同時に行うためである。
第1変形例の第2強磁性層12Aの第1面12aは、第1強磁性層11Aの第1面11aよりも面積が小さい。第1変形例の第1面12aは、積層体10Aを構成する層の中で、+z方向の最も高い位置に位置する面である。第1変形例の第1面11aは、積層体10Aを構成する層の中で、−z方向の最も低い位置に位置する面である。
図7及び図8に示す積層体10Aは、z方向から見て、スピン軌道トルク配線50Aに近づくに従って、xy面に広がっている。z方向から見て、積層体10Aの外周長または外径は、スピン軌道トルク配線50Aに近づくに従い、大きくなる。また、x方向又はy方向から見て、積層体10Aの側面10sは、xy平面に対して傾斜している。xy平面に対する側面10sの傾斜角θは、z方向の高さの位置、(すなわち、側面10sを構成する側面12s、13s、11s)によって、異なっていても、一定でもよい。側面10sのxy平面に対する傾斜角θは、例えば、スピン軌道トルク配線50Aに近づくにつれて小さくなる。
第1変形例の積層体10Aの側面10sおよびスピン軌道トルク配線50の傾斜面50sは、xy平面に対して傾斜する。側面10sの傾斜角θと傾斜面50sの傾斜角θとは、例えば異なる。
図7及び図8では、積層体10A及びスピン軌道トルク配線50Aの周囲を囲む絶縁層80を同時に図示した。絶縁層80は、多層配線の配線間や素子間を絶縁する絶縁層である。絶縁層80は、例えば、酸化シリコン(SiO)、窒化シリコン(SiN)、炭化シリコン(SiC)、窒化クロム、炭窒化シリコン(SiCN)、酸窒化シリコン(SiON)、酸化アルミニウム(Al)、酸化ジルコニウム(ZrO)等である。
第1変形例にかかるスピン軌道トルク型磁化回転素子100Aは、第1実施形態と同様に、容易に磁化反転を行うことができ、熱安定性に優れる。
また第1変形例にかかるスピン軌道トルク型磁化回転素子100Aは、第1強磁性層11Aの側面11sが傾斜していることで、より反転電流密度を低減できる。反転電流値は第1強磁性層11Aの膜厚に比例するため、第1変形例にかかる第1強磁性層11Aのうち、y方向から見てxy平面に対して傾斜している部分から磁化反転が始まる。つまり、第1強磁性層11Aにおける磁化反転は、x方向の第1端から第2端に向って順次生じる。x方向の第1端から第2端に向かう磁化反転の伝播は、磁壁の移動の原理と類似する。第1強磁性層11Aの磁化の反転が、第1強磁性層11Aの面内のランダムな位置で生じると、第1強磁性層11A内において磁化のねじれ状態が複数の箇所で生じる。磁化のねじれ状態は、隣接する磁化が異なる方向に配向した状態である。これに対し、磁化反転がx方向の第1端から第2端に向って順次生じると、磁化のねじれ状態が生じる箇所が少なくなり、磁化反転がスムーズになり、反転電流密度を低減できる。
また図8に示す通り、第1変形例にかかるスピン軌道トルク型磁化回転素子100Aは、スピン軌道トルク配線50Aの一部が、+z方向に対して電流垂直方向(y方向)に湾曲している。他の層の影響を受けて、スピン軌道トルク配線50Aの湾曲している部分と湾曲していない部分とは、結晶の状態が異なる。スピン軌道トルク配線50Aの結晶格子は、他の層と結晶が繋がるz方向において歪む。その結果、スピン軌道トルク配線50Aは非対称な構造となり、より効率的にスピン流を生成できる。
「第2変形例」
図9は、第1実施形態にかかるスピン軌道トルク型磁化回転素子の第2変形例を模式的に示した断面図である。第2変形例は、第2強磁性層12Bの膜厚が、第1強磁性層11Aの膜厚よりも厚い点で、第1変形例と異なる。その他の構成は、第1変形例にかかるスピン軌道トルク型磁化回転素子100Aと同様であり、同様の構成には同一の符号を付し、説明を省く。
第2変形例にかかる第2強磁性層12Bの膜厚は、第1強磁性層11Aの膜厚よりも厚い。z方向から平面視した場合の第2強磁性層12Bの面積は、第1強磁性層11Aの面積より小さい。第2強磁性層12Bの膜厚を第1強磁性層11Aの膜厚よりも厚くすることで、第2強磁性層12Bと第1強磁性層11Aとの体積差を小さくできる。第2強磁性層12Bの体積と第1強磁性層11Aの体積とは、例えば、略同一であり、同じであることが好ましい。「略同一」とは、一方を基準に他方が10%の変化幅の間にあることをいう。xz平面で切断した断面図において、第2強磁性層12Bの面積と第1強磁性層11Aの面積は、略同一であり、かつ/または、yz平面で切断した断面図において、第2強磁性層12Bの面積と第1強磁性層11Aの面積は、略同一である。
第2変形例にかかるスピン軌道トルク型磁化回転素子100Bは、第1実施形態と同様に、容易に磁化反転を行うことができ、熱安定性に優れる。第2変形例にかかるスピン軌道トルク型磁化回転素子100Bは、上記構成を有することにより、磁場の強度が同じになるため、漏れ磁場の発生量を弱くすることができ、積層体10Bがより安定した合成反強磁性構造(SAF構造)となる。
「第3変形例」
図10は、第1実施形態にかかるスピン軌道トルク型磁化回転素子の第3変形例を模式的に示した断面図である。図10に示す第3変形例は、積層体10Cとスピン軌道トルク配線50Cの位置関係が反対になっている点で第1変形例と異なる。その他の構成は、第1変形例にかかるスピン軌道トルク型磁化回転素子100Aと同様であり、同様の構成には同一の符号を付し、説明を省く。
図10に示す第3変形例において、スピン軌道トルク配線50Cは積層体10Aの+z方向に位置する。後述する第3強磁性層40(図11参照)をスピン軌道トルク型磁化回転素子100Cに適用すると、第3強磁性層40は、積層体10Cより後述する基板Subの近くに位置する。第3変形例にかかるスピン軌道トルク型磁化回転素子100Cは、第3強磁性層40が積層されるとボトムピン構造となる。第3変形例にかかる第1強磁性層11の第1面11aは、積層体10Cを構成する層の中で、+z方向の最も高い位置に位置する。第3変形例に係る第2強磁性層12の第1面12aは、積層体10Cを構成する層の中で、−z方向の最も低い位置に位置する。第1面11aと第1面12aとの位置関係が第1変形例と逆転している。第1強磁性層11の第1面11aは、第2強磁性層12の第1面12aより面積が小さい。
第3変形例のスピン軌道トルク配線50Cは、第1強磁性層11の第1面11aとz方向に重なる部分で−z方向に凹んでいる。
第3変形例のスピン軌道トルク配線50Cの第1面50aのうち第1面11aと重ならない部分は、第1面11aより+z方向に位置している。第1面50aは、スピン軌道トルク配線50Cの積層体10C側の面である。第1面50aは、第1面11aと重なる位置で−z方向に凹む。第1面50aのz方向の高さ位置の変化は、例えば、絶縁層81及び第1強磁性層11Aの表面を化学機械研磨(CMP)する際の研磨スピードの違いにより生じる。
第3変形例のスピン軌道トルク配線50Cの第2面50bは、平坦ではなく、第1強磁性層11の第1面11aとz方向に重なる部分で−z方向に凹んでいる。第2面50bは、第1面50aと反対側の面である。第2面50bのz方向の高さ位置の変化は、第2面50bが第1面50aの形状を反映することで生じる。スピン軌道トルク配線50Cの膜厚は、例えば、x方向の各位置で略一定である。
図10に示す絶縁層81は、積層体10Cの周囲を被覆する。絶縁層81の第1面81aは、第1面11aより+z方向に位置する。第1面81aは、例えば、第1面11aの端部11hから離れるに従って+z方向に高くなる。
第3変形例にかかるスピン軌道トルク型磁化回転素子100Cは、積層体10Cとスピン軌道トルク配線50Cとの位置関係が第1実施形態と異なっても、第1実施形態と同様に、容易に磁化反転を行うことができ、熱安定性に優れる。
第1変形例から3変形例は、第2実施形態にも適用可能である。
例えば、第1実施形態及び第2実施形態では、磁化容易軸が面直方向の磁性膜と面内方向の磁性膜との組み合わせの例を提示した。この場合に限られず、第1強磁性層及び第2強磁性層がいずれも面内方向又は面直方向である構成でもよい。第1強磁性層の単独での磁化容易軸方向(第1の方向)と、第2強磁性層の単独での磁化容易軸方向(第2の方向)と、が交差することで、第1強磁性層の磁化の向きが注入される第1スピンS1に対して傾斜し、第1強磁性層21の磁化M21の対称性が崩れる。したがって、無磁場下での磁化反転が可能となる。
上述の実施形態にかかるスピン軌道トルク型磁化回転素子は、不揮発性ランダムアクセスメモリ(MRAM)、高周波部品、磁気センサなどへの適用が可能である。例えば、磁気異方性センサや、磁気カー効果又は磁気ファラデー効果を利用した光学素子として用いることができる。
(スピン軌道トルク型磁気抵抗効果素子)
「第3実施形態」
図11は、第3実施形態にかかるスピン軌道トルク型磁気抵抗効果素子110の断面模式図である。図11に示すスピン軌道トルク型磁気抵抗効果素子110は、第1実施形態にかかるスピン軌道トルク型磁化回転素子100と、非磁性層30と、第3強磁性層40とを備える。第1実施形態のスピン軌道トルク型磁化回転素子100と同等の構成については、説明を省く。
積層体10と非磁性層30と第3強磁性層40とが積層された機能部は、通常の磁気抵抗効果素子と同様に機能する。機能部は、第3強磁性層40の磁化M40が一方向(z方向)に固定され、第2強磁性層12の磁化M12の向きが相対的に変化することで機能する。保磁力差型(擬似スピンバルブ型;Pseudo spin valve 型)のMRAMに適用する場合には、第3強磁性層40の保磁力を第2強磁性層12の保磁力よりも大きくする。交換バイアス型(スピンバルブ;spin valve型)のMRAMに適用する場合には、第3強磁性層40の磁化M40を反強磁性層との交換結合によって固定する。
また機能部において、非磁性層30が絶縁体からなる場合は、機能部はトンネル磁気抵抗(TMR:Tunneling Magnetoresistance)素子と同様の構成であり、機能部が金属からなる場合は巨大磁気抵抗(GMR:Giant Magnetoresistance)素子と同様の構成である。
機能部の積層構成は、公知の磁気抵抗効果素子の積層構成を採用できる。例えば、各層は複数の層からなるものでもよいし、第3強磁性層40の磁化方向を固定するための反強磁性層等の他の層を備えてもよい。第3強磁性層40は固定層や参照層、積層体10は自由層や記憶層などに対応する。
第3強磁性層40の材料には、公知の材料を用いることができる。例えば、Cr、Mn、Co、Fe及びNiからなる群から選択される金属及びこれらの金属を1種以上含み強磁性を示す合金を用いることができる。これらの金属と、B、C、及びNの少なくとも1種以上の元素とを含む合金を用いることもできる。具体的には、Co−FeやCo−Fe−Bが挙げられる。
また第3強磁性層40には、CoFeSiなどのホイスラー合金を用いてもよい。ホイスラー合金を用いることで、機能部がより高いMR比を出力できる。ホイスラー合金は、XYZまたはXYZの化学組成をもつ金属間化合物を含み、Xは、周期表上でCo、Fe、Ni、あるいはCu族の遷移金属元素または貴金属元素であり、Yは、Mn、V、CrあるいはTi族の遷移金属またはXの元素種であり、Zは、III族からV族の典型元素である。例えば、CoFeSi、CoMnSiやCoMn1−aFeAlSi1−bなどが挙げられる。
第3強磁性層40の積層体10に対する保磁力をより大きくするために、第3強磁性層40と接する材料としてIrMn,PtMnなどの反強磁性材料を用いてもよい。さらに、第3強磁性層40の漏れ磁場を積層体10に影響させないようにするため、シンセティック強磁性結合の構造としてもよい。
非磁性層30には、公知の材料を用いることができる。
例えば、非磁性層30が絶縁体からなる場合(トンネルバリア層である場合)、その材料としては、Al、SiO、MgO、及び、MgAl等を用いることができる。また、これらの他にも、Al、Si、Mgの一部が、Zn、Be等に置換された材料等も用いることができる。これらの中でも、MgOやMgAlはコヒーレントトンネルが実現できる材料であるため、スピンを効率よく注入できる。非磁性層30が金属からなる場合、その材料としては、Cu、Au、Ag等を用いることができる。さらに、非磁性層30が半導体からなる場合、その材料としてはSi、Ge、CuInSe、CuGaSe、Cu(In,Ga)Seなどを用いることができる。
機能部は、その他の層を有していてもよい。例えば、積層体10とスピン軌道トルク配線50との間に下地層を設けてもよいし、第3強磁性層40の非磁性層30と反対側の面にキャップ層を設けてもよい。
スピン軌道トルク配線50と第1強磁性層11との間に層を配設する場合は、スピン軌道トルク配線50から伝播するスピンを散逸しないことが好ましい。例えば、銀、銅、マグネシウム、及び、アルミニウム等は、スピン拡散長が100nm以上と長く、スピンが散逸しにくいことが知られている。また、この層の厚みは、層を構成する物質のスピン拡散長以下であることが好ましい。層の厚みがスピン拡散長以下であれば、スピン軌道トルク配線50から伝播するスピンを第1強磁性層11に十分伝えることができる。
第3実施形態に係るスピン軌道トルク型磁気抵抗効果素子110は、第2強磁性層12の磁化M12と第3強磁性層40の磁化M40の相対角の違いにより生じる機能部の抵抗値変化を用いてデータの記録、読出しを行う。
第3実施形態にかかるスピン軌道トルク型磁気抵抗効果素子110において、第3強磁性層40の磁化容易軸は、単独での第2強磁性層12の磁化容易軸と同一である。この場合、第2強磁性層12の磁気異方性を、第1強磁性層11の磁気異方性より強くすることが好ましい。第2強磁性層12の磁化M12がz方向から大きく傾斜しないことで、スピン軌道トルク型磁気抵抗効果素子110のMR比を大きくすることができる。
第3実施形態にかかるスピン軌道トルク型磁気抵抗効果素子110においても、無磁場下での磁化反転が可能である。
「第4実施形態」
図12は、第4実施形態にかかるスピン軌道トルク型磁気抵抗効果素子111の断面模式図である。図12に示すスピン軌道トルク型磁気抵抗効果素子111は、第2実施形態にかかるスピン軌道トルク型磁化回転素子101と、非磁性層30と、第3強磁性層42とを備える。第2実施形態にかかるスピン軌道トルク型磁化回転素子101を用いている点と、第3強磁性層42の磁化M42の配向方向が異なる点が、第3実施形態にかかるスピン軌道トルク型磁気抵抗効果素子110と異なる。
第4実施形態にかかるスピン軌道トルク型磁気抵抗効果素子111は、第3実施形態にかかるスピン軌道トルク型磁気抵抗効果素子110と同様に、第2強磁性層12の磁化M12と第3強磁性層42の磁化M42の相対角の違いにより生じる機能部の抵抗値変化を用いてデータの記録、読出しを行う。
第4実施形態にかかるスピン軌道トルク型磁気抵抗効果素子111において、第3強磁性層42の磁化容易軸は、単独での第2強磁性層12の磁化容易軸と同一である。この場合、第2強磁性層12の磁気異方性を、第1強磁性層11の磁気異方性より強くすることが好ましい。第2強磁性層12の磁化M12が面内方向から大きく傾斜しないことで、スピン軌道トルク型磁気抵抗効果素子111のMR比を大きくすることができる。
第4実施形態にかかるスピン軌道トルク型磁気抵抗効果素子111においても、無磁場下での磁化反転が可能である。
「第5実施形態」
<磁気メモリ>
図13は、複数のスピン軌道トルク型磁気抵抗効果素子110(図11参照)を備える磁気メモリ200の平面図である。図13に示す磁気メモリ200は、スピン軌道トルク型磁気抵抗効果素子110が3×3のマトリックス配置をしている。図13は、磁気メモリの一例であり、スピン軌道トルク型磁気抵抗効果素子110の数及び配置は任意であり、第4実施形態にかかるスピン軌道トルク型磁気抵抗効果素子111を用いてもよい。
スピン軌道トルク型磁気抵抗効果素子110には、それぞれ1本のワードラインWL1〜WL3と、1本のビットラインBL1〜BL3、1本のリードラインRL1〜RL3が接続されている。
電流を印加するワードラインWL1〜WL3及びビットラインBL1〜BL3を選択することで、任意のスピン軌道トルク型磁気抵抗効果素子110のスピン軌道トルク配線50に電流を流し、書き込み動作を行う。また電流を印加するリードラインRL1〜RL3及びビットラインBL1〜BL3を選択することで、任意のスピン軌道トルク型磁気抵抗効果素子110の積層方向に電流を流し、読み込み動作を行う。電流を印加するワードラインWL1〜WL3、ビットラインBL1〜BL3、及びリードラインRL1〜RL3はトランジスタ等により選択できる。すなわち、これらの複数のスピン軌道トルク型磁気抵抗効果素子110から任意の素子のデータを読み出すことで磁気メモリとしての活用ができる。
図14は、図13の第5実施形態にかかる磁気メモリ200をA-A’面で切断した断面図である。半導体装置200は、スピン軌道トルク型磁気抵抗効果素子110と、スピン軌道トルク型磁気抵抗効果素子110に接続された複数のスイッチング素子を有する。複数のスイッチング素子のうち、一部のスイッチング素子は、図14に示す断面上には存在せず、例えば紙面奥行き方向(−y方向)に位置する。
スイッチング素子は、図14に示すトランジスタTrである。トランジスタTrは、ゲート電極Gと、ゲート絶縁膜GIと、基板Subに形成されたソース領域S及びドレイン領域Dと、を有する。基板Subは、例えば、半導体基板である。
トランジスタTrのそれぞれとスピン軌道トルク型磁気抵抗効果素子110とは、導電部Cwを介して、電気的に接続されている。導電部Cwは、例えば、接続配線、ビア配線と言われることがある。導電部Cwは、導電性を有する材料を含む。導電部Cwは、z方向に延びる。
スピン軌道トルク型磁気抵抗効果素子110とトランジスタTrとは、導電部Cwを除いて、絶縁層80によって電気的に分離されている。
第5実施形態にかかる磁気メモリ200は、第4実施液体にかかるスピン軌道トルク型磁気抵抗効果素子を複数有する。したがって、磁気メモリ200は、データの書き換え(磁化の反転)を容易に行うことができ、消費電力に優れる。また磁気メモリ200は、熱安定性に優れ、データの信頼性も優れる。
以上、本発明の好ましい実施の形態について詳述したが、本発明は特定の実施の形態に限定されるものではなく、特許請求の範囲内に記載された本発明の要旨の範囲内において、種々の変形・変更が可能である。
10 積層体
11、21 第1強磁性層
12、22 第2強磁性層
13 反強磁性結合層
30 非磁性層
40、42 第3強磁性層
50 スピン軌道トルク配線
100、101 スピン軌道トルク型磁化回転素子
110、111 スピン軌道トルク型磁気抵抗効果素子
200 磁気メモリ
11、M12、M21、M22、M40、M42 磁化
S1 第1スピン
S2 第2スピン

Claims (14)

  1. スピン軌道トルク配線と、
    前記スピン軌道トルク配線に積層された積層体と、を備え、
    前記積層体は、単独で第1の方向に磁化容易軸を有する第1強磁性層と、非磁性の反強磁性結合層と、単独で第2の方向に磁化容易軸を有する第2強磁性層と、を前記スピン軌道トルク配線側から順に備え、
    前記第1の方向と前記第2の方向とが交差している、スピン軌道トルク型磁化回転素子。
  2. 前記第1の方向と前記第2の方向とが直交している、請求項1に記載のスピン軌道トルク型磁化回転素子。
  3. 前記第1の方向が前記積層体の面内方向であり、前記第2の方向が前記積層体の面直方向である、請求項1又は2に記載のスピン軌道トルク型磁化回転素子。
  4. 前記第1の方向が前記積層体の面直方向であり、前記第2の方向が前記積層体の面内方向である、請求項1又は2に記載のスピン軌道トルク型磁化回転素子。
  5. 前記第2強磁性層がFeを含む、請求項3に記載のスピン軌道トルク型磁化回転素子。
  6. 前記第1強磁性層がCoを含む、請求項4に記載のスピン軌道トルク型磁化回転素子。
  7. 前記第1強磁性層と前記第2強磁性層とのうち面直方向に磁化容易軸を有する強磁性層の膜厚が、面内方向に磁化容易軸を有する強磁性層の膜厚より薄い、請求項3〜6のいずれか一項に記載のスピン軌道トルク型磁化回転素子。
  8. 前記第2強磁性層の膜厚が、前記第1強磁性層の膜厚よりも厚い、請求項1〜7のいずれか一項に記載のスピン軌道トルク型磁化回転素子。
  9. 前記反強磁性結合層がRu、Ir、Rhからなる群から選択される少なくとも一つを含む、請求項1〜8のいずれか一項に記載のスピン軌道トルク型磁化回転素子。
  10. 前記積層体は、平面視円形である、請求項1〜8のいずれか一項に記載のスピン軌道トルク型磁化回転素子。
  11. 前記積層体は、平面視において長軸と短軸を備える形状異方性を有する、請求項1〜9のいずれか一項に記載のスピン軌道トルク型磁化回転素子。
  12. 請求項1〜11のいずれか一項に記載のスピン軌道トルク型磁化回転素子と、
    前記積層体の前記スピン軌道トルク配線と反対側に積層された非磁性層と、
    前記積層体と前記非磁性層を挟む第3強磁性層と、を備えるスピン軌道トルク型磁気抵抗効果素子。
  13. 前記第1強磁性層と前記第2強磁性層とのうち前記第3強磁性層と同一方向に磁化容易軸を有する強磁性層の磁気異方性は、他方の強磁性層の磁気異方性より強い、請求項12に記載のスピン軌道トルク型磁気抵抗効果素子。
  14. 請求項12又は請求項13に記載のスピン軌道トルク型磁気抵抗効果素子を複数備える、磁気メモリ。
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