JP2019204781A - 固体絶縁母線、及び固体絶縁母線の製造方法 - Google Patents

固体絶縁母線、及び固体絶縁母線の製造方法 Download PDF

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稔之 沼澤
Toshiyuki Numazawa
稔之 沼澤
義和 丹治
Yoshikazu Tanji
義和 丹治
達也 風間
Tatsuya Kazama
達也 風間
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Abstract

【課題】可とう性に優れる固体絶縁母線を提供する。【解決手段】長尺で可とう性を有する導体と、前記導体の外周を覆うと共に、可とう性を有する筒状の絶縁体と、前記導体の外周面と前記絶縁体の内周面との間に形成される隙間と、を備える固体絶縁母線。【選択図】図2

Description

本発明は、固体絶縁母線、及び固体絶縁母線の製造方法に関する。
電力機器間の接続に固体絶縁母線が使用されている。特許文献1には、棒状導体と短尺の撚線とを組み合わせて接続した母線と、母線の両端に接続した端末金具と、母線及び端末金具の上にモールドされた内部半導電層、絶縁層、及び外部半導電層とを備えるモールド絶縁連絡母線が開示されている。特許文献1に記載のモールド絶縁連絡母線は、両端に端末金具を接続した母線を金型内に設置し、その上に内部半導電層、絶縁層、及び外部半導電層を順にモールドして作製する。
特開平10−233244号公報
電力機器間を固体絶縁母線で接続する場合、それぞれの電力機器の接続箇所の高さ位置などが異なることがあり、固体絶縁母線を曲げて配置することがある。また、電力機器の据付精度によって接続箇所の位置がずれることがあり、固体絶縁母線を屈曲させることでその位置ずれを吸収することがある。したがって、曲げ易く可とう性に優れる固体絶縁母線の開発が望まれている。
そこで、本開示は、可とう性に優れる固体絶縁母線を提供することを目的の一つとする。また、可とう性に優れる固体絶縁母線を製造できる固体絶縁母線の製造方法を提供することを別の目的の一つとする。
本開示に係る固体絶縁母線は、
長尺で可とう性を有する導体と、
前記導体の外周を覆うと共に、可とう性を有する筒状の絶縁体と、
前記導体の外周面と前記絶縁体の内周面との間に形成される隙間と、を備える。
本開示に係る固体絶縁母線の製造方法は、
長尺で可とう性を有する導体を用意する工程と、
可とう性を有する筒状の絶縁体を用意する工程と、
前記絶縁体の一端側から前記絶縁体内に前記導体を挿入して、前記導体の外周を前記絶縁体で覆う工程と、を備え、
前記絶縁体の内周の断面寸法が前記導体の断面寸法よりも大きく、前記絶縁体内に前記導体を挿入した状態で前記導体の外周面と前記絶縁体の内周面との間に隙間を有する。
上記固体絶縁母線は、可とう性に優れる。上記固体絶縁母線の製造方法は、可とう性に優れる固体絶縁母線を製造できる。
実施形態に係る固体絶縁母線の概略縦断面図である。 図1のII−II線で切断した横断面図である。 実施形態に係る固体絶縁母線の接続構造の一例を示す概略構成図である。 変形例1に係る固体絶縁母線の横断面図である。 変形例2に係る固体絶縁母線の横断面図である。
[本発明の実施形態の説明]
従来の固体絶縁母線では、母線(導体)の外周に内部半導電層、絶縁層、及び外部半導電層(以下、これらをまとめて「絶縁体」という)を直接モールドして被覆しており、導体に対して絶縁体が一体成形されている。そのため、導体の外周面に絶縁体(内部半導電層)が接着されており、絶縁体によって導体が拘束されることで、固体絶縁母線の撚線部分を曲げる際に絶縁体に対する導体の長手方向への動きが阻害されることから、曲げ難い。したがって、従来の固体絶縁母線は可とう性に劣る。
本発明は、以上の点に鑑みてなされたものである。最初に本発明の実施態様を列記して説明する。
(1)本発明の実施形態に係る固体絶縁母線は、
長尺で可とう性を有する導体と、
前記導体の外周を覆うと共に、可とう性を有する筒状の絶縁体と、
前記導体の外周面と前記絶縁体の内周面との間に形成される隙間と、を備える。
上記固体絶縁母線は、導体の外周面と絶縁体の内周面との間に隙間が形成されていることで、導体の外周面に絶縁体が密着しておらず、導体と絶縁体との独立した挙動を許容する。そのため、固体絶縁母線を曲げる際に絶縁体に対する導体の長手方向への動きが許容されることから、曲げ易い。したがって、上記固体絶縁母線は可とう性に優れる。
(2)上記固体絶縁母線の一形態として、前記導体が編組線で形成されていることが挙げられる。
編組線は可とう性に優れることから、導体が編組線で形成されていることで、固体絶縁母線の可とう性が向上する。
(3)上記固体絶縁母線の一形態として、前記絶縁体がゴム材料で形成されていることが挙げられる。
絶縁体がゴム材料で形成されていることで、固体絶縁母線の可とう性が向上する。
(4)上記固体絶縁母線の一形態として、前記絶縁体は、内側から外側に向かって順に、内部半導電層、絶縁層、外部半導電層を有することが挙げられる。
絶縁層の内外に内部半導電層及び外部半導電層を有することで、導体に電圧を印加したときに絶縁体にかかる電界ストレスを緩和することができ、絶縁体の絶縁特性が向上する。
(5)上記固体絶縁母線の一形態として、前記内部半導電層の内周面の角部の曲率半径が2mm以上であることが挙げられる。
内部半導電層の内周面に角部を有する場合、導体に電圧を印加したときに内部半導電層の内周面の角部に電界集中が発生し易い。そのため、内部半導電層の内周面の角部での電界集中によって、角部を起点として絶縁体の劣化が進展し、絶縁破壊に至ることがある。内部半導電層の内周面の角部の曲率半径が2mm以上であることで、角部に発生する電界集中を低減でき、電界集中に起因する角部での絶縁破壊を抑制できる。よって、絶縁体にかかる電界ストレスを効果的に緩和することができ、絶縁体の絶縁特性がより向上する。
(6)上記固体絶縁母線の一形態として、前記内部半導電層の内周面側に長手方向に沿って配置される導電層を有することが挙げられる。
本発明者らが固体絶縁母線の絶縁特性について鋭意研究を重ねた結果、固体絶縁母線の長手方向の中央で絶縁破壊が起こり易いことが分かった。これは、導体に電圧を印加したときに内部半導電層の内周面の電界分布が長手方向に不均一になり、長手方向の中央では電位が高くなっているためと考えられる。内部半導電層の内周面側に長手方向に沿って導電層を有することで、この導電層が配置されている部分で内部半導電層の内周面の電界分布が一様になるため、長手方向の中央での電位を低減できる。よって、絶縁体にかかる電界ストレスを効果的に緩和することができ、絶縁体の絶縁特性がより向上する。
(7)本発明の実施形態に係る固体絶縁母線の製造方法は、
長尺で可とう性を有する導体を用意する工程と、
可とう性を有する筒状の絶縁体を用意する工程と、
前記絶縁体の一端側から前記絶縁体内に前記導体を挿入して、前記導体の外周を前記絶縁体で覆う工程と、を備え、
前記絶縁体の内周の断面寸法が前記導体の断面寸法よりも大きく、前記絶縁体内に前記導体を挿入した状態で前記導体の外周面と前記絶縁体の内周面との間に隙間を有する。
上記固体絶縁母線の製造方法は、導体と絶縁体とを別々に用意し、絶縁体内に導体を挿入して導体の外周を絶縁体で覆うことにより、固体絶縁母線を製造する。絶縁体の内周の断面寸法が導体の断面寸法よりも大きいことから、絶縁体内に導体を挿入した状態で導体の外周面と絶縁体の内周面との間に隙間を有し、導体を絶縁体内に隙間をあけて配置することができる。そのため、導体の外周面に絶縁体が密着することがなく、固体絶縁母線を曲げる際に絶縁体に対する導体の長手方向への動きが許容されることから、曲げ易い。したがって、上記固体絶縁母線の製造方法は可とう性に優れる固体絶縁母線を製造できる。
[本発明の実施形態の詳細]
本発明の実施形態に係る固体絶縁母線の具体例を、以下に図面を参照しつつ説明する。図中の同一符号は、同一名称物を示す。なお、本発明はこれらの例示に限定されるものではなく、特許請求の範囲によって示され、特許請求の範囲と均等の意味及び範囲内でのすべての変更が含まれることが意図される。
図1〜図3を参照して、実施形態に係る固体絶縁母線1について説明する。図1は、固体絶縁母線1の中心軸に沿った縦断面図であり、図2は、固体絶縁母線1の長手方向(軸方向)に直交し、図1に示すII−II線に沿った横断面図である。図3は、固体絶縁母線1を用いた接続構造の一例を示し、図3に例示する接続構造100は、相手機器101となるガス絶縁開閉装置(GIS:Gas Insulated Switchgear、図3の左側に位置(不図示))と変圧器(トランス、図3の右側に位置(不図示))とを固体絶縁母線1を介して接続するものである。以下の説明では、固体絶縁母線1のGISに接続される側をGIS側、トランスに接続される側をTr側と呼ぶ。
図3に示す固体絶縁母線の接続構造100は、固体絶縁母線1と、固体絶縁母線1に備える端子11G、11Tにそれぞれ接続される導体引出棒3G、3Tと、各導体引出棒3G、3Tの外周に設けられるブッシング4G、4Tとを備える。固体絶縁母線1は、導体10と、導体10の端部に取り付けられる端子11G、11Tと、導体10の外周を覆う絶縁体20とを備える。実施形態に係る固体絶縁母線1は、導体10の外周面10oと絶縁体20の内周面20iとの間に形成される隙間2C(図2参照)を備えることを特徴の1つとする。
<固体絶縁母線>
固体絶縁母線1は、図1に示すように、長尺で可とう性を有する導体10と、導体10の外周を覆うと共に可とう性を有する筒状の絶縁体20とを備える。以下、はじめに固体絶縁母線1の基本構成について、図1、図2を参照して説明し、その後に固体絶縁母線1の詳細な構成について、図3も参照しつつ説明する。
(導体)
導体10は、代表的には、編組線又は撚線など、棒材に対して可とう性に優れる可とう導体で形成されている。編組線は撚線に比較して可とう性に優れることから、好適である。導体10の断面形状(長手方向に直交する断面の形状)は、特に限定されるものではなく、例えば矩形状、円形状、楕円形状など種々の形状を採用できる。本例では、導体10が銅の平編組線で形成されており、図2に示すように、導体10の断面形状が矩形状である。より具体的には、本例の導体10は平編組線を厚み方向に3つ重ね合わせて構成されている。導体10の寸法は仕様に応じて適宜設定される。例えば、導体10の長さは30cm以上300cm以下、断面寸法(図2中、厚さT10×幅W10)は2mm×10mm以上40mm×75mm以下である。
(端子)
導体10の端部には、端子11G、11Tが取り付けられている。本例の場合、図3に示すように、導体10のGIS側の端部に端子11Gが取り付けられ、導体10のTr側の端部に端子11Tが取り付けられている。本例では、GIS側の端子11Gは、平板状であり、導体10の端部を厚み方向から挟み込む一対の平板状の端子片を有し、ボルトなどによって取り付けられている。端子11Gには、端子片の厚み方向に貫通する貫通孔112が設けられている。この貫通孔112は、後述する導体引出棒3G(図3参照)を接続する際に導体引出棒3Gをボルト113で固定するためのものである。一方、Tr側の端子11Tは、導体10の端部を上下方向から挟み込む一対の半円柱状の端子片を有する円柱状の基部11bと、基部11bから突出する先端部11aとを有し、ボルトなどによって取り付けられている。端子11Tの先端部11aは、基部11bよりも細く、後述する導体引出棒3T(図3参照)を接続する際に導体引出棒3Tに形成された挿入穴30に嵌め込まれる。端子11G、11Tは、例えば銅で形成されている。
(絶縁体)
絶縁体20は、導体10の外周を被覆する可とう性を有する筒状の部材である。本例では、絶縁体20が主としてゴム材料で形成されている。絶縁体20には、導体10が全長にわたって挿入される挿入孔200が、絶縁体20の一端側(Tr側)から他端側(GIS側)に向けて長手方向に沿って形成されている。絶縁体20の内周(挿入孔200)の断面形状は導体10の断面形状に対応した形状であり、その断面寸法は導体10の断面寸法よりも大きい。そのため、図2に示すように、導体10の外周面10oと絶縁体20の内周面20iとの間に隙間2Cが形成され、導体10が絶縁体20内に隙間2Cをあけて配置されている。したがって、導体10の外周面10oに絶縁体20が密着しておらず、導体10を構成する編組線などの表面に絶縁体20を構成するゴム材料が入り込んでいない。これにより、固体絶縁母線1を曲げる際に絶縁体20に対する導体10の長手方向への動きを許容できる。絶縁体20の内周の断面形状及び断面寸法とは、導体10が挿入される挿入孔200の長手方向に直交する断面の形状及びその寸法のことである(図2参照)。本例の場合、図2に示すように、絶縁体20の内周の断面形状が矩形状である。
(隙間)
導体10の外周面10oと絶縁体20の内周面20iとの間に形成される隙間2Cは、導体10と絶縁体20との独立した挙動を許容するものである。隙間2Cの大きさは、例えば0.2mm以上、更に0.5mm以上である。隙間2Cが0.2mm以上であることで、導体10と絶縁体20との独立した挙動を十分に許容することができ、また、固体絶縁母線1の製造時に絶縁体20内に導体10を挿入し易い。隙間2Cが小さいほど、導体10の外周面10oと絶縁体20の内周面20iとの間隔が狭く、絶縁体20の内周(挿入孔200)の断面寸法が小さくなる。そのため、絶縁体20全体の断面寸法を小さくできる。隙間2Cの最大値は、例えば10mm以下、更に8mm以下であることが挙げられる。
本例では、導体10の端部に取り付けられた端子11G、11Tも絶縁体20内に配置され、挿入孔200には、端子11G、11T付き導体10が挿入される。つまり、導体10及び端子11G、11Tの外周が絶縁体20で覆われる。絶縁体20の内周(挿入孔200)のうち、端子11Gが配置される部分の断面形状は端子11Gの断面形状に対応した矩形状であり、その断面寸法は端子11Gの断面寸法よりも大きい。そのため、端子11Gの外周面と絶縁体20の内周面との間には、隙間が存在する。一方、絶縁体20の内周(挿入孔200)のうち、端子11Tの基部11bが配置される部分の断面形状は基部11bの断面形状に対応した円形状であり、端子11Tが配置される前の状態において、その断面寸法は基部11bの断面寸法よりも若干小さい。そのため、端子11Tが絶縁体20内に配置された状態では、絶縁体20の弾性力によって、端子11T(基部11b)の外周面と絶縁体20の内周面とが密着される。これにより、端子11Tが絶縁体20内に圧着状態で固定され、端子11G、11T付き導体10と絶縁体20とが一体化される。本例の場合、端子11Tの基部11bの断面寸法が導体10の断面寸法よりも大きく、端子11Gの断面寸法が導体10の断面寸法と同等以下である。
本例の絶縁体20は、内側から外側に向かって順に、内部半導電層21、絶縁層22及び外部半導電層23を有する(図2も参照)。絶縁層22の内外に内部半導電層21及び外部半導電層23を有することで、導体10に電圧を印加したときに絶縁体20にかかる電界ストレスを緩和することができる。
具体的には、内部半導電層21及び外部半導電層23が、例えば半導電性のシリコーンゴムなどの半導電性ゴム材料で形成され、絶縁層22が、例えば絶縁性のシリコーンゴムなどの絶縁性ゴム材料で形成されている。内部半導電層21、絶縁層22及び外部半導電層23のそれぞれの厚さは、導体10に流れる電流や印加される電圧などに応じて適宜設定される。例えば、導体10を被覆する部分(図2参照)における内部半導電層21及び外部半導電層23の各層の厚さは2mm以上15mm以下、絶縁層22の厚さは5mm以上30mm以下である。
本例の場合、外部半導電層23の両端部23eが半導電性ゴム材料を成形して形成されており、両端部23e間に設けられる中間部23mが半導電性ゴム塗料を絶縁層22上に塗布して形成されている。外部半導電層23が全長にわたって半導電性ゴム材料を成形して形成されていてもよく、両端部23e及び中間部23mが半導電性ゴム材料で一体に成形されていてもよい。
図2に示す内部半導電層21は、長手方向に直交する断面において内周の断面形状が矩形状であり、矩形状の導体10の外周面10oとの間に形成される隙間2Cが内周面20iの全周にわたって均等になるように設定されている。つまり、本例では、外周面10oの長辺とそれに対向する内周面20iの長辺との間に形成される長辺側の隙間(図2における上下の隙間)の大きさと、外周面10oの短辺とそれに対向する内周面20iの短辺との間に形成される短辺側の隙間(左右の隙間)の大きさとが同じになっている。本例の場合、内周面20iの角部21cの曲率半径が0.5mm程度であり、隙間2Cの大きさが1.5mm以下、更に1.0mm以下である。
<固体絶縁母線の製造方法>
固体絶縁母線1の製造方法について説明する。固体絶縁母線1の製造方法は、導体10を用意する導体用意工程と、絶縁体20を用意する絶縁体用意工程と、絶縁体20に導体10を挿入する挿入工程とを備える。以下、各工程を説明する。
(導体用意工程)
導体用意工程は、長尺で可とう性を有する導体10を用意する。本例の場合、平編組線で形成された導体10を用意する。また、導体10の端部には、端子11G、11Tを取り付けておく。
(絶縁体用意工程)
絶縁体用意工程は、可とう性を有する筒状の絶縁体20を用意する。この工程では、絶縁体20の内周の断面寸法が導体10の断面寸法よりも大きい絶縁体20を用意する。本例の場合、絶縁体20は、ゴム材料で形成され、内側から外側に向かって順に、内部半導電層21、絶縁層22及び外部半導電層23を有する。
(挿入工程)
挿入工程は、絶縁体20の一端側(本例の場合、Tr側)から絶縁体20内に導体10を挿入して、導体10の外周を絶縁体20で覆う。本例の場合、導体10の端部に端子11G、11Tを取り付けた端子11G、11T付き導体10を絶縁体20内に挿入し、導体10及び端子11G、11Tの外周を絶縁体20で覆う。これにより、固体絶縁母線1が得られる。絶縁体20の内周の断面寸法が導体10の断面寸法よりも大きいことから、絶縁体20内に導体10を挿入した状態で導体10の外周面10oと絶縁体20の内周面20iとの間に隙間2Cを形成することができる。そのため、導体10の外周面10oに絶縁体20が密着することがなく、隙間2Cによって、固体絶縁母線1を曲げる際に絶縁体20に対する導体10の長手方向への動きが許容される。
本例の場合、絶縁体20の内周の断面寸法が導体10の断面寸法よりも大きいため、絶縁体20内に導体10を挿入し易い。また、絶縁体20における端子11Tの基部11bが挿入される部分の断面寸法が基部11bの断面寸法よりも若干小さくなっているため、基部11bを絶縁体20内に押し込んで、絶縁体20を弾性変形させることによって、端子11Tを絶縁体20内に圧着状態で固定する。これにより、端子11G、11T付き導体10と絶縁体20とを一体化できる。
絶縁体20の形成方法について説明する。絶縁体20の形成方法の一例としては、まず、半導電性ゴム材料を射出成形して、内部半導電層21と外部半導電層23の端部23eとを個々に形成する。内部半導電層21の形成は、内周面20i(挿入孔200)を形成する中子を有する金型を用いて行う。次に、内部半導電層21及び外部半導電層23の端部23eをそれぞれ金型内の所定の位置に配置した状態で絶縁性ゴム材料を射出成形して、絶縁層22を一体成形する。その後、外部半導電層23の両端部23e間における絶縁層22が露出する部分に半導電性ゴム塗料を塗布して、外部半導電層23の中間部23mを形成し、外部半導電層23を形成する。
絶縁体20の形成方法の別の一例としては、半導電性ゴム材料を射出成形して、内部半導電層21を形成する。次に、内部半導電層21の外側に絶縁性ゴム材料を射出成形して、絶縁層22を一体成形する。次に、絶縁層22の外側に半導電性ゴム材料を射出成形して、外部半導電層23の両端部23eを形成すると共に、両端部23e間における絶縁層22が露出する部分に半導電性ゴム塗料を塗布して、外部半導電層23の中間部23mを形成して、外部半導電層23を形成する。
上述した絶縁体20の形成方法の例では、半導電性ゴム塗料を塗布して、外部半導電層23の中間部23mを形成する場合を説明した。これに限らず、外部半導電層23は、半導電性ゴム材料を射出成形して、両端部23e及び中間部23mを一体に形成してもよい。
以下、図3に示す接続構造100を適宜参照しながら、固体絶縁母線1の詳細な構成を説明する。
図3に示す接続構造100は、GISとトランスとの接続に固体絶縁母線1を使用しており、固体絶縁母線1が導体引出棒3G、3Tを介して相手機器101(GIS又はトランス)に接続されている。接続構造100では、相手機器101の接続箇所(リード線など)102の高さ位置が異なり、固体絶縁母線1を曲げて配置している。
絶縁体20の端部には、ブッシング4G、4Tの基端側が嵌め込まれる接続用開口部25G、25Tが形成されている。接続用開口部25G、25Tは、絶縁体20の絶縁層22によって形成された凹部であり、絶縁層22の外側には外部半導電層23(端部23e)が設けられている。接続用開口部25G、25Tの内周面は、開口側から底側に向かって縮径する円錐台形状になっている。接続用開口部25G、25Tの底側には、端子11G、11Tが露出している。各接続用開口部25G、25Tには、後述する導体引出棒3G、3Tが挿通されたブッシング4G,4Tの基端側がそれぞれ挿入(圧入)され、端子11G、11Tと導体引出棒3G、3Tとが接続される。
接続用開口部25G、25Tの開口側には、フランジ55がそれぞれ設けられている。フランジ55は、ブッシング4G、4Tに設けられたフランジ部45に取り付けられる円環状の部材であり、例えば黄銅で形成されている。
本例では、固体絶縁母線1のGIS側端部1Gの形状とTr側端部1Tの形状とが異なる。Tr側端部1T(図1、図3の右側)では、導体10の長手方向に沿って絶縁層22が突出して接続用開口部25Tが形成されており、導体10の長手方向の延長線と同軸上に接続用開口部25Tが開口している。一方、GIS側端部1G(図1、図3の左側)では、導体10の長手方向に交差(本例の場合、直交)する方向に絶縁層22が突出して接続用開口部25Gが形成されており、導体10の長手方向に交差(直交)する方向に接続用開口部25Gが開口している。また、GIS側端部1Gには、接続用開口部25Gとは端子11Gを挟んで反対側に作業用開口部26が形成されている。作業用開口部26は、接続用開口部25Gと同じように、絶縁層22によって形成された凹部であり、絶縁層22の外側には外部半導電層23(端部23e)が設けられている。作業用開口部26の内周面も、開口側から底側に向かって縮径する円錐台形状になっている。作業用開口部26の開口側には、フランジ56が設けられている。
(導体引出棒)
導体引出棒3G、3Tは、基端側が固体絶縁母線1の端子11G、11Tにそれぞれ接続され、先端側が相手機器101(GIS又はトランス)の各接続箇所102に接続される。これにより、固体絶縁母線1の端子11G、11Tが導体引出棒3G、3Tを介して相手機器101の接続箇所102に電気的に接続され、GISとトランスとが固体絶縁母線1を介して電気的に接続される。導体引出棒3G、3Tは、例えば銅で形成されている。
本例では、Tr側の端子11Tと導体引出棒3Tとの接続は、端子11Tの先端部11aを導体引出棒3Tの基端側の端面に形成された挿入穴30に嵌め込むことで行っている。一方、GIS側の端子11Gと導体引出棒3Gとの接続は、端子11Gの面と導体引出棒3Gの基端側の端面とを接触させ、作業用開口部26側から端子11Gに形成された貫通孔112にボルト113を挿通して、導体引出棒3Gをボルト113で固定することで行っている。作業用開口部26は、このボルト113の締結作業を行うために設けられている。
(ブッシング)
ブッシング4G、4Tは、導体引出棒3G、3Tの外周を覆う筒状の部材である。ブッシング4G、4Tには、その長手方向に貫通するように導体引出棒3G、3Tが挿通されている。ブッシング4G、4Tは、例えばエポキシ樹脂で形成されている。本例では、導体引出棒3G、3Tの外周にブッシング4G、4Tを構成するエポキシ樹脂などの樹脂材料をモールドして、導体引出棒3G、3Tに対してブッシング4G、4Tが一体成形されている。
ブッシング4G、4Tの基端側にはそれぞれ、固体絶縁母線1の接続用開口部25G、25Tに嵌め込まれる挿入領域が設けられている。ブッシング4G、4Tの挿入領域の外周面は、各接続用開口部25G、25Tの内周面に対応した形状であり、基端に向かって先細りする円錐台形状に形成されている。ブッシング4G、4Tの挿入領域の外径は、ブッシング4G、4Tが挿入される前の状態における各接続用開口部25G、25Tの内径よりも若干大きい。そのため、ブッシング4G、4Tの基端側を接続用開口部25G、25Tにそれぞれ挿入(圧入)したとき、ブッシング4G、4Tの挿入領域が接続用開口部25G、25T内に圧着状態で固定される。
ブッシング4G、4Tには、外周面から径方向外方に突出するフランジ部45がそれぞれ設けられている。フランジ部45は、ブッシング4G、4Tの挿入領域よりも先端側に位置し、ブッシング4G、4Tの外周面に円環状に形成されている。フランジ部45の外周面は、固体絶縁母線1の端面(接続用開口部25G、25Tの端面)よりも径方向外方に突出し、かつ、フランジ55の外周面よりも径方向外方に突出している。フランジ部45の基端側の端面には、フランジ55が取り付けられると共に、先端側の端面には、後述する取付フランジ8が取り付けられる。本例では、フランジ部45に対してフランジ55及び取付フランジ8をボルトで固定する。また、フランジ部45に対向するフランジ55及び取付フランジ8の各端面には、シール溝が形成されており、各シール溝にシール部材が嵌め込まれている。これにより、フランジ部45とフランジ55及び取付フランジ8との間から内部に水が浸入することを防止できる。シール部材は、例えばゴム製のOリングである。
本例では、GIS側のブッシング4GとTr側のブッシング4Tとで形状が異なっている。Tr側のブッシング4Tは、フランジ部45を挟んで挿入領域とは反対側の領域が、GIS側のブッシング4Gに比べて長く、その外周に複数の鍔部が長手方向に並んで形成されている。この鍔部により、沿面距離を確保している。
(取付フランジ)
取付フランジ8は、ブッシング4G、4Tの各フランジ部45と相手機器101の各筐体104との間に介在される円環状の部材であり、例えば黄銅で形成されている。取付フランジ8の外周面は、フランジ部45の外周面よりも径方向外方に突出している。また、筐体104に対向する取付フランジ8の端面には、シール溝が形成されており、シール溝にシール部材が嵌め込まれている。これにより、筐体104と取付フランジ8との間から内部に水が浸入することを防止できる。シール部材は、例えばゴム製のOリングである。
(その他)
固体絶縁母線1のGIS側端部1Gに形成された作業用開口部26には、絶縁栓7が嵌め込まれる。絶縁栓7は、作業用開口部26の内周面に対応した形状であり、作業用開口部26の底側に向かって先細りする円錐台形状に形成されている。絶縁栓7の外径は、絶縁栓7が挿入される前の状態における作業用開口部26の内径よりも若干大きい。そのため、絶縁栓7を作業用開口部26に挿入(圧入)したとき、絶縁栓7が作業用開口部26内に圧着状態で固定される。
作業用開口部26に設けられたフランジ56には、蓋6が取り付けられ、蓋6によって作業用開口部26内が密封される。蓋6は、円板状の部材であり、例えば黄銅で形成されている。本例では、フランジ56に対して蓋6をボルトで固定する。また、蓋6に対向するフランジ56の端面には、シール溝が形成されており、シール溝にシール部材が嵌め込まれている。これにより、蓋6とフランジ56との間から内部に水が浸入することを防止できる。シール部材は、例えばゴム製のOリングである。
絶縁栓7には、端子11Gと導体引出棒3Gとを接続するボルト113の近傍、及び蓋6の近傍に、埋込電極71、72がそれぞれ埋設されている。
《効果》
上述した実施形態の固体絶縁母線1は、導体10の外周面10oと絶縁体20の内周面20iとの間に隙間2Cが形成されていることで、導体10の外周面10oに絶縁体20が密着しておらず、導体10と絶縁体20との独立した挙動を許容する。そのため、固体絶縁母線1を曲げる際に絶縁体20に対する導体10の長手方向への動きが許容されることから、曲げ易い。よって、固体絶縁母線1は可とう性に優れる。
上述した実施形態の固体絶縁母線1の製造方法は、導体10と絶縁体20とを別々に用意し、絶縁体20内に導体10を挿入することにより、固体絶縁母線1を製造する。絶縁体20の内周の断面寸法が導体10の断面寸法よりも大きいことから、導体10の外周面10oと絶縁体20の内周面20iとの間に隙間2Cを有し、導体10を絶縁体20内に隙間2Cをあけて配置することができる。そのため、導体10の外周面10oに絶縁体20が密着することがなく、固体絶縁母線1を曲げる際に絶縁体20に対する導体10の長手方向への動きが許容されることから、曲げ易い。よって、可とう性に優れる固体絶縁母線1を製造できる。
〈変形例1〉
図4を参照して、変形例1に係る固体絶縁母線1について説明する。変形例1では、絶縁体20における内部半導電層21の内周面20iの角部21cの曲率半径が2mm以上である形態を示す。
図4に示す内部半導電層21は、長手方向に直交する断面において内周面20iの各角部21cが丸められている。図4に示す例では、内周面20iの角部21cを丸めるために、図2に示すものと比べて、内周面20iのうち、導体10の外周面10oの長辺に対向する長辺側の面を延長している。そのため、外周面10oの長辺とそれに対向する内周面20iの長辺との間に形成される長辺側の隙間2Cの大きさと、外周面10oの短辺とそれに対向する内周面20iの短辺との間に形成される短辺側の隙間2Cの大きさとが異なっている。具体的には、短辺側の隙間2Cが長辺側の隙間2Cよりも大きい。図4に示す導体10の断面形状及び断面寸法は、図2に示すものと同じである。
図4に示す内部半導電層21における内周面20iの角部21cの曲率半径は2mm以上、更に5mm以上である。角部21cの曲率半径が2mm以上であることで、導体10に電圧を印加したときに内周面20iに発生する電界が角部21cに集中することを低減できる。これにより、電界集中に起因する角部21cでの絶縁破壊を抑制できる。よって、絶縁体20にかかる電界ストレスを効果的に緩和することができる。角部21cの曲率半径の上限値は、例えば15mm以下、更に12mm以下であることが挙げられる。角部21cの曲率半径を大きくするほど、隙間2Cが大きくなるため、絶縁体20の内周(挿入孔200)の断面寸法が大きくなる場合がある。角部21cの曲率半径が15mm以下であれば、絶縁体20の内周の断面寸法を小さくでき、延いては絶縁体20全体の断面寸法を小さくできる。
図4に示す内部半導電層21の形成は、例えば次のように行う。内部半導電層21の射出成形に用いる金型において、内周面20i(挿入孔200)を形成する中子の外周面の角部を丸めておく。具体的には、中子の外周面の角部の曲率半径を、内周面20iの角部21cの曲率半径に合わせて2mm以上15mm以下とする。これにより、内部半導電層21の内周面20iに、曲率半径が2mm以上15mm以下の角部21cを形成できる。
〈変形例2〉
図5を参照して、変形例2に係る固体絶縁母線1について説明する。変形例2では、絶縁体20における内部半導電層21の内周面20i側に長手方向に沿って配置される導電層21eを有する形態を示す。
図5に示す内部半導電層21は、内部半導電層21の内周面20i側に導電層21eが配置されている。導電層21eの構成材料の導電率は、内部半導電層21を構成する半導電性ゴム材料の導電率よりも高い。図5に示す導電層21eは筒状の金属メッシュで形成されている。筒状の金属メッシュは、複数の金属線を筒状に編んだものである。金属線は、銅線、錫メッキ銅線、銅合金線などの導電性金属線で形成されている。導電層21eは内部半導電層21に一体化されている。図5に示す例では、導電層21eを構成する金属メッシュの網目に内部半導電層21を構成する半導電性ゴム材料が入り込んでおり、導電層21e全体が内部半導電層21の内周面20i側に埋め込まれている。また、図4に示す変形例1と同じように、内部半導電層21の内周面20iの各角部21cが丸められている。角部21cの曲率半径は、例えば1mm以上15mm以下、更に2mm以上12mm以下であることが挙げられる。
導電層21eが長手方向(図5の紙面前後方向)に沿って配置されていることで、導電層21eによって内部半導電層21の内周面20iの電位が長手方向に一様になり、長手方向の中央での電位を低減できる。そのため、電界分布の不均一に起因する中央での絶縁破壊を抑制できる。よって、絶縁体にかかる電界ストレスを効果的に緩和することができ、絶縁体の絶縁特性がより向上する。
導電層21eの長手方向の配置長さは、例えば、導体10の長さの50%以上、更に60%以上であることが挙げられる。導体10の長さは、図1に示す端子11Gの取り付け位置から端子11Tの取り付け位置までの長さとする。導電層21eの長手方向の配置長さが、導体10の長さの50%以上であることで、内部半導電層21の内周面20iにおける長手方向の中央での電位を十分に低減できる。導電層21eは、導体10の全長の範囲にわたって配置されていてもよい。
図5に示す内部半導電層21の形成は、例えば次のように行う。内部半導電層21の射出成形に用いる金型において、内周面20i(挿入孔200)を形成する中子の外周面に筒状の金属メッシュを被せた状態で、内部半導電層21を成形する。これにより、内部半導電層21の形成と同時に、内部半導電層21の内周面20i側に導電層21eを形成できる。内部半導電層21の成形時、金属メッシュの網目に内部半導電層21を構成する半導電性ゴム材料が入り込み、導電層21eが内部半導電層21の内周面20i側に埋め込まれた状態になる。導電層21eの表面は内部半導電層21の内周面20iに覆われている。そのため、絶縁体20に導体10を挿入する挿入工程において、導電層21eを構成する金属メッシュの表面が内部半導電層21の内周面20iから露出していないので、絶縁体20内に導体10を挿入し易い。
また、中子の外周面に筒状の金属メッシュを被せて導電層21eを形成する場合、中子の外周面の角部を丸めておくと、中子の外周面に金属メッシュを密着させ易くなる。これにより、内部半導電層21の成形時に導電層21eの角部に皺が発生し難くなるなど、内部半導電層21の内周面21iに沿って導電層21eを形成し易くなる。中子の外周面の角部の曲率半径は1mm以上、好ましくは2mm以上とすることが挙げられる。この場合、内部半導電層21の内周面20iに、曲率半径が1mm以上、更には2mm以上の角部21cが形成されることになる。
[試験例1]
実施形態で説明した固体絶縁母線1(図1、図2参照)の試料(No.1)、変形例1で説明した固体絶縁母線1(図4参照)の試料(No.1A)、変形例2で説明した固体絶縁母線1(図5参照)の試料(No.1B)を作製し、それぞれについて耐電圧試験を行った。各試料での導体の仕様は同じとした。
(導体)
導体の構成:銅の平編組線を重ね合わせたもの
導体の断面形状:矩形状
導体の断面寸法:厚さ25mm×幅53mm
導体の長さ:79cm
試料No.1では、内部半導電層の内周面の角部の曲率半径を0.5mmとした。試料No.1A、No.1Bでは、内部半導電層の内周面の角部の曲率半径を10mmとした。試料No.1Bでは、錫メッキ銅線からなる筒状の金属メッシュで導電層を形成し、導電層は導体の全長の範囲にわたって配置した。
試料No.1、No.1A、No.1Bの固体絶縁母線について、雷インパルス耐電圧試験を実施し、雷インパルス電圧を印加して絶縁破壊したときの破壊電圧を測定した。その結果、試料No.1での破壊電圧Vを100%とするとき、試料No.1Aの破壊電圧VはVの125%、試料No.1Bの破壊電圧VはVの130%であった。この結果から、試料No.1A、No.1Bはそれぞれ、試料No.1に比較して絶縁特性が向上することを確認した。
本発明は、上述した実施形態の固体絶縁母線1に限定されるものではない。図1、図3に示す固体絶縁母線1及び接続構造100において、GIS側及びTr側の端子11G、11Tや導体引出棒3G、3Tなどの形状を変更することが可能である。例えば、固体絶縁母線1のGIS側端部1GとTr側端部1Tとを入れ替えて、端部1G(端子11G)をトランスに接続する方とし、端部1T(端子11T)をGISに接続する方とすることも可能である。つまり、GIS側を端子11Tと導体引出棒3Tとの組み合わせとし、トランス側を端子11Gと導体引出棒3Gとの組み合わせとする。この場合、固体絶縁母線1の端子11Tが導体引出棒3Tを介してGISの接続箇所102に接続されると共に、端子11Gが導体引出棒3Gを介してトランスの接続箇所102に接続されるように、接続構造100を構成する。
1 固体絶縁母線
1G GIS側端部
1T Tr側端部
10 導体
10o 外周面
11G、11T 端子
11b 基部
11a 先端部
112 貫通孔
113 ボルト
20 絶縁体
20i 内周面
200 挿入孔
21 内部半導電層
21c 角部
21e 導電層
22 絶縁層
23 外部半導電層
23e 端部
23m 中間部
25G、25T 接続用開口部
26 作業用開口部
2C、2C、2C 隙間
3G、3T 導体引出棒
30 挿入穴
4G、4T ブッシング
45 フランジ部
55、56 フランジ
6 蓋
7 絶縁栓
71、72 埋込電極
8 取付フランジ
100 固体絶縁母線の接続構造
101 相手機器
102 接続箇所
104 筐体

Claims (7)

  1. 長尺で可とう性を有する導体と、
    前記導体の外周を覆うと共に、可とう性を有する筒状の絶縁体と、
    前記導体の外周面と前記絶縁体の内周面との間に形成される隙間と、を備える固体絶縁母線。
  2. 前記導体が編組線で形成されている請求項1に記載の固体絶縁母線。
  3. 前記絶縁体がゴム材料で形成されている請求項1又は請求項2に記載の固体絶縁母線。
  4. 前記絶縁体は、内側から外側に向かって順に、内部半導電層、絶縁層、外部半導電層を有する請求項1から請求項3のいずれか1項に記載の固体絶縁母線。
  5. 前記内部半導電層の内周面の角部の曲率半径が2mm以上である請求項4に記載の固体絶縁母線。
  6. 前記内部半導電層の内周面側に長手方向に沿って配置される導電層を有する請求項4又は請求項5に記載の固体絶縁母線。
  7. 長尺で可とう性を有する導体を用意する工程と、
    可とう性を有する筒状の絶縁体を用意する工程と、
    前記絶縁体の一端側から前記絶縁体内に前記導体を挿入して、前記導体の外周を前記絶縁体で覆う工程と、を備え、
    前記絶縁体の内周の断面寸法が前記導体の断面寸法よりも大きく、前記絶縁体内に前記導体を挿入した状態で前記導体の外周面と前記絶縁体の内周面との間に隙間を有する固体絶縁母線の製造方法。
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