JP2019203753A - 転がり軸受の診断方法、及び転がり軸受の診断装置 - Google Patents

転がり軸受の診断方法、及び転がり軸受の診断装置 Download PDF

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慎太郎 辻
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幹央 野▲崎▼
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【課題】転がり軸受に発生する可能性のある潤滑異常を早期に検出でき、検出精度を高める。【解決手段】転がり軸受の診断方法は、次のとおりである。回転する転がり軸受30の振動をセンサ11が計測して当該振動に応じた信号を出力する。前記信号に基づく波形データをフーリエ変換して周波数毎のレベルを示す第一データを生成すると共に、当該波形データをケプストラム演算してケフレンシ毎のレベルを示す第二データを生成する処理を、所定時間毎に繰り返して行う。前記第一データ及び前記第二データが生成される毎に、当該第一データにおける前記レベルの第一ピーク値、及び、当該第二データにおける前記レベルの第二ピーク値を、それぞれの閾値と比較する。前記第一ピーク値と前記第二ピーク値とのうちの少なくとも一方がそれぞれの前記閾値を超えると、異常判定信号を生成する。【選択図】 図1

Description

本発明は、転がり軸受の診断方法、及び転がり軸受の診断装置に関する。
転がり軸受は、外輪、内輪、これら外輪と内輪との間に設けられた複数の転動体、及び複数の転動体を保持する保持器を備える。転がり軸受では、構成部材同士の接触による振動発生、更には、過度の昇温及び転動体の焼付き等の不具合発生を防止するために、潤滑油が与えられる。回転が継続すると潤滑油が消費され、やがて潤滑油が不足し、転がり軸受に振動が発生しやすくなる。例えば、潤滑油が充分であり転がり軸受の構成部材間に適切な油膜が形成されている間は、振動が発生し難いが、潤滑油が不足して油膜が途切れると、振動が発生する。
前記のような不具合発生を防ぐために、転がり軸受等の振動をセンサによって検知する方法が知られている。従来、加速度センサから出力される実効値を監視し、実効値の振幅に著しい変化が現れると潤滑油を追加する。これにより、正常な潤滑状態に復帰させる。なお、特許文献1には、センサの計測結果を解析して診断を行なう方法が開示されている。
特開平8−261817号公報
前記のとおりセンサの実効値に基づいて潤滑油を追加しても、正常な潤滑状態に迅速に復帰させることができない場合がある。これは、例えば、センサの実効値の振幅に著しい変化が現れる前から、油膜切れが発生している場合があり、遅れて潤滑油を追加しても、すぐにはその油膜切れを解消できないことが理由の一つとして考えられる。また、特許文献1の方法を転がり軸受の診断に適用した場合、転がり軸受の構成部材の回転に伴う振動ノイズ等によって精度が低くなる。このように、従来の方法では、潤滑異常の検出が遅れる場合があり、また、検出精度が低いという問題点がある。
そこで、本発明は、転がり軸受に発生する可能性のある潤滑異常を早期に検出でき、検出精度を高めることを目的とする。
本発明の転がり軸受の診断方法は、回転する転がり軸受の振動をセンサが計測して当該振動に応じた信号を出力し、前記信号に基づく波形データをフーリエ変換して周波数毎のレベルを示す第一データを生成すると共に、当該波形データをケプストラム演算してケフレンシ毎のレベルを示す第二データを生成する処理を、所定時間毎に繰り返して行い、前記第一データ及び前記第二データが生成される毎に、当該第一データにおける前記レベルの第一ピーク値、及び、当該第二データにおける前記レベルの第二ピーク値を、それぞれの閾値と比較し、前記第一ピーク値と前記第二ピーク値とのうちの少なくとも一方がそれぞれの前記閾値を超えると、異常判定信号を生成する。
この診断方法によれば、フーリエ変換を用いた解析と、ケプストラム演算を用いた解析とが併用されることで、転がり軸受に発生する可能性のある潤滑異常を早期に検出でき、検出精度を高めることができる。
また、前記診断方法では、前記第一データのうちの一部である所定周波数帯に含まれる周波数毎のレベルが、前記閾値との比較の対象であり、前記第二データのうちの一部である所定ケフレンシ帯に含まれるケフレンシ毎のレベルが、前記閾値との比較の対象であるのが好ましい。この場合、第一データ及び第二データそれぞれにおいて、無駄な範囲が比較の対象とならないため、処理の速度をより一層早めることが可能となる。
また、前記診断方法では、前記所定周波数帯を設定するための予備試験が予め行われ、前記予備試験では、前記転がり軸受の回転初期に前記センサから出力された信号に基づき波形データを生成し、当該波形データをフーリエ変換して周波数毎のレベルを示す第一基礎データを生成し、前記回転初期から所定時間経過後に前記センサから出力された信号に基づき波形データを生成し、当該波形データをフーリエ変換して周波数毎のレベルを示す第一比較対象データを生成し、前記第一基礎データを基準として前記第一比較対象データ中で前記レベルが大きく変化したか否かを判定し、大きく変化したと判定された場合に、当該第一比較対象データからピーク値を有する特定周波数を抽出し、当該特定周波数を含む所定範囲を前記所定周波数帯として設定するのが好ましい。このように予備試験を予め行なうことで、その後の転がり軸受の診断方法を精度良く行なうことが可能となる。
また、前記診断方法では、前記所定ケフレンシ帯を設定するための予備試験が予め行われ、前記予備試験では、前記転がり軸受の回転初期に前記センサから出力された信号に基づき波形データを生成し、当該波形データをケプストラム演算してケフレンシ毎のレベルを示す第二基礎データを生成し、前記回転初期から所定時間経過後に前記センサから出力された信号に基づき波形データを生成し、当該波形データをケプストラム演算してケフレンシ毎のレベルを示す第二比較対象データを生成し、前記第二基礎データを基準として前記第二比較対象データ中で前記レベルが大きく変化したか否かを判定し、大きく変化したと判定された場合に、当該第二比較対象データからピーク値を有する特定ケフレンシを抽出し、当該特定ケフレンシを含む所定範囲を前記所定ケフレンシ帯として設定する方法とすることができる。このように予備試験を予め行なうことで、その後の転がり軸受の診断方法を精度良く行なうことが可能となる。
または、前記転がり軸受は、当該転がり軸受の転動体を保持する保持器が固定輪によってガイドされる形式の軸受であり、前記所定ケフレンシ帯を設定するための予備演算が予め行われ、前記予備演算では、前記保持器の回転周波数を推定し、当該回転周波数に相当する値を含む所定範囲を前記所定ケフレンシ帯として設定する方法とすることができる。この場合、前記第一データのうちの一部である所定周波数帯については前記予備試験の結果に基づいて設定され、前記第二データのうちの一部である所定ケフレンシ帯については、予備試験ではなく、予備演算の結果に基づいて設定される。つまり、所定ケフレンシ帯の設定のための予備試験を不要とすることが可能となる。
また、前記診断方法では、第一時間帯において前記センサからの信号を取得して前記波形データを取得し、前記第一時間帯の後の第二時間帯に、前記波形データについてフーリエ変換とケプストラム演算とのうちの少なくとも一方を行って前記第一データと前記第二データとのうちの少なくとも一方を生成し、前記閾値との比較を行ない、前記第二時間帯と重なる時間帯に、前記センサから信号を取得して前記波形データを取得するのが好ましい。この方法によれば、フーリエ変換とケプストラム演算とのうちの一方の演算、及び閾値との比較を行なう第二時間帯に、別の波形データをセンサからの信号に基づいて取得することができる。このため、例えば、第二時間帯において転がり軸受に潤滑異常が発生して振動が大きくなっている場合に、その異常発生を取り逃がす(見過ごす)のを防ぐことが可能となる。
また、本発明の転がり軸受の診断装置は、転がり軸受の振動を計測して当該振動に応じた信号を出力するセンサと、前記信号に基づく波形データをフーリエ変換して周波数毎のレベルを示す第一データを生成すると共に、当該波形データをケプストラム演算してケフレンシ毎のレベルを示す第二データを生成する処理を、所定時間毎に繰り返して行なう演算処理部と、前記第一データ及び前記第二データが生成される毎に、当該第一データにおける前記レベルの第一ピーク値、及び、当該第二データにおける前記レベルの第二ピーク値を、それぞれの閾値と比較し、当該第一ピーク値と当該第二ピーク値とのうちの少なくとも一方がそれぞれの前記閾値を超えると、異常判定信号を生成する、比較処理部と、を備える。
この診断装置によれば、フーリエ変換を用いた解析と、ケプストラム演算を用いた解析とが併用されることで、転がり軸受に発生する可能性のある潤滑異常を早期に検出でき、検出精度を高めることができる。
本発明によれば、転がり軸受に発生する可能性のある潤滑異常を早期に検出でき、検出精度を高めることができる。この結果、潤滑異常が検出されると(異常判定信号が生成されると)、例えば潤滑油の追加供給を行なうことで潤滑異常を解消し、軸受寿命を延ばすことが可能となる。
本発明の診断装置の一例を示す概略構成図である。 回転初期に得られた波形データの説明図である。 第一データの一例を示す説明図である。 第二データの一例を示す説明図である。 回転初期から所定時間経過後に得られた波形データの説明図である。 第一データの一例を示す説明図である。 第二データの一例を示す説明図である。 診断方法を示すフロー図である。 転がり軸受の回転初期から時間経過毎に得られた波形データに基づいて算出された第一ピーク値及び第二ピーク値の推移を示す説明図である。 診断方法の第一の形態の説明図である。 診断方法の第二の形態の説明図である。 予備試験のフロー図である。 予備試験のフロー図である。
〔全体構成について〕
図1は本発明の診断装置の一例を示す概略構成図である。診断装置10は、転がり軸受30における異常を検出する。このために、診断装置10は、センサ11と、センサ11からの信号に基づいて各種演算処理を含む制御を行なう制御ユニット12とを備える。本実施形態では、転がり軸受30と診断装置10とが一体となって軸受装置7が構成される。軸受装置7は、更に潤滑油を吐出するポンプ14及びこの吐出のための潤滑油を溜めるタンク15を含む給油ユニット13を備える。制御ユニット12は、ポンプ14に指令信号を出力する機能を更に有する。ポンプ14は前記指令信号に基づいて潤滑油を転がり軸受30に向かって吐出する(噴射する)。診断装置10及び給油ユニット13は、転がり軸受30の軸方向隣に設けられる間座16に設置される。
転がり軸受30は、外輪31、内輪32、これら外輪31と内輪32との間に設けられている複数の転動体33、複数の転動体33を保持する環状の保持器34を備える。図1に示される形態では、転動体33が玉であり、転がり軸受30は玉軸受である。なお、転動体33は、玉以外に円筒ころや円すいころ等であってもよい。本実施形態では、内輪32が図外の軸と共に回転する回転輪である。保持器34は複数の転動体33を周方向に間隔をあけて保持する。保持器34が有する円環状の環状部35の外周面35aは、外輪31の内周面の一部に滑り接触する。これにより、保持器34の回転は固定輪となる外輪31によってガイドされる。
〔診断装置10について〕
診断装置10は、前記のとおりセンサ11と制御ユニット12とを備える。センサ11は、例えば加速度センサ(圧電型加速度ピックアップ)であり、外輪31の振動を計測し、振動の大きさに応じた信号を出力する。前記のとおりセンサ11が間座16に設置されることから、センサ11は間座16を通じて外輪31の振動を計測する。センサ11は、転がり軸受30(外輪31)の振動を計測してこの振動に応じた信号を制御ユニット12に出力する。
制御ユニット12は、メモリ等を含むマイコンによって構成される。制御ユニット12は、マイコンが保存するコンピュータプログラムにしたがって、各種演算処理を行なう機能及びポンプ14を制御する機能を有する。これらの機能を有する機能部として、制御ユニット12は、演算処理部21、比較処理部22、及び給油制御部23を有する。なお、制御ユニット12は、転がり軸受30と別に設けられてもよく、この場合、制御ユニット12はコンピュータによって構成されてもよい。
演算処理部21は、センサ11からの信号に基づいて波形データを取得する。図2には、転がり軸受30が回転を開始し始めた回転初期に得られた波形データD1が示されている。波形データD1は、センサ11からの出力の加速度波形の時間変化を示すデータ(時間波形のデータ)である。演算処理部21は、波形データD1をフーリエ変換(高速フーリエ変換)する機能、及び波形データD1をケプストラム演算する機能を有する。フーリエ変換は、波形データD1をスペクトル解析する処理である。演算処理部21は、波形データD1をフーリエ変換することで、周波数毎のレベル(スペクトルのレベル)を示す第一データD11を生成する。第一データD11の一例が図3に示される。ケプストラム演算は、波形データD1(図2参照)をフーリエ変換してパワースペクトルを求め、その対数データを再度フーリエ変換する処理である。演算処理部21は、波形データD1をケプストラム演算することで、ケフレンシ毎のレベル(ケプストラムのレベル)を示す第二データD12を生成する。第二データD12の一例が図4に示される。演算処理部21は、前記のように、波形データD1を取得し、この波形データD1を各種演算して第一データD11及び第二データD12を生成する処理を、所定のサンプリング周波数で、所定時間毎に繰り返して行なう。
前記処理が繰り返し実行され、回転初期から所定時間経過後(例えば3時間経過後)に得られた波形データD2が、図5に示される。演算処理部21は、この波形データD2をフーリエ変換して周波数毎のレベルを示す第一データD21を生成する。この第一データD21の一例が図6に示される。また、演算処理部21は、前記波形データD2をケプストラム演算してケフレンシ毎のレベルを示す第二データD22を生成する。第二データD22が図7に示される。
比較処理部22は、第一データD11(D21)が生成される毎に、この第一データD11(D21)におけるスペクトルのレベルの第一ピーク値を、第一閾値A1と比較する機能を有する。例えば、図6に示される第一データD21の場合、周波数f3にスペクトルのピークが生じていることから、このピークの値が第一ピーク値L1に設定され、この第一ピーク値L1が第一閾値A1と比較される。また、比較処理部22は、第二データD12(D22)が生成される毎に、この第二データD12(D22)におけるケプストラムのレベルの第二ピーク値を、第二閾値A2と比較する機能を有する。例えば、図7に示される第二データD22の場合、ケフレンシq3にケプストラムのピークが生じていることから、このピークの値が第二ピーク値L2に設定され、この第二ピーク値L2が第二閾値A2と比較される。比較処理部22は、更に、異常判定信号を生成する機能を有する。異常判定信号の生成条件は、前記比較の結果、第一ピーク値L1と第二ピーク値L2とのうちの少なくとも一方が、それぞれの閾値(A1,A2)を超えている場合である。比較処理部22が行なう処理については、後の診断方法においても説明する。
給油制御部23は、ポンプ14が行なう潤滑油の吐出動作を制御する。具体的に説明すると、比較処理部22が前記異常判定信号を生成すると、給油制御部23は、指令信号をポンプ14に出力する。すると、ポンプ14は潤滑油を吐出する。
〔診断方法について〕
前記構成を備えた診断装置10によって行われる転がり軸受30の診断方法について説明する。図8は、診断方法を示すフロー図である。回転する転がり軸受30の振動がセンサ11によって常時計測される(図8のステップS1)。演算処理部21は、センサ11の出力信号に基づく波形データを取得する(ステップS2)。例えば、図5において、波形データD2は、時刻t101から時刻t102までの所定時間のデータである。波形データD2が取得されると、演算処理部21は、この波形データD2をフーリエ変換し(ステップS3)、周波数毎のレベルを示す第一データD21(図6参照)を生成する(ステップS4)。
すると、演算処理部21は、第一データD21中の所定周波数帯に含まれる周波数毎のレベルの中から、レベルの最も高いピーク値を有する周波数を抽出する(図8のステップS5)。前記「所定周波数帯」は、後述する予備試験によって設定される。この予備試験については後で説明する。本実施形態では、図6において、周波数f2からf4までの範囲の周波数帯に含まれるデータの中から、レベルの最も高いピーク値(第一ピーク値)L1を有する周波数f3が抽出される。周波数f2からf4までの範囲について一例を挙げると、この範囲の中央値は約40kHzであり、この中央値のプラスマイナス5〜20%の範囲を、前記所定周波数帯とすることができる。
また、演算処理部21は、取得された波形データD2(図8のステップS2)を、ケプストラム演算し(ステップS6)、ケフレンシ毎のレベルを示す第二データD22(図7参照)を生成する(ステップS7)。
すると、演算処理部21は、第二データD22中の所定ケフレンシ帯に含まれるケフレンシ毎のレベルの中から、レベルの最も高いピーク値を有するケフレンシを抽出する(図8のステップS8)。前記「所定ケフレンシ帯」は、後述する予備試験又は予備演算によって設定される。この予備試験及び予備演算については後で説明する。本実施形態では、図7において、ケフレンシq2からq4までの範囲のケフレンシ帯に含まれるデータの中から、レベルの最も高いピーク値(第二ピーク値)L2を有するケフレンシq3が抽出される。ケフレンシq2からq4までの範囲について一例を挙げると、この範囲の中央値は約150Hzであり、この中央値のプラスマイナス5〜20%の範囲を、前記所定ケフレンシ帯とすることができる。
図8のステップS9では、ステップS5で抽出された第一ピーク値L1が第一閾値A1と比較され、ステップS8で抽出された第二ピーク値L2が第二閾値A2と比較される。このステップS9の処理は、比較処理部22(図1参照)によって実行される。第一閾値A1及び第二閾値A2は予め設定された値である。前記比較の結果、次の「条件1」と「条件2」とのうちの少なくとも一方が満たされる場合(図8のステップS9でYesの場合)、比較処理部22は異常判定信号を生成する。
・条件1:第一ピーク値L1>第一閾値A1
・条件2:第二ピーク値L2>第二閾値A2
異常判定信号が生成されると、給油制御部23(図1参照)はポンプ14を動作させる指令信号を出力する。すると、ポンプ14は潤滑油を転がり軸受30に供給する。これに対して、比較の結果、前記「条件1」及び「条件2」の双方が満たされていない場合(図8のステップS9でNoの場合)、前記診断方法のステップS1からステップS9が継続して実行される。
図9は、転がり軸受30の回転初期から時間経過毎に得られた前記波形データに基づいて算出された第一ピーク値L1及び第二ピーク値L2の推移(時系列変化)を示す説明図である。回転初期の時刻t1から第一の所定時間経過後の時刻t100くらいで、第二ピーク値L2が第二閾値A2を超える。回転初期の時刻t1から第二の所定時間経過後の時刻t150くらいで、第一ピーク値L1が第一閾値A1を超える。本実施形態の場合、第二ピーク値L2が、第一ピーク値L1よりも先に閾値(A2)を超え、異常判定信号が生成される。
〔診断方法の二つの形態〕
図10は、図8に示される前記診断方法の第一の形態の説明図である。この第一の形態では、前記のとおり、センサ11による振動計測がされ(図8のステップS1)、波形データが取得されると(ステップS2)、この波形データの解析としてフーリエ変換及びケプストラム演算が行われ第一データ及び第二データが生成される(ステップS3−S5、S6−S8)。この解析により、前記条件1と条件2とのうちの少なくとも一方が満たされている場合、異常判定信号が生成され(ステップS9、S10)、潤滑油が供給される(ステップS11)。図10に示されるように、時系列のデータである前記波形データを生成するために、センサ11からの信号を取得する時間帯がT1(第一時間帯T1、例えば10秒間)である。この第一時間帯T1の後の第二時間帯T2において、生成された波形データの解析が実行される。解析の結果、つまり、前記条件1及び前記条件2を用いた判定の結果、異常判定信号が生成されない場合、第二時間帯T2の後の第三時間帯T3において、再び、時系列のデータである波形データを生成するために、センサ11からの信号が取得される。
図11は、図8に示される前記診断方法の第二の形態の説明図である。この第二の形態では、第一の系統にて、前記のとおり、センサ11による振動計測がされ(図8のステップS1)、波形データが取得されると(ステップS2)、この波形データの解析としてフーリエ変換及びケプストラム演算が行われ第一データ及び第二データが生成される(ステップS3−S5、S6−S8)。図11に示されるように、時系列のデータである前記波形データを生成するために、センサ11からの信号を取得する時間帯がT1(第一時間帯T1)である。この第一時間帯T1の後の第二時間帯T2において、生成された波形データの解析が実行される。以上の点では、前記第一の形態と同じである。第二の形態では、第二の系統にて、第二時間帯T2において、第一時間帯T1で取得した波形データ(第一波形データ)の次の時系列のデータである波形データ(第二波形データ)を生成するために、センサ11からの信号を取得する。つまり、第二時間帯T2では、波形データの解析と、波形データの生成のためのセンサ11からの信号の取得とが、並行する(同時演算処理)。そして、第二時間帯T2の後の第三時間帯T3において、第二の系統では、波形データの解析として、第二時間帯T2で取得された第二波形データについてフーリエ変換及びケプストラム演算が行われ第一データ及び第二データが生成される。また、第一の系統では、第三時間帯T3にて、第一の形態と同様、更に後の波形データ(第三波形データ)を生成するために、センサ11からの信号が取得される。そして、各解析により、前記条件1と条件2とのうちの少なくとも一方が満たされている場合、異常判定信号が生成され、潤滑油が供給される。
図10に示される第一の形態では、波形データの取得と波形データの解析とが交互に実行される(一系統の診断方法)。これに対して、図11に示される第二の形態では、波形データの取得と波形データの解析とが交互に実行される診断方法が、二系統で行われる。つまり、第二の形態では、第一の系統の波形データの取得と並行して、第二の系統の波形データの解析が実行され、第一の系統の波形データの解析と並行して、第二の系統の波形データの取得が実行される。なお、図11では、第一の系統と第二の系統との間で、振動波形取得と波形解析とが同じ時間であるように記載されているが、波形解析に要する時間は振動波形取得の時間と異なっていてもよい。よって、例えば、振動波形取得の時間中に、波形解析が開始され終了されていればよい。
〔予備試験について(所定周波数帯の設定)〕
フーリエ変換により得られた第一データD21(図6参照)の中から第一ピーク値L1を抽出する際(図8のステップS5)、前記のとおり第一データD21のうちの一部である「所定周波数帯(f2〜f4)」が抽出範囲の対象とされる。この所定周波数帯(f2〜f4)を設定するために、前記診断方法の前に予備試験が予め行われる。図12は、この予備試験のフロー図である。
予備試験では、転がり軸受30の回転初期にセンサ11から出力された信号に基づき波形データを生成する(図12のステップS51)。この波形データは、図2に示される波形データD1と同様となる。この波形データをフーリエ変換して周波数毎のレベルを示す第一基礎データを生成する(ステップS52)。この第一基礎データは、図3に示される第一データD11と同様となる。回転初期では、転がり軸受30において潤滑油が充分に存在し、油膜切れ(潤滑異常)は発生していない。
前記回転初期から所定時間経過後にセンサ11から出力された信号に基づき波形データを生成する(ステップS53)。ここで、生成された波形データは、図5に示される波形データD2と同様になったとする。この波形データをフーリエ変換して周波数毎のレベルを示す第一比較対象データを生成する(ステップS54)。この第一比較対象データは、図6に示される第一データD21と同様となる。この所定時間経過後では、転がり軸受30において潤滑油が消費され、油膜切れが発生する可能性が高い。なお、前記各波形データ、第一基礎データ、及び第一比較対象データの生成は、演算処理部21によって行われる。
第一基礎データ(図3参照)を基準として、第一比較対象データ(図6参照)中でスペクトルのレベルが大きく変化したか否かが判定される(ステップS55)。例えば、第一比較対象データ(図6参照)中のスペクトルのレベルが、第一基礎データ(図3参照)中のスペクトルのレベルと比較して、閾値を超えて大きく変化したか否かの判定が行われる。なお、このスペクトルのレベルの比較は、同じ周波数帯において行われる。結果、大きく変化したと判定された場合に(ステップS55でYesの場合)、第一比較対象データ(図6参照)からピーク値を有する特定周波数を抽出する(ステップS56)。本実施形態では、周波数f3が特定周波数として抽出される。この特定周波数(f3)を含む所定範囲が、前記「所定周波数帯(f2〜f4)」として設定される(ステップS57)。例えば、特定周波数(f3)のプラスマイナス20%の範囲が、前記所定周波数帯(f2〜f4)として設定される。なお、ステップS55〜S57の処理は、比較処理部22によって実行される。
〔予備試験について(所定ケフレンシ帯の設定)〕
ケプストラム演算により得られた第二データD22(図7参照)の中から第二ピーク値L2を抽出する際(図8のステップS8)、前記のとおり第二データD22のうちの一部である「所定ケフレンシ帯(q2〜q4)」が抽出範囲の対象とされる。この所定ケフレンシ帯(q2〜q4)を設定するために、前記診断方法の前に予備試験が予め行われる。図13は、この予備試験のフロー図である。
予備試験では、転がり軸受30の回転初期にセンサ11から出力された信号に基づき波形データを生成する(図13のステップS61)。この波形データは、図2に示される波形データD1と同様となる。この波形データをケプストラム演算してケフレンシ毎のレベルを示す第二基礎データを生成する(ステップS62)。この第二基礎データは、図4に示される第二データD12と同様となる。この回転初期では、転がり軸受30において潤滑油が充分に存在し、油膜切れ(潤滑異常)は発生していない。
前記回転初期から所定時間経過後にセンサ11から出力された信号に基づき波形データを生成する(ステップS63)。ここで、生成された波形データは、図5に示される波形データD2と同様になったとする。この波形データをケプストラム演算してケフレンシ毎のレベルを示す第二比較対象データを生成する(ステップS64)。この第二比較対象データは、図7に示される第二データD22と同様となる。この所定時間経過後では、転がり軸受30において潤滑油が消費され、油膜切れが発生する可能性が高い。なお、前記各波形データ、第二基礎データ、及び第二比較対象データの生成は、演算処理部21によって行われる。
前記第二基礎データ(図4参照)を基準として、この第二比較対象データ(図7参照)中でケプストラムのレベルが大きく変化したか否かが判定される(ステップS65)。例えば、第二比較対象データ(図7参照)中のケプストラムのレベルが、第二基礎データ(図4参照)中のケプストラムのレベルと比較して、閾値を超えて大きく変化したか否かの判定が行われる。なお、このケプストラムのレベルの比較は、同じケフレンシ帯において行われる。結果、大きく変化したと判定された場合に(ステップS65でYesの場合)、第二比較対象データ(図7参照)からピーク値を有する特定ケフレンシを抽出する(ステップS66)。本実施形態では、ケフレンシq3が特定ケフレンシとして抽出される。この特定ケフレンシ(q3)を含む所定範囲が、前記「所定ケフレンシ帯(q2〜q4)」として設定される(ステップS67)。例えば、特定ケフレンシ(q3)のプラスマイナス20%の範囲が、前記所定ケフレンシ帯(q2〜q4)として設定される。なお、ステップS65〜S67の処理は、比較処理部22によって実行される。
〔予備演算について(所定ケフレンシ帯の設定)〕
所定ケフレンシ帯(q2〜q4)の設定は、前記予備試験ではなく、次に説明する予備演算に基づいて行われてもよい。所定ケフレンシ帯(q2〜q4)を設定するために、前記診断方法の前に予備演算が予め行われる。
この予備演算では、転がり軸受30(図1参照)の保持器34の回転周波数(公転周波数:回転数)が演算によって推定される。本実施形態では、内輪32が回転することから内輪32の回転数に基づいて行われる。内輪32の回転数は、一体に回転する図外の軸の回転数に基づく。軸の回転数は、この軸が含まれる機器の制御装置から取得することができる。又は、前記軸受装置7は、回転数を検出するためのセンサを備えていてもよく、このセンサによって内輪32(又は保持器34)の回転数が求められてもよい。そして、推定された保持器34の回転周波数に相当する値を含む所定範囲が、前記所定ケフレンシ帯として設定される。
保持器34の公転周波数は、内輪32の回転速度、外輪31の回転速度(本実施形態ではゼロ)、転動体33の平均直径、転動体33のピッチ円直径、内輪32及び外輪31に対する転動体33の接触角に基づいて、従来知られている演算式によって求められる。
演算式によって保持器34の公転周波数が求められると、その公転周波数の例えばプラスマイナス20%の範囲が、前記所定ケフレンシ帯として設定される。
このように予備演算が採用される場合、第一データD21(図6参照)のうちの一部である所定周波数帯(f2〜f4)については、図12により説明した予備試験の結果に基づいて設定され、第二データD22(図7参照)のうちの一部である所定ケフレンシ帯(q2〜q4)については、図13により説明した予備試験ではなく、前記予備演算の結果に基づいて設定される。つまり、予備演算が採用される場合、予備試験は不要となる。
ここで、前記のように、予備演算により所定ケフレンシ帯(q2〜q4)の設定が可能となることは、本発明の発明者による鋭意研究の結果により見出された。すなわち、本実施形態の転がり軸受30は(図1参照)、保持器34が固定輪である外輪31によってガイドされる形式である。このような転がり軸受30の場合、潤滑異常による振動発生の原因の一つとして、固定輪となる外輪31と保持器34との接触が挙げられ、発明者はこの点に着目し、前記接触により、ケプストラム演算して得られる解析データのケフレンシにピーク値が生じることを見出した。すなわち、転がり軸受30の回転が継続され、潤滑油が消費されると、保持器34と外輪31との間に形成される油膜が途切れることがある。この場合に、保持器34が外輪31に直接的に接触する。しかも、この接触は周期的な現象となる。そこで、保持器34の公転周波数と、振動発生の周波数とが一致する場合があることに着目し、予備演算の結果により、ケプストラムにピークを有する所定ケフレンシ帯(q2〜q4)の設定が可能となることを見出した。
〔前記実施形態の診断方法について〕
以上より、本実施形態の診断方法は次のようにして実行される。すなわち、回転する転がり軸受30の振動をセンサ11が計測してこの振動に応じた信号を出力する(図8のステップS1)。制御ユニット12は、前記信号に基づく波形データをフーリエ変換して周波数毎のレベルを示す第一データを生成すると共に(ステップS3〜S5)、前記波形データをケプストラム演算してケフレンシ毎のレベルを示す第二データを生成する(ステップS6〜S8)処理を、所定時間毎に繰り返して行う。制御ユニット12は、前記第一データ及び前記第二データが生成される毎に、当該第一データにおけるレベルの第一ピーク値、及び、当該第二データにおけるレベルの第二ピーク値を、それぞれの閾値と比較する(ステップS9)。前記第一ピーク値と前記第二ピーク値とのうちの少なくとも一方がそれぞれの前記閾値を超えると、異常判定信号を生成する(ステップS10)。この診断方法によれば、フーリエ変換を用いた解析と、ケプストラム演算を用いた解析とが併用されることで、転がり軸受30に発生する可能性のある潤滑異常を早期に検出でき、検出精度を高めることができる。この結果、潤滑異常が検出されると(異常判定信号が生成されると)、給油ユニット13及び給油制御部23の機能によって、転がり軸受30に対して潤滑油の追加供給が行われる。よって、潤滑異常が解消され、軸受寿命を延ばすことが可能となる。
また、本実施形態の診断方法では、図6に示されるように、第一データD21のうちの一部である所定周波数帯(f2〜f4)に含まれる周波数毎のレベルが、第一閾値A1との比較の対象である。また、図7に示されるように、第二データD22のうちの一部である所定ケフレンシ帯(q2〜q4)に含まれるケフレンシ毎のレベルが、第二閾値A2との比較の対象である。すなわち、第一データD21の全てが第一閾値A1との比較の対象ではなく、また、第二データD22の全てが第二閾値A2との比較の対象ではない。このため、第一データD21及び第二データD22それぞれにおいて、無駄な範囲が比較の対象とならないため、演算処理部21による処理の速度をより一層早めることが可能となる。
また、本実施形態の診断方法では、図11に示されるように、第一時間帯T1においてセンサ11からの信号を取得して波形データが取得される。この第一時間帯T1の後の第二時間帯T2に、前記波形データについてフーリエ変換とケプストラム演算とのうちの少なくとも一方が行われ(本実施形態では双方が行われ)第一データと第二データとのうちの少なくとも一方が生成され(本実施形態では双方が生成され)閾値(A1,A2)との比較が行われる。この第二時間帯T2と重なる時間帯に、センサ11から信号を取得して波形データが取得される。この方法によれば、フーリエ変換とケプストラム演算、及び閾値との比較を行なう第二時間帯T2に、別の波形データをセンサ11からの信号に基づいて取得することができる。このため、仮に、第二時間帯T2において転がり軸受30に潤滑異常が発生して振動が大きくなっている場合に、その異常発生を取り逃がす(見過ごす)のを防ぐことが可能となる。
今回開示した実施形態はすべての点で例示であって制限的なものではない。本発明の権利範囲は、上述の実施形態に限定されるものではなく、特許請求の範囲の範囲に記載された構成と均等の範囲内でのすべての変更が含まれる。
前記実施形態では(図1参照)センサ11が、外輪31側の間座16に取り付けられた場合について説明したが、外輪31に直接取り付けられていてもよい。
前記実施形態では(図1参照)転がり軸受30に対する給油手段は、潤滑油を吐出する(噴出する)ポンプ14による構成としたが、これ以外であってもよく、例えば、オイルエアの供給による構成であってもよい。
10:診断装置 11:センサ 21:演算処理部
22:比較処理部 30:転がり軸受 31:外輪(固定輪)
33:転動体 34:保持器 A1:閾値
A2:閾値 D1:波形データ D2:波形データ
D11:第一データ D12:第二データ D21:第一データ
D22:第二データ L1:ピーク値 L2:ピーク値
T1:第一時間帯 T2:第二時間帯 T3:第三時間帯

Claims (7)

  1. 回転する転がり軸受の振動をセンサが計測して当該振動に応じた信号を出力し、
    前記信号に基づく波形データをフーリエ変換して周波数毎のレベルを示す第一データを生成すると共に、当該波形データをケプストラム演算してケフレンシ毎のレベルを示す第二データを生成する処理を、所定時間毎に繰り返して行い、
    前記第一データ及び前記第二データが生成される毎に、当該第一データにおける前記レベルの第一ピーク値、及び、当該第二データにおける前記レベルの第二ピーク値を、それぞれの閾値と比較し、
    前記第一ピーク値と前記第二ピーク値とのうちの少なくとも一方がそれぞれの前記閾値を超えると、異常判定信号を生成する、転がり軸受の診断方法。
  2. 前記第一データのうちの一部である所定周波数帯に含まれる周波数毎のレベルが、前記閾値との比較の対象であり、
    前記第二データのうちの一部である所定ケフレンシ帯に含まれるケフレンシ毎のレベルが、前記閾値との比較の対象である、請求項1に記載の転がり軸受の診断方法。
  3. 前記所定周波数帯を設定するための予備試験が予め行われ、
    前記予備試験では、
    前記転がり軸受の回転初期に前記センサから出力された信号に基づき波形データを生成し、当該波形データをフーリエ変換して周波数毎のレベルを示す第一基礎データを生成し、
    前記回転初期から所定時間経過後に前記センサから出力された信号に基づき波形データを生成し、当該波形データをフーリエ変換して周波数毎のレベルを示す第一比較対象データを生成し、
    前記第一基礎データを基準として前記第一比較対象データ中で前記レベルが大きく変化したか否かを判定し、大きく変化したと判定された場合に、当該第一比較対象データからピーク値を有する特定周波数を抽出し、当該特定周波数を含む所定範囲を前記所定周波数帯として設定する、請求項2に記載の転がり軸受の診断方法。
  4. 前記所定ケフレンシ帯を設定するための予備試験が予め行われ、
    前記予備試験では、
    前記転がり軸受の回転初期に前記センサから出力された信号に基づき波形データを生成し、当該波形データをケプストラム演算してケフレンシ毎のレベルを示す第二基礎データを生成し、
    前記回転初期から所定時間経過後に前記センサから出力された信号に基づき波形データを生成し、当該波形データをケプストラム演算してケフレンシ毎のレベルを示す第二比較対象データを生成し、
    前記第二基礎データを基準として前記第二比較対象データ中で前記レベルが大きく変化したか否かを判定し、大きく変化したと判定された場合に、当該第二比較対象データからピーク値を有する特定ケフレンシを抽出し、当該特定ケフレンシを含む所定範囲を前記所定ケフレンシ帯として設定する、請求項2又は3に記載の転がり軸受の診断方法。
  5. 前記転がり軸受は、当該転がり軸受の転動体を保持する保持器が固定輪によってガイドされる形式の軸受であり、
    前記所定ケフレンシ帯を設定するための予備演算が予め行われ、
    前記予備演算では、前記保持器の回転周波数を推定し、
    当該回転周波数に相当する値を含む所定範囲を前記所定ケフレンシ帯として設定する、請求項2に記載の転がり軸受の診断方法。
  6. 第一時間帯において前記センサからの信号を取得して前記波形データを取得し、
    前記第一時間帯の後の第二時間帯に、前記波形データについてフーリエ変換とケプストラム演算とのうちの少なくとも一方を行って前記第一データと前記第二データとのうちの少なくとも一方を生成し、前記閾値との比較を行ない、
    前記第二時間帯と重なる時間帯に、前記センサから信号を取得して前記波形データを取得する、請求項1〜5のいずれか一項に記載の転がり軸受の診断方法。
  7. 転がり軸受の振動を計測して当該振動に応じた信号を出力するセンサと、
    前記信号に基づく波形データをフーリエ変換して周波数毎のレベルを示す第一データを生成すると共に、当該波形データをケプストラム演算してケフレンシ毎のレベルを示す第二データを生成する処理を、所定時間毎に繰り返して行なう演算処理部と、
    前記第一データ及び前記第二データが生成される毎に、当該第一データにおける前記レベルの第一ピーク値、及び、当該第二データにおける前記レベルの第二ピーク値を、それぞれの閾値と比較し、当該第一ピーク値と当該第二ピーク値とのうちの少なくとも一方がそれぞれの前記閾値を超えると、異常判定信号を生成する、比較処理部と、
    を備える、転がり軸受の診断装置。
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