JP2019202296A - 電解水生成装置 - Google Patents
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図1〜図9を用いて、実施の形態1の電解水生成システム1000を説明する。
図1に示されるように、電解水生成システム1000は、水が流れる流路を備えている。電解水生成システム1000に設けられた流路は、幹流路15、上流側の第1の枝流路10A、下流側の第1の枝流路20A、および上流側の第2の枝流路10B、下流側の第2の枝流路20Bによって構成されている。幹流路15は、ポンプPによって送り出された原水を受け入れる。第1の枝流路10Aおよび第2の枝流路10Bは、それぞれ、幹流路15から分岐している。
図1に示されるように、電解水生成システム1000は、制御部CA,CB,CC,CDを備えている。制御部CAは、第1の電解水生成装置100Aを制御する。制御部CBは、第2の電解水生成装置100Bを制御する。制御部CCは、流路変更機構Vを制御する。制御部CDは、ポンプPを制御する。本実施の形態においては、制御部CA,CB,CC,CDは、別個の部品として描かれているが、一体的に形成された1つの部品からなる1つの制御部であってもよい。
図1に示される流路変更機構Vは、制御部CCに制御されることによって、幹流路15から上流側の第1の枝流路10Aへ原水を導く第1の状態および幹流路15から上流側の第2の枝流路10Bへ原水を導く第2の状態のいずれかを選択的に形成する。流路変更機構Vは、本実施の形態においては、1つの三方弁、すなわち流路切替弁であるが、上流側の第1の枝流路10Aおよび上流側の第2の枝流路10Bにそれぞれ設けられた2つの開閉弁であってもよい。この場合、制御部CCは、2つの開閉弁の開閉動作が流路切替弁の流路切替動作と同じになるように、2つの切替弁の開閉動作を制御する。
図2に示される実施の形態1の第1の電解水生成装置100Aおよび第2の電解水生成装置100Bを説明する。第1の電解水生成装置100Aおよび第2の電解水生成装置100Bは、いずれも、複数の電解水生成装置の一例として示されている。したがって、3以上の電解水生成装置のいずれか1つが選択的にかつ順次電解水を生成する生成状態に制御されてもよい。
図2に示されるように、第1の電解水生成装置100Aおよび第2の電解水生成装置100Bの電極ケース102は同一構造を有している。電極ケース102は、アクリル樹脂製である。電極ケース102は、上面が開口している容器構造を有している。
図2および図3に示されるように、第1の電解水生成装置100Aおよび第2の電解水生成装置100Bのそれぞれは、同一の積層構造1を内包している。積層構造1は、給電体1S、陽極1A、陽イオン交換膜5、および陰極1Cを備えている。給電体1Sの一方の主表面上には、プラズマCVD(Chemical Vapor Deposition)法によって、陽極1Aが形成されている。給電体1Sは、ボロンドープ型の導電性ダイヤモンド材料である。陽極1Aの上に陽イオン交換膜5が積層されている。陽イオン交換膜5の上に陰極1Cが積層されている。
図2および図3に示される給電体1Sは、積層構造1の陽極1Aに正の電荷を付与する。給電体1Sは、10mm×50mm×0.5mmの薄肉板状をなしている。給電体1Sの一つの縁部の延出部が、シャフト取付片1SAを構成している。給電体1Sは、チタンからなる。給電体1Sの表面上にプラズマCVD(Chemical Vapor Deposition)法によって、陽極1Aが形成される。給電体1Sは電極ケース102に支持される。シャフト取付片1SAから引き出された給電用シャフト106は、制御部CAまたは制御部CBに電気的に接続される。
図2および図3に示される陽極1Aは、制御部CA,CBからの正の電荷を受けて電解水としてのオゾンの気泡を生成する。陽極1Aは、10mm×50mm×3μmの薄肉板状をなしている。陽極1Aは、ボロンドープ型の導電性ダイヤモンド膜である。
図2および図3に示される陽イオン交換膜5は、陽極1Aと陰極1Cとに挟まれた状態で保持されている。正の電荷は、陽極1Aから陰極1Cへ移動する。陽イオン交換膜5は、10mm×50mm×0.2mmの薄肉板状をなしている。陽イオン交換膜5は、その上面からその下面へ貫通するスリットの膜孔5THを有している。
図2および図3に示される陰極1Cは、陽イオン交換膜5を通過した正の電荷を受けて水素の気泡を生成する。陰極1Cは、10mm×50mm×0.5mmの薄肉板状をなしている。陰極1Cの一つの縁部の延部が、シャフト取付片1SCを構成する。陰極1Cは、陰極1Cの上面から陰極1Cの下面へ貫通するスリット状の陰極孔1CTHを有している。陰極孔1CTHの長手方向は陰極1Cの長手方向と直交する方向である。
図4に示されるように、第1の電解水生成装置100Aおよび第2の電解水生成装置100Bのそれぞれにおいて、陽極1Aと陰極1Cとに電圧が印加されておらず、かつ、原水が流れていないときには、化学的作用はほとんど生じていない。
陽極1A側 3H2O→O3+6H++6e−
2H2O→O2+4H++4e−
陰極1C側 2H2O+2e−→H2+2OH−
つまり、第1の電解水生成装置100Aおよび第2の電解水生成装置100Bのそれぞれにおいては、陽極1Aの近傍で酸素とオゾンが発生し、陰極1Cの近傍で水素が発生する。陽極1Aの近傍でオゾンが発生するか否かは、陽極1Aと陰極1Cとの間に印加される電圧に依存する。本実施の形態においては、陽極1Aと陽イオン交換膜5との界面でオゾンが発生する程度の電圧が陽極1Aと陰極1Cとの間に印加されるものとする。ただし、陽極1Aと陽イオン交換膜5との界面でオゾンが発生しない程度の電圧が陽極1Aと陰極1Cとの間に印加されてもよい。なお、オゾンを生成するための電極としては、二酸化鉛電極、ダイヤモンド電極、白金電極、または酸化タンタル電極などが用いられ得る。
図7から理解されるように、陽極1Aと陽イオン交換膜5とは互いに接触している。これは、電解水の生成効率を高めるために、陽極1Aから陽イオン交換膜5への正の電荷の移動の効率を高めることが好ましいからである。したがって、陽極1Aと陽イオン交換膜5との接触面同士の間の水が流れないわずかの空間でオゾンの気泡が滞留するおそれがある。そのため、本実施の形態においては、陽極1Aと陽イオン交換膜5との間に水の流れが生じるように、陽極1Aと陽イオン交換膜5との間に隙間C1が設けられている。その結果、陽極1Aの接触面と陽イオン交換膜5の接触面との間に存在するオゾンが、陽極1Aおよび陽イオン交換膜5のそれぞれの接触面に平行な方向に隙間C1を通過する水の流れに起因したサイフォン作用によって、水の中へ自然に混入される。したがって、オゾンが陽極1Aと陽イオン交換膜5との間に滞留することが抑制される。以上のことから、電解水生成のために必要な陽極1Aと陰極1Cとの間に印加される電圧の増加を抑制することができる。
図4〜図8から分かるように、陰極孔1CTHの内周面は、陰極1Cの電気抵抗値よりも高い電気抵抗値を有する高電気抵抗材料Rによって覆われている。そのため、陰極孔1CTHの内周面が水の中に含まれる陽イオンを引き寄せる力が弱まる。それにより、陰極孔1CTH内に陽イオンが滞留することが抑制される。そのため、陰極孔1CTHの内周面に滞留した陽イオンと水の中に含まれる陰イオンとの結合が抑制される。その結果、陽イオンと陰イオンとの結合に起因したスケールの発生が抑制される。したがって、陰極孔1CTH内でスケールが滞留することに起因した電解水の生成能力の低下を抑制することができる。
図8に示されるように、第1の電解水生成装置100Aおよび第2の電解水生成装置100Bは、他の例の陰極1Cを含んでいてもよい。他の例の陰極1Cは、枠形状を有している。枠形状を有する他の例の陰極1Cの下面は、陽イオン交換膜5の上面に接するように設けられている。この場合、陽イオン交換膜5の隙間C1および隙間C2を設けなくてもよい。
図9に示されるように、制御部CDが、ポンプPを駆動(ON)することによって、幹流路15に原水が送り込まれる。流路変更機構Vは、制御部CCによって、第1の状態および第2の状態のいずれかに選択的に切り替えられている。本実施の形態においては、第1の状態は、流路変更機構Vが幹流路15から上流側の第1の枝流路10Aへ原水を導く状態である。また、第2の状態は、流路変更機構Vが幹流路15から上流側の第2の枝流路10Bへ原水を導く状態である。
図9に示されるように、第1の電解水生成装置100Aの制御部CAおよび第2の電解水生成装置100Bの制御部CBは、いずれも、陽極1Aと陰極1Cとの間に電圧を間欠的に印加する。そのため、陽極1Aと陰極1Cとの間の電圧の印加が停止されている間に、陽極1Aと陽イオン交換膜5との間に滞留しているオゾンが水の中に流れ出し、かつ、陽イオン交換膜5と陰極1Cとの間に滞留している水素が水の中に流れ出す。その結果、オゾンが陽極1Aと陽イオン交換膜5との間に滞留することが抑制され、かつ、水素が陽イオン交換膜5と陰極1Cとの間に滞留することが抑制される。
操作者は、入力部Iを操作し、指令信号を入力部Iから制御部CA,CB,CC,CBへ送信する。それにより、まず、ポンプPが駆動し、第1の電解水生成装置100Aに原水が送り込まれる。その後、第1の電解水生成装置100Aの陽極1Aと陰極1Cとの間に電圧が印加される。これにより、第1の電解水生成装置100A内で電解水が生成される。本実施の形態の場合、第1の電解水生成装置100A内の陽イオン交換膜5と陽極1Aとの界面の近傍でオゾンの気泡が生成される。また、第1の電解水生成装置100A内の陽イオン交換膜5と陰極1Cとの界面の近傍で水素が発生する。オゾンの気泡および水素の気泡は原水に溶解する。その結果、電解水としてオゾン水が生成される。
本実施の形態の電解水生成システム1000は、実施の形態1の電解水生成システム1000とほぼ同様である。以下、本実施の形態の電解水生成システム1000と実施の形態1の電解水生成システム1000とが異なっている点を主に説明する。なお、本実施の形態の電解水生成装置100Aは、実施の形態1の第1の電解水生成装置100Aおよび第2の電解水生成装置100Bと同一であるものとする。
図11に示されるように、実施の形態2の他の例の電解水生成システム1000は、浄化装置200を備えている。浄化装置200は、幹流路15に接続されている。浄化装置200は、幹流路15を流れる原水を浄化水として下流の幹流路15へ流出させる。なお、浄化装置200は設けられていなくてもよい。
1C 陰極
1CTH 陰極孔
5 陽イオン交換膜
5TH 膜孔
100A,100B 電解水生成装置
R 高電気抵抗材料
RTH 連通孔
Claims (4)
- 陽極と、
前記陽極に接するように設けられ、前記陽極に向かって貫通する膜孔を有する陽イオン交換膜と、
前記陽イオン交換膜に接するように設けられ、前記膜孔に連通するように貫通する陰極孔を有する陰極と、を備え、
前記陰極孔の内周面は、前記陰極の電気抵抗値よりも高い電気抵抗値を有する高電気抵抗材料によって覆われている、電解水生成装置。 - 前記高電気抵抗材料は、前記陰極の内周面に塗布されたコーティング材料である、請求項1に記載の電解水生成装置。
- 陽極と、
前記陽極に接するように設けられ、前記陽極に向かって貫通する膜孔を有する陽イオン交換膜と、
前記陽イオン交換膜に接するように設けられ、枠形状を有する陰極と、
前記枠形状の内周面を覆うように前記枠形状内に嵌め込まれ、前記膜孔に連通する連通孔を有し、前記陰極の電気抵抗値よりも高い電気抵抗値を有する高電気抵抗材料と、を備えた、電解水生成装置。 - 前記陰極は、ステンレス材料で形成され、
前記高電気抵抗材料は、フッ素樹脂材料で形成された、請求項1〜3のいずれかに記載の電解水生成装置。
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