JP2016172884A - ガス生成装置およびそれを用いた装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】所定のガスを容易に得ることができるガス生成装置を提供する。【解決手段】開示されるガス生成装置100は、水性液体10が配置される槽110と、セパレータ130と、第1の電極121と、第2の電極122とを含む。槽110内において、第2の電極122、セパレータ130の少なくとも一部、および第1の電極121は、槽110の下方からこの順に配置されている。セパレータ130の少なくとも一部を含むガス誘導部材が、第2の電極122の上方を覆うように配置されている。【選択図】図1

Description

本発明は、ガス生成装置、およびそれを用いた装置に関する。
水素ガスや酸素ガスは、化学の実験で用いられることが多い気体である。しかし、それらのガスを使用する場合、通常はガスボンベを用いることになり、ガスボンベの管理が大変であった。また、ガスボンベを用いる場合には、水素ガスや酸素ガスを使用する場所までガスボンベを移動させたり、配管を行ったりする必要があった。そのため、従来は、任意の場所で任意の時間に水素ガスや酸素ガスを得ることに対する労力が大きかった。
一方、水溶液を電気分解することによって水素ガスおよび酸素ガスを生成する装置が、従来から提案されている(たとえば特開2004−143508号公報および特開2007−284730号公報)。特開2004−143508号公報の装置では、イオン交換膜を用いて電解液を電気分解している。しかし、イオン交換膜は、使用によって能力が低下するため、交換したり再生したりする必要があった。また、イオン交換膜の電気抵抗は比較的大きいため、電気分解の際に高い電圧を印加する必要があった。
特開2004−143508号公報 特開2007−284730号公報
このような状況において、本発明の目的の1つは、所定のガスを容易に得ることができるガス生成装置を提供することである。
上記目的を達成するため、本発明のガス生成装置は、水性液体を電気分解することによってガスを生成するガス生成装置であって、前記水性液体が配置される槽と、セパレータと、第1および第2の電極とを含み、前記槽内において、前記第2の電極、前記セパレータの少なくとも一部、および前記第1の電極は、前記槽の下方からこの順に配置されており、前記セパレータの少なくとも一部を含むガス誘導部材が、前記第2の電極の上方を覆うように配置されている。
ガスを利用する本発明の装置は、本発明のガス生成装置と、前記ガス生成装置で生成されたガスが流れるガス流路とを含む。
本発明のガス生成装置によれば、所定のガス(たとえば水素ガス)を容易に得ることができる。また、本発明によれば、所定のガスが溶解された液体を容易に調製できる。
本発明のガス生成装置の一例を模式的に示す断面図である。 電極およびセパレータの一例の構成を模式的に示す断面図である。 本発明のガス生成装置の他の一例を模式的に示す断面図である。 電極およびセパレータの他の一例の構成を模式的に示す断面図である。 接続部の一例を模式的に示す断面図である。 電極およびセパレータの他の一例の構成を模式的に示す断面図である。 本発明のガス生成装置を利用した装置の一例を模式的に示す図である。 本発明のガス生成装置を利用した装置の他の一例を模式的に示す図である。
以下、本発明の実施形態について説明する。以下の説明において本発明の実施形態について例を挙げて説明するが、本発明は以下で説明する例に限定されない。以下の説明では、具体的な数値や材料を例示する場合があるが、本発明の効果が得られる限り、他の数値や材料を適用してもよい。
この明細書において、鉛直方向および水平方向とはそれぞれ、装置を使用状態に設置したときの鉛直方向および水平方向を意味する。具体的には、水平方向は、槽(電解槽)内に配置される液体の液面と平行な方向であり、通常は装置の底面(設置面)と平行な方向である。
(ガス生成装置)
本発明のガス生成装置は、水性液体を電気分解することによってガスを生成する。このガス生成装置は、水性液体を電気分解することによって水素ガスおよび酸素ガスを生成できる。さらに、水性液体中に塩素イオンや炭酸イオンが含まれる場合、塩素ガスや炭酸ガスを生成することも可能である。
本発明のガス生成装置は、水性液体が配置される槽と、セパレータと、第1および第2の電極とを含む。当該槽内において、第2の電極、セパレータの少なくとも一部、および第1の電極は、槽の下方からこの順に配置されている。当該セパレータの少なくとも一部を含むガス誘導部材が、第2の電極の上方を覆うように配置されている。以下では、第1の電極で生成されたガスを「第1のガス」といい、第2の電極で生成されたガスを「第2のガス」という場合がある。
この明細書において、「水性液体」とは、水を含む液体を意味する。以下では、本発明の装置で電気分解される水性液体を、「水性液体(A)」という場合がある。典型的には、水性液体(A)に含まれる水は、50質量%以上(たとえば60〜100質量%や80〜100質量%や90〜100質量%)である。典型的な水性液体(A)は、水素イオンおよび水酸化物イオンに加えて、それら以外のイオンを含む水溶液である。水性液体(A)の例には、水道水が含まれる。
水性液体(A)の電気伝導度が高いほど、水性液体(A)の電気分解に必要な電圧を低くできる。そのため、水性液体(A)は、酸性水溶液や、アルカリ性水溶液や、塩を溶解させた水溶液であってもよい。水性液体(A)は、電気伝導度が100μS/cm〜2000μS/cmの範囲(たとえば100μS/cm〜500μS/cm)にある水性液体(たとえば水道水)であってもよい。水性液体(A)のpHに限定はないが、pHが5〜9程度の範囲にある水性液体(A)は、取り扱いが容易である。
水性液体(A)の電気伝導度が低すぎる場合には、イオンを生じさせる化合物(たとえば塩)を水性液体(A)に溶解させてもよい。溶解する塩に限定はない。水性液体(A)の好ましい一例は、リン酸塩の水溶液である。リン酸塩の例には、NaH2PO4、Na2HPO4、およびNa3PO4、ならびにこれらのNa+および/またはH+を他のアルカリ金属イオンに置き換えたものが含まれる。塩を溶解させる水には、純水に近い水(逆浸透膜で得られた水など)を用いてもよい。塩素イオンを含まない水性液体(A)を用いることによって、アノードで次亜塩素酸が生成されることを防止できる。カルシウムイオンやマグネシウムイオンを含まない水性液体(A)を用いることによって、カソードにそれらが析出することを防止できる。
槽(電解槽)は、水性液体(A)を保持できる材料で形成される。槽は、ガラス、樹脂、ゴム、金属、またはこれらの複合体で形成してもよい。
ガス誘導部材によって、第1の電極で生成された第1のガスの気泡と第2の電極で生成された第2のガスの気泡とが、水性液体(A)中で合体することが抑制される。ガス誘導部材は、セパレータ(隔膜)のみによって構成されてもよいし、セパレータと他の部材(たとえば樹脂製の板)とによって構成されてもよい。第1のガスの気泡と第2のガスの気泡とが合体することを抑制するために、ガス誘導部材は、第2の電極の上方の全てを覆うように配置されることが好ましい。
ガス誘導部材は、水性液体(A)に浸漬された状態において、ガスの気泡の透過ができるだけ少ないことが好ましい。一方、セパレータには、水性液体(A)およびイオン(陽イオンおよび陰イオン)を通過させることが求められる。絶縁性のセパレータを用いることによって、第1の電極と第2の電極とが短絡することを防止できる。そのため、セパレータは、通常、第1の電極と第2の電極との短絡を防止できる材料(たとえば絶縁材料)で形成される。セパレータの形態に特に限定はない。セパレータの形態の例には、多孔性の膜(多孔性樹脂膜など)や、繊維で形成された布(織布または不織布)が含まれる。セパレータの好ましい一例は、綿の布(織布または不織布)である。
ガス生成装置によってガスを生成している状態(セパレータが水性液体(A)に浸漬されている状態)において、セパレータ(ガス誘導部材)は、ガスの透過を抑制する。ここで、以下の条件での電気分解を考える。
(1)下方から、第2の電極、セパレータ、および第1の電極の順に配置されており、それらは互いに平行であり且つ水平方向に対して5°傾いている。
(2)第2の電極の上方の全てを覆うようにセパレータが配置されている。
(3)第2の電極、セパレータ、および第1の電極の全てが水性液体(たとえばリン酸塩水溶液)中に配置された状態で水を電気分解する。
上記の条件で水を電気分解したときに、セパレータは、第2の電極で生成されたガス(酸素ガスまたは水素ガス)の気泡の50体積%以上(たとえば、80体積%〜100体積%や、90体積%〜100体積%や、95体積%〜100体積%や、97体積%〜100体積%)を透過させないことが好ましい。第2の電極をアノードとして水を電気分解する場合、セパレータは、第2の電極で生成された酸素ガスの透過を上記範囲で抑制することが好ましい。ガスの透過性は、たとえば、セパレータの面密度、目の粗さ、透気度などによって制御できる。
セパレータは親水性であってもよい。親水性のセパレータは、その表面に水が吸着されやすく気体は吸着されにくいため、水性液体(A)中でガスを透過させにくい。そのため、第1および第2の電極がセパレータに接触するほど両者を接近させても、水素ガスと酸素ガスとが混合されることを抑制できる。従って、親水性のセパレータを用いることによって、第1および第2の電極をより接近させることが可能である。親水性のセパレータの例には、表面が親水性である繊維を用いて形成されたセパレータが含まれる。また、親水性のセパレータの例には、綿、麻、レーヨン、毛、絹などで形成された布や膜が含まれる。親水性の合成樹脂からなるセパレータや、親水化処理された合成樹脂からなるセパレータを用いてもよい。
親水性であるか否かの目安として、毛管現象のような現象が生じるか否かを目安の1つとして挙げることができる。具体的には、セパレータの一部を水に浸漬し、残りの部分は水から出しておく。その時に、水が重力に逆らって当該残りの部分を上昇するようであれば、そのセパレータは、親水性であると推定できる。
本発明のガス生成装置で用いられるセパレータは、通常、イオン交換能を有さず、陽イオンおよび陰イオンの両方を通過させる。本発明の装置では、イオン交換材料を用いる必要はない。そのため、通常、本発明の装置は、イオン交換材料(イオン交換膜)を含まない。イオン交換材料を含まないことによって、装置の維持が容易になり、また、低い電圧で水を電気分解することが可能になる。ただし、本発明の効果が得られる限り、本発明の装置は、イオン交換材料を含んでもよい。
第1および第2の電極には、水の電気分解反応を生じさせることができる電極が用いられる。第1の電極と第2の電極とは、同じであってもよいし異なってもよい。第1および第2の電極の例には、金属部分を含む電極が含まれる。たとえば、第1および第2の電極は金属電極であってもよい。第1および第2の電極の表面には、水の電気分解反応が生じやすい金属が存在することが好ましい。水の電気分解反応が生じやすい金属の例には、白金が含まれる。第1および第2の電極の好ましい一例は、表面に白金が存在する金属電極である。具体的には、白金電極や、液体と接触する部分の表面が白金でコートされた金属電極が好ましく用いられる。白金でコートされる金属の例には、ニオブ、チタン、およびタンタル、およびその他の金属が挙げられる。特に、酸素ガスが生成される電極(アノード)の表面は白金でコートされることが好ましい。カソードは、たとえば、ニッケルやステンレスなどの、一般的に腐食が少ない金属からなる電極であってもよい。なお、金属以外の導電性材料(たとえば導電性の炭素材料)を含む電極を用いてもよい。また、それら導電性材料の表面を金属(白金その他の金属)でコートすることによって得られる電極を用いてもよい。
第1および第2の電極はそれぞれ、電気的に接続された複数の電極で構成されていてもよい。第1および第2の電極の形状に特に限定はない。第1および第2の電極はそれぞれ、1つの面(平面や曲面)に沿った形状を有してもよく、2次元方向に広がる形状を有していてもよい。たとえば、第1および第2の電極は、平らな電極であってもよい。この明細書において、「平らな電極」とは、全体として平らな形状の電極を意味し、換言すれば、2次元方向に広がる形状を有する電極を意味する。平らな電極の例には、線状の電極を1つの平面に沿って配置することによって形成された電極も含まれる。平らな電極には、貫通孔が形成されていてもよい。第1および第2の電極はそれぞれ、1つの平面に沿って配置された複数の線状の電極で構成されていてもよいし、エクスパンドメタルであってもよいし、板状の電極であってもよい。第1および第2の電極が平らな電極である場合、それらは、セパレータを挟んで、実質的に平行に、且つ、互いに対向するように配置されることが好ましい。
水の電気分解が生じる電位差を第1の電極と第2の電極との間に生じさせると、水が電気分解されて水素ガスと酸素ガスとが生成される。電位差は、たとえば、両者の間に直流電圧を印加することによって生じさせることができる。一例では、第1の電極がカソードとなり第2の電極がアノードとなるように両者の間に所定の直流電圧を印加する。この電圧印加によって、第1の電極で水素ガスが生成され、第2の電極で酸素ガスが生成される。なお、電圧の印加方向を逆にした場合、第1の電極で酸素ガスが生成され、第2の電極で酸素ガスが生成される。
第1の電極と第2の電極との間には、通常、直流電圧が印加される。水性液体(A)が電気分解される限り、印加される電圧(電位差)の大きさおよび印加方法に特に限定はない。電圧は、電流が一定となるように電極間に印加してもよい。あるいは、電極間に一定の電圧を印加してもよい。一例では、2ボルト〜70ボルトの範囲や5ボルト〜20ボルトの範囲にある直流電圧が電極間に印加される。
第1および第2の電極は、それらの間に電圧を印加するための電源(通常、直流電源)に接続される。本発明の装置は、電源を含んでもよい。電源は、コンセントから得られる交流電圧を直流電圧に変換するAC−DCコンバータであってもよい。また、電源は、太陽電池や燃料電池などの発電装置や電池(一次電池および二次電池)であってもよい。
第1の電極および第2の電極は、セパレータを挟むように配置される。第1の電極と第2の電極との間の距離に特に限定はない。第1の電極と第2の電極との間の距離を短くすることによって、電気分解に必要な電圧を小さくできる。一例では、第1の電極と第2の電極との間の距離は、0.5mm〜30mmの範囲にある。なお、第2の電極とセパレータとの間にガスが滞留することを抑制する観点では、第2の電極とセパレータとの間に隙間があることが好ましい、第2の電極とセパレータとの間の距離は、0.5mm以上(たとえば0.5〜15mmや1〜15mmの範囲)であってもよい。
セパレータ(ガス誘導部材)のうち第1の電極と第2の電極との間に存在するセパレータ(ガス誘導部材)は、水平方向に対して傾いていてもよい。たとえば、セパレータのうち第1の電極と第2の電極との間に存在するセパレータが、水平方向に対して5°〜75°の範囲(たとえば、5°〜60°、5°〜45°、10°〜60°、または10°〜45°の範囲)で傾いていてもよい。セパレータが傾いていることによって、第2の電極で発生したガスの気泡を、セパレータの端部に速やかに移動させることができる。これによって、セパレータの下面に気泡が滞留して電気分解の効率が低下することを抑制できる。第1の電極と第2の電極とは、セパレータを挟むように配置される。そのため、セパレータが傾いている場合、第1および第2の電極は、通常、セパレータと同様に傾いて配置される。
第2の電極の下方にもセパレータが配置されていてもよい。一例では、セパレータは、第2の電極を囲むように配置される。その場合のセパレータは、一方が開口している袋状(たとえば封筒状)のセパレータであってもよいし、両端が開口している筒状のセパレータであってもよい。
本発明のガス生成装置の例として、第1のガス生成装置および第2のガス生成装置について以下に説明する。以下では、第1のガス生成装置を「第1の装置」といい、第2のガス生成装置を「第2の装置」という場合がある。
(第1のガス生成装置)
第2のガス生成装置とは異なり、第1のガス生成装置(第1の装置)では、槽(電解槽)が仕切られていない。そのため、第1の電極で生成された第1のガスと第2の電極で生成された第2のガスとは、原則として混合される。第1の装置の電解槽から放出されるガスは、原則として、水素ガスと酸素ガスとの混合ガスである。しかし、ガス誘導部材が第2の電極の上方を覆うように配置されているため、第1のガスの気泡と第2のガスの気泡とが水性液体(A)中で結合することが抑制される。
金属電極との親和力は、水素ガスの方が酸素ガスよりも低い。そのため、水の電気分解では、電極で生成される水素ガスの気泡は、電極で生成される酸素ガスの気泡よりも小さくなる。さらに、第2の電極で酸素ガスが生成される場合、酸素ガスの気泡は、セパレータ(ガス誘導部材)で上昇を妨げられてセパレータの下面を移動しながらセパレータ(ガス誘導部材)の端部まで移動し、その端部から水性液体(A)中を上昇する。酸素ガスの気泡は、ガス誘導部材の下面を移動する際に、気泡同士が合体して大きな気泡となる。このように、本発明のガス生成装置では、水素ガスの気泡は酸素ガスの気泡よりも小さくなる。さらに、本発明のガス生成装置では、水素ガスの気泡と酸素ガスの気泡とが水性液体(A)中で合体することが抑制される。その結果、酸素ガスに比べて水素ガスの方が水性液体(A)中に溶解する速度が高くなる。そのため、本発明のガス生成装置によれば、溶存水素濃度が高い水性液体(A)を短時間で得ることができる。
本発明のガス生成装置(第1および第2のガス生成装置)では、水性液体(A)を電気分解することによってガスが溶解された水性液体を調製してもよい。すなわち、槽に配置されて電気分解された水性液体(A)を、ガスが溶解された水性液体として利用してもよい。上述したように、本発明のガス生成装置によれば、溶存水素濃度が高い水性液体を調製できる。この場合、本発明のガス生成装置そのものが、ガス(水素ガスおよび/または酸素ガス)を液体に溶解させるためのガス溶解装置として機能する。
(第2のガス生成装置)
第2のガス生成装置(第2の装置)は、仕切りを含む。槽(電解槽)は、仕切りによって、水平方向に隣接する第1の槽と第2の槽とに仕切られている。仕切りには、ガス通過口が形成されている。第1の槽内において、第2の電極、セパレータの少なくとも一部、および第1の電極は、第1の槽の下方からこの順に配置されている。第2の電極で発生したガスがガス通過口を通って第2の槽に流れるように、ガス誘導部材がガス通過口に伸びている。第2の装置において、ガス誘導部材は、第2の電極で生成されたガスの気泡を第2の槽に導入するための部材である。
第1の槽と第2の槽とを仕切る仕切りは、第1の電極で生成されたガスと、第2の電極で生成されたガスとを分離するために設けられる。そのため、仕切りは、通常時においてガスを透過させない仕切りであることが好ましい。仕切りの例には、ガスおよび液体を透過させない材料(たとえば樹脂)からなる板状の仕切りが含まれる。
第1の槽には、第1のガス放出口が設けられる。第2の槽には、第2のガス放出口が設けられる。第1の電極で生成された第1のガスの大部分または全ては、第1のガス放出口から放出されることが好ましい。第2の電極で生成された第2のガスの大部分または全ては、第2のガス放出口から放出されることが好ましい。この明細書において「大部分」とは、特別な記載がない限り、70%以上(70〜100%や、80〜100%や、90〜100%)を意味する。なお、「ガスの大部分」という場合の百分率は体積%を意味し、「電極の大部分」および「セパレータの大部分」という場合の百分率は面積%を意味する。
第2の装置において、第1の電極および第2の電極の大部分または全ては、第1の槽に配置される。好ましい一例では、第1の電極の全てが第1の槽に配置される。第2の電極で発生した第2のガスを第2の槽に移動させるために、第2の電極の上方の面積の大部分または全てがガス誘導部材(たとえばセパレータ)で覆われていることが好ましい。第2の装置で用いられるセパレータが封筒状または筒状のセパレータである場合、少なくともガス通過口側が開口している。
第2の装置では、セパレータのうち第1の電極と第2の電極との間に存在するセパレータが、第1の槽側から第2の槽側に向かって上昇するように傾いていてもよい。このようにセパレータを傾けることによって、第2の電極で生成されたガスを速やかに第2の槽に移動できる。水平方向に対するセパレータの角度は、上述した範囲としてもよい。第2の装置で用いられるセパレータが封筒状または筒状のセパレータである場合、少なくともガス通過口側が開口している。
仕切りの一部であって第1の電極およびガス通過口よりも上方の一部に、第1の槽と第2の槽とがつながっている接続部が存在してもよい。接続部は、気体および液体を通過させる。接続部は、貫通孔であってもよい。接続部は、電圧印加前の状態において水性液体(A)中に存在する位置に形成されていてもよい。
接続部は、第1の槽における水性液体の液面、または、第2の槽における水性液体の液面が接続部まで低下したときに、気体(および液体)を通過させる。これによって、それら2つの液面が、接続部よりも下がることを防止できる。接続部は、第1および第2の槽のいずれかの槽における水性液体(A)の液面が接続部まで下がっても、水性液体(A)が槽の外部に漏れ出さない位置に設けられることが好ましい。また、電極より上に接続部を配置することによって、液面が低下して電極が露出することを防止できる。
水性液体(A)中を上昇する気泡が上記接続部を通過することを抑制するための抑制手段が、接続部の周囲に設けられていてもよい。電極で発生したガス(気泡)が接続部を通過すると、第1の電極で発生したガスと第2の電極で発生したガスとが混合されてしまう。接続部の周囲に上記抑制手段を設けることによって、ガスの混合を抑制できる。抑制手段の例には、接続部の周囲(たとえば接続部の下方)に設けられた板や凸部が含まれる。
(本発明のガス生成装置を用いた装置)
本発明のガス生成装置は、様々な用途に利用できる。本発明のガス生成装置は、ガスを利用する装置の一部として用いてもよい。そのような装置は、本発明のガス生成装置と、ガス生成装置で生成されたガス(水素ガスおよび/または酸素ガスなど)が流れるガス流路とを含む。そのような装置の例には、ガスを溶解させるための装置や、ガス吸入装置が含まれる。それらについては後述する。
ガス流路に特に限定はなく、ガスが流れるものであればよい。ガス流路の例には、チューブなどの管が含まれる。液体やガスを保持する容器が、ガス流路の一部を構成してもよい。ガス流路には、流路を流れるガスを切り替える弁や、フィルタや、安全弁が設けられていてもよい。ガス流路の一端は、ガス放出口に接続される。第2のガス生成装置を用いる場合、ガス流路の一端は、利用するガスに応じて、第1のガス放出口および/または第2のガス放出口に接続される。第2のガス生成装置で生成されるガスのうち利用しないガスは、大気中に放出してもよい。
(ガスを溶解させるための装置)
本発明のガス生成装置は、ガス(水素ガスおよび/または酸素ガスなど)を液体に溶解させるための装置の一部として利用できる。以下では、ガスを溶解させるための本発明の装置を、「ガス溶解装置」という場合がある。ガス溶解装置は、本発明のガス生成装置と、ガス生成装置で生成されたガスが流れるガス流路と、液体を配置する容器とを含む。ガス流路は、ガス生成装置で生成されたガスを、容器内に配置された液体中に導く。ガス溶解装置は、溶存水素を含む水を生成できるが、溶存水素を含む他の液体を生成することも可能である。また、ガス溶解装置によって、溶存酸素を含む液体を生成することもできる。別の観点では、ガス溶解装置は、液体中の溶存ガス濃度(たとえば溶存水素濃度または溶存酸素濃度)を上昇させる装置である。本発明のガス溶解装置によれば、溶存水素濃度が0.3ppm以上(質量基準)である水性液体(たとえば水)を得ることが可能である。本発明のガス溶解装置で調製される液体の溶存水素濃度は、0.4ppm以上であってもよく、たとえば0.4ppm〜1.5ppmの範囲や0.5ppm〜1.6ppmの範囲にあってもよい。
ガスが溶解される液体の例には、上述した水性液体(A)が含まれる。ガスが溶解される液体は、各種の飲料(水、お茶、ジュースなど)であってもよい。ガス溶解装置によれば、溶存水素濃度が高い飲料を簡単に得られる。
ガス溶解装置は、液体を攪拌するための攪拌手段を備えてもよい。そのような攪拌手段の例には、マグネチックスターラーや、容器内に配置される攪拌用の羽とその羽を回転させるためのモータとからなる攪拌手段や、回転可能な容器と容器を回転させるモータとからなる攪拌手段が含まれる。液体を攪拌することによって、液体へのガスの溶解を促進できる。
(ガス吸入装置)
本発明のガス生成装置は、ガス(水素ガスおよび/または酸素ガス)を吸入するための吸入装置の一部に利用できる。以下では、ガスを吸入するための本発明の装置を、「ガス吸入装置」という場合がある。ガス吸入装置は、本発明のガス生成装置を含む。さらに、ガス吸入装置は、吸入用の器具、および、吸入用の器具が接続される接続部材からなる群より選ばれる少なくとも1つを含む。ガス生成装置で生成されたガスは、当該少なくとも1つに導かれる。ガス吸入装置が接続部材を含む場合、上述したガス流路は接続部材に接続される。ガス吸入装置が接続部材を含まず吸入用器具のみを含む場合、吸入用器具の一部をガス流路とみなし、他の部分を吸入用器具とみなすことができる。ガス吸入装置によれば、水素ガスを含むガスを吸入できる。ガス吸入装置の一例によれば、水素ガスを含むガスだけでなく、酸素ガスを含むガス(たとえば、水素ガスおよび酸素ガスを含む混合ガス)も吸入できる。
吸入用器具に特に限定はない。吸入用器具の例には、鼻カニューラや、ガス吸入用の鼻マスクが含まれる。鼻マスクの一例は、鼻および口を覆い、マスク内にガスを保留できるマスクであって、マスク内にガスを供給するためチューブが接続されているマスクである。
ガス吸入装置のガス流路には、ガスの圧力の上昇・低下に応じて体積が増大・減少するバッファ部が設けられていてもよい。ガス吸入において、吸気の際には吸気されているガスの圧力が低下し、呼気の際にはガスの圧力が上昇する。バッファ部は、呼気の際に膨張してガスをため、吸気の際に収縮して吸入器具に流れるガスの量を多くする。そのため、ガス流路の途中にバッファ部を設けることによって、効率よくガスを吸入できる。バッファ部に特に限定はなく、ガスの圧力の上昇・低下に応じて体積が増大・減少するものであればよい。バッファ部の例には、柔軟性を有する材料(ゴムなどの弾性体や樹脂フィルムなど)で形成され、内圧の上昇に応じてバルーン状に膨らむものが含まれる。たとえば、バッファ部は、薄いゴムや薄い樹脂フィルムで形成されたチューブであってもよい。ガス流路の一部をこのチューブで構成することによって、バッファ部として機能させることができる。あるいは、バッファ部は、ガスの圧力の上昇・低下に応じて体積が増大・減少する容器であってもよい。
ガス溶解装置は、ガス吸入装置として機能するものであってもよい。その場合、ガス流路は、液体が配置される容器につながるとともに、吸入用器具および/または接続部材につながる。
本発明のガス生成装置、およびそれを用いた装置は、コントローラを備えてもよい。コントローラは、各種機器(センサ、電源、入力機器、表示機器など)に接続される。コントローラは、必要に応じて、所定の機器からのデータを処理し、所定の機器を制御する。コントローラは、演算処理装置と記憶装置(たとえばメモリ)とを含む。記憶装置には、各種機器との間の入出力を制御するためのプログラムが格納される。
本発明のガス生成装置およびそれを用いた装置について、実施形態の例を以下に説明する。図面を用いた説明では、同様の部分に同一の符号を付して重複する説明を省略する場合がある。
(実施形態1)
実施形態1では、ガス生成装置の一例として、上述した第1の装置について説明する。実施形態1のガス生成装置の構成を、図1に模式的に示す。図1のガス生成装置100は、槽110、第1の電極121、第2の電極122、セパレータ130、および直流電源(図示せず)を含む。槽110内には、水性液体10が配置される。電極121および122は、図示しない配線によって直流電源に接続される。図1の線IIにおける電極およびセパレータの断面図を、図2に模式的に示す。
電極122、セパレータ130、および電極121は、槽110の下方からこの順に配置されている。セパレータ130は、第2の電極の上方の全てを覆うように配置されている。セパレータ130は、水平方向に対して傾いて配置されている。セパレータ130と水平方向とがなす角度Gは、上述した範囲にある。電極121、電極122、およびセパレータ130は、互いに平行に配置されている。
電極121および122はそれぞれ、金属ワイヤを接続することによって形成された電極である。電極121および122はそれぞれ、全体として、平らで長方形の形状を有する。セパレータ130は、水性液体10に浸漬された状態において気泡を通過させにくい絶縁性のセパレータであり、たとえば綿の布である。セパレータ130は、ガス誘導部材として機能する。電極121、電極122、およびセパレータ130は、いずれも、水性液体10が通過可能である。
水の電気分解が生じる直流電圧を電極間に印加することによって、水性液体10中の水が電気分解される。一例では、第1の電極121がカソードとなり第2の電極122がアノードとなるように両者の間に直流電圧を印加する。この電圧印加によって、第1の電極121で水素ガスおよび水酸化物イオン(OH-)が生成され、第2の電極122で酸素ガスおよび水素イオン(H+)が生成される。一方、電圧印加の方向を逆にすることによって、第1の電極121で酸素ガスが生成され、第2の電極122で水素ガスが生成される。以下では、第1の電極121がカソードとなり第2の電極122がアノードとなるように両者の間に直流電圧を印加する場合について、主に説明する。
電気分解で発生した水素ガスおよび酸素ガスの一部は水性液体10に溶解する。溶解しなかったガスは、槽110のガス放出口110aから放出される。ガス放出口110aから放出されるガスは、水素ガスおよび酸素ガスの混合ガスとなる。上述したように、装置100によれば、溶存水素濃度が高い水性液体10が得られる。
図1には、セパレータが第2の電極122の上方のみに配置されている場合を示した。しかし、実施形態2で説明するように、セパレータは第2の電極122の下方にも配置されてもよい。
(実施形態2)
実施形態2では、ガス生成装置の他の一例について説明する。実施形態2のガス生成装置の構成を、図3に模式的に示す。図3のガス生成装置200は、槽210、第1の電極121、第2の電極122、セパレータ130、および直流電源(図示せず)を含む。槽210内には、水性液体10が配置される。電極121および122は、図示しない配線によって直流電源に接続される。図3の線IVにおける電極およびセパレータの断面図を、図4に模式的に示す。
槽210は、鉛直方向に対して平行に配置された仕切り213によって第1の槽211と第2の槽212とに仕切られている。第1の槽211と第2の槽212とは、水平方向に隣接している。すなわち、第1の槽211と第2の槽212とは、横に並ぶように隣接している。仕切り213は、気体および液体を実質的に通過させない仕切りである。ただし、仕切り213には、ガス通過口(貫通孔)213aが形成されている。
第1の槽211の上方には、第1のガス放出口211aが形成されている。第2の槽212の上方には、第2のガス放出口212aが形成されている。ガス放出口211aの下方には、水性液体10が槽210からあふれだすことを防止するための空間を有する予備室216が存在する。第1の槽211内には、貫通孔を有する隔壁214と、凸部215とが形成されている。隔壁214および凸部215によれば、装置200が揺れたときに水性液体10がガス放出口211aから漏れ出すことを抑制できる。第1の槽211と同様に、第2の槽212にも、予備室、隔壁、および凸部が形成されていてもよい。なお、これらの一部または全部の代わりに、水性液体10の漏れ出しを防止するための他の部材を用いてもよい。たとえば、気液分離膜や内圧調整膜(多孔質膜)などを用いてもよい。
仕切り213の一部であって第1の電極121およびセパレータ130よりも上方の一部には、第1の槽211と第2の槽212とをつなぐ接続部が存在してもよい。たとえば、点線で示される領域Aの位置に、接続部(貫通孔)が形成されていてもよい。接続部の一例を、図5に示す。装置200の使用時に、第1の槽211における水性液体10の液面と、第2の槽212における水性液体10の液面とのずれが大きくなる場合がある。そのような場合でも、接続部(貫通孔)が存在することによって、液面のずれが大きくなりすぎることを抑制できる。その結果、液面のずれによって水性液体10が槽210の外部に漏れ出すことを抑制できる。
電極121および122は、第1の槽211に配置されている。セパレータ130の大部分は、第1の槽211に配置されている。装置200では、電極121、電極122およびセパレータ130からなる電極ユニットが、傾けて配置されている。セパレータ130と水平方向とがなす角度Gは、上述した範囲にある。セパレータ130は、第1の槽211側から第2の槽212側に向かって上昇するように傾いて配置されている。電極121、電極122、およびセパレータ130は、互いに平行に配置されている。第1の槽211内において、電極122、セパレータ130、および電極121は、第1の槽211の下方からこの順に配置されている。
電極121および122はそれぞれ、金属ワイヤを接続することによって形成された電極である。電極121および122はそれぞれ、全体として、平らで長方形の形状を有する。セパレータ130は、水性液体10に浸漬された状態において気泡を通過させにくい絶縁性のセパレータであり、たとえば綿の布である。セパレータ130は、ガス誘導部材として機能する。セパレータ130は、第2の電極122の上方の全てを覆うように配置されている。さらに、セパレータ130は、ガス通過口213aを通って第1の槽211から第2の槽212まで伸びている。セパレータ130は、ガス通過口213a側が開口している。電極121、電極122、およびセパレータ130は、いずれも、水性液体10が通過可能である。
水の電気分解が生じる直流電圧を電極間に印加することによって、水性液体10中の水が電気分解される。一例では、第1の電極121がカソードとなり第2の電極122がアノードとなるように両者の間に直流電圧を印加する。この電圧印加によって、第1の電極121で水素ガスおよび水酸化物イオン(OH-)が生成され、第2の電極122で酸素ガスおよび水素イオン(H+)が生成される。一方、電圧印加の方向を逆にすることによって、第1の電極121で酸素ガスが生成され、第2の電極122で水素ガスが生成される。以下では、第1の電極121がカソードとなり第2の電極122がアノードとなるように両者の間に直流電圧を印加する場合について、主に説明する。
第1の電極121で発生した水素ガスは、第1の放出口211aから放出される。第2の電極122で発生した酸素ガスの気泡の大部分は、セパレータ130を通過せずに、セパレータ130の表面を移動しながら上昇し、第2の槽212に到達する。その結果、第2の電極122で発生した酸素ガスの大部分は、第2の放出口212aから放出される。このようにして、装置200では、第1の電極121で発生したガスと第2の電極122で発生したガスとの混合が抑制される。第2の電極122で生成された酸素ガスの気泡がセパレータ130の表面を移動する過程で、複数の気泡が合体して大きな気泡となり、セパレータ130の端部から大きな気泡が上昇する。このように、装置200の構成によれば、酸素ガスの気泡を大きくできるとともに、酸素ガスの気泡がセパレータに滞留することを防止できる。
図3には、セパレータが第2の電極122の上方のみに配置されている場合を示した。しかし、セパレータは、第2の電極122を挟むように配置されてもよく、第2の電極122を囲むように配置されてもよい。一辺が開口している封筒状のセパレータを用いる場合について、電極およびセパレータの一例を図6に模式的に示す。図6(a)は、図3と同じ位置における断面を模式的に示す図である。図6(b)は、図6(a)の線VIbにおける断面を模式的に示す図である。図6の例において、第2の電極122は、袋状のセパレータ131内に配置されている。セパレータ131は、第2の電極122の上方に配置されガス誘導部材として機能するセパレータ130と、第2の電極122の下方に配置されたセパレータ132とを含む。セパレータ131は、その開口部が第2の槽212内に位置するように、ガス通過口213aに挿入される。第1の電極121および第2の電極122は、第1の槽211内に配置される。
なお、図6には、封筒状のセパレータ131の4辺のうち、第2の槽212側の一辺が開口しているセパレータを示した。しかし、セパレータ131の開口している一辺と対向する一辺も開口していてもよい。すなわち、セパレータは、平らな筒状のセパレータであってもよい。セパレータを傾けることによって、ガスの気泡は第2の槽212側に移動する。そのため、セパレータの下方の一辺が開口していてもよい。
袋状のセパレータ131を用いた場合、セパレータ131内の水性液体10の流れがある程度抑制される。その結果、電気分解時において、セパレータ131内の液温を高く保つこと、および、イオン濃度を高い状態で維持すること、が可能な場合がある。これによって、水性液体10による電圧降下を低減でき、その結果、電気分解に必要な電圧を小さくすることが可能である。
(実施形態3)
実施形態3では、本発明のガス生成装置を利用したガス溶解装置の一例について説明する。実施形態3のガス溶解装置300を、図7に示す。装置300は、ガス生成装置310、ガス流路311、および容器312を含む。図7および図8では、ガス生成装置310の図示を簡略化している。ガス生成装置310は、本発明のガス生成装置であり、ガス生成装置100やガス生成装置200であってもよい。
ガス流路311は、ガスが流れる管である。ガス流路311の一端311aは、本発明のガス生成装置のガス放出口に接続される。第1のガス放出口(ガス放出口110a)から水素ガスが放出される場合であって水素ガスを利用する場合、一端311aは、第1のガス放出口に接続される。ガス流路311の他端311bは、容器312内の液体11内に水素ガスが放出されるように、容器312内に配置される。
容器312内の液体11に水素ガスが吹き込まれることによって、液体11に水素ガスが溶解する。その結果、溶存水素濃度が高い液体が得られる。なお、溶存水素濃度がより高い液体を得るために、容器312の開口部の面積をできるだけ小さくしてもよい。
(実施形態4)
実施形態4では、本発明のガス生成装置を利用したガス吸入装置の一例について説明する。実施形態4のガス吸入装置400を図8に示す。装置400は、本発明のガス生成装置310、ガス流路410、接続部材413、およびガス吸入器具414を含む。
ガス流路410は、2つのガス流路411および412を含む。なお、ガス流路410は、1つのガス流路のみからなるものであってもよい。ガス流路411および412は、ガスが流れる管である。ガス流路411の一端411aおよび412の一端412aはそれぞれ、ガス生成装置のガス放出口に接続される。ガス流路411および412の他端はそれぞれ、接続部材413を介してガス吸入器具414に接続される。ガス吸入器具414は、たとえば鼻カニューラである。
ガス生成装置310が第2のガス生成装置である場合、一端411aおよび412aは、同じガス放出口(第1のガス放出口または第2のガス放出口)に接続されてもよいし、異なるガス放出口に接続されてもよい。それらが接続されるガス放出口を選択することによって、水素ガスの吸入、酸素ガスの吸入、および水素ガスと酸素ガスとの混合ガスの吸入が可能となる。なお、ガス流路の途中に、流れるガスを切り替えるための切り替え器を設けてもよいし、接続部材413を切り替え器としてもよい。そのような切り替え器の例には、公知の切り替え器を用いることができ、たとえば三方弁を用いることができる。
ガス生成装置を含む1つの装置を、複数の用途に利用することが可能である。たとえば、ガス生成装置を含む1つの装置を、ガス溶解装置およびガス吸入装置として用いてもよい。その場合、ガス流路は、容器312と接続部材413とにつながっていてもよい。たとえば、図7の容器312の開口部に、図8に示すガス流路410の一端を接続してもよい。そのような構成によれば、液体にガスを溶解させながら、ガスを吸入できる。
本発明は、水性液体を電気分解することによってガスを生成するガス生成装置に利用できる。さらに、本発明は、ガス生成装置を用いた装置に利用できる。
10 水性液体
11 液体
100、200、310 ガス生成装置
110、210 槽
121 第1の電極
122 第2の電極
130 セパレータ(ガス誘導部材)
140 直流電源
211 第1の槽
211a 第1のガス放出口
212 第2の槽
212a 第2のガス放出口
213 仕切り
213a ガス通過口
300 ガス溶解装置
311、410、411、412 ガス流路
312 容器
400 ガス吸入装置
413 接続部材
414 吸入器具

Claims (11)

  1. 水性液体を電気分解することによってガスを生成するガス生成装置であって、
    前記水性液体が配置される槽と、セパレータと、第1および第2の電極とを含み、
    前記槽内において、前記第2の電極、前記セパレータの少なくとも一部、および前記第1の電極は、前記槽の下方からこの順に配置されており、
    前記セパレータの少なくとも一部を含むガス誘導部材が、前記第2の電極の上方を覆うように配置されている、ガス生成装置。
  2. 前記セパレータのうち前記第1の電極と前記第2の電極との間に存在する前記セパレータが、水平方向に対して5°〜60°の範囲で傾いている、請求項1に記載のガス生成装置。
  3. 前記第2の電極の下方にも前記セパレータが配置されている、請求項1または2に記載のガス生成装置。
  4. 前記水性液体を電気分解することによって前記ガスが溶解された前記水性液体を調製する、請求項1〜3のいずれか1項に記載のガス生成装置。
  5. 前記槽は、仕切りによって、水平方向に隣接する第1の槽と第2の槽とに仕切られており、
    前記仕切りには、ガス通過口が形成されており、
    前記第1の槽内において、前記第2の電極、前記セパレータの少なくとも一部、および前記第1の電極は、前記第1の槽の下方からこの順に配置されており、
    前記第2の電極で発生したガスが前記ガス通過口を通って前記第2の槽に流れるように、前記ガス誘導部材が前記ガス通過口に伸びている、請求項1〜4のいずれか1項に記載のガス生成装置。
  6. 前記セパレータのうち前記第1の電極と前記第2の電極との間に存在する前記セパレータが、前記第1の槽側から前記第2の槽側に向かって上昇するように傾いている、請求項5に記載のガス生成装置。
  7. 前記仕切りの一部であって前記第1の電極および前記ガス通過口よりも上方の一部に、前記第1の槽と前記第2の槽とがつながっている接続部が存在する、請求項5または6に記載のガス生成装置。
  8. 前記水性液体中を上昇する気泡が前記接続部を通過することを抑制するための抑制手段が、前記接続部の周囲に設けられている、請求項7に記載のガス生成装置。
  9. ガスを利用する装置であって、
    請求項1〜8のいずれか1項に記載のガス生成装置と、
    前記ガス生成装置で生成されたガスが流れるガス流路とを含む、装置。
  10. 液体を配置する容器をさらに含み、
    前記ガス流路は、前記ガス生成装置で生成されたガスを、前記容器内に配置された液体中に導く、請求項9に記載の装置。
  11. 吸入用の器具、および、吸入用の器具が接続される接続部材からなる群より選ばれる少なくとも1つを含み、
    前記ガスが前記少なくとも1つに導かれる、請求項9または10に記載の装置。
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