JP2014095115A - ガス生成装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】水素ガスおよび/または酸素ガスを容易に得ることができるガス生成装置を提供する。
【解決手段】開示されるガス生成装置は、第1および第2の槽11および12に入れられた水性液体25を電気分解することによって水素ガスおよび酸素ガスを生成する装置である。この装置は、セパレータ23と、セパレータ23を挟んでつながっている第1および第2の槽11および12と、第1の槽11に配置された第1の電極21と、第2の槽12に配置された第2の電極22と、生成された水素ガスおよび酸素ガスから選ばれる少なくとも1つのガスを利用するための部材が直接または間接的に接続される接続部とを含む。
【選択図】図1A

Description

本発明は、ガス生成装置に関する。
水素ガスや酸素ガスは、化学の実験で用いられることが多い気体である。しかし、それらのガスを使用する場合、通常はガスボンベを用いることになり、ガスボンベの管理が大変であった。また、ガスボンベを用いる場合には、水素ガスや酸素ガスを使用する場所までガスボンベを移動させたり、配管を行ったりする必要があった。そのため、従来は、任意の場所で任意の時間に水素ガスや酸素ガスを得ることに対する労力が大きかった。
一方、水溶液を電気分解することによって水素ガスおよび酸素ガスを生成する装置が、従来から提案されている(たとえば特開2004−143508号公報および特開2007−284730号公報)。特開2004−143508号公報の装置では、イオン交換膜を用いて電解液を電気分解している。しかし、イオン交換膜は、使用によって能力が低下するため、交換したり再生したりする必要があった。また、イオン交換膜の電気抵抗は比較的大きいため、電気分解の際に高い電圧を印加する必要があった。
特開2004−143508号公報
このような状況において、本発明の目的の1つは、水素ガスおよび/または酸素ガスを容易に得ることができるガス生成装置を提供することである。
上記目的を達成するため、本発明はガス生成装置を提供する。このガス生成装置は、第1および第2の槽に入れられた水性液体を電気分解することによって水素ガスおよび酸素ガスを生成するガス生成装置であって、セパレータと、前記セパレータを挟んでつながっている前記第1および第2の槽と、前記第1の槽に配置された第1の電極と、前記第2の槽に配置された第2の電極と、生成された水素ガスおよび酸素ガスから選ばれる少なくとも1つのガスを利用するための部材が直接または間接的に接続される接続部とを含む。
本発明のガス生成装置によれば、水素ガスおよび/または酸素ガスを容易に得ることができる。また、本発明のガス生成装置は小型化が容易である。
本発明の装置の一例を模式的に示す図である。 鼻カニューラを用いる場合の一例を示す図である。 図1Aに示した装置の動作の一例を示す図である。 本発明の装置の他の一例を模式的に示す図である。 本発明の装置のその他の一例を模式的に示す図である。 図4の装置の圧力調節器の拡大図である。 図4の装置の圧力調節器の動作の一例を示す図である。 本発明の装置の他の一例を模式的に示す図である。 本発明の装置で用いられる電極の一例を示す図である。 本発明の装置のその他の一例を模式的に示す図である。 図9に示した装置の動作の一例を示す図である。 本発明の装置で用いられるフィルタの一例を示す図である。 本発明の装置で用いられる液トラップの一例を示す図である。 本発明の装置のその他の一例を模式的に示す図である。 本発明の装置の他の一例を模式的に示す図である。
以下、本発明の実施形態について説明する。なお、以下の説明では、本発明の実施形態について例を挙げて説明するが、本発明は以下で説明する例に限定されない。以下の説明では、具体的な数値や材料を例示する場合があるが、本発明の効果が得られる限り、他の数値や材料を適用してもよい。また、図面を用いた説明では、同様の部分に同一の符号を付して重複する説明を省略する場合がある。
[ガス生成装置]
本発明のガス生成装置は、第1および第2の槽に入れられた水性液体を電気分解することによって水素ガスおよび酸素ガスを生成するガス生成装置である。この装置は、セパレータと、セパレータを挟んでつながっている第1および第2の槽と、第1の槽に配置された第1の電極と、生成された水素ガスおよび酸素ガスから選ばれる少なくとも1つのガスを利用するための部材が直接または間接的に接続される接続部(たとえば接続部材)とを含む。接続部の一端は、槽に接続されるか、または、槽と接続部とを結ぶ流路に接続される。また、接続部の他端は、ガスを利用するための部材に接続されるか、または、当該部材と接続部とを結ぶ流路に接続される。接続部に特に限定はなく、チューブやコネクタであってもよいし、槽の一部(たとえば筒状部)の形状を変更して接続部としてもよい。また、接続部は、槽に接続された独立の部材であってもよい。本発明の装置は、第1の槽と接続部とを結ぶ流路と、第2の槽と接続部とを結ぶ流路とを含んでもよい。それらの流路は、チューブ等で構成してもよい。上記少なくとも1つのガスの例には、水素ガス、酸素ガス、および水素ガスと酸素ガスとの混合ガスが含まれる。
本発明の装置では、ガスを吸入するための吸入用部材が接続部に接続されてもよい。すなわち、本発明の装置は、ガス吸入用の装置であってもよい。吸入用部材は、鼻カニューラ、または、ガス吸入用の鼻マスクであってもよい。鼻マスクの一例は、鼻および口を覆い、マスク内にガスを保留できるマスクであって、マスク内にガスを供給するためチューブが接続されているマスクである。
本発明の装置は、吸入用部材に供給されるガスを、水素ガス、酸素ガス、および水素ガスと酸素ガスとの混合ガスの間で切り替えるための切り替え手段を含んでもよい。そのような切り替え手段の例には、三方弁や、複数の二方弁が含まれる。
本発明の装置は、水性液体の電気分解中において、第1の槽内の水性液体の液面、または、第2の槽内の水性液体の液面が低下することによって第1の槽内の気体と第2の槽内の気体とが混合されることを抑制する混合抑制構造(混合抑制手段)を有してもよい。
本発明の装置の混合抑制手段は、第1の槽内の気体の圧力と、第2の槽内の気体の圧力との圧力差が小さくなるように圧力差を調節する圧力差調節器を含んでもよい。
本発明の装置の混合抑制手段は、水素ガスが流れる空間、および、酸素ガスが流れる空間から選ばれる少なくとも1つの空間に設けられた気液分離部を含んでもよい。
本発明の装置は、水素ガスが流れる空間、および、酸素ガスが流れる空間から選ばれる少なくとも1つの空間に設けられたフィルタを含んでもよい。
本発明の装置は、液体が配置される容器と、上記少なくとも1つのガスを容器内の液体中に吹き出させるための管とをさらに備えてもよい。容器内に配置される液体は、たとえば、水を含む水性液体であり、一例では水である。この液体は、飲用される液体であってもよい。また、本発明の装置は、上記容器を2つ備え、一方の容器内の液体に水素ガスを吹き出させるための管と、他方の容器内の液体に酸素ガスを吹き出させるための管とをさらに備えてもよい。
本発明の装置では、生成された水素ガスおよび酸素ガスが、吸入用部材の吸入部に到達するまで混合されなくてもよい。たとえば、吸入用部材は、水素ガス用の第1の流路と酸素ガス用の第2の流路とを含み、第1の流路と第2の流路とが吸入部に到達するまで分離されていてもよい。たとえば、吸入用部材が鼻カニューラである場合、吸入部またはその近傍に、水素ガス用の第1の流路と酸素ガス用の第2の流路とを仕切る仕切りが形成されていてもよい。
本発明の装置を用いて水性液体中の水を電気分解することによって、水素ガスおよび酸素ガスを生成できる。そのため、本発明の装置は、水素ガス生成装置、酸素ガス生成装置、または、水素ガスと酸素ガスとの混合ガスの生成装置として利用できる。また、本発明の装置は、生成したガスを液体に溶解させることによって、液体中の水素ガスおよび/または酸素ガスの溶存濃度を上昇させる装置として利用できる。また、本発明の装置は、水素ガスおよび/または酸素ガスの溶存濃度の溶存濃度が高い液体を製造する装置として利用できる。
この明細書において、「水性液体」とは、水を含む液体を意味する。以下では、本発明の装置で電気分解される水性液体を、「水性液体(A)」という場合がある。典型的には、水性液体(A)は、水素イオンおよび水酸化物イオンに加えて、それら以外のイオンを含む水溶液である。そのような水性液体(A)の例には、水道水も含まれる。
水性液体(A)の導電率が高いほど、水性液体(A)の電気分解に必要な電圧を低くできる。そのため、水性液体(A)は、酸性水溶液や、アルカリ性水溶液や、塩を溶解させた水溶液であってもよい。しかし、これらの溶液は、取り扱いに注意が必要であったり、調製に手間がかかったりすることがある。そのため、取り扱いおよび入手が容易な水性液体(たとえば水道水)を水性液体(A)として用いることができれば便利である。本発明の装置では、適切な構成を採用することによって、導電率が100μS/cm〜1000μS/cmの範囲(たとえば100μS/cm〜300μS/cm)にある水性液体(たとえば水道水)を電気分解することが可能である。この程度の導電率を有する水性液体(A)を電気分解する場合、適切な電極を適切に配置することによって、15ボルト以下の電圧で水を電気分解することが可能である。水性液体(A)のpHに限定はないが、pHが5〜9程度の範囲にある水性液体(A)は取り扱いが容易であるという利点を有する。
なお、水性液体(A)の導電率が低すぎる場合には、イオンを生じさせる化合物(たとえば塩)を水性液体(A)に溶解させてもよい。添加する塩に限定はない。添加する塩は、それによって生じるイオンが、水の電気分解の電位内で反応しないものであることが望ましい。添加する塩の例には、陽イオンとしてプロトンイオンやアルカリ金属イオンを含有し、陰イオンとして硫酸イオン(SO4 2-)や燐酸イオン(PO4 3-)や硝酸イオン(NO3 -)や塩素イオン(Cl-)を含有する塩が含まれる。ただし、陰イオンは、電気分解の際に有害物質の発生が少ない点で、燐酸イオンがとして好ましい。水性液体(A)中の塩濃度に特に限定はなく、たとえば0.01mol/L〜1mol/Lの範囲にあってもよい。また、アルカリ化合物を水性液体(A)に溶解させてもよいが、その場合には、装置を構成する材料の選択に注意が必要である。
好ましい一例では、水性液体(A)として、リン酸の塩を溶解させた純水を用いる。リン酸の塩の例には、NaH2PO4、Na2HPO4、およびNa3PO4、ならびにこれらのNa+および/またはH+を他のアルカリ金属イオンに置き換えたものが含まれる。
水性液体(A)の電気分解によって、第1の槽(第1の電極表面)では第1のガスが生成され、第2の槽(第2の電極表面)では第2のガスが生成される。以下では、第1の槽内の気体の圧力と第2の槽内の気体の圧力との圧力差を、「圧力差(DP)」という場合がある。圧力差(DP)が大きくなると、第1の槽内の水性液体(A)の液面と、第2の槽内の水性液体(A)の液面との位置がずれる。この位置のずれが大きくなると、いずれか一方の液面がセパレータと接触する位置に到達する。その場合、圧力が高い方の気体がセパレータを通過し、第1の槽内の気体と第2の槽内の気体とが混ざり合ってしまう。
また、いずれか一方の液面が低下することによって第1の電極または第2の電極が露出すると、電気分解の効率が低下してしまう。上述した混合抑制構造(混合抑制手段)を有することによって、このような問題を回避できる。そのため、別の観点では、水性液体(A)の液面が特定の部材に到達することが、混合抑制構造によって防止される。ここで、特定の部材は、第1の槽と第2の槽とを仕切っているセパレータであってもよいし、第1および第2の電極であってもよい。また、特定の部材は、セパレータ、第1の電極および第2の電極からなる群より選ばれる少なくとも1つの部材であってもよい。以下では、当該特定の部材を、「特定の部材(S)」という場合がある。
第1および第2の槽は、セパレータを挟んでつながっている。別の観点では、第1および第2の槽は、セパレータによって仕切られている。通常の使用状態では、第1の槽内の気体および第2の槽内の気体は、ガスの経路以外から放出されることはない。すなわち、通常の使用状態では、第1および第2の槽は、ガスの経路を除き、大気から遮断されている。ただし、生成されるガスのうち、使用されないガスが存在する側の槽は大気に開放されていてもよい。
第1および第2の槽において電気分解が行われる。第1の電極は、第1の槽に配置されている。第2の電極は、第2の槽に配置されている。なお、第1の槽と第2の槽との間の上方部分は、液体および気体のいずれをも透過させない隔壁によって仕切られていてもよい。そして、隔壁の下の部分がセパレータによって仕切られていてもよい。水性液体(A)の液面が隔壁の部分にある限り、第1の槽内の気体と第2の槽内の気体とが混ざることはない。
第1および第2の槽は、1つの容器をセパレータで分離することによって形成してもよい。また、第1の槽を構成する容器と第2の槽を構成する容器とを、セパレータを挟んで接続してもよい。1つの観点では、本発明の装置は、セパレータによって第1の槽と第2の槽とに分けられた槽を含む。
第1および第2の槽は、水性液体(A)を保持できる材料で形成される。第1および第2の槽は、たとえば、ガラス、樹脂、ゴム、金属、またはこれらの複合体で形成できる。槽の内部が観察できるように、第1および第2の槽の少なくとも一部が透明な材料で形成されていてもよい。
第1および第2の槽の内面は、親水性であってもよい。槽の内面を親水性とすることによって、生成されたガスが槽の内面に付着することを抑制できる。槽の内面を親水性にする方法としては、たとえば、親水性の膜を槽の内面に貼り付ける方法や、樹脂槽の内面を親水化処理する方法が挙げられる。親水性の膜としては、たとえば、メンブレンフィルタ(ミクロポア社製、品番:JCWP14225)が挙げられる。親水化処理の例には、過マンガン酸カリウムなどの酸化剤で処理する方法、コロナ放電処理、およびプラズマ放電処理が含まれる。
第1の槽および第2の槽の内容積に特に限定はない。第1の槽および第2の槽の内容積は、それぞれ、100cm3〜2000cm3の範囲(たとえば300cm3〜1000cm3の範囲)にあってもよい。
セパレータ(隔膜)は、水性液体(A)およびイオン(陽イオンおよび陰イオン)を通過させる。セパレータは、第1の電極と第2の電極とが短絡することを防止する。そのため、セパレータは、第1の電極と第2の電極との短絡を防止できる材料(たとえば絶縁材料)で形成される。セパレータは、第1および第2の槽内の水性液体(A)を通過させる。一方、電極の表面で生成されたガスがセパレータを通過した場合、第1の槽内のガスおよび第2の槽内のガスの少なくとも一方が混合ガスになってしまう。従って、水素ガスおよび酸素ガスを別々に供給する必要がある場合には、セパレータは、水性液体(A)に浸漬された状態において、電極の表面で生成されたガスの泡を透過させないことが好ましい。ガスの透過性は、たとえば、セパレータの面密度や目の粗さによって制御できる。セパレータの形態に特に限定はなく、多孔性の膜であってもよいし、繊維で形成された布(織布または不織布)であってもよい。
セパレータは親水性であってもよい。親水性のセパレータは、その表面に液体が吸着されやすく気体は吸着されにくいため、水性液体(A)中でガスを透過させにくい。そのため、第1および第2の電極がセパレータに接触するほど両者を接近させても、第1のガスと第2のガス(たとえば、水素ガスと酸素ガス)とが混合されることを抑制できる。従って、親水性のセパレータを用いることによって、第1および第2の電極をより接近させることが可能である。また、親水性のセパレータを用いることによって、電圧降下を小さくできる多孔性のセパレータを使用することも可能となる。
親水性のセパレータの例には、表面が親水性である繊維を用いて形成されたセパレータが含まれる。また、親水性のセパレータの例には、綿、麻、レーヨン、毛、絹などで形成された布や膜が含まれる。また、親水性の合成樹脂からなるセパレータや、親水化処理をされた合成樹脂からなるセパレータを用いてもよい。
親水性であるか否かの目安として、毛管現象のような現象が生じるか否かを目安の1つとして挙げることができる。具体的には、セパレータの一部を水に浸漬し、残りの部分は水から出しておく。その時に、水が重力に逆らって当該残りの部分を上昇するようであれば、そのセパレータは、親水性であると推定できる。
本発明の装置で用いられるセパレータは、水性液体(A)が通過できる経路(たとえば親水性の経路)を有する。この経路を介して、第1の槽の水性液体(A)と第2の槽の水性液体(A)とがつながっている。そして、この経路は、陽イオンおよび陰イオンの両方を通過させる。本発明の装置で用いられるセパレータ(隔膜)は、通常、イオン交換能を有さず、陽イオンおよび陰イオンの両方を通過させる。本発明の装置では、イオン交換膜(イオン交換材料)を用いる必要はない。そのため、通常、本発明の装置は、イオン交換膜(イオン交換材料)を含まない。イオン交換膜(イオン交換材料)を含まないことによって、装置の維持が容易になり、また、低い電圧で水を電気分解することが可能になる。ただし、本発明の効果が得られる限り、本発明の装置は、イオン交換膜(イオン交換材料)を含んでもよい。
第1の電極と第2の電極とは、セパレータを挟むように配置されている。第1の電極と第2の電極との間の最短距離は、10mm以下(たとえば0.5mm〜5mmの範囲)であることが好ましい。たとえば、平板状の第1の電極と平板状の第2の電極とが平行に配置されている場合、第1の電極と第2の電極との最短距離は、20mm以下(たとえば0.5mm〜10mmの範囲や1mm〜5mmの範囲)であることが好ましい。第1の電極と第2の電極との最短距離を10mm以下とすることによって、電極間の水性液体(A)による電圧降下を小さくすることができる。その結果、導電率が100μS/cm〜500μS/cmの水性液体を、15ボルト以下の電圧で電気分解することが可能である。第1の電極と第2の電極との最短距離は、0.5mm以上(たとえば1mm以上)であってもよい。また、第1の電極と第2の電極との最短距離は、8mm以下であってもよく、5mm以下であってもよい。なお、導電率が高い水性液体(A)を用いる場合(たとえば塩が添加された水性液体(A)を用いる場合)には、第1の電極と第2の電極との最短距離がより長くても、低い電圧で水性液体(A)を電気分解できる。
導電率が低い水性液体(A)を比較的低い電圧で電気分解するには、第1の電極と第2の電極との間の距離を短くすればよい。しかし、単に電極間距離を短くするだけでは、第1の電極で生成された第1のガスと、第2の電極で生成された第2のガスとが混合されてしまうという問題がある。また、第1の電極と第2の電極とが短絡する危険性がある。そのため、本発明では、第1の電極と第2の電極との間にセパレータを配置し、ガスの混合と電極の短絡とを防止している。
第1および第2の電極には、水の電気分解反応を生じさせることができる電極が用いられる。第1および第2の電極の例には、金属部分を含む電極が含まれる。たとえば、第1および第2の電極は金属電極であってもよい。第1および第2の電極の表面には、水の電気分解反応が生じやすい金属が存在することが好ましい。水の電気分解反応が生じやすい金属の例には、白金が含まれる。第1および第2の電極の好ましい一例は、表面に白金が存在する金属電極である。具体的には、白金電極や、液体と接触する部分の表面が白金でコートされた金属電極が好ましく用いられる。白金でコートされる金属の例には、ニオブ、チタン、およびタンタル、およびその他の金属が挙げられる。特に、酸素ガスが生成する電極(アノード)の表面は白金でコートされることが好ましい。カソードは、たとえば、ニッケルやステンレスなどの、一般的に腐食が少ない金属からなる電極であってもよい。なお、金属以外の導電性材料(たとえば導電性の炭素材料)を含む電極を用いてもよい。また、それら導電性材料の表面を金属(白金その他の金属)でコートすることによって得られる電極を用いてもよい。
第1の電極と第2の電極との間には、通常、直流電圧が印加される。水性液体(A)が電気分解される限り、印加する電圧の大きさおよび印加方法に特に限定はない。電圧は、電流が一定となるように、電極間に印加してもよい。あるいは、電極間に一定の電圧を印加してもよい。一例では、2ボルト〜70ボルトの範囲や5ボルト〜20ボルトの範囲にある直流電圧が電極間に印加される。
第1および第2の電極は、それぞれ、2次元状に広がる形状を有していてもよい。たとえば、第1および第2の電極は、平板状の電極であってもよい。この明細書において、「平板状の電極」とは、全体として平らな形状の電極を意味し、線状の電極を2次元状に配置することによって形成された電極も含まれる。平板状の電極には、貫通孔が形成されていてもよい。また、第1および第2の電極は、それぞれ、1つの平面上に配置された複数の線状の電極で構成されていてもよいし、エクスパンドメタルであってもよい。第1および第2の電極が平板状である場合、それらは、セパレータを挟んで平行に対向するように配置されることが好ましい。
第1および第2の電極が上記線状の電極を含んでいる場合、上記第1の電極とセパレータとの距離が1mm以下であり、上記第2の電極とセパレータとの距離が1mm以下であってもよい。たとえば、第1および第2の電極は、セパレータと接触していてもよい。第1および第2の電極のそれぞれが鉛直方向に沿って配置された複数の線状の電極を含んでいる場合、線状の電極表面で生成したガスは、線状の電極間の隙間をつたって上へ上昇していく。そのため、電極とセパレータとの距離が接近していても、ガスを速やかに水性液体(A)から排出させることが可能である。
第1および第2の電極は、それらに電圧(通常、直流電圧)を印加するための電源(通常、直流電源)に接続される。電源は、コンセントから得られる交流電圧を直流電圧に変換するAC−DCコンバータであってもよい。また、電源は、太陽電池や燃料電池などの発電装置や電池(一次電池および二次電池)であってもよい。
なお、本発明の装置は、第1の槽および第2の槽の少なくとも一方を複数個含んでもよい。その場合、第1の槽と第2の槽とは交互に配置される。第1の槽と第2の槽との間は、セパレータで仕切られる。たとえば、本発明の装置が3個の第1の槽と2個の第2の槽を含む場合、それらは、「第1の槽/第2の槽/第1の槽/第2の槽/第1の槽」という順序で交互に配置される。また、この場合、電極およびセパレータは、たとえば「第1の電極/セパレータ/第2の電極/第2の電極/セパレータ/第1の電極/第1の電極/セパレータ/第2の電極/第2の電極/セパレータ/第1の電極」という順序で配置される。
混合抑制構造の2つの例を、以下に説明する。
(第1の混合抑制構造)
第1の混合抑制構造は、第1の槽内の気体の圧力と、第2の槽内の気体の圧力との圧力差が小さくなるように圧力差(DP)を調節する圧力差調節器を含む。この圧力差調節器によって、水性液体(A)の電気分解中において、第1の槽内の水性液体(A)の液面、または、第2の槽内の水性液体(A)の液面が低下することを制限できる。
圧力差調節器は、圧力差(DP)によって生じる力を利用して圧力差(DP)を調節するものであってもよい。圧力差調節器は、圧力差(DP)が生じたときに、第1の槽内の気体および第2の槽内の気体のうち、圧力が低い方の気体の圧力を高めるように機能するものであってもよい。
圧力差調節器の一例は、第1のガスの流路および第2のガスの流路からなる群より選ばれる少なくとも1つの流路を含む容器と、その容器内に配置された仕切りとを含む。仕切りは、容器内において、第1のガスの流路と第2のガスの流路とを分けている。以下、この一例の容器を「容器(B)」という場合がある。圧力差(DP)によって仕切りが変形することによって、少なくとも1つの流路における気体の流れに対する抵抗が、圧力差(DP)を小さくするように変化する。たとえば、他の流路よりも圧力が低い流路の圧力が高くなるように、抵抗が変化する。一例では、圧力差(DP)によって仕切りが変形することによって、上記少なくとも1つの流路が開閉される。より具体的には、圧力差(DP)によって仕切りが変形することによって、他の流路よりも圧力が低い流路が閉じられる。
仕切りには、第1および第2のガスを実質的に透過させず、且つ、圧力差(DP)によって変形する仕切りを用いることができる。仕切りは、薄い金属板、樹脂シート、ゴムシート、あるいはこれらの複合材で形成されてもよい。容器(B)の例には、第1および第2のガスを実質的に透過させず、第1および第2のガスの圧力で実質的に変形しない容器が含まれる。容器(B)は、金属、樹脂、ゴム、あるいはこれらの複合材で形成されてもよい。
圧力差調節器の上記一例では、容器(B)の内部が仕切りによって第1の空間と第2の空間とに仕切られていてもよい。そして、第1の空間には第1のガスが流れる流入口および排出口が接続されていてもよい。この場合、第1の空間は、第1のガスの流路の一部となる。第2の空間には、第2のガスが流れる流入口および排出口が接続されていてもよい。この場合、第2の空間は第2のガスの流路の一部となる。あるいは、第2のガスの圧力が第2の空間および仕切りに加わるように、第2の空間には、第2のガスの流入口のみが接続されていてもよい。逆に、第1の空間に第1のガスの流入口のみが接続され、第2の空間に第2のガスが流れる流入口および排出口が接続されてもよい。
圧力差調節器は、容器(B)の内部(たとえば、仕切り)を加熱するためのヒータをさらに含んでもよい。このヒータは、仕切りに含まれてもよいし、仕切りの外部に存在してもよい。たとえば、容器(B)の外部にヒータを配置して、容器(B)の全体を加熱することによって容器(B)の内部を加熱してもよい。あるいは、容器(B)の内部にヒータを埋めこんでもよい。ヒータには、公知のヒータを用いることができ、たとえば、抵抗加熱ヒータ(たとえば、フィルムヒータやリボンヒータ)を用いることができる。本発明のガス生成装置でガスを生成すると、容器(B)を高湿度のガスが流れる。その結果、容器(B)の内部(たとえば、仕切り)に水滴が付着することがある。容器(B)の内部に水が溜まると、圧力差の調節が適切に行われない場合がある。そのような問題は、ヒータで容器(B)の内部を加熱することによって回避できる。
圧力差調節器は、第1の槽内の水性液体(A)の液面の位置、および、第2の槽内の水性液体(A)の液面の位置をモニタする検出器と、少なくとも1つの流量調節器とを含んでもよい。少なくとも1つの流量調節器は、検出器の出力に応じて第1のガスの流量および/または第2のガスの流量を変化させる。検出器に特に限定はなく、電気によって水位を検出するセンサや、光によって水位を検出するセンサや、圧力によって水位を検出するセンサであってもよい。電気によって水位を検出するセンサの例には、電気抵抗によって水位を検出するセンサや、静電容量によって水位を検出するセンサが含まれる。第1の槽内の水性液体(A)の液面、または、第2の槽内の水性液体(A)の液面がセパレータまたは電極に近づいたことを検出器が検出すると、その信号がコントローラに出力される。コントローラは、その信号に基づいて、流量調節器を調節する。第1の槽内の気体および第2の槽内の気体のうちの一方が他方よりも圧力が高いと、その一方が存在する槽内の水性液体(A)の液面が低下する。コントローラは、液面が低下した槽とは異なる槽(すなわち、液面が上昇した槽)に存在するガスが流れる流路の流量を小さくする。その結果、液面が上昇した槽の液面が低下し、液面が低下した槽の液面が上昇する。このようにして、液面が特定の部材(S)に到達することが抑制される。
なお、本発明の装置では、液面が特定の部材(S)に近づいたときに電圧印加を停止してもよい。そのような処理をするために、本発明の装置は、第1の槽内の水性液体(A)の液面の位置、および、第2の槽内の水性液体(A)の液面の位置を検出する検出器と、検出器の出力信号に基づいて電圧印加を停止するコントローラとを備えてもよい。検出器には、上述した検出器を用いることができる。また、本発明の装置は、所定の時間で電圧印加を停止するタイマを備えてもよい。
ガス生成装置の他の一例では、制限手段が、第1の槽において生成される第1のガスが流れる空間に設けられた気液分離部を含む。第1のガスが流れる空間には、第1の槽の上方の空間、および、第1の槽と外部(たとえば大気)とを結ぶ流路が含まれる。この構成は、第2の槽内の気体の圧力が第1の槽内の気体の圧力よりも高くなるような場合に採用できる。装置を使用している際に、第2の槽内の気体の圧力が高くなると、第2の槽内の水性液体(A)の液面が低下し、第1の槽内の水性液体(A)の液面が上昇する。第1の槽に配置された水性液体(A)の液面が気液分離部に到達すると、水性液体(A)の液面の位置がそれ以上上昇することはない。この形態では、第1の槽に配置された水性液体(A)の液面が気液分離部に到達したときに、第2の槽に配置された水性液体(A)の液面が特定の部材(S)に到達しないようにする。そのような状態は、第1および第2の槽の形状、ならびに、槽内に配置する水性液体(A)の量を調節することによって実現できる。一例では、気液分離部は混合抑制手段として機能する。
気液分離部(気液分離手段)は、液体を通過させず気体のみを通過させる。気液分離部は、層であってもよいし、膜であってもよい。気液分離部の一例は、撥水剤が充填された気液分離層である。撥水剤の例には、ポリテトラフルオロエチレンなどのフッ素樹脂の粉末が含まれる。気液分離部の他の一例は、撥水性の気液分離膜である。気液分離膜の例には液相分離濾紙(たとえばWhatman製の液相分離濾紙)が含まれる。
なお、気液分離部は、第1の槽において生成される第1のガスが流れる空間だけでなく、第2の槽において生成される第2のガスが流れる空間にも配置されていてもよい。すなわち、本発明のガス生成装置は、第1の気液分離部および/または第2の気液分離部を含んでもよい。第1の気液分離部は、第1の槽内の水性液体(A)の液面の上昇を制限し、第2の気液分離部は第2の槽内の水性液体(A)の液面の上昇を制限する。たとえば、気液分離部は、第1のガスが流れる空間および第2のガスが流れる空間からなる群より選ばれる少なくとも1つの空間に設けられていてもよい。ここで、第2のガスが流れる空間には、第2の槽の上方の空間、および、第2の槽と外部(たとえば大気)とを結ぶ流路が含まれる。また、本発明のガス生成装置は、圧力差調節器および気液分離部の両方を含んでもよい。
本発明のガス生成装置は、後述する通気抵抗部材をさらに含んでもよい。たとえば、上記制限手段が気液分離部である場合、本発明の装置は、気液分離部の下流側に配置された通気抵抗部材をさらに含んでもよい。
(第2の混合抑制構造)
第2の混合抑制構造(混合抑制手段)は、第1および第2の槽の形状に関する。第2の混合抑制構造では、水性液体(A)の電気分解中において、第1の槽内の気体の圧力よりも第2の槽内の気体の圧力が高くなったときに第2の槽内の水性液体(A)の液面の低下が制限される形状を、第1および第2の槽が有する。第2の混合抑制構造では、特定の形状の第1および第2の槽を用いることによって、ガスの混合や電極の露出を防止できる。換言すれば、そのような形状を有する第1および第2の槽が、混合抑制手段として機能する。別の観点では、水性液体(A)の電気分解中において、第1の槽内の気体の圧力よりも第2の槽内の気体の圧力が高くなったときに第2の槽内の水性液体(A)の液面が特定の部材(S)に到達しにくい形状を、第1および第2の槽が有する。
第2の混合抑制構造の一例では、第1および第2の槽のいずれか一方の内部の水平方向の断面積を、他方の槽の内部の水平方向の断面積よりも大きくする。このような構成によって、断面積が大きい方の槽内の水性液体(A)の液面の高さの変動を小さくすることが可能である。また、このような構成によって、一方の槽内の水性液体(A)の液面の高さの変動を小さくしつつ、装置の設置面積を小さくすることが可能である。
第2の槽内の気体の圧力が第1の槽内の気体の圧力よりも高くなる条件で装置が用いられる場合、第2の槽の断面積を第1の槽の断面積よりも大きくすればよい。なお、この場合、第1の槽内の水性液体(A)の液面の上昇範囲が大きくなる。そのため、第1の槽内の水性液体(A)が第1の槽の外に漏れたり気体の流路に流れたりすることを防止するために、第1の槽の槽内の高さを、第2の槽の槽内の高さよりも高くしてもよい。たとえば、第1の槽の上方に、管状部を設けてもよい。
また、ガスの流路には、第1のガスの通気抵抗を高めるための部材を配置してもよい。そのような通気抵抗部材は、通常、ガスの流路の最終端近傍に配置される。通気抵抗を高める通気抵抗部材を配置することによって、水性液体(A)の液面の急激な変動や、液面の脈動を抑制できる。通気抵抗部材は、気体の粘性流を利用するものであってもよい。通気抵抗部材の例には、多孔性の部材が含まれる。また、通気抵抗部材の例には、少なくとも一部の断面積が小さい流路を備える部材(たとえば細い管)も含まれる。通気抵抗部材内の流路の断面積は、8×10-3mm2〜12mm2の範囲にあってもよく、たとえば1×10-2mm2〜3mm2の範囲や7×10-2mm2〜0.8mm2の範囲にあってもよい。通気抵抗部材の流路の断面積がこれらの範囲のいずれかにある場合、通気抵抗部材の長さは、0.5mm〜1000mmの範囲にあってもよく、たとえば1mm〜200mmの範囲や5mm〜200mmの範囲にあってもよい。
また、本発明の第2の混合抑制構造は、上述した第1の気液分離部および/または第2の気液分離部を含んでもよい。
以下、この明細書において、「槽の断面積」という語句は、槽の内部の水平方向の断面積を意味する。また、第1の槽の内部の水平方向の断面積を、「断面積(S1)」という場合がある。また、第2の槽の内部の水平方向の断面積を、「断面積(S2)」という場合がある。なお、槽の内部の水平方向の断面積が高さによって変動する形状を、槽が有する場合がある。その場合、槽の内部の水平方向の断面積は、槽内に存在する水性液体(A)の液面が変動する範囲における断面積の平均を意味する。第2の混合抑制構造において、第2の槽内の気体の圧力が第1の槽内の気体の圧力よりも高くなる条件で装置が用いられる場合、断面積(S2)を断面積(S1)の1.1〜10倍の範囲としてもよく、たとえば、2〜10倍の範囲や2〜5倍の範囲や3〜5倍の範囲としてもよい。また、断面積(S1)と断面積(S2)との比がこれらの範囲にある場合、第1の槽の槽内の高さは、第2の槽の槽内の高さの1.2倍〜5倍の範囲にあってもよく、たとえば、1.3倍〜4倍の範囲や1.5倍〜3倍の範囲にあってもよい。なお、第1の槽の上方に管状部が設けられている場合には、その管状部の高さも第1の槽の槽内の高さに含まれる。第2の槽の内容積は、200cm3〜3000cm3の範囲にあってもよく、第1の槽の内容積は第2の槽の内容積よりも小さい。
なお、本発明の第2の混合抑制構造を変形した他のガス生成装置も利用可能である。たとえば、槽の形状を任意の形状とし、第1のガスの流路および第2のガスの流路からなる群より選ばれる少なくとも1つの流路に通気抵抗部材が配置されていることを特徴とする装置も利用可能である。この装置では、槽の形状以外の部分については、第2の混合抑制構造と同じ構成とすることができる。この装置によれば、水性液体の液面の急激な変動や、液面の脈動を抑制できる。
本発明の効果が得られる限り、本発明のガス生成装置は、第1および第2の混合抑制構造の両方を含んでもよい。
本発明の第1および第2の混合抑制構造は、水蒸気を除去する水蒸気トラップや、液体をトラップする液トラップをガスの流路に備えてもよい。水蒸気トラップは、シリカゲルなどの乾燥剤であってもよいし、水蒸気を凝結させて除去する装置であってもよい。そのような水蒸気トラップには、公知の水蒸気トラップを用いることができる。水蒸気トラップおよび上記ヒータは、圧力差調節器の内部や流路における結露を防止する手段として機能する。液トラップに特に制限はなく、公知の液トラップを用いることができる。一例の液トラップは、ガスが流入する流路と、ガスが排出される流路とが接続された槽を含む。
本発明の第1および第2の混合抑制構造は、生成されたガスを分配するための分配器(分配手段)を備えてもよい。分配器は、ガスの流路に配置される。圧力差調節器を含むガス生成装置では、分配器は、通常、ガスの流路のうち圧力差調節器の下流側に配置される。分配器の一例は、容器と、容器内に配置された複数のシート状の仕切りとを備える。複数のシート状の仕切りは、互いに平行に配置されている。容器内の少なくとも一部は、複数の仕切りによって、複数の空間に分けられている。ガス生成装置で生成されたガスは、複数の仕切りによって分けられて容器から排出される。なお、分配器の内部に結露が生じると、ガスの分配が適切に行われにくくなる場合がある。そのため、本発明の装置は、分配器内部の結露を防止する手段を備えてもよい。そのような手段の例には、圧力差調節器(圧力差調節手段)の内部の結露を防止する手段として説明した、水蒸気トラップおよびヒータが含まれる。
本発明の製造装置の一例では、水性液体(A)の電気分解中に、第1の槽内の水性液体(A)の液面、および、第2の槽内の水性液体(A)の液面のいずれかが低下して、第1の電極または第2の電極が露出することが防止される。この装置では、セパレータの代わりにイオン交換膜が用いられてもよい。イオン交換膜を用いる場合には、水性液体(A)の液面がイオン交換膜に到達しても、ガスの混合は起こりにくい。しかし、水性液体(A)の液面が低下することによって電極が露出すると、電気分解の効率が低下する。この一例の装置では、電極の露出を抑制することによって、電気分解の効率の低下を防止する。
上述した本発明の装置は、いずれも、コントローラを備えてもよい。コントローラは、演算処理装置と記憶手段とを含む。なお、記憶手段は、演算処理装置と一体化されていてもよい。記憶手段の例には、演算処理装置の内部メモリ、外部メモリ、磁気ディスク(たとえばハードディスクドライブ)などが含まれる。記憶手段には、各工程を実行するためのプログラムが格納される。コントローラの一例には大規模集積回路(LSI)が含まれる。コントローラは、装置に含まれる機器(電源、バルブなど)および計測器(水位計など)に接続されていてもよい。コントローラは、計測器の出力に基づいて機器を制御することによって、装置で行われる処理を実行してもよい。なお、本発明の装置は、コントローラを備えていなくてもよい。
[実施形態1]
実施形態1では、ガス生成装置の一例について説明する。実施形態1のガス生成装置を図1Aに模式的に示す。図1Aの装置100は、槽10、平板状の第1の電極21、平板状の第2の電極22、セパレータ23、直流電源24、鼻カニューラ28、接続部材54a、および接続部材54bを含む。
槽10は、隔壁10aおよびセパレータ23によって、第1の槽11と第2の槽12とに分けられている。すなわち、第1の槽11は、セパレータ23を介して第2の槽12に隣接している。隔壁10aは槽10の上部を仕切り、セパレータ23は槽10の下部を仕切っている。隔壁10aは、気体および液体のいずれをも通過させない。槽10(第1の槽11および第2の槽12)の中には、水性液体25が配置されている。第1の槽11中の水性液体25の液面の上、および、第2の槽12中の水性液体25の液面の上には、それぞれ、気体が存在する。以下では、第1の槽11中には、第1の槽11において電気分解によって生成される第1のガス26のみが存在し、第2の槽12中には、第2の槽12において電気分解によって生成される第2のガス27のみが存在すると仮定する。
第1の電極21は、第1の槽11内に配置されている。第2の電極22は、第2の槽12内に配置されている。第1の電極21と第2の電極22とは、セパレータ23を挟んで対向している。第1の電極21と第2の電極22とは、直流電源24に接続されている。
第1および第2の槽11および12の上方には、筒状部11aおよび12aがそれぞれ設けられている。鼻カニューラ28のチューブ28aと筒状部11aとは、接続部材54aによって接続されている。鼻カニューラ28のチューブ28bと筒状部12aとは、接続部材54bによって接続されている。
図1Aには、酸素ガスおよび水素ガスの両方が鼻カニューラ28を流れる場合を示している。なお、酸素ガスおよび水素ガスを混合するときは、水素ガスの発火を防止するために、混合時の水素ガス濃度を低下させることが好ましい。たとえば、大気に開放されている状態で両者を混合することが好ましい。また、両者を混合する場合、使用される場所(たとえば吸入部)に到達するまで混合せず、使用される場所で混合するようにすることが好ましい。そのため、鼻カニューラ28は、鼻カニューラ28の内部で酸素ガスと水素ガスとが混合することを防止するための仕切り28c(図1A参照)を備えてもよい。図1Aの鼻カニューラ28では、2つの吸入部28sおよび28tから放出されるまで水素ガスと酸素ガスとが混合されることはない。この構成によれば、装置の安全性をより高めることができる。
第1の電極21の表面で酸素ガスが生成され第2の電極22の表面で水素ガスが生成される場合、チューブ28aは酸素ガスが流れる第2の流路を構成し、チューブ28bは水素ガスが流れる第1の流路を構成する。図1Aの例において、チューブ28bによって構成される第1の流路とチューブ28aによって構成される第2の流路とは、大気に開放されるまで分離されている。換言すれば、第1の流路と第2の流路とは、少なくとも吸入部28sおよび28tに到達するまで分離されている。なお、図1Bに示すように、仕切りがない鼻カニューラ28を用いることも可能である。
また、酸素ガスおよび水素ガスのいずれか一方のみを利用する場合、図1Bに示すような部材29を用いてもよい。部材29を接続部材54aまたは接続部材54bのいずれかに接続することによって、一方のガスのみを利用できる。また、装置に接続する側のチューブが1つのみの鼻カニューラを用いてもよい。
第1の電極21と第2の電極22との間に、第1の電極21がアノードとなるように電圧を印加した場合の状態を図2に示す。図2に示すように、第1の電極21(アノード)の表面で酸素ガスが生成し、第2の電極22(カソード)の表面で水素ガスが生成する。生成したガスは、接続部材54aおよび接続部材54bを介して利用される。
装置100は、溶存水素濃度または溶存酸素濃度が高い水を生成する装置としても利用できる。その場合、一方の槽内の圧力が高くなって水性液体(A)の水位が低下する場合がある。水性液体(A)の水位が低下すると、水素ガスと酸素ガスとが混合したり、電極が露出したりする。そのため、本発明の装置を、溶存水素濃度および/または溶存酸素濃度が高い水を生成する装置として利用する場合には、混合抑制手段を用いることが好ましい。
本発明の装置を、水素ガスの溶存濃度が高い水性液体を生成する装置として利用する場合の一例について説明する。この場合の装置の一例を図3に示す。図3の装置100aにおいて、第1の槽11は、筒状部11aを介して大気に開放されている。一方、筒状部12aには、接続部材54bを介してチューブ43が接続されている。
図3に示すように、第1の電極21がアノードとなるように、第1の電極21と第2の電極22との間に電圧を印加することによって、水性液体25が電気分解される。その結果、第1の電極21の表面では酸素ガスが生成され、第2の電極22の表面では水素ガスが生成される。生成された水素ガスは、チューブ43を通って水性液体44中に放出される。その結果、水性液体44の溶存水素濃度が上昇する。なお、第1の電極21で生成された酸素ガスを用いることによって、水性液体の溶存酸素濃度を上昇させることも可能である。
なお、図3の装置では、第1の槽11内の圧力と第2の槽12内の圧力との差が大きくなり、一方の槽の水性液体25の液面が大きく低下する場合がある。そのような液面の変動を抑制するために、圧力調節器を用いてもよい。圧力調節器を含む装置の一例を、図4に示す。図4の装置100bは、ガスの流路46および47の途中(または端部)に配置された圧力差調節器30(混合抑制手段)を含む。圧力差調節器30の断面図を図5に示す。圧力差調節器30は、仕切り31および容器40を含む。容器40には、流入口41a、排出口41b、流入口42a、および排出口42bが形成されている。容器40の内部は、仕切り31によって、第1の空間41と第2の空間42とに仕切られている。
第1の空間41は、流入口41aおよび排出口41bを介して外部と通じている。流入口41aは、チューブ46および接続部材54aを介して筒状部11a(第1の槽11)に接続されている。装置100bでは、第1の槽11と圧力差調節器30とが、タンク等を介さずにチューブ46で接続されている。第1の空間41は、第1のガス26の流路の一部となっている。第1の槽11の第1のガス26の圧力が高まると、第1のガス26は、流入口41aおよび排出口41bを通じて流れる。
第2の空間42は、流入口42aおよび排出口42bを介して外部と通じている。流入口42aは、チューブ47および接続部材54bを介して第2の槽12に接続されている。装置100bでは、第2の槽12と圧力差調節器30とが、タンク等を介さずにチューブ47で接続されている。第2の空間42は、第2のガス27の流路の一部となっている。第2の槽12の第2のガス27の圧力が高まると、第2のガス27は、流入口42aおよび排出口42bを通じて流れる。
第1のガス26を利用する場合には、第1のガス26を利用するためのチューブが排出口41bに接続される。すなわち、第1のガス26を利用するための部材は、圧力差調節器30を介して、間接的に接続部材54aに接続される。第2のガス27を利用する場合には、第2のガス27を利用するためのチューブが排出口42bに接続される。すなわち、第2のガス27を利用するための部材は、圧力差調節器30を介して、間接的に接続部材54bに接続される。なお、圧力差調節器30または圧力差調節器30の排出口を接続部材と考えることも可能である。
ここで、第2のガス27の圧力が第1のガス26の圧力よりも大きい場合について考える。両者の圧力差(DP)が仕切り31を変形させるほど大きい場合には、図6に示すように仕切り31が変形し、流入口41aおよび/または排出口41bを塞ぐ。つまり、第1のガス26の流路が閉じられる。その結果、第2のガス27のみが排出口42bから排出される。電圧印加が続けられる限り、電極の表面では水素ガスおよび酸素ガスが生成されるため、第1のガス26の圧力は徐々に高くなる。圧力差(DP)が小さくなると、流入口41aおよび排出口41bが開放状態となり、第1のガス26および第2のガス27が、ともに圧力差調節器30から排出される。このように、圧力差調節器30を用いることによって、圧力差(DP)が大きくなりすぎることを抑制できる。
なお、圧力差調節器30は、容器40の周囲に配置されたヒータを備えてもよい。ヒータで容器40を加熱することによって、容器40の内部における結露を防止することが可能である。
第2の空間42に接続されるのは流入口42aのみであってもよい。そのような圧力差調節器30aを備える装置の一例を図7に示す。図7の装置100cは、圧力差調節器30の代わりに圧力差調節器30aを用いる点のみが、図4の装置100bと異なる。圧力差調節器30aは、排出口42bが形成されていない点のみが圧力差調節器30と異なる。
装置100cを用いて、水性液体の溶存水素濃度を上昇させる場合の一例を、図7に示す。第1の電極21がアノードとなるように、第1の電極21と第2の電極22との間に電圧を印加することによって、水性液体25を電気分解する。その結果、第1の電極21の表面では酸素ガスが生成され、第2の電極22の表面では水素ガスが生成される。生成された水素ガスは、チューブ47およびチューブ43を通って水性液体44中に放出される。水性液体44の表面からチューブ43の先端までの距離に応じて、水素ガス(第2のガス27)の圧力が高まる。第1のガス26の圧力と第2のガス27の圧力との圧力差(DP)が大きい場合、圧力差(DP)によって、圧力差調節器30の仕切り31が変形する。そして、圧力差(DP)が充分に大きい場合、流入口41aおよび/または排出口41bが仕切り31によって塞がれる。この状態は、第1の電極21の表面で生成される酸素ガスによって第1のガス26の圧力が高まり、それによって圧力差(DP)が小さくなるまで継続する。圧力差(DP)が充分に小さくなると、仕切り31の変形が小さくなり、その結果、流入口41aおよび排出口41bが開放状態となる。このように、本発明の装置では、圧力差(DP)が大きくなりすぎることを抑制できる。なお、図6では、流入口41aおよび排出口41bの両方が塞がれている状態を示しているが、いずれか一方が塞がれればよい。また、一方のガスのみを用いる場合には、第2の空間42に接続されるのは流入口42aのみであってもよい。
[電極の例]
平板状の第1の電極21の一例について、図8(a)に示す。図8(a)の第1の電極21は、ストライプ状に配置された複数の線状の電極21aと、それらを接続する線状の電極21bとを含む。装置の使用時において、通常、線状の電極21aが鉛直方向と平行になるように、第1の電極21は配置される。第2の電極22も、第1の電極21と同じ構造とすることができる。第1の電極21とセパレータ23との配置の一例を、図8(b)に模式的に示す。好ましい一例では、平板状の第1の電極21と平板状の第2の電極22とは、セパレータ23を挟んで、平行に配置される。すなわち、第1の電極21、第2の電極22、およびセパレータ23は2次元状の外形を有し、使用時において、それらは鉛直方向と平行になるように配置される。
[実施形態2]
実施形態2では、気液分離部を含むガス生成装置の一例について説明する。実施形態2のガス生成装置を図9に模式的に示す。図9の装置200は、槽10、平板状の第1の電極21、平板状の第2の電極22、セパレータ23、直流電源24、気液分離膜91および92、ならびに接続部材54aおよび54bを含む。装置100と重複する部分の説明は省略する。なお、装置200は、切り替え手段、チューブ等の流路、および他の接続部材を含んでもよい。
第1の槽11の上方には筒状部11aが存在し、筒状部11aには、気液分離膜91が配置されている。また、第1の槽12の上方には筒状部12aが存在し、筒状部12aには、気液分離膜92が配置されている。図9は、圧力差(DP)がゼロの状態を示している。第2の槽12において、セパレータ23と水性液体25とが接触している位置よりも上には、体積V2の水性液体25aが存在している。また、第1の槽11の水性液体25と気液分離膜91との間には、体積V1の空間が存在している。装置200は、体積V1よりも体積V2が大きい状態で使用される。体積V1よりも体積V2が小さいと、圧力差(DP)が大きいときには水性液体25の液面がセパレータ23の位置まで低下して第1のガス26と第2のガス27とが混合される場合がある。体積V1と体積V2との大小関係は、たとえば、槽10内に配置する水性液体25の量を調節することによって制御できる。たとえば、水性液体25の量が少ないと(V2/V1)の値が小さくなり、水性液体25の量が多いと(V2/V1)の値が大きくなる。
第1の電極21がアノードとなるように第1の電極21と第2の電極22との間に電圧を印加すると、第1の電極21の表面では酸素ガスが生成され、第2の電極22の表面では水素ガスが生成される。装置の状況によっては、第2のガス27(水素ガス)の圧力が高くなる。たとえば、図10に示す状況では、チューブ43の先端と水性液体44の液面との距離、および、チューブ43を流れる第2のガス27の通気抵抗に応じて、第2のガス27の圧力が高くなる。その結果、図10に示すように、第1の槽11内の水性液体25の液面が上昇し、第2の槽12内の水性液体25の液面が低下する。
図10に示すように、装置200では、第1の槽11内の水性液体25の液面が気液分離膜91に到達しても、第2の槽12内の水性液体25の液面がセパレータ23に到達しない。そのため、第2の槽12内の第2のガス27(水素ガス)の圧力が高まっても、第1のガス26(酸素ガス)と第2のガス27(水素ガス)とが混ざることがない。このように、実施形態2の装置200によれば、第1のガス26と第2のガス27とが混ざることを防止できる。また、装置200では、水性液体25が装置の外にあふれでることを防止できる。
なお、気液分離部が配置される位置は、図9に示した位置に限定されない。気液分離部は、第1のガスおよび/または第2のガスが気液分離部を通って流れるように、配置されていればよい。別の観点では、気液分離部は、槽内の空間と大気との間に配置されていればよい。
本発明の装置は、水素ガスの流路、および/または、酸素ガスの流路に配置されたフィルタを備えてもよい。フィルタの例には、活性炭フィルタやグラスフィルタが含まれる。フィルタは、交換が容易なカートリッジ型のフィルタであってもよい。ガスの流路(図11ではチューブ112)の途中にフィルタ111が設けられている例を図11に示す。
本発明の装置は、水素ガスの流路、および/または、酸素ガスの流路に配置された液トラップや、通気抵抗部材を備えてもよい。ガスの流路(図11ではチューブ112)の途中に、液トラップ121および細いチューブ122(通気抵抗部材)が配置されている例を図12に示す。
[実施形態3]
実施形態3では、本発明のガス生成装置の他の一例について説明する。実施形態3のガス生成装置を図13に模式的に示す。図13の装置300は、槽10、平板状の第1の電極21、平板状の第2の電極22、セパレータ23、および直流電源24を含む。装置100と重複する部分の説明は省略する。
装置300は、装置100とは異なり、圧力差調節器30を含まない。また、装置300の槽10の形状は、図1Aに示した槽10の形状とは異なる。
図13に示す槽10は、セパレータ23(および隔壁10a)によって、第1の槽11と第2の槽12とに分けられている。槽10(第1の槽11および第2の槽12)の中には、水性液体25が配置されている。第1の槽11中の水性液体25の液面の上には、第1のガス26が存在する。第2の槽12中の水性液体25の液面の上には、第2のガス27が存在する。第1の槽11の上方には、第1の槽11とつながった筒状部(管状部)11aが形成されている。なお、筒状部11aには、気液分離部を設けてもよい。また、液トラップ121とチューブ122との間に水蒸気トラップを配置してもよい。
筒状部11aの先端に配置された接続部材54aには、チューブ112の一端が固定されている。チューブ112は、比較的太いチューブである。チューブ112の他端は、図12に示した液トラップ121に接続されている。液トラップ121には、細いチューブ122も接続されている。第1の槽11から大気中に放出されるガスの通気抵抗を細いチューブ122によって高めることができるため、水性液体25の液面の急激な変動や、液面の脈動を抑制することが可能となる。
第2の槽12の内部の水平方向の断面積(S2)は、第1の槽11の内部の水平方向の断面積(S1)よりも大きい。そのため、第1の槽11内の水性液体25の液面の変位量に比べて、第2の槽12内の水性液体25の液面の変位量は小さくなる。水の電気分解によって第2の槽12で生成される気体を利用する場合について考えると、気体の利用状況によっては第2の槽12内の第2のガス27の圧力が高まることがある。そのような場合には、圧力差(DP)によって、図13に示すように、第2の槽12内の水性液体25の液面が低下する。しかし、断面積(S2)が大きいため、第2の槽12内における液面の低下量を小さくできる。その結果、第2のガス27がセパレータ23に到達することを防止できる。なお、断面積(S1)が小さい第1の槽11では液面の上昇が大きいが、図13に示すように、水性液体25は筒状部11aを上昇する。筒状部11aを充分に高くすることによって、水性液体25が筒状部11aからあふれることを防止できる。なお、筒状部11aを形成せずに、第1の槽11の高さを高くしてもよい。このように、使用する側の槽の断面積を大きくすることによって、気体の混合を防止できる。なお、断面積(S1)と断面積(S2)との適正な比は、使用によって生じると予想される圧力差(DP)から決定できる。
本発明の装置は、水素ガスの流路に配置された容器、および/または、酸素ガスの流路に配置された容器を備えてもよい。この容器は、液トラップとしても機能させることが可能である。この容器には、水性液体(たとえば水などの飲料)が配置される。容器内には、ガスを水性液体中に吹き出させるための管が配置される。水素ガスの流路に容器が配置される場合、容器内の水性液体に水素ガスが吹き出され、水性液体の溶存水素濃度が高くなる。酸素ガスの流路に容器が配置される場合、容器内の水性液体に酸素ガスが吹き出され、水性液体の溶存酸素濃度が高くなる。
実施形態1の装置100が、上記容器をさらに備える場合の一例について、図14に模式的に示す。図14の装置100dは、容器140をさらに備える。容器140内には、水性液体44が配置される。容器140は、蓋140aを備え、蓋140aには接続部材140bが設けられている。接続部材140を介して、容器140の内部空間は大気に開放されている。第2の槽12の上方の筒状部12aと容器140とは、チューブ(管)43によって接続されている。チューブ43の先端は、容器140の底近くに配置されている。
図14に示すように、第1の電極21がアノードとなるように第1の電極21と第2の電極22との間に電圧を印加すると、第2の電極22の表面で水素ガスが生成する。生成した水素ガスは、筒状部12aおよびチューブ43を介して水性液体44中に吹き出す。その結果、水性液体44の溶存水素濃度が上昇する。この水性液体44は、溶存水素濃度が高い水性液体、または、酸化還元電位が低い水性液体として利用することができる。さらに、水性液体44に溶解する水素ガスの量は微量であるため、生成した水素ガスの大部分は水性液体44に溶解することなく接続部材140bから放出される。この接続部材140bに、水素ガスを利用するための部材を接続することによって、水素ガスを利用することができる。すなわち、装置100dによれば、水性液体44の溶存水素濃度を上昇させるとともに、水素ガスを利用することができる。容器140と同様に、チューブ(管)によって筒状部11aに接続された容器を設けてもよい。この場合、水性液体の溶存酸素濃度を上昇させるとともに、酸素ガスを利用することができる。
本発明は、水性液体を電気分解することによってガスを生成する装置に利用できる。具体的には、本発明は、水素ガス、酸素ガス、水素ガスと酸素ガスとの混合ガスを生成する装置に利用できる。また、本発明は、液体中におけるそれらのガスの溶存濃度を上昇させる装置に利用できる。
100、100a、100b、100c、200、300 装置(ガス生成装置)
10 槽
21 第1の電極
22 第2の電極
23 セパレータ
24 直流電源
28 鼻カニューラ
30、30a 圧力差調節器(混合抑制手段)
43、46、47、112 チューブ
54a、54b、140b 接続部材(接続部:接続手段)
91、92 気液分離膜(気液分離部)
111 フィルタ
121 液トラップ
140 容器

Claims (10)

  1. 第1および第2の槽に入れられた水性液体を電気分解することによって水素ガスおよび酸素ガスを生成するガス生成装置であって、
    セパレータと、
    前記セパレータを挟んでつながっている前記第1および第2の槽と、
    前記第1の槽に配置された第1の電極と、
    前記第2の槽に配置された第2の電極と、
    生成された水素ガスおよび酸素ガスから選ばれる少なくとも1つのガスを利用するための部材が直接または間接的に接続される接続部とを含む、ガス生成装置。
  2. ガスを吸入するための吸入用部材が前記接続部に接続され、
    前記吸入用部材が、鼻カニューラ、または、ガス吸入用の鼻マスクである、請求項1に記載のガス生成装置。
  3. 前記吸入用部材に供給されるガスを、水素ガス、酸素ガス、および水素ガスと酸素ガスとの混合ガスの間で切り替えるための切り替え手段を含む、請求項2に記載のガス生成装置。
  4. 前記水性液体の電気分解中において、前記第1の槽内の前記水性液体の液面、または、前記第2の槽内の前記水性液体の液面が低下することによって前記第1の槽内の気体と前記第2の槽内の気体とが混合されることを抑制する混合抑制手段を有する、請求項1〜3のいずれか1項に記載のガス生成装置。
  5. 前記混合抑制手段が、前記第1の槽内の気体の圧力と、前記第2の槽内の気体の圧力との圧力差が小さくなるように前記圧力差を調節する圧力差調節器を含む、請求項4に記載のガス生成装置。
  6. 前記混合抑制手段が、水素ガスが流れる空間、および、酸素ガスが流れる空間から選ばれる少なくとも1つの空間に設けられた気液分離部を含む、請求項4に記載のガス生成装置。
  7. 水素ガスが流れる空間、および、酸素ガスが流れる空間から選ばれる少なくとも1つの空間に設けられたフィルタを含む、請求項1〜6のいずれか1項に記載のガス生成装置。
  8. 液体が配置される容器と、
    前記少なくとも1つのガスを前記容器内の前記液体中に吹き出させるための管とをさらに備える、請求項1〜7のいずれか1項に記載のガス生成装置。
  9. 生成された水素ガスおよび酸素ガスが、前記吸入用部材の吸入部に到達するまで混合されない、請求項2に記載のガス生成装置。
  10. 前記吸入用部材は、水素ガス用の第1の流路と酸素ガス用の第2の流路とを含み、前記第1の流路と前記第2の流路とが前記吸入部に到達するまで分離されている、請求項9に記載のガス生成装置。
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