JP2019201343A - Pll回路 - Google Patents

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Abstract

【課題】動作電源電圧が低電圧となったとしても回路規模を極力抑制しながらループフィルタのループ帯域を可変にできるようにしたPLL回路を提供する。【解決手段】PLL回路は、制御電圧に応じた周波数の信号を出力信号とするVCO2と、基準信号生成器による基準信号とVCO2の出力信号との位相を比較しVCO2の出力信号の周波数誤差をパルス信号として出力段5aから出力する位相比較器5と、パルス信号の高域をカットし制御電圧としてVCOに入力させるループフィルタ6と、を備える。位相比較器5の出力段5aは、出力電流可変機能を備える。ループフィルタ6は、ループ帯域の可変機能を備える。出力段5aとループフィルタ6との間に介在するトランジスタスイッチMepa〜Mepd、Mena〜Mendは、出力段5aの出力電流を切り替える。スイッチSWa〜SWdは、ループ帯域を切り替える。【選択図】図1

Description

本発明は、PLL(Phase Locked Loop)回路に関する。
PLL回路は、基準信号生成器、位相比較器、ループフィルタ、及びVCO(Voltage Controlled Oscillator)を主に備え、VCOの出力周波数をフィードバック制御する。本願に関連する文献として特許文献1が挙げられる。この特許文献1記載の技術によれば、駆動回路の負荷駆動能力の変更を可能にしており、半導体チップ形成後におけるクロックスキューを低減化できるようにしている。
特開平8−335670号公報
ところで近年、電源電圧が低電源電圧化しているため、一般的なバリキャップダイオードを用いてVCOの制御電圧を生成することが困難になってきており、回路規模を極力抑制しつつ構成することが望まれている。発明者は、この低電源電圧化に対応するため、位相比較器がVCOの出力信号の周波数誤差をパルス信号のデューティとして検出し、ループフィルタがこのパルス信号の高域をカットして直流電圧に変換し、VCOの制御電圧として出力する構成を採用することを検討している。
このとき位相比較器は、周波数誤差に応じたパルス幅のパルス信号を出力する。このため、VCOは、ループフィルタを介して当該周波数誤差に対応した制御電圧を入力することで出力周波数を変化させることができる。このPLL回路のループフィルタは、そのループ帯域を可変にする構成とすることで法規上の要請を満たしながら、様々な状況に応じてスプリアスなどの性能を調整することが望まれている。
本開示の目的は、動作電源電圧が低電圧となったとしても回路規模を極力抑制しながらループフィルタのループ帯域を可変にできるようにしたPLL回路を提供することにある。
請求項1記載の発明は、制御電圧に応じた周波数の信号を出力信号とするVCO(Voltage Controlled Oscillator)と、基準信号生成器による基準信号とVCOの出力信号との位相を比較しVCOの出力信号の周波数誤差をパルス信号として出力段から出力する位相比較器と、パルス信号の高域をカットし制御電圧としてVCOに入力させるループフィルタと、を備える。位相比較器の出力段は出力電流可変機能を備えると共に、ループフィルタがループ帯域の可変機能を備える。切替部は、出力段とループフィルタとの間に介在する1つのトランジスタスイッチを用いて出力段の出力電流を切り替えると同時にループ帯域を切り替える。位相比較器が、VCOの出力信号の周波数誤差をパルス信号として出力するようにしているため、たとえ低電源電圧を用いたとしても周波数誤差を正確に検出できるようになる。1つのトランジスタスイッチを用いて出力段の出力電流を切り替えると同時にループ帯域を切り替えるように構成されているため、回路規模を極力抑制しながらループフィルタのループ帯域を可変にできる。
第1実施形態における位相比較器の出力段及びループフィルタを示す電気的構成図 PLL回路の電気的構成図 位相比較器の出力段とループフィルタの前段回路を示す等価回路図 ループフィルタ入力前の信号電圧波形と、ループフィルタ出力後のスペクトラム特性図 比較例のその1 RCフィルタの入出力信号波形 RCフィルタ入力前の信号電圧波形と、RCフィルタ出力後のスペクトラム特性図(比較例のその1) 比較例のその2 第2実施形態における位相比較器の出力段及びループフィルタを示す電気的構成図 第3実施形態において時間変化に伴うPLL回路のロック周波数の変化と各種設定変化の説明図 第4実施形態におけるミリ波レーダシステムの電気的構成図 時間変化に伴うPLL回路のロック周波数の変化と各種設定変化の説明図
以下、PLL回路の幾つかの実施形態について図面を参照しながら説明する。以下に説明する各実施形態において、同一又は類似の動作を行う構成については、同一又は類似の符号を付して必要に応じて説明を省略する。なお、下記の実施形態において同一又は類似する構成には、符号の十の位と一の位とに同一符号を付して説明を行っている。
(第1実施形態)
図1から図8は、第1実施形態の説明図を示している。図2は、PLL回路1の電気的構成図を示している。PLL回路1は、電圧制御発振器(以下、VCOと称す)2、分周器3、MMD(Multi Modulus Divider)4、位相比較器5、ループフィルタ6、小数点演算ロジック部7、及び、切替部としてのロジック回路8を備え、外部の基準信号生成器(図示せず)により生成された基準信号Reference Clockを位相比較器5に入力して動作する。ロジック回路8は、制御主体を構成するものであり、必要に応じて、非遷移的実体的記録媒体としてのメモリを備える。
VCO2は、例えばループフィルタ6を通じて入力される制御電圧に応じた(例えば比例した)周波数の信号を出力信号とするように構成されている。このVCO2は、例えばLC共振型発振回路により構成されている。分周器3は、VCO2の例えば40GHz程度の周波数の出力信号を分周し、例えば数GHz帯に周波数変換してMMD4に出力する。小数点演算ロジック部7は、MMD4の分周比を決定するための分周比設定モジュールであり、必要とする動作周波数に応じて外部から与えられる変調信号を変更してMMD4に与える値、すなわち分周比を変更してMMD4に出力する。
MMD4は、VCO2から分周器3を経て得られる出力を再度分周するためのマルチモジュラスディバイダであり、小数点演算ロジック部7から与えられる分周比に応じて分周器3の出力信号を再度分周し、位相比較器5に出力する。位相比較器5は、基準信号Reference ClockとMMD4の出力との位相を比較し、位相差に応じた信号を検出するものであり、VCO2の出力信号の周波数誤差をパルス信号として検出する。ループフィルタ6は、この検出されたパルス信号の高域をカットすることでローパスフィルタ処理し、制御電圧としてVCO2に出力する。
図1は、位相比較器5の出力段5aの構成と、ループフィルタ6の構成とを合わせて示している。位相比較器5及びループフィルタ6は、2本の電源線間に与えられている例えば1.1V程度の低電源電圧に基づいて動作する。位相比較器5の前段(図1には図示せず)は、基準信号Reference ClockとMMD4の出力との位相を比較することで、VCO2の出力信号の周波数誤差をパルス信号のパルス幅の大小により検出する。パルス信号のパルス幅の大小により周波数誤差を検出する方法を用いているため、たとえ低電源電圧を用いたとしても周波数誤差を正確に検出できる。
位相比較器5の出力段5aは、第1段目のインバータ11、その後段の第2段目の複数のインバータ12a〜12d、及びイネーブルスイッチ13a〜13dを備える。ループフィルタ6は、抵抗(並列抵抗相当)Ra〜Rd、及びコンデンサ(並列コンデンサ相当)Ca〜Cdを備える。
第1段目のインバータ11は、2本の電源線間にPチャネル型のMOSトランジスタMp1のソースドレイン間とNチャネル型のMOSトランジスタMn1のドレインソース間とを直列接続すると共にこれらのゲートを互いに共通接続して構成され、その入力が互いに並列接続されている。この第1段目のインバータ11は、位相比較器5の前段にて検出されたパルス信号を入力して波形成形する。
第2段目の複数のインバータ12a〜12dは、その入力が位相比較器5の出力段5aの後段に位置して並列接続されている。これらの第2段目の複数のインバータ12a〜12dは、Pチャネル型のMOSトランジスタ(以下、PMOSトランジスタと称す)Mpa〜Mpd、及び、Nチャネル型のMOSトランジスタ(以下、NMOSトランジスタと称す)Mna〜Mndを備える。
これらの第2段目の複数のインバータ12a〜12dは、2本の電源線間にPMOSトランジスタMpa〜Mpdのソースドレイン間とNMOSトランジスタMna〜Mndのドレインソース間とをそれぞれ直列接続して構成されている。また、これらの第2段目の複数のインバータ12a〜12dのPMOSトランジスタMpa〜Mpd及びNMOSトランジスタMna〜Mndは、その全てのゲートが共通接続されている。PMOSトランジスタMpa〜Mpd及びNMOSトランジスタMna〜Mndのドレイン間には、それぞれイネーブルスイッチ13a〜13dが介在して構成されている。
イネーブルスイッチ13a〜13dは、第2段目の複数のインバータ12a〜12dのうち1又は複数個を有効/無効に選択切替えするために設けられた選択スイッチであり、それぞれNOTゲートGa〜Gd、Pチャネル型のMOSトランジスタ(以下、PMOSトランジスタと称す)Mepa〜Mepd、及びNチャネル型のMOSトランジスタ(NMOSトランジスタと称す)Mena〜Mendを備える。これらのPMOS/NMOSトランジスタMepa〜Mepd、Mena〜Mendは、トランジスタスイッチを構成する。
各NOTゲートGa〜Gd、及び、各NMOSトランジスタMena〜Mendのゲートには、ロジック回路8からイネーブル信号EN1〜EN4が入力されるようになっており、PMOSトランジスタMepa〜MepdのゲートにはNOTゲートGa〜Gdを介してロジック回路8からイネーブル信号EN1〜EN4が入力されている。ここではロジック回路8が、イネーブル信号EN1〜EN4の制御ビット数を4としたときの例を挙げている。
これらのイネーブルスイッチ13a〜13dを構成するPMOSトランジスタMepa及びNMOSトランジスタMenaのソースドレイン間は、2つの電源線間において、インバータ12a〜12dを構成するPMOSトランジスタMpa及びNMOSトランジスタMnaのドレイン間に介在して構成されている。PMOSトランジスタMepa及びNMOSトランジスタMenaは、そのドレインが共通接続されており、後段の抵抗Rd〜Raの一端に接続されている。
このため、例えばイネーブル信号EN1が「H」となれば、PMOSトランジスタMepaがオンすると共にNMOSトランジスタMenaがオンするようになり、逆にイネーブル信号EN1が「L」となれば、PMOSトランジスタMepaがオフすると共にNMOSトランジスタMenaがオフする。他のイネーブル信号EN2〜EN4がH/Lとなっても同様に動作する。
このため、ロジック回路8が、イネーブル信号EN1〜EN4をH/Lに切替えることで第2段目の複数のインバータ12a〜12dの何れか1又は複数の出力を選択し、当該選択されたインバータ12a〜12dの出力電流をそれぞれ抵抗Ra〜Rdに出力できるようになる。
これらの2段目の複数のインバータ12a〜12dは、電流駆動能力が互いに異なるように構成されている。複数のインバータ12a〜12dは、それぞれのPMOS/NMOSトランジスタMpa〜Mpd、Mna〜Mndのサイズを電流駆動能力に比例するように調整することで、イネーブルスイッチ13a〜13dによりそれぞれ有効とされたときに、所定の基準電流の「×1」倍、「×2」倍、「×4」倍、「×8」倍(図1中記載参照)、すなわち、2のn乗倍(nは0,…,k−1,k;kは所定数(本形態ではk=3))の電流を抵抗Ra〜Rd側に出力するように構成されている。
またイネーブルスイッチ13a〜13dのPMOSトランジスタMepa〜Mepd及びNMOSトランジスタMena〜Mendもまた電流駆動能力が互いに異なるように構成され、それぞれPMOS/NMOSトランジスタMepa〜Mepd、Mena〜Mendのサイズを電流駆動能力に比例するように調整することで、イネーブルスイッチ13a〜13dにより有効にされたときに、所定の基準電流の「×1」倍、「×2」倍、「×4」倍、「×8」倍(図1中記載参照)、すなわち、2のn乗倍(nは0,…,k−1,k;kは所定の自然数(本形態ではk=3))の電流を抵抗Ra〜Rd側に出力するように構成されている。
第2段目の複数のインバータ12a〜12d及びイネーブルスイッチ13a〜13dの電流駆動能力は、2の0乗倍、2の1乗倍、2の2乗倍、2の3乗倍に対応したものを示したが、これに限定されるものではなく、第2段目の複数のインバータ12a〜12d及びイネーブルスイッチ13a〜13dは、2の4乗倍以上に対応した電流駆動能力を備える構成であっても良い。
複数の抵抗Ra〜Rdは互いに並列接続されており、その一方の端子がイネーブルスイッチ13a〜13dのPMOSトランジスタMepa〜Mepd及びNMOSトランジスタMena〜Mendの共通接続点Na〜Ndにそれぞれ接続されており、その他方の端子が共通接続点Ninにおいて共通接続されている。
これらの複数の抵抗Ra〜Rdは、それぞれ基準抵抗値をRとした「8×R」「4×R」「2×R」「1×R」の抵抗値、すなわち、2のm乗(mはk,k−1,…,0)に設定されている。
複数の並列コンデンサCa〜Cdは、この共通接続点Ninとグランドとの間に並列接続されており、それぞれのコンデンサCa〜Cdの通電経路にはスイッチSWa〜SWdが構成されている。このスイッチSWa〜SWdは、ロジック回路8によりオン・オフ制御可能になっている。これにより、コンデンサCa〜Cdの接続を切り替えることができ、ループフィルタ6のループ帯域を切り替えることができる。
複数の抵抗Ra〜Rd及び複数のコンデンサCa〜Cdの間の共通接続点Ninは、VCO2の制御電圧の入力端子に接続され、VCO2は、このループフィルタ6の出力電圧を制御電圧とした周波数の信号を出力信号とする。
図3は、第2段目のインバータ12a〜12dと抵抗Ra〜Rdとの接続関係を理解しやすく図示した等価回路を示している。この図3に示すように、第1段目のインバータ11が所定の基準電流の「×8」の電流駆動能力を備えており、この後段に位置して第2段目のインバータ12a〜12dが並列接続されている。これらの第2段目のインバータ12a〜12dは、所定の基準電流の「×1」「×2」「×4」「×8」の比率、すなわち2のn乗(但し、nは0,…,k−1,k)の比率の電流値を出力する電流駆動能力を備えている。
すなわち位相比較器5は、パルス信号を出力する出力段5aに出力電流可変機能を備えている。また、これらに対応するように、第2段目のインバータ12a〜12dが、それぞれ、基準抵抗値をRとした抵抗値「×8」「×4」「×2」「×1」の比率の抵抗値、すなわち、2のm乗(但し、mはk,k−1,…,0)の比率の抵抗Ra〜Rdに直列接続されている。
したがって、ロジック回路8が、イネーブル信号EN1〜EN4を各イネーブルスイッチ13a〜13dに入力させると、出力段5aは第2段目のインバータ12a〜12dを選択して出力電流を切り替えることができ、このとき同時に複数の並列抵抗Ra〜Rdの通電経路も切り替えることができる。このとき、イネーブル信号EN1〜EN4が各イネーブルスイッチ13a〜13dにどのように入力されたとしても、(第2段目のインバータ12a〜12dの出力電流)×(抵抗Ra〜Rdの抵抗値)=電圧を一定にできるようになり、この結果、原理的に低域側の電圧振幅を一定に制御できるようになる。
実質的には、インバータ12a〜12dの電流駆動能力が異なると、MOSトランジスタMpa〜Mpd、Mna〜Mndの各トランジスタサイズも変化し、このトランジスタサイズに比例して各インバータ12a〜12dを構成するMOSトランジスタMpa〜Mpd、Mna〜Mndがオンした時の出力インピーダンス(所謂、オン抵抗)が互いに変化する。
このため、例えば、MOSトランジスタMpa〜Mpd、Mna〜Mndの出力インピーダンスが、ループフィルタ6を構成する抵抗Ra〜Rdのk分の1(例えば10分の1)であるときには、ループフィルタ6の入力端において電圧振幅が降下することになる。したがって、インバータ12a〜12dが出力する電流の抵抗Ra〜Rdに対する入力経路毎に、このインバータ12a〜12dを構成するMOSトランジスタMpa〜Mpd、Mna〜Mndの出力インピーダンスを考慮に入れて電圧振幅を一定に制御することが望ましい。また複数の並列抵抗Ra〜Rdの抵抗値がMOSトランジスタMpa〜Mpd、Mna〜Mndの出力インピーダンスに基づいて設定されていることが望ましい。
上記構成の作用、動作について図4及び図5を参照しながら説明する。図4は、その上側にループフィルタ6の入力前の信号電圧波形を示し、その下側にループフィルタ6の出力後のスペクトラム特性を合わせて示している。なお、実線がカットオフ周波数fcを比較的狭帯域fc1とした場合の特性、破線がカットオフ周波数fcを比較的広帯域fc2とした場合の特性、を示している。
この図4に示すように、PLL回路1の位相比較器5は、出力信号の周波数誤差をパルス幅として検出するため、その出力が原理的に矩形波となる。ここでロジック回路8が、イネーブル信号EN1〜EN4に応じてインバータ12a〜12dの出力から抵抗Ra〜Rdへの通電経路を選択することで、ループフィルタ6を構成する抵抗Ra〜Rdを選択できる。ループフィルタ6が、その入力電圧をフィルタリングするため出力電圧は平滑化される。このとき、パルス信号のキャリアがリークし、そのパルス信号の周波数成分が残りスプリアスとなる。
しかしロジック回路8が、ループフィルタ6のカットオフ周波数fcの高低をどのように設定したとしても、この図1に示す回路構成を用いると、インバータ12a〜12dの出力電流及び抵抗Ra〜Rdの組合せの単位駆動能力を均一化できるようになる。このため、狭帯域特性、広帯域特性の何れにおいてもループフィルタ6への入力電圧波形を同等にできる。図4の下段のスペクトラム特性に示すように、カットオフ周波数fcをfc1からfc2に高くして広帯域化したとしても、矩形波に基づくスプリアスをYdBからZdB(但しZdB>YdB)に抑制でき、周波数特性の劣化を最小限に抑制できる。
(比較例のその1)
図5から図7は、比較例のその1の構成及びその対応する特性を示している。
図5に示すように、位相比較器5の出力段5aaが、インバータ11a、11bを複数段縦続接続して構成されており、ループフィルタ6aaが複数の並列抵抗Ra〜Rd及び複数の並列コンデンサCa〜CdをそれぞれスイッチSWaa〜SWda、SWa〜SWdにより選択可能な構成を考える。
一般に、この種のループフィルタ6aaは時定数を調整するため、抵抗Ra〜Rd、コンデンサCa〜Cdのそれぞれの値を変更可能にするスイッチSWa〜SWdを付加して構成されることが多い。図5に示すような出力段5aa、ループフィルタ6aaによる回路構成を採用すると、図6にループフィルタ6aaの入力電圧Vin、出力電圧Voutの波形を示すように、位相比較器5の出力段5aaからパルス信号を出力することで、ループフィルタ6aaがローパスフィルタ処理し高周波成分をカットする。このとき位相比較器5が、デューティ比の大きいパルス信号を出力すると、当該パルス信号が平滑化されることで低周波成分(DC成分)が大きくなり、逆に、デューティ比の小さいパルス信号を出力すると、当該パルス信号が平滑化されることで低周波成分(DC成分)がより小さくなる。
図7は、その上段に、ループフィルタ6aaの時定数が、大、小、すなわち狭帯域、広帯域となるそれぞれの場合の入力電圧波形を示し、その下段に出力のスペクトラム特性を図4に対応して示している。
この図7に示すように、ループフィルタ6aaの時定数を調整することでカットオフ周波数fcを比較的狭いカットオフ周波数fc1にも比較的広いカットオフ周波数fc2にも調整できる。
しかし、ループフィルタ6aaが、抵抗Ra〜Rd、コンデンサCa〜Cdの組合せにより高調波成分をカットしたとしても、特に広帯域のカットオフ周波数fc2を適用したときにスプリアス+XdBが大きくなってしまうことが確認されている。すなわち、ループフィルタ6aaの時定数が小さく、カットオフ周波数fc2が高くなると、スルーレートが高くなるため、パルス信号のキャリアリークのスプリアスが大きくなると同時にフィルタの抑圧度も低下する。この結果、スプリアスが悪化する傾向にある。図7のスプリアスY[dB]<X[dB]参照。
これに比べて、本形態の図1に示すように構成すると、図4に示した狭帯域特性のスプリアス+Y[dB]>広帯域特性のスプリアス+Z[dB]とすることができ、たとえカットオフ周波数fcを広帯域化としたとしてもスプリアスの悪化を低減できる。
(比較例のその2)
図8は、比較例のその2の構成を示している。この図8に示す構成は、前述の比較例のその1の課題を解決するため、ループフィルタ6aaのカットオフ周波数fcが高いときに、位相比較器5の出力段5aaの電流駆動能力をイネーブル信号EN1〜EN4に応じて選択調整するためのループフィルタ6abの構成を示している。
ロジック回路8は、イネーブル信号EN1〜EN4によりイネーブルスイッチ13a〜13dをオン・オフ制御することで、インバータ12a〜12dの出力を有効(Enable)にしたり、又は、位相比較器5の出力段5aの出力をハイインピーダンス状態(Hi-Z)にするように切り替える。
この図8に示す比較例のその2では、ロジック回路8が、イネーブルスイッチ13a〜13dにより電流駆動能力「×1」「×2」「×4」「×8」のインバータ12a〜12dの何れか一つ以上を選択したときに、抵抗値「1×R」「2×R」「4×R」「8×R」の抵抗Rd〜Raを、それぞれスイッチSWdb〜SWabにより選択してVCO2の入力に制御電圧として出力可能に構成されている。
特にロジック回路8が、イネーブルスイッチ13aにより電流駆動能力「×1」のインバータ12aを有効として選択したときに、抵抗値「1×R」の抵抗RdをスイッチSWdbにより選択してVCO2の入力に制御電圧として出力することを考える。また逆に、ロジック回路8が、イネーブルスイッチ13dにより電流駆動能力「×8」のインバータ12dを有効として選択したときに、抵抗値「8×R」の抵抗Raを選択してVCO2の入力に制御電圧として出力することを考える。
この場合、ループフィルタ6abの抵抗Raを大きくコンデンサCaの容量を大きく選択した場合の条件に合わせて位相比較器5の出力段5aの電流駆動能力を基準設定した場合に対し、ループフィルタ6abの抵抗Rdを小さくコンデンサCdの容量を小さく選択した場合には過剰に電流駆動しスプリアスが悪化してしまう懸念を生じる。
また、この比較例のその2においては、位相比較器5の出力段5aのイネーブルスイッチ13a〜13dと、ループフィルタ6abの抵抗Ra〜Rdとを切替えるスイッチSWab〜SWdbとが個別に設けられており、これらのスイッチ13a〜13d、SWab〜SWdbが直列接続されている。このため、スイッチ13a〜13d及びSWab〜SWdbが少なくとも2つ以上直列接続されることになり、これらを加算したインピーダンスがチャージ動作に影響を及ぼすことが懸念され、この影響を抑えるにはスイッチ13a〜13d、SWab〜SWdbのサイズを十分大きく確保することが望まれる。なお、これらのスイッチ13a〜13d、SWab〜SWdbのサイズを大きくすることは素子面積の拡大につながり回路規模の拡大につながることになる。
これに対し、本実施形態によれば、以下に示すような作用効果を奏する。
<本実施形態の概念的な構成、作用効果のまとめ>
本実施形態によれば、位相比較器5が、パルス信号を出力する出力段5aに出力電流可変機能を備え、ループフィルタ6がループ帯域の可変機能を備えており、位相比較器5の出力段5aとループフィルタ6との間に介在する1つのトランジスタスイッチ(13a〜13dを構成するMepa〜Mepd、Mena〜Mendのうち一つ)を用いて位相比較器5の出力段5aの出力電流を切り替えると同時にループ帯域を切り替えるように構成されている。本実施形態の構成によれば、1つのトランジスタスイッチを用いてインバータ12a〜12dを切り替えることができるため、図8に示した複数のスイッチ13a〜13d、SWab〜SWdbの機能を統合して必要な機能を達成できる。また、トランジスタスイッチのサイズを大きくすることなく、回路規模を極力抑制しながら、ループフィルタ6のループ帯域を可変にできる。
特に、ロジック回路8が、イネーブル信号EN1〜EN4を調整することで、ループフィルタ6の時定数、カットオフ周波数fcを可変調整できると同時に、位相比較器5の出力段5aの電流駆動能力も最適値に可変調整できる。このため、使用用途に合わせてこれらのパラメータを調整できるようになる。
またロジック回路8は、位相比較器5の出力段5aの複数の出力電流を切り替えると同時に複数の並列抵抗Ra〜Rdの通電経路を切り替えるように構成され、出力段5aの出力電流を切り替えて複数の並列抵抗Ra〜Rdに電流を出力するときにループフィルタ6の低域側の電圧振幅を一定に制御するように切り替えるようにしている。これにより、スプリアスを極力少なくできる。
また、複数の並列抵抗Ra〜Rdの抵抗値は、MOSトランジスタMpa〜Mpd、Mna〜Mndがオンした時の出力インピーダンスに基づいて設定されていれば、スプリアスをさらに少なくできる。
また複数の並列抵抗Ra〜Rdは、それぞれ2のm乗(但し、mはk,…,1,0)の比率の抵抗値に設定されると共に、これらに対応して、出力段5aの出力電流は、それぞれ2のn乗(但し、nは0,…,k−1,k)の比率の電流値に設定されているため、スプリアスを極力少なくできる。
(第2実施形態)
図9は、第2実施形態の追加説明図を示している。図9は、位相比較器205の出力段205aと、ループフィルタ206との構成を示している。第1実施形態では、抵抗Ra〜Rdの抵抗値、及びインバータ12a〜12dの出力電流をいわゆるバイナリーウェイトにより重み付けして設定した例を示したが、本実施形態に示すように、回路構成としては必ずしも重み付けしなくても良く、均等割りしても良い。
この図9に示すように、複数の並列抵抗Ra〜Rdは、互いに同一の比率「×4」の抵抗値に設定されると共に、出力段5aの出力電流は、互いに同一の比率「×4」の電流値に設定されている。その他の構成は、前述実施形態と同様であるため説明を省略する。本実施形態においても、(出力段5aのインバータ12a〜12dの出力電流)×(抵抗Ra〜Rdの抵抗値)=電圧を一定にできるようになる。この結果、前述実施形態と同様の作用効果を奏する。
(第3実施形態)
図10は、第2実施形態の追加説明図を示している。本実施形態では実用例を説明する。PLL回路1のハードウェア上の構成は、第1実施形態で説明した図1及び図2の構成を用いて説明する。
PLL回路1は、VCO2の出力周波数を安定して保持するときに当該出力信号を用いて高精度に周波数をフィードバック制御するため、ループフィルタ6のループ帯域を保持し続けることが重要である。しかし、このループフィルタ6のループ帯域が、例えば狭帯域の所定周波数fc1に設定されていると、ロック周波数を例えば第1周波数f1から第2周波数f2にステップ状に変化させるときに、PLL回路1の位相ロック速度が必要以上に遅くなる虞がある。
このためPLL回路1が、そのロック周波数を第1周波数f1から第2周波数f2にステップ状に変化させるときには、PLL回路1の位相ロック速度を向上するため、図10に示すように、ループフィルタ6のループ帯域を広帯域にすることが望ましい。
すなわち、図10のタイミングT1からT2に示すように、PLL回路1の出力信号の周波数を第1周波数f1から第2周波数f2にステップ状に変化させるときには、ロジック回路8が、イネーブル信号EN1〜EN4を変更したりコンデンサCa〜CdのスイッチSWa〜SWdを切替制御することで、ループフィルタ6のループ帯域を所定周波数fc1よりも広帯域の周波数fc2にすることで、位相ロック速度を加速できるようになる。
特に、この位相ロック期間において、法規制上などのリミット要請(図10のlimit参照)からスプリアス放射を抑制しなければならない場合、第1及び第2実施形態にて説明した構成を採用することでスプリアス放射を特に有効に抑制できるようになる。すなわち、インバータ12a〜12dの電流駆動能力を調整することで抵抗Ra〜Rdの通電経路も同時に選択できるようになり、スプリアスの放射を大幅に抑制できる。
また、PLL回路1の出力信号の周波数が一定の周波数f2に時間T3にて収束したときには、その後の余裕時間T3〜T2の最中にループフィルタ6のループ帯域を狭帯域の所定周波数fc1に戻すようにすると良い。この余裕時間T3〜T2は、フィルタ定数変更により、PLL回路1のロックが再度揺らぐ影響を考慮した時間になっている。すると、周波数f2に戻した後においても、PLL回路1の位相ロックの制御処理を継続的に精度良く実施できるようになる。
以上説明したように、本実施形態によれば、ロジック回路8は、VCO2の出力信号の周波数を安定して保持するときにはループ帯域を所定周波数fc1に保持するように切替え、VCOの出力信号の周波数をステップ状に切り替えるときにループ帯域を所定周波数fc1より拡大するように切り替えるようにしている。このため、PLL回路1の出力信号の周波数を第1周波数f1から第2周波数f2にステップ状に変化させるときにも位相ロック速度を加速できるようになる。しかも、周波数を安定して保持するときには、PLL回路1の位相ロック処理を精度良く実施できる。
(第4実施形態)
図11及び図12は、第3実施形態の説明図を示している。本実施形態では、ミリ波レーダシステム31に適用した形態を示す。図11は、ミリ波レーダシステム31の構成を概略的に示している。
このミリ波レーダシステム31は、1チップ型の送受信機搭載IC32、送信アンテナ33、受信アンテナ34、制御器35、及び、基準発振回路36を備える。送受信機搭載IC32と制御器35とは1チップ化して構成しても良いし別体で構成しても良い。送受信機搭載IC32には、制御器35と、水晶発振器による基準発振回路36と、が接続されている。基準発振回路36は、ある基準周波数のリファレンスクロックを生成し、送受信機搭載IC32の内部の変復調信号生成部37にこのリファレンスクロックを出力する。
送受信機搭載IC32は、変復調信号生成部37、送信部38、受信部39、及び、回路制御レジスタ40を備える。制御器35は、回路制御レジスタ40に最初周波数fstaなどの周波数指令、及び、中間周波数増幅器49の増幅度などのパラメータを書き込むことにより、送受信機搭載IC32内への指令処理及び回路制御処理を行う。送受信機搭載IC32は、半導体集積回路装置により構成されている。
変復調信号生成部37は、制御指令出力部としてのランプ波生成器41、及び、PLL回路301を備える。ランプ波生成器41は、回路制御レジスタ40に入力される周波数指令に応じて、例えば時間的に周波数を漸増/漸減するための指令信号(最初周波数fsta→最終周波数fsto)を生成しPLL回路301に出力する。
変復調信号生成部37は、基準発振回路36のリファレンスクロックを入力すると、FCM(Fast-Chirp Modulation)変調方式により漸増/漸減して生成し、高精度のローカル信号として出力する。このローカル信号は、その周波数がFmod/N(Nは、後述のN逓倍器43、47等による逓倍数)に調整され、送信部38、及び、受信部39に出力される。ここでは、変復調信号生成部37は、所定の変調方式により漸増/漸減して周波数Fmod/Nのローカル信号を生成する形態を示すが、周波数Fmodのローカル信号を生成しても良いし、この信号形態は限られない。
送信部38は、ローカル信号をN逓倍するN逓倍器43、このN逓倍器43が出力する信号を移相する移相器44、及び、移相器44の出力を増幅する増幅器45、を備え、増幅器45の増幅信号を出力する。N逓倍器43は、変復調信号生成部37の出力をN逓倍するため、N逓倍器43の出力信号の周波数は変調周波数Fmodになり、この信号が移相器44により移相され増幅器45により増幅される。したがって、送信部38の送信信号の周波数は変調周波数Fmodとなる。
この送信部38の送信信号は、送信アンテナ33を通じて外部にレーダ送信波として出力される。移相器44は、N逓倍器43から出力される信号の位相を変化させるために設けられる。図11には模式的に示しているが、送信アンテナ33は、例えばパッチアンテナによる平面型アンテナなどの複数のアンテナ素子により構成される。また移相器44は、例えば送信アンテナ33を構成する複数のアンテナ素子の各々に1つずつ接続されており、それぞれのアンテナ素子に対応して位相を変化させる。これによりビームフォーミング技術により送信方向を調整できる。
図11に示すように、送信アンテナ33が出力するレーダ送信波は対象物Tに反射し反射信号を生じる。この反射信号は受信アンテナ34に入力される。受信アンテナ34もまた例えばパッチアンテナによる平面型アンテナなどにより構成されレーダ波を受信する。これらの送信アンテナ33及び受信アンテナ34のアンテナ素子は、図示していないが互いに隣接するアンテナ素子との間隔が等距離となるように平行に配置されている。
他方、受信部39は、低雑音増幅器46、N逓倍器47、混合器48、中間周波数増幅器49、及び、A/D変換器50を備える。受信部39は、受信アンテナ34を通じて信号を受信する。低雑音増幅器46は、所定の増幅度により受信信号を増幅し、この増幅信号を混合器48に出力する。N逓倍器47は、変復調信号生成部37により出力される信号をN逓倍し混合器48に出力する。
混合器48は周波数変換部として構成され、低雑音増幅器46の出力信号とN逓倍器47が出力する変調信号とを混合し、この混合され周波数変換された信号を中間周波数増幅器49に出力する。中間周波数増幅器49は、例えば可変増幅器により構成され、回路制御レジスタ40に設定された増幅度により増幅し、この増幅された信号をA/D変換器50に出力する。A/D変換器50は、この増幅されたアナログ信号をデジタル変換し制御器35に出力する。制御器35は、例えばCPU、ROM、RAM等を有するマイクロコンピュータ(何れも図示せず)により構成され、受信部39にて変換されたデジタルデータを取得する。
このミリ波レーダシステム31は、このような構成を採用することで例えば車両前方にレーダ波を送信可能に搭載され、ミリ波(例えば80GHz帯:76.5GHz)帯のレーダ波を送受信し、制御器35が受信部39から取得したデジタルデータに基づく信号処理を実行することで対象物Tに関する情報を算出する。この対象物Tは、例えば先行車両等の他車両や路上の路側物等である。この対象物Tに関する情報としては、例えば、距離や相対速度、方位等による情報である。
このようなミリ波レーダシステム31において、PLL回路301は、図2に示すPLL回路1と同様の構成を備えており、ロジック回路308は、ロジック回路8と同様の機能を備え、回路制御レジスタ40の制御レジスタの内容を入力して制御するように構成されている。
このPLL回路301は、ランプ波生成器41から指令信号を入力し、図12のタイミング〜T11に示すように、この指令信号に応じて漸減する周波数の出力信号を出力する。このときPLL回路301は、そのVCO2の出力信号の周波数を最初周波数fstaから漸減し最終周波数fstoまで変化させる。そして、その後、PLL回路301は、図12のタイミングT11〜T12に示すように、ランプ波生成器41から入力される指令信号に応じてステップ的に最初周波数fstaに戻して信号を出力する。
この場合、ロジック回路308は、図12に示すように、VCO2の出力信号の周波数を漸減するときにはループフィルタ6のループ帯域を所定周波数fc1に保持するように切替え、VCO2の出力信号の周波数を最終周波数fstoから最初周波数fstaに戻すときにループ帯域を所定周波数fc1より拡大した周波数fc2にするように切り替えることが望ましい。すると、前述実施形態と同様に、最終周波数fstoから最初周波数fstaに戻すときに位相ロック速度を加速できるようになる。
特に、この位相ロック期間において、法規制上などのリミット要請(図12のlimit参照)からスプリアス放射を抑制しなければならない場合、第1及び第2実施形態にて説明した構成を採用することでスプリアス放射を特に有効に抑制できるようになる。すなわち、インバータ12a〜12dの電流駆動能力を調整することで抵抗Ra〜Rdの通電経路も同時に選択できるようになり、スプリアスの放射を大幅に抑制できる。
また、PLL回路301の出力周波数が最初周波数fstaに時間T13にて収束したときには、その後の余裕時間T13〜T12の最中にループフィルタ6のループ帯域を狭帯域の所定周波数fc1に戻すようにすると良い。この余裕時間T13〜T12は、フィルタ定数変更により、PLL回路301のロックが再度揺らぐ影響を考慮した時間になっている。すると、最初周波数fstaに戻した後においても、PLL回路301の位相ロックの制御処理を精度良く実施できる。その他の作用効果は、第1〜第3実施形態と同様であるため説明を省略する。
(他の実施形態)
本開示は、前述した実施形態に限定されるものではなく、種々変形して実施することができ、その要旨を逸脱しない範囲で種々の実施形態に適用可能である。例えば以下に示す変形又は拡張が可能である。
PLL回路301は、FCM変調方式により漸減する信号を出力する場合について例示したが、採用する変調方式に応じて、漸増する信号を出力する場合でも同様であり、例えば時間的に漸増/漸減する信号を出力する方式であれば変調方式は限られない。
前述した複数の実施形態の構成、機能を組み合わせても良い。前述実施形態の一部を、課題を解決できる限りにおいて省略した態様も実施形態と見做すことが可能である。また、特許請求の範囲に記載した文言によって特定される発明の本質を逸脱しない限度において考え得るあらゆる態様も実施形態と見做すことが可能である。
本開示は、前述した実施形態に準拠して記述したが、本開示は当該実施形態や構造に限定されるものではないと理解される。本開示は、様々な変形例や均等範囲内の変形をも包含する。加えて、様々な組み合わせや形態、さらには、それらに一要素、それ以上、あるいはそれ以下、を含む他の組み合わせや形態をも、本開示の範畴や思想範囲に入るものである。
図面中、1,301はPLL回路、2はVCO、5は位相比較器、5aは出力段、6はループフィルタ、8、308はロジック回路(切替部)、12a〜12dはインバータ、Ra〜Rdは抵抗(並列抵抗)、Mpa〜Mpd、Mna〜Mndは出力段5aのMOSトランジスタ、fstaは最初周波数、fstoは最終周波数、を示す。

Claims (7)

  1. 制御電圧に応じた周波数の信号を出力信号とするVCO(Voltage Controlled Oscillator)(2)と、
    基準信号生成器による基準信号と前記VCOの出力信号との位相を比較し前記VCOの出力信号の周波数誤差をパルス信号として出力段(5a)から出力する位相比較器(5)と、
    前記パルス信号の高域をカットし前記制御電圧として前記VCOに入力させるループフィルタ(6)と、を備え、
    前記位相比較器の出力段が出力電流可変機能を備えると共に、前記ループフィルタがループ帯域の可変機能を備え、
    前記出力段と前記ループフィルタとの間に介在する1つのトランジスタスイッチ(Mepa〜Mepd、Mena〜Mend)を用いて前記出力段の出力電流を切り替えると同時に前記ループ帯域を切り替える切替部(8)を備えるPLL回路。
  2. 前記ループフィルタは、複数の並列抵抗(Ra〜Rd)及び並列コンデンサ(Ca〜Cd)によるローパスフィルタにより構成されると共に、前記複数の並列抵抗及び前記並列コンデンサの間の共通接続点(Nin)を前記VCOの制御電圧の入力に接続して構成され、
    前記切替部は、前記出力段の複数の出力電流を切り替えると同時に前記複数の並列抵抗の通電経路を切り替えるように構成され、前記出力段の出力電流を切り替えて前記複数の並列抵抗に電流を出力するときに前記ループフィルタの低域側の電圧振幅を一定に制御するように切り替える請求項1記載のPLL回路。
  3. 前記位相比較器の出力段は、MOSトランジスタ(Mpa〜Mpd、Mna〜Mnd)を用いたインバータ(12a〜12d)を用いて構成され、
    前記複数の並列抵抗の抵抗値は、前記MOSトランジスタがオンした時の出力インピーダンスに基づいて設定されている請求項2記載のPLL回路。
  4. 前記複数の並列抵抗は、それぞれ2のm乗(但し、mはk、…,2,1,0:kは所定の自然数)の比率の抵抗値に設定されると共に、これらに対応して、前記出力段の出力電流は、それぞれ2のn乗(但し、nは0,…,k−1,k)の比率の電流値に設定されている請求項2または3記載のPLL回路。
  5. 前記複数の並列抵抗は、互いに同一の比率の抵抗値に設定されると共に、前記出力段の出力電流は、互いに同一の比率の電流値に設定されている請求項2または3記載のPLL回路。
  6. 前記切替部は、前記VCOの出力信号の周波数を安定して保持するときには前記ループ帯域を所定周波数(fc1)に保持するように切替え、前記VCOの出力信号の周波数をステップ状に切り替えるときに前記ループ帯域を前記所定周波数より拡大するように切り替える請求項1または2記載のPLL回路。
  7. 前記VCOが、その出力信号の周波数を最初周波数(fsta)から漸増又は漸減し最終周波数(fsto)まで変化させると共にさらに前記最初周波数に戻して信号を出力するFCM変調方式による周波数の信号を出力するときに、
    前記切替部は、前記VCOの出力信号の周波数を漸増又は漸減するときには前記ループ帯域を所定周波数(fc1)に保持するように切替え、前記VCOの出力信号の周波数を前記最終周波数から前記最初周波数に戻すときに前記ループ帯域を前記所定周波数より拡大するように切り替える請求項1または2記載のPLL回路。
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