[第1実施形態]
本発明に基づいた実施の形態における表示装置および表示システムについて、以下、図を参照しながら説明する。以下に説明する実施の形態において、同一の部品、相当部品に対しては、同一の参照番号を付し、重複する説明は繰り返さない場合がある。また、各実施の形態における構成を適宜組み合わせて用いることは当初から予定されていることである。
本実施形態では、収容箱は、対象物が収容される箱(ケース)である。対象物は、たとえば、患者に投与される薬剤である。収容箱は、薬剤が収容される薬剤ケースである。病院内で入院している入院患者に対して、作業者(たとえば、看護師)は、薬剤ケースに収容されている薬剤を提供する。
[適用例]
図1は、本実施形態の適用例を示す図である。図1を用いて、本実施形態の適用例を説明する。図1は、病院内で、作業者X(ユーザともいう。)が、収容箱αに収容されている薬剤βを、患者に提供する状況を示した図である。図1(A)は、作業者Xが、薬剤βの提供を開始するときを示す図である。薬剤βは、患者に提供される対象となる薬剤である。図1では、図面を分かり易くするために、収容箱αおよび表示装置の表示の大きさを実際のサイズよりも大きく記載している。
本実施形態では、図1(A)に示すように、収容箱αには、表示装置400が取付けられている(装着されている)。表示装置400は、種々の情報を表示する。表示装置400は、たとえば、電子タグ、ICタグなどである。図1(A)の例では、表示装置400は、部屋番号と、患者番号と、患者の氏名と、処方内容と、薬剤情報とが示されている。部屋番号は、患者の氏名の欄に示されている患者が滞在している部屋の識別情報(識別番号)である。図1(A)の例では、部屋番号は、A103である。患者番号は、患者の氏名の欄に示されている患者の識別情報(識別番号)である。図1(A)の例では、患者番号は、No1140である。氏名は、患者の氏名は、患者の氏名を示す。図1(A)の例では、患者の氏名は、Suzuki Taroである。処方内容は、患者の氏名の欄に示されている患者に処方される薬剤の名称である。図1(A)の例では、処方内容は、DA1000である。また、処方内容については、薬剤が1種類であれば、該1種類の薬剤としてもよく、薬剤が2種類以上であれば、該2種類以上の薬剤を特定可能な名称となる。また、処方内容は、患者に処方される薬剤のグループ(複数の薬剤)を示すものとしてもよい。薬剤情報は、収容箱に収容されている対象物である薬剤に関する情報である。
図1(A)の例では、薬剤情報は、「薬剤有り」という文言が示された情報である。「薬剤有り」という情報は、第1表示情報である。「薬剤有り」という情報は、該薬剤情報を表示している表示装置400が取付けられている収容箱αに薬剤βが収容されている旨、および薬剤βが患者に供給されていない旨を示す情報である。
作業者Xは、図1(A)の表示装置400の表示を視認することにより、患者の氏名は、Suzuki Taroであること、この患者の患者番号はNo1140であること、この患者の部屋番号はA103であること、この患者の処方内容はDA1000であること、この処方内容により示される薬剤が収容箱αに収容されていることを認識できる。
図1(B)は、作業者Xが、収容箱αに収容されている薬剤βを、収容箱αから取出し、入院患者Z(図1の例では、Suzuki Taro)に提供することを示している図である。
図1(C)は、入院患者Zに対する薬剤βの提供が終了したことを示す図である。作業者Xが、入院患者Zに対する薬剤βの提供が終了したと判断すると(図1(C)の吹き出し参照)、入力装置200に対して、入院患者Zに対する薬剤βの提供が終了した旨の情報を入力する。
図1(D)は、表示装置400の表示が更新されたことを示す。表示装置400の表示の更新は、たとえば、入力装置200に対する入力を契機に行われる。図1(D)の例では、薬剤情報が、「薬剤有り」から「提供完了」に切替えられたことを示す。「提供完了」という情報は、第2表示情報である。「提供完了」という情報は、該薬剤情報を表示している表示装置400が取付けられている収容箱αに収容されていた薬剤βが患者に供給された旨を示す情報である。
図1(D)に示すように、表示装置400が、第2表示情報などを表示することにより、作業者Xのみではなく、作業者Yに対しても、Suzuki Taroという患者に、DA1000という薬剤が提供された旨を認識させることができる。したがって、他の作業者Yは、薬剤を患者に提供したか否かを一の作業者Xに問いかける必要がなくなり、作業者Yの処理が煩雑になることを防止できる。したがって、作業者の負担を軽減できる。
[表示システムの構成例]
図2は、本実施形態の表示システム1000の機能構成例を示す図である。図2を用いて、本実施形態の表示システム1000の機能構成例を説明する。図2の例では、表示システム1000は、表示装置400と、入力装置200と、複数のアクセスポイント300,...,300n,...,300N(Nは2以上の整数、nは1〜Nの間の整数)と、複数のルータ3501,...,350MN(Mは2以上の整数)と、表示装置400とを含む。表示装置400は、図1でも説明したように、収容箱αに付されている。また、この表示システム1000は、たとえば、病院などの施設内に設置される。
1のアクセスポイントは、複数(図2の例では、M個)のルータと無線接続されている。図2の例では、アクセスポイント300は、ルータ3501,...,350m,...ルータ350M(mは1〜Mの間の整数)それぞれと接続されている。また、アクセスポイント300Nは、ルータ350N1〜ルータ350NMそれぞれと接続されている。また、特に図示されていないが、アクセスポイント300n、および他のアクセスポイントそれぞれにもM個のルータが接続されている。なお、変形例として、複数のアクセスポイント(N個のアクセスポイント)のうち、少なくとも1つのアクセスポイントは、他のアクセスポイント、接続されているルータの数が異なるようにしてもよい。
表示装置400→1のルータ→1のアクセスポイント→管理装置100という順番で、表示装置400は、管理装置100へ種々の情報を送信する。また、管理装置100→1のアクセスポイント→1のルータ→表示装置400という順番で、管理装置100は、表示装置400へ種々の情報を送信する。
このように、表示装置400と、管理装置100とは、1のルータおよび1のアクセスポイントを経由して、お互いに情報を通信可能とする。1のルータおよび1のアクセスポイントを「中継装置」ともいう。図2の例では、アクセスポイント300と、ルータ3501とが中継装置8001を構成する。また、アクセスポイント300と、ルータ350mとが中継装置800mを構成する。図2では特に図示していないが、他の1のアクセスポイントと、他の1のルータとも中継装置を構成する。
このように、本実施形態の中継装置は、2つの装置(アクセスポイントと、ルータ)により構成される。なお、変形例として、中継装置は1の装置で構成するようにしてもよく、3以上の装置で構成するようにしてもよい。
以下では、複数のルータをまとめて、ルータ350という場合もあり、複数のアクセスポイントをまとめて、アクセスポイント300という場合もあり、複数の中継装置をまとめて、中継装置800という場合もある。
また、1つのルータ350(中継装置800)が表示装置と通信可能な範囲(エリア)は予め定められている。図2に示すように、複数の中継装置のうち、表示装置400が、中継装置8001のエリア内に存在する場合には、表示装置400は、該中継装置8001を経由して、管理装置100と通信可能である。その後、表示装置400が取付けられている収容箱αが移動(搬送)されることにより、表示装置400が、中継装置8001のエリア外に存在し、かつ、中継装置800NMのエリア内に存在したとする。この場合には、表示装置400は、該中継装置800NMを経由して、管理装置100と通信可能である。
表示装置400(表示装置400が取付けられている収容箱α)が移動し得る全エリア(以下、「移動エリア」ともいう。)は、複数の中継装置8001,...,800NMそれぞれのエリアを足し合わせたエリア(以下、全通信可能エリア)で網羅されている。したがって、この移動エリア内においては、表示装置400(表示装置400が取付けられている収容箱α)がいずれに移動されようとも、表示装置400は、複数の中継装置8001,...,800NMのいずれかの中継装置を経由して、管理装置100と通信可能となる機能を有する。本実施形態では、このような機能をローミング機能という。
また、1つのルータ(中継装置)と表示装置とは、好ましくは無線通信される。この無線の周波数帯域は、他の無線通信も適用できる周波数帯域とすることが好ましい。該無線での周波数帯域は、920MHz帯(Sub−GHz)とされる。より詳細には、無線での周波数は922.6〜923.4MHzとされる。
管理装置100は、表示システム1000を管理するサーバ装置である。入力装置200は、種々の情報が入力される装置である。入力装置200は、たとえば、PC(personal computer)、タブレット、スマートフォンなどである。
[表示装置400の外観図]
図3は、本実施形態の表示装置400の外観の斜視図を示す図である。図3を用いて、本実施形態の表示装置400の外観の斜視図を説明する。
表示装置400は、直方体形状である。また、図3(A)に示すように、表示装置400の一面に、表示部402(表示面)が設けられている。該表示部402に種々の情報(たとえば、図1(A)に示す情報)が表示される。図3(B)は、表示装置400の表示面と対向する面を示した図である。図3(B)に示すように、表示装置400において、表示部402と対向する面には、取付部408が設けられている。取付部408は、収容箱αに対して表示装置400を取付けるための部材である。取付部はどのような部材であってもよい。たとえば、表示装置400の取付部と対応する取付部は、収容箱αに設けられている。表示装置400の取付部が、収容箱αの取付部に取付けられることにより、表示装置400は、収容箱αに取り付けられる。取付部は、たとえば、マジックテープ(登録商標)としてもよい。また、取付部はスナップボタンとしてもよい。
[管理装置および入力装置のハードウェア構成例]
図4は、入力装置200のハードウェア構成例を示す図である。図4を用いて、入力装置200のハードウェア構成例を説明する。図4に示すように、入力装置200は、プログラムを実行するCPU(Central Processing Unit)201と、データを不揮発的に格納するROM(Read Only Memory)202と、データを揮発的に格納するRAM(Random Access Memory)203と、フラッシュメモリ204と、ディスプレイ205と、操作部207と、通信IF(Interface)208とを含む。ディスプレイ205は種々の情報を表示する。また、作業者などのユーザは、操作部207を操作することにより、情報を入力する。つまり、操作部207は、情報の入力を受付ける入力部として機能する。操作部207は、たとえば、マウスとキーボードなどを含む。また、ディスプレイ205がタッチパネルとして機能する場合には、操作部207は、タッチパネルも含む。
通信IF208は、外部装置(たとえば、管理装置100、アクセスポイント300)に対して情報を送信するともに、外部装置から情報を受信する。つまり、通信IF208は、情報を送受信する送受信部として機能する。
フラッシュメモリ204は、不揮発性の半導体メモリである。フラッシュメモリ204は、CPU201が実行するオペレーティングシステムおよび各種のプログラム、各種のコンテンツおよびデータを格納している。また、フラッシュメモリ204は、入力装置200が生成したデータ、入力装置200の外部装置から取得したデータ等の各種データを揮発的に格納する。
また、管理装置100のハードウェア構成は、たとえば、図4のディスプレイ205、操作部207などを省略したハードウェア構成である。
このように、管理装置100および入力装置200における処理は、各ハードウェアおよびCPU201により実行されるソフトウェアによって実現される。このようなソフトウェアは、フラッシュメモリ204に予め記憶されている場合がある。また、管理装置100および入力装置200に処理を実行させるプラグラムは、フラッシュメモリ204、メモリカードその他の記憶媒体に格納されたソフトウェア、あるいはネットワークを介してダウンロード可能なソフトウェアであるともいえる。
なお、記憶媒体としては、DVD-ROM、CD−ROM、FD(Flexible Disk)、ハードディスクに限られず、磁気テープ、カセットテープ、光ディスク(MO(Magnetic Optical Disc)/MD(Mini Disc)/DVD(Digital Versatile Disc))、光カード、マスクROM、EPROM(Electronically Programmable Read-Only Memory)、EEPROM(Electronically Erasable Programmable Read-Only Memory)、フラッシュROMなどの半導体メモリ等の固定的にプログラムを担持する媒体でもよい。また、記録媒体は、当該プログラム等をコンピュータが読取可能な一時的でない媒体である。
ここでいうプログラムとは、CPUにより直接実行可能なプログラムだけでなく、ソースプログラム形式のプログラム、圧縮処理されたプログラム、暗号化されたプログラム等を含む。
[表示装置のハードウェア構成例]
図5は、表示装置400のハードウェア構成例を示す図である。図5を用いて、表示装置400のハードウェア構成例を説明する。表示装置400は、ハードウェアとして、送信アンテナ401と、受信アンテナ403と、電池407と、マイコン405と、ディスプレイ406とを備える。
送信アンテナ401は、たとえば、中継装置800経由で、管理装置100に対して情報を送信する。受信アンテナ403は、たとえば、中継装置800経由で、管理装置100からの情報を受信する。マイコン405は、種々の処理を実行する。マイコン405の制御により、ディスプレイ406(表示部402に対応)は種々の情報を表示する。また、電池407からの電力は、たとえば、マイコン405に供給される。この電力によりマイコン405は起動する。
また、図5を、図4の記載に基づいて説明すると、送信アンテナ401と受信アンテナ403とは、通信IF208に対応する。マイコン405は、CPU201と、ROM202と、RAM203などに対応する。ディスプレイ406は、ディスプレイ205に対応する。
[表示装置の機能構成例]
図6は、表示装置400の機能構成例を示す図である。表示装置400は、送受信部420(受信部)の機能と、表示更新部422の機能と、電波測定部423の機能と、表示部402の機能と、スリープ部424の機能と、制御部425の機能とを有する。送受信部420は、たとえば、管理装置100から表示制御情報を受信する。表示制御情報は、表示部402が表示している情報を更新するための情報である。
表示更新部422は、表示部402の表示を制御する。送受信部420が、たとえば、表示制御情報を受信すると、表示更新部422は、該表示制御情報に基づいて、表示部402に情報を表示させる。また、送受信部420が、たとえば、表示制御情報を受信すると、表示更新部422は、該表示制御情報に基づいて、表示部402の表示を更新する。表示部402は、ディスプレイ406と対応する。
電波測定部423は、ローミング機能を実現するためのものである。電波測定部423は、ルータ350からの電波の強度を測定する。表示装置400は、複数のルータのうち電波が最も強いルータと無線接続される。
スリープ部424は、所定のスリープ条件が成立したときに、表示装置400をスリープ状態に制御する。スリープ状態とは、たとえば、管理装置100からの情報の受信処理はできる一方、他の処理(たとえば、表示部402の表示処理)の実行を停止する状態である。
制御部425は、表示装置400の種々の構成部を制御する。
[スリープ条件について]
次に、スリープ条件について説明する。表示装置400は、中継装置800経由で、管理装置100と種々の情報を送受信する。たとえば、停電などにより、管理装置100(表示システム1000)が処理を停止した場合において、表示装置400が表示処理を継続すると、電池407の電力を無駄に消耗してしまう。そこで、スリープ部424が、管理装置100の停止などを認識した場合には、表示装置400をスリープ状態に制御する。
次に、スリープ部424が管理装置100の停止を認識する手法の一例を説明する。スリープ部424は、送受信部420経由で、管理装置100に対して表示装置側確認信号を送信する。管理装置100は、該表示装置側確認信号を受信すると、管理装置側確認信号を表示装置400(スリープ部424)に送信する。表示装置400と管理装置100とは、一定期間毎(たとえば、5分毎)に、表示装置側確認信号と管理装置側確認信号との送受信を実行する。表示装置400は、表示装置側確認信号と管理装置側確認信号との送受信を実行している間は、管理装置100(表示システム1000)が処理を実行している(停電などが生じていない)と判断する。
仮に、停電などにより管理装置100が処理を停止している場合には、スリープ部424が、表示装置側確認信号を管理装置100に送信しても、管理装置100は管理装置側確認信号を表示装置400に送信しない。スリープ部424が、表示装置側確認信号を管理装置100に送信した場合において、該送信から所定時間(たとえば、1分)経過しても、管理装置側確認信号を受信しない場合には、スリープ部424は、管理装置100の処理が停止していると判断し、表示装置400をスリープ状態に制御する。
つまり、スリープ条件は、「表示装置側確認信号を管理装置100に送信した場合において、該送信から所定時間(たとえば、1分)経過しても、管理装置側確認信号を受信しないことにより成立する条件」を含む。
また、停電などにより、管理装置100が処理を停止している場合において(表示装置400がスリープ状態である場合において)、停電が復旧した場合には、管理装置100は表示装置400に対して管理装置側確認信号を送信する。スリープ状態である表示装置400が、該管理装置側確認信号を受信すると、スリープ部424は、スリープ状態を解除して通常状態に制御することにより、停止していた他の処理を実行するようになる。また、スリープ部424が表示装置400をスリープ状態に制御する場合には、表示装置400が表示していた表示情報を、たとえば、所定の記憶領域に記憶する。そして、スリープ部424は、スリープ状態を解除して表示装置400を通常状態に制御する場合には、表示部402は、該記憶領域に記憶されたデータに基づいた情報(つまり、スリープ状態に制御されたときに表示されていた表示情報)を表示する。
また、表示装置400の電源がオフにされた場合には、該オフにされたときに表示装置400が表示していた表示情報は、たとえば、不揮発性メモリに記憶される。その後、表示装置400の電源がオンにされた場合には、該不揮発性メモリに記憶されたデータに基づいた情報(つまり、電源オフ時に表示されていた表示情報)を表示する。
[ローミング機能について]
次に、表示装置400のローミング機能を説明する。図7は、ローミング機能を実現するためのフローチャートである。図7の記載について、表示装置400と、第1中継装置と、第2中継装置と、管理装置100との処理を示す。第1中継装置および第2中継装置とは、複数の中継装置に含まれる装置である。図7は、表示装置400が、複数の中継装置のうちの第1中継装置(たとえば、中継装置8001)を介して通信可能である第1状態であるときに実行される処理である。また、図7に示されている表示装置400の処理は、所定時間ごとに実行される処理である。
まず、ステップS102において、電波測定部423は、第1中継装置からの電波を受信し、該電波の強度を測定する。ステップS104において、送受信部420は、制御部425の制御の元、第1中継装置からの電波を受信した旨の受信情報を該第1中継装置に対して送信する。
ステップS106において、第1中継装置は、この受信情報を受信し、該受信情報を管理装置100に対して送信する。管理装置100は、この受信情報を受信することにより、表示装置400が、第1中継装置と通信可能である旨の情報(第1情報)を記憶する。
図8は、表示装置400と、該表示装置400が接続されている(通信可能とされている)中継装置との対応関係を示す管理テーブル表である。本実施形態の表示システムでは、複数の表示装置が用いられる。図8(A)の例では、表示装置400A、表示装置400B、および表示装置400Cが規定されている。図8(A)の例では、表示装置400Aは、中継装置8001と接続されている。図8(A)の例では、表示装置400Bは、中継装置8002と接続されている。図8(A)の例では、表示装置400Cは、中継装置8004と接続されている。この管理テーブル表は、管理装置100の所定の記憶領域に記憶される。
S108において、管理装置100がこの受信情報を受信することにより、管理装置100は、表示装置400Aが中継装置8001と通信可能である旨を示す情報を記憶する。
次に、S110において、電波測定部423は、他の中継装置(第2中継装置)からの電波を受信した場合において、現在、接続されている中継装置(第1中継装置)からの電波の強度(ステップS102で測定した強度)と、該他の中継装置からの電波の強度とを比較する。第2中継装置とは、第1中継装置(たとえば、中継装置8001)とは異なる中継装置であり、たとえば、中継装置800NMである。
制御部425が、第2中継装置からの電波の強度の方が、第1中継装置からの電波の強度よりも強いと判断した場合には(ステップS110のYES)、S112に進む。
S112において、制御部425は、接続対象の装置を、第1中継装置から、他の装置(第2中継装置)に切替える。その後、S114において、制御部425は、第2中継装置に切替えた旨を示す切替情報を第2中継装置に送信する。ステップS116において、第2中継装置は、この切替情報を受信し、該切替情報を管理装置100に対して送信する。
ステップS118において、管理装置100がこの切替情報を受信することにより、管理装置100は、表示装置400Aが中継装置800NMと通信可能である旨を示す情報を記憶する。
このように、管理装置100が、ステップS108の処理を実行したとき、つまり、表示装置400Aが中継装置8001と通信可能である旨の情報を記憶したときには、管理テーブル表は、図8(A)に示すテーブル表となる。その後、管理装置100が、ステップS108の処理を実行したとき、つまり、表示装置400Aが中継装置8001と通信可能である旨の情報を記憶したときには、管理テーブル表は、図8(B)に示すテーブル表となる。
図8(B)では、表示装置400Aは、中継装置800NMと接続されていることが規定されている。
複数の表示装置それぞれが、図7に示す処理を実行することにより、管理装置100は、該複数の表示装置それぞれが接続している中継装置を常に把握できる。したがって、管理装置100は、表示制御情報の送信先の中継装置を常に把握できる。
[表示システムの処理の流れ]
次に、表示システム1000を病院に適用した場合を説明する。図9は、病院のうち、薬剤(薬)が貯蔵されている施設(以下、「薬局」という。)で表示システムが適用されている例を示す。図10は、病院のうち、患者が滞在している施設(以下、「病室」という。)で表示システムが適用されている例を示す。
なお、中継装置800は、薬局内での表示システムと病室内での表示システムとで異なる。また、表示装置400は、前述のローミング機能を有していることにより、該表示装置400が薬局内に位置しているときでも、該表示装置400が病室内に位置しているときでも、複数の中継装置のいずれかと通信可能となる。図9の例では、表示装置400は、中継装置8001と通信可能とされている。図10の例では、表示装置400は、中継装置800NMと通信可能とされている。
まず、図9について説明する。薬局内には、種々の薬剤が保管されている薬剤保管棚W1と、提供ワゴンW2と、薬剤が収容される薬剤ケース600(図1の収容箱βに対応)とがある。また、薬剤ケース600の所定箇所に表示装置400が取付けられる。
ステップ(1)において、作業者は、入力装置200に対して、入力情報を入力する。この入力情報とは、たとえば、薬剤の提供の対象となる患者の氏名(以下、「患者氏名」ともいう。)である。
図11は、ステップ(1)において入力情報(患者氏名)が入力されたときの表示画面である。図11の表示画面は、入力装置200のディスプレイ205に表示される画面である。図11の例では、名前という文言と、氏名入力領域2080とが表示されている。作業者は、氏名入力領域2080に対して、患者氏名を入力する。氏名入力領域2080などの入力領域に対する患者の氏名の入力は、たとえば、操作部207(キーボード、マウスなど)を用いて実行される。図11の例では、氏名入力領域2080に患者の氏名として「Suzuki Taro」が入力された例を示している。入力された患者氏名は、入力装置200から管理装置100に送信される。また、氏名入力領域2080に患者の氏名が入力されたときには、入力装置200は、図11の画面から図13の画面に切替える。
管理装置100は、該患者氏名(入力情報)を受信すると、予め記憶されている患者DB(DataBase)に基づいて、表示制御情報を生成する。図17は、患者DBの一例を示したものである。図17の例では、患者氏名と、種々の情報とが対応付けられている。図17の例での種々の情報は、部屋番号を示す情報と、患者番号を示す情報と、処方内容を示す情報と、表示装置IDとを示す情報を含む。表示装置IDとは、表示装置400を識別するための情報である。図17の例では、表示装置400IDとして、表示装置の参照符号が示されている。
図17の例では、たとえば、患者氏名「Suzuki Taro」については、部屋番号「A103」と、患者番号「No1140」と、処方内容「DA1000」と、表示装置400Aとが対応付けられている。このように、患者氏名「Suzuki Taro」の人物に対しては、表示装置400Aが対応付けられている(表示装置400Aが用いられる)。
また、図17の例では、たとえば、患者氏名「Tokkyo Hanako」については、部屋番号「C201」と、患者番号「No1141」と、処方内容「DA1002」と、表示装置400Bとが対応付けられている。また、図17では、他の患者については、記載が省略されている。
この患者DBは、管理装置100内の所定の記憶領域(たとえば、ROM)などに予め記憶されている。また、この患者DBの各情報は、病院内の医師、および看護師などにより入力される。たとえば、入院患者の情報などが、医師、および看護師などにより入力装置200から入力されることにより、患者DBは、構築される。つまり、病院内の医師、および看護師などが、各患者に対して、部屋番号、患者番号、および用いられる表示装置などを決定する。
管理装置100は、入力装置200から入力された患者氏名に基づいて、図17の患者DBを参照して、表示制御情報を生成する。ステップ(1)において、入力装置200から、患者氏名として、たとえば、「Suzuki Taro」が入力された場合について説明する。この場合には、管理装置100は、該「Suzuki Taro」に対応する種々の情報を、表示制御情報として、中継装置8001を経由して表示装置400に対して送信する。
この表示制御情報は、患者氏名が「Suzuki Taro」であり、部屋番号が「A103」であり、患者番号が「No1140」であり、処方内容が「DA1000」であり、薬剤情報が「薬剤無し」であることを含む情報である。管理装置100からの表示情報制御情報に基づいて、表示装置400は、図12の画面を表示する。
図12は、表示装置400が、患者の情報として表示する画面の一例である。図12の例では、部屋番号「A103」と、患者番号「No1140」と、患者の氏名「Suzuki Taro」と、処方内容(薬剤の名称)「DA1000」とが表示される。さらに、図12の例では、薬剤情報として、「薬剤無し」という情報2083が表示される。この「薬剤無し」という情報2083は、該薬剤情報が表示されている薬剤ケース600に薬剤が収容されていないことを示す情報である。表示装置400が、薬剤情報「薬剤無し」という情報を表示することにより、該表示装置400が取付けられている薬剤ケース600に薬剤が収容されていないことを、作業者などに認識させることができる。
次に、作業者は、図12の画面を視認して、「Suzuki Taro」に処方される薬剤が、「DA1000」であることを認識する。ステップ(2)において、作業者は、薬剤保管棚W1から「DA1000」の薬剤を取出し、図12の画面を表示している表示装置400が取付けられている薬剤ケース600に収容させる。
次に、ステップ(3)において、作業者は、入力装置200に対して、入力情報を入力する。この入力情報は、「入力装置200から薬剤ケース600に「DA1000」の薬剤を収容したことを示す情報」である。図13は、この入力情報が入力される入力画面の一例である。この入力画面は、入力装置200により表示される画面である。
図13の例では、部屋番号と患者番号と処方内容(薬剤の名称)と確認情報とが表示される。この確認情報とは、図13の例では、薬剤を収容したか否かを作業者などに確認するための情報である。図13の例では、確認情報は、「薬剤を入れましたか?」といった文言の情報である。
図13の画面が表示されたときにおいて、作業員が、薬剤ケース600に薬剤を収容したと判断すると、終了有無領域2082にYESを入力する。このように、作業者は、入力装置200の入力画面において、収容すべき薬剤(図13の例では、DA1000)を認識した上で、終了有無領域2082にYESといった情報を入力することができる。したがって、たとえば、作業者が、収容すべき薬剤とは異なる薬剤を収容してしまうこと、つまり、間違った薬剤を収容してしまうことを防止できる。また、図13の終了有無領域2082にYESが入力されたときには、入力装置200は、図13の画面から図15の画面に切替える。
終了有無領域2082に「YES」が入力されると、該「YES」を示す情報が、入力装置200から管理装置100に対して送信される。管理装置100が、該「YES」を示す情報を受信すると、ステップ(4)において、管理装置100は、表示装置400に対して表示制御情報を送信する。
この表示制御情報は、対象物(つまり、薬剤)に関する情報を更新させるための情報である。図14は、表示装置400が、該表示制御情報に基づいて更新した表示情報の一例である。図14の例では、「薬剤有り」という情報2084が薬剤情報として表示される。「薬剤有り」という情報2084は、図14の例では、薬剤が、薬剤ケース600に収容されていることを示す情報である。表示装置400が、「薬剤有り」という情報2084を表示することにより、「DA1000」の薬剤を薬剤ケース600に収容した作業者が、改めて、「DA1000」の薬剤が収容されていることを確認できるとともに、他の作業者も「DA1000」の薬剤が収容されていることを確認できる(図1(A)参照)。
次に、ステップ(6)において、作業者は、薬剤「DA1000」が収容された薬剤ケース600を提供ワゴンW2に収納する。
次に、作業者は、表示装置400が表示している部屋番号(A103)を視認して、図10のステップ(7)において、提供ワゴンW2をA103の部屋まで搬送する。次に、ステップ(8)において、作業者は、表示装置400が表示している部屋番号(A103)と患者氏名と、病室に設置されている名札850とが一致するか否かを確認する。一致していれば、提供ワゴンW2の中から、患者氏名として「Suzuki Taro」を表示している表示装置400が取付けられている薬剤ケース600を取出す。
次に、ステップ(9)において、作業者は、該薬剤ケース600に収容されている薬剤「DA1000」を取り出して、「Suzuki Taro」の薬箱W3に収容する。この薬箱W3に薬剤を収容することにより、該薬箱W3に対応する患者に薬剤を提供したことになる(図1(B)参照)。
次に、ステップ(10)において、作業者は、入力装置200に対して、提供した旨を入力する(図1(C)参照)。図15は、該提供した旨が入力される入力画面の一例である。図15の例では、部屋番号と患者番号と処方内容(薬剤の名称)と確認情報とが表示される。この確認情報とは、図15の例では、患者に対して薬剤を提供したか否かを作業者などに確認するための情報である。図15の例では、確認情報は、「提供が終わりましたか」といった文言の情報である。
図15の画面が表示されたときにおいて、作業員が、薬剤を患者に提供したと判断すると、終了有無領域2086にYESを入力する。このように、作業者は、入力装置200の入力画面において、提供すべき薬剤および該薬剤を提供すべき患者を認識した上で、終了有無領域2086にYESといった情報を入力することができる。したがって、たとえば、作業者が、提供すべき薬剤とは異なった薬剤を患者に提供してしまうこと、つまり、間違った薬剤を患者に提供してしまうことを防止できる。また、作業者が、提供すべき患者とは異なった患者に薬剤を提供してしまうこと、つまり、間違った患者に薬剤を提供してしまうことを防止できる。
終了有無領域2086にYESが入力された場合には、表示装置400は、図16の画面を表示する。図16の例では、「提供完了」という情報2090が薬剤情報として表示される。「提供完了」という情報2090は、患者への薬剤の提供が完了したことを示す情報である。表示装置400が、「提供完了」という情報2090を表示することにより、Suzuki Taroという患者に「DA1000」の薬剤を提供した作業者Xが、改めて、「DA1000」の薬剤がSuzuki Taroという患者に提供されたことを確認できるとともに、他の作業者Yも、「DA1000」の薬剤がSuzuki Taroという患者に提供されたことを確認できる(図1(D)参照)。
[表示制御DBについて]
次に、表示制御DBについて、説明する。管理装置100は、該表示制御DBに基づいて、表示制御情報のうち薬剤情報を生成する。薬剤情報は、図12、図14、および図16に示す情報である。薬剤情報は、作業者などにより入力装置200に対して入力される毎に更新される情報でもある。
表示制御DBは、患者DB(図17参照)に対応して生成される。たとえば、患者DBについての情報(たとえば、患者の氏名)が入力されたときに、該情報に応じて表示制御DBが生成される。
図18は、表示制御DBの一例を示す図である。図18の例では、表示装置IDごとに、表示制御情報(薬剤情報など)が対応付けられている。また、表示制御データベースは、病院内の医師、および看護師などにより変更可能である。表示制御データベースを変更させるための操作は、管理装置100に対して行うようにしてもよく、入力装置200に対して行うようにしてもよい。
図18の例では、表示装置400Aには、薬剤名「DA1000」が対応付けられている。さらに、表示装置IDには、薬剤情報と、薬剤情報の順序を示す順序情報とが対応付けられている。ここで、順序情報は、薬剤情報の順序を示す情報である。
図18の例では、1番目に薬剤情報として「薬剤無し」という情報が表示され、2番目に薬剤情報として「薬剤有り」という情報が表示され、3番目に薬剤情報として「提供完了」という情報が表示されることが示されている。
管理装置100は、ステップ(1)において、患者氏名を入力すると、管理装置100は、図17の患者DBのうちの、患者氏名に対応する患者情報(部屋番号、患者番号、処方内容、表示装置ID)とを取得する。これとともに、管理装置100は、該患者情報のうちの表示装置IDに対応する薬剤情報を表示制御DBから取得する。管理装置100は、該患者情報と、薬剤情報である「薬剤無し」という情報を、表示制御情報として中継装置に対して送信する。管理装置100は、図8で説明した管理テーブル表に基づいて、送信先の中継装置を特定する。管理装置100は、該管理装置100の該特定した中継装置のアドレスに対して、表示制御情報を送信する。これにより、管理装置100は、該中継装置を経由して、表示装置400に対して表示制御情報を送信する。表示装置400は、この表示制御情報を受信すると、図12の画面を表示する。
また、管理装置100は、送信した薬剤情報については、送信済フラグを格納する。ここで送信済フラグは、薬剤情報を送信したことを示す(送信済みであることを示す)フラグである。たとえば、図18の例では、表示装置400Aについて、「薬剤無し」という薬剤情報を送信したときには、該「薬剤無し」について送信済みフラグが格納される。なお、図18の例では、たとえば、表示装置400Bについての薬剤情報である「薬剤無し」について送信済みフラグが格納されているが示されている。
また、ステップ(3)において、作業者が、「薬剤を入れましたか」という確認情報に対して「Yes」を入力すると、管理装置100は、患者情報のうちの表示装置IDに対応する薬剤情報であって、送信済みフラグが対応付けられている薬剤情報の次の薬剤情報(薬剤有り)を取得する。管理装置100は、薬剤情報である「薬剤有り」という情報を表示制御情報として中継装置に対して送信する。表示装置400は、この表示制御情報を受信すると、図14の画面を表示する。
また、ステップ(10)において、作業者が、「薬剤が提供されましたか」という確認情報に対して「Yes」を入力すると、管理装置100は、患者情報のうちの表示装置IDに対応する薬剤情報であって、送信済みフラグが対応付けられている薬剤情報の次の薬剤情報(提供完了)を取得する。管理装置100は、薬剤情報である「提供完了」という情報を表示制御情報として中継装置に対して送信する。表示装置400は、この表示制御情報を受信すると、図16の画面を表示する。
このように、表示装置400は「薬剤無し」→「薬剤有り」→「提供完了」という流れで、薬剤情報を更新する。また、入力装置200の入力画面は、「図11の表示」→「図11の画面で患者の氏名が入力されると図13の表示」→「図13の画面でYes入力されると、図15の画面の表示」といった流れで更新される。この入力画面を更新させるためのデータ(入力画像データ)は、入力装置200の所定領域に格納されている。
また、薬剤情報は本実施形態の情報に限られず、他の情報としてもよい。たとえば、ある患者に対して、午前10時に薬剤Aを提供する必要があると共に、午後3時に薬剤Bを提供する必要がある場合があるとする。この場合には、表示装置400は「薬剤無し」→「薬剤Aと薬剤Bとが有り」→「薬剤A提供完了。薬剤Bを15時に提供必要」→「薬剤Aおよび薬剤B提供完了」などという流れで、薬剤情報を更新する。表示装置400が、このような更新を行う場合には、図18の薬剤情報については、1番目として「薬剤無し」が記憶され、2番目として「薬剤Aと薬剤Bとが有り」が記憶され、3番目として「薬剤A提供完了。薬剤Bを15時に提供必要」が記憶され、4番目として「薬剤Aおよび薬剤B提供完了」が記憶される。このように患者に対して薬剤を提供する態様に応じて、図18の薬剤情報を変更することができる。
[表示システムの処理フローについて]
図19は、本実施形態の表示システム1000の主な処理を示した処理フローの一例を示す図である。図19を用いて表示システム1000の主な処理を説明する。図19は、図18に示す表示制御データベースに基づいて実行される例である。なお破線の矢印は、1の装置から他の装置に対して情報を送信していることを示す。
まず、ステップS1において、入力装置200は、該入力装置200により表示される入力画面(図11参照)から患者氏名が入力されたか否かを判断する。次に、ステップS2において、入力装置200は、入力された患者氏名を管理装置100に対して送信する。
次に、ステップS3において、管理装置100は、薬剤情報を「薬剤無し」とする表示制御情報を送信する。図19では特に図示しないが、管理装置100は、その他の情報(部屋番号、患者番号、名前、処方内容)も表示装置400に対して送信する。
次に、ステップS4において、表示装置400は、部屋番号の情報、患者番号の情報、名前の情報、処方内容の情報を表示するとともに、薬剤情報として「薬剤無し」という情報も表示する。
次に、ステップS6において、表示装置400は、更新完了情報を管理装置100に対して送信する。この更新完了情報とは、管理装置100から送信された表示制御情報に基づいた更新が完了したことを示す情報である。ステップS8において、管理装置100は、表示装置400からの更新完了情報を受信する。管理装置100は、該更新完了情報を受信することにより、ステップS2で送信した表示制御情報に基づいた更新表示を表示装置400が完了したことを認識できる。
また、入力装置200は、薬剤の収容の終了が入力される入力画面(図13の画面)を表示している。ステップS10において、入力装置200は、作業者などの操作に基づいて、薬剤収容完了を示す情報(図13のYes)が入力されたか否かを判断する。ステップS10において、該薬剤収容完了が入力されたと入力装置200が判断した場合には(ステップS10でYES、図9のステップ(3))、ステップS12に進む。また、入力装置200が該処理開始が入力されたと判断するまでステップS10の処理が繰返される。
ステップS12において、入力装置200は、薬剤収容完了情報(薬剤の終了が完了した旨を示す情報)を管理装置100に対して送信する。管理装置100は、該薬剤収容完了情報を受信すると、ステップS14において、薬剤情報を「薬剤有り」とする表示制御情報を表示装置400に対して送信する(ステップ(4))。
ステップS16において表示装置400は、該表示制御情報に基づいて、薬剤情報として「薬剤無し」から「薬剤有り」に更新する(ステップ(5))。次に、ステップS18において、ステップS16の更新が完了したことを示す更新完了情報を、表示装置400は、管理装置100に対して送信する。
ステップS20において、管理装置100は、更新完了情報を受信することにより、ステップS14で送信した表示制御情報に基づいた更新表示を表示装置400が完了したことを認識できる。
また、入力装置200は、薬剤の患者への提供の完了が入力される入力画面(図15の画面)を表示している。ステップS22において、入力装置200は、薬剤提供完了を示す情報(図15のYes)が入力されたか否かを判断する。ステップS22において、入力装置200が、該薬剤提供完了が入力されたと判断した場合には(ステップS22でYES、図10のステップ(10))、ステップS24に進む。また、入力装置200が該処理開始が入力されたと判断するまで、ステップS22の処理が繰返される。
ステップS24において、入力装置200は、薬剤提供完了情報(薬剤の患者への提供が完了した旨を示す情報)を管理装置100に対して送信する。管理装置100は、薬剤提供完了情報を受信すると、ステップS26において、薬剤情報を「提供完了」とする表示制御情報を表示装置400に対して送信する(ステップ(11))。
ステップS28において表示装置400は、該表示制御情報に基づいて、薬剤情報として「薬剤有り」から「提供完了」に更新する。
次に、ステップS30において、表示装置400は、ステップS28の更新が完了したことを示す更新完了情報を、管理装置100に対して送信する。ステップS32において、管理装置100は、更新完了情報を受信することにより、ステップS26で送信した表示制御情報に基づいた更新表示を表示装置400が完了したことを認識できる。
[エラー処理について]
次に、表示システムのエラー処理について説明する。図19でも説明したように、管理装置100は、表示制御情報を表示装置400に対して送信する。表示装置400は、該表示制御情報により示される更新が完了した場合には、該更新が完了したこと示す更新完了情報を送信する(図19のS6、S18、S30を参照)。以下では、この更新完了情報を、「表示制御情報に対応した更新完了情報」という。管理装置100は、表示制御情報を送信したときから、所定期間経過までに更新完了情報を受信することにより、該管理装置が送信した表示制御情報により示される更新が完了したことを認識できる。また、所定期間は、予め定められた期間であり、たとえば、1分とする。
一方で、管理装置100が表示装置400に対して表示制御情報を送信したが、該管理装置100は、該表示制御情報に対応した更新完了情報を所定期間経過までに受信できない場合がある。この場合とは、たとえば、表示装置400の電池切れ(図5の電池407参照)により、更新完了情報を送信できない場合と、表示制御情報と更新完了情報とのうち少なくとも一方の送信を遮断する遮断物が存在する場合とがある。
このように、管理装置100は、表示装置400に対して表示制御情報を送信したときにおいて、該表示制御情報の送信から所定期間が経過するまでに更新完了情報を受信できない場合には、エラーが発生したと判断する。このエラーの発生とは、表示装置400が該表示制御情報に基づいて前記表示情報を更新しなかったと推定される事象である。また、管理装置100は、エラーが発生したと判断した場合には、エラー報知を実行する。
次にエラー報知について説明する。エラー報知は、たとえば、作業者Xに対して、表示装置400のエラーが発生したことを報知する処理である。図20は、エラー報知用テーブルの一例を示す図である。エラー報知用テーブルは、管理装置100の所定領域に記憶されている。図20を用いて、エラー報知の一例を説明する。
図20の例では、複数の表示装置400の各々に、識別番号(表示装置ID)が割り振られている。図20の例では、複数の表示装置400それぞれに対して、400A、400B、400C・・・という表示装置IDが割り振られている。また、表示装置IDそれぞれには、報知対象機器IDが割り振られている。報知対象機器とは、エラー報知が実行される機器である。報知対象機器は、たとえば、作業者Xが携帯可能な電子機器(たとえば、PHS、スマートフォンなど)である。報知対象機器IDは、複数の報知対象機器に割り振られた識別情報である。作業者Xは、作業者Xが担当する収容箱に取付けられる表示装置に対応する報知対象機器を保持する。
図20の例では、表示装置400Aおよび表示装置400Bには、報知対象機器M1が対応付けられている。また、表示装置400Cには、報知対象機器M2が対応付けられている。たとえば、作業者Xは、表示装置400Cが取付けられる収容箱を担当する場合には、報知対象機器M2を保持する。
また、図20の例では、表示装置IDそれぞれの状態が対応付けられる。正常状態とは、エラーが発生していない状態である。エラー状態とは、エラーが発生している状態である。図20の例では、表示装置400Aおよび表示装置400Bは、正常状態であり、表示装置400Cはエラー状態であることが示されている。
管理装置100は、エラーが発生したと判断したことに応じて、図20の状態を更新する。管理装置100は、エラー状態であると判断した表示装置400に対応する報知対象機器に対して、エラー報知を実行する。図19の例では、表示装置400Cがエラー状態であることから、表示装置400Cに対応する報知対象機器M2に対してエラー報知を実行する。このエラー報知は、たとえば、報知対象機器M2を振動させる処理と、報知対象機器M2からエラー音を出力させる処理と、報知対象機器M2の表示部にエラー発生などといった文字を表示する処理とをのうち少なくとも1つを含む。
報知対象機器に対してエラー報知を実行することにより、該報知対象機器を携帯している作業者X、つまり、該報知対象機器に対応する表示装置が付されている収容箱αを処理している(担当している)作業者Xに対して、表示装置がエラー状態であることを認識させることができる。
[本実施形態の表示システムにより奏する効果]
次に、本実施形態の表示システム1000により奏する効果を説明する。
(A) 表示装置400は、該表示装置400が取付けられている収容箱(薬剤ケース)に収容されている薬剤に関する薬剤情報(対象物情報)を表示する。本実施形態では、薬剤情報は、「薬剤無し」、「薬剤有り」、および「提供完了」である。本実施形態では、作業者が、配薬ケースに薬剤を収容して、該収容した旨を入力装置200に入力すると、表示装置は、「薬剤無し」から「薬剤有り」に更新される。また、作業者が、配薬ケースに収容されている薬剤を患者に提供して、該提供した旨を入力装置200に入力すると、表示装置は、「薬剤有り」から「提供完了」に更新される。
したがって、入力装置200に対して情報を入力した作業者Xのみならず、他の作業者(図1(D)に示す作業者Yなど)が、表示装置400の表示を視認することにより、薬剤がどのような状態なのかを認識できる。したがって、他の作業者は、薬剤を患者に提供したか否かなどを一の作業者Xに問いかける必要がなく、作業者の負担を軽減させることができる。
(B) また、表示装置400は、図7で説明したローミング機能を有する。より典型的には、図7で説明したように、表示装置400が、全通信可能エリア内であれば、如何なる場所に移動しようとも、表示装置400は、管理装置100からの表示制御情報に基づいて、薬剤情報などを表示することができる。したがって、表示装置400が取付けられた薬剤ケース600が種々の場所に移動され得る状況(たとえば、薬局から病室から薬剤ケース600が運搬される状況)であっても、表示装置400は適切に薬剤情報などを表示できる。また、表示装置400が取付けられた薬剤ケース600が種々の場所に移動され得る状況であっても、他の作業者は、薬剤情報を視認できることから、作業者の負担を軽減させることができる。
(C) また、表示制御情報が表示装置400に対して送信される所定契機は、「図9および図10のステップ(1)、ステップ(3)、およびステップ(10)に示すように、作業者Xなどにより入力装置200に対して入力情報が入力されることにより成立する契機」である。したがって、本実施形態の表示システムを病院などの施設に導入する場合には、表示システムの導入者は、該施設に元々設置されている既存の情報処理装置(たとえば、PC、スマートフォン)を入力装置として用いることができる。
本実施形態の表示システムを病院などの施設に導入する場合には、表示システムの導入者は、管理装置100と、表示装置400とを導入するとともに、既存の情報処理装置に、表示システムを実現するためのソフトウェアをダウンロードさせる。
表示システムのこのような導入手法により、安価に該表示システムを導入することができる。
(D) また、図1などでも説明したように、収容箱α(薬剤ケース600)は、移動される物(作業者Xなどにより搬送される物)である。また、図7などでも説明したように、「上述の移動エリア内であれば、表示装置400は、管理装置100と通信可能とする機能」であるローミング機能を有する。したがって、移動エリア内において、表示装置400が、いずれに移動されても、表示装置400による表示情報の表示、および表示装置400による表示情報の切替が実行される。したがって、表示システム1000の利便性を向上できる。また、図7のステップS110でも説明したように、表示装置400は、電波強度が最も強い中継装置と接続される。したがって、管理装置100と表示装置400とはお互いに安定した通信を実行することができる。
[第2実施形態]
次に、第2実施形態を説明する。第1実施形態の表示装置400による表示内容は、収容箱(たとえば、薬剤ケース)に収容されている対象物(たとえば、薬剤)に関する対象物情報であるとして説明した。第2実施形態では、表示装置400による表示内容は、収容箱の搬送先を示す搬送先情報とする。
第2実施形態の表示システムを病院に適用した場合について説明する。さらに以下のような状況を想定して説明する。薬剤が収容されている薬剤ケースが保管庫A(図示せず)に保管されている。この薬剤ケースに表示装置が取付けられている。この薬剤ケースに収容されている薬剤を、病室B103に滞在している患者「Suzuki Taro」に提供する。該薬剤の提供が終了した後(たとえば、配薬ケースが空になった後)には、保管庫Aに戻す。
図21および図22は、第2実施形態の表示装置400が表示する表示画面の一例である。図21の例では、搬送先情報として「行先:病室B103」という情報2092、患者名として「患者名:Suzuki Taro」という情報と、処方内容として「XYZ」という情報が表示されている。
作業者Xは、図21の搬送先情報(「行先:病室B103」という情報2092)を視認することにより、薬剤ケースを病室B103に搬送することを認識できる。作業者Xは、図21の患者名を視認することにより、薬剤を提供する患者が「Suzuki Taro」であることを認識できる。作業者Xは、図21の処方内容を視認することにより、処方内容は「XYZ」であることを認識できる。
作業者Xは、図21の表示情報に基づいて、病室B103の患者「Suzuki Taro」に「XYZ」の薬剤を提供したとする。その後、作業者Xは、提供を終了した旨を入力装置200に対して入力する。入力装置200は、該入力された入力情報を管理装置100に対して送信する。管理装置100は、受信した入力情報に基づいて表示制御情報を生成して、該表示制御情報を中継装置を経由して表示装置に対して送信する。表示装置400は、該表示制御情報に基づいて、図22に示す表示情報を表示する。
図22の例では、搬送先情報として「行先:保管庫A」という情報2094、患者名として「患者名:Suzuki Taro」という情報と、処方内容として「薬剤無し」という情報が表示されている。
作業者Xは、図22の搬送先情報(「行先:保管庫A」という情報2094)を視認することにより、薬剤ケースを保管庫Aに搬送することを認識できる。作業者Xは、図22の患者名を視認することにより、薬剤の提供を完了した患者が「Suzuki Taro」であることを認識できる。作業者Xは、図22の処方内容を視認することにより、「薬剤が無い」、つまり、薬剤ケースが空であることを認識できる。
このように、第2実施形態の表示装置400は、搬送先情報(図21の例では、病室B103、図22の例では、保管庫A)を表示することができる。したがって、作業者Xに対して薬剤ケースの搬送先を認識させることができる。また、作業者Xが、搬送先での処理(たとえば、患者への薬剤の提供)を終了したと判断すると、該終了した旨を入力装置200に対して入力する。該入力に基づく管理装置100の制御の元、表示装置400は、図21の画面から図22の画面に切替える。作業者X、および該作業者Xとは異なる作業者Yは、図22の画面を視認することにより、薬剤ケース600の次の搬送先(保管庫A)を認識することができる。したがって、作業者Xおよび作業者Yに紙媒体のマニュアルを読ませる手間を省くことができることから、作業者Xおよび作業者Yの処理が煩雑になることを防止できる。よって、作業者の処理が煩雑になることを防止できる。
また、第2実施形態の表示装置400は、搬送先情報のみではなく、薬剤情報も表示する。したがって、作業者Xは、該薬剤情報を視認することにより、薬剤ケースに収容されている薬剤に関する情報も認識できる。たとえば、作業者Xおよび他の作業者Yは、図21の薬剤情報を視認することにより、「薬剤XYZが収容されていること」を認識できる。また、この薬剤情報は、入力装置200への入力情報の入力を契機に、図22の薬剤情報に更新される。作業者Xおよび他の作業者Yは、図22の薬剤情報を視認することにより、「薬剤ケースが空であること」を認識できる。したがって、たとえば、作業者Yは、患者「Suzuki Taro」に薬剤を提供したか否を、作業者Xに対して問いかける必要はない。したがって、作業者の処理が煩雑になることを防止できる。
また、表示装置400は、薬剤情報を表示せずに搬送先情報を表示する構成としてもよい。つまり、表示装置400は、薬剤情報と搬送先情報とのうち少なくとも一方を表示する構成としてもよい。
また、管理装置100は、表示装置400で表示される薬剤情報の順序を規定したDB(たとえば、図18に対応する情報)を保持している。
[第3実施形態]
次に第3実施形態について説明する。この第3実施形態では、表示システムを工場に設置した場合を説明する。この第3実施形態では、表示装置400は、表示情報として、搬送先情報を表示する。
本実施形態では、収容箱は、対象物が収容される箱(ケース)である。対象物は、処理装置による処理の対象となる物である。対象物は、たとえば、製造物の材料である。施設内で、作業者は、対象物が収容されている収容箱を、搬送させるべき場所に搬送する。この搬送の手法は、たとえば、作業者が自力で該収容箱を搬送してもよく、また、台車または搬送装置に該収容箱を載置して搬送してもよい。このように、収容箱は、工場内の作業者による作業(搬送)の対象物である。
図23は、本実施形態を示す図である。図23を用いて、本実施形態の適用例を説明する。図23は、工場内で、作業者X(ユーザともいう。)が、収容箱920(対象物930が収容されている箱)に対して作業を行う状況を示した図である。収容箱920は、表示装置400が取付けられている。
最初は、収容箱920は、保管庫Cに保管されているとする。また、保管庫Cに保管されている状態では、表示装置400と管理装置100とは、中継装置8001を介して通信可能である。
たとえば、作業者が、入力装置200に対して作業を開始する旨の情報を入力する。そうすると、ステップ(1)において、管理装置100は、中継装置8001経由で、表示装置400に対して表示制御情報を送信する。
図24は、表示装置400がこの表示制御情報を受信したときに表示する画面の一例である。図24の例では、搬送先情報4021として、処理装置A1が表示されている。この搬送先情報4021は、収容箱920を処理装置900Aが位置する場所まで搬送すべきことを示している。また、この搬送先情報4021は、収容箱920に収容されている対象物930を処理装置900Aに処理させるべきものであることも示している。
次に、ステップ(2)において、図24の表示情報を視認した作業者は、収容箱920を処理装置900Aに搬送したとする。また、処理装置900Aまで収容箱920を搬送した状態では、該収容箱920に取付けられている表示装置400は、中継装置8002と接続される。
作業者は、処理装置900Aによる対象物930への処理が終了したことを確認した場合には、ステップ(3)において、処理装置900Aによる対象物930への処理が終了した旨を入力する。図26は、入力装置200により表示される入力画面の一例である。図26の例では、箱IDと、製品名と、処理装置の名称と、確認情報である「更新しますか?」という文言が表示されている。
作業者は、処理装置900Aによる対象物930への処理が終了したことを確認した場合には、終了有無領域2054にYESといった入力情報を入力する。入力装置200は、該入力された入力情報を管理装置100に対して送信する。管理装置100は、受信した入力情報に基づいて表示制御情報を生成する。ステップ(4)において、管理装置100は、中継装置8002を経由して該表示制御情報を表示装置400に対して送信する。この表示制御情報は、たとえば、処理装置Aによる処理が終了した対象物930に対して、次の処理装置Bを表示させるための情報である。表示装置400は、該表示制御情報に基づいて、図25に示す表示情報を表示する。
図25の例では、図23の画面と比較して、図25では搬送先情報が、「処理装置A」であるのに対し、図25では搬送先情報が、「処理装置B」である点で両図面は異なる。この搬送先情報(処理装置B)は、収容箱920を処理装置900Bが位置する場所まで搬送すべきことを示している。また、この搬送先情報は、収容箱920に収容されている対象物930を処理装置900Bに処理させるべきものであることも示している。
このように、第3実施形態の表示装置400は、搬送先情報(処理装置900A)を表示することができる。したがって、作業者に対して収容箱920の搬送先を認識させることができる。また、作業者Xが、搬送先での処理(たとえば、処理装置900Aでの処理)を終了したと判断すると、該終了した旨を入力装置200に対して入力する。該入力に基づく管理装置100の制御の元、表示装置400は、図24の画面から図25の画面に切替える。作業者は、図25の画面を視認することにより、収容箱920の次の搬送先(処理装置B)を認識することができる。したがって、作業者は、たとえば、紙媒体のマニュアルを見ることにより、収容箱920の搬送先を認識する必要はない。よって、作業者に紙媒体のマニュアルを読ませる手間を省くことができることから、作業者の処理が煩雑になることを防止できる。
また、第3実施形態の変形例として、表示装置400は、該表示装置400が取付けられている収容箱920に収容されている対象物930の関する対象物情報を表示するようにしてもよい。たとえば、対象物情報は、処理装置による処理が終了したか否かを示す情報としてもよい。
たとえば、処理装置Aによる処理および処理装置Bによる処理のいずれも終了していない場合には、表示装置400は、対象物情報として、「処理未終了」という情報を表示する。その後、処理装置Aによる処理が終了したが、処理装置Bによる処理が終了していない場合には、表示装置400は、対象物情報として、「処理装置Aでの処理は終了。処理装置Bでの処理は未終了」という情報を表示する。その後、処理装置Aによる処理、および処理装置Bによる処理の双方が終了した場合には、表示装置400は、対象物情報として、「処理装置Aおよび処理装置Bでの処理は終了」という情報を表示する。
このような第3実施形態の変形例であれば、入力装置200に対して情報を入力した作業者Xのみならず、他の作業者が、表示装置400の表示を視認することにより、対象物がどのような状態なのか(処理が終了した処理装置)を認識できる。したがって、他の作業者は、薬剤を患者に提供したか否かなどを一の作業者に問いかける必要がなく、作業者の負担を軽減させることができる。
[変形例]
以上、本発明の実施例を図面により説明してきたが、本発明はこの実施例に限定されるものではない。本発明は、上記の実施例に限られず、種々の変形、応用が可能である。
(1) 本実施形態の表示システムが適用される施設は、病院などであるとして説明した。しかしながら、表示システムが適用される施設は他の施設であってもよい。たとえば、表示システムを建設現場に適用するようにしてもよい。この場合には、作業員は、土が保管されている保管場所から、土を取出し、この土(対象物)を収容箱に収容した上で、トラック車などで建設現場に搬送する。この建設現場では、搬送された土が、建造物の建設のために用いられる。また、収容箱には、表示装置が取付けられる。表示装置は、対象物情報と、搬送先情報とのうち少なくとも1つの情報を表示する。対象物情報は、たとえば、「収容されている土の種類(土の名称)」、および「土が建設現場に搬送されたか否か」のうち少なくとも1つとしてもよい。また、搬送先情報は、たとえば、収容箱を搬送させる建設現場の場所を示す情報などとしてもよい。
また、保管場所および建設現場のそれぞれに、1以上の中継装置が設置されている。これにより、保管場所および建設現場それぞれにおいて、表示装置のローミング機能を実現できる。また、作業者が、入力情報を入力する入力装置は、たとえば、作業者が携帯可能な携帯機器(たとえば、スマートフォン)としてもよい。また、管理装置は、該1以上の中継装置と、入力装置とが共通して設置される。
このような実施形態が採用された表示システムであっても、前述の実施形態と同様の効果を奏する。
(2) 第1実施形態の薬剤情報は、薬剤の有無を示す情報、および薬剤を患者に提供したか否かを示す情報を含むとして説明した。しかしながら、薬剤情報は、他の情報としてもよい。たとえば、薬剤情報は、薬剤の名称を示す情報としてもよい。この場合において、薬剤ケースに収容されている薬剤が代替された場合には、該代替された旨の入力情報を作業者などが入力装置に入力する。この入力を契機に、管理装置からの表示制御情報により、表示装置は、代替後の薬剤の名称を薬剤情報として表示するようにしてもよい。
(3) 本実施形態では、管理装置が、表示装置に対して表示制御情報を送信する契機は、管理装置への入力であるとして説明した。本実施形態では、管理装置への入力は、たとえば、入力装置からの入力であるとして説明した。しかしながら、管理装置への入力は、他の装置からの入力としてもよい。他の装置は、たとえば、表示装置としてもよい。このような構成によれば、表示装置が、本実施形態の入力装置の機能も果たすことになり、表示システムの部品点数を削減できる。
また、今回開示された各実施の形態は全ての点で例示であって制限的なものではないと考えられるべきである。本発明の範囲は上記した説明ではなくて特許請求の範囲によって示され、特許請求の範囲と均等の意味および範囲内での全ての変更が含まれることが意図される。また、実施の形態および各変形例において説明された発明は、可能な限り、単独でも、組合わせても、実施することが意図される。