一実施形態に係る処理端末1を、図1乃至図11を用いて説明する。
図1及び図2は、本実施形態の処理端末1の構成を示す斜視図であって、図1は第2筐体22が第1筐体21を覆う状態を、図2は第2筐体22が第1筐体21に対し立設する状態を示す。図3は、処理端末1の構成を示すブロック図である。図4及び図5は、処理端末1の構成を背面側及び底面側からそれぞれ示す斜視図である。図6は、処理端末1の構成を示す断面図である。図7は、第1筐体21の構成を上面側から示す斜視図である。図8は、第2筐体22の構成を示す斜視図である。図9及び図10は、処理端末1のヒンジ部23の構成をそれぞれ示す斜視図及び側面図である。図11は、処理端末1の構成であって、ヒンジ部23及びケーブル20の関係を示す斜視図である。
なお、本実施形態においては、処理端末1を設置面に設置した姿勢において第1筐体21側を下側、第2筐体22側を上側として上下方向を規定するとともに、ヒンジ部23側を背面側、ヒンジ部23側と相対する側を正面側として前後方向を規定して説明する。
図1乃至図6に示すように、処理端末1は、筐体10と、プリンタ11と、表示部12と、操作部13と、カードリーダライタ14と、I/O(Input/Output)ポート15と、開閉センサ16と、第1基板17と、第2基板18と、ロック機構19と、ケーブル20と、を備える。処理端末1は、例えば、店舗に設置され、買上情報の入力や通信、レシート発行や、クレジットカード等の情報の読み込み等、決済処理を行うPOS端末である。
図1及び図2に示すように、筐体10は、設置面に設置される第1筐体21と、第1筐体21に対して回転する第2筐体22と、第1筐体21及び第2筐体22を回転可能に連結するヒンジ部23と、を備えている。筐体10は、第2筐体22が第1筐体21を覆う状態において、ヒンジ部23側からヒンジ部23と相対する側に向かって上面が下方に傾斜する略矩形箱状に構成される。
図1乃至図4に示すように、第1筐体21は、上面が背面側から正面側に向かって傾斜し、且つ、上面が開口する矩形箱状に構成される。第1筐体21は、プリンタ11の構成の一部、I/Oポート15及び開閉センサ16、第1基板17等を収容又は保持する。図2に示すように、第1筐体21は、プリンタ11に用いるロール紙を収容する窪みである用紙収容部31を上面に有する。このような第1筐体21は、例えば、フレームに外壁を構成する複数の化粧パネルが固定されることで構成される。例えば、化粧パネルの一部は、着脱可能にフレームに固定される。
また、第1筐体21は、図4乃至図6に示すように、例えば、下面に、複数の脚21aと、複数の補助脚21bと、を有する。本実施形態においては、第1筐体21は、4つの脚21aと、2つの補助脚21bと、を有する。
脚21aは、摩擦係数の大きい樹脂材料、例えばゴムにより形成され、設置面に当接することで、第1筐体21に外力が印加されたときに第1筐体21が設置面に沿った移動をすることを抑制する。脚21aは、第1筐体21の下面の正面側に2つ、背面側に2つ配置される。
補助脚21bは、第1筐体21に一体に設けられた突起である。補助脚21bは、第1筐体21の下面であって、第1筐体21の正面側の脚21aと背面側の脚21aとの間にそれぞれ配置される。
図1乃至図3及び図6に示すように、第2筐体22は、プリンタ11の構成の一部、表示部12、操作部13、カードリーダライタ14及び第2基板18等を収容又は保持する。第2筐体22は、矩形板状に構成され、内部に第2基板18を収容する空間を有する。第2筐体22は、第1筐体21の上面を覆うカバーである。
第2筐体22は、第1筐体21に対して、所定の角度範囲でヒンジ部23を回転中心として回転する。具体的には、第2筐体22は、ユーザにより操作されることで、閉位置と開位置の間でヒンジ部23の回転中心周りの円運動を行う。
ここで、閉位置とは、第2筐体22の第1筐体21と対向する面の一部が第1筐体21の上面と当接する位置である。また、開位置とは、第2筐体22の延設方向が第1筐体21の設置面に対して直交する位置か又は当該直交する位置よりも第1筐体21から離間する方向に若干回転した位置である。
即ち、第2筐体22は、閉位置において第1筐体21の上面と当接し、そして、開位置において第1筐体21の背面の一部と当接する形状に構成され、これら閉位置及び開位置の間で、第1筐体21に対してヒンジ部23の中心軸周りに往復動できるとともに、閉位置及び開位置を超えた移動が規制される。
なお、第2筐体22の開位置は、第1筐体21の上面に設けられた用紙収容部31が露出してロール紙の供給ができ、そして、第2筐体22が自重によって移動しない位置であれば、適宜設定できる。
具体例として、第2筐体22は、上面に表示部12及び操作部13が配置されることで、ユーザが操作可能な表示ユニットを構成する。図2に示すように、第2筐体22は、第1筐体21と対向する面に、開口22aと、螺子22bにより開口22aに着脱可能なカバー22cと、を有する。また、図8に示すように、第2筐体22は、内部に装着部22dが設けられる。
図1、図2及び図4に示すように、第2筐体22は、両側面の正面側の端部に設けられた吸気口22eと、背面側に設けられた排気口22fと、を有する。また、第2筐体22は、内部に収容される第2基板18やその他の構成に応じて、吸気口22eから排気口22fまでの空気の流路の一部を構成する壁、リブ及びパイプ等が内部に適宜設けられる。
図2及び図8に示すように、開口22aの開口面積は、第2基板18に設けられる交換可能な交換部材54が移動可能な大きさに設定される。開口22aは、第2筐体22の第1筐体21側の外面部のヒンジ部23側に配置される。ここで、第2筐体22の第1筐体21側の外面部とは、第2筐体22が閉位置にあるときに第2筐体22の第1筐体21と対向する部位である。また、第2筐体22の開口22aの周囲には、螺子22bが螺合する螺子穴が設けられる。
図2及び図8に示すように、カバー22cは、開口22aを覆う。なお、カバー22cは、通風のための孔を有していても良い。カバー22cは、例えば、螺子22bを螺子穴に螺合させて、開口22aに取り付けられる。
図8に示すように、装着部22dは、第2筐体22の内部であって、開口22aと対向する位置に配置される。具体的には、装着部22dは、交換部材54を着脱できる、開口22aと対向する第2基板18の一部により構成される。具体例として、装着部22dは、第2基板18に設けられた交換部材54が接続されるアタッチメントや、交換部材54に挿通した螺子が螺合する螺子穴により構成される。
図1及び図2に示すように、吸気口22eは、空気を吸い込む開口であり、異物等の侵入を防止可能な形状である。なお、吸気口22eの数や形状は、適宜設定可能である。吸気口22eは、第2筐体22の両側面の正面側の端部に設けられることで、第2筐体22が第1筐体21を覆うときに、排気口22fよりも下方に配置される。
図4及び図6に示すように、排気口22fは、異物等の浸入を防止可能な開口形状で複数設けられる。例えば、排気口22fの総開口面積は、吸気口22eの総開口面積以上に設定される。
このような第2筐体22は、例えば、フレームに外壁を構成する複数の化粧パネルが固定されることで構成される。例えば、化粧パネルの少なくとも一部は、着脱可能にフレームに固定される。また、カバー22cは、第2筐体22の第1筐体21と対向する面の化粧パネルの一部を構成する。
図8乃至図11に示すように、ヒンジ部23は、第1筐体21に対して第2筐体22を回転可能に支持する。また、ヒンジ部23は、第2筐体22の回転を制動し、且つ、閉位置から開位置に向かって付勢する。
具体例として、ヒンジ部23は、一対の回転軸25と、一対の回転軸25に設けられたダンパ26と、回転軸25に設けられた付勢部材27と、を備える。
回転軸25は、第1筐体21及び第2筐体22を回転可能に支持する。例えば、回転軸25は、第1筐体21及び第2筐体22の一方に固定され、第1筐体21及び第2筐体22の他方にダンパ26を介して保持されることで、第1筐体21に対して第2筐体22を回転可能に支持する。回転軸25は、例えば螺子等によって構成される。
一対の回転軸25は、所定の間隔を空けて同軸上に配置される。ここで、所定の間隔とは、図9に示すように、一対の回転軸25の間にケーブル20を配置可能な間隔である。
ダンパ26は、一対の回転軸25にそれぞれ設けられる。ダンパ26は、回転軸25を回転中心とした第2筐体22の回転を制動する。ダンパ26は、例えば、所謂揺動ダンパが用いられる。
付勢部材27は、例えば、第2筐体22を閉位置から開位置に向かって付勢する。例えば、付勢部材27は、一軸周りの回転方向に沿って第2筐体22を付勢するねじりばねである。以下、付勢部材27をねじりばね27として説明する。
ねじりばね27は、第2筐体22が閉位置から開位置に向かって回転する方向に付勢する。また、ねじりばね27は、第2筐体22が閉位置においてもっとも付勢力が強く設定される。また、ねじりばね27は、第2筐体22が閉位置にあるときに、第2筐体22の重量よりも若干大きい付勢力を第2筐体22に印加可能に設定される。
例えば、ねじりばね27は、付勢力が生じない中立点が第2筐体22の開位置か、又は、開位置よりも閉位置から離間する方向に若干ずれた位置に設定される。即ち、ねじりばね27は、第2筐体22が開位置にあるときに第2筐体22を付勢しないか、又は、第2筐体22が開位置にあるときに第2筐体22を閉位置から離間する方向へ付勢する。また、ねじりばね22は、第2筐体22が開位置から閉位置に向かって回転するに従い、第2筐体22の回転方向に抗う方向に第2筐体22を付勢する付勢力が漸次増大する。
このようなねじりばね27は、一対の回転軸25の一方又は双方に設けられる。ねじりばね27が一対の回転軸25に設けられる場合には、一対のねじりばね27により、ねじりばね27が一方の回転軸25に設けられる場合には、一つのねじりばね27により所望の付勢力が生じるように設定される。本実施形態においては、ねじりばね27は、一対の回転軸25にそれぞれ設けられる。
ねじりばね27は、一端が第1筐体21に支持され、他端が第2筐体22に支持される。具体例として、ねじりばね27は、第1筐体21に設けられた第1座部27aと、第2筐体22に設けられた第2座部27bにより支持される。第1座部27a及び第2座部27bは、回転軸25周りの一方向で、ねじりばね27の端部を支持する。また、第1座部27a及び第2座部27bは、回転軸25の軸方向からねじりばね27の端部を配置可能に、第1筐体21及び第2筐体22に設けられる。
図1乃至図3及び図6に示すように、プリンタ11は、用紙収容部31と、ヘッド32と、プラテン33と、駆動機構34と、排紙口35と、を備える。プリンタ11は、ロール紙をプラテン33によりヘッド32に供給し、ヘッド32でロール紙に印字する。例えば、ロール紙は、加熱により発色する一方向に長い帯状の感熱紙が捲回されることで構成される。
図1乃至図3及び図6に示すように、用紙収容部31は、第1筐体21の上部に設けられる。用紙収容部31は、ロール紙の送り方向が筐体10のヒンジ部23側である背面側からヒンジ部23と相対する側である正面側となるように、ロール紙の軸心が筐体10の前後方向及び重力方向に対して直交する方向で収容可能に、第1筐体21の上部が半円柱状に窪むことで構成される。
ヘッド32は、サーマルヘッドである。図2及び図7に示すように、ヘッド32は、給紙時におけるロール紙の送り方向、即ち、筐体10の背面側から正面側へ向かう方向に対して直交する幅方向で、部分的に発熱可能に構成される。ヘッド32は、第1筐体21の上部であって、用紙収容部31よりも正面側に配置される。
プラテン33は、所謂プラテンローラである。図2及び図8に示すように、プラテン33は、第2筐体22の、第1筐体21に設けられたヘッド32と対向する位置に設けられる。プラテン33は、ヘッド32との間に感熱紙を挟み込むとともに、駆動機構34により回転駆動することで、感熱紙を送り方向に沿って搬送する。
駆動機構34は、例えば、モータや歯車等によって構成され、プラテン33を一軸周りに回転する。
図1及び図2に示すように、排紙口35は、筐体10の正面であって、且つ、第1筐体21及び第2筐体22の対向する部位に設けられ、ロール紙を排紙する開口である。排紙口35は、例えば、第1筐体21に設けられた、ロール紙を切断するカッター等を含む。
図3に示すように、第1基板17は、ヘッド32及び駆動機構34に電気的に接続され、ヘッド32及び駆動機構34の動作を制御するコントローラを有する。第1基板17は、ケーブル20により第2基板18に電気的に接続される。
表示部12は、例えば、液晶ディスプレイと、液晶ディスプレイの表面を保護するガラスと、を含む。図1及び図6に示すように、表示部12は、筐体10の上面を構成する第2筐体22の外面の略全面にわたり配置される。表示部12は、情報を表示可能に構成される。表示部12は、情報を表示した状態をONとする。また、表示部12は、情報を非表示とした状態をOFFとする。
操作部13は、処理端末1を操作するためのキー信号を入力する入力部である。操作部13は、例えばタッチパネルである。図1及び図6に示すように、操作部13は、例えば、表示部12の液晶ディスプレイ及びガラスの間に配置されるか、又は、ガラスに一体に設けられる。また、操作部13は、表示部12と同じ範囲に配置されるか、又は、表示部12よりも広範囲に配置される。操作部13は、タッチ操作を認識し、タッチ操作による入力信号を第2基板18に送信する。なお、操作部13は、タッチパネルの他にボタン等のハードキーを有していてもよい。操作部13は、入力信号を第2基板18に送信する、操作部13の機能を有効とした状態をONとする。また、操作部13は、操作部13の操作による入力信号を生じさせない、または、入力信号の第2基板18への送信を停止する、操作部13の機能を停止した状態をOFFとする。
図1に示すように、カードリーダライタ14は、第2筐体22の一方の側面に設けられる。カードリーダライタ14は、カードに記録された情報の読み込み、及び、カードへの情報の書き出しが可能に構成される。ここでカードとは、例えば、クレジットカードやプリペイドカード等の決済カードである。
図3及び図4に示すように、I/Oポート15は、例えば、I/O基板に設けられたUSB等のコネクタである。I/Oポート15は、周辺機器200等に接続されるケーブルの端子100と接続する。
開閉センサ16は、処理端末1の閉状態及び開状態を検出する。例えば、図6及び図7に示すように、開閉センサ16は、第1筐体21のヘッド32近傍に配置される。開閉センサ16は、ヘッド32にプラテン33が接触したときに、プラテン33又はプラテン33の周辺に設けられた開閉センサ16を操作する部材により操作される。開閉センサ16は、操作された情報を信号として第1基板17や第2基板18に送信する。
ここで、処理端末1の閉状態とは、第1筐体21に対する第2筐体22の位置が閉位置にあり、そして、ロック機構19により第1筐体21に第2筐体22が固定されている状態を意味する。また、処理端末1の開状態とは、ロック機構19による第1筐体21に対する第2筐体22の固定が解除されており、そして、第1筐体21に対し第2筐体22が若干離間した位置から開位置の間のいずれかにある状態を意味する。換言すると、処理端末1の開状態とは、ユーザが第2筐体22を閉位置に向って回転させることができる状態を意味する。
具体例として、開閉センサ16は、処理端末1が閉状態にあるときにONとなり、第1基板17及び第2基板18に信号を送信する。
また、開閉センサ16は、処理端末1が開状態にあるときにOFFとなり、第1基板17及び第2基板18への信号の送信を停止する。なお、第2筐体22はねじりばね27によって開位置に向かって付勢されることから、ロック機構19によって第1筐体21に対する第2筐体22の固定が解除されると、第2筐体22は、ねじりばね27の付勢力により閉位置から若干開位置に向かって移動する。これにより処理端末1は開状態となり、ヘッド32及びプラテン33が離間する。よって、ロック機構19による第1筐体21に対する第2筐体22の固定が解除されると、ユーザが第2筐体22を回転させなくても、処理端末1が開状態となり、開閉センサ16がOFFとなる。
第1基板17は、第2基板18とケーブル20を介して接続される。第1基板17は、第1筐体21内に固定される。例えば、第1基板17は、I/Oポート15に接続される。第1基板17は、回路素子が実装される。
図2及び図7に示すように、第2基板18は、基板41と、基板に実装される回路素子42と、を備える。基板41は、第2筐体22内に収容される。また、基板41は、少なくとも一部が装着部22dを構成する。基板41の少なくとも基板41の装着部22dを構成する部位は、開口22aに対向する位置に配置される。回路素子42は、例えば、プロセッサ51と、ROM52と、RAM53と、SSD54と、を含む。回路素子42の一部は、例えば、基板41に着脱可能に構成される。第2基板18は、第2筐体22内に収容されるとともに、基板41に着脱可能な一部の回路素子42が開口22aに対向する位置に配置される。
図3に示すように、プロセッサ51は、ROM52、RAM53、SSD54、表示部12、操作部13、I/Oポート15、開閉センサ16、及び、第1基板17の有するコントローラに、システム伝送路55を介して接続される。システム伝送路55は、アドレスバス、データバス、制御信号線等を含む。プロセッサ51は、ROM52及びRAM53に記憶されたオペレーティングシステム、ミドルウェアおよびアプリケーションプログラムに基づいて、処理端末1としての各種の機能を実現するべく各部を制御する制御部である。
図2、図7及び図8に示すように、ロック機構19は、第1筐体21に設けられる係合部61と、第2筐体22に設けられる被係合部62と、第1筐体21の外面に設けられ、係合部61を操作する操作体63と、を備える。
ロック機構19は、第2筐体22が閉位置に移動したときに、係合部61及び被係合部62が係合し、第2筐体22を第1筐体21に固定する。また、ロック機構19は、操作体63が操作されることで係合部61及び被係合部62の係合を解除し、閉位置から開位置に向かって第2筐体22を回転可能とする。操作体63は、例えば、係合部61に機械的に接続され、押下操作されたときに係合部61を被係合部62と係合した状態から係合を解除する状態に操作する釦である。
ケーブル20は、第1基板17及び第2基板18を電気的に接続する。図9及び図11に示すように、ケーブル20は、第1筐体21内からヒンジ部23の一対の回転軸25の間に設けられた空間を介して第2筐体22内に配置される。なお、図11は、ケーブル20の一方が取り外されている状態を示す。このようなケーブル20は、例えば、所謂フラットケーブルやフレキシブル回路基板である。
ケーブル20は、例えば、第1基板17及び第2基板18を接続する方向、即ち、ケーブル20の長手方向に対して直交する幅方向の長さが一対の回転軸25間の距離よりも短いシート状に構成されている。また、ケーブル20の長手方向の長さは、第2筐体22が閉位置及び開位置の間のいずれにあっても第1基板17及び第2基板18を接続できる長さに設定される。ケーブル20は、両端部に第1基板17及び第2基板18と接続するコネクタ20aを有する。なお、ケーブル20は、フラットケーブルに限定されず、第1基板17及び第2基板18を接続可能であって、且つ、一対の回転軸25の間に配置可能であれば、他のケーブル20を用いても良い。
次に、このように構成された処理端末1の使用の一例として、第1筐体21に対する第2筐体22の開閉動作について説明する。
先ず、図1に示すように、処理端末1の決済処理等を行う閉状態にある場合には、第2筐体22は、ロック機構19によって第1筐体21に固定されている。このとき、開閉センサ16が処理端末1の閉状態を検出し、送信した信号をプロセッサ51が受信すると、プロセッサ51は、処理端末1としての各種の機能を実現する。
例えば、処理端末1の使用に際し、ロール紙の補給が必要になった場合には、ロール紙の補給のために、ロック機構19の操作体63が操作される。この操作によって、係合部61及び被係合部62の係合が解除される。
係合部61及び被係合部62の係合が解除されると、ねじりばね27の付勢力によって第2筐体22が第1筐体21から移動する。これにより、処理端末1は開状態となり、そして、第2筐体22は、第1筐体21に対して回転可能となる。このとき、開閉センサ16は、処理端末1の開状態を検出し、信号の送信を停止することで、プロセッサ51は、処理端末1としての各種機能を停止する。
次いで、第2筐体22がユーザによって回転され、図2に示すように開位置に到達すると、第1筐体21の上面に用紙収容部31が露出する。これにより、ロール紙を補給することができる。また、第2筐体22を開位置に回転すると、第2筐体22の回転はダンパ26により制動されるが、ねじりばね27が閉位置側から開位置に向かう方向に第2筐体を付勢することから、ユーザによる回転操作をねじりばね27が補助し、回転操作に要する力を低減できる。
ロール紙の補給終了後、ユーザにより開位置から閉位置へ回転され、第2筐体22が閉位置に到達すると、第1筐体21上面に第2筐体22が当接し、ロック機構19により第2筐体22が第1筐体21に固定される。これにより、図1に示すように、処理端末1は閉状態となる。
なお、第2筐体22が開位置から閉位置に向かって回転し、第2筐体22の重力方向に対する傾斜角度が増加すると、第2筐体22の自重によってトルクが増加し、第2筐体22の回転時にユーザが第2筐体22の自重を支えるために必要な力も増加する。しかしながら、第2筐体22は、第2筐体22の回転はダンパ26により制動されるとともに、開位置から閉位置に向かう回転方向と逆方向にねじりばね27により付勢される。即ち、ダンパ26により回転速度が低減されるとともに、ねじりばね27により第2筐体22の回転方向に抗う方向に力が生じる。
このため、第2筐体22を開位置から閉位置に回転するときに、ユーザが第2筐体22を支えるために必要な力を低減させることができる。加えて、ねじりばね27は、閉位置において最も付勢力が大きくなる設定であることから、第2筐体22の傾斜角度が増加するにしたがって第2筐体22に生じるトルクが増加したとしても、ユーザが第2筐体を支える力が増大することを防止できる。また、ねじりばね27の設定によっては、開位置から閉位置に回転するときに第2筐体22を支えるために要する力を略一定にすることもできる。
このように構成された処理端末1によれば、第2筐体22を閉位置側から開位置へ回転させるときに、ねじりばね27の付勢力により、第2筐体22の回転を補助することができる。また、処理端末1は、第2筐体22を開位置から閉位置へ回転させるときに、ねじりばね27の付勢力によって第2筐体22の回転方向に抗う力を生じさせるとともに、ダンパ26によって第2筐体22の回転を制動する。これにより、第2筐体22を開位置から閉位置へ移動させたときに回転速度が増加することを防止するとともに、ユーザが第2筐体22を支える力を低減できる。
これらのことから、処理端末1は、開閉操作の操作性を向上することができる。特に、第2筐体22に、表示部12や第2基板18等を設けた場合には、第2筐体22の重量が増加することになるが、第2筐体22の重量が増加しても、開閉操作の操作性が低減することを防止できる。また、第2筐体22の重量を増加させることができることから、種々の部品を第2筐体22に配置することも可能となり、設計の自由度を向上させることもできる。
また、ダンパ26及びねじりばね27を設けることで、第2筐体22の制動のためにダンパ26が要するトルクを低減することができることから、第2筐体22を開方向に向かって回転させるときの操作性が低減することを防止できる。
また、処理端末1は、一対の回転軸25及びダンパ26をケーブル20が配置可能な間隔で配置することで、第1基板17及び第2基板18を接続するケーブル20等の配置スペースを確保することができる。即ち、ケーブル20等を配置するためのスペースを別途確保する必要がなく、処理端末1の小型化が可能となる。
さらに、第2筐体22を開位置から閉位置に移動させるときに、ユーザが誤って第2筐体22の保持を解除した場合であっても、ダンパ26及びねじりばね27により、第2筐体22の自重による回転速度を低減させることが可能となる。これにより、第2筐体22が勢いよく第1筐体21に衝突することを防止できることから、第2筐体22が故障することを防止できるとともに、手指を挟む等を防止できることから、製品の安全性及び使用時の安全性を向上させることもできる。
上述したように、本実施形態に係る処理端末1によれば、第2筐体22を第1筐体21対して回転可能に支持するヒンジ部23にダンパ26及びねじりばね27を設けることで、第2筐体22を第1筐体21に対して回転操作するときの操作性を向上できる。
なお、本実施形態は、上述した例に限定されない。例えば、上述した例では、処理端末1は、螺子等で構成された回転軸25を用いる構成を説明したがこれに限定されない。例えば、図12に示すように、回転軸25及びダンパ26が一体に組み立てられた組み立て品を用いてもよい。また、一対のねじりばね27を用いる構成を説明したがこれに限定されず、図12及び図13に示すように、一方の回転軸25及びダンパ26に一つのねじりばね27を設ける構成であってもよい。なお、ねじりばね27を一つのみ設ける場合には、必要となる付勢力は、一対のねじりばね27よりも大きく設定される。また、ねじりばね27の径及び線径も大きくなるとともに、変形時のねじりばね27の径の変化率も大きくなることから、ねじりばね27の設置スペースの空間を大きくすることが好ましい。
以上述べた少なくともひとつの実施形態の処理端末1によれば、第2筐体22を第1筐体21に対して回転操作するときの操作性を向上できる。
本発明のいくつかの実施形態を説明したが、これらの実施形態は、例として提示したものであり、発明の範囲を限定することは意図していない。これら新規な実施形態は、その他の様々な形態で実施されることが可能であり、発明の要旨を逸脱しない範囲で、種々の省略、置き換え、変更を行うことができる。これら実施形態やその変形は、発明の範囲や要旨に含まれるとともに、特許請求の範囲に記載された発明とその均等の範囲に含まれる。