JP2019198557A - 針板着脱機構及びそれを備えたミシン - Google Patents
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Abstract
Description
図2に示されるように、ミシン10は、全体として、前方側から見た正面視で、左側へ開放された略U字形状を成している。具体的には、ミシン10は、ミシン10の右端部を構成し且つ上下方向に延在された脚柱部12と、脚柱部12の上端部から左側へ延出されたアーム部14と、脚柱部12の下端部から左側へ延出された「ミシン本体」としてのベッド部16と、を含んで構成されている。また、ミシン10の内部には、ミシン10の骨格を構成する骨格フレーム(図示省略)が設けられている。
図3に示されるように、針駆動機構20は、ミシンモータ22と、上軸26と、連結機構30と、針棒34と、下軸38と、を含んで構成されている。
ミシンモータ22は、左右方向を軸方向として骨格フレームに固定されている。図4(A)に示されるように、ミシンモータ22は、後述する制御部94に電気的に接続されており、制御部94には、操作部24が電気的に接続されている。図2に示されるように、操作部24は、ミシン10(脚柱部12)の前部に操作可能に設けられおり、操作部24は、表示部及びタッチパネルを含んで構成されている。そして、操作部24に表示されたアイコンを操作者がタッチ操作することで、ミシンモータ22や後述する針板モータ78に対する操作信号が、操作部24から制御部94へ出力されるようになっている。
図2に示されるように、ベッド部16は、ベッド部16の外郭を構成するカバー50を有しており、骨格フレームがカバー50によって覆われている。また、カバー50の上壁には、後述する針板60を配置させるための孔部50Aが貫通形成されており、孔部50Aは、平面視で左右方向を長手方向とする略矩形状に形成されている。
針板60は、上下方向を板厚方向とした略矩形板状に形成されて、カバー50の孔部50A内に配置されている(図2参照)。この針板60の左端部(長手方向一方側の端部)における下面には、係止部材62が設けられている。この係止部材62は、前後方向に延在された略長尺板状に形成されて、針板60にネジによって固定されている。係止部材62の長手方向両端部には、前後一対の係止片62Aが一体に形成されており、係止片62Aは、係止部材62の左端部から下側且つ左側へ略クランク状に屈曲されている。そして、係止片62Aの先端部が、固定プレート52と、第1押え部材54の押え片54A及び第2押え部材56の押え片56Aと、間に右側から差し込まれて、係止片62Aが押え片54A,54Bに係止されている。これにより、針板60の左端部が係止部材62を介して、固定プレート52に固定されている。
次に、本発明の要部である針板着脱機構66について説明する。図1に示されるように、針板着脱機構66は、針板60をベッド部16に固定する固定状態又は当該固定状態を解除した非固定状態に切換え可能に構成された針板固定部68と、針板固定部68の状態を切換えるための切換機構74と、上軸位相センサ92(広義には、「検出部」として把握される要素であり、図3参照)と、制御部94(図4(A)参照)と、を含んで構成されている。
図6にも示されるように、針板固定部68は、「回転部」としての回転軸70と、回転軸70と一体に設けられた「針板係合部」としてのカムフック72と、を含んで構成されている。
回転軸70は、前後方向を軸方向として、針板60の右端部の下側に配置されている。具体的には、回転軸70が、針板60のストライカ64における本体部64Aの真下に離間して配置されている。回転軸70は、回転軸70の軸心部を構成する断面円形状の芯部70Aと、芯部70Aの外周部に設けられた略円筒状の外側軸部70Bと、を含んで構成されている。また、本実施の形態では、芯部70Aが金属製とされ、外側軸部70Bが樹脂製(一例として、POM)とされており、芯部70Aと外側軸部70Bとがインサート成形等によって一体に形成されている。具体的には、外側軸部70Bが、芯部70Aの前側部分(軸方向一方側部分)を被覆するように、芯部70Aと一体に形成されている。これにより、芯部70Aの後端側の部分が、外側軸部70Bよりも後側へ突出されている。そして、芯部70Aの後端側の部分が骨格フレームに回転可能に支持されている。また、芯部70Aの後端部は、カバー50から後側へ突出されている(図2参照)。
切換機構74は、針板固定部68を固定状態又は非固定状態に切換える機構として構成されている。この切換機構74は、ベースプレート76と、「駆動部」としての針板モータ78と、伝達機構80と、リンク機構86と、を含んで構成されている。
ベースプレート76は、上下方向を板厚方向とし且つ前後方向に延在された略矩形プレート状に形成されている。このベースプレート76は、回転軸70の右側に離間して配置されており、ベースプレート76の後端部が、骨格フレームに固定されている。ベースプレート76の前部には、左右方向の略中央部において、後述する針板モータ78の出力軸78Aを露出させるための円形の露出孔76Aが貫通形成されている。また、ベースプレート76の後端部には、後述する伝達機構80の揺動アーム84を回転可能に支持するための支持シャフト76Sが設けられている。支持シャフト76Sは、上下方向を軸方向とした略円柱状に形成されて、ベースプレート76から上側へ突出されている。
針板モータ78は、上下方向を軸方向として、ベースプレート76における前部の下側に隣接して配置されて、図示しない位置において、ベースプレート76に固定されている。具体的には、針板モータ78は、ベースプレート76の露出孔76Aと同軸上に配置されており、針板モータ78の出力軸78Aが、露出孔76A内に配置されている。また、出力軸78Aには、後述する伝達機構80を構成するピニオンギヤ82が一体回転可能に設けられており、ピニオンギヤ82は、ベースプレート76の上側に配置されている。また、本実施の形態では、針板モータ78が、ステッピングモータとして構成されて、後述する制御部94に電気的に接続されている。そして、制御部94の制御によって、針板モータ78が作動するようになっている。
伝達機構80は、前述したピニオンギヤ82と、揺動アーム84と、を含んで構成されている。
揺動アーム84は、平面視で上下方向を板厚方向とした略扇形板状に形成されて、ベースプレート76の上側に配置されている。この揺動アーム84の基端部(後端部)には、支持ボス84Aが設けられており、支持ボス84Aは、上下方向を軸方向とした略円筒状に形成されている。そして、支持ボス84A内にベースプレート76の支持シャフト76Sが相対回転可能に挿入されている。これにより、揺動アーム84が支持シャフト76Sに回動可能に支持されている。なお、支持シャフト76Sの先端部(上端部)には、EリングERが係止されており、揺動アーム84の上方側への移動をEリングERによって制限している。
リンク機構86は、回転軸70(外側軸部70B)の前端部に一体に設けられた第1リンク88と、第2リンク90と、を含んで構成されている。
第1リンク88は、前後方向を板厚方向とした板状に形成されて、正面視で、外側軸部70Bの前端部から左斜め下方側へ延出している。
図3に示されるように、上軸位相センサ92は、上軸26の長手方向中間部に設けられている。この上軸位相センサ92は、上軸26の回転位相を検出するセンサとして構成されており、本実施の形態では、上軸位相センサ92が、一例としてロータリーエンコーダとして構成されている。具体的には、上軸位相センサ92は、回転板92Aと、位相検出部92Bと、を含んで構成されている。
図4(A)に示されるように、制御部94には、前述したミシンモータ22、操作部24、針板モータ78、及び上軸位相センサ92が、電気的に接続されている。そして、制御部94は、操作部24からの操作信号に基づいて、ミシンモータ22及び針板モータ78(切換機構74)の作動を制御する構成になっている。
次に、図5に示されるフローチャートを用いて、針板着脱機構66の作動を説明する。
以上により、針板60の交換として適さない状況において、針板60の交換を阻止することができる。
また、回転軸70の周方向における位置ずれを係合溝72A1によって吸収するため、例えば、針板モータ78を通電状態にして、回転軸70を係合位置に常に維持させる必要がなくなる。これにより、ミシン10の省電力化に寄与することができる。
また、例えば、外側軸部70Bを、比較的摺動性のよい材料(POM)で構成することで、回転軸70の回転時にカム面72B1を針板60に良好に摺動させて、カム部72Bによって針板60を上側へ押上げることができる。
さらに、外側軸部70Bを樹脂製とすることで、カム面72B1が針板60の下面を摺動するときの異音の発生を抑制することができる。
12 脚柱部
14 アーム部
16 ベッド部(ミシン本体)
20 針駆動機構
22 ミシンモータ
24 操作部
26 上軸
28 ベルト
29 はずみ車
30 連結機構
32 クランクロッド
34 針棒
36 針
38 下軸
40 ベルト
42 ギヤ機構
44 釜
50 カバー
50A 孔部
52 固定プレート
54 第1押え部材
54A 押え片
56 第2押え部材
56A 押え片
58 係合プレート
58A 係合片
58B 係合孔
60 針板
60A 針孔
62 係止部材
62A 係止片
64 ストライカ
64A 本体部
64B 取付部
66 針板着脱機構
68 針板固定部
70 回転軸(回転部)
70A 芯部
70B 外側軸部
70D 操作ダイヤル
72 カムフック(針板係合部)
72A フック部
72A1 係合溝
72B カム部(押上部)
72B1 カム面
74 切換機構
76 ベースプレート
76A 露出孔
76S 支持シャフト
78 針板モータ(駆動部)
78A 出力軸
80 伝達機構
82 ピニオンギヤ
84 揺動アーム
84A 支持ボス
84B ラック部
84P 連結ピン
86 リンク機構
88 第1リンク
90 第2リンク
90L リンク部
90R リンク部
92 上軸位相センサ
92A 回転板
92B 位相検出部
94 制御部
96 判断部
ER Eリング
P 連結ピン
Claims (5)
- ミシンモータの駆動力により針を上下運動させて縫目を形成するミシンにおいて、
針板をミシン本体に固定する固定状態又は前記固定状態を解除した非固定状態に切換え可能に構成された針板固定部と、
前記針板固定部に連結され、作動することで前記針板固定部を前記固定状態又は前記非固定状態に切換えると共に、前記針が前記針板の上面よりも下側に位置しているとき又は前記ミシンモータの駆動しているときには、前記針板固定部の切換えを禁止する切換機構と、
を備えた針板着脱機構。 - 前記針板固定部は、
前記針板の下側に設けられた回転部と、
前記回転部と一体回転可能に設けられ、前記回転部が回転することで、前記針板に係合する係合位置と、前記針板との係合が解除された非係合位置と、の間を回転する針板係合部と、
を有しており、
前記針板係合部が前記係合位置又は前記非係合位置に回転することで、前記針板固定部が前記固定状態又は前記非固定状態に切換ることを特徴とする請求項1に記載の針板着脱機構。 - 前記針板係合部は、
前記係合位置において前記針板と係合するフック部と、
前記非係合位置において前記針板を前記ミシン本体に対して押上げる押上部と、
を含んで構成されている請求項2に記載の針板着脱機構。 - 前記切換機構は、前記回転部に連結され且つ前記回転部を回転駆動させる駆動部を有している請求項2又は請求項3に記載の針板着脱機構。
- 請求項1〜請求項4の何れか1項に記載の針板着脱機構を備えたミシン。
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