JP2019197180A - 色変換基材、それを含む光源ユニット、ディスプレイおよび照明 - Google Patents
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Abstract
【課題】光源ユニット、ディスプレイおよび照明装置等に用いられる色変換基材において、広色域および均一な発光面を有する色変換基材を提供すること。【解決手段】少なくとも、入射光をその入射光よりも長波長の光に変換する発光材料および樹脂を含む第一の層と、光導光機能を有する第二の層を有する色変換基板であり、前記第一の層が有機発光材料を含有し、前記第一の層の樹脂のガラス転移点が80℃以上180℃以下であることを特徴とする色変換基材。【選択図】 なし
Description
本発明は、色変換基材、それを含む光源ユニット、ディスプレイおよび照明に関する。
色変換方式によるマルチカラー化技術を、液晶ディスプレイや有機ELディスプレイ、照明などへ応用する検討が盛んである。色変換とは、発光体からの発光をより長波長な光へと変換することであり、たとえば青色発光を緑色や赤色発光へと変換することを表す。
この色変換機能を有する組成物をフィルム化し、例えば青色光源と組み合わせることにより、青色光源から、青、緑、赤色の3原色を取り出すこと、すなわち白色光を取り出すことが可能となる。このような青色光源と色変換機能を有するフィルムを組み合わせた白色光源をバックライトユニットとし、液晶駆動部分と、カラーフィルターと組み合わせることで、フルカラーディスプレイの作製が可能になる。また液晶駆動部分が無ければ、そのまま白色光源として用いることができ、たとえばLED照明などの白色光源として応用できる。
色変換方式を利用する液晶ディスプレイの課題として、色域の向上が挙げられる。
これを解決する手段として、無機半導体微粒子による量子ドットを色変換組成物の成分として用いる技術や(例えば、特許文献1参照)、量子ドットの代わりに有機物の発光材料を色変換組成物の成分として用いる技術も提案されている(例えば、特許文献2参照)。
特許文献1では、ディスプレイの色域向上と薄膜化を両立する技術として、ガラス製の導光板に量子ドット層、およびバリア層を形成させた技術が提案されている。
特許文献2では、ディスプレイの色域を向上させる技術として、導光板と反射板の間に有機発光材を含む色変換層を形成させた技術が提案されている(例えば、特許文献4参照)。
しかしながら、特許文献1に記載された技術では、量子ドットは空気中の水分や酸素に弱いことからバリア層が必要なため、バックライトの膜厚の増大や部材コストの増大が懸念される。また、量子ドットはカドミウムなどの有害元素の課題があり、カドミウムフリーの量子ドットでは色域が低く、ディスプレイの画質が低いという課題がある。また、量子ドットは粒子径により発光波長が異なるため、粒子径ばらつきにより均一な発光面を有するディスプレイを得ることが困難となることが想定される。
また、特許文献2に記載された技術では、通常のバックライトの構成とは異なり導光板と反射板の間に有機の色変換層が形成される特殊な構成となるため、光源の青色光を有機緑および赤色光変換が不十分となり、ディスプレイの画質が低下することが懸念される。
本発明が解決しようとする課題は、光源ユニット、ディスプレイおよび照明装置等に用いられる色変換基材において、広色域および均一な発光面を有する色変換基材を提供することである。
鋭意検討の結果、第一の層の樹脂のガラス転移温度が低い場合、有機発光材料が色変換層内で流動し、色変換層表面にブリードすることにより、光導光機能の低下および有機変換材料が色変換層内で不均一に存在することが明らかとなった。すなわち本発明は、入射光をその入射光よりも長波長の光に変換する発光材料および樹脂を含む第一の層と、光導光機能を有する第二の層を有する色変換基板であり、前記発光材料が有機発光材料であり、前記第一の層の樹脂のガラス転移温度が80℃以上180℃以下であることを特徴とする色変換基材である。
本発明の色変換基材は、第一の層に有機発光材料を使用するため色域が良好となり、第一の層の樹脂としてガラス転移温度が80℃以上180℃以下である樹脂を使用するため、有機発光材料が第一の層において均一に存在することができる。したがって、ディスプレイの広色域化およびディスプレイの均一な発光面を得ることができる。また、本発明の色変換基材を含有するディスプレイの画質が良好となる。
以下、本発明の実施の形態を具体的に説明するが、本発明は以下の実施の形態に限定されるものではなく、目的や用途に応じて種々に変更して実施することができる。
本発明の色変換基材は、入射光をその入射光よりも長波長の光に変換する発光材料および樹脂を含む第一の層と、光導光機能を有する第二の層を有する色変換基板であって、前記発光材料が有機発光材料であり、前記第一の層の樹脂のガラス転移点が80℃以上180℃以下であることを特徴とする。
図1に、本発明の色変換基材の一例を示す。第一の層1、第二の層2を有し、第一の層には、有機発光材料4、樹脂5を含有する。
<色変換基材の第一の層>
本発明では、第一の層に用いる樹脂のガラス転移点を80℃以上180℃以下にすることが必要である。ガラス転移点が80℃未満の場合、均一な発光面を有するディスプレイを得ることが難しくなるため好ましくない。ガラス転移点を100℃以上にすると、均一な発光面を有するディスプレイを得ることができる観点から、ガラス転移点は100℃以上が好ましく、110℃以上がより好ましい。一方、ガラス転移点が180℃を超えると第一の層にクラックが発生しやすくなることで有機発光材分子が流動しやすくなり均一な発光面を有するディスプレイを得ることが難しくなるため好ましくない。ディスプレイの発光面の均一性をより向上させることができる観点から、ガラス転移点は170℃以上がより好ましい。樹脂のガラス転移点は、エポキシ樹脂、シリコーン樹脂、アクリル樹脂、ポリエステル樹脂、シクロオレフィン樹脂などにおいてモノマー組成などを変えることによって、上記の範囲とすることができる。
本発明では、第一の層に用いる樹脂のガラス転移点を80℃以上180℃以下にすることが必要である。ガラス転移点が80℃未満の場合、均一な発光面を有するディスプレイを得ることが難しくなるため好ましくない。ガラス転移点を100℃以上にすると、均一な発光面を有するディスプレイを得ることができる観点から、ガラス転移点は100℃以上が好ましく、110℃以上がより好ましい。一方、ガラス転移点が180℃を超えると第一の層にクラックが発生しやすくなることで有機発光材分子が流動しやすくなり均一な発光面を有するディスプレイを得ることが難しくなるため好ましくない。ディスプレイの発光面の均一性をより向上させることができる観点から、ガラス転移点は170℃以上がより好ましい。樹脂のガラス転移点は、エポキシ樹脂、シリコーン樹脂、アクリル樹脂、ポリエステル樹脂、シクロオレフィン樹脂などにおいてモノマー組成などを変えることによって、上記の範囲とすることができる。
ガラス転移点は、市販の測定器[例えば、セイコー電子工業社製の示差走査熱量計(商品名 DSC6220 昇温速度 0.5℃/min)]によって、測定可能である。
本発明で用いる第一の層の樹脂の例としては、透明性、耐熱性等の観点から、エポキシ樹脂、シリコーン樹脂、アクリル樹脂、ポリエステル樹脂、シクロオレフィン樹脂などを好適に用いることができる。また、フィルム化のプロセスが容易であることから、熱硬化性樹脂や光硬化性樹脂も好適に用いられる。さらに、これらの樹脂の混合物や共重合体を用いても構わない。
本発明で用いる第一の層の樹脂の重量平均分子量(Mw)は、5,000以上、好ましくは15,000以上、より好ましくは20,000以上であり、さらに500,000以下、好ましくは100,000以下、より好ましくは50,000以下である。重量平均分子量が上記範囲内にあれば、有機発光材料との相溶性が良好となり、均一な発光面を有する色変換基材を得ることができる。
本発明における重量平均分子量は、ゲルパーミエーションクロマトグラフィー法(GPC法)によって測定した値である。具体的には、サンプルを孔径0.45μmメンブレンフィルターで濾過後、GPC(東ソー(株)製HLC−82A)(展開溶剤:トルエン、展開速度:1.0ml/分、カラム温度25℃、カラム:東ソー株式会社製 TSKgelG2000HXL)を用いてポリスチレン換算により求められる値である。
本発明で用いる第一の層の有機発光材料の例としては、ディスプレイの色域を向上させる観点からペリレン系化合物、クマリン系化合物、ピロメテン系化合物、アントラセン系化合物、テトラアザポルフィリン系化合物、アントラセン系化合物から選ばれる少なくとも1種類を好適に用いることができる。
中でも、高い蛍光量子収率とシャープな発光スペクトルを与える点で、ピロメテン系化合物を好適に用いることができる。
本発明で好適に用いられるピロメテン誘導体は、一般式(1)で表される化合物である。
XはC−R7またはNである。R1〜R9はそれぞれ同じでも異なっていてもよく、水素、アルキル基、シクロアルキル基、複素環基、アルケニル基、シクロアルケニル基、アルキニル基、水酸基、チオール基、アルコキシ基、アルキルチオ基、アリールエーテル基、アリールチオエーテル基、アリール基、ヘテロアリール基、ハロゲン、シアノ基、アルデヒド基、カルボニル基、カルボキシル基、エステル基、カルバモイル基、アミノ基、ニトロ基、シリル基、シロキサニル基、ボリル基、スルホ基、ホスフィンオキシド基、および隣接置換基との間に形成される縮合環および脂肪族環の中から選ばれる。
上記の全ての基において、水素は重水素であってもよい。このことは、以下に説明する化合物またはその部分構造においても同様である。また、以下の説明において、例えば、炭素数6〜40の置換もしくは無置換のアリール基とは、アリール基に置換した置換基に含まれる炭素数も含めて全ての炭素数が6〜40となるアリール基である。炭素数を規定している他の置換基も、これと同様である。
また、上記の全ての基において、置換される場合における置換基としては、アルキル基、シクロアルキル基、複素環基、アルケニル基、シクロアルケニル基、アルキニル基、水酸基、チオール基、アルコキシ基、アルキルチオ基、アリールエーテル基、アリールチオエーテル基、アリール基、ヘテロアリール基、ハロゲン、シアノ基、アルデヒド基、カルボニル基、カルボキシル基、エステル基、カルバモイル基、アミノ基、ニトロ基、シリル基、シロキサニル基、ボリル基、スルホ基、ホスフィンオキシド基が好ましく、さらには、各置換基の説明において好ましいとする具体的な置換基が好ましい。また、これらの置換基は、さらに上述の置換基により置換されていてもよい。
「置換もしくは無置換の」という場合における「無置換」とは、水素原子または重水素原子が置換したことを意味する。以下に説明する化合物またはその部分構造において、「置換もしくは無置換の」という場合についても、上記と同様である。
上記の全ての基のうち、アルキル基とは、例えば、メチル基、エチル基、n−プロピル基、イソプロピル基、n−ブチル基、sec−ブチル基、tert−ブチル基等の飽和脂肪族炭化水素基を示し、これは、置換基を有していても有していなくてもよい。置換されている場合の追加の置換基には特に制限は無く、例えば、アルキル基、ハロゲン、アリール基、ヘテロアリール基等を挙げることができ、この点は、以下の記載にも共通する。また、アルキル基の炭素数は、特に限定されないが、入手の容易性やコストの点から、好ましくは1以上20以下、より好ましくは1以上8以下の範囲である。
シクロアルキル基とは、例えば、シクロプロピル基、シクロヘキシル基、ノルボルニル基、アダマンチル基等の飽和脂環式炭化水素基を示し、これは、置換基を有していても有していなくてもよい。アルキル基部分の炭素数は、特に限定されないが、好ましくは、3以上20以下の範囲である。
複素環基とは、例えば、ピラン環、ピペリジン環、環状アミド等の炭素以外の原子を環内に有する脂肪族環を示し、これは、置換基を有していても有していなくてもよい。複素環基の炭素数は、特に限定されないが、好ましくは、2以上20以下の範囲である。
アルケニル基とは、例えば、ビニル基、アリル基、ブタジエニル基等の二重結合を含む不飽和脂肪族炭化水素基を示し、これは、置換基を有していても有していなくてもよい。アルケニル基の炭素数は、特に限定されないが、好ましくは、2以上20以下の範囲である。
シクロアルケニル基とは、例えば、シクロペンテニル基、シクロペンタジエニル基、シクロヘキセニル基等の二重結合を含む不飽和脂環式炭化水素基を示し、これは、置換基を有していても有していなくてもよい。
アルキニル基とは、例えば、エチニル基等の三重結合を含む不飽和脂肪族炭化水素基を示し、これは、置換基を有していても有していなくてもよい。アルキニル基の炭素数は、特に限定されないが、好ましくは、2以上20以下の範囲である。
アルコキシ基とは、例えば、メトキシ基、エトキシ基、プロポキシ基等のエーテル結合を介して脂肪族炭化水素基が結合した官能基を示し、この脂肪族炭化水素基は、置換基を有していても有していなくてもよい。アルコキシ基の炭素数は、特に限定されないが、好ましくは、1以上20以下の範囲である。
アルキルチオ基とは、アルコキシ基のエーテル結合の酸素原子が硫黄原子に置換されたものである。アルキルチオ基の炭化水素基は、置換基を有していても有していなくてもよい。アルキルチオ基の炭素数は、特に限定されないが、好ましくは、1以上20以下の範囲である。
アリールエーテル基とは、例えば、フェノキシ基等、エーテル結合を介した芳香族炭化水素基が結合した官能基を示し、芳香族炭化水素基は、置換基を有していても有していなくてもよい。アリールエーテル基の炭素数は、特に限定されないが、好ましくは、6以上40以下の範囲である。
アリールチオエーテル基とは、アリールエーテル基のエーテル結合の酸素原子が硫黄原子に置換されたものである。アリールチオエーテル基における芳香族炭化水素基は、置換基を有していても有していなくてもよい。アリールチオエーテル基の炭素数は、特に限定されないが、好ましくは、6以上40以下の範囲である。
アリール基とは、例えば、フェニル基、ビフェニル基、ターフェニル基、ナフチル基、フルオレニル基、ベンゾフルオレニル基、ジベンゾフルオレニル基、フェナントリル基、アントラセニル基、ベンゾフェナントリル基、ベンゾアントラセニル基、クリセニル基、ピレニル基、フルオランテニル基、トリフェニレニル基、ベンゾフルオランテニル基、ジベンゾアントラセニル基、ペリレニル基、ヘリセニル基等の芳香族炭化水素基を示す。中でも、フェニル基、ビフェニル基、ターフェニル基、ナフチル基、フルオレニル基、フェナントリル基、アントラセニル基、ピレニル基、フルオランテニル基、トリフェニレニル基が好ましい。アリール基は、置換基を有していても有していなくてもよい。アリール基の炭素数は、特に限定されないが、好ましくは6以上40以下、より好ましくは6以上30以下の範囲である。
R1〜R9が置換もしくは無置換のアリール基である場合、アリール基としては、フェニル基、ビフェニル基、ターフェニル基、ナフチル基、フルオレニル基、フェナントリル基、アントラセニル基が好ましく、フェニル基、ビフェニル基、ターフェニル基、ナフチル基がより好ましい。さらに好ましくは、フェニル基、ビフェニル基、ターフェニル基であり、フェニル基が特に好ましい。
それぞれの置換基がさらにアリール基で置換される場合、アリール基としては、フェニル基、ビフェニル基、ターフェニル基、ナフチル基、フルオレニル基、フェナントリル基、アントラセニル基が好ましく、フェニル基、ビフェニル基、ターフェニル基、ナフチル基がより好ましい。特に好ましくは、フェニル基である。
ヘテロアリール基とは、例えば、ピリジル基、フラニル基、チエニル基、キノリニル基、イソキノリニル基、ピラジニル基、ピリミジル基、ピリダジニル基、トリアジニル基、ナフチリジニル基、シンノリニル基、フタラジニル基、キノキサリニル基、キナゾリニル基、ベンゾフラニル基、ベンゾチエニル基、インドリル基、ジベンゾフラニル基、ジベンゾチエニル基、カルバゾリル基、ベンゾカルバゾリル基、カルボリニル基、インドロカルバゾリル基、ベンゾフロカルバゾリル基、ベンゾチエノカルバゾリル基、ジヒドロインデノカルバゾリル基、ベンゾキノリニル基、アクリジニル基、ジベンゾアクリジニル基、ベンゾイミダゾリル基、イミダゾピリジル基、ベンゾオキサゾリル基、ベンゾチアゾリル基、フェナントロリニル基等の、炭素以外の原子を一個または複数個環内に有する環状芳香族基を示す。ただし、ナフチリジニル基とは、1,5−ナフチリジニル基、1,6−ナフチリジニル基、1,7−ナフチリジニル基、1,8−ナフチリジニル基、2,6−ナフチリジニル基、2,7−ナフチリジニル基のいずれかを示す。ヘテロアリール基は、置換基を有していても有していなくてもよい。ヘテロアリール基の炭素数は、特に限定されないが、好ましくは、2以上40以下、より好ましくは2以上30以下の範囲である。
R1〜R9が置換もしくは無置換のヘテロアリール基である場合、ヘテロアリール基としては、ピリジル基、フラニル基、チエニル基、キノリニル基、ピリミジル基、トリアジニル基、ベンゾフラニル基、ベンゾチエニル基、インドリル基、ジベンゾフラニル基、ジベンゾチエニル基、カルバゾリル基、ベンゾイミダゾリル基、イミダゾピリジル基、ベンゾオキサゾリル基、ベンゾチアゾリル基、フェナントロリニル基が好ましく、ピリジル基、フラニル基、チエニル基、キノリニル基がより好ましい。特に好ましくは、ピリジル基である。
それぞれの置換基がさらにヘテロアリール基で置換される場合、ヘテロアリール基としては、ピリジル基、フラニル基、チエニル基、キノリニル基、ピリミジル基、トリアジニル基、ベンゾフラニル基、ベンゾチエニル基、インドリル基、ジベンゾフラニル基、ジベンゾチエニル基、カルバゾリル基、ベンゾイミダゾリル基、イミダゾピリジル基、ベンゾオキサゾリル基、ベンゾチアゾリル基、フェナントロリニル基が好ましく、ピリジル基、フラニル基、チエニル基、キノリニル基がより好ましい。特に好ましくは、ピリジル基である。
ハロゲンとは、フッ素、塩素、臭素およびヨウ素から選ばれる原子を示す。また、カルボニル基、カルボキシル基、エステル基、カルバモイル基は、置換基を有していても有していなくてもよい。ここで、置換基としては、例えばアルキル基、シクロアルキル基、アリール基、ヘテロアリール基等が挙げられ、これら置換基は、さらに置換されてもよい。
アミノ基とは、置換もしくは無置換のアミノ基である。置換する場合の置換基としては、例えば、アリール基、ヘテロアリール基、直鎖アルキル基、分岐アルキル基等が挙げられる。アリール基、ヘテロアリール基としては、フェニル基、ナフチル基、ピリジル基、キノリニル基が好ましい。これら置換基は、さらに置換されてもよい。炭素数は、特に限定されないが、好ましくは、2以上50以下、より好ましくは6以上40以下、特に好ましくは6以上30以下の範囲である。
シリル基とは、例えば、トリメチルシリル基、トリエチルシリル基、tert−ブチルジメチルシリル基、プロピルジメチルシリル基、ビニルジメチルシリル基等のアルキルシリル基や、フェニルジメチルシリル基、tert−ブチルジフェニルシリル基、トリフェニルシリル基、トリナフチルシリル基等のアリールシリル基を示す。ケイ素上の置換基は、さらに置換されてもよい。シリル基の炭素数は、特に限定されないが、好ましくは、1以上30以下の範囲である。
シロキサニル基とは、例えば、トリメチルシロキサニル基等のエーテル結合を介したケイ素化合物基を示す。ケイ素上の置換基は、さらに置換されてもよい。また、ボリル基とは、置換もしくは無置換のボリル基である。置換する場合の置換基としては、例えば、アリール基、ヘテロアリール基、直鎖アルキル基、分岐アルキル基、アリールエーテル基、アルコキシ基、ヒドロキシル基等が挙げられる。中でも、アリール基、アリールエーテル基が好ましい。また、スルホ基とは、置換もしくは無置換のスルホ基である。置換する場合の置換基としては、例えば、アリール基、ヘテロアリール基、直鎖アルキル基、分岐アルキル基、アリールエーテル基、アルコキシ基等が挙げられる。中でも、直鎖アルキル基、アリール基が好ましい。また、ホスフィンオキシド基とは、−P(=O)R10R11で表される基である。R10R11は、R1〜R9と同様の群から選ばれる。
隣接置換基との間に形成される縮合環および脂肪族環とは、任意の隣接する2置換基(例えば一般式(1)のR1とR2)が互いに結合して、共役または非共役の環状骨格を形成することをいう。このような縮合環および脂肪族環の構成元素としては、炭素以外にも、窒素、酸素、硫黄、リンおよびケイ素から選ばれる元素を含んでいてもよい。また、これらの縮合環および脂肪族環は、さらに別の環と縮合してもよい。
一般式(1)で表される化合物は、高い発光量子収率を示し、かつ、発光スペクトルの半値幅が小さいため、効率的な色変換と高い色純度との双方を達成することができる。さらに、一般式(1)で表される化合物は、適切な置換基を適切な位置に導入することで、発光効率、色純度、熱的安定性、光安定性および分散性等の様々な特性や物性を調整することができる。例えば、R1、R3、R4およびR6が全て水素である場合に比べ、R1、R3、R4およびR6の少なくとも1つが置換もしくは無置換のアルキル基や置換もしくは無置換のアリール基、置換もしくは無置換のヘテロアリール基である場合の方が、より良い熱的安定性および光安定性を示す。
R1、R3、R4およびR6の少なくとも1つが置換もしくは無置換のアルキル基である場合、アルキル基としては、メチル基、エチル基、n−プロピル基、イソプロピル基、n−ブチル基、sec−ブチル基、tert−ブチル基、ペンチル基、ヘキシル基といった炭素数1〜6のアルキル基が好ましい。さらに、このアルキル基としては、熱的安定性に優れるという観点から、メチル基、エチル基、n−プロピル基、イソプロピル基、n−ブチル基、sec−ブチル基、tert−ブチル基が好ましい。また、濃度消光を防ぎ、発光量子収率を向上させるという観点では、このアルキル基として、立体的にかさ高いtert−ブチル基がより好ましい。また、合成の容易さ、原料入手の容易さという観点から、このアルキル基として、メチル基も好ましく用いられる。
R1、R3、R4およびR6の少なくとも1つが置換もしくは無置換のアリール基である場合、アリール基としては、フェニル基、ビフェニル基、ターフェニル基、ナフチル基が好ましく、さらに好ましくは、フェニル基、ビフェニル基である。特に好ましくは、フェニル基である。
R1、R3、R4およびR6の少なくとも1つが置換もしくは無置換のヘテロアリール基である場合、ヘテロアリール基としては、ピリジル基、キノリニル基、チエニル基が好ましく、さらに好ましくは、ピリジル基、キノリニル基である。特に好ましくは、ピリジル基である。
R1、R3、R4およびR6が全て、それぞれ同じでも異なっていてもよく、置換もしくは無置換のアルキル基である場合、バインダー樹脂や溶媒への溶解性が良好なため、好ましい。この場合、アルキル基としては、合成の容易さ、原料入手の容易さという観点から、メチル基が好ましい。
R1、R3、R4およびR6が全て、それぞれ同じでも異なっていてもよく、置換もしくは無置換のアリール基または置換もしくは無置換のヘテロアリール基である場合、より良い熱的安定性および光安定性を示すため、好ましい。この場合、R1、R3、R4およびR6が全て、それぞれ同じでも異なっていてもよく、置換もしくは無置換のアリール基であることがより好ましい。
複数の性質を向上させる置換基もあるが、全てにおいて十分な性能を示す置換基は限られている。特に、高発光効率と高色純度との両立が難しい。そのため、一般式(1)で表される化合物に対して複数種類の置換基を導入することで、発光特性や色純度等にバランスの取れた化合物を得ることが可能である。
特に、R1、R3、R4およびR6が全て、それぞれ同じでも異なっていてもよく、置換もしくは無置換のアリール基の場合、例えば、R1≠R4、R3≠R6、R1≠R3またはR4≠R6等のように、複数種類の置換基を導入することが好ましい。ここで「≠」は、異なる構造の基であることを示す。例えば、R1≠R4は、R1とR4とが異なる構造の基であることを示す。上記のように複数種類の置換基を導入することにより、色純度に影響を与えるアリール基と発光効率に影響を与えるアリール基とを同時に導入することができるため、細やかな調節が可能となる。
中でも、R1≠R3またはR4≠R6であることが、発光効率と色純度をバランスよく向上させるという観点から、好ましい。この場合、一般式(1)で表される化合物に対して、色純度に影響を与えるアリール基を両側のピロール環にそれぞれ1つ以上導入し、それ以外の位置に発光効率に影響を与えるアリール基を導入することができるため、これら両方の性質を最大限に向上させることができる。また、R1≠R3またはR4≠R6である場合、耐熱性と色純度との双方を向上させるという観点から、R1=R4およびR3=R6であることがより好ましい。
主に色純度に影響を与えるアリール基としては、電子供与性基で置換されたアリール基が好ましい。電子供与性基とは、有機電子論において、誘起効果や共鳴効果により、置換した原子団に、電子を供与する原子団である。電子供与性基としては、ハメット則の置換基定数(σp(パラ))として、負の値をとるものが挙げられる。ハメット則の置換基定数(σp(パラ))は、化学便覧基礎編改訂5版(II−380頁)から引用することができる。
電子供与性基の具体例としては、例えば、アルキル基(メチル基のσp:−0.17)やアルコキシ基(メトキシ基のσp:−0.27)、アミノ基(―NH2のσp:−0.66)等が挙げられる。特に、炭素数1〜8のアルキル基または炭素数1〜8のアルコキシ基が好ましく、メチル基、エチル基、tert−ブチル基、メトキシ基がより好ましい。分散性の観点からは、tert−ブチル基、メトキシ基が特に好ましく、これらを上記の電子供与性基とした場合、一般式(1)で表される化合物において、分子同士の凝集による消光を防ぐことができる。置換基の置換位置は、特に限定されないが、一般式(1)で表される化合物の光安定性を高めるには結合のねじれを抑える必要があるため、ピロメテン骨格との結合位置に対してメタ位またはパラ位に結合させることが好ましい。一方、主に発光効率に影響を与えるアリール基としては、tert−ブチル基、アダマンチル基、メトキシ基等のかさ高い置換基を有するアリール基が好ましい。
R1、R3、R4およびR6が、それぞれ同じでも異なっていてもよく、置換もしくは無置換のアリール基である場合、R1、R3、R4およびR6は、それぞれ同じでも異なっていてもよく、置換もしくは無置換のフェニル基であることが好ましい。
本発明の色変換基材で使用する有機発光材料としては、波長430nm以上500nm以下の範囲の励起光を用いることによりピーク波長が500nm以上580nm以下の領域に観測される発光を呈する発光材料(以下「発光材料(a)」という)を含むことが好ましい。以後、ピーク波長が500nm以上580nm以下の領域に観測される発光を「緑色の発光」という。一般に、励起光のエネルギーが大きいほど材料の分解を引き起こしやすいが、波長430nm以上500nm以下の範囲の励起光は比較的小さい励起エネルギーであるため、色変換組成物中の発光材料の分解を引き起こすことなく、色純度の良好な緑色の発光が得られる。
本発明の色変換基材は、(a)波長430nm以上500nm以下の範囲の励起光を用いることによりピーク波長が500nm以上580nm以下の発光を呈する発光材料および(b)波長430nm以上580nm以下の範囲の励起光を用いることにより、ピーク波長が580nm以上750nm以下の領域に観測される発光を呈する発光材料(以下「発光材料(b)」という)、を含むことが好ましい。以後、ピーク波長が580nm以上750nm以下の領域に観測される発光を「赤色の発光」という。
波長430nm以上500nm以下の範囲の励起光の一部は本発明の色変換フィルムを一部透過するため、発光ピークが鋭い青色LEDを使用した場合、青・緑・赤の各色において鋭い形状の発光スペクトルを示し、色純度の良い白色光を得ることができる。その結果、特にディスプレイにおいては色彩がいっそう鮮やかな、より大きな色域が効率的に作ることができる。また、照明用途においては、現在主流となっている青色LEDと黄色蛍光体を組み合わせた白色LEDに比べ、特に緑色領域と赤色領域の発光特性が改善されるため、演色性が向上し好ましい白色光源となる。
発光材料(a)としては、クマリン6、クマリン7、クマリン153等のクマリン誘導体、インドシアニングリーン等のシアニン誘導体、フルオレセイン、フルオレセインイソチオシアネート、カルボキシフルオレセインジアセテート等のフルオレセイン誘導体、フタロシアニングリーン等のフタロシアニン誘導体、ジイソブチル−4,10−ジシアノペリレン−3,9−ジカルボキシレート等のペリレン誘導体、他にピロメテン誘導体、スチルベン誘導体、オキサジン誘導体、ナフタルイミド誘導体、ピラジン誘導体、ベンゾイミダゾール誘導体、ベンゾオキサゾール誘導体、ベンゾチアゾール誘導体、イミダゾピリジン誘導体、アゾール誘導体、アントラセン等の縮合アリール環を有する化合物やその誘導体、芳香族アミン誘導体、有機金属錯体化合物等が好適なものとして挙げられるが特にこれらに限定されるものではない。
これらの化合物の中でも、ピロメテン誘導体は高い蛍光量子収率を与え、耐久性が良好なので特に好適な化合物であり、中でも一般式(1)で表される化合物は、色純度の高い発光を示すことから好ましい。
発光材料(b)としては、4−ジシアノメチレン−2−メチル−6−(p−ジメチルアミノスチルリル)−4H−ピラン等のシアニン誘導体、ローダミンB、ローダミン6G、ローダミン101、スルホローダミン101などのローダミン誘導体、1−エチル−2−(4−(p−ジメチルアミノフェニル)−1,3−ブタジエニル)−ピリジニウム−パークロレートなどのピリジン誘導体、N,N'−ビス(2,6−ジイソプロピルフェニル)−1,6,7,12−テトラフェノキシペリレン−3,4,9,10−ビスジカルボイミド等のペリレン誘導体、他にポルフィリン誘導体、ピロメテン誘導体、オキサジン誘導体、ピラジン誘導体、ナフタセンやジベンゾジインデノペリレン等の縮合アリール環を有する化合物やその誘導体、有機金属錯体化合物等が好適なものとして挙げられるが特にこれらに限定されるものではない。
これらの化合物の中でも、ピロメテン誘導体は高い蛍光量子収率を与え、耐久性が良好なので特に好適な化合物であり、中でも一般式(1)で表される化合物は、色純度の高い発光を示すことから好ましい。
本発明では、第一の層中に、緑色の発光を呈する発光材料(a)と、赤色の発光を呈する発光材料(b)とを両方含有する場合、緑色の発光の一部が赤色の発光に変換されることから、前記発光材料(a)の含有量waと、発光材料(b)の含有量wbが、wa≧wbの関係であることが好ましく、それぞれの材料の含有比率は質量比でwa:wb=1000:1〜1:1であり、500:1〜2:1であることがさらに好ましく、200:1〜3:1であることが特に好ましい。
本発明では、第一の層中の有機発光材料の含有量は、第一の層中の樹脂100重量部に対して、1.0×10−4重量部〜30重量部であり、1.0×10−3重量部〜10重量部であることがさらに好ましく、1.0×10−2重量部〜5重量部であることが特に好ましい。
<色変換基材の第二の層>
本発明では、光導光機能を有する第二の層としては、ガラス製または樹脂製の導光板を好適に用いることができる。ガラス製の導光板としては、透明性と硬度の点から、ケイ酸塩ガラス、シリカガラス、ホウケイ酸ガラス、無アルカリガラスから形成されるものを好適に用いることができる。ポリマー製の導光板としては、透明性と硬度の点から、ポリメチルメタクリレート、ポリカーボネートから形成されるものが好適に用いられる。
本発明では、光導光機能を有する第二の層としては、ガラス製または樹脂製の導光板を好適に用いることができる。ガラス製の導光板としては、透明性と硬度の点から、ケイ酸塩ガラス、シリカガラス、ホウケイ酸ガラス、無アルカリガラスから形成されるものを好適に用いることができる。ポリマー製の導光板としては、透明性と硬度の点から、ポリメチルメタクリレート、ポリカーボネートから形成されるものが好適に用いられる。
導光板の膜厚は、0.1mm以上10mm以下が好ましく、0.3mm以上3mm以下が好ましい。特に、大型のテレビ用ディスプレイなどで、導光板の厚みを0.3mm以上3mm以下にする場合は、硬度の点から、ポリマー導光板よりもガラス導光板を用いることが好ましい。
<色変換基材の第三の層>
図2に、本発明の色変換基材の一例を示す。第一の層1、第二の層2、第三の層3を有し、第一の層には、有機発光材料4、樹脂5を含有し、第三の層に空気層または低屈折率樹脂層を含有する。第一の層と第二の層の間に、空気層または低屈折率を形成させることで、第二層の導光性が向上し、均一な発光面を有するディスプレイを得ることできる。ここで、空気層とは、2枚の層を積層した際に形成される空間のことであり、例えば、図2では、第一の層1および第二の層2を貼り合わせた際に形成される空間である第三の層3のことを指す。空気層としては、大気中の空気のみならず、ドライエアー、窒素、酸素、二酸化炭素、アルゴンなどが挙げられる。
図2に、本発明の色変換基材の一例を示す。第一の層1、第二の層2、第三の層3を有し、第一の層には、有機発光材料4、樹脂5を含有し、第三の層に空気層または低屈折率樹脂層を含有する。第一の層と第二の層の間に、空気層または低屈折率を形成させることで、第二層の導光性が向上し、均一な発光面を有するディスプレイを得ることできる。ここで、空気層とは、2枚の層を積層した際に形成される空間のことであり、例えば、図2では、第一の層1および第二の層2を貼り合わせた際に形成される空間である第三の層3のことを指す。空気層としては、大気中の空気のみならず、ドライエアー、窒素、酸素、二酸化炭素、アルゴンなどが挙げられる。
第三の層に空気層を含有する場合、前記空気層の間隙は、0.1μm以上20μm以下が好ましい。空気層の間隙が0.1μm以上であれば、第二の層の導光性および均一な発光面を有するディスプレイを得ることができる効果があるため好ましく、空気層の間隙が20μm以下であれば、空気層における光量の減少を抑制することができ、輝度を向上させることができるため好ましい。
第三の層に低屈折率樹脂層を形成させる場合、前記樹脂層の膜厚は、0.1μm以上20μm以下が好ましい。樹脂層の膜厚が0.1μm以上であれば、第二の層の導光性および均一な発光面を有するディスプレイを得ることができる効果があるため好ましく、樹脂層の膜厚が20μm以下であれば樹脂層における光量の減少を抑制することができ、輝度を向上させることができるため好ましい。
前記低屈折率樹脂層の波長550nmにおける屈折率は、1.20以上1.35以下が好ましい。屈折率が1.20以上であれば、輝度を向上させることができるため好ましい。また、屈折率が1.35以下であれば、第二の層の導光性およびディスプレイの発光面の均一性をより向上させることができるため好ましい。
前記、低屈折率層に用いられる樹脂としては、アクリル樹脂、シロキサン樹脂、シクロオレフィン樹脂、フッ素樹脂などを好適に用いることができる。また、前記低屈折率層には、前記樹脂中に、シリカ粒子、アルミナ粒子などの無機粒子を用いること屈折率を調整することもできる。シロキサン樹脂とシリカ粒子の組み合わせが、前記第三の層の透明性と、低屈折率を両立できるためより好ましい。
<光源ユニット>
本発明に係る光源ユニットとは、光源、反射フィルムおよび上述の色変換基材を含むものであり、当該光源が色変換基材の側面に形成され、第一の層、第二の層および反射フィルムの順番で出射面側から形成されたものである。図3に、本発明の光源ユニットの一例を示す。出射面側(観測者側)から順に、第一の層1、第三の層3、第二の層2、反射フィルム9を有し、第二の層の側面には光源8を有する。第一の層には、有機発光材料4、樹脂5を含有し、第二の層の反射フィルム面には凹凸パターン7を含有し、第三の層に空気層または低屈折率樹脂層を含有する。第一の層と第二の層の間に、空気層または低屈折率を形成させることで、第二層の導光性が向上し、均一な発光面を有するディスプレイを得ることできる。
本発明に係る光源ユニットとは、光源、反射フィルムおよび上述の色変換基材を含むものであり、当該光源が色変換基材の側面に形成され、第一の層、第二の層および反射フィルムの順番で出射面側から形成されたものである。図3に、本発明の光源ユニットの一例を示す。出射面側(観測者側)から順に、第一の層1、第三の層3、第二の層2、反射フィルム9を有し、第二の層の側面には光源8を有する。第一の層には、有機発光材料4、樹脂5を含有し、第二の層の反射フィルム面には凹凸パターン7を含有し、第三の層に空気層または低屈折率樹脂層を含有する。第一の層と第二の層の間に、空気層または低屈折率を形成させることで、第二層の導光性が向上し、均一な発光面を有するディスプレイを得ることできる。
ここで、本発明における「側面」とは、出射面側を底面とした場合、底面に隣接する面のことである。例えば、図3において、第二の層2の出射面側は第三の層3と接する面であり、第二の層2の側面とは、第三の層3と接する面に隣接する面であり、換言すれば、当該第三の層3と接する面および凹凸パターン7を有する面を除いた面である。
また、本発明における「出射面側」とは、光源から出射された光が観察者へ向かう光の進行方向における下流側のことであり、観察者側の面を指す。例えば図3を用いて説明すると、出射面側とは、第一の層において第三の層と接する面と対向する面のことである。
光源は、波長400nm以上500nm以下の範囲に極大発光を有する発光ダイオードであることが好ましい。さらに、この光源は、波長430nm以上480nm以下の範囲に極大発光を有することが好ましく、波長450nm以上470nm以下の範囲に極大発光を有することが、さらに好ましい。
反射フィルムは、白色フィルムのような光拡散性の反射フィルムを用いても良いが、正反射性の反射フィルムを用いることが好ましい。ここでいう正反射性とは、JIS Z8741(1997年)のとおり、入射角度60°、出射角度60°にて測定した光沢度が100以上であることである。正反射性の反射フィルムを用いることディスプレイの輝度を向上させることができる。
図4に、本発明の光源ユニットの一例を示す。出射面側(観測者側)から順番に、第二の層2および反射フィルム9を有する。また、第二の層の側面から順番に、第一の層および光源を有する。第一の層には、有機発光材料4、樹脂5を含有し、第二の層の反射フィルム側には、凹凸パターンを有する。
第二の層の上面に第一の層を形成させた場合と比較し(図3の構成)、光源と第二の層の間に第一の層を形成させた場合(図4の構成)は、第一の層の面積が小さくなるため、第一の発光材の使用量低減による低コスト化に有利である。
第二の層の凹凸パターンは、第一の層側に形成させても良いが、反射フィルム面側に形成させることが好ましい。凹凸パターンを、第一の層側に形成させると、観測者側から凹凸パターンが目視で観測され、ディスプレイの画質が低下する場合がある。
凹凸パターンは、シリカ、炭酸カルシウム、硫酸バリウム、酸化チタン、酸化アルミニウム、水酸化アルミニウム等の無機系微粒子や、ウレタンビーズ、シリコーンビーズ、PMMA粒子、MS粒子、スチレン粒子等の有機系微粒子を、エポキシ樹脂、シリコーン樹脂、アクリル樹脂、ポリエステル樹脂、シクロオレフィン樹脂などのバインダー樹脂に分散させた組成物を用いて形成される。当該微粒子の粒子径は、0.1μm以上50μm以下であることが好ましい。
凹凸パターンの形成方法としては、上述の組成物を用いて、スクリーン印刷法、射出成型法、プレス成型法転写法等が挙げられる。スクリーン印刷法で形成する場合は、前記微粒子がバインダー樹脂中に分散させた組成物を、ポリエステルやナイロン等のメッシュで構成される版に通過させ、導光板に所望の印刷パターンを形成させることができる。
<ディスプレイ、照明装置>
本発明の実施の形態に係るディスプレイおよび照明は、少なくとも、上述の光源ユニットを備える。例えば、液晶ディスプレイ等のディスプレイには、バックライトユニットとして、上述の光源ユニットが使用される。本発明の液晶ディスプレイは、本発明の光源ユニットに加え、カラーフィルターを備える液晶セル、偏光フィルム、輝度向上フィルムなどの光学フィルムを含むことが好ましい。
本発明の実施の形態に係るディスプレイおよび照明は、少なくとも、上述の光源ユニットを備える。例えば、液晶ディスプレイ等のディスプレイには、バックライトユニットとして、上述の光源ユニットが使用される。本発明の液晶ディスプレイは、本発明の光源ユニットに加え、カラーフィルターを備える液晶セル、偏光フィルム、輝度向上フィルムなどの光学フィルムを含むことが好ましい。
以下、実施例をあげて本発明を説明するが、本発明はこれらの例によって限定されるものではない。下記の実施例および比較例において、化合物G−1、G−2、G−3、R−1は、以下に示す化合物である。
実施例および比較例における評価方法は、以下に示す通りである。
<1H−NMRの測定>
化合物の1H−NMRは、超伝導FTNMR EX−270(日本電子株式会社製)を用い、重クロロホルム溶液にて測定を行った。
化合物の1H−NMRは、超伝導FTNMR EX−270(日本電子株式会社製)を用い、重クロロホルム溶液にて測定を行った。
<29Si−NMRの測定>
シリカ粒子含有ポリシロキサンの29Si−NMR測定は、超伝導FT−NMR装置 EX−270を用い、重アセトン溶液にて行った。
シリカ粒子含有ポリシロキサンの29Si−NMR測定は、超伝導FT−NMR装置 EX−270を用い、重アセトン溶液にて行った。
<色変換基材を含む光源ユニットの発光スペクトルの測定>
評価用の光源を含む光源ユニットとして、Kindle Fire HDX 7のバックライトを用いた。ピーク波長446nmの青色LED、反射フィルム、色変換基材、プリズムシート、偏光反射フィルムを設置し、コニカミノルタセンシング株式会社製分光放射輝度計を用いて発光スペクトル(ピーク、半値幅)、および輝度の測定を行った。
評価用の光源を含む光源ユニットとして、Kindle Fire HDX 7のバックライトを用いた。ピーク波長446nmの青色LED、反射フィルム、色変換基材、プリズムシート、偏光反射フィルムを設置し、コニカミノルタセンシング株式会社製分光放射輝度計を用いて発光スペクトル(ピーク、半値幅)、および輝度の測定を行った。
<色変換基材の面内ばらつきの評価>
前記した色度データを20か所測定し、平均値(x、y)と、平均値から最も変化が大きかった値の差の絶対値(Δx、Δy)を算出し、以下の基準で面内ばらつきを評価した。なお、下記の(Δx、Δy)が小さいほど、バラツキが小さいため、均一な発光面を有するディスプレイを得ることができる。
「A」は、Δx、Δyがともに、0.005未満
「B」は、Δx、Δyの大きいほうが、0.005以上0.010未満
「C」は、Δx、Δyの大きいほうが、0.010以上0.015未満
「D」は、Δx、Δyの大きいほうが、0.015以上。
前記した色度データを20か所測定し、平均値(x、y)と、平均値から最も変化が大きかった値の差の絶対値(Δx、Δy)を算出し、以下の基準で面内ばらつきを評価した。なお、下記の(Δx、Δy)が小さいほど、バラツキが小さいため、均一な発光面を有するディスプレイを得ることができる。
「A」は、Δx、Δyがともに、0.005未満
「B」は、Δx、Δyの大きいほうが、0.005以上0.010未満
「C」は、Δx、Δyの大きいほうが、0.010以上0.015未満
「D」は、Δx、Δyの大きいほうが、0.015以上。
<色変換基材を含むディスプレイの色域の算出>
発光スペクトルデータと、カラーフィルターの透過率のスペクトルデータから、カラーフィルターにより色純度を向上させた場合の(u’、v’)色空間における色域を算出した。また、算出された(u‘、v’)色空間における色域の面積は、BT.2020規格の色域面積を100%とした場合の割合から、下記の基準で評価した。なお、下記のカバー率が高いほど、色域が広くディスプレイの画質が良好となる。
「A」は、上記のカバー率が90%以上
「B」は、上記のカバー率が80%以上90%未満
「C」は、上記のカバー率が80%未満。
発光スペクトルデータと、カラーフィルターの透過率のスペクトルデータから、カラーフィルターにより色純度を向上させた場合の(u’、v’)色空間における色域を算出した。また、算出された(u‘、v’)色空間における色域の面積は、BT.2020規格の色域面積を100%とした場合の割合から、下記の基準で評価した。なお、下記のカバー率が高いほど、色域が広くディスプレイの画質が良好となる。
「A」は、上記のカバー率が90%以上
「B」は、上記のカバー率が80%以上90%未満
「C」は、上記のカバー率が80%未満。
<屈折率の測定>
反射分光計 FE−3000(大塚電子株式会社製)を用い、第一の層および第三の層について、波長550nmの光に対する屈折率の測定を行った。
反射分光計 FE−3000(大塚電子株式会社製)を用い、第一の層および第三の層について、波長550nmの光に対する屈折率の測定を行った。
<ガラス転移点測定>
日立ハイテクサイエンス社製示差走査熱量測定装置(DSC7000X)を使用し、第一の層の樹脂を窒素雰囲気中で30℃から10℃/分で昇温しながら吸熱挙動を観察し、ガラス転移による吸熱挙動の中間点温度を、ガラス転移温度(Tg)とした。
日立ハイテクサイエンス社製示差走査熱量測定装置(DSC7000X)を使用し、第一の層の樹脂を窒素雰囲気中で30℃から10℃/分で昇温しながら吸熱挙動を観察し、ガラス転移による吸熱挙動の中間点温度を、ガラス転移温度(Tg)とした。
(合成例1)シリカ粒子含有ポリシロキサン溶液(PS−1)
500mlの三口フラスコに、メチルトリメトキシシラン(KBM−13:信越化学工業(株)製)を0.05g(0.4mmol)、トリフルオロプロピルトリメトキシシラン(KBM−7103:信越化学工業(株)製)を0.66g(3.0mmol)、トリメトキシシリルプロピルコハク酸無水物(KBM−967:信越化学工業(株)製)を0.10g(0.4mmol)、γ−アクリロキシプロピルトリメトキシシラン(KBM−5103:信越化学工業(株)製)を7.97g(34mmol)、15.6重量%のシリカ粒子のイソプロピルアルコール分散液(IPA−ST−UP:日産化学工業(株)製)を224.37g混合し、エチレングリコールモノ−t−ブチルエーテル163.93gを加えた。室温で撹拌しながら、水4.09gにリン酸0.088gを溶かしたリン酸水溶液を3分間かけて添加した。その後、フラスコを40℃のオイルバスに浸けて60分間撹拌した後、オイルバスを30分間かけて115℃まで昇温した。昇温開始1時間後に溶液の内温が100℃に到達し、そこから2時間加熱撹拌し(内温は100〜110℃)、シリカ粒子含有ポリシロキサン溶液(PS−1)を得た。なお、昇温および加熱撹拌中、窒素を0.05l(リットル)/分流した。反応中に副生成物であるメタノール、水が合計194.01g留出した。得られたシリカ粒子含有ポリシロキサン溶液(PS−1)の固形分濃度は24.3重量%、固形分中のポリシロキサンとシリカ粒子の含有量はそれぞれ15重量%、85重量%であった。
500mlの三口フラスコに、メチルトリメトキシシラン(KBM−13:信越化学工業(株)製)を0.05g(0.4mmol)、トリフルオロプロピルトリメトキシシラン(KBM−7103:信越化学工業(株)製)を0.66g(3.0mmol)、トリメトキシシリルプロピルコハク酸無水物(KBM−967:信越化学工業(株)製)を0.10g(0.4mmol)、γ−アクリロキシプロピルトリメトキシシラン(KBM−5103:信越化学工業(株)製)を7.97g(34mmol)、15.6重量%のシリカ粒子のイソプロピルアルコール分散液(IPA−ST−UP:日産化学工業(株)製)を224.37g混合し、エチレングリコールモノ−t−ブチルエーテル163.93gを加えた。室温で撹拌しながら、水4.09gにリン酸0.088gを溶かしたリン酸水溶液を3分間かけて添加した。その後、フラスコを40℃のオイルバスに浸けて60分間撹拌した後、オイルバスを30分間かけて115℃まで昇温した。昇温開始1時間後に溶液の内温が100℃に到達し、そこから2時間加熱撹拌し(内温は100〜110℃)、シリカ粒子含有ポリシロキサン溶液(PS−1)を得た。なお、昇温および加熱撹拌中、窒素を0.05l(リットル)/分流した。反応中に副生成物であるメタノール、水が合計194.01g留出した。得られたシリカ粒子含有ポリシロキサン溶液(PS−1)の固形分濃度は24.3重量%、固形分中のポリシロキサンとシリカ粒子の含有量はそれぞれ15重量%、85重量%であった。
(実施例1)
樹脂として、根上工業(株)製、ハイパールM4501(アクリル樹脂、ガラス転移点84℃)を100重量部、有機発光材料としてピロメテン系化合物G−1を0.40重量部、有機発光材料としてピロメテン系化合物R−1を0.01重量部、溶媒としてトルエンを300重量部混合した後、遊星式撹拌・脱泡装置“マゼルスター”(登録商標)KK−400(クラボウ(株)製)を用い、1000rpmで20分間撹拌・脱泡して、第一の層形成用の色変換組成物を得た。なお、G−1はWO2009/116456に記載の方法で合成し、R−1はWO2017/2707に記載の方法で合成した。
樹脂として、根上工業(株)製、ハイパールM4501(アクリル樹脂、ガラス転移点84℃)を100重量部、有機発光材料としてピロメテン系化合物G−1を0.40重量部、有機発光材料としてピロメテン系化合物R−1を0.01重量部、溶媒としてトルエンを300重量部混合した後、遊星式撹拌・脱泡装置“マゼルスター”(登録商標)KK−400(クラボウ(株)製)を用い、1000rpmで20分間撹拌・脱泡して、第一の層形成用の色変換組成物を得た。なお、G−1はWO2009/116456に記載の方法で合成し、R−1はWO2017/2707に記載の方法で合成した。
次に、光拡散フィルムケミカルマット125PW((株)きもと製、厚さ138μm)のPET基材層側の全面に、前記色変換組成物を塗布し、120℃で20分加熱、乾燥しての第一の層が形成された基材Aを得た(第一の層の平均膜厚15μm)。
次に、樹脂として“Vylon”(登録商標)630(東洋紡(株)製 ポリエステル樹脂)を用い、ポリエステル樹脂100重量部に対して、溶剤としてトルエンを300重量部混合した後、遊星式撹拌・脱泡装置“マゼルスター”(登録商標)KK−400(クラボウ(株)製)を用い、300rpmで20分間撹拌・脱泡して接着層用の樹脂組成物を得た。
次に、第二の層として、Kindle Fire HDX 7からアクリル樹脂製の導光板(サイズ:7インチ、膜厚:0.6mm)を取り出した。前記導光板の凹凸パターンが形成されていない面側の外周部に、前記接着層用の樹脂組成物を0.5mm幅で形成させた後、120℃で20分加熱、乾燥し、第二の層の外周部に接着層を形成させた基材B(接着層の平均膜厚10μm)を得た。
次に、前記基材Aと前記基材Bを用いて、基材Aの第一の層の外周部と、基材Bの接着層の外周部が積層するように加温ラミネートを行い、外周部を除く部分において、前記第一の層と前記第二の層の間に、第三の層として空気層を形成させた。上記により、「第二の層(導光層)/第三の層(空気層)/第一の層(色変換層)/光拡散層」という構成からなる色変換基材を作製した。
(実施例2)
色変換層作製用色変換組成物の樹脂として、根上工業(株)製、ハイパール、M4006(アクリル樹脂、ガラス転移点105℃)を用いたこと以外は実施例1と同様の操作にて色変換基材を作製した。
色変換層作製用色変換組成物の樹脂として、根上工業(株)製、ハイパール、M4006(アクリル樹脂、ガラス転移点105℃)を用いたこと以外は実施例1と同様の操作にて色変換基材を作製した。
(実施例3)
色変換層作製用色変換組成物の樹脂として、三菱瓦斯化学(株)製、Optimas6000(アクリル樹脂、ガラス転移点120℃)、を用いたこと以外は実施例1と同様の操作にて色変換基材を作製した。
色変換層作製用色変換組成物の樹脂として、三菱瓦斯化学(株)製、Optimas6000(アクリル樹脂、ガラス転移点120℃)、を用いたこと以外は実施例1と同様の操作にて色変換基材を作製した。
(実施例4)
色変換層作製用色変換組成物の有機発光材料として、クマリン系化合物G−2、およびピロメテン系化合物R−1を用いたこと以外は実施例1と同様の操作にて色変換基材を作製した。
色変換層作製用色変換組成物の有機発光材料として、クマリン系化合物G−2、およびピロメテン系化合物R−1を用いたこと以外は実施例1と同様の操作にて色変換基材を作製した。
(実施例5)
色変換層作製用色変換組成物の有機発光材料として、ペリレン系化合物G−3、およびピロメテン系化合物R−1を用いたこと以外は実施例1と同様の操作にて色変換基材を作製した。
色変換層作製用色変換組成物の有機発光材料として、ペリレン系化合物G−3、およびピロメテン系化合物R−1を用いたこと以外は実施例1と同様の操作にて色変換基材を作製した。
(比較例1)
Kindle Fire HDX 7から、第一の層として量子ドットシート(発光材料として量子ドット含有)、第二の層として導光フィルム(サイズ:7インチ)を取り出した。次に、実施例1と同様にして、前記第一の層と第二の層の外周部に接着層を形成させ、色変換基材を作製した。
Kindle Fire HDX 7から、第一の層として量子ドットシート(発光材料として量子ドット含有)、第二の層として導光フィルム(サイズ:7インチ)を取り出した。次に、実施例1と同様にして、前記第一の層と第二の層の外周部に接着層を形成させ、色変換基材を作製した。
(比較例2)
色変換層作製用色変換組成物の樹脂として、根上工業(株)製、ハイパール、M6701(アクリル樹脂、ガラス転移点26℃)を用いたこと以外は実施例1と同様の操作にて色変換基材を作製した。
色変換層作製用色変換組成物の樹脂として、根上工業(株)製、ハイパール、M6701(アクリル樹脂、ガラス転移点26℃)を用いたこと以外は実施例1と同様の操作にて色変換基材を作製した。
(実施例6)
合成例3により得たシリカ粒子含有ポリシロキサン溶液(PS−1)を54g、エチレングリコールモノ−t−ブチルエーテル(ETB)を12g、ジアセトンアルコール(DAA)を35g混合した。その後、0.45μmのシリンジフィルターで濾過し、第3の層形成用樹脂組成物を調製した。
合成例3により得たシリカ粒子含有ポリシロキサン溶液(PS−1)を54g、エチレングリコールモノ−t−ブチルエーテル(ETB)を12g、ジアセトンアルコール(DAA)を35g混合した。その後、0.45μmのシリンジフィルターで濾過し、第3の層形成用樹脂組成物を調製した。
次に、第二の層として、Kindle Fire HDX 7から導光フィルム(サイズ:7インチ)を取り出した。前記導光フィルムの凹凸パターンが形成されてない面の全面に、前記第三の層形成用の樹脂組成物を塗布し、150℃で30分加熱、硬化して第三の層を形成させた。
次に、実施例3で得られた色変換組成物を、前記第三の層の樹脂層前面に塗布し、120℃で20分加熱、乾燥しての第一の層を形成し(第一の層の平均膜厚15μm)、第一の層、第二〜三の層が形成された基材Aを得た。
次に、光拡散フィルムケミカルマット125PW((株)きもと製、厚さ138μm)のPET基材層側の全面に、実施例1で得られた接着層用の樹脂組成物を塗布し、120℃で20分加熱、接着層が形成された基材Bを得た。
次に、前記基材Aと前記基材Bを用いて、前記基材Aの前記第三の層の全面と、前記基材Bの接着層の全面を接触するように、加温ラミネートを行い、色変換基材を得た。上記により、「第二の層(樹脂製の導光板)/第三の層(低屈折率樹脂層)/第一の層(色変換層)/光拡散層」という構成の色変換基材を作製した。
なお、第三の層の波長550nmにおける屈折率は1.28であり、第三の層の膜厚は5μmであった。
(実施例7)
樹脂として、根上工業(株)製、ハイパールM4501(アクリル樹脂、ガラス転移点84℃)
を100重量部、拡散粒子として、東洋紡(株)製、ポリメチルメタクリル酸粒子(平均粒子径:5μm)を混合した後、遊星式撹拌・脱泡装置“マゼルスター”(登録商標)KK−400(クラボウ(株)製)を用い、1000rpmで20分間撹拌・脱泡して、第二の凹凸パターン形成用組成物を得た。
樹脂として、根上工業(株)製、ハイパールM4501(アクリル樹脂、ガラス転移点84℃)
を100重量部、拡散粒子として、東洋紡(株)製、ポリメチルメタクリル酸粒子(平均粒子径:5μm)を混合した後、遊星式撹拌・脱泡装置“マゼルスター”(登録商標)KK−400(クラボウ(株)製)を用い、1000rpmで20分間撹拌・脱泡して、第二の凹凸パターン形成用組成物を得た。
次に、第二の層として、ガラス板(サイズ:7インチ、膜厚:0.6mm)の片面に、スクリーン印刷機(ニューロング精密工業製 LS−560)と、355メッシュのナイロン製スクリーン版(メッシュ株式会社製)を用い、平均膜厚10μmの凸パターンを形成した。凸パターンの面積は、7インチガラスの長辺の光源近傍側を12%、7インチガラスの長辺の光源遠方側を32%(光源の近傍側)とし、近傍側から遠方側に凸パターンの面積がリニアに増加するようにスクリーン版を設計した。
次に、前記ガラス導光板の凹凸パターンが形成されてない面の全面に、実施例6と同様にして、第三の層および第一の層を形成させ、「第二の層(ガラス製の導光板)/第三の層(低屈折率樹脂層)/第一の層(色変換層)/光拡散層」という構成の色変換基材を作製した。
実施例1〜7、比較例1〜2で得られた色変換基材の各種評価を行った。評価結果を表1に示す。
比較例1では、色変換基材の発光材料として量子ドットを含有するため、色域および面内ばらつきは不良となった。また、比較例2では、色変換基材の発光材料として有機発光材料を含有しているものの、第一の層の樹脂のガラス転移温度が26℃と低いため、面内ばらつきが不良であった。
一方、実施例1〜6では、色変換基材の発光材料として有機発光材料を含有し、第一の層の樹脂のガラス転移点が80以上180℃以下のため、色域と面内ばらつきが良好であった。特に、実施例3、6、7は、有機発光材料としてピロメテン系化合物を用い、かつ、第一の層の樹脂のガラス転移点が、110℃以上のため、色域と面内ばらつきが特に良好であった。
色域と面内ばらつきが良好であった実施例3、6について、輝度の評価を表1に示す。実施例3と比較し、実施例6は輝度向上しており、低屈折率層による輝度向上が確認された。
1 第一の層
2 第二の層基材層
3 第三の層基材層
4 第一の層に含まれる有機発光材料
5 第一の層に含まれる樹脂
6 第三の層に含まれる樹脂
7 凹凸パターン
8 光源
9 反射フィルム
2 第二の層基材層
3 第三の層基材層
4 第一の層に含まれる有機発光材料
5 第一の層に含まれる樹脂
6 第三の層に含まれる樹脂
7 凹凸パターン
8 光源
9 反射フィルム
Claims (12)
- 入射光をその入射光よりも長波長の光に変換する発光材料および樹脂を含む第一の層と、光導光機能を有する第二の層を有する色変換基板であって、前記発光材料が有機発光材料であり、前記第一の層の樹脂のガラス転移点が80℃以上180℃以下であることを特徴とする色変換基材。
- 前記有機発光材料が、ペリレン系化合物、クマリン系化合物、ピロメテン系化合物、アントラセン系化合物、テトラアザポルフィリン系化合物、アントラセン系化合物から選ばれる少なくとも1種類である請求項1に記載の色変換基材。
- 前記ピロメテン系化合物が、一般式(1)で表される化合物を含有する、請求項1または2に記載の色変換基材。
- 前記第二の層の導光板が、ガラス製である請求項1〜3のいずれかに記載の色変換基材。
- 第三の層として空気層を含有する請求項1〜4のいずれかに記載の色変換基材。
- 第三の層として樹脂層を含有する請求項1〜4のいずれかに記載の色変換基材。
- 前記第三の層の波長550nmにおける屈折率が1.20〜1.35である請求項6に記載の基板。
- 光源、反射フィルム、および請求項1〜7のいずれかに記載の色変換基材を含む、光源ユニットであって、前記光源が色変換基板の側面に形成されており、前記第一の層、前記第二の層および反射フィルムが、出射面側からこの順に形成されている光源ユニット。
- 光源、反射フィルム、および請求項1〜7のいずれかに記載の色変換基材を含む、光源ユニットであって、前記第二の層の側面から順番に、第一の層および光源が形成されている光源ユニット。
- 前記第二の層に凹凸パターンが形成されており、前記凹凸パターンが、
反射フィルム面側に形成されている請求項8または9に記載の光源ユニット。 - 請求項8〜10のいずれかに記載の光源ユニットを含む、ディスプレイ。
- 請求項8〜10のいずれかに記載の光源ユニットを含む、照明。
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JP2018091945A JP2019197180A (ja) | 2018-05-11 | 2018-05-11 | 色変換基材、それを含む光源ユニット、ディスプレイおよび照明 |
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Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
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WO2022255173A1 (ja) * | 2021-06-02 | 2022-12-08 | 東レ株式会社 | 色変換組成物、色変換シート、それを含む光源ユニット、ディスプレイおよび照明装置 |
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- 2018-05-11 JP JP2018091945A patent/JP2019197180A/ja active Pending
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WO2022255173A1 (ja) * | 2021-06-02 | 2022-12-08 | 東レ株式会社 | 色変換組成物、色変換シート、それを含む光源ユニット、ディスプレイおよび照明装置 |
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