本発明は、かかる問題点を考慮してなされたものであり、発射装置の打球杵を使用することなく、遊技球を発射可能なパチンコ遊技機を提供することを主たる目的とする。
本発明は、上述の主目的を達成するために以下の手段を採った。
本発明にかかるパチンコ遊技機は、
発射ハンドルと、
遊技球をガイドレール上の発射位置に位置決めする位置決め部材と、
前記位置決め部材の近傍に、発射ハンドルの回転量に応じて空気の噴出量を変更可能に形成された空気噴出口を備えてなり、
前記空気噴出口による空気の噴出により、遊技球を発射することを特徴とする。
本発明にかかるパチンコ遊技機によれば、遊技球の発射に打球杵を使用することなく、圧縮空気の圧力で発射させるものであるため、打球時の衝撃を直接受ける部材が存在せず、打球時の衝撃による故障又は損傷の可能性を大きく低減することができる。また、空気の圧力で発射するという方法を採用することによって、遊技球を発射すると同時に遊技球のホコリや汚れ等を空気圧で除去することができるため、遊技球の発射と同時に遊技球の清掃機能をも有するものとすることができる。
また、本発明にかかるパチンコ遊技機において、前記空気噴出口は、空気噴出口の開口の大きさが変更可能であることを特徴とするものであってもよい。
かかる構成を採用することによって、空気噴出口から圧縮空気の圧力を調整することができる。そのため発射される遊技球の速度を調整することができる。
さらに、本発明に係るパチンコ遊技機において、前記空気噴出口からの空気の噴出は、間欠式であることを特徴とするものであってもよい。
かかる構成を採用することによって、遊技球を一定の間隔で発射させることができる。
さらに、本発明にかかるパチンコ遊技機において、
前記位置決め部材は、立設された板状に形成されてなり、空気通過用孔が形成されていることを特徴とするものであってもよい。
かかる構成を採用することによって、空気噴出口を位置決め部材の背面近くに設置することができ、効果的に遊技球を発射させることができる。
さらに、本発明にかかるパチンコ遊技機において、前記空気通過用孔は、中央に形成された通過孔から放射状に形成された溝を備えていることを特徴とするものであってもよい。
かかる構成を採用することによって、中央部に形成された通過孔には、空気の噴出を妨げる部材がないので、空気噴出孔から噴出された空気がそのまま通過する。一方で放射状に形成された溝の部分には溝以外の部分が空気の遮蔽板として機能する。そのため、一部の空気が跳ね返されることになる。これにより、空気噴出口の開口の大きさによる調整に加えて空気の通過量によっても遊技球を押し出す圧力が調整されるため、遊技球にかかる圧力の調整幅を大きくし、遊技球の発射スピードの調整を容易に行うことができる。
さらに、本発明にかかるパチンコ遊技機において、
前記発射ハンドルは、略水平に配置されていることを特徴とするものであってもよい。
発射ハンドルを水平方向に設置することによって、発射ハンドルに対して手を上から覆うようにして使用することになる。そのため、腕の重量を発射ハンドルで支えることができるので、より疲労しにくいパチンコ遊技機とすることができる。
さらに、本発明にかかるパチンコ遊技機において、前記発射ハンドルの近傍に、腕を載置可能なアームレストが設けられていることを特徴とするものであってもよい。
アームレストに腕を載せることでさらに腕の疲労を軽減することができるパチンコ遊技機とすることができる。
以下、図面に基づいて、実施形態にかかるパチンコ遊技機200について詳細に説明する。なお、以下に説明する実施形態及び図面は、本発明の実施形態の一部を例示するものであり、これらの構成に限定する目的に使用されるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲において適宜変更することができる。各図において対応する構成要素には同一又は類似の符号が付されている。説明の便宜上、本明細書及び特許請求の範囲において、右側、左側、上側、下側とは、図1における矢印の方向を示す。
本発明に係るパチンコ遊技機200に使用される遊技盤100は、図1に示すように、遊技盤100の前面側にガイドレール11で囲われた遊技領域10を有しており、遊技領域10の左側は、外側に配置される外側ガイドレール11aと内側に配置される内側ガイドレール11bによって、遊技球を遊技領域10に案内する遊技球案内通路12が形成されている。遊技領域10には、主として、障害釘15、小入賞口(22a、22b、22c)を有する仕掛部材20と、複数の大入賞口30(31、32、33)と、シーソー型仕掛物40、入賞外の遊技球を回収するアウト口70と、を備えている。なお、以下に説明する遊技領域10における小入賞口22、仕掛部材20、大入賞口30等の機構及び配置は、一例であり、これらに限定するものではない。
仕掛部材20は、図1に示すように、左右に一つずつの小入賞口(22a、22b)及びこれらの中央かつ上方に一つの入賞口(22c)の3つの小入賞口22を有している。仕掛部材20の小入賞口22に入賞した遊技球は、遊技盤100の裏面に形成された遊技球誘導路(図示しない。)を経由して、後述する大入賞口30にそれぞれ誘導される。本実施形態においては、仕掛部材20は、3つの小入賞口22を有するものとしたが、小入賞口22の数は3つの限定するものではなく、3つ以上有するものであってもよい。
大入賞口30は、いわゆる機械式の入賞口であり、本実施形態においては、非電動式のチューリップ型の大入賞口30を採用している。しかしながら、電動式であってもよい。大入賞口30は、仕掛部材20の小入賞口22の数と同じ数だけ設けられる。本実施形態においては、小入賞口22が3つであるので、これに合わせて、大入賞口30が3つ(31、32、33)設けられている。大入賞口30は、それぞれ大入賞口31が小入賞口22aに、大入賞口32が小入賞口22bに、大入賞口33が小入賞口22cに対応するように設けられており、それぞれの小入賞口22に遊技球が入球した場合には、裏面の遊技球誘導路によって、それぞれ対応する大入賞口30に誘導され、大入賞口30を機械的に開口される。大入賞口30は、小入賞口22を経由して開口した場合には、それぞれあらかじめ決められた個数の遊技球が入球するまで開いた状態を保つように設定されている。例えば、左右の小入賞口(22a、22b)に入球した場合には、左右の大入賞口(31、32)は、5球入球するまで開いた状態を維持し、中央の小入賞口22cに入球した場合には、中央の大入賞口33が10球入球するまで開いた状態を維持するといった具合である。なお、この場合であっても1球入球するごとに開閉は行われる。さらに、小入賞口22による入球による開口に加えて、大入賞口30に直接遊技球が入球した場合にも大入賞口30が開くように設定してもよい。直接入球した場合の開閉動作としては、例えば、遊技球が入球する度に開閉するようにしてもよいし、一定数入球した後に閉じるようにしてもよく、適宜選択することができる。但し、直接入球して開いた場合には、小入賞口22に入球した場合と比較して少ない入球数で閉じるようにすることが好ましい。さもないと、小入賞口22に入賞した場合の当選感が感じられなくなるからである。このように大入賞口30は、小入賞口22に入球した場合に一定数の遊技球が入球しやすくなるように設定されている。大入賞口30に遊技球が入球した場合には、裏面側になる検知部材(図示しない。)によって検知され、所定の数の賞球が下方に払い出される。なお、大入賞口30の配置は、特に限定するものではなく、適宜任意に配置することができる。
大入賞口30の正面には、画像表示装置60が設けられている。画像表示装置60は、少なくとも数値が表示可能に設けられており、カウンターとしての機能を有するものが使用される。例えば、液晶モニター、有機EL、ドットマトリックスを使用したモニター又はセブンセグメントディスプレイ等が挙げられる。画像表示装置60は、それぞれの大入賞口30に入球した遊技球の数を検知する検知部材からの信号により、それぞれの大入賞口30にいくつ遊技球が入球したかを表示する。この際には、入球した数を表示してもよいし、入球に応じて数字を減らし、閉じるまでの入球数を表示してもよい。数字はあくまで例であり、漢字表記であってもよいし、星の数等で表示してもよい。画像表示装置60は、大入賞口30が開口していない場合には、図柄等を表示させてもよい。画像表示装置60は、図2に示すように、大入賞口30のチューリップの下方側の側面及び正面を囲うように、枠部材61が形成されており、その正面に画像表示装置60が設けられている。枠部材61は、図2Aに示すように、略コの字の断面に取付片61aが設けられており、この取付片61aは、大入賞口30のベース部材30dを取付けるための取り付け穴34を利用して螺合部材61bで取付けられている。画像表示装置60は、電気的に大入賞口30とは直接接続されておらず、画像表示装置60は、枠部材61を介してパチンコ遊技機200の裏側に配置されている制御回路と電気的に接続されている。従って、大入賞口30にはなんらの電気的接続はされておらず、純粋な機械的駆動の入賞口である。制御回路は、入賞した遊技球をカウントし、賞球を制御する。かかる制御回路からの信号によって画像表示装置60は、適宜選択して、画像を表示したり、大入賞口30に入球した遊技球のカウントを画像表示装置60に表示したりすることができる。カウントの方法としては、通常のように、大入賞口30の背面側に磁力式の検知部材を設けても良いが、例えば、図2に示すように、光センサ50を画像表示装置60に設けても良い。光センサ50をチューリップの羽根の開口している場所に相当する位置に設け、チューリップの羽根を挟んで対向する位置にリフレクタ51を設けることによって、チューリップの羽根の移動回数をカウントするとよい。すなわち、チューリップの羽根は、遊技球が入球する度に開閉を繰り返すので、羽根が存在する場合(羽が開いている状態)と、存在していない場合(羽が閉じている状態)をカウントすることでチューリップに入球した遊技球の数をカウントすることができる。この情報は、前述した制御回路に送られ、画像表示装置60に送られる。
一般入賞口35は、大入賞口30以外の入賞口であり、適宜任意の個数が選択されて取付けられる。一般入賞口35としては、いわゆる単純に入球した場合のすべてに賞球されるタイプや、入球した場合に当選とはずれがあり、当選した場合だけ賞球するタイプ等のいずれであってもよい。当選した場合だけ賞球するタイプの一般入賞口35としては、例えば、図3に示したものがある。本実施形態にかかる一般入賞口35は、両側面35a及び正面35bを有する上下が開放された筒状に形成されており、正面35bは上端から下端に向かって形成された溝35dが形成されている。かかる溝35dを設けることによって、遊技者は、遊技球がまっすぐ落下したかどうかを正面から確認することができる。この一般入賞口35に上方から入球した遊技球がまっすぐ落下した場合には下方に落下する。正面の裏面には、裏面側に向かって低くなるような傾斜面35cが設けられている。この傾斜面35cは、遊技球を裏面側へ誘導する。一般入賞口35の背面側の遊技盤100には、当選口37が設けられており、この当選口37に入球すると賞球は支払われる。当選口37の周囲又は背面側に磁石38が設けられており、磁石38による磁力によって、遊技球を引きつけて当選口37に遊技球が入りやすくなるように形成されている。本実施形態においては、当選口37の上面に磁石38が設けられている。磁石38による遊技球にかかる磁力は、数段回に調整可能に設けてもよい。例えば、背面側に電磁石を設けて、あらかじめ電磁石の磁力を数段回に設定可能にしてもよいし、マグネットの位置を変更することによって遊技球にかかる磁力を変更することができるようにしてもよい。なお、当選口37の底面37aは、断面が山の形になるように当選口37の開口近傍は開口側に向かって下降するように、奥側は奥に行くほど下降するように傾斜を設けて形成するとよい。このように作製することで、遊技球が開口付近で滞留することを防止でき、スムーズに遊技球を落下又は当選口37内に誘導することができる。
シーソー型仕掛物40が、仕掛部材20の左右のいずれか又は両方に配置されている。本実施形態においては、仕掛部材20の両側に配置されている。シーソー型仕掛物40は、遊技球を仕掛部材20の左右の小入賞口22へ一定の確率で誘導するためのものである。左右に設置される場合のシーソー型仕掛物40は、左右対称に形成されるので、ここでは、正面から見て左側に配置されるシーソー型仕掛物40について説明し、右側に配置されているシーソー型仕掛物40の説明に代える。シーソー型仕掛物40は、図4に示すように、球受部41と、この球受部41を回転自在に軸支する回転軸部42と、この球受部41が略水平になった場合に球受部41の回転を止めて支持する支持部43とを有している。球受部41は、正面から見た場合に、第1球受面42a、第2球受面42b及び両側面42c、42dからなる略台形の角柱に形成されている。なお、第1球受面42aと第2球受面42bは必ずしも完全な平行面である必要はなく、多少非平行面であってもよい。本実施形態においては、正面から見て、第1球受面42aが上面側にある場合(図4B)の状態で右側の厚さが薄くなるように形成されている。球受部41の略中央には、球受部41が図4Bの矢印に示すように回転可能に軸支する回転軸部42を有している。従って、球受部41に遊技球が落下した場合に遊技球の重みによって、図5に示すように、矢印の方向に回転することになる。支持部43は、正面から視認した場合に三角形となる三角柱に形成されている。支持部43は、球受部41の仕掛部材20側(正面から見て右側)に配置されており、垂直面が仕掛部材20側で斜面が回転軸部42側になるように配置されている。球受部41は、第1球受面42aが上面側にある場合(図4B)の状態で支持部43の斜面によって、図4Bに示すように、球受部41の側面42cを支持し、球受部41がこれ以上右回転しないように球受部41を支持する。この状態で第1球受面42aは、水平又は仕掛部材20側が低くなるような傾斜面となるように配置されており、第1球受面42aに落下した遊技球が仕掛部材20側へ誘導されやすくなっている。この状態から球受部41が左回りに約180°回転し、第2球受面42bが上面側に配置された場合には、支持部43は、球受部41の側面42cと反対の側面42dを支持し、これ以上左回転しないように球受部41を支持する。この状態で第2球受面42bは、水平又は仕掛部材20側が低くなるような傾斜面となるように配置されており、第2球受面42bに落下した遊技球が仕掛部材20側へ誘導されやすくなっている。こうして構成されたシーソー型仕掛物40は、第1球受面42aが上面に配置された状態、すなわち、これ以上右回転しない状態に支持されている場合(図4A参照)において、球受部41の回転軸部42より仕掛部材20側に遊技球が落下したときは、これ以上、球受部41は右回転しないので、遊技球は、球受部41の第1球受面42aの傾斜によって、仕掛部材20の小入賞口22に誘導されやすくなる。一方、遊技球が球受部41の回転軸部42より仕掛部材20の反対側に落下した場合には、図4Bの矢印に示すように、球受部41は、左回転して遊技球は下方へ落下しやすくなる。一方で、図4Cに示すように、第2球受面42bが上面側に配置された状態、すなわち、これ以上左回転しない状態に支持されている場合において、遊技球が球受部41の回転軸部42より仕掛部材20側に落下したときは、球受部41は、右回転して遊技球が下方へ落下しやすくなる。遊技球が球受部41の回転軸部42より仕掛部材20側の反対側に落下した場合には、仕掛部材20側へ遊技球は転がりやすいが、遊技球の転がる勢いが低い場合には、球受部41が右回転して遊技球が落下しやすくなる。基本的な考え方は、以上であるが、実際には複数の遊技球が短い時間で複数落下する可能性が高いので複雑な動きを呈することになる。
シーソー型仕掛物40の上方には、いわゆる風車が設けられており、風車に落下した遊技球は、球受部41へ誘導されやすくなり、結果として仕掛部材20へ遊技球が誘導されやすくなり、遊技者にとって魅力ある遊技機とすることができる。
また、本実施形態にかかる遊技盤100には、図1に示すように、複数の障害釘15が適宜植設されている。本実施形態においては、これらの障害釘15のうち、いわゆる天釘15aとよばれる障害釘15が特徴的な配置とされている。すなわち、天釘15aに配置される障害釘15のうち横方向に並んで配置される障害釘15がそれぞれ垂直方向に2本以上隣接して配置されている。このように天釘15aを配置することによって、垂直方向に配置された天釘15a内を遊技球が通過した場合には、遊技球の回転が抑えられるとともに、横方向の振動も抑えられるため、遊技球の勢いが落ちて、垂直に落下しやすくなる。本実施形態においては、2本ずつ垂直方向に配置された天釘15aが4組配置されている。このため、この4組の天釘15aの間を通過した遊技球は、仕掛部材20に落下しやすくなり、仕掛部材20に遊技球を入球させやすくさせることができる。そのため、遊技者にとって魅力のあるパチンコ遊技機200を提供することができる。
また、天釘15a以外の障害釘15において、障害釘15の一部が、3本の障害釘15が三角形の頂点となるような3つの障害釘15を一組(図1左上拡大図参照)として、これらの組が水平に同じ間隔で複数配置された行(α)を形成している。これらの行は、複数行形成されており、上下の行は、それぞれ入賞口や仕掛部材20によって配置できない場所を除き、前述した間隔の1/2ずつ水平方向にずれて配置されている(αとα1参照)。従って、これらの組は斜めに直線的となるように配置されることになる。例えば、図1のαのように三角形の組に形成された障害釘15が斜めに配置されている。この配置は、右下がりの斜めに配置されているもの(β)、左下がりの斜めに配置されているもの(γ)が複数形成され、図1のδに示す枠内の4つの組のようにひし形状の配置が規則正しく配置される部分を多く有している。このように配置することで、遊技球は斜めに直線状に流れやすくなり、流れる方向に大入賞口30や一般入賞口35を配置することで、遊技球をこれらの入賞口に入球させやすくなる。
また、これら3本の障害釘15による三角形の組の中にLED等の照明器具18が配置されている。この際に照明器具18は、図2Cに示すように、遊技盤100の表面から突出して配置されていても構わない。なぜなら3本の障害釘15によって三角形の内側は遊技球から守られているため、遊技球によって照明器具18が損傷することが防止されているからである。このような照明器具18を複数の三角形の組のそれぞれに配置することで、照明器具18をタイミングよく光らせる(例えば、虹色に光らせる等)ことで、演出効果を発揮させることができる。
アウト口70は、小入賞口22及び大入賞口30へ入球しなかったアウト球を回収するためのものである。
遊技盤100の裏面には、集合カバー(図示しない。)が設けられており、小入賞口22及び大入賞口30に入賞した遊技球及び発射装置83によって発射されたものの、遊技領域10まで到達しなかったファール球は、一旦遊技盤100の裏面に流出して集合カバーによって排出される。
発射装置83は、図6に示すように外側ガイドレール11aと連通した発射レール88bに供給された遊技球を打ち出すための装置である。発射装置83は、図7に示すように、主として、空気圧縮機84と、空気圧縮機84によって圧縮された空気を噴出する空気噴出口85と、空気噴出口85に対して空気の噴出の開閉を行う開閉部材86と、この開閉部材86を往復運動させるソレノイド85aを備えている。
空気圧縮機84は、特に限定するものではなく、例えば、レシプロ圧縮機、スクリュー型圧縮機、ロータリタイプの圧縮機等、特に限定するものではない。好ましくは、静音性に優れた圧縮機を使用することが望ましい。空気圧縮機84は、複数のパチンコ遊技機200に共通して使用する大型の空気圧縮機84を用意して、各パチンコ遊技機200には、圧縮タンクのみを搭載してもよいし、各パチンコ遊技機200に小型の空気圧縮機84と圧縮タンクを取付けても良い。
空気噴出口85は、外側ガイドレール11aの発射位置に位置決めされている遊技球に対して圧縮空気を噴射して遊技球を遊技領域10内に送り込むためのものである。空気噴出口85は、圧縮空気が効果的に排出されるように先端の開口の大きさを変更可能に形成されている。例えば、図8に示すように先端の空気噴出口85の大きさが変更可能なように先端がしぼんだり、開いたりする絞り機構が設けられている。この絞り機構は、発射ハンドル120の回転量によって調整可能に制御回路によって制御されている。これにより、遊技球に対する空気の噴出量を変更可能に調整することができ、送り出す遊技球のスピードを調整することができる。空気噴出口85には、先端の開口への空気の送り出しと、ストップを制御するためのソレノイド85aが設けられており、間欠式に空気を噴出することができる。ソレノイド85aは、空気の排出をストップするための開閉部材86と連結されており、この開閉部材86の移動によって封止状態と、開口状態を切り替えることができる。ソレノイド85aは、発射ハンドル120の移動によって稼働するように制御されており、発射ハンドル120によって発射状態を指示することによって、一定間隔で往復して遊技球を連続的に発射することができる。
外側ガイドレール11aで遊技球を発射位置に位置決めしている立設された位置決め部材11cは、図9に示すように、板状に形成され中央に形成された通過孔から溝11fが放射状に形成された空気通過用孔11dを有している。空気噴出口85は、発射位置の遊技球に対して位置決め部材11cの反対側に、空気噴出口85の中心が空気通過用孔11dの中央となるように配置されている。空気噴出口85の先端が最も絞られているときは、図9Aに示すように、空気通過用孔11dの中央の通過孔よりも小さく形成され噴出した空気のほとんどが位置決め部材11cによって妨げられることなく、遊技球に噴出される。そのため、最も勢いよく遊技球が発射される。これに対し、空気噴出口85の先端が最も開放されているときは、図9Bに示すように、噴出した空気の一部のみが中央の通過孔と溝11fからなる空気通過用孔11dから噴出され、一部は溝11fと溝11fの間に形成された部分11eによって跳ね返されることになる。このように、通過孔から溝11fが放射状に形成された空気通過用孔11dを使用することによって、空気噴出口85は、先端を開放したときに、より遊技球の発射速度を緩めることができる。このような溝11fの位置決め部材11cを使用することで、溝11fを有しない位置決め部材11cと比較して、同様の絞りの調整でも遊技球の発射スピードの調整幅が大きくなり、遊技球の発射スピードを調整し易くすることができる。
このように圧縮空気によって遊技球を押し出すという手段を採用することによって、打球杵で打ち出す方法と違い、遊技球に対して直接衝撃を与える部材がないので、衝撃によって損傷又は故障する部材が存在しない。よって、従来のように発射によって故障する可能性を大きく低減させることができる。また、圧縮空気によって遊技球を押し出すという手段を採用することによって、遊技球に付着したホコリ等を除去することができ、遊技球の掃除機能をも付加することができる。
このように発射装置83に圧縮空気を使用することによって、打球音がなくなるため、非常に静かなパチンコ遊技機200とすることができる。そのため、正面のガラス板は、1枚であっても構わないし、プラスチック板であってもよい。
以上のように構成されたパチンコ遊技機200は、以下のように使用される。パチンコ遊技機200は、図10に示すように、前面略中央部に位置する遊技領域10と、発射装置83に連動して前面下部の右側に回転可能に設けられた発射ハンドル120と、を備えており、発射ハンドル120によって、遊技盤100の遊技領域10に遊技球が発射される。発射ハンドル120は、図11に示すように略水平に配置してもよい。水平に配置することによって、手を発射ハンドル120の上に載せるように配置することができるため、腕の疲れを軽減することができる。また、発射ハンドル120を操作している際に腕を置くことのできるアームレスト125を発射ハンドル120の近傍に設けても良い。このようなアームレスト125を設けることによって、より腕の疲れを低減することができる。なお、アームレスト125は、合成ゴム等の弾性を有する素材を使用し、下面に切り込みを入れておくことで、収納時に上側に倒すことができるので、容器内に収納し易くすることができる。さらに、発射ハンドル120の奥側をトンネル状にしてより手を奥側に配置できるようにすることによって、より腕を置く面積を広くとることができ、腕の疲労の軽減に適したものとすることができる。
発射ハンドル120によって発射された遊技球は、遊技領域10内に送られ、障害釘15等に弾かれつつ、遊技領域10内を落下する。落下の途中で、小入賞口22に直接入球した場合には、前述したように、大入賞口30は、所定数の入球があるまで開口した状態になる。開口している間は、遊技球が入球しやすくなり、払い出し量が増加することになる。設定した数量の遊技球が入球すると、大入賞口30は閉じ、再度、大入賞口30に直接入球するか、又は仕掛部材20の小入賞口22に入賞すると、また開口することになる。この際に、それぞれの大入賞口30にいくつ遊技球が入球したかは、画像表示装置60に表示されるため、遊技者には、あと何球入賞しやすい状態が続くか、分かりやすく、遊技を続けやすくなる。それぞれ大入賞口30及び小入賞口22への入球数は、それぞれに対応した検知部材によって入賞が検知され、それぞれの設定に基づいて払出装置(図示しない。)によって所定の球数が賞球として払い出される。
遊技球が遊技領域10を落下する際において、本発明において特有の趣向性を有する動きについて説明する。まず、天釘15a内を通過した遊技球は、そのまま下方へ落下しやすく、仕掛部材20へ誘導されやすくなる。また、風車に落下した遊技球は、シーソー型仕掛物40又は仕掛部材20へ誘導されやすくなる。さらに、シーソー型仕掛物40へ落下した遊技球は、上述したようにシーソー型仕掛物40に移動して、複雑な遊技球の動きを誘引するとともに、一定の割合で遊技球を仕掛部材20へ誘導されやすくなる。
なお、本発明は上述した実施形態に何ら限定されることはなく、本発明の技術的範囲に属する限り種々の態様で実施し得る。