JP2019195414A - 吸収性物品 - Google Patents
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Description
また、本実施形態の表面シート12は、肌対向面側の面が平坦なものであるが、凹部及び凸部からなる凹凸領域を有していても良い。
表面シート12として、例えば、尿などの体液を透過し得る液透過性シートであることを前提として、合成繊維又は天然繊維からなる織布や不織布、多孔性シート等を用いることができる。不織布としては、各種の製造方法で得られるものを特に制限なく用いることができる。不織布の例としては、スパンレース不織布、スパンボンド不織布、エアスルー不織布、メルトブローン不織布、ニードルパンチ不織布及びレジンボンド不織布などが挙げられる。これらの不織布は、それぞれ単独で用いることができ、あるいは二種以上の不織布の積層体の形態で用いることもできる。
裏面シート13としては、液不透過性シートを用いることができ、例えば、液不透過性又は撥水性の樹脂フィルム、樹脂フィルムと不織布とのラミネートシート等を用いることができる。裏面シート13に関し、液不透過性とは、液難透過性も含む概念であり、裏面シート13が液を全く通さない場合も含まれる。
発熱構造体Hは、水蒸気の発生を伴って発熱するものであってもよいし、水蒸気の発生を実質的に伴わずに発熱するものであってもよい。
また、発熱部3の形態は、ペースト状、ゲル状、シート状、粉末状等の形態とすることができる。
一方、液吸収前の失禁パッド1では、排泄液の水分がなく、且つ電解質2と被酸化性金属とが仕切り4により分離されているため、発熱構造体Hは発熱しない。これにより、液吸収前の香料の揮散を抑制することができる。このように、失禁パッド1は、排泄された液体を吸収したタイミングで、香料を効率的に揮散させるため、排泄物由来の臭気に対するマスキング効果に優れる。
失禁パッドが、排泄液と共に発熱部3に含まれる成分(被酸化性金属および活性炭)又は電解質2を透過させる仕切り4を有する場合も、上記と同様の効果が奏される。
80質量%以下である。
また、発熱部3における被酸化性金属の含有量は、坪量で表して、好ましくは100g/m2以上、より好ましくは200g/m2以上であり、また好ましくは3000g/m2以下、より好ましくは1600g/m2以下であり、また好ましくは100g/m2以上3000g/m2以下、より好ましくは200g/m2以上1600g/m2以下である。これにより、発熱温度の制御が容易となる。
被酸化性金属の含有量は、JIS P8128に準じる灰分試験や、熱重量測定器で求めることができる。他に外部磁場を印加すると磁化が生じる性質を利用して振動試料型磁化測定試験等により定量することができる。
発熱の持続性の観点から、発熱部3における活性炭の含有量は、発熱部3の全質量に対して、好ましくは4質量%以上35質量%以下である。
電解質2は、排泄液の水分によって電解することで、被酸化性金属の酸化反応を促進する。被酸化性金属の酸化反応をより促進する観点から、電解質2は、発熱部3と接触する前に、排泄液と接触することが好ましい。即ち、失禁パッド1の厚み方向において、電解質2は、発熱部3よりも表面シート12側に配されていることが好ましい。
仕切り4が発熱部3と電解質2との間に介在する層状のものである場合、発熱部3と電解質2との接触を効果的に抑制する観点から、仕切り4の厚みは、好ましくは1μm以上、より好ましくは10μm以上であり、また好ましくは70μm以下、より好ましくは60μm以下であり、また好ましくは1μm以上70μm以下、より好ましくは10μm以上60μm以下である。
仕切り4の厚みは、以下の方法により測定することができる。
仕切りの厚みはデジタルマイクロスコープを用いて測定できる。例えば、KEYENCE製VHX−1000を用いて測定できる。具体的には、液吸収前の失禁パッド1を横方向Y方向に沿って厚み方向Zに切断した後、前記デジタルマイクロスコープを使用して発熱部3及び電解質2間の仕切り4の断面を20〜100倍の倍率で無荷重にて観察し、仕切り4の厚みを測定する。測定は、1つの失禁パッド1において縦方向Xに離間した3か所の仕切り4の断面について行い、これら3か所の厚みの平均値を仕切り4の厚みとする。
仕切り4が発熱部3全体を被覆するものである場合、排泄液の排泄のタイミングで、発熱構造体Hを効率的に発熱させる観点から、仕切り4の酸素透過度(JIS K7126で規定)は、好ましくは50(cc/m2・24hr・atm)以下、より好ましくは10(cc/m2・24hr・atm)以下である。このような酸素透過度を有する仕切り4の形成材料としては、例えば、ポリビニルアルコール(PVA)、ポリエチレンオキサイド、ポリエチレングリコール、ポリアクリル酸等の水溶性高分子等が挙げられる。
熱溶解性組成物としては、ワックス等が挙げられる。
天然系ワックスとしては、石油由来ワックス、鉱物系ワックス、植物系ワックス、動物系ワックスが代表的である。石油由来ワックスとしては、パラフィンワックス(融点が40〜70℃程度)、マイクロクリスタリンワックス(融点が60〜90℃)等が挙げられる。鉱物系ワックスとしては、モンタンワックス等が挙げられる。植物系ワックスとしては、カルバナワックス、木蝋等が挙げられ、動物系ワックスとしては、蜜蝋(ビーズワックス)等が挙げられる。合成樹脂系ワックスとしては、ポリエチレンワックスや、ポリプロピレンワックスが挙げられる。
ワックスは、これらの物質から選ばれる1種を単独で又は2種以上を組み合わせて用いることができる。前記に例示したワックスのなかでも、安価で容易に入手可能なことから天然系ワックスを用いることが好ましく、特にパラフィンワックス、又はマイクロクリスタリンワックスを用いることが好ましい。
水溶性組成物としては、仕切り4の形成材料に用いられる水溶性高分子等を用いることができる。
水溶性マイクロカプセルの平均粒子径は、好ましくは0.1μm以上1000μm以下、より好ましくは1μm以上50μm以下である。前記平均粒子径は、例えばレーザ回折/散乱式粒子径分布測定装置(LA−950V2、株式会社堀場製作所製)を用いて粒子径分布を測定することで得ることができる。粒子径分布の測定条件は、フロー法にて、分散媒はエタノール、分散方法は撹拌、内蔵超音波3分、試料濃度は0.1%とする。得られた体積基準の粒子径分布から粒子径の平均値を算出し、これを平均粒子径として定義する。
失禁パッド1の平面視において、香料保持組成物5は、吸収性コアと少なくとも部分的に重なっていれば良い。香料保持組成物5と吸収性コアとが重なっている部分の面積は、吸収性コアの面積に対して、好ましくは15%以上、より好ましくは40%以上であり、また好ましくは100%以下、より好ましくは80%以下であり、また好ましくは15%以上100%以下、より好ましくは40%以上80%以下である。
香料保持組成物5が熱溶解性組成物である場合、失禁パッド1の平面視において、香料保持組成物5は、発熱部3と少なくとも部分的に重なっていることがより好ましく、発熱部3の全域と重なっていることがさらに好ましい。
また、図5に示すように、失禁パッド1の厚み方向Zにおいて肌対向面側から吸収体14、香料保持組成物5、電解質2、及び発熱部3をこの順で備えている場合、香料保持組成物5を吸収体14の片方の面に配し、失禁パッド1の厚み方向Zにおいて香料保持組成物5と電解質2とが隣り合うように、吸収体14と発熱構造体Hとを積層して、失禁パッドを製造することができる。
例えば、本発明の吸収性物品は、失禁パッドの他、使い捨ておむつや生理用ナプキン等であっても良い。
2 電解質
3 発熱部
4 仕切り
5 香料保持組成物
12 表面シート
13 裏面シート
14 吸収体
15 防漏カフ
Claims (9)
- 肌対向面側に位置する表面シート、非肌対向面側に位置する裏面シート、及びこれら両シート間に介在された吸収体を備える吸収性物品であって、
前記吸収性物品の厚み方向における前記吸収体よりも前記裏面シート側に、被酸化性金属及び活性炭を含む発熱部と、前記吸収性物品の厚み方向において該発熱部と隣り合う電解質と、香料を保持する香料保持組成物とを備えており、
液吸収前においては前記発熱部と前記電解質とを分離した状態に維持し、液吸収時においては前記発熱部と前記電解質とを接触させる、仕切りを有している、吸収性物品。 - 前記吸収性物品の厚み方向において、前記電解質は、前記発熱部よりも前記表面シート側に配されている、請求項1に記載の吸収性物品。
- 前記吸収性物品の厚み方向において、前記香料保持組成物は、前記発熱部又は前記電解質と隣接した状態に配されている、請求項1又は2に記載の吸収性物品。
- 前記香料保持組成物は、熱溶解性組成物である、請求項1〜3の何れか1項に記載の吸収性物品。
- 前記吸収性物品の厚み方向において、前記香料保持組成物は、前記発熱部及び前記電解質よりも前記裏面シート側に配されている、請求項4に記載の吸収性物品。
- 前記香料保持組成物は、水溶性組成物である、請求項1〜3の何れか1項に記載の吸収性物品。
- 前記吸収性物品の厚み方向において、前記香料保持組成物は、前記発熱部及び前記電解質よりも前記表面シート側に配されている、請求項6に記載の吸収性物品。
- 前記水溶性組成物は、水溶性マイクロカプセルである、前記請求項6又は7に記載の吸収性物品。
- 前記仕切りが、前記発熱部と前記電解質との間に介在されるシート状物である、請求項1〜8の何れか1項に記載の吸収性物品。
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