JP2019194029A - 塗布具 - Google Patents

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Abstract

【課題】塗布芯の周囲に液誘導部を設けた場合に中継芯から確実に液の供給が可能な塗布具を提供する。【解決手段】液を塗布部に誘導する塗布具において、先軸内には、前記塗布部の周囲に管状の液誘導体を配置して当該液誘導体が前記塗布部の外周に接し、該液誘導体の後方から中継芯を装着したものであり、前記フランジの外径に対して、液誘導体の内径が同じかそれ以上であり、前記フランジの外径に対して、中継芯先端の外径が同じかそれ以下であり、前記液誘導体後部の外面又は先軸の後部の内面に干渉部分を設け、前記先軸内に前記液誘導体を装着したときには、前記液誘導体の後部の内周が前記干渉部分(突起等)による押圧によって縮径し、その縮径した液誘導体の後部の内面が前記中継芯の外周に接触するようにした塗布具。【選択図】図1

Description

本発明は、筆記具あるいは化粧用具等の、インクあるいは化粧液等の塗布液を塗布するための塗布具に関する。
周知のように、筆ペン等の筆記具あるいは化粧用具等、インクあるいは化粧液等の塗布液を紙面あるいは肌面等の塗布媒体に塗布する塗布具として、従来種々のものが用いられている。
特に細く塗布する需要が増大しており、それに対応すべく塗布部が小径ながら先端部分への塗布液の誘導を確実に行って、塗布液を良好な状態で塗布しようとする塗布具が開示されている。
例えば特許文献1において、筆記部の中に中芯を装入して液を誘導する塗布具が開示されており、塗布具の塗布液漏れを防止するために、コレクターを先軸と軸体によって覆っている。
また、特許文献2において、細筆の外周に溝の有る液供給部を設けた構造が開示されるが、液供給部が中綿に圧入することにより固定するものであるが、コレクター式の場合は具体的な固定手段が開示されていない。
特開2015−2984号公報 特開2012−101395号公報
本発明は、斯かる実情に鑑み、塗布芯の周囲に液誘導部を設けた場合に中継芯から確実に液の供給が可能な塗布具を提供するものである。
本発明は、後端部が拡径したフランジに形成された塗布部を先軸内に設け、中継芯によって液を塗布部に誘導する塗布具において、
前記先軸内には、前記塗布部の周囲に管状の液誘導体を配置して当該液誘導体が前記塗布部の外周に接し、該液誘導体の後方から中継芯を装着したものであり、
前記フランジの外径に対して、液誘導体の内径が同じかそれ以上であり、
前記フランジの外径に対して、中継芯先端の外径が同じかそれ以下であり、
前記液誘導体の後部の外面又は先軸の後部の内面に干渉部分を設け、
前記先軸内に前記液誘導体を装着したときには、前記液誘導体の後部の内周が前記干渉部分(突起等)による押圧によって縮径し、その縮径した液誘導体の後部の内面が前記中継芯の外周に接触するようにしたことを特徴とする塗布具である。
本発明において、前記先軸内に前記液誘導体を装着したときには、前記液誘導体の外周と先軸内周との間に空隙を設けたことが好適である。
本発明において、前記先軸の先方開口部は、塗布部が露出し、前記液誘導体が露出しない構成であり、
前記先軸の先方開口部の内径が前記液誘導体の先方部の内径に対して、同等かそれ以上に形成されていることが好適である。
本発明において、前記液誘導体の先端側の角部が、面取りの有るR形状に形成されたことが好適である。
本発明において、前記液誘導体が液を誘導する焼結体であることが好適である。
本発明の塗布具によれば、液誘導体後部と、先軸との干渉部分(突起など)により、液誘導体の後部内径を縮径させることで、前記液誘導体と中継芯が接触するようにしたことにより、細い中継芯でも容易に組立てて安定した塗布部の取り付け構造とすることが可能であり、前記中継芯から液誘導体、塗布部に確実に液の供給が可能になるという優れた効果を奏し得る。
なお、本発明において、前記先軸内に前記液誘導体を装着したときに、前記液誘導体の外周と先軸内周との間に空隙を設けることにより、液誘導体を必要以上に圧縮せず、当該液誘導体の変形を適切にできるので液誘導体が多数気孔を設けた焼結芯の場合に気孔率への影響を低減できる。
また、本発明において、前記先軸の先方開口部は、塗布部が露出し、前記液誘導体が露出しない構成とし、前記先軸先方開口部の内径が前記液誘導体の先方部の内径に対して、同等かそれ以上に形成すれば、前記液誘導体が露出させないので、使用時に前記液誘導体で不意に塗布してしまうことを防止できる。また、先軸先方部の内径が(わずかに)広いことで使用時に塗布部の動きが制限せず、塗布部と前記液誘導体の接触を妨げることがない。
本発明の第1実施形態に係るコレクター式塗布具のキャップを装着した状態の説明図であって、(a)が全体側面図、(b)が(a)のB−B線に沿う全体縦断面図、(c)が筆記部からコレクター前部にかけての部分拡大縦断面図である。 前記第1実施形態に係るコレクター式塗布具のキャップを外した状態の説明図であって、(a)が全体側面図、(b)が(a)のB−B線に沿う全体縦断面図、(c)が筆記部からコレクター前部にかけての部分拡大縦断面図である。 前記第1実施形態に係るコレクター式塗布具の先軸の部品図であって、(a)が先方からの視図、(b)が(e)のB部拡大図、(c)が斜視図、(d)が側面図、(e)が(d)のE−E線に沿う断面図、(f)が後方からの視図である。 前記第1実施形態に係るコレクター式塗布具の中継芯の部品図であって、(a)が斜視図、(b)が側面図、(c)が(b)のC−C線に沿う断面図である。 前記第1実施形態に係るコレクター式塗布具の液誘導体の部品図であって、(a)が先方からの斜視図、(b)が先方からの視図、(c)が側面図、(d)が(c)のD−D線に沿う断面図、(e)が後方からの斜視図、(f)が後方からの視図である。 前記第1実施形態に係るコレクター式塗布具について先端部付近の説明図であって、(a)が塗布部及び液誘導体を部組みしたもの、(b)が先端部の組み付け説明図である。 本発明の第2実施形態に係るコレクター式塗布具の液誘導体の部品図であって、(a)が先方からの斜視図、(b)が先方からの視図、(c)が側面図、(d)が(c)のD−D線に沿う断面図、(e)が後方からの斜視図、(f)が後方からの視図である。
以下、本発明の実施形態について添付図面を参照して説明する。
図1〜図2は、本発明の第1実施形態に係るコレクター式塗布具の説明図であり、図1はキャップを装着した状態,図2はキャップを外しした状態を示す。図3が先軸、図4が中継芯、図5が液誘導体(例えば焼結体)の部品図、図6が塗布具の先端部付近の説明図である。図7が第2実施形態に係る液誘導体(例えば焼結体)の部品図である。
第1実施形態に係る塗布具は、図1、図2に示すように、後端部が拡径したフランジ10aに形成された塗布部10を先軸12内に設け、中継芯14によって液を塗布部10に誘導する塗布具である。
先軸12が軸体16(内部が液収容部16aを構成)の先端に嵌着させて固定される。前記先軸12及び軸体16内には、コレクター18が装着されている。
〔コレクター18〕
コレクター18の内部には、先端から後端まで軸方向に沿う中空孔18aが貫通形成され、当該中空孔18a内に密に前記中継芯14が装着されている。また、コレクター18の外部には、枚葉体18bが間隔をおいて複数配列され、枚葉体18b間に液を保留するコレクター18の機能を発揮するようになっている。図6に示すように、枚葉体18bには縦方向(軸方向)にスリット18cが形成されている。
前記コレクター18には、スリット18cを介して枚葉体18b間に毛細管力によって液が一時保留され流入・流出可能になっている。コレクター18は先軸12から前記軸体16にかけての内部に装着されており、コレクター18の後部から軸体16内が液収容部16aになる。
コレクター18の先端部は、カップ状を呈し、そのカップの先端部が先軸12内部に形成された段部12dに突き当たって位置決めすると共に、その先端部の突き当たった箇所の内側で前記先軸12内の液誘導体20の後端を押圧している。また、コレクター18内の中継芯14の先端が塗布部10の後端に当接している。
〔軸体16〕
軸体16には、隔壁16bで仕切られ隔壁より先方が液収容部16aに有り、隔壁16bより後方が筒状で開口し、その開口部が尾栓16cで塞がれている。液収容部16a内には、液(塗布液)を攪拌するための攪拌ボール16dが収容されている。
〔先軸12〕
前記先軸12は、図3に示すように、先方部がテーパー状に先細く、後方部がパイプ状になった、全体が概略管状の中空構造の樹脂製品である。
また、先軸12の先方部と後方部とがあり、後方部の外周面にフランジ部12aが径方向に突出形成される。
また、前記先方部の内部が段状に細径になり(段部12dが形成される)、その細径になった部分に隣接する後方箇所に空気孔12bが軸方向にやや沿って開通した状態に、周方向に複数箇所形成されている。
前記先方部の内面はテーパー状に先細くなり、先端では段状に縮径して開口部12cが形成されている。前記先軸12では、前記開口部12cの内径が前記先方部及び後方部を通じてもっと小径に形成されている。
また、先軸12の先方の内部で前記空気孔12bに隣接する箇所は、若干段状に縮径しさらに弧を描いて縮径して段部12dに繋がる。さらに段部12dの隣接する先方箇所に後述する干渉部分22である環状突起が内向きに突出形成されている。干渉部分22の突起より先方の先軸12の内面は緩やかにテーパー状に縮径している。
図3に示すように、前記先軸12は後部が略円筒状に形成され、その後部外周に前記フランジ部12aが拡経して形成されている。前記先軸12の後部が前記軸体16の先端部に挿入されて固定されている(図1、図2参照)。先軸12の軸体16への装着状態では、そのフランジ部12aが軸体16の先端部に当接して、先軸12が軸体16内に潜り込まないようになっている。
なお、先軸12のフランジ部12aの後部外周には、軸体16に嵌合する際に抜け止めて固着するための凹凸部が複数箇所形成されている。その複数箇所に対応する軸体16の内周部の箇所にも凹凸部が形成されおり、互いに嵌着して液密を保持し、抜け止めしている。
〔キャップ24〕
前記塗布具において、図1に示すように、塗布部10から先軸12にかけて不使用時に覆うキャップ24は、インナーキャップ24aが先軸12の空気孔12bの後方斜面に気密を持って接している。キャップ24の本体は、先軸12に嵌着してフランジ部12aに当接する。なお、符号24bはスプリングである。
また、先軸12、軸体16、コレクター18、キャップ24等は液密性の材料,例えばポリエチレン、ポリプロピレン等の種々の樹脂材で形成できる。
〔塗布部10〕
塗布部10は複数の毛先を有する筆からなるものである。
前記塗布部10は、筆形状であって、外径2.0mm以下の細筆としたものである。塗布部10の筆は、天然繊維、人工繊維のいずれでもよい。図1〜図2においては、塗布部10は樹脂製の繊維を束ねたものであって、先端部が先端ほど細く形成された先細い形状であって、後端部が熱溶着によって外周方向に突出するフランジ状に成形されて(フランジ10a)繊維がバラけないように固着される。塗布部10の後端部において、周辺のフランジ10は繊維同士の間が詰まっていて塗布液が浸み込みにくいが、中央部が繊維束同士の間から塗布液が浸み込み易くなっている。その塗布部10の中央部に中継芯14が突き当たって液収容部16a内の液が誘導される。
なお、塗布部10の材質は、特に限定されないが、例えば、ポリアミド繊維、PBT(ポリブチレンテレフタレート)等のポリエステル繊維からなる合成樹脂繊維が用いることが好適である。
〔液誘導体20〕
前記先軸12内には、前記塗布部10の周囲に管状の液誘導体20を配置して当該液誘導体20が前記塗布部10の外周に接し、該液誘導体20にその後方から中継芯14を装着して、該中継芯14の先端が塗布部10の後端に接している。
前記液誘導体20は、実施形態では、焼結芯からなるが、液を流出可能であれば他の多孔体材料でもよい。また、図5に示すように、液誘導体20の内周部は、後部20aが前部よりも拡径し、外周部はテーパー状に先細くなっている。後部20a内には、段部20a1が形成され、この段部20a1に塗布部10のフランジ10aが当接して、図2に示すように、塗布部10を液誘導体20から抜け止めするものである。
〔中継芯14〕
中継芯14は、図4に示すように、先端部周面に凹部(14a)が形成され、図1、図2にコレクター18に嵌め込んだときにコレクター18の内周突起が嵌合して抜け止めされる構造である。中継芯14は、樹脂材質等の繊維束や成型芯などからなり、毛細管力を発揮して液を誘導可能な構造のものである。
〔化粧料〕
第1実施形態に係る塗布具は、塗布部10として筆穂又はペン芯等の適宜のものを用いる液体化粧料塗布具であって、その液収容部16aに内蔵される液体化粧料は、少なくとも、カーボンブラックと、水と、皮膜形成性樹脂からなる分散剤0.5〜5質量%と、皮膜形成剤2〜15質量%(固形分換算)と、界面活性剤0.5重量%以下とを含有し、かつ、ELD型粘度計による温度25℃、ずり速度3.83S−1での粘度が2〜8mPa・sの範囲とすることができるものである。
化粧料に用いるカーボンブラックは、色材として用いるものであり、黒色系の液体化粧料の色材として通常使用されているカーボンブラックであれば、特に限定されず、各種のカーボンブラックを用いることができる。
このカーボンブラックの含有量は、液体化粧料全量に対して、1〜20質量%が好ましく、更に好ましくは、5〜15質量%である。このカーボンブラックの含有量が1質量%未満では、発色が薄くて化粧料として不十分となり、一方、20質量%を超えると、粘度が高くなり過ぎて、コレクター式や中綿式などの液体化粧料塗布具では液がスムーズに吐出されなくなり、好ましくない。
前記化粧料に用いる分散剤は、皮膜形成性樹脂からなるものであり、色材であるカーボンブラックの分散性を向上させると共に、皮膜形成の樹脂としても機能するものである。
また、前記化粧料に用いることができる分散剤としては、上記機能を有するものであれば、特に限定されず、例えば、アクリル酸、メタクリル酸あるいはこれらのアルキルエステル又は誘導体、酢酸ビニル、ビニルピロリドンの中の1種又は2種以上から選択されるものからなる共重合体や、ベタイン型アルキル酸系両性樹脂などが挙げられ、好ましくは、カーボンブラックの更なる分散性能の点から、アクリル酸、メタクリル酸あるいはそれらのアルキルエステル又は誘導体中から選ばれる1種と酢酸ビニルとの共重合体、ビニルピロリドンと酢酸ビニルとの共重合体、アクリル酸、メタクリル酸あるいはそれらのアルキルエステルの1種以上とオクチルアクリルアミドとの共重合体が望ましく、特に好ましくは、更なる分散性能、皮膜形成能の点から、アクリル酸、メタクリル酸あるいはそれらのアルキルエステルの1種以上とオクチルアクリルアミドとの共重合体である。
これらの分散剤の含有量は、液体化粧料全量に対して、0.5〜5質量%が好ましく、更に好ましくは、2〜4質量%である。
この分散剤の含有量が0.5質量%未満では、色材であるカーボンブラックの分散安定性が不十分となり、一方、5質量%を超えて含有すると、粘度が高くなり過ぎて分散安定性の向上は見られず、経済的でない。
前記化粧料に用いる皮膜形成剤としては、例えば、アクリル酸、メタクリル酸あるいはそれらのアルキルエステル又は誘導体、スチレン、酢酸ビニルの中の1種又は2種以上のモノマーから選択されてなる共重合体のエマルジョン樹脂が挙げられる。
前記化粧料において、上記分散剤も皮膜形成性樹脂からなるものであり、上記分散剤との相違は、可溶性樹脂と、エマルジョン樹脂の点で異なるものであり、エマルジョン樹脂はモノマーを重合溶媒としての水の中で乳化重合させて得られた水懸濁液である。前記化粧料におけるカーボンブラックの分散において、エマルジョン樹脂よりも可溶性樹脂の方が安定したカーボンブラックの分散液が得られている。この点で分別して使用するものである。
前記皮膜形成剤(エマルジョン樹脂)の含有量は、固形分(樹脂分)換算で液体化粧料全量に対して、2〜15質量が好ましく、更に好ましくは、2〜10質量%とすることが望ましい。
これらの皮膜形成剤(エマルジョン樹脂)の含有量が、固形分(樹脂分)換算で2質量%未満では、耐水性能が悪く、一方、固形分(樹脂分)換算で15質量%を超えて含有すると液体化粧料塗布具の塗布部(筆穂やペン芯等)が乾燥して塗布不能になる不具合が発生することが有り、好ましくない。
なお、これら皮膜形成剤(エマルジョン樹脂)の安定化に、界面活性剤が使用されることも有るが、これらに配合されている界面活性剤については、本願発明の固着性に関する影響は少ないので、含有量には、考慮しないものとする。
前記液体化粧料に用いる界面活性剤は、カーボンブラックの分散に関して、分散補助として機能させるものであり、例えば、ノニオン系界面活性剤、アニオン系面活性剤、カチオン系界面活性剤が挙げられ、レシチン、プロピレングリコール脂肪酸エステル、グリセリン脂肪酸エステル、ポリグリセリン脂肪酸エステルの他、ポリオキシエチレンアルキルエーテル、ポリオキシエチレンポリオキシプロピレンアルキルエーテル、ポリオキシエチレンアルキルエーテル燐酸・リン酸塩、ポリエチレングリコール脂肪酸エステル、アルキル硫酸塩、スルホン酸塩、ポリオキシエチレンアルキルエーテル硫酸塩などの1種又は2種以上の混合物が挙げられる。
これらの界面活性剤の含有量は、液体化粧料全量に対して、0.5質量%以下が好ましく、更に好ましくは、0〜0.3質量%とすることが望ましい。
この界面活性剤の含有量が0.5重量%を超えて含有すると、耐水性に劣り、充分な固着力を得ることができなくなり、好ましくない。
前記液体化粧料は、水(精製水、蒸留水、イオン交換水、純水、超純水等を含む)を溶媒とする。この水の含有量は、上記各成分、後述する任意成分を含有した残部となる。
更に、前記液体化粧料には、前記各必須成分等の他に、通常の液体化粧料に用いられる任意成分などを含有せしめることができる。具体的には、防腐剤、酸化防止剤、中和剤、紫外線吸収剤、キレート剤、保湿剤、美容成分、香料、粘度調整剤などを、前記化粧料の効果を損なわない範囲で適宜量含有せしめることができる。
前記液体化粧料は、ELD型粘度計による温度25℃、ずり速度3.83S−1での粘度が2〜8mPa・sの範囲とするものであり、特に好ましくは、3mPa・s〜6mPa・sとすることが望ましい。
この粘度値が2mPa・s未満では、液がしわ等に流れ、にじみの原因となり、一方、8mPa・sを超えると粘度が高いため、本発明の塗布手段として筆穂又はペン芯を用いる液体化粧料塗布具に内蔵される液体化粧料では液がスムーズに吐出されなくなり、好ましくない。なお、粘度測定条件(後述する実施例等も含む)は、具体的には、トキメック社製、ELD型粘度計標準コーンローター1rpmにおける温度25℃、ずり速度3.83(S−1)で測定した値を意味する。
第1実施形態に係る塗布具では、組立てに関して、下記の構造を有する。
図6に当該塗布具の先端部の説明図を示す。
図6に示すように、前記フランジ10aの外径に対して、液誘導体20の拡径した後部20aの内径が同じかそれ以上に設定されている。
また、非装着状態で、中継芯14は、前記フランジ10aの外径に対して、中継芯14先端外径が同じかそれ以下に設定されている。
前記液誘導体20の後部20aの外面を先軸12内面に嵌着するために当該先軸12の後部の内面に突起部からなる干渉部分(突起等)22を設けている。なお、干渉部分22は、先軸12以外に液誘導体20の後部を外径方向に拡径したり突出部を設けたりする等してその液誘導体20自体に形成してもよい。
つまり、先軸12に液誘導体20を組み付けるときには、図6に示すように、前記先軸12内に前記液誘導体20を押圧して装着する。前記液誘導体20の後部の内周には、前記干渉部分(突起等)22による押圧によって図中符号「F」方向に縮径し、その縮径した液誘導体20の後部の内面が前記中継芯14の外周に接触するようにしている。
第1実施形態の塗布具によれば、液誘導体20の後部20aと、先軸12との干渉部分22により、液誘導体20の後部20a内径を縮径させることで、前記液誘導体20と中継芯14が接触するようにした。液誘導体20に塗布部10を装入した状態で、後方からコレクター18と中継芯14とを先軸12内に装入することによって固定できる。
したがって、細い中継芯14でも装入開始時には液誘導体20が縮径していないので装入し易く、コレクター18の前端などで液誘導体20を押圧していくことにより、装入終了時に前記後部20aが縮径して固定できる。
よって、前記の塗布具によれば、容易に組立てて安定した塗布部10の取り付け構造とすることが可能であり、前記中継芯14から塗布部10に直接液を供給できると共に、液誘導体20を経由して、塗布部10に確実に液の供給が可能になるという優れた効果を奏し得る。
また、第1実施形態の塗布具においては、先軸12の先方開口部(開口)12cは、塗布部10が突出して露出し、先軸12内に前記液誘導体20が入り込んで覆われて露出しない構成であり、前記先軸12の先方開口部12cの開口内径が前記液誘導体20の先方部の内径に対して、同等かそれ以上に形成されている。
したがって、前記液誘導体20を露出させないので、使用時に前記液誘導体20で不意に塗布してしまうことを防止できる。また、先軸先方開口部12cの内径が(わずかに)広いことで使用時に塗布部10の動きが制限せず、塗布部10と前記液誘導体20の接触を妨げることがない。
なお、図6の塗布具において、液誘導体20後部20aの内部の段部20a1から後方は、縮径しており差し込んだ塗布部10の後端のフランジ10aが抜け止めできるようになっている。
また、液誘導体20の先部から中央部の外周面、又は、先軸12内周面に、若干弧を描いた凹状部を形成して、先軸内面との間に空隙26を形成してもよい。
第2実施形態に係る塗布具を説明する。
この塗布具は、液誘導体20が図7に示すように、先部から中央部の外周部が糸巻き状に緩やかにくぼんだ凹状部20bになっている。なお、液誘導体20以外の構成は第1実施形態と同様である。
この塗布部においては、前記先軸12内に前記液誘導体20を装着したときには、この凹状部20bがあるため、前記液誘導体20の外周面と先軸12内周面(図7で液誘導体20の外面二点鎖線で仮想的に示す)との間に空隙26が形成されるようにしたものである。
したがって、前記先軸12内に前記液誘導体20を装着したときに、前記液誘導体20の外周と先軸12内周との間に空隙26を設けることができるので、この空隙26によって液誘導体20を必要以上に圧縮せず、当該液誘導体20の変形を適切にできるので液誘導体20が多数気孔を設けたものの場合、焼結芯の場合に気孔率への影響を低減できる。
また、第2実施形態において、前記液誘導体20の先端側の角部20cが、面取りの有るR形状に形成されているので、その面取りの部分で先軸12の肉厚を増やすことができ、先軸12を細くしても先軸12の強度を確保することができる。なお、面取りは断面弧状でも角形状でもよい。
また、後部20aの内部の段部20a1から後方は、ストレートになっており、塗布部10を差し込む際に後端のフランジ10aがスムーズに差し込め、先軸12の干渉部22で縮径して抜け止めそののるようになっている。
なお、本発明は上記実施形態に限定されず、本発明の範囲内で変形実施できる。例えば、液誘導体は多孔の焼結体が好適であるが、液誘導溝を内周又は外周に軸方向に沿って設けた樹脂成型体の液誘導体とすることもできる。
本発明の塗布具は、筆穂又はペン芯を塗布部としたアイライナー又はアイブロー等の化粧料容器のコレクター式塗布具に利用することができる。
10 塗布部
10a フランジ
12 先軸
12a フランジ部
12b 空気孔
12c 先方の開口部(開口)
12d 段部
14 中継芯
16 軸体
16a 液収容部
16b 隔壁
16c 尾栓
16d 攪拌ボール
18 コレクター
18a 中空孔
18b 枚葉体
20 液誘導体
20a 後部
20a1 段部
20b 凹状部
20c 角部
22 干渉部分
24 キャップ
24a インナーキャップ
26 空隙

Claims (5)

  1. 後端部が拡径したフランジに形成された塗布部を先軸内に設け、中継芯によって液を塗布部に誘導する塗布具において、
    前記先軸内には、前記塗布部の周囲に管状の液誘導体を配置して当該液誘導体が前記塗布部の外周に接し、該液誘導体の後方から中継芯を装着したものであり、
    前記フランジの外径に対して、液誘導体の内径が同じかそれ以上であり、
    前記フランジの外径に対して、中継芯先端外径が同じかそれ以下であり、
    前記液誘導体の後部の外面又は先軸の後部の内面に干渉部分を設け、
    前記先軸内に前記液誘導体を装着したときには、前記液誘導体の後部の内周が前記干渉部分による押圧によって縮径し、その縮径した液誘導体の後部の内面が前記中継芯の外周に接触するようにしたことを特徴とする塗布具。
  2. 前記先軸内に前記液誘導体を装着したときには、前記液誘導体の外周と先軸内周との間に空隙を設けたことを特徴とする請求項1に記載の塗布具。
  3. 前記先軸の先方開口部は、塗布部が露出し、前記液誘導体が露出しない構成であり、
    前記先軸の先方開口部の内径が前記液誘導体の先方部の内径に対して、同等かそれ以上に形成されていることを特徴とする請求項1又は2に記載の塗布具。
  4. 前記液誘導体の先端側の角部が、面取りの有るR形状に形成されたことを特徴とする請求項3に記載の塗布具。
  5. 前記液誘導体が焼結体であることを特徴とする請求項1から4のうちの1項に記載の塗布具。
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