JP2019193945A - スタッド溶接機におけるスタッドの保留、排出装置 - Google Patents
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Abstract
Description
図1に示されるように、本実施形態のスタッド溶接機1は、スタッド供給装置(直進フィーダー)2から、例えば、10m程度の長さの長尺のフィードチューブ3を介して、図示されないスタッドボルト(以下、単に「スタッド」と称する。)を1本ずつ自動的に空気搬送で溶接ガン4に供給するために、フィードチューブ3の出口側に、スタッドの保留、排出装置5を設けるようにし、このスタッドの保留、排出装置5から送り出されたスタッドを、搬送路6を介して溶接ガン4に供給するようにしたものである。
次に、スタッドの保留、排出装置5の詳細構造について以下に説明する。
ボディー11は、フィードチューブ3から送られるスタッドの送り方向に所定間隔をあけて配される一側端板部15及び他側端板部16と、一側端板部15及び他側端板部16のそれぞれの端部同士を連結するようにスタッドの送り方向と直交する方向に所定間隔をあけて配される第1連結板部17及び第2連結板部18とを有し、溶接ガン4が配置される側とその反対側の両方に開口された略箱形状に形成されている。
また、一側端板部15におけるスタッド受入部21と圧縮空気噴出部22との間の部分には、軸受部23が形成されている。
また、他側端板部16におけるスタッド送出部24(図3(b)参照)が形成されている部分は、フィードジョイント27及びダクト28を介して溶接ガン4に接続されており、フィードジョイント27及びダクト28によってスタッドの搬送路6が構成されている。
図4(a)に示されるように、回転シリンダ12は、主として、スタッドの送り方向に沿って延びる回転軸線を有する回転シリンダ本体29と、回転シリンダ本体29の回転軸線と同心をなすように回転シリンダ本体29の回転中心部分に貫通状態で嵌合・固定される回転支軸30とにより構成されている。
回転シリンダ12においては、回転支軸30の一端部が一側端板部15の軸受部23(図3(a)参照)によって支持されるとともに、回転支軸30の他端部が他側端板部16の軸受部25(図3(b)参照)によって支持されており、ボディー11に対し回転シリンダ12が回転自在とされている。
回転シリンダ本体29には、その回転中心部分に嵌合・固定される回転支軸30に平行な中心軸線を有する断面円形状の複数(本例の場合2つ)のスタッド保留部31,32がそれぞれ当該回転シリンダ本体29を貫通するように形成されている。
そして、図4(b)に示されるように、2つのスタッド保留部31,32のうち一方のスタッド保留部31がスタッド受入部21と向い合うと同時に他方のスタッド保留部32が圧縮空気噴出部22(スタッド送出部24)と向い合い、また、他方のスタッド保留部32がスタッド受入部21と向い合うと同時に一方のスタッド保留部31が圧縮空気噴出部22(スタッド送出部24)と向い合うことができるように、所定ピッチ円直径の大きさが定められている。
また、図4(b)に示される状態から、図4(b)中矢印方向に回転シリンダ12が90°回転するに伴い移動した状態、すなわち図4(c)に示されるような状態の位置を、「待機位置」と称する。
一側円盤状部33の外周部には、円弧状に切り欠かれた一対の切欠き部35が回転シリンダ本体29の回転中心を基準に対称配置されている。
(1)図5に示されるように、スタッド保留部31,32が待機位置に位置しているときには、一対の近接スイッチ36,37のうちの一方の近接スイッチ36が、一側円盤状部33の外周部における切欠き部35が形成されている部分以外の部分に近接してONとなり、他方の近接スイッチ37が切欠き部35と対向してOFFとなる。
(2)図8に示されるように、スタッド保留部31が待機位置とスタッド受取位置との間に位置している一方で、スタッド保留部32が待機位置とスタッド送給位置との間に位置しているときには、一対の近接スイッチ36,37の両方が一側円盤状部33の外周部における切欠き部35が形成されている部分以外の部分に近接して、一対の近接スイッチ36,37の両方がONとなる。なお、スタッド保留部32が待機位置とスタッド受取位置との間に位置している一方で、スタッド保留部31が待機位置とスタッド送給位置との間に位置しているときにも同様に、一対の近接スイッチ36,37の両方がONとなる。
(3)図9に示されるように、スタッド保留部31がスタッド受取位置に位置していると同時にスタッド保留部32がスタッド送給位置に位置しているときには、一方の近接スイッチ36が切欠き部35と対向してOFFとなり、他方の近接スイッチ37が、一側円盤状部33の外周部における切欠き部35が形成されている部分以外の部分に近接してONとなる。なお、スタッド保留部32がスタッド受取位置に位置していると同時にスタッド保留部31がスタッド送給位置に位置しているときにも同様に、一方の近接スイッチ36がOFFとなり、他方の近接スイッチ37がONとなる。
また、両方の近接スイッチ36,37がONのときには、図8に示されるように、スタッド保留部31が待機位置とスタッド受取位置との間に位置している一方で、スタッド保留部32が待機位置とスタッド送給位置との間に位置していることを検知することができる。もしくは、スタッド保留部32が待機位置とスタッド受取位置との間に位置している一方で、スタッド保留部31が待機位置とスタッド送給位置との間に位置していることを検知することができる
また、一方の近接スイッチ36がOFFで他方の近接スイッチ37がONのときには、図9に示されるように、スタッド保留部31がスタッド受取位置に位置していると同時にスタッド保留部32がスタッド送給位置に位置していることを検知することができる。もしくは、スタッド保留部32がスタッド受取位置に位置していると同時にスタッド保留部31がスタッド送給位置に位置していることを検知することができる。
図10に示されるように、駆動機構13は、主として、ボディー11の一側端板部15寄りの下方に配設される、往復動アクチュエータとしてのエアシリンダ41と、エアシリンダ41の先端側に連結されてボディー11の第2連結板部18に設けられた所要の収容スペースに組み込まれるリンク42と、ボディー11の一側端板部15と回転シリンダ本体29との間に配設される回転用ハンド43と、回転シリンダ本体29の一側円盤状部33に端部が突出状態で植え込まれる複数(本例では4つ)の植込みピン44とにより構成されている。
なお、エアシリンダ41は、シリンダ取付ベース45上にピン46を介して揺動自在に取り付けられるシリンダ設置台47に設置されており、ボディー11から離れる方向にピン46を支点として傾動自在とされている。
リンク42の一端部は、先端金具の2つの山部の間に差し込まれた状態でそれら山部に連結ピン49を介して連結されている。
リンク42の他端部は、連結ピン50を介してボディー11の第2連結板部18に連結されている。
回転用ハンド43の基端部は、連結ピン51を介してリンク42の中間部に連結されている。
回転用ハンド43の先端部には、回転シリンダ本体29に向かって突出し植込みピン44に係合して引っ掛かるような形状の爪部43aが形成されている。
プランジャ52は、図示による詳細説明は省略するが、本体に内蔵されたスプリングの弾性反発力を先端側に突出したピンを介して回転用ハンド43に伝えるようにしたものである。
回転用ハンド43は、プランジャ52によって回転シリンダ本体29に向けて付勢されており、回転用ハンド43の爪部43aが、回転シリンダ本体29の一側円盤状部33の盤面に押し付けられている。
このとき、回転用ハンド43は、プランジャ52を押す方向に傾動され、これによってプランジャ52が押し縮められ、回転用ハンド43を押し戻すような力がプランジャ52に蓄えられる。
図7に示されるように、回転用ハンド43の爪部43aが植込みピン44を乗り越えると、回転用ハンド43はプランジャ52によって押し戻される。
そして、エアシリンダ41が伸長作動すると、先端金具48及びリンク42を介して回転用ハンド43が押し上げられ、図8〜図9に示されるように、回転用ハンド43から植込みピン44に向かって押上げ方向に回転用ハンド43の爪部43aが植込みピン44に係合し、押し上げられる回転用ハンド43の爪部43aによって植込みピン44が押し上げられ、これによって回転シリンダ12が図8中矢印方向に90°回転される。
駆動機構13において、エアシリンダ41は、ボディー11から離れる方向にピン46を支点として傾動自在とされているので、上記のように、ピストンロッドを曲げるような力がエアシリンダ41に作用しても、これを受け流すようにエアシリンダ41が傾動してその力の影響をなくすことができ、エアシリンダ41のピストンロッドの変形や、ピストンロッド回りに配されるシール材等の偏摩耗等の不具合を未然に防ぐことができる。
図5に示されるように、スタッドの保留、排出装置5は、さらに、回転シリンダ12の回転を止めるシリンダロック機構55を備えている。
シリンダロック機構55は、ボディー11の一側端板部(図5〜図9において図示省略)と回転シリンダ本体29との間に配設され、かつリンク42を挟んで回転用ハンド43と隣り合うように配設されるストップハンド56と、前述した駆動機構13の構成部品として用いられる4つの植込みピン44とにより構成されている。
なお、ストップハンド56が、本発明における「係止部材」に、一側円盤状部33の盤面から突出された植込みピン44の端部が、本発明における「凸部」に相当する。
ストップハンド56の基端部は、連結ピン51を介してリンク42の中間部に連結されている。
ストップハンド56の先端部には、植込みピン44に係合して引っ掛かるような形状の段部56aが形成されている。
駆動機構13の作動説明で述べたように、図8〜図9に示されるように、回転用ハンド43から植込みピン44に向かって押上げ方向に爪部43aが植込みピン44に係合した状態でエアシリンダ41が伸長作動すると、先端金具48及びリンク42を介して回転用ハンド43が押し上げられて回転シリンダ12が図8中矢印方向に90°回転されるが、回転シリンダ12が90°回転されると、図9に示されるように、回転用ハンド43と共に押し上げられたストップハンド56の段部56aが植込みピン44と係合して回転シリンダ12の回転を止めることができるようになっている。
また、フィードジョイント27には、回転シリンダ12から送り出されるスタッド60がフィードジョイント27を通過したことを検知するための近接スイッチ62が付設されている。
また、一側端板部15における圧縮空気噴出部22が形成されている部分と図示されないコンプレッサ等の圧縮空気供給源とは、配管アダプタ63、配管継手64及びエアホース65を介して接続されている。
次に、上記のように構成されるスタッドの保留、排出装置5の動作について、主に図13及び図14を用いて以下に説明する。
なお、以下の動作は、一方のスタッド保留部31がスタッド受取位置に、他方のスタッド保留部32がスタッド送給位置に、それぞれ位置している状態から始まる。
図14(a)〜(b)に示されるように、エアシリンダ41が収縮作動するに連動して、回転用ハンド43とストップハンド56とが下方へ移動する。
その後、図14(b)〜(c)に示されるように、エアシリンダ41が伸長作動すると、回転用ハンド43が植込みピン44を押し上げて回転シリンダ12を90°回転させる。
回転シリンダが90°回転すると、ストップハンド56が植込みピン44に当接して回転シリンダ12の回転を止める。
こうして、スタッド60を保留しているスタッド保留部31を、図13(b)及び図14(c)に示されるように、スタッド送給に備える待機位置に確実に位置決めすることができる。
その後、図14(d)〜(e)に示されるように、エアシリンダ41が伸長作動すると、回転用ハンド43が植込みピン44を押し上げて回転シリンダ12を90°回転させる。
回転シリンダが90°回転すると、ストップハンド56が植込みピン44に当接して回転シリンダ12の回転を止める。
こうして、スタッド60を保留しているスタッド保留部31を、図13(c)及び図14(e)に示されるように、スタッド60を送給できるスタッド送給位置へと移動させて確実に位置決めすることができるとともに、スタッド保留部32を、スタッド供給装置2から送り出される次のスタッド60を受け取ることができるスタッド受取位置へと移動させて確実に位置決めすることができる。
なお、スタッド保留部31からスタッド60が溶接ガン4へと送り出されたことは、近接スイッチ62のON信号により検知される。
上記のように溶接ガン4へとスタッド60を送り出すと同時に、スタッド保留部32には、スタッド供給装置2から送り出された次のスタッド60がフィードチューブ3及びフィードチューブアダプタ26を介して供給される。
なお、スタッド保留部32に次のスタッド60が供給されたことは、近接スイッチ61のON信号により検知される。
ここで、溶接ガン4によるスタッド溶接時間(通常、1.5秒程度)に応じて、スタッド保留部31に保留していたスタッド60を溶接ガン4に送り出すタイミングと、スタッド保留部32にスタッド60を受け入れ、保留するタイミングとを、調整することができる。
本実施形態のスタッド溶接機1におけるスタッドの保留、排出装置5によれば、2つのスタッド保留部31,32のそれぞれがスタッド受取位置(第1の位置)からスタッド送給位置(第2の位置)に移動され、スタッド受取位置で受け入れて保留していたスタッド60が、スタッド送給位置で順次に溶接ガン4に送り出されるので、スタッド60の供給に必要となる実質的な供給時間を、スタッド保留部31,32から保留していたスタッド60を溶接ガン4に送り出す時間になるようにして短縮することができ、生産性を向上するに当たってのボトルネックになっていたスタッド溶接機1におけるスタッド60の供給に関する問題点を解消することができる。
この変形例に係るシリンダロック機構70は、図15に示されるように、主として、一側円盤状部33の外周面に球冠状に窪ませて形成される複数(本例では4つ)の凹部71と、凹部71と係合可能にボディー11の第2連結板部18に組み込まれるボール72と、リンク42の他端側に配設される駒73と、リンク42の他端部に突出形成されるフック部74とにより構成されている。
なお、凹部71が本発明における「凹部」に、ボール72が本発明における「係止部材」に相当する。
4つの凹部71においては、スタッド保留部31,32が待機位置に位置しているときから回転シリンダが90°回転する毎に、ボール72が4つの凹部71に順次に係合するように、回転シリンダ本体29の回転中心と各凹部71との距離及び回転シリンダ本体29の回転中心回りの配置が定められている。
また、駒73は、図示されないばね等の付勢手段によってボール受座部75を押し上げる方向に付勢されるとともに、係合子76をリンク42に押し付ける方向に付勢されている。
これにより、凹部71とボール72との係合が解除され、シリンダロックが解除される。
また、ボディー11に設けられるスタッド受入部21と圧縮空気噴出部22(スタッド送出部24)との関係については、スタッド受入部21に対し圧縮空気噴出部22が回転シリンダ12の回転方向に90°ずれた位置に配されている。
また、図18(b)〜(c)に示されるように、スタッド保留部84がスタッド受取位置からスタッド送給位置に移動したときに、他のスタッド保留部81,82,83のいずれか、この場合、スタッド保留部83が、フィードチューブ3から送られるスタッド60をスタッド受取位置で受け入れて保留する。
また、図18(c)〜(d)に示されるように、スタッド保留部83がスタッド受取位置からスタッド送給位置に移動したときに、他のスタッド保留部81,82,84のいずれか、この場合、スタッド保留部82が、フィードチューブ3から送られるスタッド60をスタッド受取位置で受け入れて保留する。
このトラップ手段90は、スタッド保留部31,32の内周壁に配設した板ばね部材からなり、板ばね部材をスタッド60の通路となる内周壁の壁面から若干突出して設けることにより、スタッド60が順方向に移動して通過する際には板ばね部材が押圧されてスタッド60の通過を許容するが、スタッド60が逆方向に移動しようとしても板ばね部材に引っ掛かってスタッド60の逆方向の移動を防止するようにしている。
これにより、スタッドの保留、排出装置5によるスタッド60の受け入れ、保留、送り出しを円滑に行うことができる。
2 スタッド供給装置
3 フィードチューブ
4 溶接ガン
5 スタッドの保留、排出装置
11 ボディー
12 回転シリンダ
13 駆動機構
29 回転シリンダ本体
31 スタッド保留部
32 スタッド保留部
41 エアシリンダ(往復動アクチュエータ)
42 リンク
43 回転用ハンド
44 植込みピン(凸部)
56 ストップハンド(係止部材)
60 スタッド
71 凹部
72 ボール(係止部材)
Claims (3)
- スタッド供給装置から、フィードチューブを介して、スタッドを1本ずつ空気搬送で溶接ガンに供給するスタッド溶接機におけるスタッドの保留、排出装置であって、
フィードチューブの出口側に回転自在に配設される回転シリンダと、該回転シリンダを回転駆動する駆動機構とを備え、
回転シリンダに複数のスタッド保留部を形成してなり、該スタッド保留部のそれぞれは、回転シリンダの回転に伴って順次、フィードチューブから送られるスタッドを第1の位置で受け入れて保留するとともに、駆動機構により回転シリンダが所定角度回転されるに伴い第2の位置に移動したときに、保留していたスタッドを溶接ガンに送り出すようにし、かつ、前記一つのスタッド保留部が第2の位置に移動したときに、他のスタッド保留部のいずれかがフィードチューブから送られるスタッドを第1の位置で受け入れて保留するものである
ことを特徴とするスタッド溶接機におけるスタッドの保留、排出装置。 - 前記回転シリンダにおける回転中心から回転半径方向に離れた部位に凹部又は凸部を形成し、スタッド保留部が第1の位置又は第2の位置に移動したときに該凹部又は凸部に係合して回転シリンダの回転を止める係止部材を設けてなることを特徴とする請求項1に記載のスタッド溶接機におけるスタッドの保留、排出装置。
- 前記駆動機構を、往復動アクチュエータと、該往復動アクチュエータによってリンクを介して操作される回転用ハンドと、該回転用ハンドによって間欠的に操作させる、回転シリンダの円盤状部に端部が突出状態で植え込まれた植込みピンとにより構成してなることを特徴とする請求項1又は2に記載のスタッド溶接機におけるスタッドの保留、排出装置。
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