JP2019190888A - 流体チップ及び分析装置 - Google Patents

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修二 池田
橋本 直孝
Naotaka Hashimoto
直孝 橋本
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Abstract

【課題】微量な試料の分析を行う分析装置に設けられ、この分析装置の小型化を実現でき、かつ、流体チップ自体の小型化と設計の自由度の向上とを図ることができる流体チップ、及びこの流体チップを備えた分析装置を提供する。【解決手段】流体チップ10は、基板21の表面に開口する溝状の表面流路としての下側流路23と、基板21の表面上に設けられた絶縁膜22と、下側流路23の一端に設けられ、下側流路23へ試料を流入させる流入開口部22aと、下側流路23の他端に設けられ、下側流路23から試料を流出させる流出開口部22bと、を備え、流入開口部22aと流出開口部22bとは、絶縁膜22に設けられており、下側流路23を介して接続することを特徴とする。【選択図】図3

Description

本発明は、流体チップ及び分析装置に関する。
微量な試料の分析を行う分析装置として、ナノサイズの径の貫通孔(ナノポアともいう)を有する流路が設けられた流体チップを備えたものが知られている。例えば、特許文献1には、直径が数nm〜数十nmのナノポアが流路内に設けられたシリコン基板を流体チップとして用いて、DNA(Deoxyribonucleic Acid)の塩基配列等の分析を行う分析装置が記載されている。流路は、シリコン基板を貫通する。また、流路は、内壁が傾斜しており、シリコン基板の表面側の開口部が、裏面側の開口部よりも小さくされている。
特許文献1では、シリコン基板は、DNAが供給される供給部と、DNAが回収される回収部との間に設けられる。供給部は、シリコン基板の表面側に設けられた開口部を介して流路と接続する。回収部は、シリコン基板の裏面側に設けられた開口部を介して流路と接続する。供給部と回収部には、DNAの電気泳動を行うための電極対が設けられる。電極対に電圧が印加され、DNAが電気泳動によりナノポアを通過する際の電流値の変化を測定することにより、DNAの塩基配列等の分析が行われる。
特開2015−198652号公報
しかしながら、特許文献1では、シリコン基板を両面から挟むように電極対が設けられるため、各電極を保持するための保持部材同士を離して設ける必要があり、分析装置の小型化の障壁となっている。また、特許文献1では、シリコン基板を貫通する流路を形成するために裏面側の開口部を大きくせざるを得ないため、流体チップのサイズが大きくなるとともに、流路とその開口部の設計の自由度が制限される。
本発明は、微量な試料の分析を行う分析装置に設けられ、この分析装置の小型化を実現でき、かつ、流体チップ自体の小型化と設計の自由度の向上とを図ることができる流体チップ、及びこの流体チップを備えた分析装置を提供することを目的とする。
本発明の流体チップは、基板の表面を開口する溝状に形成された表面流路と、前記基板の表面に設けられた絶縁膜と、前記表面流路の一端に設けられ、前記表面流路へ試料を流入させる流入開口部と、前記表面流路の他端に設けられ、前記表面流路から前記試料を流出させる流出開口部とを備え、前記流入開口部と前記流出開口部とは、前記絶縁膜に設けられており、前記表面流路を介して接続することを特徴とする。
本発明の分析装置は、上記の流体チップと、前記流体チップの表面に設けられた上側シートと、前記試料が供給される供給部と、前記試料が回収される回収部とを備え、前記上側シートは、前記供給部に供給された前記試料を前記流入開口部へ案内する第1の上側流路と、前記流入開口部を流出した前記試料を前記回収部へ案内する第2の上側流路とを有し、前記供給部と前記回収部との間で前記試料を流通させる流通経路を形成することを特徴とする。
本発明の別の分析装置は、上記の流体チップと、前記試料が供給される供給部と、前記試料が回収される回収部とを備え、前記第1の上側流路は、前記供給部に供給された前記試料を前記流入開口部へ案内し、前記第2の上側流路は、前記流入開口部を流出した前記試料を前記回収部へ案内し、前記供給部と前記回収部との間で前記試料を流通させる流通経路を形成することを特徴とする。
本発明によれば、基板の表面に表面流路が設けられていることによって、電極対を基板の同一面に配置することができるため分析装置の小型化を図ることができ、かつ、流路とその開口部を所望の形状や大きさとすることができるため流体チップ自体の小型化と設計の自由度の向上とを図ることができる。
本発明を実施した分析装置を示す分解斜視図である。 本発明を実施した分析装置の平面図である。 分析装置における試料の流通経路を説明する説明図である。 下側流路形成工程を説明する説明図である。 酸化膜埋込工程を説明する説明図である。 開口部形成工程を説明する説明図である。 埋込酸化膜除去工程を説明する説明図である。 第2実施形態の流体チップを実施した分析装置を示す断面概略図である。 第2実施形態の上側流路形成工程を説明する説明図である。 第2実施形態の埋込酸化膜除去工程を説明する説明図である。 第3実施形態の流体チップを実施した分析装置を示す断面概略図である。 第3実施形態の上側流路形成工程を説明する説明図である。 第3実施形態の開口部形成工程を説明する説明図である。 第3実施形態の埋込酸化膜除去工程を説明する説明図である。 第4実施形態の流体チップを実施した分析装置を示す断面概略図である。 第4実施形態の上側流路形成工程を説明する説明図である。 第4実施形態の上側流路追加工工程を説明する説明図である。 第4実施形態の開口部形成工程を説明する説明図である。 第4実施形態の埋込酸化膜除去工程を説明する説明図である。 第5実施形態の流体チップを実装した分析装置を示す断面概略図である。 第1絶縁膜形成工程を説明する説明図である。 溝形成工程を説明する説明図である。 第2絶縁膜形成工程を説明する説明図である。 絶縁膜加工工程を説明する説明図である。
[第1実施形態]
図1に示すように、流体チップ10は、微量の試料の分析を行うための分析装置11に用いられる。分析装置11は、電解質を含む溶液に試料が分散した試料液が内部を流れ、試料が流体チップ10を通過する際の電流値の変化を検出することにより、試料の分析を行う。具体的には、後述する電極対16に電圧を印加することによって、分析装置11内を流通する試料の流通経路のうち、開口面積が最小の最小開口部の内部空間を流れるイオン電流を発生させる。最小開口部の電気抵抗値は、試料が最小開口部を通る際に増大する。このため、イオン電流の値は、最小開口部を通る試料の体積に応じて変化する。最小開口部の内部空間に大きい体積の試料が侵入した場合はイオン電流の値が大きく変化し、最小開口部の内部空間に小さい体積の試料が侵入した場合はイオン電流の値の変化が小さい。分析装置11では、上記の電流値の変化に基づいて、試料の大きさや形状等の分析が行われる。試料は、DNA(Deoxyribonucleic Acid)、たんぱく質、花粉、ウイルス、細胞、有機粒子または無機粒子、PM(Particulate Matter)2.5等の粒子状物質等であり、この例では、DNAである。本実施形態では、後述する流体チップ10の流入開口部22aが最小開口部とされているため、分析装置11は、DNAが流入開口部22aを通過する際の電流値の変化を検出することにより、DNAを構成する核酸塩基分子を識別し、DNAの塩基配列などの分析を行う。なお、本明細書では見やすさを考慮して図面を拡大して示している。
分析装置11は、流体チップ10の他、流路シート12と、カバーシート13と、供給部14と、回収部15と、電極対16とを備える。分析装置11の平面形状は、例えば矩形であり、本実施形態では1辺の長さが25mmの正方形である。
流路シート12は、流体チップ10の表面に設けられる。流路シート12の材料としては、例えばゴムや樹脂等が用いられる。流路シート12は、第1の上側流路12aと第2の上側流路12bとを有する。第1の上側流路12aと第2の上側流路12bとは、本実施形態では、互いに直交する方向に延びている。本図の場合、第1の上側流路12aがY方向に延び、第2の上側流路12bがX方向に延びている。なお、第1の上側流路12aと第2の上側流路12bの方向は、互いに直交する方向に限られず適宜設計することができる。流路シート12は、特許請求の範囲に記載の「上側シート」に対応する。
第1の上側流路12aは、後述する供給部14から供給されたDNAを流体チップ10へ案内する。第1の上側流路12aは、長手方向における一端の幅が他端の幅よりも狭い。本実施形態では、第1の上側流路12aの幅は、長手方向における一端から他端へ向かって段階的に拡大している。第1の上側流路12aの長手方向は図1のY方向であり、第1の上側流路12aの幅方向は図1のX方向である。
第2の上側流路12bは、流体チップ10からのDNAを後述する回収部15へ案内する。第2の上側流路12bは、長手方向における一端の幅が他端の幅よりも狭い。本実施形態では、第2の上側流路12bの幅は、長手方向における一端から他端へ向かって段階的に拡大している。第2の上側流路12bの長手方向は図1のX方向であり、第2の上側流路12bの幅方向は図1のY方向である。
カバーシート13は、流路シート12の表面に設けられる。カバーシート13は、分析装置11の上面を構成する。カバーシート13の材料としては、例えばゴムや樹脂等が用いられる。
供給部14と回収部15とは、分析装置11の同一面に設けられる。本実施形態では、供給部14と回収部15は、カバーシート13、すなわち分析装置11の上面に設けられている。
供給部14は、流体チップ10にDNAを供給するためのものである。供給部14は、第1の上側流路12aの他端に設けられ、第1の上側流路12aを介して流体チップ10と接続する。
回収部15は、流体チップ10からDNAを回収するためのものである。回収部15は、第2の上側流路12bの他端に設けられ、第2の上側流路12bを介して流体チップ10と接続する。
電極対16は、供給部14と回収部15に設けられる。電極対16は、図示しない電源と電流検出装置とに接続する。電源は、電極対16に対して電圧を印加する。電極対16に電圧が印加されることにより、DNAの電気泳動が行われ、DNAが流体チップ10を通過する。なお、供給したDNAは、圧力により流体チップ10を通過するようにしてもよく、電気泳動と圧力を併用して流体チップ10を通過するようにしてもよい。電流検出装置は、DNAが流体チップ10を通過する際に電流値が変化することを利用して、電流値の変化を検出する。
流体チップ10は、基板21と絶縁膜22とを備える。基板21はシリコン基板である。基板21の厚みは、本実施形態では775μmである。厚み方向は、図1のZ方向である。基板21の裏面は、分析装置11の下面を構成する。
基板21には下側流路23が設けられている。下側流路23は、基板21の表面を開口する溝状に形成されている。下側流路23は、特許請求の範囲に記載の「表面流路」に対応する。下側流路23は、長手方向における一端の幅が他端の幅よりも狭い。本実施形態では、下側流路23の幅は、長手方向における一端から他端へ向かって段階的に拡大する。下側流路23の長手方向は図1のX方向であり、下側流路23の幅方向は図1のY方向である。下側流路23の一端は、第1の上側流路12aの一端の下方に配置される。下側流路23の他端は、第2の上側流路12bの他端の下方に配置される。
絶縁膜22は、基板21の表面上に設けられる。絶縁膜22は、例えばSiN膜(シリコン窒化膜)やSiO膜(シリコン酸化膜)等により形成される。本実施形態では、絶縁膜22はSiN膜により形成される。絶縁膜22の厚みは、本実施形態では50nmである。
絶縁膜22には、流入開口部22aと流出開口部22bとが設けられている。本実施形態では、流入開口部22aと流出開口部22bは、流体チップ10の厚み方向に設けられている。流入開口部22aと流出開口部22bとは、下側流路23を介して接続する。
流入開口部22aは、下側流路23の一端に設けられ、下側流路23と第1の上側流路12aとを接続する。流入開口部22aは、第1の上側流路12aから下側流路23へDNAを流入させる。流入開口部22aの平面形状は、例えば円形である。本実施形態では、流入開口部22aの直径は200nmである。なお、流入開口部の直径は、試料に応じて適宜変更してよい。流入開口部の平面形状は、円形の場合に限られず、楕円形、矩形、多角形等としてよい。
流出開口部22bは、下側流路23の他端に設けられ、下側流路23と第2の上側流路12bとを接続する。流出開口部22bは、下側流路23から第2の上側流路12bへDNAを流出させる。流出開口部22bは、長手方向における一端の幅が他端の幅よりも狭い。本実施形態では、流出開口部22bの幅は、長手方向における一端から他端へ向かって段階的に拡大する。流出開口部22bの長手方向は図1のX方向であり、流出開口部22bの幅方向は図1のY方向である。
図2に示すように、分析装置11の平面視において、第1の上側流路12aの一端と下側流路23の一端とは交差しており、この交差部分に流入開口部22aが設けられている。
上記の構成を有する分析装置11は、供給部14と回収部15との間でDNAを流通させる流通経路を形成する。DNAの流通経路について、図2と図3を参照しながら説明する。図3(a)は図2の流入開口部22aを通るY方向のA−A線に沿った断面図であり、図3(b)は図2の流入開口部22aを通るX方向のB−B線に沿った断面図である。以降の説明では、流入開口部を通るY方向の直線に沿った断面図をY方向断面図と称し、流入開口部を通るX方向の直線に沿った断面図をX方向断面図と称する。
図3(a)に示すように、供給部14に供給されたDNAは、第1の上側流路12aを移動し、流入開口部22aから下側流路23へ流入する。図3(b)に示すように、下側流路23に流入したDNAは、流出開口部22bから第2の上側流路12bへ流出し、回収部15で回収される。本実施形態では流入開口部22aが最小開口部とされているため、分析装置11は、DNAが流入開口部22aを通過する際の電流値の変化を検出することによりDNAの分析を行う。
以下、流体チップ10の製造方法について図4〜図7を参照して説明する。流体チップ10は、下側流路形成工程と、酸化膜埋込工程と、開口部形成工程と、埋込酸化膜除去工程とにより製造される。図4〜図7の各図において、(a)はY方向断面図であり、(b)はX方向断面図である。
図4に示すように、下側流路形成工程は、基板26の表面に下側流路23を形成する。基板26としては、シリコン基板が用いられる。基板26の厚みは、本実施形態では775μmである。下側流路形成工程では、基板26の表面上にフォトレジストを塗布してフォトレジスト層(図示なし)を形成し、フォトリソグラフィー技術によりフォトレジスト層をパターニングする。フォトレジスト層には、下側流路23に対応する部分が開口するレジストパターンが形成される。レジストパターンが形成されたフォトレジスト層をマスクとして基板26の表面をドライエッチングする。ドライエッチングの深さは、目的とする下側流路23の深さに基づき設定される。これにより、基板26の表面に下側流路23が形成される。下側流路23が形成された基板26が、流体チップ10の基板21となる。
図5に示すように、酸化膜埋込工程は、基板26に形成された下側流路23に酸化膜を埋め込むことにより、埋込酸化膜27を形成する。酸化膜埋込工程では、まず、基板26の表面に酸化膜を成膜する。酸化膜は、例えば、原料ガスとしてTEOS(テトラエキシシラン)を用いたCVD(Chemical Vapor Deposition)法により形成されるSiO膜(シリコン酸化膜)である。これにより、基板26の表面と下側流路23内に酸化膜が成膜される。次に、酸化膜の表面を平坦化する。平坦化には、例えば、CMP(Chemical Mechanical Polishing)装置が用いられる。平坦化は、基板26の表面が露出するように行うことが好ましい。平坦化により、基板26の表面上の酸化膜が除去され、下側流路23内の酸化膜が残る。下側流路23内に残った酸化膜が埋込酸化膜27である。
図6に示すように、開口部形成工程は、基板26の表面に設けられた絶縁膜28に流入開口部22aと流出開口部22bとを形成する。開口部形成工程では、まず、基板26の表面に絶縁膜28を形成する。絶縁膜28は、例えば、原料ガスとしてDCS(ジクロロシラン)を用いたCVD法により形成される。その後、絶縁膜28に流入開口部22aと流出開口部22bとを形成する。流入開口部22aと流出開口部22bは、例えば下側流路23と同様の方法により形成される。すなわち、流入開口部22aと流出開口部22bは、絶縁膜28の表面上にフォトレジストを塗布してフォトレジスト層(図示なし)を形成し、フォトリソグラフィー技術によりパターニングし、レジストパターンが形成されたフォトレジスト層をマスクとして絶縁膜28をドライエッチングすることにより形成される。流入開口部22aと流出開口部22bとが形成された絶縁膜28が、流体チップ10の絶縁膜22となる。
図7に示すように、埋込酸化膜除去工程は、下側流路23内の埋込酸化膜27を除去する。埋込酸化膜除去工程は、開口部形成工程を経た基板26をウェットエッチング液に浸漬してウェットエッチングを行う。ウェットエッチング液としては、例えばHF(フッ化水素酸)が用いられる。ウェットエッチング液が、流入開口部22aと流出開口部22bとから入り込み、等方性エッチングにより埋込酸化膜27が除去され、流体チップ10が得られる。
分析装置11は、上記の工程を経て製造された流体チップ10の表面に、流路シート12とカバーシート13とを順に貼り付けて、供給部14と回収部15に電極対16を設けることにより作製される。分析装置11は、DNAが流通する流通経路のうち、流入開口部22aの開口面積が、流入開口部22a以外の流路の各開口面積よりも十分に小さいことが好ましい。こうすることで、流入開口部22aの電気抵抗値と、流入開口部22a以外の流路の電気抵抗値との差が十分に大きくなり、より確実に分析を行うことができる。
以上のように、流体チップ10は、基板21の表面に下側流路23が設けられていることにより、供給部14と回収部15を同一面に設けることができる。このため、流体チップ10では、電極対16を同一面に配置することができ、分析装置11の小型化が図れる。さらに、流体チップ10は、第1の上側流路12a、第2の上側流路12b、下側流路23、流入開口部22a、及び、流出開口部22bなどを所望の形状や大きさとすることができるため、流体チップ10自体の小型化と設計の自由度の向上とを図ることができる。
流体チップ10は、第1の上側流路12aと下側流路23との各面積を小さくすることで、第1の上側流路12aと下側流路23とで対を成す流路対を複数設けることができる。複数の流路対を形成する際は、例えば、1つの第1の上側流路12aに対して複数の下側流路23を交差させ、各交差部分に流入開口部22aを設ける。また、1つの下側流路23に対して複数の第1の上側流路12aを交差させてもよいし、複数の第1の上側流路12aと複数の下側流路23とを互いに交差させてもよい。このように、流体チップ10に複数の流路対を形成し、第1の上側流路12aと下側流路23との各交差部分に流入開口部22aを設けることにより、複数の試料を効率的に分析することができる。
[第2実施形態]
上記第1実施形態では、流体チップ10の表面に流路シート12を貼り付けることにより第1の上側流路12aと第2の上側流路12bを形成しているが、第2実施形態では、流路シート12を用いずに上側流路を形成する。以下、上記第1実施形態と同じ部材については、同符号を付して説明を省略する。
図8に示すように、分析装置41は、カバーシート13と、供給部14と、回収部15と、電極対16と、流体チップ40とを備える。第2実施形態では、カバーシート13が流体チップ40の表面に設けられる。図8において、(a)はY方向断面図であり、(b)はX方向断面図である。
流体チップ40は、基板21と、絶縁膜22と、上側流路膜42とを備える。上側流路膜42は、絶縁膜22の表面に設けられる。上側流路膜42の材料としては、例えば、フォトリソグラフィー技術によりパターニングすることができる材料が用いられる。本実施形態では、上側流路膜42の材料として感光性ポリイミドが用いられる。上側流路膜42は、特許請求の範囲に記載の「第1の流路膜」に対応する。
上側流路膜42には、第1の上側流路42aと第2の上側流路42bとが形成されている。第1の上側流路42aは、供給部14から供給されたDNAを流入開口部22aへ案内する。第2の上側流路42bは、流出開口部22bから流出したDNAを回収部15へ案内する。図示していないが、第1の上側流路42aと第2の上側流路42bは、平面視において互いに直交する方向に延びる。なお、第1の上側流路42aと第2の上側流路42bの方向は、互いに直交する方向に限られず、適宜設計することができる。第1の上側流路42aと第2の上側流路42bの平面形状は、第1の上側流路12aと第2の上側流路12bの平面形状と同様であり、それぞれ、長手方向における一端の幅が他端の幅よりも狭い。
上記の構成を有する分析装置41では、図8(a)に示すように、供給部14に供給されたDNAが、第1の上側流路42aを移動し、流入開口部22aから下側流路23へ流入する。図8(b)に示すように、下側流路23に流入したDNAは、流出開口部22bから第2の上側流路42bへ流出し、回収部15で回収される。このように、分析装置41は、供給部14と回収部15との間でDNAを流通させる流通経路を形成する。
流体チップ40の製造方法について図9及び図10を参照して説明する。図9及び図10の各図において、(a)はY方向断面図であり、(b)はX方向断面図である。流体チップ40は、下側流路形成工程と、酸化膜埋込工程と、開口部形成工程と、上側流路形成工程と、埋込酸化膜除去工程とにより製造される。流体チップ40の製造方法は、開口部形成工程と埋込酸化膜除去工程の間に上側流路形成工程を有することが、第1実施形態の流体チップ10の製造方法とは異なる。
下側流路形成工程、酸化膜埋込工程、及び、開口部形成工程は、第1実施形態の流体チップ10の製造方法と同様である。すなわち、下側流路形成工程は、基板26の表面に下側流路23を形成する(図4参照)。酸化膜埋込工程は、基板26に形成された下側流路23に酸化膜を埋め込むことにより、埋込酸化膜27を形成する(図5参照)。開口部形成工程は、基板26の表面に設けられた絶縁膜28に流入開口部22aと流出開口部22bとを形成する(図6参照)。
図9に示すように、上側流路形成工程は、絶縁膜28の表面に設けられた上側流路膜42に第1の上側流路42aと第2の上側流路42bとを形成する。上側流路形成工程では、まず、絶縁膜28の表面に例えばポジ型の感光性ポリイミドを塗布して感光性ポリイミド層(図示なし)を形成する。その後、図示しない露光装置を用いて感光性ポリイミド層を露光する。露光装置により、感光性ポリイミド層のうち、第1の上側流路42aと第2の上側流路42bとに対応する部分が露光される。露光は、例えば、第1の上側流路42aと第2の上側流路42bとに対応する部分のみが開口したフォトマスクを用いて行われる。露光後の感光性ポリイミド層を現像することにより、感光性ポリイミド層のうち、感光された部分、すなわち第1の上側流路42aと第2の上側流路42bとに対応する部分が除去され、感光されていない部分が残る。現像後の感光性ポリイミド層は、絶縁膜28の表面に形成されており、これが流体チップ40の上側流路膜42となる。
図10に示すように、埋込酸化膜除去工程は、上側流路形成工程を経た基板26をウェットエッチング液に浸漬してウェットエッチングを行うことにより、埋込酸化膜27を除去する。ウェットエッチング液としては、例えばHFが用いられる。埋込酸化膜27を除去することにより、流体チップ40が得られる。
流体チップ40は、フォトリソグラフィー技術により絶縁膜28の表面に上側流路膜42を形成することができる。このため、流体チップ40は、絶縁膜28の表面に、良好な合わせ精度で第1の上側流路42aと第2の上側流路42bとを形成することができる。第1実施形態では、流路シートの寸法精度と、流路シートを貼り付ける工程における合わせ精度を確保することが難しいが、第2実施形態では、第1の上側流路42aと第2の上側流路42bの寸法精度および合わせ精度を確保しつつ、製造工程の簡略化を図ることができる。また、流体チップ40は、上側流路膜42を例えばメッシュ構造とするなど用途に合わせて微細加工することができるため、設計の自由度に優れる。
なお、上側流路形成工程では、上記のように感光性ポリイミド層を露光及び現像したものを上側流路膜42とすることに限られない。例えば、上側流路形成工程では、基板26の表面に上側流路膜42の材料となる膜を形成し、その膜の表面にフォトレジスト層を形成し、フォトリソグラフィー技術によりフォトレジスト層をパターニングし、レジストパターンが形成されたフォトレジスト層をマスクとして膜をエッチングし、フォトレジスト層を除去することで、上側流路膜42を形成してもよい。
[第3実施形態]
上記第2実施形態では、絶縁膜28の表面上に上側流路膜42が設けられているが、第3実施形態では、基板と絶縁膜との間に上側流路膜が設けられる。
図11に示すように、分析装置51は、カバーシート13と、供給部14と、回収部15と、電極対16と、流体チップ50とを備える。図11において、(a)はY方向断面図であり、(b)はX方向断面図である。
流体チップ50は、基板21と、上側流路膜52と、絶縁膜53とを備える。上側流路膜52は、基板21と絶縁膜53との間に設けられる。上側流路膜52は、後述する絶縁膜53の形成の際に変質等しない程度の耐熱性を有する材料で形成されることが好ましい。例えば、上側流路膜52は、SiN膜やSiO膜などの無機膜により形成され、本実施形態ではSiN膜により形成される。上側流路膜52は、特許請求の範囲に記載の「第2の流路膜」に対応する。
上側流路膜52には、第1の上側流路52aと第2の上側流路52bとが形成されている。第1の上側流路52aは、後述する流入開口部53aを介して、下側流路23と接続する。第2の上側流路52bは、下側流路23と接続する。図示していないが、第1の上側流路52aと第2の上側流路52bは、平面視において互いに直交する方向に延びる。なお、第1の上側流路52aと第2の上側流路52bの方向は、互いに直交する方向に限られず適宜設計することができる。第1の上側流路52aと第2の上側流路52bの平面形状は、第1実施形態の第1の上側流路42aと第2の上側流路42bの平面形状と同様であり、それぞれ、長手方向における一端の幅が他端の幅よりも狭い。
絶縁膜53は、上側流路膜52の表面に設けられる。絶縁膜53は、例えばSiN膜により形成される。絶縁膜53には、上側流路膜52の表面と基板21の表面に沿って段差部54が形成されている。
絶縁膜53には、流入開口部53aと流出開口部53bとが設けられている。流入開口部53aは、段差部54に設けられており、第1の上側流路52aと下側流路23とを接続する。第3実施形態では、流入開口部53aが最小開口部とされている。流出開口部53bは、絶縁膜53のうち第2の上側流路52bに対応する部分に設けられ、第2の上側流路52bを介して下側流路23と接続する。
上記の構成を有する分析装置51では、図11(a)に示すように、供給部14に供給されたDNAが、第1の上側流路52aを移動し、流入開口部53aから下側流路23へ流入する。図11(b)に示すように、下側流路23に流入したDNAは、第2の上側流路52bと流入開口部53aとを順に通過し、回収部15で回収される。このように、分析装置51は、供給部14と回収部15との間でDNAを流通させる流通経路を形成する。
流体チップ50の製造方法について図12〜図14を参照して説明する。図12〜図14の各図において、(a)はY方向断面図であり、(b)はX方向断面図である。流体チップ50は、下側流路形成工程と、酸化膜埋込工程と、上側流路形成工程と、開口部形成工程と、埋込酸化膜除去工程とにより製造される。流体チップ50の製造方法は、酸化膜埋込工程と開口部形成工程との間に上側流路形成工程を有することが、第2実施形態の流体チップ40の製造方法とは異なる。
下側流路形成工程と酸化膜埋込工程は、第2実施形態の流体チップ40の製造方法と同様である。すなわち、下側流路形成工程は、基板26の表面に下側流路23を形成する(図4参照)。酸化膜埋込工程は、基板26に形成された下側流路23に酸化膜を埋め込むことにより、埋込酸化膜27を形成する(図5参照)。
図12に示すように、上側流路形成工程は、基板21の表面に設けられた無機膜56に、第1の上側流路52aと第2の上側流路52bとを形成する。上側流路形成工程では、まず、基板21の表面に無機膜56としてSiN膜を形成する。無機膜56は、例えば、原料ガスとしてDCSを用いたCVD法により形成される。その後、無機膜56に第1の上側流路52aと第2の上側流路52bとを形成する。第1の上側流路52aと第2の上側流路52bは、例えば、無機膜56の表面上にフォトレジストを塗布してフォトレジスト層(図示なし)を形成し、フォトリソグラフィー技術によりパターニングし、レジストパターンが形成されたフォトレジスト層をマスクとして無機膜56をドライエッチングすることにより形成される。第1の上側流路52aと第2の上側流路52bとが形成された無機膜56が、流体チップ40の上側流路膜52となる。
図13に示すように、開口部形成工程は、無機膜56の表面に設けられた絶縁膜57に流入開口部53aと流出開口部53bとを形成する。開口部形成工程では、まず、無機膜56の表面に絶縁膜57を形成する。絶縁膜57は、例えば、原料ガスとしてDCSを用いたCVD法により形成される。絶縁膜57のうち、第1の上側流路52aに対応する部分には段差部54が形成される。その後、絶縁膜57に流入開口部53aと流出開口部53bとを形成する。流入開口部53aと流出開口部53bは、フォトリソグラフィー技術によりレジストパターンを形成したフォトレジスト層をマスクとして用いて、絶縁膜57をドライエッチングすることにより形成される。流入開口部53aは、段差部54に形成される。流出開口部53bは、絶縁膜57のうち第2の上側流路52bに対応する部分に形成される。流入開口部53aと流出開口部53bとが形成された絶縁膜57が、流体チップ50の絶縁膜53となる。
図14に示すように、埋込酸化膜除去工程は、開口部形成工程を経た基板26をウェットエッチング液に浸漬してウェットエッチングを行うことにより、埋込酸化膜27を除去する。ウェットエッチング液としては、例えばHFが用いられる。埋込酸化膜27を除去することにより、流体チップ50が得られる。
流体チップ50は、フォトリソグラフィー技術により基板21の表面に上側流路膜52を形成することができるため、流体チップ40と同様に、第1の上側流路52aと第2の上側流路52bの寸法精度および合わせ精度を確保しつつ、製造工程の簡略化を図ることができ、かつ、設計の自由度に優れる。
[第4実施形態]
第4実施形態は、上側流路を形成する際に深さ方向にオーバーエッチングし、上側流路を第3実施形態よりも深くしたものである。
図15に示すように、分析装置61は、カバーシート13と、供給部14と、回収部15と、電極対16と、流体チップ60とを備える。図15において、(a)はY方向断面図であり、(b)はX方向断面図である。
流体チップ60は、基板62と、上側流路膜52と、絶縁膜63とを備える。基板62はシリコン基板である。基板62の表面には、第1の凹部64と、第2の凹部65と、下側流路66とが形成されている。第1の凹部64は、第1の上側流路52aに対応する。第2の凹部65は、第2の上側流路52bに対応する。下側流路66は、第1の凹部64と第2の凹部65に設けられている。
絶縁膜63は、上側流路膜52の表面に設けられる。絶縁膜63は、例えばSiN膜により形成される。絶縁膜63は、上側流路膜52の表面と第1の凹部64の表面とに沿って形成された段差部67を有する。
絶縁膜63には、流入開口部63aと流出開口部63bとが設けられている。流入開口部63aは、絶縁膜63のうちの段差部67に設けられている。第4実施形態では、流入開口部63aが最小開口部とされている。流入開口部63aを介して、第1の上側流路52aと下側流路66とが接続される。流出開口部63bは、絶縁膜63のうちの第2の上側流路52bに対応する部分に設けられており、第2の上側流路52bと第2の凹部65を介して、下側流路66と接続する。
上記の構成を有する分析装置61では、図15(a)に示すように、供給部14に供給されたDNAが、第1の上側流路52aを移動し、流入開口部63aから下側流路66へ流入する。図15(b)に示すように、下側流路66に流入したDNAは、第2の凹部65、第2の上側流路52b、流入開口部63aを順に通過し、回収部15で回収される。このように、分析装置61は、供給部14と回収部15との間でDNAを流通させる流通経路を形成する。
流体チップ60の製造方法について図16〜図19を参照して説明する。図16〜図19の各図において、(a)はY方向断面図であり、(b)はX方向断面図である。流体チップ60は、下側流路形成工程と、酸化膜埋込工程と、上側流路形成工程と、上側流路追加工工程と、開口部形成工程と、埋込酸化膜除去工程とにより製造される。
図16は、下側流路形成工程、酸化膜埋込工程、上側流路形成工程を順に実施して得られた製造途中の流体チップを示す。下側流路形成工程では、基板68の表面に下側流路66が形成される。下側流路66の形成方法は、ドライエッチングの深さが異なること以外は、下側流路23の形成方法と同様である。酸化膜埋込工程では、基板68に形成された下側流路66に酸化膜を埋め込むことにより、埋込酸化膜27を形成する。上側流路形成工程では、基板68の表面に設けられた無機膜56に、第1の上側流路52aと第2の上側流路52bとが形成される。
図17に示すように、上側流路追加工工程は、基板68の表面をオーバーエッチングすることにより、第1の凹部64と第2の凹部65とを形成する。上側流路追加工工程では、例えば無機膜56をマスクとして、基板68と埋込酸化膜27のエッチングを行う。これにより、基板68と埋込酸化膜27のうち、第1の上側流路52aと第2の上側流路52bとに対応する部分が除去され、第1の凹部64と第2の凹部65とが形成される。第1の凹部64と第2の凹部65と下側流路66とが形成された基板68が、流体チップ60の基板62となる。なお、上側流路追加工工程では、無機膜56をマスクとして用いる代わりに、上側流路形成工程において無機膜56をエッチングするためにパターニングしたフォトレジスト層をマスクとして用いてもよい。これにより、無機膜56のエッチングと、第1の凹部64及び第2の凹部65のエッチングとを連続して行うこととしてもよい。
図18に示すように、開口部形成工程は、無機膜56の表面に設けられた絶縁膜69に流入開口部63aと流出開口部63bとを形成する。絶縁膜69は、例えば、原料ガスとしてDCSを用いたCVD法により形成される。絶縁膜69のうち、第1の上側流路52aと第1の凹部64に対応する部分には段差部67が形成される。その後、絶縁膜69に流入開口部63aと流出開口部63bとを形成する。流入開口部63aと流出開口部63bの形成方法は、第3実施形態と同様である。すなわち、流入開口部63aと流出開口部63bは、フォトリソグラフィー技術によりレジストパターンを形成したフォトレジスト層をマスクとして用いて、絶縁膜69の表面をドライエッチングすることにより形成される。流入開口部63aと流出開口部63bとが形成された絶縁膜69が、流体チップ60の絶縁膜63となる。
図19に示すように、埋込酸化膜除去工程は、開口部形成工程を経た基板68をウェットエッチング液に浸漬してウェットエッチングを行うことにより、埋込酸化膜27を除去する。ウェットエッチング液としては、例えばHFが用いられる。埋込酸化膜27を除去することにより、流体チップ60が得られる。
流体チップ60は、基板62の表面に第1の凹部64と第2の凹部65とが形成され、第1の凹部64と第2の凹部65に下側流路66が設けられているため、十分な流路高さが得られる。このため、流体チップ60は、長い試料の分析を行う場合であっても、試料をスムーズに流通させることができる。
[第5実施形態]
上記各実施形態では、流体チップの厚み方向に最小開口部としての流入開口部が設けられているが、第5実施形態では、流体チップの厚み方向とは異なる方向に最小開口部が設けられる。
図20に示すように、流体チップ70は、例えば第1実施形態の流体チップ10の代わりに分析装置11に設けられる。流体チップ70は、基板21と絶縁膜22に加え、流路内開口部72を備える。図20において、(a)はY方向断面図であり、(b)はX方向断面図である。
流路内開口部72は、下側流路23のうち、流入開口部22aと流出開口部22bとの間に設けられている。第5実施形態では、流路内開口部72が最小開口部とされている。すなわち、流路内開口部72の開口面積は、流入開口部22aと流出開口部22bの各開口面積よりも小さい。流路内開口部72は、流体チップ70の厚み方向とは異なる方向に設けられており、この例では流体チップ70の厚み方向と直交する方向に設けられている。
図21〜図24を参照し、流体チップ70の製造方法の一例を説明する。図21〜図24の各図において、(a)はY方向断面図であり、(b)はX方向断面図である。流体チップ70は、下側流路形成工程、第1絶縁膜形成工程、溝形成工程、第2絶縁膜形成工程、絶縁膜加工工程、酸化膜埋込工程、開口部形成工程、埋込酸化膜除去工程を順に実施することにより製造される。流体チップ70の製造方法は、第1絶縁膜形成工程、溝形成工程、第2絶縁膜形成工程、及び、絶縁膜加工工程を有することが、第1実施形態の流体チップ10の製造方法とは異なる。
下側流路形成工程は、第1実施形態の流体チップ10の製造方法と同様である。すなわち、下側流路形成工程は、ドライエッチングにより基板26の表面に下側流路23を形成する(図4参照)。
図21に示すように、第1絶縁膜形成工程は、下側流路23に第1の絶縁膜75を形成する。第1の絶縁膜75は、例えば、原料ガスとしてDCSを用いたCVD法と、CMP装置を用いた平坦化とを行うことにより形成される。この例では、第1の絶縁膜75は、SiN膜により形成される。
図22に示すように、溝形成工程は、第1の絶縁膜75に溝76を形成する。溝76の平面形状は、例えば長方形とされる。図22(a)に示すように、溝76の短辺の長さは、流路内開口部72における厚み方向と直交する幅方向の長さ、すなわち流路内開口部72の幅となる。溝76の深さは、流路内開口部72における厚み方向の長さ、すなわち流路内開口部72の高さとなる。溝76は、例えば、第1の絶縁膜75の表面上にフォトレジストを塗布してフォトレジスト層(図示なし)を形成し、フォトリソグラフィー技術によりパターニングし、レジストパターンが形成されたフォトレジスト層をマスクとして第1の絶縁膜75をドライエッチングすることにより形成される。
図23に示すように、第2絶縁膜形成工程は、溝76に第2の絶縁膜77を形成する。第2の絶縁膜77は、例えば、原料ガスとしてTEOSを用いたCVD法と、CMP装置を用いた平坦化とを行うことにより形成される。この例では、第2の絶縁膜77は、SiO膜により形成される。
図24に示すように、絶縁膜加工工程は、第1の絶縁膜75と第2の絶縁膜77とを加工して板状体78を形成する。板状体78の平面形状は、長方形とされる。図24(b)に示すように、板状体78の短辺の長さは、流路内開口部72における厚み方向および幅方向と直交する方向の長さ、すなわち流路内開口部72の長さとなる。絶縁膜加工工程では、例えば、ドライエッチングが行われる。
絶縁膜加工工程後、第1実施形態の流体チップ10の製造方法と同様に、酸化膜埋込工程、開口部形成工程、埋込酸化膜除去工程を順に実施する。酸化膜埋込工程では、原料ガスとしてTEOSを用いたCVD法と、CMP装置を用いた平坦化とを行うことにより、下側流路23に埋込酸化膜27を形成する(図示省略)。開口部形成工程では、原料ガスとしてDCSを用いたCVD法を行うことにより基板26の表面に絶縁膜28を形成し(図示省略)、フォトリソグラフィー技術を用いて絶縁膜28に流入開口部22aと流出開口部22bを形成する(図示省略)。第5実施形態では、流入開口部22aと流出開口部22bの各開口面積が流路内開口部72の開口面積よりも十分に大きくなるように開口部形成工程を実施する。埋込酸化膜除去工程では、ウェットエッチング液としてHFを用いたウェットエッチングを行う。埋込酸化膜除去工程の実施により、埋込酸化膜27が除去され、板状体78のうちの第2の絶縁膜77が除去され、下側流路23内には第1の絶縁膜75が残る。残った第1の絶縁膜75により形成される板状体78が、流路内開口部72となる。流路内開口部72の開口面積は、溝76の短辺の長さと溝76の深さとにより決定される。溝76の短辺の長さと溝76の深さとのうち、溝76の深さはフォトリソグラフィー技術の最小加工寸法以下とすることができる。このため、流体チップ70は、最小開口部としての流路内開口部72の設計の自由度に優れる。
なお、流路内開口部72は、第4実施形態の流体チップ60の下側流路66に設けてもよい。流路内開口部72は、下側流路23,66に設ける場合に限られず、第1の上側流路12a,42a,52aに設けることができる。例えば、第2実施形態の流体チップ40の場合は、流路内開口部72は、第1の上側流路42aのうち、流入開口部22aよりも上流に設けられる。この例では、流体チップ40の製造方法として、上側流路形成工程と埋込酸化膜除去工程との間に、第1絶縁膜形成工程、溝形成工程、第2絶縁膜形成工程、絶縁膜加工工程を追加して順に実施することにより、流路内開口部72を形成することができる。
上記各実施形態では、第1の上側流路、第2の上側流路、流出開口部、及び、下側流路の各平面形状は、長手方向における一端から他端へ向かって幅が段階的に拡大する形状とされているが、これに限られず、例えば直線状としてもよい。
第1の上側流路、第2の上側流路、及び、下側流路は、メッシュ構造の流路としてもよい。第1の上側流路と第2の上側流路とをメッシュ構造とした場合は、カバーシートのたわみによって流通経路が塞がれることが抑制される。
供給部と回収部は、分析装置の上面に設けられる場合に限られず、分析装置の側面に設けてもよい。例えば、第1実施形態の分析装置11において、供給部14と回収部15を流路シート12の側面のうちの同一面に設けてもよい。この例では、流路シート12に、第1の上側流路12aの他端と供給部14とを接続する第1の接続溝と、第2の上側流路12bの他端と回収部15とを接続する第2の接続溝とを形成する。このように、供給部と回収部を分析装置の同一面に設けることにより、電極対を同一面に配置することができるので、分析装置の小型化が図れる。
10,40,50,60,70 流体チップ
11,41,51,61 分析装置
12 流路シート
12a,42a,52a 第1の上側流路
12b,42b,52b 第2の上側流路
13 カバーシート
14 供給部
15 回収部
16 電極対
21,26,62,68 基板
22,28,53,57,63,69 絶縁膜
22a,53a,63a 流入開口部
22b,53b,63b 流出開口部
23,66 下側流路
27 埋込酸化膜
42,52 上側流路膜
54,67 段差部
56 無機膜
64 第1の凹部
65 第2の凹部
72 流路内開口部

Claims (8)

  1. 基板の表面を開口する溝状に形成された表面流路と、
    前記基板の表面に設けられた絶縁膜と、
    前記表面流路の一端に設けられ、前記表面流路へ試料を流入させる流入開口部と、
    前記表面流路の他端に設けられ、前記表面流路から前記試料を流出させる流出開口部と
    を備え、
    前記流入開口部と前記流出開口部とは、前記絶縁膜に設けられており、前記表面流路を介して接続することを特徴とする流体チップ。
  2. 前記流入開口部を介して前記表面流路と接続する第1の上側流路と、
    前記流出開口部を介して前記表面流路と接続する第2の上側流路と
    を備えることを特徴とする請求項1に記載の流体チップ。
  3. 前記絶縁膜の表面に設けられた第1の流路膜を備え、
    前記第1の上側流路と前記第2の上側流路は、前記第1の流路膜に形成されていることを特徴とする請求項2に記載の流体チップ。
  4. 前記基板と前記絶縁膜との間に設けられた第2の流路膜を備え、
    前記第1の上側流路と前記第2の上側流路は、前記第2の流路膜に形成されていることを特徴とする請求項2に記載の流体チップ。
  5. 前記基板の表面には凹部が形成されており、
    前記表面流路は、前記凹部に設けられていることを特徴とする請求項2〜4のいずれか1項に記載の流体チップ。
  6. 請求項1に記載の流体チップと、
    前記流体チップの表面に設けられた上側シートと、
    前記試料が供給される供給部と、
    前記試料が回収される回収部と
    を備え、
    前記上側シートは、前記供給部に供給された前記試料を前記流入開口部へ案内する第1の上側流路と、前記流入開口部を流出した前記試料を前記回収部へ案内する第2の上側流路とを有し、
    前記供給部と前記回収部との間で前記試料を流通させる流通経路を形成することを特徴とする分析装置。
  7. 請求項2〜5のいずれか1項に記載の流体チップと、
    前記試料が供給される供給部と、
    前記試料が回収される回収部と
    を備え、
    前記第1の上側流路は、前記供給部に供給された前記試料を前記流入開口部へ案内し、
    前記第2の上側流路は、前記流入開口部を流出した前記試料を前記回収部へ案内し、
    前記供給部と前記回収部との間で前記試料を流通させる流通経路を形成することを特徴とする分析装置。
  8. 前記供給部と前記回収部とが同一面に設けられていることを特徴とする請求項6または7に記載の分析装置。
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