JP2019190252A - 便器装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】スパッドを有するフラッシュバルブ式の便器の上面に、便器洗浄タンクを容易に取り付けることができる便器装置を提供すること。【解決手段】スパッド25が設けられた便器本体21と、便器本体21に洗浄水を供給する便器洗浄装置3と、を有する便器装置1であって、便器洗浄装置3は、便器本体21の上面21aに、スパッド25に対して洗浄水を供給可能に取り付けられると共に、便器洗浄装置3の前方又は側方からスパッド25に対してアクセス可能に設けられる。【選択図】図2

Description

本発明は、便器装置に関し、詳しくは、スパッドが設けられた便器と、便器に洗浄水を供給する便器洗浄装置とを有する便器装置に関する。
従来、便器に対してフラッシュバルブを介して洗浄水を供給するフラッシュバルブ式の便器が知られている。フラッシュバルブ式の便器は、洗浄水の給水管に接続される接続部品(継手)であるスパッドを有している。スパッドは、便器本体の後部の上面に上方に向けて突出するように設けられている。
特開昭50−113035号公報
ところで、リフォーム等において、フラッシュバルブ式の便器をそのまま利用して、便器洗浄タンクを備えるタンク式の便器に改修する要請がある。一般に、便器洗浄タンクは、便器本体の後部上面に設けられるタンク取付け穴に固定される。しかし、フラッシュバルブ式の便器は、このようなタンク取付け穴を有していないため、便器洗浄タンクの取り付けを行うことが困難である。このため、従来、スパッドを有するフラッシュバルブ式の便器をそのまま利用してタンク式の便器に改修する上で課題を有していた。
本発明は、スパッドを有するフラッシュバルブ式の便器の上面に、便器洗浄タンクを容易に取り付けることができる便器装置を提供することを目的とする。
(1) 本発明に係る便器装置は、スパッド(例えば、後述のスパッド25)が設けられた便器本体(例えば、後述の便器本体21)と、前記便器本体に洗浄水を供給する便器洗浄装置(例えば、後述の便器洗浄装置3)と、を有する便器装置(例えば、後述の便器装置1)であって、前記便器洗浄装置は、前記便器本体の上面(例えば、後述の上面21a)に、前記スパッドに対して洗浄水を供給可能に取り付けられると共に、前記便器洗浄装置の前方又は側方から前記スパッドに対してアクセス可能に設けられる。
(2) (1)に記載の便器装置において、前記便器洗浄装置は、洗浄水を貯留する便器洗浄タンク(例えば、後述の便器洗浄タンク4)と、前記便器洗浄タンクの前方を覆う前カバー(例えば、後述の前カバー51)と、を有することが好ましい。
(3) (2)に記載の便器装置において、前記便器洗浄タンクの下面(例えば、後述の下面43a)は、前記スパッドよりも上方に配置され、前記前カバーは、前記スパッドの前方を覆っていることが好ましい。
(4) (3)に記載の便器装置において、前記前カバーは、上下方向にスライド移動可能に設けられ、前記前カバーの上方へのスライド移動により、前記スパッドの前方に、前記スパッドに対してアクセス可能な開口部(例えば、後述の開口部54)が形成されることが好ましい。
本発明によれば、スパッドを有するフラッシュバルブ式の便器の上面に、便器洗浄タンクを容易に取り付けることができる便器装置を提供することができる。
本発明に係る便器装置の斜視図である。 本発明に係る便器装置の便器洗浄タンクの内部を示す平面図である。 本発明に係る便器装置の便器洗浄装置の一部を分解して示す斜視図である。 本発明に係る便器装置の便器洗浄タンクと便器本体との接続構造を説明する断面図である。 本発明に係る便器装置の便器洗浄装置の便器本体に対する取付け構造を示す図である。 本発明に係る便器装置のスパッドにアクセスする様子を説明する図である。 本発明に係る便器装置の後カバーの要部を拡大して示す斜視図である。 便器洗浄装置の前カバーの要部を拡大して示す斜視図である。 図8中のA−A線に沿う部位の前カバーと後カバーとの係合構造を拡大して示す断面図である。 便器洗浄装置の上カバーを外した状態を示す斜視図である。 上カバーを取り付けた状態を示す便器洗浄装置の断面図である。
以下、本発明の実施形態について図面を参照して詳細に説明する。
本実施形態に示す便器装置1は、図1に示すように、便器2と、便器洗浄装置3と、を備えている。なお、以下の説明において、便器2に着座した使用者から見た場合の前後の向きを前後方向とする。また、便器2に着座した使用者から見た場合の左右の向きを幅方向とする。更に、便器2が設置される床面に対する鉛直方向に沿う上下の向きを上下方向とする。
便器2は、便器本体21の上部に回動可能に取り付けられた便座22及び便蓋23と、これら便座22及び便蓋23の後方に配置される便座装置の機能部24と、を有している。この便器2は、フラッシュバルブ式の便器であり、図2及び図3に示すように、便器本体21の後部の上面21aに、上方に突出するスパッド25を有している。スパッド25は、図3に示すように、便器本体21に形成された洗浄水流入口21bに、パッキン25a及びナット25bを介して取り付けられている。
便器洗浄装置3は、図1に示すように、便器洗浄タンク4と、便器洗浄タンク4の外装体であるタンクカバー5と、を有している。タンクカバー5の側面には、洗浄操作用のレバーハンドル5aが設けられている。
便器洗浄タンク4は、図2に示すように、タンク本体41と、内蓋42と、ベースプレート43と、防露材44と、補強フレーム45と、を備えている。なお、図2では、便座22、便蓋23、機能部24、レバーハンドル5aの図示を省略している。
タンク本体41は、ブロー成形品からなる。ブロー成形されたタンク本体41の上面開口部411(図2参照)は、ブロー成形品の上部を略水平方向に切断することによって形成される。このため、ブロー成形品は、前後方向に離型することによって成形でき、射出成形品のような離型のための抜き勾配を上下方向に設ける必要がない。その結果、タンク本体41の外周面は、上下方向に沿って真っ直ぐな面となり、床面に対して垂直に延びた側壁面を構成することができる。このため、タンク本体41は、抜き勾配に起因するタンク容積の減少が少なく、奥行き寸法を小さくして薄型化しても、射出成形品に比べてタンク容積を大きく確保することが可能である。その結果、このタンク本体41を有する便器洗浄タンク4を備えた便器装置1は、便鉢21bの大きさを変更することなく、前後方向の寸法(前出寸法)を縮小化することが可能である。
タンク本体41の内部には、洗浄水が貯留されると共に、図3に示すように、便器洗浄用の内部部品が収容されている。具体的には、タンク本体41内には、給水を行うボールタップ4a、ボールタップ4aの止水を行うためのフロート4b、洗浄水の水位を制限すると共に便器本体21に補給水を供給するためのオーバーフロー管4c、排水口を開閉するフラッパー弁4d、フラッパー弁4dを引き上げる玉鎖4e、玉鎖4eを引き上げ操作するための引上げアーム4f等が収容されている。引上げアーム4fには、タンクカバー5の外側に取り付けられるレバーハンドル4gのスピンドル4hが連結されている。
内蓋42は、タンク本体41の上面開口部411を被蓋するように設けられている。内蓋42は、内蓋本体421と、点検蓋422とで構成される。内蓋本体421は、上面開口部411の全周に沿って装着され、タンク本体41に対してねじ止めされている。一方、点検蓋422は、タンク本体41に対してねじ止めされておらず、内蓋本体421に対して着脱可能に取り付けられている。このため、内蓋42は、内蓋本体421から点検蓋422を取り外すことにより、ねじ止めされている内蓋本体421を取り外すことなく、タンク本体41の内部に対してアクセス可能である。
ベースプレート43は、タンク本体41の下部に取り付けられている。本実施形態に示すベースプレート43は、タンク本体41よりも硬質な樹脂によって形成され、タンク本体41の底面形状と略等しい平面形状を有し、タンク本体41の下面を支持している。
タンク本体41とベースプレート43との取付け構造を図4に示す。タンク本体41の底面411には、円形の下面開口部412が形成されている。この下面開口部412には、略円筒状の弁座シート46が装着されている。弁座シート46は、タンク本体41の内部部品の一つであるフラッパー弁4d(図4では図示せず)の弁座を構成する部品であり、下面開口部412よりも大径なフランジ部461を有している。弁座シート46は、フランジ部461とタンク本体41との間にパッキン46aを挟んで、タンク本体41の内側から装着されている。
弁座シート46は、フランジ部461よりも下方側に、外周面に雄ねじを有する円筒部462を一体に有し、この円筒部462が下面開口部412から下方に突出している。弁座シート46は、下面開口部412から突出する円筒部462に、タンク本体41の外側から締付けナット46bが螺合することにより、タンク本体41に取り付けられている。
一方、ベースプレート43の中央部には、円形の開口部431が設けられ、この開口部431に、タンク本体41の下面から突出する弁座シート46の円筒部462が貫挿されている。そして、この開口部431から下方に突出する円筒部462に締付けナット46cが螺合することにより、ベースプレート43が締付けナット46cとタンク本体41との間で挟着されている。これにより、タンク本体41の下部にベースプレート43が固定される。
ベースプレート43の下面には、弁座シート46の円筒部462を挟むように、一対の突出部432が設けられ、この突出部432から、それぞれ緊締ボルト433が下方に向けて突出して設けられている。突出部432は、タンク本体41の下部から突出する弁座シート46の円筒部462の突出高さと同程度の突出高さを有している。緊締ボルト433は、便器本体21の上面21aに載置されるタンク取付けプレート6を固定している。
タンク取付けプレート6は、矩形の平板状のプレート本体61と、プレート本体61の上面から上方に向けて突出する一対のボルト取付け脚部62と、を有している。プレート本体61には、一対のボルト取付け脚部62の間に円形の開口部63が設けられている。一対のボルト取付け脚部62は、ベースプレート43の一対の突出部432の位置に対応して設けられている。ボルト取付け脚部62は、便器本体21の上面21aからのスパッド25の突出高さと同程度の突出高さを有している。
ベースプレート43の一対の緊締ボルト432は、このタンク取付けプレート6の一対のボルト取付け脚部62に、ナット433aによってそれぞれ固定される。これにより、ベースプレート43の一対の突出部432の先端とタンク取付けプレート6の一対のボルト取付け脚部62の先端とが当接し、ベースプレート43にタンク取付けプレート6が固定される。
タンク取付けプレート6は、開口部63にスパッド25を貫挿させて便器本体21の後部側の上面21aに載置される。このとき、ベースプレート43の下面(便器洗浄タンク4の下面)43aは、スパッド25よりも上方に配置され、ベースプレート43とタンク取付けプレート6のプレート本体61との間には、スパッド25の全体を十分に収容可能な高さの空間が確保される。
図4に示すように、タンク本体41の下部から突出する弁座シート46の円筒部462と、便器本体21の上面21aから突出するスパッド25とは、円筒状の接続ソケット26によって接続されている。接続ソケット26の下端側は、スパッド25の内側に挿入され、袋ナット26aにより固定されている。接続ソケット26の上端側は、弁座シート46の円筒部462の内側に、Oリング26bによって水密状に挿入されている。これにより、タンク本体41内の洗浄水が、弁座シート46の円筒部462、接続ソケット26及びスパッド25を経由して、便器本体21に供給可能とされる。
タンク取付けプレート6は、図3に示すように、便器本体21の後部側の上面21aに設けられる一対の便座取付け穴21cに対応する一対の貫通穴64を有している。タンク取付けプレート6は、貫通穴64が便座取付け穴21cに合致するように、便器本体21の上面21aに載置される。そして、図5に示すように、便座装置の機能部24の下面に突設される一対の取付けボルト241が、タンク取付けプレート6の貫通穴64を貫通して便器本体21の便座取付け穴21cに挿入され、便器本体21を挟んでナット(図示せず)によって締め付けられることにより、機能部24が便器本体21に固定される。これにより、タンク取付けプレート6は、機能部24と便器本体21との間で挟持され、タンク取付けプレート6上の便器洗浄タンク4が便器本体21に固定される。このとき、ベースプレート43とタンク取付けプレート6のプレート本体61との間には、スパッド25の全体を十分に収容可能な高さの空間が確保されているため、ベースプレート43と便器本体21の上面21a(タンク取付けプレート6のプレート本体61)との間に、スパッド25に対してアクセス可能な空間部が形成される。
ここで、「スパッドに対してアクセス可能」とは、スパッド25及びスパッド25の周囲の部品(弁座シート46の円筒部462、締付けナット46c、接続ソケット26、袋ナット26a、ナット25b、緊締ボルト433、ナット433a等)の状況を直接目視可能であることのみならず、スパッド25及びスパッド25の周囲の部品に対して直接的に操作可能であることを含む。スパッド25及びスパッド25の周囲の部品に対する直接的な操作としては、便器洗浄タンク4の取り付け又は取り外しのために、接続ソケット26を固定する袋ナット26aや緊締ボルト433のナット433aを、工具を用いて回動操作することを含む。
防露材44は、発泡スチロール樹脂等により、タンク本体41の外周面に沿った形状に成形されている。本実施形態に示す防露材44は、前側防露材441と後側防露材442とに2分割され、タンク本体41を前後方向から挟むようにタンク本体41の外周面に装着されている。防露材44は、少なくともタンク本体41内に貯留される洗浄水の水位に対応する高さを有する。
この防露材44は、前側防露材441と後側防露材442とに前後方向に2分割されているため、成形型から離型するための抜き勾配が前後方向に設けられ、上下方向には抜き勾配は設けられない。これにより、前側防露材441と後側防露材442とが組み合わされて構成される防露材44は、便器洗浄タンク4の前面側及び後面側において上下方向に沿って垂直に延びる面を形成することができる。その結果、便器洗浄タンク4を薄型化しても、防露材の抜き勾配に起因する便器洗浄タンク4のタンク容積の減少を招くおそれはない。しかも、本実施形態に示すタンク本体41にも上下方向の抜き勾配が設けられていないことと相俟って、便器洗浄タンク4の更なる薄型化を図ることが可能となり、便器装置1の前後方向の寸法(前出寸法)を更に縮小化することが可能である。
補強フレーム45は、図3に示すように、便器洗浄タンク4の両側面に配置される金属製の側面フレーム部材451と、便器洗浄タンク4の前面側に幅方向に延びるように配置される金属製の補強ステー452と、を有している。
側面フレーム部材451は、ベースプレート43の幅方向の両端面43b(図4参照)に対してそれぞれねじ止めされている。側面フレーム部材451は平面視コ字型に形成され、前側防露材441と後側防露材442とが前後に開かないように、2分割されている防露材44を前後方向から挟持している。
補強ステー452の両端部は、左右の側面フレーム部材451にそれぞれ連結されている。これにより、左右の側面フレーム部材451同士が補強ステー452によって連結され、側面フレーム部材451に生じるスプリングバック等によって側面フレーム部材451が左右方向に広がることを防止している。
補強フレーム45は、使用者が便器洗浄装置3に凭れ掛かった際に、その荷重を受けてタンク本体41に荷重を直接作用させないように機能する。補強ステー452に作用する荷重は、補強ステー452の両端部から各側面フレーム部材451に伝達される。側面フレーム部材451は、タンク本体41よりも堅牢なベースプレート43に固定されているため、補強ステー452から伝達される荷重を効果的に受け止め、ベースプレート43を介して便器本体21に逃がすことができる。
タンクカバー5は、図1〜図3に示すように、便器洗浄タンク4の前方を覆う前カバー51と、便器洗浄タンク4の側方及び後方を覆う後カバー52と、便器洗浄タンク4の上方を覆う上カバー53と、を有している。前カバー51は、便器本体21の上方に配置されると共に、便器本体21上の便座装置の機能部24と便器洗浄タンク4との間に配置される
後カバー52は、便器洗浄タンク4の高さと略同一の高さを有する。後カバー52は、便器洗浄タンク4の両側方にそれぞれ設けられた側面フレーム部材451に対してねじ止めされる。前カバー51と上カバー53は、後カバー52に対して取り外し可能に設けられている。これにより、本実施形態に示すタンクカバー5は、側面フレーム部材451及びベースプレート43を介して、間接的に便器本体21に固定される。また、便器洗浄タンク4の全体がタンクカバー5によって遮蔽されるため、見栄えが良好となり、意匠性が向上する。
前カバー51は、後カバー52に対して上下にスライド移動可能に取り付けられている。図6に示すように、前カバー51を上方向にスライド移動させると、タンクカバー5に開口部54が形成される。この開口部54には、ベースプレート43と便器本体21との間のスパッド25が露出する。即ち、前カバー51を上方向にスライド移動させることにより、スパッド25の前方に、スパッド25に対してアクセス可能な開口部54が形成される。従って、この開口部54を通して、スパッド25及びスパッド25の周囲の部品の回動操作等を容易に行うことができ、便器洗浄タンク4の補修、交換等を容易に行うことが可能となる。
前カバー51が上下方向にスライド移動可能であるタンクカバー5の構成の一例について、図7〜図11を用いて説明する。
先ず、図7に示すように、後カバー52の2つの前端部521(図7では一方の前端部521のみを示す)の外側に、上下方向に沿う前側突条部522及び後側突条部523が設けられている。前側突条部522と後側突条部523とは平行である。このうちの後側突条部523は、後カバー52の上下方向の略全長に亘って形成されているのに対し、前側突条部522は、後カバー52の上下方向に一定の間隔を置いて複数に分割されている。これにより、後カバー52の前端部521の外側には、前側突条部522が設けられている部位のみに、前側突条部522と後側突条部523との間に溝524が形成される。
一方、前カバー51は、図2に示すように、後カバー52よりも僅かに幅広に形成されることにより、後カバー52の両側方にそれぞれ張り出すオーバーハング形状を有する。これにより、便器装置1を正面視(前方側から観察)した場合、後カバー52が前カバー51に覆い隠され、前カバー51の両側からはみ出さず、見栄えが良くなる。しかも、図1に示すように、前カバー51の上部も、後カバー52よりも僅かに上方に張り出すように形成され、後カバー52の高さ方向も覆い隠している。このため、後カバー52の全体が前カバー51の背面に覆い隠されるので、便器装置1の意匠性が更に向上する。
図8に示すように、前カバー51には、幅方向の両端縁から上端縁に亘って、外周リブ511が形成されている。外周リブ511は、後カバー52の前端部521の溝524を覆うことができるように、後方に向けて突出している。このうち、前カバー51の幅方向の両端に配置される外周リブ511aの内側には、後カバー52の溝524と係合可能な係合突起512が、上下方向に間隔をおいて複数形成されている。1つの係合突起512の上下方向の長さは、後カバー52の上下に隣接する前側突条部522の間隔よりも僅かに短く形成されている。
この前カバー51を後カバー52に取り付ける場合は、上下に隣接する前側突条部522の間を通って係合突起512を後側突条部523に当接させた後、後側突条部523に沿って下方にスライド移動させることにより、図9に示すように、前カバー51の係合突起512を、前側突条部522と後側突条部523との間の溝524に係合させる。これにより、前カバー51は、後カバー52に対して上方向にスライド移動可能に取り付けられる。前カバー51の取り付け及び取り外しは、前カバー51の係合突起512を、上下に隣接する前側突条部522の間を通すことによって行うことができるため、前カバー51の取り付け及び取り外しのための移動ストロークを短くすることができる。
前カバー51の係合突起512は、外周リブ511aの内側に設けられているため、前カバー51の前面に、係合突起512を設けることに起因するヒケが形成されず、前カバー51の外観も良好となる。更に、前カバー51の外周リブ511aによって、前カバー51と後カバー21との係合部分を覆い隠すことができるため、便器装置1の側方からの見栄えも良好となる。
後カバー52に取り付けられた前カバー51は、前カバー51の裏面に設けられた一対の取付け片513を利用して、後カバー52の上方に取り付けられる。具体的には、図10に示すように、後カバー52の前端部521の上端部には、便器洗浄タンク4よりも上方の部位にそれぞれ前カバー取付け部525が設けられている。前カバー51は、取付け片513を後カバー52の前カバー取付け部525に当接させ、固定ねじ51aによって固定される。このため、便器洗浄タンク4を便器本体21に固定した状態のまま、便器洗浄タンク4よりも上方で固定ねじ51aを取り外すことにより、前カバー51の取り外し作業を行うことが可能である。これにより、前カバー51の交換や意匠替えを容易に行うことができる。
上カバー53は、前カバー51が後カバー52に固定された後に、後カバー52の上部に取り付けられる。図10及び図11に示すように、上カバー53の前端中央部には、上方に向けて突出する突起部531を有している。一方、前カバー51の上端側の外周リブ511bの中央部には、図7及び図9に示すように、外周リブ511bの内端側が下方に向けて更に屈曲されることにより、上カバー53の突起部531を収容する収容溝515が形成されている。
上カバー53は、突起部531を前カバー51の収容溝515に収容することにより、後カバー52の上部に装着される。その後、上カバー53は、固定ねじ53aによって、後カバー52の前端部521の上端に設けられたねじ穴526に固定される。これにより、前カバー51の上端部は、上カバー53と係合するため、前カバー51の前方への抜け外れが防止される。なお、上カバー53の上面は、図10及び図11に示すように、後方に向けて下り傾斜している。前カバー51の上端部は、この上カバー53も背面に覆い隠すように延びているため、便器装置1の正面側から上カバー53も見えにくくなっている。
以上の実施形態に示した便器装置1では、前カバー51を上方へスライド移動させることにより開口部54を形成するようにしたが、これに限定されない。例えば、図示しないが、スパッド25の前方に位置する前カバー51の下部に開閉可能な扉を設け、この扉を開放することによって開口部が形成されるようにしてもよい。また、便器装置は、スパッド25に対して前方からアクセス可能に構成されるものに限らず、スパッド25に対して側方からアクセス可能に構成されるものでもよい。この場合は、後カバー52を上方へスライド移動可能に構成してもよいし、後カバー52の側面に開閉可能な扉を設けるようにしてもよい。
また、以上の実施形態に示した便器装置1では、便器洗浄タンク4の下部に別体のタンク取付けプレート6を固定するようにしたが、これに限定されない。例えば、タンク取付けプレートは、ベースプレート43と一体成形されていてもよい。
25 スパッド
21 便器本体
3 便器洗浄装置
1 便器装置
21a (便器本体の)上面
4 便器洗浄タンク
51 前カバー
43a (便器洗浄タンクの)下面
54 開口部

Claims (4)

  1. スパッドが設けられた便器本体と、前記便器本体に洗浄水を供給する便器洗浄装置と、を有する便器装置であって、
    前記便器洗浄装置は、前記便器本体の上面に、前記スパッドに対して洗浄水を供給可能に取り付けられると共に、前記便器洗浄装置の前方又は側方から前記スパッドに対してアクセス可能に設けられる、便器装置。
  2. 前記便器洗浄装置は、洗浄水を貯留する便器洗浄タンクと、前記便器洗浄タンクの前方を覆う前カバーと、を有する、請求項1に記載の便器装置。
  3. 前記便器洗浄タンクの下面は、前記スパッドよりも上方に配置され、
    前記前カバーは、前記スパッドの前方を覆っている、請求項2に記載の便器装置。
  4. 前記前カバーは、上下方向にスライド移動可能に設けられ、
    前記前カバーの上方へのスライド移動により、前記スパッドの前方に、前記スパッドに対してアクセス可能な開口部が形成される、請求項3に記載の便器装置。





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