JP2022075986A5 - - Google Patents
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Description
本発明は、便器装置に関する。
従来、便器本体と便器本体に洗浄水を供給する便器洗浄タンクとを有する便器装置において、床面にフレームを固定し、このフレームにカバーを固定することにより、便器洗浄タンク及び便器洗浄タンクの下方空間をカバーによって覆うことが知られている(例えば、特許文献1参照)。
特許文献1に記載の技術では、下カバーの位置がフレームによって固定されている。便器洗浄タンクの下方空間には配管部品が配置されるため、下カバーは、配管部品を目隠し、意匠性を向上させることが望まれる。
本発明は、便器洗浄タンクの下方空間に配置される配管部品を目隠し、意匠性を向上させた便器装置を提供することを目的とする。
(1) 本発明に係る便器装置は、便器本体(例えば、後述の便器本体21)と、前記便器本体に固定される便器洗浄タンク(例えば、後述の便器洗浄タンク4)と、配管部品(例えば、後述の配管部品100)が配置される前記便器洗浄タンクの下方空間(例えば、後述の下方空間S)を覆う下カバー(例えば、後述の下カバー54)と、を有する便器装置(例えば、後述の便器装置1)であって、前記下カバーは、前記下方空間の側方を覆う側部カバー(例えば、後述の側部カバー541)と、前記下方空間の前方を覆う前部カバー(例えば、後述の前部カバー542)と、に分割され、前記側部カバーは、前記前部カバーに係止される、便器装置である。
(2) (1)に記載の便器装置において、前記便器本体における前記便器洗浄タンクの前方側を覆う上下に2分割されたカバーと、前記便器洗浄タンクの側方側を覆う上下に2分割されたカバーと、を有し、前記前部カバーは、前記便器洗浄タンクの前方側を覆う上下に2分割されたカバーのうちの前記便器洗浄タンクの前記下方空間の前方を覆う下側のカバーであり、前記側部カバーは、前記便器洗浄タンクの側方側を覆う上下に2分割されたカバーのうちの前記便器洗浄タンクの前記下方空間の側方を覆う下側のカバーであり、前記便器本体の後方側は、前記便器洗浄タンクの前方側を覆う上下に2分割されたカバーと、前記便器洗浄タンクの側方側を覆う上下に2分割されたカバーとによって、上下方向に亘って統一された箱型形状を有することが好ましい。
(3) (2)に記載の便器装置において、前記前部カバーは、前記便器本体の上面よりも下方に配置されることが好ましい。
(4) (2)又は(3)に記載の便器装置において、前記側部カバーは、前記便器洗浄タンクの側方側を覆う上側のカバー(例えば、後述の後カバー52の側部)の下端から下方に延びる取り付け部(例えば、後述の側面フレーム部材45の下端部451a)によって位置決めされることが好ましい。
(5) (2)~(4)のいずれかに記載の便器装置において、前記便器洗浄タンクの前方に、幅方向に延びる補強ステー(例えば、後述の補強ステー452)を有し、前記補強ステーの両端部は、前記便器洗浄タンクの側方側を覆う上下に2分割されたカバーのうちの前記便器洗浄タンクの側方を覆う上側のカバー(例えば、後述の後カバー52の側部)に対して間接的に固定されることが好ましい。
(6) (1)~(5)のいずれかに記載の便器装置において、前記前部カバーは、床面(例えば、後述の床面f1)との間に隙間を有することが好ましい。
(7) (1)~(6)のいずれかに記載の便器装置において、前記側部カバーは、床面(例えば、後述の床面f1)との間に隙間を有することが好ましい。
(8) (1)~(7)のいずれかに記載の便器装置において、前記側部カバー及び前記前部カバーは、互いに係止する少なくとも上下2つの係止部(例えば、後述の係止ピン41a,取付け台541b、係止フック部542a,取付け片542b)をそれぞれ有することが好ましい。
(9) (8)に記載の便器装置において、前記側部カバーの前記上下2つの係止部のうち、いずれか一方の前記係止部(例えば、後述の取付け台541b)は、対応する前記前部カバーの前記係止部(例えば、後述の取付け片542b)に対して上方に配置されることが好ましい。
(10) (1)~(7)のいずれかに記載の便器装置において、前記下カバーは着脱可能に設けられることが好ましい。
本発明によれば、便器洗浄タンクの下方空間に配置される配管部品を目隠し、意匠性を向上させた便器装置を提供することができる。
以下、本発明の実施形態について図面を参照して詳細に説明する。
本実施形態に示す便器装置1は、図1に示すように、便器2が床面f1に設置される床置きタイプの便器装置を示している。便器装置1は、便器2と、便器洗浄装置3と、を備えている。なお、以下の説明において、便器2に着座した使用者から見た場合の前後の向きを前後方向とする。また、便器2に着座した使用者から見た場合の左右の向きを幅方向とする。更に、便器2が設置される床面に対する鉛直方向に沿う上下の向きを上下方向とする。
本実施形態に示す便器装置1は、図1に示すように、便器2が床面f1に設置される床置きタイプの便器装置を示している。便器装置1は、便器2と、便器洗浄装置3と、を備えている。なお、以下の説明において、便器2に着座した使用者から見た場合の前後の向きを前後方向とする。また、便器2に着座した使用者から見た場合の左右の向きを幅方向とする。更に、便器2が設置される床面に対する鉛直方向に沿う上下の向きを上下方向とする。
便器2は、立壁面f2に近接した床面f1上に設置されている。便器2は、便器本体21の上部に回動可能に取り付けられた便座22及び便蓋23と、これら便座22及び便蓋23の後方に配置される便座装置の機能部24と、を有している。本実施形態に示す便器本体21は焼成品からなる陶器製である。便器本体21の後部の両側面には、それぞれサイドカバー211が面ファスナー等によって着脱可能に取り付けられ、便器本体21の後部を遮蔽している。
便器洗浄装置3は、便器本体21の後方に配置されている。便器洗浄装置3は、便器洗浄タンク4と、便器洗浄タンク4の外装体であるタンクカバー5と、を含んで構成される。
便器洗浄タンク4は、図3に示すように、タンク本体41と、内蓋42と、ベースプレート43と、防露材44と、補強フレーム45と、を備えている。
便器洗浄タンク4は、図3に示すように、タンク本体41と、内蓋42と、ベースプレート43と、防露材44と、補強フレーム45と、を備えている。
タンク本体41は、ブロー成形品からなる。ブロー成形されたタンク本体41の上面開口部411(図2参照)は、ブロー成形品の上部を略水平方向に切断することによって形成される。このため、ブロー成形品は、前後方向に離型することによって成形でき、射出成形品のような離型のための抜き勾配を上下方向に設ける必要がない。その結果、タンク本体41の外周面は、上下方向に沿って真っ直ぐな面となり、床面に対して垂直に延びた側壁面を構成することができる。このため、タンク本体41は、抜き勾配に起因するタンク容積の減少が少なく、奥行き寸法を小さくして薄型化しても、射出成形品に比べてタンク容積を大きく確保することが可能である。その結果、このタンク本体41を有する便器洗浄タンク4を備えた便器装置1は、前後方向の寸法(前出寸法)を縮小化することが可能である。
タンク本体41の内部には、洗浄水が貯留されると共に、図2に示すように、便器洗浄用の内部部品が収容されている。具体的には、タンク本体41内には、給水を行うボールタップ4a、ボールタップ4aの止水を行うためのフロート4b、洗浄水の水位を制限すると共に便器本体21に補給水を供給するためのオーバーフロー管4c、排水口を開閉するフラッパー弁4d、フラッパー弁4dを引き上げる玉鎖4e、玉鎖4eを引き上げ操作するための引上げアーム4f等が収容されている。引上げアーム4fには、タンクカバー5の外側に取り付けられるレバーハンドル4gのスピンドル4hが連結されている。
内蓋42は、タンク本体41の上面開口部411を被蓋するように設けられている。内蓋42は、内蓋本体421と、点検蓋422とで構成される。内蓋本体421は、上面開口部411の全周に沿って装着され、タンク本体41に対してねじ止めされている。一方、点検蓋422は、タンク本体41に対してねじ止めされておらず、内蓋本体421に対して着脱可能に取り付けられている。このため、内蓋42は、内蓋本体421から点検蓋422を取り外すことにより、ねじ止めされている内蓋本体421を取り外すことなく、タンク本体41の内部に対してアクセス可能である。
ベースプレート43は、タンク本体41の下部に取り付けられている。本実施形態に示すベースプレート43は、タンク本体41よりも硬質な樹脂によって形成され、タンク本体41の底面形状と略等しい平面形状を有している。ベースプレート43は、タンク本体41の下面を支持すると共に、ベースプレート43の底部から突出する一対の緊締ボルト431(図3参照)によって、便器本体21の後部側の上面21aに固定されることにより、タンク本体41を便器本体21に固定する機能を有する。
タンク本体41とベースプレート43との取付け構造を図4に示す。タンク本体41の底面412に、円形の下面開口部413が形成されている。この下面開口部413には、略円筒状の弁座シート46が装着されている。弁座シート46は、タンク本体41の内部部品の一つであるフラッパー弁4d(図4において図示せず)の弁座を構成する部品であり、下面開口部413よりも大径なフランジ部461を有している。弁座シート46は、フランジ部461とタンク本体41との間にパッキン46aを挟んで、タンク本体41の内側から装着されている。
弁座シート46は、フランジ部461よりも下方側に、外周面に雄ねじを有する円筒部462を一体に有し、この円筒部462が下面開口部413から下方に突出している。弁座シート46は、下面開口部413から突出する円筒部462に、タンク本体41の外側から締付けナット46bが螺合することにより、タンク本体41に取り付けられている。
一方、ベースプレート43の中央部には、円形の開口部432が設けられ、この開口部432に、タンク本体41の下面から突出する弁座シート46の円筒部462が貫挿されている。そして、この開口部432から下方に突出する円筒部462に締付けナット46cが螺合することにより、ベースプレート43が締付けナット46cとタンク本体41との間で挟着されている。これにより、タンク本体41の下部にベースプレート43が固定される。
タンク本体41に固定されたベースプレート43は、下面に突設される一対の緊締ボルト431を、便器本体21の設けられるタンク取付け穴(図示せず)に挿入させて固定される。これにより、タンク本体41がベースプレート43を介して便器本体21に固定される。便器本体21に固定されたタンク本体41の円筒部462は、便器本体21の洗浄水流入口(図示せず)と連通し、タンク本体41内の洗浄水を便器本体21に供給可能とされる。
防露材44は、発泡スチロール樹脂等により、タンク本体41の外周面に沿った形状に成形されている。本実施形態に示す防露材44は、前側防露材441と後側防露材442とに2分割され、タンク本体41を前後方向から挟むようにタンク本体41の外周面に装着されている。防露材44は、少なくともタンク本体41内に貯留される洗浄水の水位に対応する高さを有する。
この防露材44は、前側防露材441と後側防露材442とに前後方向に2分割されているため、成形型から離型するための抜き勾配が前後方向に設けられ、上下方向には抜き勾配は設けられない。これにより、前側防露材441と後側防露材442とが組み合わされて構成される防露材44は、便器洗浄タンク4の前面側及び後面側において上下方向に沿って垂直に延びる面を形成することができる。その結果、便器洗浄タンク4を薄型化しても、防露材の抜き勾配に起因する便器洗浄タンク4のタンク容積の減少を招くおそれはない。しかも、本実施形態に示すタンク本体41にも上下方向の抜き勾配が設けられていないことと相俟って、便器洗浄タンク4の更なる薄型化を図ることが可能となり、便器装置1の前後方向の寸法(前出寸法)を更に縮小化することが可能である。
本実施形態に示す補強フレーム45は、図3に示すように、便器洗浄タンク4の両側面に配置される金属製の側面フレーム部材451と、便器洗浄タンク4の前面側に幅方向に延びるように配置される金属製の補強ステー452と、を有している。なお、図3では、便器本体21を破線で示し、便器本体21上の便座22、便蓋23及び便器装置の機能部24の図示を省略している。
側面フレーム部材451は、本発明の支持部材に対応する。側面フレーム部材451は、ベースプレート43の幅方向の両端面43a(図3参照)に、それぞれ固定ねじ45aによって固定されている。これにより、側面フレーム部材451は、便器洗浄タンク4のベースプレート43を介して、間接的に便器本体21に取り付けられている。側面フレーム部材451は、ベースプレート43からタンク本体41の略1/2の高さに亘る範囲の便器洗浄タンク4の側面を覆うように配置されている。側面フレーム部材451は、平面視コ字型に形成されており、ベースプレート43に取り付けられることによって、前側防露材441と後側防露材442とが前後に開かないように、2分割されている防露材44を前後方向から挟持している。この側面フレーム部材451は、本発明のフレーム部材に対応する。
図5に示すように、側面フレーム部材451の下端部451aは、後カバー52によって覆われておらず、後カバー52及びベースプレート43よりも下方にはみ出している。この下端部451aは、後述する下カバー54の取り付け部となっている。ここには、2つのねじ穴451bと、その間に1つのボス穴451cとが形成されている。
補強ステー452の両端部は、左右の側面フレーム部材451に固定ねじ45bによってそれぞれ固定されている。これにより、左右の側面フレーム部材451同士が補強ステー452によって連結され、側面フレーム部材451に生じるスプリングバック等によって側面フレーム部材451が左右方向に広がることを防止している。
補強フレーム45は、使用者がタンクカバー5に凭れ掛かった際に、その荷重を受けてタンク本体41に荷重を直接作用させないように機能する。補強ステー452に作用する荷重は、補強ステー452の両端部から各側面フレーム部材451に伝達される。側面フレーム部材451は、タンク本体41よりも堅牢なベースプレート43に固定されているため、補強ステー452から伝達される荷重を効果的に受け止め、ベースプレート43を介して便器本体21に逃がすことができる。
タンクカバー5は、図1~図3に示すように、便器洗浄タンク4の前方を覆う前カバー51と、便器洗浄タンク4の側方及び後方を覆う後カバー52と、便器洗浄タンク4の上方を覆う上カバー53と、を有している。前カバー51は、便器本体21の上方に配置されると共に、便器本体21上の便座装置の機能部24と便器洗浄タンク4との間に配置される。
後カバー52は、便器洗浄タンク4の高さと略同一の高さを有する。後カバー52は、便器洗浄タンク4の両側方にそれぞれ設けられた側面フレーム部材451に対して、固定ねじ52aによってねじ止めされる。前カバー51と上カバー53は、後カバー52に対して取り外し可能に設けられている。これにより、本実施形態に示すタンクカバー5は、側面フレーム部材451及びベースプレート43を介して、間接的に便器本体21に固定される。また、便器洗浄タンク4の全体がタンクカバー5によって遮蔽されるため、見栄えが良好となり、意匠性が向上する。
また、便器洗浄タンク4の下方空間Sは、下カバー54によって覆われるため、便器2の後方に配置される配管部品100(図3参照)が目隠しされると共に、便器2の後方側が、便器洗浄装置3から下方向に延びる薄型の略直方形状に統一され、意匠性が更に向上する。この下カバー54の詳細については更に後述する。
タンクカバー5の前カバー51は、後カバー52に対して取り外し可能であるため、便器洗浄タンク4のメンテナンスの際は、前カバー51を取り外すことにより、便器洗浄タンク4に容易にアクセス可能である。このとき、便器洗浄タンク4自体を便器本体21から取り外す必要はないため、メンテナンス作業も容易に行うことができる。
本実施形態に示す前カバー51は、後カバー52に対して上方に向けて取り外し可能に設けられている。これにより、タンクカバー5の下部前方に配置される便座22、便蓋23及び便座装置の機能部24を便器本体21に取り付けた状態のまま、前カバー51を取り外して便器洗浄タンク4に対してアクセスすることが可能となり、便器洗浄タンク4のメンテナンス性を更に向上させることができる。
ここで、本実施形態に示すタンクカバー5の前カバー51と後カバー52との係合構造について、図6~図8を用いて説明する。
先ず、図6に示すように、後カバー52の2つの前端部521(図6では一方の前端部521のみを示す)の外側に、上下方向に沿う前側突条部522及び後側突条部523が設けられている。前側突条部522と後側突条部523とは平行である。このうちの後側突条部523は、後カバー52の上下方向の略全長に亘って形成されているのに対し、前側突条部522は、後カバー52の上下方向に一定の間隔を置いて複数に分割されている。これにより、後カバー52の前端部521の外側には、前側突条部522が設けられている部位のみに、前側突条部522と後側突条部523との間に溝524が形成される。
先ず、図6に示すように、後カバー52の2つの前端部521(図6では一方の前端部521のみを示す)の外側に、上下方向に沿う前側突条部522及び後側突条部523が設けられている。前側突条部522と後側突条部523とは平行である。このうちの後側突条部523は、後カバー52の上下方向の略全長に亘って形成されているのに対し、前側突条部522は、後カバー52の上下方向に一定の間隔を置いて複数に分割されている。これにより、後カバー52の前端部521の外側には、前側突条部522が設けられている部位のみに、前側突条部522と後側突条部523との間に溝524が形成される。
一方、図7に示すように、前カバー51は、後カバー52よりも僅かに幅広に形成されることにより、後カバー52の両側方にそれぞれ張り出すオーバーハング形状を有する。これにより、便器装置1を正面視(前方側から観察)した場合、後カバー52が前カバー51に覆い隠され、前カバー51の両側からはみ出さず、見栄えが良くなる。しかも、図1に示すように、前カバー51の上部も、後カバー52よりも僅かに上方に張り出すように形成され、後カバー52の高さ方向も覆い隠している。このため、後カバー52の全体が前カバー51の背面に覆い隠されるので、便器装置1の意匠性が更に向上する。
図7に示すように、前カバー51には、幅方向の両端縁から上端縁に亘って、外周リブ511が形成されている。外周リブ511は、後カバー52の前端部521の溝524を覆うことができるように、後方に向けて突出している。このうち、前カバー51の幅方向の両端に配置される外周リブ511aの内側には、後カバー52の溝524と係合可能な係合突起512が、上下方向に間隔をおいて複数形成されている。1つの係合突起512の上下方向の長さは、後カバー52の上下に隣接する前側突条部522の間隔よりも僅かに短く形成されている。
この前カバー51を後カバー52に取り付ける場合は、上下に隣接する前側突条部522の間を通って係合突起512を後側突条部523に当接させた後、後側突条部523に沿って下方にスライド移動させることにより、図8に示すように、前カバー51の係合突起512を、前側突条部522と後側突条部523との間の溝524に係合させる。これにより、前カバー51は、後カバー52に対して上方向にスライド移動可能に取り付けられる。前カバー51の取り付け及び取り外しは、前カバー51の係合突起512を、上下に隣接する前側突条部522の間を通すことによって行うことができるため、前カバー51の取り付け及び取り外しのための移動ストロークを短くすることができる。
前カバー51の係合突起512は、外周リブ511aの内側に設けられているため、前カバー51の前面に、係合突起512を設けることに起因するヒケが形成されず、前カバー51の外観も良好となる。更に、前カバー51の外周リブ511aによって、前カバー51と後カバー52との係合部分を覆い隠すことができるため、便器装置1の側方からの見栄えも良好となる。
後カバー52に取り付けられた前カバー51は、前カバー51の裏面に設けられた一対の取付け片513を利用して、後カバー52の上方に取り付けられる。具体的には、図9に示すように、後カバー52の前端部521の上端部には、便器洗浄タンク4よりも上方の部位にそれぞれ前カバー取付け部525が設けられている。前カバー51は、取付け片513を後カバー52の前カバー取付け部525に当接させ、固定ねじ51aによって固定される。このため、便器洗浄タンク4を便器本体21に固定した状態のまま、便器洗浄タンク4よりも上方で固定ねじ51aを取り外すことにより、前カバー51の取り外し作業を行うことが可能である。これにより、前カバー51の交換や意匠替えを容易に行うことができる。
また、前カバー51は後カバー52と別体であるため、前カバー51の色と後カバー52の色とを異ならせることが可能である。例えば、前カバー51に対して後カバー52を暗い色にして明度の差を設けることにより、前カバー51に浮遊感を持たせることができ、意匠性を更に向上させることができる。また、前カバー51と後カバー52との材質を異ならせることもできる。
上カバー53は、前カバー51が後カバー52に固定された後に、後カバー52の上部に取り付けられる。図10及び図11に示すように、上カバー53の前端中央部には、上方に向けて突出する突起部531を有している。一方、前カバー51の上端側の外周リブ511bの中央部には、図7及び図9に示すように、外周リブ511bの内端側が下方に向けて更に屈曲されることにより、上カバー53の突起部531を収容する収容溝515が形成されている。
上カバー53は、突起部531を前カバー51の収容溝515に収容することにより、後カバー52の上部に装着される。その後、上カバー53は、固定ねじ53aによって、後カバー52の前端部521の上端に設けられたねじ穴526に固定される。これにより、前カバー51の上端部は、上カバー53と係合するため、前カバー51の前方への抜け外れが防止される。なお、上カバー53の上面は、図10及び図11に示すように、後方に向けて下り傾斜している。前カバー51の上端部は、この上カバー53も背面に覆い隠すように延びているため、便器装置1の正面側から上カバー53も見えにくくなっている。
このように構成されるタンクカバー5において、前カバー51を取り外す際は、図10に示すように、先ず、上カバー53を後カバー52の上部から取り外した後、前カバー51の固定ねじ51aを取り外す。その後、前カバー51を上方にスライド移動させることにより、便器洗浄タンク4の前方側を開放させ、メンテナンスを行うことができる。
次に、下カバー54について説明する。
本実施形態に示す下カバー54は、便器装置1に一対設けられている。即ち、下カバー54は、図3に示すように、便器洗浄タンク4の下方且つ便器本体21の後部左右にそれぞれ配置されている。
本実施形態に示す下カバー54は、便器装置1に一対設けられている。即ち、下カバー54は、図3に示すように、便器洗浄タンク4の下方且つ便器本体21の後部左右にそれぞれ配置されている。
一対の下カバー54は実質的に同一構成であるため、一方の下カバー54(使用者から見て便器装置1の左側に配置される下カバー54)の具体的構成について、図12を用いて説明する。
本実施形態に示す下カバー54は、側部カバー541と前部カバー542とで構成される。側部カバー541は、便器洗浄タンク4の下方空間Sの側方を覆う板材であり、前部カバー542は、便器洗浄タンク4の下方空間Sの前方を覆う板材である。
本実施形態に示す下カバー54は、側部カバー541と前部カバー542とで構成される。側部カバー541は、便器洗浄タンク4の下方空間Sの側方を覆う板材であり、前部カバー542は、便器洗浄タンク4の下方空間Sの前方を覆う板材である。
側部カバー541と前部カバー542とは、直交するように一体に組み合わされている。具体的には、側部カバー541の裏面の上部には、ねじ穴を有する係止ピン541aが突設されている。また、側部カバー541の裏面の下部には、ねじ穴を有する取付け台541bが突設されている。これら係止ピン541a及び取付け台541bは、側部カバー541において前部カバー542が取り付けられる側縁の近傍に配置されている。
一方、前部カバー542の裏面の上部には、係止ピン541aに対応して、係止ピン541aに対して引っ掛けて係止可能な係止フック部542aが突設されている。また、前部カバー542の裏面の下部には、取付け台541bに対応して、ねじ穴を有する取付け片542bが突設されている。これら係止フック部542a及び取付け片542bは、前部カバー542において側部カバー541に取り付けられる側縁の近傍に配置されている。
側部カバー541と前部カバー542とを一体に組み付けるには、前部カバー542の係止フック部542aを、側部カバー541の係止ピン541aに係止させると共に、前部カバー542の取付け片542bのねじ穴を側部カバー541の取付け台541bのねじ穴に一致させる。前部カバー542には、側部カバー541を取り付ける側縁に、側部カバー541の側縁を嵌合させる複数の嵌合溝542cが形成されており、側部カバー541の側縁が、各嵌合溝542cに対して嵌合することにより、側部カバー541と前部カバー542とは位置決めされる。その後、係止フック部542aを固定ねじ54bによって係止ピン541aに対して固定すると共に、取付け片542bを固定ねじ54cによって取付け台541bに対して固定することにより、側部カバー541と前部カバー542とが一体に組み付けられる。
下カバー54は、このように側部カバー541と前部カバー542とが一体に組み付けられた状態で、図3に示すように、便器洗浄タンク4の側面フレーム部材451に取り付けられる。側部カバー541の裏面の上端部近傍には、図12に示すように、一対のねじ穴541cが形成されていると共に、この一対のねじ穴541cの間に1つのボス部541dが突設されている。一対のねじ穴541cは、図5に示す側面フレーム部材451の下端部451aに形成された一対のねじ穴451bに対応し、ボス部541dは、側面フレーム部材451の下端部451aに形成された1つのボス穴451cに対応する。従って、下カバー54は、ボス部541dが側面フレーム部材451のボス穴451cに嵌合することによって位置決めされ、図3に示すように、側部カバー541のねじ穴541cにそれぞれ挿通される固定ねじ54aによって固定される。下カバー54は、ねじ固定されることにより、下カバー54に荷重が掛かるような場合でも、便器洗浄タンク4に対する取付け状態を長期に亘って維持することができる。
このようにして下カバー54が便器洗浄タンク4に取り付けられることにより、便器洗浄タンク4の下方空間Sが覆い隠される。これにより、下カバー54の側部カバー541は、後カバー52から下方に向けて延びる側面を構成すると共に、前部カバー542は、前カバー51から下方に向けて延びる前面を構成する。このため、便器2の後方側は、上下方向に亘って統一された箱型形状となり、便器装置1の意匠性が向上する。
下カバー54が便器洗浄タンク4に取り付けられた際、前部カバー542は、便器本体21の両側面にそれぞれ取り付けられるサイドカバー211よりも幅方向の内側に入り込むように配置される。このとき、前部カバー542と便器本体21との間は、隙間を有して離間して配置される。また、下カバー54は、床面f1とも接しておらず、床面f1との間に所定の隙間を有して配置される。これらの隙間により、便器本体21の幅方向及び高さ方向の寸法誤差を吸収できるため、便器本体21の寸法誤差によって下カバー54が便器本体21や床面f1と接触してずれてしまうことはない。また、下カバー54の前部カバー542は、サイドカバー211との間にも隙間を有して離間して配置される。これにより、サイドカバー211の取付けを調整することができる。
また、本実施形態に示す下カバー54は、側部カバー541と前部カバー542とに分割されているため、側部カバー541と前部カバー542とで色や素材を異ならせることができる。特に、側部カバー541の色と前部カバー542の色とを異ならせることにより、更に意匠性を向上させることもできる。
なお、本実施形態に示す便器本体21は焼成品であるため、一般に個体差が大きく、寸法ばらつきを有している。しかし、下カバー54は、便器本体21に固定される便器洗浄タンク4の側面フレーム部材451に対して固定され、便器本体21を取付け基準とするため、便器本体21の個体差に関わらず、便器本体21に対して一体の位置を保つことができる。このため、リフォーム等によって便器2の位置に変更が生じるようなことがあっても、下カバー54を含めたタンクカバー5の全体の位置が、便器2に対してずれるようなことはない。
また、下カバー54は、固定ねじ54aによってねじ固定されるものに限らず、磁石や面ファスナーによって着脱可能に取り付けられるようにしてもよい。また、側部カバー541と前部カバー542との固定構造も、磁石や面ファスナーによって一体に組み付けられるようにしてもよい。
以上の実施形態では、側面フレーム部材451は便器洗浄タンク4のベースプレート43に固定されるようにしたが、側面フレーム部材451は便器本体21に直接固定されてもよい。
また、下カバー54の支持部材は、ベースプレート43の両端面43aに設けられていなくてもよい。例えば、支持部材は、ベースプレート43の前面側又は後面側に設けられてもよい。
1 便器装置
21 便器本体
4 便器洗浄タンク
451 側面フレーム部材(支持部材)
54 下カバー
541 側部カバー
542 前部カバー
S 下方空間
21 便器本体
4 便器洗浄タンク
451 側面フレーム部材(支持部材)
54 下カバー
541 側部カバー
542 前部カバー
S 下方空間
Claims (10)
- 便器本体と、前記便器本体に固定される便器洗浄タンクと、配管部品が配置される前記便器洗浄タンクの下方空間を覆う下カバーと、を有する便器装置であって、
前記下カバーは、前記下方空間の側方を覆う側部カバーと、前記下方空間の前方を覆う前部カバーと、に分割され、
前記側部カバーは、前記前部カバーに係止される、便器装置。 - 前記便器本体における前記便器洗浄タンクの前方側を覆う上下に2分割されたカバーと、前記便器洗浄タンクの側方側を覆う上下に2分割されたカバーと、を有し、
前記前部カバーは、前記便器洗浄タンクの前方側を覆う上下に2分割されたカバーのうちの前記便器洗浄タンクの前記下方空間の前方を覆う下側のカバーであり、
前記側部カバーは、前記便器洗浄タンクの側方側を覆う上下に2分割されたカバーのうちの前記便器洗浄タンクの前記下方空間の側方を覆う下側のカバーであり、
前記便器本体の後方側は、前記便器洗浄タンクの前方側を覆う上下に2分割されたカバーと、前記便器洗浄タンクの側方側を覆う上下に2分割されたカバーとによって、上下方向に亘って統一された箱型形状を有する、請求項1に記載の便器装置。 - 前記前部カバーは、前記便器本体の上面よりも下方に配置される、請求項2に記載の便器装置。
- 前記側部カバーは、前記便器洗浄タンクの側方側を覆う上側のカバーの下端から下方に延びる取り付け部によって位置決めされる、請求項2又は3に記載の便器装置。
- 前記便器洗浄タンクの前方に、幅方向に延びる補強ステーを有し、
前記補強ステーの両端部は、前記便器洗浄タンクの側方側を覆う上下に2分割されたカバーのうちの前記便器洗浄タンクの側方を覆う上側のカバーに対して間接的に固定される、請求項2~4のいずれか1項に記載の便器装置。 - 前記前部カバーは、床面との間に隙間を有する、請求項1~5のいずれか1項に記載の便器装置。
- 前記側部カバーは、床面との間に隙間を有する、請求項1~6のいずれか1項に記載の便器装置。
- 前記側部カバー及び前記前部カバーは、互いに係止する少なくとも上下2つの係止部をそれぞれ有する、請求項1~7のいずれか1項に記載の便器装置。
- 前記側部カバーの前記上下2つの係止部のうち、いずれか一方の前記係止部は、対応する前記前部カバーの前記係止部に対して上方に配置される、請求項8に記載の便器装置。
- 前記下カバーは着脱可能に設けられる、請求項1~7のいずれか1項に記載の便器装置。
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