[A]防水パネルシャッターの全体構成
図1、図2に示すように、防水用のパネルシャッターは、複数枚のパネル1から構成されたシャッターカーテンと、建物開口部の幅方向両端に立設され、垂直姿勢のパネル1の幅方向両端部を案内する左右のガイド枠2と、を備えている。図2において、パネル1、すなわちシャッターカーテンの左側が室内側、右側が室外側である。
パネル1は、所定厚みを備え、開口幅方向に延びる横長方形状の要素であり、正面視横長方形状の面部と、上面部と、下面部と、左右の側面部と、を有している。開口部全閉状態では、一方の面部が室外側に面する室外側面部100であり、他方の面部が室内側に面する室内側面部101となっている。図3(パネル1の幅方向の一方の端部を示し、他方の端部も同様の構成を有する)に示すように、各パネル1の幅方向両端の側面部には、ガイドローラ11を設けた支軸10が突設されており、各パネル1は支軸10を介してチェーン3に連結されて吊持されることでシャッターカーテンを形成する。パネルシャッターにおいて、各パネルをチェーン3によって吊持する構成は当業者に良く知られているので、詳細な説明は省略する。また、パネルシャッターについては、幾つも変形例、改良例が当業者に知られており、本発明に係る防水シャッターに適用され得るパネルシャッターの構成は、図示の態様に限定されるものではないことに留意されたい。
図3に示すように、ガイド枠2は、離間対向する室外側見付壁20及び室内側見付壁21と、見込方向に延びる底壁22と、から断面視コ字状に形成され、開口全高に延びる長尺部材であり、室外側見付壁20と室内側見付壁21の先端側は互いに対向するように前辺200、210が折曲形成されている。前辺200は、室外側見付壁20の先端から室内側へ向かって室外側見付壁20に対して垂直に延びており、前辺210は、室内側見付壁21の先端から室外側へ向かって室内側見付壁21に対して垂直に延びている。そして、前辺200、210の先端間の開口溝にパネル1の幅方向端部を受け入れるようになっている。室外側辺20と室内側辺21の先端側の前辺200、210の外面には、それぞれ高さ方向に延びる長尺状の弾性ゴムからなる一対の弾性要素26が設けてあり、パネル1の昇降時及び全閉時に、パネル1の室外側面部100、室内側面部101に接触するようになっている。
ガイド枠2の上端は、開口部上方の収納空間内まで延びており、パネル1の幅方向両端部のガイドローラ11を案内する上側延出部2´を備えている。上側延出部2´は、ガイドローラ11に室外側及び室内側の両側から接触可能に構成されている。開口部上方の収納空間には、上側延出部2´の略上端に位置してチェーン3を巻き掛けするためのスプロケット4が設けあり、開閉機Mによってスプロケット4を回転させて、チェーン3を吊上げ、あるいは、繰り出すことで、パネル1を上昇、あるいは、下降させて建物開口部を開閉するようになっている。
開口部上方のパネル1の収納空間Sは開口部上方から室外側に向かって延びており、当該収納空間Sには、前方(シャッター芯Cから室外側)に向かって緩やかに下向き傾斜状に延出する収納レール5が設けある。チェーン3の吊上げによって、収納空間S内まで移動したパネル1は、スプロケット4を介して収納レール5に継送され、パネル1はガイドローラ11が収納レール5に案内されながら収納空間Sの後方へ順次送られて、互いに平行状に垂下した状態に保持され収納される。
このように構成されたパネルシャッターにおいて、開口部全閉状態において、開閉機Mによりスプロケット4をチェーン吊上げ方向に回転駆動すると、全閉状態の垂直姿勢にある各パネル1は、チェーン3の上昇にしたがって、幅方向両端部が垂直状のガイド枠2に案内されながら、上昇していき、上位のパネル1から、ガイド枠2の上側延出部2´から横方向に延びる収納レール5に順次受け渡され、収納空間で平行状に収納されていき、開口部が開放される。
開口部全開状態において、開閉機Mによりスプロケッ4をチェーン繰り出し方向に回転駆動すると、平行状に収納されていたパネル1は幅方向両端部のガイドローラ11が収納レール5に案内されながら順次収納空間の後方から前方のスプロケット4側へ引き出され、スプロケット4を通過する時に、高さ方向に互いに上下に垂直姿勢となってガイド枠2に案内されながら降下していき、開口部が閉鎖される。図2に示すように、建物開口部の下方部位には、床面から所定高さに位置して障害物検知手段として例示する光電センサPSが設けてある。
シャッターカーテン降下時には、上下に隣接する2枚の任意のパネル1において、下側のパネルの上端と上側のパネルの下端とは離間した状態にある(図4(C)参照)。シャッターカーテン降下時に、最下位のパネル1の下端が着床した後に、シャッターカーテンがさらに所定距離下降を継続することで、上下に隣接する2枚の任意のパネル1において、下側のパネルの上端と上側のパネルの下端とが接触して全閉状態となる(図4(B)参照)。さらに、全閉状態にあるシャッターカーテンを垂直方向に圧迫することで垂直圧迫状態となる(図4(A)参照)。
全閉状態のパネルシャッターに対して止水構造を付与することで防水パネルシャッターを構成することができる。本実施形態では、全閉状態のパネルシャッターを止水状態とする手段は、全閉状態にある各パネル1を垂直方向に下方に圧迫する第1圧迫機構7と、第1圧迫機構7によって垂直方向に圧迫された全パネル1を一体で室内側へ向かって水平方向に圧迫する第2圧迫機構とからなる。本実施形態では、第1圧迫機構7は開口部上方に位置しているが、第2圧迫機構は開口部上方には位置していない。
本実施形態では、第1圧迫機構7は、開口部上方の収納空間におけるパネル1の昇降を妨げないように、パネル1の昇降経路(シャッター芯C)に対して室内側に偏倚して設けてある。本実施形態では、第2圧迫機構は、ガイド枠2に設けられた手動操作部8と、手動操作部8の操作に連動して圧迫姿勢と圧迫解除姿勢をとる水平方向押圧部材23と、を備えている。
最上位のパネル1を除く各パネル1の上面部には、幅方向全体に亘って水密ゴム12(図2、図4、図18参照)が設けてある。開口部全閉時において、上下隣接する2枚のパネル1の上側パネル1の下端と下側パネル1の上端とを水密ゴム12を介して圧接させることで、上下隣接するパネル間の止水構造が得られるようになっている。最下位のパネル1の下端には、幅方向全体に亘って水密ゴム13が設けてあり、開口部全閉時において、水密ゴム13が床面FLに圧接されることでシャッターカーテン下端の止水構造が得られるようになっている。すなわち、第1圧迫機構7を用いて、全閉状態のシャッターカーテンを上端から床面FLに向かって垂直に圧迫することで上下に隣接するパネル1間及び最下位のパネル1と床面FL間の止水状態が得られる。
なお、上下隣接する2枚のパネル1間の止水構造を形成する水密ゴムは、パネル1の上端に設けられるものに限定されるものではなく、パネル1の下端あるいは/および上端に幅方向全体に亘って水密ゴムが設けられ、開口部全閉時において、上下隣接する2枚のパネル1の上側パネル1の下端と下側パネル1の上端とを水密ゴムを介して圧接させることで、上下隣接するパネル間の止水構造が得られるようになっていればよい。
シャッターカーテンの垂直圧迫状態において、水密ゴム12が上下隣接するパネル1間を水密状態に閉塞し、水密ゴム13が最下端のパネル1の下端と床面との間の水密状態に閉塞する。第2圧迫機構によって、垂直圧迫状態にあるシャッターカーテンがさらに水平方向に圧迫されて、水平圧迫状態となると、パネル1の室内側面部101が水密ゴム部材24に圧接されて、開口幅方向両端部を水密状態に閉塞する。このようにシャッターカーテンが圧迫状態(垂直圧迫状態兼水平圧迫状態)となると、上下のパネル間が水密状に閉塞されると共に、シャッター装置の三方(左右のガイド枠2内に位置するシャッターカーテンの幅方向両端部及びシャッターカーテン下端)の水密ゴム13、24によって室内側空間への浸水を防ぐ止水ラインが形成される。
[B]第1圧迫機構
本実施形態に係る第1圧迫機構7の構成について詳細に説明する。図2に示すように、開口部上方の収納空間には、パネル1の昇降経路(シャッター芯C)に対して室内側に偏倚して、第1圧迫機構7が開口幅方向に間隔を存して設けてある。図5〜図7に示すように、第1圧迫機構7は、開口部上方の収納空間に配置したアクチュエータとして例示するパワーシリンダ70と、パワーシリンダ70のピストンロッド71の先端に設けられ、全閉状態の最上位のパネル1の上端に当接して押圧する押圧部(リンク機構からなる)72と、を備えている。開口部全閉状態において、ピストンロッド71を下降させ、押圧部72を最上位のパネル1の上端に当接させて下方に向かって押圧することで、全閉状態にある各パネルを下方に向かって垂直に圧迫する。
第1圧迫機構7(パワーシリンダ70、ピストンロッド71、押圧部72)は、アクチュエータブラケット75に固定されており、アクチュエータブラケット75は、ベースフレーム76に取り付けられている。図6、7に示すように、押圧部72は、第1圧迫機構7のフレームに固定された水平状のベース720と、ベース720の基端側に一端が連結された第1リンク721と、ベース720の先端側に一端が連結された第2リンク722と、第1リンク721と第2リンク722の他端同士を連結する第3リンク723と、を備えている。ピストンロッド71の先端は第3リンク723に連結されており、第3リンク723の下面が全閉状態の最上位のパネル1の上端に当接して押圧するようになっている。
第1圧迫機構7は、第1リミットスイッチ73、第2リミットスイッチ74を備えている。第1リミットスイッチ73がON(第2リミットスイッチ74がOFF)の場合は垂直圧迫解除状態であり、第1リミットスイッチ73がOFF、第2リミットスイッチ74がOFFの場合は垂直圧迫動作中あるいは垂直圧迫解除動作中であり、第2リミットスイッチ74がON(第1リミットスイッチ73がOFF)の場合は垂直圧迫状態であることが検知される。第1リミットスイッチ73は垂直圧迫解除状態(圧迫が完全に解除されている状態)を検知する手段であり、第2リミットスイッチ74は垂直圧迫状態検知手段である。
[C]第2圧迫機構
本実施形態に係る第2圧迫機構は、左右の各ガイド枠2にそれぞれ設けられた手動操作部8と水平方向押圧部材23からなる。
[C−1]水平方向押圧部材
ガイド枠2の室外側見付壁20の先端側の内面、かつ、前辺200の内面に位置して、断面視長方形状を備え、高さ方向に延びる長尺部材である水平方向押圧部材23が設けてある。ガイド枠2内には、室内側見付壁21の先端側の内面、かつ、前片210の内面に位置して、高さ方向に延びる長尺部材である水密ゴム部材24が設けてある。底壁22には高さ方向に延びる長尺部材であって、ガイドローラ11の室外側周面に接触して案内するガイド部材25が設けてある。
水平方向押圧部材23は、平面視において、前辺200に沿って室内外方向に延びており、押圧面(圧迫時に、パネル1の室外側面部100に当接する部位)2310は、常時(圧迫時及び圧迫解除時)、前辺200の先端を越えて突出している。なお、圧迫解除時には、水平方向押圧部材23の押圧面2310が前辺200の内側に位置し(先端を越えない)、圧迫時に、水平方向押圧部材23の押圧面2310が前辺200の先端を越えて突出するようにしてもよい。水密ゴム部材24の先端面は、前辺210の先端を越えて突出している。
各パネル1の幅方向端部は、室外側(ガイド枠2の室外側見付壁20に近い側)の水平方向押圧部材23と、室内側(ガイド枠2の室内側見付壁21に近い側)の水密ゴム部材24と、の間の開口に受け入れられており、幅方向端部から突出する支軸10の先端のガイドローラ11の室外側周面は、ガイド枠2の底部側に設けたガイド部材25に接触ないし近接している。チェーン3を上下動させることで、各パネル1は、室外側面部100、室内側面部101がそれぞれ弾性要素26と接触しながら、幅方向両端の支軸10のガイドローラ11の室外側周面がガイド部材25に、幅方向両端が水密ゴム部材24に、それぞれ案内されて、垂直方向に上下動する。ガイドローラ11の室外側周面がガイド部材25に接触することによって、通常開閉時及び通常の全閉状態において、金属製の水平方向押圧部材23とパネル1の幅方向端部との接触が規制されている。
水平方向押圧部材23と水密ゴム部材24との間にパネル1の幅方向端部が位置しており、また、ガイドローラ11の室内側周面はフリー(部材によって案内されない)であり、パネル1が室内側へ移動することに応じてガイドローラ11も室内側へ移動可能となっており、水平方向押圧部材23によってパネル1の幅方向端部を室内側へ押圧することで、パネル1の室内側面部の幅方向端部が全高に亘って水密ゴム部材24に圧接され、シャッターカーテン幅方向両端部の高さ方向に亘る止水構造が得られる。
図12(B)において、左図(水平圧迫状態)では、水平方向押圧部材23がパネル1の室外側面部100に押圧接触しており、パネル1の室内側面部101が水密ゴム部材24に圧接されており、右図(水平圧迫解除状態)では、水平方向押圧部材23とパネル1の室外側面部100、パネル1の室内側面部101と水密ゴム部材24は、それぞれ近接しているものの押圧状態にはない。このように、ガイド枠2の内部に、ガイドローラ11に室外側からのみ接触可能なガイド部材25を設けたことで、第2圧迫機構の圧迫動作によるパネル1の室内側面部101と水密ゴム部材24との圧接を許容する一方、ガイドローラ11がガイド部材25に接触することで、パネル1の昇降時に水平方向押圧部材23とパネル1の室外側面部100が接触することが規制されている。
本実施形態に係る水平方向押圧部材23の構成についてさらに詳細に説明する。水平方向押圧部材23は、ガイド枠2に沿って垂直に延びる断面視コ字状で長尺状の第1部材(室外側部材)230と、ガイド枠2に沿って垂直に延びる断面視コ字状で長尺状の第2部材(室内側部材)231と、を備えている。第1部材230の見付面2300はガイド枠2の室外側見付壁20に螺子(図示せず)で連結されており、第1部材230が固定要素、第2部材231が可動要素となっている。第2部材231の見付面は、垂直状の押圧面2310となっており、圧迫時には、押圧面2310がパネル1の室外側面部100に当接して室内側へ向かって押圧する。第2部材231は、以下に述べるリンク機構、手動操作部8を介して第1部材230に対して水平方向に離間・接近するようになっている。
リンク機構は、第1リンク232と、第2リンク233と、を備え、第1リンク232と第2リンク233の角度を変えることによって、第1部材230に対して第2部材231が水平方向に離間・接近するようになっている。第1部材230には、高さ方向に所定間隔で第1リンク232の第1端部が第1軸2320を介して回転自在に連結されており、第2部材231には、高さ方向に所定間隔で第2リンク233の第1端部が第2軸2330を介して回転自在に連結されており、第1リンク232の第2端部と第2リンク233の第2端部は、第3軸2340を介して回転自在に連結されている。
図13に示すように第1リンク232、第2リンク233は共にブロック状のリンクブロックである。第1リンク232の第1端部には、ブロックを貫設するように第1軸2320が設けてあり、第2リンク233の第1端部には、ブロックを貫設するように第2軸2330が設けてある。第1リンク232の第2端部は離間対向する一対の片からなり、当該一対の片の間に、第2リンク233の第2端部を回転可能な状態で挟持している。第2リンク233の第2端部は離間対向する一対の片からなり、当該一対の片の間に作動ロッド234を挟持しており、作動ロッド234に対する第2リンク233の第2端部の回転は許容されている。第2軸2330にはガイドローラ2331が設けてあり、第2軸2330はガイドローラ2331が水平溝2360に案内されて水平方向に往復動するようになっている。
作動ロッド234は、ガイド枠2に沿って垂直に延びる長尺状の部材であり、作動ロッド234には、高さ方向に所定間隔で第3軸2340が設けてあり、第3軸2340において、第1リンク232、第2リンク233が連結されている。作動ロッド234には、さらに、手動操作部8の連結機構が連結されており、手動操作レバー80の操作に連動して連結機構を介して作動ロッド234が引き上げられるように構成されている。
第1部材230には、リンク機構に対応するように、高さ方向に所定間隔で一対のガイド235が設けてあり、ガイド235に形成されたガイド溝236によって、第2軸2330、第3軸2340が案内されるようになっている。すなわち、作動ロッド234の上動に連動して第2部材231が水平方向に移動して押圧面2310によってパネル1の室外側面部100を押圧し、室内側面部101を水密ゴム部材24に圧接するように構成されている。
[C−2]手動操作部
手動操作部8は、手動操作レバー80と、手動操作レバー80と水平方向押圧部材23とを連動連結する連結機構とからなる。図8、図9に示すように、手動操作レバー80は、ガイド枠2の室外側見付壁20の外面(立姿状の操作者が操作し易い高さ位置)に設けられ、シャッターカーテンの水平圧迫解除状態に対応する第1姿勢と、シャッターカーテンの水平圧迫状態に対応する第2姿勢との間で上下に回動可能である。本実施形態では上側に回動した姿勢が第1姿勢であり、下側に回動した姿勢が第2姿勢である。手動操作レバー80の回動方向や第1姿勢と第2姿勢の空間的位置関係は限定されない。手動操作レバー80の回動は、連結機構を介して水平方向押圧部材23に伝達される。
連結機構は、水平方向押圧部材23の第1部材230に回動可能に連結された第1要素81と第2要素82を備え、第1要素81及び第2要素82の先端は水平方向押圧部材23の作動ロッド234に連結されており、手動操作レバー80が第1姿勢から第2姿勢へ回動することに連動して、第1要素81及び第2要素82が第1姿勢から第2姿勢へ回動して、水平方向押圧部材23の作動ロッド234を第1姿勢から第2姿勢へ上動させる。そして、作動ロッド234の上動に連動して、水平方向に移動する第2部材231の押圧面2310がパネル1の室外側面部100を押圧することで、シャッターカーテンを水平圧迫する。本実施形態では、第1要素81は第2要素82よりも下方に位置しており、第1要素81は、手動操作レバー80の下方に位置しており、第2要素82は、天井CL付近に位置している。
図10、図11に示すように、第1要素81、第2要素82は、ガイド枠2の室外側見付壁20に形成した開口を貫通しており、ガイド枠2の内部に位置する内方部位と、ガイド枠2の外部に位置する外方部位とを備える。第1要素81及び第2要素82の内方部位は、さらに、水平方向押圧部材23の第1部材230の見付面2300に形成した開口を貫通している。
第1要素81は、内方部位において、水平方向押圧部材23の第1部材230の第1の高さ位置に第1軸810を介して回動可能に連結され、作動ロッド234の第1の高さ位置に第2軸811を介して回動可能に連結されている。本実施形態では、第1要素81は、正面視三角形状の2枚の外側プレート81aと、2枚のプレート81a間に挟まれた中間プレート81bとを備えているが、これには限定されない。
第2要素82は、内方部位において、水平方向押圧部材23の第1部材230の第2の高さ位置に第1軸820を介して回動可能に連結され、作動ロッド234の第2の高さ位置に第2軸821を介して回動可能に連結されている。本実施形態では、第2要素82は、正面視三角形状の2枚の外側プレート82aと、2枚のプレート82a間に挟まれた中間プレート82bとを備えているが、これには限定されない。
連結機構は、さらに、ガイド枠2の室外側見付壁20の外側に位置して、作動ロッド234に平行して垂直状に延び、下端が第3軸812を介して第1要素81の外方部位に回転可能に連結され、上端が第3軸822を介して第2要素82の外方部位に回転可能に連結された第3要素83を備えている。第1要素81の外方部位と第2要素82の外方部位が第3要素83によって連結されることで、第1要素81と第2要素82が同時に回動するようになっている。図10に示すように、第1要素81には、第3軸812を受け入れる孔812´が形成されており、第2要素82には、第3軸822を受け入れる孔822´が形成されている。
第3要素83は、上側の第1部分83Aと下側の第2部分83Bとからなり、第1部分83Aは、一枚の長尺状のプレートからなり、第2部分83Bは、2枚の平行状の長尺状のプレートからなる(図14参照)。ガイド枠2の室外側見付壁20には、箱状の取付台87が突設されており、第3要素83の第2部分83Bの下方部位は取付台87を高さ方向に上下動可能に挿通している。取付台87には、手動操作レバー80が第1軸800を介して上下に回動可能に連結されている。取付台87には、手動操作レバー80が第2姿勢から第1姿勢まで回動した時に手動操作レバー80の回動を規制するストッパー88が設けてある。ストッパー88を設けたことで、手動操作レバー80の第1姿勢(圧迫解除位置)が決定され、手動操作レバー80が必要以上に回動して、操作者が手を挟んだりすることを防止している。
連結機構は、さらに、手動操作レバー80の回動を第1要素81に伝達するための第4要素84、第5要素84´を備えている。第4要素84の下端は第4軸813を介して第1要素81に回転可能に連結されており、第4要素84は、取付台87に設けたガイド部870によって垂直姿勢で上下動可能に支持されている。第4要素84の上端は第1軸840を介して、アーム状の第5要素84´の下端に回転可能に連結されており、第5要素84´の上端は、第2軸801を介して手動操作レバー80が回転可能に連結されている。第4要素84の下端は第4軸813を介して第1要素81に回転可能に連結されており、手動操作レバー80と第1要素81は、第4要素84を介して連動連結されている。図10に示すように、第1要素81には、第4軸813を受け入れる長孔813´が形成されている。
図8において、手動操作レバー80及び連結機構は第1姿勢にある。具体的には、手動操作レバー80は上側に回動した姿勢にあり、第5要素84´、第4要素84及び第3要素83は上動姿勢にあり、第1要素81及び第2要素82は外方部位が上側に回動した姿勢にある。この姿勢から手動操作レバー80を下方に回動させて第2姿勢とすると、第5要素84´、第4要素84及び第3要素83は下動姿勢になり、第1要素81及び第2要素82は外方部位が下側に回動し、内方部位の先端が上側に回動した姿勢となり、作動ロッド234が上方に引き上げられる。作動ロッド234の上動に連動して、第2部材231が第1部材230から離れるようにパネル1に向かって押し出されてパネル1の幅方向端部の室外側面部100に当接し、パネル1の室内側面部101が水密ゴム部材24を圧迫することで、第1圧迫機構7によって垂直方向に圧迫された全パネル1を一体で室内側に向かって圧迫する。
図9において、手動操作レバー80及び連結機構は第2姿勢にある。具体的には、手動操作レバー80は下側に回動した姿勢にあり、第5要素84´、第4要素84及び第3要素83は下動姿勢にあり、第1要素81及び第2要素82は外方部位が下側に回動した姿勢にある。この姿勢から手動操作レバー80を上方に回動させて第1姿勢とすると、第5要素84´、第4要素84及び第3要素83は上動姿勢になり、第1要素81及び第2要素82は外方部位が上側に回動し、内方部位の先端が下側に回動した姿勢となり、作動ロッド234が下方に引き下げられる。作動ロッド234の下動に連動して、第2部材231が第1部材230に向かい、パネル1の幅方向端部の室外側面部100から離れるように移動し、パネル1の室内側面部101が水密ゴム部材24から離れるように移動することで、第1圧迫機構7によって垂直方向に圧迫された全パネル1は水平圧迫解除状態となる。
連結機構は、手動操作レバー80が第1姿勢にある時にシャッターカーテンの水平圧迫解除状態に対応する第1姿勢をとり、手動操作レバー80が第2姿勢にある時にシャッターカーテンの水平圧迫状態に対応する第2姿勢をとる。第2圧迫機構は、連結機構(本実施形態では第2要素82)が第1の姿勢にあることを検知して水平圧迫解除信号を出力する水平圧迫解除状態検知手段と、連結機構(本実施形態では第2要素82)が第2の姿勢にあることを検知して水平圧迫状態検知信号を出力する水平圧迫状態検知手段を備えている。
図8、図9に示すように、第2圧迫機構は、水平圧迫解除状態検知手段としての第1リミットスイッチ85と、水平圧迫状態検知手段としての第2リミットスイッチ86を備えている。具体的には、第1リミットスイッチ85がON(第2リミットスイッチ86がOFF)の場合は水平圧迫解除状態であり、第1リミットスイッチ85がOFF、第2リミットスイッチ86がOFFの場合は水平圧迫動作中あるいは水平圧迫解除動作中であり、第2リミットスイッチ86がON(第1リミットスイッチ85がOFF)の場合は水平圧迫状態であることが検知される。
より具体的には、本実施形態では、天井CLの近くに位置する第2要素82の近傍(ガイド枠2の室外側見付壁20の外側)に第1リミットスイッチ85及び第2リミットスイッチ86が設けてある。第2要素82の外方部位には、2枚の外側プレート82aのそれぞれから各プレートに対して垂直状に突出する第1当接部823と第2当接部824が形成されており、第1当接部823と第2当接部824は反対方向に突出している(図10(B)参照)。第1リミットスイッチ85と第1当接部823から水平圧迫解除状態検知手段が構成されており、第2要素82が第1姿勢にある時に、第2要素82の第1当接部823が第1リミットスイッチ85の第1被当接部850に当接することで水平圧迫解除信号を出力する。第2リミットスイッチ86と第2当接部824から水平圧迫状態検知手段が構成されており、第2要素82が第2姿勢にある時に、第2要素82の第2当接部824が第2リミットスイッチ86の第2被当接部860に当接することで水平圧迫状態検知信号を出力する。
本実施形態に係る連結機構は、第1要素81、第2要素82、第3要素83、第4要素84、第5要素84´から構成されており、1つの手動操作レバー80の回動操作によって、シャッターカーテンの幅方向端部を高さ方向に亘って水平方向に圧迫することができる。手動操作レバー80の動きを水平方向押圧部材23に伝達するための連結機構の具体的な構成は、図示の態様に限定されるものではない。
図1〜図3、図15に示すように、左右のガイド枠2の室外側部位全体を覆うように、開口部全高に亘って縦枠6が設けてある。図1では、左側の縦枠6のみを示し、右側の縦枠6は省略している。縦枠6は、ガイド枠2の室外側見付壁20及び室外側見付壁20の外面に露出する手動操作部8の要素(手動操作レバー80、第1要素81、第2要素82、第3要素83、取付台87、ストッパー88、)を覆って隠蔽するようになっている。
図3、図16に示すように、縦枠6は、室外側見付壁20よりも幅広で、室外側見付壁20に対して離間対向して延びる見付面60と、見付面60の端部(躯体から遠い側)からパネル昇降経路に向かって延びる見込面61と、見込面61の端部から見付面60に対して対向して見付方向に延びる見付面62、見付面62の先端からパネル昇降経路に向かって見込方向に延びる見込面63、見込面63の先端から見付方向に延びる見付面64、見付面64の先端から見込方向に延びる見込面65を備えており、見付面60がガイド枠2の室外側見付壁20を覆い、見込面61、見付面62、見込面63がガイド枠2の室外側見付壁20の外面に露出する要素を側面から覆い、見付面64、見込面65がガイド枠2の室外側の前辺200を覆っている。縦枠6がガイド枠2の室外側部位全体を覆うことで、すっきりとした外観となっている。図示の縦枠6の形状は例示であって、具体的な形状は現場の納まり等に応じて当業者によって適宜選択し得るものである。
図15、図16に示すように、縦枠6の見付面60には、高さ方向に離間して2つのカバー66、67が開閉可能に設けてある。上側のカバー66は、手動操作部8の第2要素82及び第1リミットスイッチ85、第2リミットスイッチ86に対応しており、カバー66を開放することで、検知手段のメンテナンスを行うことができる。下側のカバー67は、手動操作部8の手動操作レバー80に対応しており、カバー67を開放することで、手動操作レバー80の回動操作が可能となっている。カバー66、67は共に、キーの差し込み回動操作によって開閉可能となっているので、手動操作部8に対するいたずらを防止することができ防犯性も良好である。
[D]中柱
図1、図17等に示すように、本実施形態では、防水シャッターは可動の中柱9を備えている。中柱9は、止水状態にあるシャッターカーテンを室内側から支持する補強中柱であって、全閉状態にあるパネル1の室内側に位置して、パネル1の室内側面部101に近接対向して設置される。全閉姿勢にあるシャッターカーテンを挟んで、室外側に第2圧迫機構の水平方向押圧部材23が配置されており、室内側に中柱9が設置されている。本実施形態に係る防水シャッターは、3本の中柱9を備えているが、中柱9の本数は限定されず、パネル1の幅寸法(開口幅寸法)等に応じて適宜数が選択される。なお、中柱9には左右勝手違いのものがある点に留意されたい(図18、図19参照)。
中柱9は、開口部上方に位置して開口幅方向に延びるハンガーレール90に沿って収納位置と設置位置との間で移動可能となっている。ハンガーレール90は、水平状かつ開口幅方向に延びる長尺部材であり、開口部の全幅に亘って延びており、長さ方向の端部は、少なくとも、中柱9の収納位置(開口部の幅方向端部でガイド枠2の室内側見付壁21の室内側の位置)に対応する位置まで延びている。中柱9の上端にはハンガーローラ91が設けてあり、中柱9はハンガーローラ91がハンガーレール90に沿って移動することで、収納姿勢(ガイド枠2の室内側で開口部を塞がない位置である)と設置姿勢(全閉状態にあるパネル1の室内側面部101に対向する)との間で移動可能となっている。
1つの態様では、中柱9の設置は、全閉姿勢にあるシャッターカーテンを止水状態(垂直方向圧迫及び水平方向圧迫)とした後に、中柱9を収納位置から設置位置に移動させて、シャッターカーテンの室内側面部に近接対向させて設置する。なお、本実施形態では、設置位置にある中柱9と全閉姿勢(水平圧迫解除状態及び水平圧迫状態)にあるシャッターカーテンの室内側面部との間には隙間が形成されており、設置姿勢の中柱9は、シャッターカーテンの降下、全閉姿勢にあるシャッターカーテンの垂直方向圧迫動作及び水平方向圧迫動作の妨げとはならないので、中柱9の設置のタイミングは特に限定されない。
中柱9は、断面視長方形状を有し、開口高に略相当する高さを備えた長尺部材であり、図19に示すように、上端面96、下端面97、及び、4つの側面(第1面900、第2面901、第3面902、第4面903)、を備えている。断面視において、対向する第1面900、第2面901が短辺であり、対向する第3面902、第4面903が長辺である。
中柱9には、上側係止ロッド92が、中柱9の上端面96に対して上方に突出可能に設けてある。中柱9には、下側係止ロッド93、94が、中柱9の下端面97に対して下方に突出可能に設けてある。中柱9には操作レバー95が設けてあり、操作レバー95は、リンク機構(図示せず)を介して、1本の上側係止ロッド92、2本の下側係止ロッド93、94に連結されている。操作レバー95は、移動時には第1の位置にあり、この時、上側係止ロッド92、下側係止ロッド93、94は非突出姿勢にある。設置位置(図18右図)あるいは収納位置(図18左図)まで移動した中柱9において、操作レバー95を第2の位置へと回動操作すると、リンク機構を介して、上側係止ロッド92が上方に突出して開口部上方の受部材の係止受孔920、920´に係止し、下側係止ロッド93、94が下方に突出して、それぞれ、床面に埋設した受部材ユニット99、99´の係止受孔930、940、930´、940´に係止する。1つのレバーの回動操作で、上方かつ下方にロッドを突出させるようなリンク機構は当業者に良く知られているので、詳細な説明は省略する。
図19に示すように、中柱9の吊持位置、すなわち、吊持軸910は、第2面901に寄った位置にある。設置姿勢を示す図18右図と収納姿勢を示す図18左図を対比すれば明らかなように、設置姿勢では、中柱9の第1面900がパネル1の室内側面部101に近接しており、収納姿勢では、中柱9は吊持軸910を中心に180度回転した姿勢にあり、中柱9の第2面901が室外側に向かって対向するようになっている。
中柱9の収納時、移動時においては、中柱9の第2面901をパネル1の室内側面部101に近い側、中柱9の第1面900をパネル1の室内側面部101から遠い側とすることで、中柱9の第2面901とパネル1の室内側面部101との間に十分な間隔が形成され、中柱9とパネル1の接触が防止され、中柱9のスムーズな移動を可能とする。
中柱9の設置姿勢では、設置位置まで移動した中柱9を、吊持軸910を中心に、軸回りに回転させて、中柱9の第1面900をパネル1の室内側面部101に近い側、中柱9の第2面901をパネル1の室内側面部101から遠い側とすることで、中柱9の第1面900をパネル1の室内側面部101に近接対向させる。こうすることで、垂直方向及び水平方向に圧迫されて止水状態にあるシャッターカーテンに室外側から水圧が作用した場合には、シャッターカーテンの室内側面部(パネル1の室内側面部101)が中柱9の第1面900に当接し、中柱9は、止水状態にあるパネル1と協働して、止水状態にあるパネル1に作用するであろう水圧に良好に対抗する。
図19に示すように、中柱9の上端面96には、第1面900側に位置してガイド体98が突設されている。ガイド体98は、側面視(図19の右図)において上端が第1面900から第2面901側に離間しており、下端が第1面900の上端に一致する傾斜状のガイド面980を備えている。中柱9の第1面900は、中柱9の設置時にパネル1の室内側面部101に近接する面であり、そのような第1面900の上端に傾斜状のガイド面980が形成されている。中柱9を先に設置してからシャッターカーテンを降下させる場合があるが、この時、建物開口部を通過する風圧等によりシャッターカーテンが前後に揺れたり変位したりした場合であっても、パネル1の下端がガイド体98のガイド面980に当接して第1面900に案内されることから、中柱9の上端面96にパネル1の下端が引っ掛かり、動作不具合が生じるようなことを防止している。
[E]防水扉の動作制御装置
本実施形態に係る電動防水扉は、いわゆる管理用のパネルシャッターとして用いられるものであり、建物開口部の通常の開閉にも用いられ、豪雨が予想される非常時等には、防水扉として機能する。以下に述べるように、防水扉の開閉制御は、操作スイッチからの入力によって行われる。
図2に示すように、本実施形態に係る防止扉は、第1室外側スイッチボックスSB1、第2室外側スイッチボックスSB2、室内側スイッチボックスSB3、すなわち3つの操作スイッチ、を備えている。第1室外側スイッチボックスSB1、室内側スイッチボックスSB3は、立った姿勢で操作し易いように、床面から1500mmの高さに位置して配置されている。第2室外側スイッチボックスSB2は、床面から2500mm(想定最大水位W.L.)を越える高さに位置して配置されている。防水扉はその用途からして、シャッターカーテンによって仕切られた室外側部位に水が溜まることを前提としている。床面から2500mmを想定最大水位とした場合には、第1室外側スイッチボックスSB1は、止水時に水没ないし浸水する可能性がある。本実施形態では、第1室外側スイッチボックスSB1は、通常のスイッチボックスと同様であり、特段防水処理を施してはいない。なお、本実施形態において、第1室外側スイッチボックスSB1と室外側の光電センサPSは水没ないし浸水するおそれがあるため、第1室外側スイッチボックスSB1及び室内外側の光電センサPSの電源系統を、他の要素(第2室外側スイッチボックスSB2、室内側スイッチボックスSB3)の電源系統から分離することで、他の電気系統へ影響を及ぼさないようにしている。具体的な態様例では、防水扉には主電源としてAC200Vが供給され、開閉機のモータはAC200Vを用いて作動する。主電源は少なくとも2つのレギュレータを介して第1電源系統(DC24V)、第2電源系統(DC24V)に変換され、第1室外側スイッチボックスSB1及び室内外側の光電センサPSは第1電源系統によって作動し、第2室外側スイッチボックスSB2、室内側スイッチボックスSB3は第2電源系統によって作動する。水没等によって第1電源系統に不具合が生じても、第2電源系統及び主電源に影響を及ぼさないようになっている。
スイッチボックスSB1〜SB3は、正面が開口状の箱体14と、箱体14の正面の開口を開閉する蓋体15と、箱体14に設けた操作パネル16と、を備え、操作パネル16には、複数の操作スイッチが設けてある。図20に示すように、本実施形態では、操作パネル16には、開放ボタンS1、閉鎖ボタンS2、停止ボタンS3、圧迫ボタンS4、圧迫解除ボタンS5、非常閉鎖ボタンS6が設けてある。圧迫ボタンS4、圧迫解除ボタンS5、非常閉鎖ボタンS6はランプとしても機能する。操作パネルには、さらに、電源ランプL1、上下圧迫ランプL2が設けてある。防水扉の動作(シャッターカーテンの開閉動作、垂直圧迫動作、垂直圧迫解除動作)はこれらのボタンからの入力に基づいて制御される。より具体的には、ボタン入力による指示に従って、制御部を介して開閉機M(パネル1の昇降動作)、第1圧迫機構7(全閉状態にあるパネル1の垂直圧迫動作、垂直圧迫解除動作)の動作制御が行われる。以下、各ボタン、ランプについて説明する。
[開放ボタンS1(開放スイッチ)]
シャッターが圧迫解除状態(垂直圧迫解除状態かつ水平圧迫解除状態)、かつ、全開位置でない時、開放ボタンを押すとシャッターカーテンが上昇し、全開位置で停止する。本実施形態では、開放ボタンS1を押すと、開閉機Mによってチェーン3を吊上げる方向にスプロケット4が回転駆動され、全閉状態(垂直圧迫解除状態かつ水平圧迫解除状態)あるいは半開状態にあるパネル1が上昇する。パネル1が予め決定された上限位置まで上昇すると、上限リミットスイッチにより上限位置信号が生成され、開閉機Mによる駆動が停止する。本実施形態に係る動作制御装置は、開放動作無効手段を備えており、シャッターが圧迫状態(垂直圧迫状態および/あるいは水平圧迫状態)にある時には、当該開放動作無効手段によって、開放ボタンを押しても開放動作が行われない。
[閉鎖ボタンS2(閉鎖スイッチ)]
シャッターが全閉位置でない時、閉鎖ボタンS2を押すとシャッターカーテンは下降し、全閉位置で停止する。本実施形態では、閉鎖ボタンS2を押すと、開閉機Mによってチェーン3を繰り出す方向にスプロケット4が回転駆動され、全開状態あるいは半開状態にあるパネル1が下降する。パネル1が予め決定された下限位置まで下降すると、下限リミットスイッチにより下限位置信号が生成され、開閉機Mによる駆動が停止する。
[停止ボタンS3(停止スイッチ)]
シャッターの動作中もしくは、垂直圧迫動作中および垂直圧迫解除中に停止ボタンS3を押すと、作動中のシャッターカーテンは任意の位置で動作を停止する。より具体的には、パネル1の上昇中に停止ボタンS3が押されると上昇が停止し、パネル1の下降中に停止ボタンS3が押されると下降が停止し、圧迫動作中に停止ボタンS3が押されると圧迫動作が停止し、圧迫解除中に停止ボタンS3が押されると圧迫解除動作が停止する。
[圧迫ボタンS4(圧迫スイッチ)]
シャッターが全閉位置にあり、かつ、垂直圧迫動作が完了していない時に(本実施形態では、水平圧迫状態でないこと、すなわち、第2圧迫機構の第1リミットスイッチ85がONも条件となる)、圧迫ボタンS4を押すと垂直圧迫動作を開始する。垂直圧迫動作が完了すると上下圧迫ランプL2が点灯する。本実施形態では、全閉状態(圧迫動作中に停止ボタンS3が押されて停止した場合を含む)において、圧迫ボタンS4が押されると、第1圧迫機構7が押圧作動し、全閉姿勢にある各パネル1を下方に向かって垂直に圧迫する。第1圧迫機構7の押圧作動が完了すると(第1圧迫機構7の第2リミットスイッチ74がONとなると垂直圧迫状態信号が生成される)、上下圧迫ランプL2が点灯する。第2圧迫機構の押圧作動が開始すると、上下圧迫ランプL2が消灯し、第2圧迫機構の押圧作動が完了すると(第2圧迫機構の第2リミットスイッチ86がONとなって水平圧迫状態信号が生成される)、圧迫ボタンS4が点灯(例えば、赤色点灯)する。圧迫ボタンS4が点灯中は、シャッターカーテンが垂直圧迫状態かつ水平圧迫状態にあることを意味する。
[上下圧迫ランプL2]
上下圧迫ランプL2は、垂直圧迫状態が検知されている時に点灯する。すなわち、表示パネルの上下圧迫ランプL2の点灯時には、シャッターカーテンが垂直圧迫状態であることを意味する。第1圧迫機構7によって、シャッターカーテンが垂直圧迫状態となって、第1圧迫機構7の第2リミットスイッチ74がONとなると垂直圧迫状態検知信号が生成され、上下圧迫ランプL2が点灯する。上下圧迫ランプL2は、垂直圧迫状態検知信号が生成されない時には消灯する。本実施形態では、上下圧迫ランプL2は、水平圧迫解除信号が生成されていること(第2圧迫機構の第1リミットスイッチ85がON)を点灯の条件としている。上下圧迫ランプL2の点灯時に、第2圧迫機構の手動操作部8の手動操作レバー80を回動操作して第2圧迫機構の押圧作動が開始すると(第2圧迫機構の第1リミットスイッチ85がOFF)、上下圧迫ランプL2が消灯し、第2圧迫機構の押圧作動が完了すると、圧迫ボタンS4が点灯する。第2圧迫機構の手動操作部8の手動操作レバー80を回動操作することで、第2圧迫機構の水平圧迫解除作動が開始すると、圧迫ボタンS4が消灯し、第2圧迫機構が水平圧迫解除姿勢(第2圧迫機構の第1リミットスイッチ85がON)となり、垂直圧迫状態検知が継続することで、上下圧迫ランプL2が点灯する。
[圧迫解除ボタンS5(圧迫解除スイッチ)]
シャッターが垂直圧迫状態にある時に(本実施形態では、水平圧迫状態でないこと、すなわち、第2圧迫機構の第1リミットスイッチ85がONも条件となる)、圧迫解除ボタンS5を押すと、圧迫解除動作を開始し、上下圧迫ランプL2が消灯し、圧迫解除動作が完了すると圧迫解除ボタンS5が点灯する。本実施形態では、垂直圧迫状態(圧迫解除動作中に停止ボタンS3が押された場合を含む)において、圧迫解除ボタンS5が押されると、第1圧迫機構7が解除作動を開始する。第1圧迫機構7の圧迫解除動作が完了すると(第1圧迫機構7の第1リミットスイッチ73がONとなると垂直圧迫状態解除信号が生成される)、第2圧迫機構の第1リミットスイッチ85がONであることを条件として、圧迫解除ボタンS5が点灯(例えば、緑色点灯)する。圧迫解除ボタンS5が点灯中は、シャッターカーテンが垂直圧迫解除状態かつ水平圧迫解除状態にあることを意味する。
[非常閉鎖ボタンS6]
シャッターが全閉位置でないとき、非常閉鎖ボタンS6を押すことで、シャッターカーテンを押切動作で下降させることができる。下降中は光電センサPSの入力等の他のスイッチ入力は無効となる。全閉位置まで下降すると自動的に圧迫動作を開始し、圧迫動作完了後、上下圧迫ランプL2が点灯する。全閉位置で非常閉鎖ボタンS6を押した場合には、圧迫ボタンS4と同様の動作を行う。すなわち、非常閉鎖ボタンS6は、垂直圧迫スイッチとしての機能を備えている。
[電源ランプL1]
シャッターカーテンを動作させるための電源が有効な場合には、電源ランプL1が点灯している。各ボタンの操作タイミングによって、ランプがすべて消灯している場合があり、電源ランプL1が点灯していることによって、通電していることが確認できる。具体的には、圧迫ボタンS4、圧迫解除ボタンS5、上下圧迫ランプL2が全て消灯しており(すなわち、垂直圧迫状態ではなく、垂直兼水平圧迫状態ではなく、垂直兼水平圧迫解除状態ではない)、電源ランプL1が点灯している時には、シャッターカーテンは動作中あるいは動作可能状態であると判断できる。
上述のように、本実施形態に係る防水扉は、全閉状態にあるシャッターカーテンを垂直方向に圧迫する第1圧迫機構7と、垂直圧迫状態にあるシャッターカーテンを水平方向に圧迫する第2圧迫機構と、シャッターカーテンが開口部全閉状態となったことを検知する全閉状態検知手段(例えば、下限リミットスイッチから構成される)と、シャッターカーテンが垂直圧迫解除状態にあることを検知する垂直圧迫解除状態検知手段(第1リミットスイッチ73)と、シャッターカーテンが垂直圧迫状態にあることを検知する垂直圧迫状態検知手段(第2リミットスイッチ74)と、シャッターカーテンが水平圧迫解除状態にあることを検知する水平圧迫解除状態検知手段(第1リミットスイッチ85)と、シャッターカーテンが水平圧迫状態となったことを検知する水平圧迫状態検知手段(第2リミットスイッチ86)と、を備えている。
第1圧迫機構7の圧迫動作は、全閉状態検知手段により開口部全閉状態が検知されており、かつ、垂直圧迫状態検知手段により垂直圧迫状態が検知されておらず(第2リミットスイッチ74がOFF)、かつ、水平圧迫解除状態検知手段(第1リミットスイッチ85)により水平圧迫解除状態が検知されている時(第1リミットスイッチ85がON)に作動し、垂直圧迫状態検知手段により垂直圧迫状態が検知された時に停止する。第1圧迫機構7に圧迫動作を実行させる圧迫ボタンS4からの入力信号は、全閉状態検知手段による開口部全閉状態非検知時には無効であり、垂直圧迫状態検知手段(第2リミットスイッチ74)による垂直圧迫状態検知時には無効であり、水平圧迫解除状態検知手段(第1リミットスイッチ85)による水平圧迫解除状態が検知されない時には無効である。すなわち、動作制御装置は、全閉状態検知手段による開口部全閉状態非検知時、あるいは、垂直圧迫状態検知手段(第2リミットスイッチ74)による垂直圧迫状態検知時、あるいは、水平圧迫解除状態検知手段(第1リミットスイッチ85)による水平圧迫解除状態が検知されない時に、圧迫ボタンS4からの入力信号を無効とする第1圧迫機構7の圧迫動作無効手段を備えている。第1圧迫機構7の圧迫解除動作は、全閉状態検知手段により開口部全閉状態が検知されており、かつ、垂直圧迫解除状態検知手段により垂直圧迫解除状態が検知されておらず(第1リミットスイッチ73がOFF)、かつ、水平圧迫解除状態検知手段(第1リミットスイッチ85)により水平圧迫解除状態が検知されている時(第1リミットスイッチ85がON)に作動し、垂直圧迫解除状態検知手段により垂直圧迫解除状態が検知された時に停止する。第1圧迫機構7に圧迫解除動作を実行させる圧迫解除ボタンS5からの入力信号は、全閉状態検知手段による開口部全閉状態非検知時には無効であり、垂直圧迫解除状態検知手段(第1リミットスイッチ73)による垂直圧迫解除状態検知時には無効であり、水平圧迫解除状態検知手段(第1リミットスイッチ85)による水平圧迫解除状態が検知されない時には無効である。すなわち、動作制御装置は、全閉状態検知手段による開口部全閉状態非検知時、あるいは、垂直圧迫解除状態検知手段(第1リミットスイッチ73)による垂直圧迫解除状態検知時、あるいは、水平圧迫解除状態検知手段(第1リミットスイッチ85)による水平圧迫解除状態が検知されない時に、圧迫解除ボタンS5からの入力信号を無効とする第1圧迫機構7の圧迫動作無効手段を備えている。
第1圧迫機構7の動作中に、第2圧迫機構を作動させた時には、第1圧迫機構7の動作を停止させてもよく、あるいは/および、音声(警告等)を発生させてもよい。第2圧迫機構の作動は、例えば、第1姿勢にある手動操作レバー80が第2姿勢へ回動を開始した時に、水平圧迫解除状態検知手段(第1リミットスイッチ85)からの信号がON→OFFとなったことで判断することができる。
あるいは、垂直圧迫状態であることを条件として、手動操作レバー80の回動を可能としてもよい。具体的には、手動操作レバー80のロック手段(電気的ないし機械的)を設け、垂直圧迫状態となったことを条件(第2リミットスイッチ74がON)として電気的に手動操作レバー80のロックを解除したり、あるいは垂直圧迫状態となった時に機械的に手動操作レバー80のロックを解除するようにしてもよい。
なお、上記の複数のボタンは操作スイッチの1つの好ましい実施形態であって、例えば、非常閉鎖ボタンは任意でもよい。また、防水専用シャッターの場合に、閉鎖ボタンと垂直圧迫ボタンを共通のボタンから構成し、この共通のボタンからの操作によって、一連で閉鎖・垂直圧迫が実行されてもよい。本実施形態では、通常使用時における扉体の全閉状態は垂直圧迫解除状態であるが、シャッターカーテンの全閉状態が垂直圧迫状態であってもよい。例えば、全開状態にある時に閉鎖スイッチを押すと全閉状態(垂直圧迫状態)となり、全閉状態(垂直圧迫状態)にある時に開放スイッチを押すと全開状態となるようなものでもよく、この場合、閉鎖スイッチが圧迫スイッチであり、開放スイッチが圧迫解除スイッチである。圧迫スイッチと圧迫解除スイッチを1つのボタンから構成してもよい。例えば、止水状態にある場合にボタンが押されると圧迫解除スイッチとして機能し、非止水状態にある場合にボタンが押されると圧迫スイッチとして機能するようにしてもよい。あるいは、入力操作(押し時間、回数、これらの組み合わせ等)によって圧迫スイッチと圧迫解除スイッチを識別するようにしてもよい。
本実施形態では、第1室外側スイッチボックスSB1、第2室外側スイッチボックスSB2、室内側スイッチボックスSB3からの操作入力に加えて、管理室等からの遠隔操作入力(監視カメラ等で安全を確認しながらの操作)が可能となっている。遠隔操作信号(DC24V有電圧a接点)によりシャッターの一連の動作制御が可能であり、遠隔操作によって垂直圧迫動作・圧迫解除動作を行うことも可能である。
なお、圧迫動作・圧迫解除動作が所定時間(例えば20秒以上)継続するとオーバータイム異常となり、圧迫動作・圧迫解除動作を停止するようにしてもよく、オーバータイム異常時の圧迫動作・圧迫解除動作は禁止される。操作スイッチの停止ボタンを1秒以上押すことでオーバータイム異常を解除するようにしてもよい。
本実施形態に係る防水扉の動作制御に用いられる移報接点出力について説明する。移報接点出力は、例えば、防水扉の動作制御信号を、防水扉に対して遠隔の管理室の制御装置へ出力するである。防水扉では、シャッターの状態に応じて以下の移報接点出力(無電圧c接点出力)が行われる。
上限位置信号:シャッターが全開状態の時に出力される。
下限位置信号:シャッターが全閉状態の時に出力される。
垂直圧迫解除状態信号:垂直圧迫が解除されている状態の時に出力される。
垂直圧迫状態信号:垂直圧迫完了状態の時に出力される。
水平圧迫解除状態信号:水平圧迫が解除されている状態の時に出力される。
水平圧迫状態信号:水平圧迫完了状態の時に出力される。
異常信号:シャッター異常の発生時(例えば、ガイドレール異常やチェーン緩み異常等が検知された時)に出力される。
本実施形態に係る防水扉の基本的な動作制御の流れについて図21、図22に基づいて説明する。開口部全開状態ないし半開状態において、操作部(いずれかのスイッチボックスSB1、SB2、SB3)の閉鎖ボタンS2が押されると、開閉機Mが作動して、パネル1が降下を開始する。シャッターカーテンが全閉位置まで降下したことを下限リミットスイッチが検知して下限位置信号が生成され、開閉機Mの作動が停止して開口部全閉状態となる。
圧迫ボタンS4が押されると、下限位置信号が生成されており、かつ、垂直圧迫状態検知手段(第2リミットスイッチ74)により垂直圧迫状態が検知されておらず、かつ、水平圧迫解除状態検知手段(第1リミットスイッチ85)により水平圧迫解除状態が検知されていることを条件として、第1圧迫機構7が作動して、垂直圧迫動作を開始し、点灯中の圧迫解除ボタンS5が消灯する。シャッターカーテンが垂直圧迫状態まで下方に押圧されたことを第2リミットスイッチ74が検知して垂直圧迫状態検知信号が生成され、第1圧迫機構7の作動が停止する。垂直圧迫状態検知信号が生成されると上下圧迫ランプL2が点灯する。シャッターカーテンが全閉状態に無い(下限位置信号が生成されていない)場合、あるいは、シャッターカーテンが垂直圧迫状態にある(垂直圧迫状態検知信号が生成されている)場合、あるいは、シャッターカーテンが水平圧迫状態(圧迫途中状態を含む)にある(水平圧迫解除信号が生成されていない)場合には、第1圧迫機構7の圧迫動作無効手段によって、圧迫ボタンS4からの圧迫動作入力による垂直圧迫動作が無効となる。
上下圧迫ランプL2が点灯中(シャッターカーテンが垂直圧迫状態にあり、水平圧迫解除状態にある)に、第2圧迫機構の手動操作部8の手動操作レバー80を第1姿勢から第2姿勢へ回動させることで、第2圧迫機構の圧迫動作が作動して、水平圧迫動作を開始し、上下圧迫ランプL2が消灯する。手動操作レバー80が第2の姿勢まで回動すると水平圧迫状態が完了する。手動操作レバー80が第2の姿勢となると第2リミットスイッチ86がONとなり、シャッターカーテンが水平圧迫状態まで室内側に押圧されたものとみなし、水平圧迫状態検知信号が生成される。左右の両方の第2圧迫機構の手動操作レバー80が第2姿勢となって、両方の第2リミットスイッチ86から水平圧迫状態検知信号が生成された時に、シャッターカーテンの垂直圧迫及び水平圧迫が完了したものとして、圧迫ボタンS4が点灯する。
圧迫ボタンS4が点灯中(シャッターカーテンが垂直圧迫状態かつ水平圧迫状態にある)に、第2圧迫機構の手動操作部8の手動操作レバー80を第2姿勢から第1姿勢へ回動させることで、第2圧迫機構が作動して水平圧迫解除動作を開始し、圧迫ボタンS4が消灯する。手動操作レバー80が第1の姿勢まで回動すると圧迫解除状態が完了する。手動操作レバー80が第1の姿勢となると第1リミットスイッチ85がONとなり、シャッターカーテンの水平圧迫状態が解除されたものとみなし、水平圧迫解除信号が生成される。左右の両方の第2圧迫機構の手動操作レバー80が第1姿勢となって、両方の第1リミットスイッチ85から水平圧迫解除信号が生成された時に、シャッターカーテンの水平圧迫が完了したものとして、垂直圧迫状態検知信号にしたがって上下圧迫ランプL2が点灯する。
上下圧迫ランプL2が点灯中(シャッターカーテンが垂直圧迫状態にあり、水平圧迫解除状態にある)に、圧迫解除ボタンS5が押されると、第1圧迫機構7が作動して、垂直圧迫状態の解除を開始し、上下圧迫ランプL2が消灯する。シャッターカーテンが垂直圧迫解除状態となったことを第1リミットスイッチ73により検知し、垂直圧迫状態解除信号が生成され、第1圧迫機構7の作動が停止する。水平圧迫解除信号及び垂直圧迫状態解除信号が有効となって、圧迫状態解除となり、圧迫解除ボタンS5が点灯する。シャッターカーテンが水平圧迫状態にある(水平圧迫状態検知信号が生成されている)場合、または、シャッターカーテンが垂直圧迫解除状態にある(垂直圧迫状態解除信号が生成されている)には、第1圧迫機構7の圧迫解除動作無効手段によって、圧迫解除ボタンS5からの圧迫解除動作入力による垂直圧迫状態の解除動作が無効となる。
開口部全開状態ないし半開状態において、非常閉鎖ボタンS6が押された場合には、下限位置信号の入力(圧迫ボタンを押すことに置き換わる)に基づいて、第1圧迫機構7が自動的に垂直圧迫動作を開始する。シャッターカーテンが垂直圧迫姿勢となった後に第2圧迫機構を用いて水平圧迫が行われるが、第2圧迫機構の作動については、上記記載を援用することができる。
本実施形態に係る防水扉は、第1室外側スイッチボックスSB1の圧迫解除ボタンS5の無効化手段を備えている。本実施形態では、全閉状態のシャッターカーテンの垂直圧迫及び水平圧迫が完了した時点で、第1室外側スイッチボックスSB1の圧迫解除ボタンS5からの入力を無効化する。具体的には、第1室外側スイッチボックスSB1、第2室外側スイッチボックスSB2、室内側スイッチボックスSB3のいずれかの圧迫ボタンS4が押されると、第1圧迫機構7が垂直圧迫動作を行い、手動操作部8によって第2圧迫機構の水平圧迫動作が完了した時点、すなわち、第2圧迫機構の第2リミットスイッチ86がONとなった時点で(水平圧迫状態検知信号が出力された時)、第1室外側スイッチボックスSB1は、圧迫解除ボタンS5からの入力ができない無効化状態ないしロック状態となる。このようにすることで、止水状態で第1室外側スイッチボックスSB1が水没ないし浸水した際の誤作動(漏電等による)を防止している。
扉体が圧迫完了状態となると、室外側操作部(第1室外側スイッチボックスSB1)の圧迫解除ボタンS5からの入力が無効化となる。したがって、扉体が圧迫完了状態にある時に、室外側操作部の圧迫解除スイッチ入力が行われてもスイッチ入力が無効となる。ここで、室外側操作部(第1室外側スイッチボックスSB1)の圧迫解除スイッチの無効化には幾つかの態様が考えられ、少なくとも圧迫解除スイッチを含む個別のスイッチを無効とする場合、あるいは、室外側操作部全体を無効とする場合が例示される。また、スイッチの無効化には、当該スイッチ操作によって所定の信号自体が生成されない場合、あるいは、生成された所定の信号に基づく所定の作動自体を無効とする場合が例示できる。
本実施形態では、圧迫解除ボタンS5からの圧迫解除動作は、第2圧迫機構の両方の手動操作レバー80が第1の姿勢にあり、両方の第1リミットスイッチ85から水平圧迫解除信号が生成されていることが条件となるため、上記第1室外側スイッチボックスSB1の無効化は重畳的であるが、第1室外側スイッチボックスSB1の無効化によって、第1室外側スイッチボックスSB1が水没して誤作動するようなリスクに対応している。
本実施形態に係る防水扉は、無効化された第1室外側スイッチボックスSB1の圧迫解除ボタンS5の有効化手段ないしロック解除手段を備えている。第1室外側スイッチボックスSB1のロック解除操作について説明する。図22に示すように、予め設定したスイッチの組み合わせ操作(具体的な組み合わせ例は省略する)によって、圧迫解除ボタンS5の無効化状態が解除される。圧迫解除ボタン無効状態の解除は一定時間だけ行われるようにしてもよい。圧迫解除ボタンS5の無効化状態の解除後に、左右両方の手動操作レバー80を第2姿勢から第1姿勢へ回動させることで、両方の第1リミットスイッチ85から水平圧迫解除信号が生成された状態で、圧迫解除ボタンS5からスイッチ入力が有効となる。なお、シャッターカーテンが垂直圧迫状態かつ水平圧迫状態となった時、すなわち、止水状態において、第2室外側スイッチボックスSB2、室内側スイッチボックスSB3の圧迫解除ボタンS5は無効化されていないので、無効化された第1室外側スイッチボックスSB1の有効化を行わない場合であっても、両方の第1リミットスイッチ85から水平圧迫解除信号が生成された状態で、第2室外側スイッチボックスSB2、室内側スイッチボックスSB3のいずれかの圧迫解除ボタンS5を押すことで、シャッターカーテンの垂直圧迫状態を解除することができる。
防水扉を圧迫状態とした後で、結果的に第1室外側スイッチボックスSB1が水没ないし浸水しなかった場合には、上記ロック解除によって、室外側スイッチボックスSB1の圧迫解除ボタンS5のロック状態を解除し、当該圧迫解除ボタンS5を押すことで、防水扉の圧迫状態が解除される。その後の第1室外側スイッチボックスSB1は有効なものとして継続使用することができる。第1室外側スイッチボックスSB1が浸水した場合やロック状態解除が良好にできなかった場合には、新しいスイッチと交換すればよい。