JP2019189149A - ステアリング制御装置 - Google Patents

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崇 青木
喜隆 林
Yoshitaka Hayashi
喜隆 林
資章 片岡
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Abstract

【課題】良好な操舵感を確保しつつ、逆入力時にも適切にエンドを保護可能なステアリング制御装置を提供する。【解決手段】ステアリング制御装置(ECU)は、アシストトルク演算部20と、出力制限演算部301と、反力生成演算部401と、を備える。アシストトルク演算部20は、ドライバの操舵トルクTsに応じて操舵アシストモータが出力するアシストトルクTaを演算する。出力制限演算部301は、操舵角θの絶対値が上限値であるエンドに近づき角度閾値を越えたとき、アシストトルクの制限を開始し、且つ、エンドに近づくほど絶対値が小さくなるようにアシストトルク制限値を演算する。反力生成演算部401は、出力制限演算部301によるアシストトルクの制限開始後、エンドから中立位置へ向けた反力トルクを生成し、且つ、エンドに近づくほど絶対値が大きくなるように反力トルクを演算する。【選択図】図2

Description

本発明は、ステアリング制御装置に関する。
従来、ステアリング制御装置において、ハンドルの回転限界位置(以下、「エンド」という)での機械部品の衝突による衝撃を抑制し、エンドを保護する技術が知られている。例えば特許文献1に開示された電動パワーステアリング装置は、操舵トルクの増加に応じて、操作部材の操作を補助する方向のトルクが減少し、さらに操作部材の操作を妨げる方向のトルクが発生するような特性が設定される。
特許文献2に開示された電動式パワーステアリング装置は、操舵角が所定値以上となったときに補助トルクを減少させる。特許文献3に開示されたパワーステアリング装置は、制御手段により、操舵トルクとは逆方向の補助トルクを発生するように補助トルク発生手段を制御する。具体的に制御手段は、操舵角及び操舵速度に基づいて、操舵トルクとは逆方向の補助トルクを決定する。
特開2002−274408号公報 特開昭61−184171号公報 特開2001−260926号公報
特許文献1の技術は、操舵部材の操作を妨げる方向のトルクを発生させるものであり、路面からの逆入力に対してエンドを保護できるとは限らない。特にドライバがハンドルから手を放した状態で逆入力が作用した場合、エンド保護の機能が全く作用しない。また、特許文献2の技術は、補助トルクを減少させる、すなわちアシストトルク指令値を制限するのみであり、エンドに当たらないように力を作用させるものでない。そのため、逆入力時にはエンドを保護することができない。
それに対し特許文献3の技術は、操舵角に応じて中立位置に向かう方向の反力トルクを生成するため、逆入力時にもエンドを保護可能である。しかし、特許文献3の技術では、エンド付近での動作時に必ず反力トルクのみが生成される。そのため、制御動作時に反力によってエンドから弾き返されてしまい、操舵感が悪いという問題がある。
本発明は、このような点に鑑みて創作されたものであり、その目的は、良好な操舵感を確保しつつ、逆入力時にも適切にエンドを保護可能なステアリング制御装置を提供することにある。
本発明のステアリング制御装置は、アシストトルク演算部(20)と、出力制限演算部(301、302)と、反力生成演算部(401、402)と、を備える。アシストトルク演算部は、ドライバの操舵トルク(Ts)に応じて操舵アシストモータ(80)が出力するアシストトルク(Ta)を演算する。
出力制限演算部は、操舵角の絶対値が上限値であるエンドに近づき角度閾値を越えたとき、アシストトルクの制限を開始し、且つ、エンドに近づくほど絶対値が小さくなるようにアシストトルク制限値を演算する。反力生成演算部は、出力制限演算部によるアシストトルクの制限開始後、エンドから中立位置へ向けた反力トルクを生成し、且つ、エンドに近づくほど絶対値が大きくなるように反力トルクを演算する。
本発明では、エンド付近でアシストトルクの制限と反力トルクの生成とを組み合わせてエンド当て時の衝撃を抑制する。操舵角に応じて制限及び反力が作用するため、ドライバの操舵によって保護度合が変化することなく、逆入力時にもエンドを適切に保護することができる。
また本発明では、アシストトルクの制限を開始した後に反力トルクを生成することで、操舵感を悪くする反力トルクによるエンド保護制御の動作条件を限定し、制御動作時の動作量を最小限に抑えることができる。さらに本発明では、操舵角に基づいてアシストトルクの制限、及び、反力トルクの生成を行うため、物理的に設けられたエンド保護ダンパのような操舵感を実現することができる。
電動パワーステアリングシステムの概略構成図。 第1実施形態のステアリング装置のアシスト制御部の全体構成図。 (a)第1実施形態の出力制限演算部の構成図、(b)操舵角−上下限ガード値マップの例。 (a)第1実施形態の反力生成演算部の構成図、(b)操舵角−エンド保護反力マップの例。 実車での試験結果を示すタイムチャート。 第2実施形態の出力制限演算部の構成図。 第2実施形態の反力生成演算部の構成図。 ヒステリシスを考慮した操舵角−上下限ガード値マップの例。
以下、ステアリング制御装置の複数の実施形態を図面に基づいて説明する。複数の実施形態において、実質的に同一の構成には同一の符号を付して説明を省略する。また、第1及び第2実施形態を包括して「本実施形態」という。本実施形態では、「ステアリング制御装置」としてのECUは、車両の電動パワーステアリングシステムに適用され、操舵アシストモータが出力するアシストトルクを制御する。
[電動パワーステアリングシステムの構成]
図1に示すように、電動パワーステアリングシステム1は、操舵アシストモータ(以下、単に「モータ」)80の駆動トルクにより、ドライバによるハンドル91の操作をアシストするシステムである。ステアリングシャフト92の一端にはハンドル91が固定されており、ステアリングシャフト92の他端側にはインターミディエイトシャフト93が設けられている。ステアリングシャフト92とインターミディエイトシャフト93とは、トルクセンサ94のトーションバーにより接続されており、これらにより操舵軸95が構成される。トルクセンサ94は、トーションバーの捩れ角に基づいて操舵トルクTsを検出する。
インターミディエイトシャフト93のトルクセンサ94と反対側の端部には、ピニオンギア961及びラック962を含むギアボックス96が設けられている。ドライバがハンドル91を回すと、インターミディエイトシャフト93とともにピニオンギア961が回転し、ピニオンギア961の回転に伴って、ラック962が左右に移動する。ラック962の両端に設けられたタイロッド97は、ナックルアーム98を介してタイヤ99と接続されている。タイロッド97が左右に往復運動し、ナックルアーム98を引っ張ったり押したりすることで、タイヤ99の向きが変わる。
モータ80は、例えば3相交流ブラシレスモータであり、ECU10から出力された駆動電圧Vdに応じて、ハンドル91の操舵力をアシストするアシストトルクを出力する。3相交流モータの場合、駆動電圧Vdは、U相、V相、W相の各相電圧を意味する。モータ80の回転は、ウォームギア86及びウォームホイール87等により構成される減速機構85を経由して、インターミディエイトシャフト93に伝達される。また、ハンドル91の操舵や、路面からの反力によるインターミディエイトシャフト93の回転は、減速機構85を経由してモータ80に伝達される。
なお、図1に示す電動パワーステアリングシステム1は、モータ80の回転が操舵軸95に伝達されるコラムアシスト式であるが、本実施形態のECU10は、ラックアシスト式の電動パワーステアリングシステム、或いは、ハンドルと操舵輪とが機械的に切り離されたステアバイワイヤシステムにも同様に適用可能である。また、他の実施形態では、操舵アシストモータとして、3相以外の多相交流モータや、ブラシ付DCモータが用いられてもよい。
ここで、ハンドル91からタイヤ99に至る、ハンドル91の操舵力が伝達される機構全体を「操舵系メカ100」という。ECU10は、モータ80が操舵系メカ100に出力する駆動トルクを制御することにより、操舵系メカ100が発生する操舵トルクTsを制御する。また、ECU10は、操舵系メカ100から操舵トルクTs、操舵角θ及び操舵角速度ωを取得する。さらにECU10は、車両の所定の部位に設けられた車速センサ71が検出した車速Vを取得する。
ECU10は、アシスト制御部15及び電流フィードバック部70を備え、図示しない車載バッテリからの電力によって動作する。アシスト制御部15は、ドライバの操舵をアシストするアシストトルクTaを演算し、さらに後述するエンド保護制御を行って、最終アシストトルクTa_zを出力する。
電流フィードバック部70は、最終アシストトルクTa_zに基づく目標電流に対し、モータ80に流れる実電流をフィードバック制御することにより、モータ80へ印加する駆動電圧Vdを演算する。ECU10は、駆動電圧Vdをモータ80へ印加することにより、制御対象である操舵系メカ100に操舵トルクTsを発生させる。
ECU10における各種演算処理は、ROM等の実体的なメモリ装置に予め記憶されたプログラムをCPUで実行することによるソフトウェア処理であってもよいし、専用の電子回路によるハードウェア処理であってもよい。以下、ECU10の具体的な構成、及び作用効果について、実施形態毎に説明する。
(第1実施形態)
第1実施形態について、図2〜図5を参照して説明する。図2に示すように、アシスト制御部15は、アシストトルク演算部20、出力制限演算部301、反力生成演算部401、及び加算器50を含む。第1実施形態のアシスト制御部15は、少なくとも操舵トルクTs及び操舵角θを取得する。
アシストトルク演算部20は、ドライバの操舵トルクTsに応じてモータ80が出力するアシストトルクTaを演算する。以下の「アシストトルクTa」は、基本的に指令値を意味する。アシストトルク演算部20は、周知のステアリング制御装置におけるアシスト制御の各種構成を適用してよい。例えば操舵角θs、操舵角速度ω、車速V等の情報に基づいてアシストトルクTaを演算してもよい。
出力制限演算部301は、操舵角θに基づきアシストトルクTaを制限し、エンド保護制限後アシストトルクを出力する。反力生成演算部401は、操舵角θに基づきエンド保護反力、すなわち、エンドから中立位置へ向けた反力トルクを生成する。以下、「エンド保護反力」の「反力」は「反力トルク」の意味であり、アシストトルクと同様に[Nm]次元の量である。また、「エンド保護」とは、ハンドル91の回転限界位置での衝突に対する保護を意味する。
出力制限演算部301及び反力生成演算部401の詳しい構成については後述する。加算器50は、エンド保護制限後アシストトルクとエンド保護反力とを加算し、最終アシストトルクTa_zとして出力する。この最終アシストトルクTa_zが図1の電流フィードバック部70に入力される。
ここで、操舵角θ、操舵角速度ω及び操舵トルクTsの符号の定義について説明する。なお、操舵角速度ω及び操舵トルクTsの符号は、厳密には第2実施形態に関するものであるが、合わせて説明する。操舵角θの符号は、中立位置に対する現在のハンドル91の位置により定義される。例えば、中立位置に対し左側の操舵角θが正、中立位置に対し右側の操舵角θが負と定義される。操舵角速度ωの符号は、操舵角θの符号に応じた回転方向により定義される。すなわち、操舵角θの符号を上記のように定義したとき、左回転方向の操舵角速度ωが正、右回転方向の操舵角速度ωが負と定義される。
操舵トルクTsの符号は操舵角速度ωの符号と同様に定義される。ここで、操舵トルクTsの符号は、ハンドル91が実際にその方向に回転しているか否かに関係なく、あくまでトルクが加わっている方向を表す。例えば路面負荷や慣性トルク等により、操舵トルクTsが加わっていてもハンドル91が停止している場合や、操舵トルクTsとは逆方向にハンドル91が回転している場合があり得る。
なお、他の実施形態では、上記とは逆に、中立位置に対し右側の操舵角θ、右回転方向の操舵速度ω及び操舵トルクTsが正と定義され、中立位置に対し左側の操舵角θ、左回転方向の操舵速度ω及び操舵トルクTsが負と定義されてもよい。
既に「エンド保護」の用語を用いているように、操舵角θの絶対値の上限値、すなわちハンドル91の回転限界位置を「エンド」という。エンドは、例えばラック962の端部が相手部品に機械的に衝突する位置に対応する。また、ハンドル91が中立位置からエンドに向かう回転方向の動作を「切り込み」といい。エンドから中立位置に向かう回転方向の動作を「切り戻し」という。切り込み又は切り戻しの状態は、操舵角θ、操舵角速度ω及び操舵トルクTsの符号によって判定可能である。
例えば、操舵角θと操舵角速度ωとが同符号のとき、切り込み状態であり、操舵角θと操舵角速度ωとが異符号のとき、切り戻し状態であると判定される。同様に、操舵角θと操舵トルクTs、操舵角速度ωと操舵トルクTs、操舵角θと操舵角速度ωと操舵トルクTsの組合せを用いても判定が可能である。
続いて、第1実施形態の出力制限演算部301及び反力生成演算部401の構成、及び各演算部301、401が用いるマップの例について、図3、図4を参照して説明する。
図3(a)に示すように、出力制限演算部301は、絶対値演算部32、上下限ガード値マップ33、及びアシストトルク上下限ガード部39を含む。絶対値演算部32は、操舵角の絶対値|θ|を演算する。上下限ガード値マップ33は、マップを用いて、操舵角の絶対値|θ|に応じた上下限ガード値を算出し、アシストトルク上下限ガード部39に出力する。アシストトルク上下限ガード部39は、上下限ガード値に基づきアシストトルクTaを制限し、エンド保護制限後アシストトルクを出力する。なお、上限ガード値は、正のアシストトルクTaの上限を制限し、下限ガード値は、負のアシストトルクTaの下限を制限する。
図3(b)に示すように、上下限ガード値は、操舵角の絶対値|θ|が440[deg]以下のとき100[Nm]であり、440[deg]から460[deg]までの区間で、−5[Nm/deg]の変化率で減少し、460[deg]以上のとき0[Nm]で一定となる。この例で、上下限ガード値が減少し始める440[deg]が、アシストトルクTaの制限が開始される角度閾値θ1であり、上下限ガード値が0[Nm]に達する460[deg]が制御移行角度θ2である。
このように出力制限演算部301は、操舵角の絶対値|θ|が角度閾値θ1を越えたとき、アシストトルクの制限を開始し、且つ、エンドに近づくほど絶対値が小さくなるようにアシストトルク制限値を演算する。
図4(a)に示すように、反力生成演算部401は、符号取得部41、絶対値演算部42、反力生成マップ43、及び符号乗算器435を含む。符号取得部41は、操舵角θの符号を取得する。絶対値演算部42は、操舵角の絶対値|θ|を演算する。反力生成マップ43は、マップを用いて、操舵角の絶対値|θ|に応じたエンド保護反力を算出する。このマップでエンド保護反力は、アシストトルクTaとは逆方向の負のトルクとして規定される。符号乗算器435は、エンド保護反力に操舵角θの符号を乗じて出力する。したがって、操舵角θとは逆符号のエンド保護反力が出力される。
図4(b)に示すように、エンド保護反力は、操舵角の絶対値|θ|が460[deg]以下のとき0[Nm]であり、460[deg]から480[deg]までの区間で、−5[Nm/deg]の変化率で減少し、480[deg]のとき−100[Nm]となる。すなわち、図3(b)のマップで上下限ガード値が0[Nm]に達する制御移行角度θ2のとき、反力トルクの生成が開始される。
このように反力生成演算部401は、出力制限演算部301によるアシストトルクの制限開始後、エンドから中立位置へ向けた反力トルクを生成し、且つ、エンドに近づくほど絶対値が大きくなるように反力トルクを演算する。
ここで、440[deg]から460[deg]までの区間で上下限ガード値が0まで減少する直線と、460[deg]から480[deg]までの区間で反力トルクが0から負側に減少する直線とは変化率、すなわち勾配が同一である。したがって、制御移行角度θ2の前後で連続して最終アシストトルクTa_zの変化率は一定値となる。
続いて実車での試験結果について、図5を参照して説明する。図5には、試験車をジャッキアップし、約360[deg]から急操舵でエンド当てする条件で試験を行ったときの、操舵トルクTs、操舵角θ、操舵角速度ω、アシストトルク制限値及び反力トルクの時間変化を示す。アシストトルク制限値は、モータ80に通電する電流[A]の値で表される。破線は、エンド保護を行わない比較例、一点鎖線は、アシストトルク制限のみを行う別の比較例の挙動を示す。実線は、アシストトルク制限と反力トルクの生成とを共に実施する第1実施形態の挙動を示す。なお、この例では操舵角θは正の値であるものとし、「絶対値」の記載を省略する。
エンド保護を行わない比較例では、操舵角θは460[deg]を超えてそのまま増加し続け、480[deg]でエンドに衝突する。アシストトルク制限を行う場合、操舵角θが角度閾値θ1である440[deg]に達した時刻t1から、460[deg]に達する時刻t2までの期間に、アシストトルク制限値は100[A]から0[A]に低下する。
しかし、アシストトルク制限のみの場合、(*X)に示すように、460[deg]を超えた後も、慣性力及びドライバからの入力によってハンドル91はほぼ減速せずに回転し続け、角速度を維持したまま最終的にエンドに衝突する。つまり、アシストトルク制限のみを行う場合、エンド保護なしの場合と同様にエンドへの衝突が発生し、エンド保護の効果が十分に得られない。したがって、ジャッキアップ時と同程度に路面の摩擦係数μが小さい氷雪路等では、エンドを保護することができない。
これに対し第1実施形態では、(*Y)に示すように、制御移行角度θ2である460[deg]に対応する時刻t2に、すなわちアシストトルクの制限後、反力トルクの生成を開始する。このとき、反力生成演算部401は、操舵部材の回転による慣性力を止めるため、ドライバの操舵トルクTs以上の反力トルクを生成する。ここで、「ドライバの操舵トルク以上」とは、基本的には「常人のドライバが出力し得る既定値として設定される最大操舵トルク以上」の意味である。ただし、ドライバ個別の最大操舵トルクを学習し、それに応じて最大操舵トルク以上の反力トルクを生成するようにしてもよい。
このような反力トルクの生成により、操舵角速度ωが顕著に減速し、操舵角θが480[deg]よりも手前で減少方向に転じる。したがって、第1実施形態ではエンド衝突を回避し、エンド保護の効果を十分に得ることができる。ところで、アシストトルクTaの出力中に同時に反力トルクを生成すると、アシストトルクを相殺し、操舵を阻害することとなる。そこで反力生成演算部401は、出力制限演算部301によるアシストトルクの制限によりアシストトルク制限値が0となった後に反力トルクを生成することで、操舵を阻害することを回避することができる。
本実施形態の効果について、特に「路面からの逆入力時の挙動」及び「制御動作時の操舵感」の観点から、「先行技術文献」の欄に記載した特許文献1〜3の従来技術と対比しつつ説明する。
<路面からの逆入力時の挙動>
「発明が解決しようとする課題」の欄に記載した通り、特許文献1、2の従来技術では逆入力時にエンドを保護することができない。一方、反力トルクを生成する特許文献3の従来技術では逆入力時にもエンドを保護可能である。本実施形態ではエンド付近で反力トルクを生成することで、特許文献3の従来技術と同様に、逆入力時にもエンドを保護することができる。
<制御動作時の操舵感>
特許文献1の従来技術では、操舵角ではなく操舵トルクに応じてトルクが発生するため操舵方法によって操舵感が変化する。特許文献3の従来技術では、制御動作時に反力によってエンドから弾き返されてしまい、操舵感が悪い。一方、特許文献2の従来技術では、操舵角に基づいてアシストトルクの制限を行うため、物理的に設けられたエンド保護ダンパのような操舵感が得られる。本実施形態ではエンド付近でアシストトルクの制限を行うことで、特許文献2の従来技術と同様に、エンド保護ダンパのような操舵感を実現することができる。
<アシストトルク制限と反力トルク生成との組み合わせ>
本実施形態では、エンド付近でアシストトルクの制限と反力トルクの生成とを組み合わせてエンド当て時の衝撃を抑制する。操舵角θに応じて制限及び反力が作用するため、ドライバの操舵によって保護度合が変化することなく、逆入力時にもエンドを適切に保護することができる。また本実施形態では、アシストトルクの制限を開始した後に反力トルクを生成することで、操舵感を悪くする反力トルクによるエンド保護制御の動作条件を限定し、制御動作時の動作量を最小限に抑えることができる。
(第2実施形態)
第2実施形態について、図6〜図8を参照して説明する。第2実施形態は第1実施形態に対し、さらに出力制限演算部302及び反力生成演算部402が、切り込み状態であるか切り戻し状態であるかを判定してエンド保護制御を変更する点、及び、車速に応じてエンド保護制御を変更する点が異なる。
図6に示す第2実施形態の出力制限演算部302は、図3(a)に示す第1実施形態の出力制限演算部301の構成に加え、車速ゲイン演算部34、乗算器35、符号取得部36、切り戻しゲイン演算部37、及びゲイン乗算器38をさらに含む。車速ゲイン演算部34は、車速Vに応じた車速ゲインを演算する。
乗算器35は操舵角θと操舵角速度ωとを乗算し、符号取得部36はその乗算値の符号を取得する。符号が正のときは切り込み状態であるため、切り戻しゲイン演算部37は、切り戻しゲイン=1とする。符号が負のときは切り戻し状態であり、0のときは保舵状態であるため、これらの場合、切り戻しゲイン演算部37は、切り戻しゲイン=0とする。
なお、上述の通り、切り込み状態又は切り戻し状態の判定は、操舵角θと操舵角速度ωとの組み合わせ以外にも、操舵角θと操舵トルクTs、操舵角速度ωと操舵トルクTs、操舵角θと操舵角速度ωと操舵トルクTsの組み合わせによって判定可能である。また、切り戻しゲインは0又は1の不連続値でもよく、0から1までの連続値であってもよい。
ゲイン乗算器38は、上下限ガード値マップ33が算出した上下限ガード値に車速ゲイン及び切り戻しゲインを乗算する。アシストトルク上下限ガード部39は、ゲイン乗算器38が算出した乗算値に基づきアシストトルクTaを制限し、エンド保護制限後アシストトルクを出力する。
図7に示す第2実施形態の反力生成演算部402は、図4(a)に示す第1実施形態の反力生成演算部401の構成に加え、車速ゲイン演算部44、乗算器45、符号取得部46、切り戻しゲイン演算部47、及びゲイン乗算器48をさらに含む。これらの作用は、出力制限演算部302の作用と同様であるため、重複する説明を省略する。ゲイン乗算器48は、乗算器435から出力されたエンド保護反力に車速ゲイン及び切り戻しゲインを乗算したエンド保護反力を出力する。
このように第2実施形態の出力制限演算部302及び反力生成演算部402は、切り込み状態であるか切り戻し状態であるかによって、アシストトルク制限値及び反力トルクの値を変更する。したがって図8に示すように、例えば図3(b)の上下限ガード値マップは、操舵方向によるヒステリシスを考慮したマップとすることができる。
図8において、実線は切り込み時、破線及び一点鎖線は切り戻し時の上下限ガード値を示す。エンド付近で切り込みから切り戻しに転じた場合、アシストトルクTaを制限する必要が無いため、破線のように、上下限ガード値を0[Nm]から100[Nm]までステップ的に戻してもよい。或いは一点鎖線のように、切り戻し時よりもエンド側で上下限ガード値を0[Nm]から100[Nm]まで徐変させてもよい。エンド保護反力マップについても同様である。
また、第2実施形態の出力制限演算部302及び反力生成演算部402は、車速Vに応じてアシストトルク制限値及び反力トルクの値を変更する。基本的に高速走行時にはエンド付近まで操舵する可能性は低く、また、緊急時に急操舵した場合に操舵を抑制しない方がよい。そのため、高速走行時にはアシストトルクTaを制限せず、反力トルクを生成しないようにすることで、エンド保護制御をより適切に実現することができる。
(その他の実施形態)
(a)第1実施形態では、反力生成演算部401は、出力制限演算部301によるアシストトルクの制限によりアシストトルク制限値が0となった後に反力トルクを生成する。これに対し、他の実施形態の反力生成演算部は、少なくともアシストトルクの制限開始後に反力トルクを生成すればよい。
(b)第1実施形態のマップ例では、アシストトルク制限値及び反力トルクはエンドに近づくにつれて直線的に変化しているが、変化の態様はこれに限らない。アシストトルク制限値は、エンドに近づくほど絶対値が小さくなるように演算されればよく、反力トルクは、エンドに近づくほど絶対値が大きくなるように演算されればよい。
以上、本発明は、上記実施形態になんら限定されるものではなく、その趣旨を逸脱しない範囲において種々の形態で実施可能である。
10・・・ECU(ステアリング制御装置)、
20・・・アシストトルク演算部、
301、302・・・出力制限演算部、
401、402・・・反力生成演算部、
80・・・操舵アシストモータ。

Claims (5)

  1. ドライバの操舵トルク(Ts)に応じて操舵アシストモータ(80)が出力するアシストトルク(Ta)を演算するアシストトルク演算部(20)と、
    操舵角の絶対値が上限値であるエンドに近づき角度閾値を越えたとき、アシストトルクの制限を開始し、且つ、前記エンドに近づくほど絶対値が小さくなるようにアシストトルク制限値を演算する出力制限演算部(301、302)と、
    前記出力制限演算部によるアシストトルクの制限開始後、前記エンドから中立位置へ向けた反力トルクを生成し、且つ、前記エンドに近づくほど絶対値が大きくなるように反力トルクを演算する反力生成演算部(401、402)と、
    を備えるステアリング制御装置。
  2. 前記反力生成演算部は、ドライバの操舵トルク以上の反力を生成する請求項1に記載のステアリング制御装置。
  3. 前記反力生成演算部は、
    前記出力制限演算部によるアシストトルクの制限によりアシストトルク制限値が0となった後に反力トルクを生成する請求項1または2に記載のステアリング制御装置。
  4. 前記出力制限演算部及び前記反力生成演算部は、
    切り込み状態であるか切り戻し状態であるかによって、アシストトルク制限値及び反力トルクの値を変更する請求項1〜3のいずれか一項に記載のステアリング制御装置。
  5. 前記出力制限演算部及び前記反力生成演算部は、
    車速に応じてアシストトルク制限値及び反力トルクの値を変更する請求項1〜4のいずれか一項に記載のステアリング制御装置。
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