JP2019188864A - 車室内空調システム - Google Patents
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Abstract
【課題】省スペースかつ低コストで快適性の高い車室内空調を効率よく行うことの可能な車室内空調システムを提供する。【解決手段】車室内の空調を行うための空調装置と共に車両に搭載される車室内空調システム1は、1つまたは複数のイオン風発生装置10を備えている。そのイオン風発生装置10は、空調装置の吹出口3、4、5、8から吹き出された空調風が流れる位置に設置され、その空調風が車室内の内装表面に沿って流れるようにコロナ放電による気流を生成する。【選択図】図1
Description
本発明は、車室内を空調する車室内空調システムに関し、特に、コロナ放電によりイオン風を発生させるイオン風発生装置を用いた車室内空調システムに関するものである。
特許文献1には、車室内に設置された座席の下に搭載される暖房装置が記載されている。この暖房装置は、空気が流れる送風路を形成する送風部と、その送風部の内側に設けられる送風機と、送風路を流れる空気を温めるためのヒータなどを備えている。この暖房装置は、ヒータによって温められた温風を送風部の吹出口から前席に着座する乗員の足元に向けて吹き出すことで、その乗員の足元を暖房するものである。
しかしながら、特許文献1に記載の暖房装置は、送風部の吹出口から吹き出された温風が車室内空間で拡散し、乗員の足元から上昇してゆくことが考えられる。その場合、乗員を十分に暖房するために暖房装置から吹き出す温風の風量を増やすと、暖房効率が悪化することが懸念される。
また、この暖房装置は、送風路、送風機およびヒータ等の構成部品を備えているので、体格が大型化し、この暖房装置を搭載するために広い搭載スペースが必要となる。また、この暖房装置は、部品点数が多いため、製造コストが高いものとなる。
さらに、この暖房装置は、車種毎に異なる座席下の搭載スペースに応じた個別の設計が必要である。また、この暖房装置は、車両のモデルチェンジ等に応じた設計変更にかかる時間とコストが増大することが懸念される。
本発明は上記点に鑑みて、省スペースかつ低コストで快適性の高い車室内空調を効率よく行うことの可能な車室内空調システムを提供することを目的とする。
上記目的を達成するため、請求項1に係る発明は、車室内の空調を行うための空調装置と共に車両に搭載される車室内空調システムは、1つまたは複数のイオン風発生装置(10、10a〜10q)を備えている。そのイオン風発生装置は、空調装置の吹出口(3、4、5、8)から吹き出された空調風が流れる位置に設置され、その空調風が車室内の内装表面に沿って流れるようにコロナ放電による気流を生成する。
これによれば、空調装置の吹出口から吹き出された空調風は、イオン風発生装置が生成する気流(すなわち、イオン風)により車室内の内装表面に沿って流れるので、車室内に拡散することが抑制される。そのため、この車室内空調システムは、空調装置の吹出口から吹き出された空調風を、目的とする場所に効率的に届けることや、目的とする場所で滞留させることが可能である。したがって、この車室内空調システムは、車室内の空調を効率よく行うことができる。
また、この車室内空調システムは、ダクト等を用いることなく、空調風を目的とする場所に届けることや、目的とする場所で滞留させることが可能である。そのため、この車室内空調システムは、車室内空間を狭くすることのない省スペース、且つ、低コストで快適性の高い空調を行うことができる。
さらに、この車室内空調システムは、車室内の任意の場所に1つまたは複数のイオン風発生装置を設置することで構成されるので、設計の自由度が高い。したがって、この車室内空調システムは、種々の車種に対して容易に搭載可能であり、且つ、車両のモデルチェンジ等にも容易に対応することが可能である。
なお、各構成要素等に付された括弧付きの参照符号は、その構成要素等と後述する実施形態に記載の具体的な構成要素等との対応関係の一例を示すものである。
以下、本発明の実施形態について図面を参照しつつ説明する。なお、以下の各実施形態相互において、互いに同一もしくは均等である部分には、同一符号を付し、その説明を省略する。
(第1実施形態)
第1実施形態について図1および図2を参照しつつ説明する。第1実施形態の車室内空調システム1は、車室内の空調を行うための図示しない空調装置と共に車両に搭載され、車室内の所定の場所の空調を行うことに用いられるものである。
第1実施形態について図1および図2を参照しつつ説明する。第1実施形態の車室内空調システム1は、車室内の空調を行うための図示しない空調装置と共に車両に搭載され、車室内の所定の場所の空調を行うことに用いられるものである。
車室内の空調を行うための空調装置は、ダッシュボード2の内側に搭載されている。空調装置は、冷風または温風(以下「空調風」という)を生成し、その空調風を車室内に設けられた複数の吹出口から車室内に吹き出すものである。複数の吹出口は、ダッシュボード2に設けられたフェイス吹出口3およびデフロスタ吹出口4、並びに、ダッシュボード2の下に設けられたフット吹出口5などを含んでいる。フェイス吹出口3は、前席6に着座する乗員の上半身に向けて空調風を吹き出すものである。デフロスタ吹出口4は、車両のフロントガラスの内側に空調風を吹き出すものである。フット吹出口5は、前席6に着座する乗員の下半身に向けて空調風を吹き出すものである。
第1実施形態の車室内空調システム1は、複数のイオン風発生装置10を備えている。その複数のイオン風発生装置10は、空調装置のフット吹出口5から吹き出された空調風が流れる位置に設置され、その空調風が車室内の内装表面に沿って流れるようにコロナ放電による気流(すなわち、イオン風)を生成するものである。
まず、イオン風発生装置10の構成および作動について説明する。図2に示すように、イオン風発生装置10は、筐体11、放電電極12および接地電極13などを有している。筐体11は、絶縁体または非絶縁体により箱状に形成されている。筐体11は、外部の空気を筐体11の内側に取り入れるための空気入口14と、筐体11の内側から空気を吹き出すための空気出口15を有している。なお、図2では、外部から筐体11の空気入口14に取り入れられる空気を矢印AF1で示し、空気出口15から外部に吹き出される空気を矢印AF2で示している。
放電電極12と接地電極13は、筐体11の内側に収容されている。放電電極12は、放電電極本体から空気出口15側に突出する複数の放電突起121を有している。放電電極12と接地電極13は、放電突起121と接地電極13との間にコロナ放電を発生可能なように所定の間隔をあけて設置されている。
放電電極12は、電源装置20の一方の端子21に電気的に接続され、接地電極13は、電源装置20の他方の端子22に電気的に接続されている。また、接地電極13は、車両のグランド30にも電気的に接続されている。電源装置20から放電電極12に数kV(例えば−4kV)の電圧が印加されると、放電電極12が有する放電突起121の先端の周囲に電界が集中してコロナ放電が発生し、その放電突起121の周囲にある空気分子が電離してイオンに分解される。空気中のイオンのうち、放電電極12と同極性のイオンが電界で加速され、周囲の空気分子と衝突しながら周囲の空気を巻き込んでイオン風を発生する。これにより、空気出口15からイオン風が吹き出される。
なお、第1実施形態のイオン風発生装置10は、車室内の臭気を除去可能な微量のオゾンを生成可能なように調整されている。具体的には、イオン風発生装置10は、電源装置20から放電電極12に対し、通常のイオン風を生成するときの電圧よりも高い電圧(例えば−7kV)が印加されると、空気の反応が進んでオゾンが生成されるように電極間距離などが調整されている。これにより、イオン風発生装置10は、空気出口15から吹き出されるオゾンを含んだイオン風により、車室内の臭気を除去することができる。
次に、複数のイオン風発生装置10の配置およびその作用について説明する。図1に示すように、複数のイオン風発生装置10は、前席6に着座する乗員の足を取り巻くような還流または渦流を形成するように、車室内の内装表面のうち前席6に着座する乗員の足の周囲に設置されている。なお、イオン風発生装置10の個数や配置は、図に示したものに限定されるものでなく、車室内の形状および大きさなどに応じて任意に設定することが可能である。なお、このことは、後述する複数の実施形態においても同じである。
図1では、車両左側の前席6に着座する乗員の足の周囲に配置される5個のイオン風発生装置10を例示している。以下の説明では、説明の便宜上、5個のイオン風発生装置10を、第1〜第5イオン風発生装置10a〜eと呼び、符号の末尾にそれぞれa〜eを付すこととする。
第1イオン風発生装置10aと第2イオン風発生装置10bは、内装表面のうち、床面からダッシュボード2側に立ち上がる部位に設けられている。第3イオン風発生装置10cと第4イオン風発生装置10dは、内装表面のうち、図示していないドアの内側に設けられている。また、第5イオン風発生装置10eは、内装表面のうち、ダッシュボード2の下側に設けられている。
図1では、第1〜第5イオン風発生装置10a〜10eで生成される気流が流れる状態を、模式的に一点鎖線の矢印AF3で示している。また、空調装置のフット吹出口5から吹き出される温かい空調風(以下、「暖房風」という)を、実線の矢印AF4で示している。その空調装置のフット吹出口5から吹き出される暖房風は、第1イオン風発生装置10aに吸い込まれ、その第1イオン風発生装置10aで生成される気流により加速されて、第2イオン風発生装置10bに向けて吹き出される。なお、空調装置のフット吹出口5から吹き出される暖房風のうち、第1イオン風発生装置10aの周囲を流れる風も、コアンダ効果により、第1イオン風発生装置10aで生成される気流と一緒に第2イオン風発生装置10bに向けて流れる。
第1イオン風発生装置10aから吹き出された気流は、内装表面に沿って流れ、第2イオン風発生装置10bに吸い込まれる。そして、その第2イオン風発生装置10bで生成される気流により加速され、床面およびドア内壁などの内装表面に沿って第3イオン風発生装置10cに向けて流れる。このように、空調装置のフット吹出口5から吹き出される暖房風は、第1イオン風発生装置10a→第2イオン風発生装置10b→第3イオン風発生装置10c→第4イオン風発生装置10d→第5イオン風発生装置10e→第1イオン風発生装置10a・・・のように循環し、前席6に着座する乗員の足を取り巻くような還流または渦流を形成する。したがって、空調装置のフット吹出口5から吹き出された暖房風は、その複数のイオン風発生装置10により形成される還流または渦流により、乗員の足元の空間FSで渦流または還流等の流れ形状となって滞留する。
なお、上述した第1イオン風発生装置10aは、空調装置の吹出口から吹き出された空調風が直接当たる位置に設置されるので、特許請求の範囲に記載の「所定のイオン風発生装置」の一例に相当する。また、第2〜第5イオン風発生装置10b〜10eは、それぞれの上流側に配置されたイオン風発生装置10により生成された気流によって空調風が流れる位置に設置されるので、特許請求の範囲に記載の「別のイオン風発生装置」の一例に相当する。
上述したように、第1実施形態のイオン風発生装置10は、放電電極12に印加される電圧等の調整により、オゾンを容易に生成可能である。そのため、この車室内空調システム1は、イオン風発生装置10から必要に応じてオゾンを吹き出し、そのオゾンを乗員の足元の空間FSで滞留させることで、乗員の足元の空間FSの臭気を除去することができる。
以上説明した第1実施形態の車室内空調システム1は、次の作用効果を奏するものである。
(1)第1実施形態の車室内空調システム1が備える複数のイオン風発生装置10は、空調装置のフット吹出口5から吹き出された空調風が流れる位置に設置され、その空調風が車室内の内装表面に沿って流れるように気流を生成する。これにより、空調装置の吹出口から吹き出された空調風は、イオン風発生装置10が生成する気流により車室内の内装表面に沿って流れるので、車室内に拡散することが抑制される。そのため、この車室内空調システム1は、空調装置のフット吹出口5から吹き出された空調風を、乗員の足元の空間FSで滞留させることが可能である。したがって、この車室内空調システム1は、車室内の空調を効率よく行うことができる。
(2)また、第1実施形態の車室内空調システム1は、ダクト等を用いることの無い簡素な構成で、空調風を乗員の足元の空間FSで滞留させることが可能である。そのため、この車室内空調システム1は、車室内空間を狭くすることのない省スペース、且つ、低コストで快適性の高い空調を行うことができる。
(3)さらに、第1実施形態の車室内空調システム1は、車室内の任意の場所にイオン風発生装置10を設置することで構成されるので、設計の自由度が高い。したがって、この車室内空調システム1は、種々の車種に対して容易に搭載可能であり、且つ、車両のモデルチェンジ等にも容易に対応することが可能である。
(4)第1実施形態では、第1イオン風発生装置10aは、空調装置のフット吹出口5から吹き出された空調風が直接当たる位置に設置される。第2〜第5イオン風発生装置10b〜10eは、それぞれの上流側に配置されたイオン風発生装置10により生成される気流によって空調風が流れる位置に設置される。これにより、第1〜第5イオン風発生装置10a〜10eは、空調風を順次送るように配置される。そのため、車室内空調システム1は、複数のイオン風発生装置10を使って、空調風を渦流または還流等の所定の流れ形状にすることで、乗員の足元の空間FSなど目的の場所で空調風を滞留させることができる。
(5)第1実施形態では、複数のイオン風発生装置10は、前席6に着座する乗員の足を取り巻くような還流または渦流を形成するように、車室内の内装表面のうち前席6に着座する乗員の足の周囲に設置される。これにより、空調装置のフット吹出口5から吹き出される暖房風は、複数のイオン風発生装置10により形成される還流または渦流により、乗員の足元の空間FSで渦流または還流等の所定の流れ形状となって滞留する。そのため、乗員の足元の空間FSから暖房風が上昇することが抑制されるので、少ない暖房風で乗員の足元を効率的に暖房することができる。
ところで、従来は、空調装置のフット吹出口5から吹き出された暖房風が上昇すると、乗員の頭部が暑くなってしまうので、乗員の頭部に向けて冷風を吹き出すなどの対策が取られる場合があった。これに対し、この車室内空調システム1は、乗員の足元の空間FSから暖房風が上昇することが抑制されるので、乗員の頭部を冷やすための冷風を吹き出す必要が無くなるため、乗員の快適性を省エネルギーにより確保することができる。
(6)第1実施形態では、イオン風発生装置10は、車室内の臭気を除去可能な微量のオゾンを生成可能に調整されている。これにより、イオン風発生装置10は、放電電極12に印加される電圧等の調整により、オゾンを容易に発生させることが可能である。そのため、この車室内空調システム1は、乗員の足元の空間FSなど、車室内の所定の場所の臭気を除去することで、車室内の快適性を高めることができる。
(第2実施形態)
第2実施形態について説明する。第2実施形態は、第1実施形態に対して複数のイオン風発生装置10の配置などを変更したものであり、その他については第1実施形態と同様であるため、第1実施形態と異なる部分についてのみ説明する。
第2実施形態について説明する。第2実施形態は、第1実施形態に対して複数のイオン風発生装置10の配置などを変更したものであり、その他については第1実施形態と同様であるため、第1実施形態と異なる部分についてのみ説明する。
図3に示すように、第2実施形態の車室内空調システム1は、車室内の空調を行うための空調装置から吹き出された空調風を後席空間RSに届けることで、後席空間RSの空調に用いられるものである。なお、後席空間RSとは、車両の前席6よりも後方で後席7が配置される周囲の空間をいう。
第2実施形態では、車室内に、車室内空調システム1による後席空間RSの空調に用いるための専用吹出口8が設けられている。専用吹出口8は、例えば、ダッシュボード2のうち、フェイス吹出口3の上側に設けられている。専用吹出口8は、空調装置が生成した空調風を、車室内天井9に向けて吹き出すように構成されている。
第2実施形態の車室内空調システム1も、複数のイオン風発生装置10を備えている。その複数のイオン風発生装置10は、空調装置の専用吹出口8から吹き出された空調風が流れる位置に設置され、その空調風が車室内天井9の内装表面に沿って流れるように気流を生成するものである。
次に、複数のイオン風発生装置10の配置およびその作用について説明する。複数のイオン風発生装置10は、空調装置の専用吹出口8から吹き出された空調風を後席空間RSに届けるように、車室内天井9の内装表面に設置されている。図3では、車室内天井9の内装表面に設置される2個のイオン風発生装置10を例示している。以下の説明では、説明の便宜上、2個のイオン風発生装置10を、車両前方側から第1イオン風発生装置10f、第2イオン風発生装置10gと呼び、符号の末尾にそれぞれf、gを付すこととする。
第1イオン風発生装置10fは、車室内天井9の内装表面のうち、フロントウィンドより上方のサンバイザーの近くに設けられている。第2イオン風発生装置10gは、車室内天井9の内装表面のうち、第1イオン風発生装置10fの後方に設けられている。
図3では、空調装置の専用吹出口8から吹き出される空調風が、第1イオン風発生装置10fと第2イオン風発生装置10gで生成される気流により後席空間RSへ届けられる状態を、模式的に一点鎖線の矢印AF5で示している。空調装置の専用吹出口8から吹き出される空調風は、第1イオン風発生装置10fに吸い込まれ、その第1イオン風発生装置10fで生成される気流により加速されて、第2イオン風発生装置10gに向けて吹き出される。なお、空調装置の専用吹出口8から吹き出される空調風のうち、第1イオン風発生装置10fの近傍を流れる風も、コアンダ効果により、第1イオン風発生装置10fで生成される気流と一緒に第2イオン風発生装置10gに向けて流れる。第1イオン風発生装置10fから車室内天井9の内装表面に沿って流れる空調風は、第2イオン風発生装置10gに吸い込まれる。そして、その第2イオン風発生装置10gで生成される気流により加速され、車室内天井9の内装表面に沿って後席空間RSに向けて流れる。これにより、空調装置の専用吹出口8から吹き出された空調風は、後席空間RSに届けられる。
なお、上述した第1イオン風発生装置10fは、空調装置の吹出口から吹き出された空調風が直接当たる位置に設置されるので、特許請求の範囲に記載の「所定のイオン風発生装置」の一例に相当する。また、第2イオン風発生装置10gは、第1イオン風発生装置10fにより生成された気流により空調風が流れる位置に設置されるので、特許請求の範囲に記載の「別のイオン風発生装置」の一例に相当する。
第2実施形態のイオン風発生装置10も、放電電極12に印加される電圧等の調整により、オゾンを容易に生成可能である。そのため、イオン風発生装置10から吹き出されたオゾンを後席空間RSに供給することで、後席空間RSの臭気を除去することができる。
以上説明した第2実施形態の車室内空調システム1は、次の作用効果を奏するものである。
(1)第2実施形態の車室内空調システム1が備えるイオン風発生装置10は、空調装置の専用吹出口8から吹き出された空調風が流れる車室内天井9に設置され、その空調風が車室内天井9の内装表面に沿って流れるように気流を生成する。これにより、空調装置の専用吹出口8から吹き出された空調風は、イオン風発生装置10が生成する気流により車室内天井9の内装表面に沿って流れるので、車室内に拡散することが抑制される。そのため、この車室内空調システム1は、空調装置の吹出口から吹き出された空調風を、後席空間RSに効率的に届けることが可能である。したがって、この車室内空調システム1は、後席空間RSの空調を効率よく行うことができる。
(2)また、第2実施形態の車室内空調システム1は、車室内にダクト等を設置することの無い簡素な構成で、空調風を後席空間RSに届けることが可能である。そのため、この車室内空調システム1は、車室内空間を狭くすることのない省スペース、且つ、低コストで快適性の高い空調を行うことができる。
(3)第2実施形態では、第1イオン風発生装置10fは、空調装置の専用吹出口8から吹き出された空調風が直接当たる位置に設置される。第2イオン風発生装置10gは、第1イオン風発生装置10fにより生成された気流により空調風が流れる位置に設置される。これにより、第1イオン風発生装置10fと第2イオン風発生装置10gは、空調風を順次送るように配置される。そのため、車室内空調システム1は、複数のイオン風発生装置10を使って、空調風を車室内の内装表面に沿って後席空間RSなど目的とする場所まで順次送ることができる。
(4)その他、第2実施形態の車室内空調システム1も、第1実施形態と同様の作用効果を奏することができる。
(第3実施形態)
第3実施形態について説明する。第3実施形態も、第1実施形態等に対して複数のイオン風発生装置10の配置などを変更したものであり、その他については第1実施形態等と同様であるため、第1実施形態等と異なる部分についてのみ説明する。
第3実施形態について説明する。第3実施形態も、第1実施形態等に対して複数のイオン風発生装置10の配置などを変更したものであり、その他については第1実施形態等と同様であるため、第1実施形態等と異なる部分についてのみ説明する。
図4および図5に示すように、第3実施形態の車室内空調システム1は、車室内の空調を行うための空調装置から吹き出された空調風をラゲージルームLRに届けることで、ラゲージルームLRの空調に用いられるものである。なお、ラゲージルームLRとは、車両の後席7よりも後方で荷物を搭載可能な空間をいう。第3実施形態でも、空調装置は、第2実施形態と同様に、専用吹出口8を有している。
第3実施形態の車室内空調システム1も、複数のイオン風発生装置10を備えている。複数のイオン風発生装置10は、天井側イオン風発生装置10h〜10jおよびラゲージルーム側イオン風発生装置10k〜10qを含んでいる。天井側イオン風発生装置10h〜10jは、空調装置の専用吹出口8から吹き出された空調風をラゲージルームLRに届けるように、車室内天井9の内装表面に設置されるものである。ラゲージルーム側イオン風発生装置10k〜10qは、ラゲージルームLR内を循環するような気流を形成するように、ラゲージルームLRの内装表面に設置されるものである。
図4では、車室内天井9の内装表面に設置される3個の天井側イオン風発生装置10h〜10jと、ラゲージルームLRの内装表面に設置される複数のラゲージルーム側イオン風発生装置10k〜10qの一部を例示している。以下の説明では、説明の便宜上、3個の天井側イオン風発生装置10h〜10jを、車両前方側から第1〜第3イオン風発生装置10h〜10jと呼び、符号の末尾にそれぞれh、i、jを付すこととする。
第1イオン風発生装置10hは、車室内天井9の内装表面のうち、フロントウィンド上部のサンバイザーの近くに設けられている。第2イオン風発生装置10iは、車室内天井9の内装表面のうち、第1イオン風発生装置10hの後方に設けられている。第3イオン風発生装置10jは、車室内天井9の内装表面のうち、第2イオン風発生装置10iの後方に設けられている。
図5では、ラゲージルームLRの内装表面に設置される7個のラゲージルーム側イオン風発生装置10k〜10qを例示している。以下の説明では、説明の便宜上、7個のラゲージルーム側イオン風発生装置10k〜10qを、第4〜第10イオン風発生装置10k〜10qと呼び、符号の末尾にそれぞれk〜qを付すこととする。第4〜第10イオン風発生装置10k〜10qは、ラゲージルームLRを取り囲むように配置されている。
図4では、空調装置の専用吹出口8から吹き出された空調風が、第1〜第3イオン風発生装置10h〜10jで生成される気流によりラゲージルームLRへ届けられる状態を、模式的に一点鎖線の矢印AF6で示している。空調装置の専用吹出口8から吹き出される空調風は、第1イオン風発生装置10h→第2イオン風発生装置10i→第3イオン風発生装置10jの順に、車室内天井9の内装表面に沿ってラゲージルームLRに届けられる。
また、図4および図5では、ラゲージルームLRへ届けられた空調風が、第4〜第10イオン風発生装置10k〜10qで生成される気流によりラゲージルームLRを循環する状態を、模式的に一点鎖線の矢印AF7で示している。第4〜第10イオン風発生装置10k〜10qでそれぞれ発生する気流は、第4イオン風発生装置10k→第5イオン風発生装置10l→・・・→第10イオン風発生装置10q→第4イオン風発生装置10kの順に流れ、ラゲージルームLRの内装表面に沿って循環する。そのため、空調装置の専用吹出口8から吹き出されて第1〜第3イオン風発生装置10h〜10jで生成される気流によりラゲージルームLRへ届けられた空調風は、第4〜第10イオン風発生装置10k〜10qにより形成される気流により、ラゲージルームLRの内装表面に沿う渦流または還流等の流れ形状となって滞留する。
なお、上述した第1イオン風発生装置10hは、空調装置の吹出口から吹き出された空調風が直接当たる位置に設置されるので、特許請求の範囲に記載の「所定のイオン風発生装置」の一例に相当する。また、第2〜第10イオン風発生装置10i〜10qは、それぞれの上流側に配置されたイオン風発生装置10により生成された気流により空調風が流れる位置に設置されるので、特許請求の範囲に記載の「別のイオン風発生装置」の一例に相当する。
第3実施形態のイオン風発生装置10も、放電電極12に印加される電圧等の調整により、オゾンを容易に生成可能である。そのため、イオン風発生装置10から吹き出されたオゾンをラゲージルームLRで滞留させることで、ラゲージルームLRの臭気を除去することができる。
以上説明した第3実施形態の車室内空調システム1は、次の作用効果を奏するものである。
(1)第3実施形態の車室内空調システム1が備える天井側イオン風発生装置10h〜10jは、空調装置の専用吹出口8から吹き出された空調風が流れる車室内天井9に設置され、その空調風が車室内天井9の内装表面に沿って流れるように気流を生成する。また、ラゲージルーム側イオン風発生装置10k〜10qは、ラゲージルームLRを取り囲むように配置され、ラゲージルームLR内を循環するような気流を生成する。
これによれば、空調装置の専用吹出口8から吹き出された空調風は、天井側イオン風発生装置10h〜10jにより形成される気流により、車室内天井9の内装表面に沿ってラゲージルームLRに送られる。そして、ラゲージルームLRに届けられた空調風は、ラゲージルーム側イオン風発生装置10k〜10qにより形成されたラゲージルームLR内を循環するような気流により、ラゲージルームLR内で渦流または還流等の所定の流れ形状となって滞留する。そのため、この車室内空調システム1は、例えば夏季などに、空調装置の専用吹出口8から吹き出された冷房風をラゲージルームLR内に送り、そこで滞留させることで、ラゲージルームLR内に搭載した荷物の温度の上昇を抑えることができる。
(2)また、第3実施形態の車室内空調システム1も、車室内にダクト等を設置することの無い簡素な構成で、空調風をラゲージルームLRに届けることが可能である。そのため、この車室内空調システム1は、車室内空間を狭くすることのない省スペース、且つ、低コストで快適性の高い空調を行うことができる。
(3)その他、第3実施形態の車室内空調システム1も、第1実施形態等と同様の作用効果を奏することができる。
(第4実施形態)
第4実施形態について説明する。第4実施形態は、第1実施形態等に対してイオン風発生装置10が設置される車室内の内装表面の構成を変更したものであり、その他については第1実施形態等と同様であるため、第1実施形態等と異なる部分についてのみ説明する。
第4実施形態について説明する。第4実施形態は、第1実施形態等に対してイオン風発生装置10が設置される車室内の内装表面の構成を変更したものであり、その他については第1実施形態等と同様であるため、第1実施形態等と異なる部分についてのみ説明する。
図6に示すように、第4実施形態では、イオン風発生装置10が設置される場所からイオン風が流れる場所に亘って設けられる内装表面40が、非帯電材料により形成されている。本明細書において、非帯電材料とは、静電気が帯電しない材料であり、具体的には表面抵抗率が1GΩ/□以下の材料をいう。非帯電材料として、例えば、樹脂とカーボンとを混合した材料が例示される。この内装表面40は、接地電極13が電気的に接続される車両のグランド30に対して配線41を介して電気的に接続されている。これにより、内装表面40と接地電極13とは同電位となる。
イオン風発生装置10の構成は、図2で示したものと同一である。なお、図6では、説明の便宜上、筐体11の一部を切り欠いて示している。電源装置20から放電電極12に数kV(例えば−4kV)の電圧が印加されると、放電電極12が有する放電突起121の先端の周囲に電界が集中してコロナ放電が発生する。そして、その放電突起121の周囲にある空気分子が電離してイオンに分解される。空気中のイオンのうち、放電電極12と同極性のイオンが電界で加速され、周囲の空気分子と衝突しながら周囲の空気を巻き込んでイオン風を発生する。これにより、空気出口15からイオン風が吹き出される。
ここで、上述したように、第4実施形態では、接地電極13と内装表面40とが同電位となっている。これにより、イオン風発生装置10から吹き出されるイオン風は、電気力により内装表面40に引き付けられる。そのため、この車室内空調システム1は、イオン風発生装置10から吹き出される気流が内装表面40に沿って強く流れる領域を広げることが可能である。したがって、第4実施形態の車室内空調システム1は、空調装置の所定の吹出口から吹き出された空調風が車室内に拡散することを抑制し、効率の良い空調を実現することができる。
(第5実施形態)
第5実施形態について説明する。第5実施形態は、第4実施形態等に対してイオン風発生装置10の筐体11の構成等を変更したものであり、その他については第4実施形態等と同様であるため、第4実施形態等と異なる部分についてのみ説明する。
第5実施形態について説明する。第5実施形態は、第4実施形態等に対してイオン風発生装置10の筐体11の構成等を変更したものであり、その他については第4実施形態等と同様であるため、第4実施形態等と異なる部分についてのみ説明する。
図7に示すように、第5実施形態のイオン風発生装置10は、筐体11が非帯電材料により形成されたものである。なお、第5実施形態でも、イオン風発生装置10が設置される場所からイオン風が流れる場所に亘って設けられる内装表面40は、非帯電材料により形成されている。
イオン風発生装置10の筐体11は、接地電極13に電気的に接続されている。また、この筐体11は、内装表面40に対しても電気的に接続されている。したがって、筐体11と接地電極13と内装表面40とは同電位とされている。
第5実施形態では、イオン風発生装置10が設置される内装表面40は、筐体11を介して接地電極13と電気的に接続される。そのため、この車室内空調システム1は、内装表面40と車両のグランド30とを電気的に接続するための配線を廃止することが可能である。したがって、第5実施形態の車室内空調システム1は、第4実施形態で説明した効率の良い空調を低コストで実現することができる。
また、第5実施形態では、筐体11に静電気が帯電することが防がれる。そのため、乗員がイオン風発生装置10の筐体11に直接触れた場合でも、乗員が放電による痛みを感じることを防ぐことができる。
なお、第4、第5実施形態で説明したイオン風発生装置10は、第1〜第3実施形態で説明した車室内空調システム1に適用することが可能である。
(他の実施形態)
本発明は上記した実施形態に限定されるものではなく、特許請求の範囲に記載した範囲内において適宜変更が可能である。また、上記各実施形態は、互いに無関係なものではなく、組み合わせが明らかに不可な場合を除き、適宜組み合わせが可能である。また、上記各実施形態において、実施形態を構成する要素は、特に必須であると明示した場合および原理的に明らかに必須であると考えられる場合等を除き、必ずしも必須のものではないことは言うまでもない。また、上記各実施形態において、実施形態の構成要素の個数、数値、量、範囲等の数値が言及されている場合、特に必須であると明示した場合および原理的に明らかに特定の数に限定される場合等を除き、その特定の数に限定されるものではない。また、上記各実施形態において、構成要素等の形状、位置関係等に言及するときは、特に明示した場合および原理的に特定の形状、位置関係等に限定される場合等を除き、その形状、位置関係等に限定されるものではない。
本発明は上記した実施形態に限定されるものではなく、特許請求の範囲に記載した範囲内において適宜変更が可能である。また、上記各実施形態は、互いに無関係なものではなく、組み合わせが明らかに不可な場合を除き、適宜組み合わせが可能である。また、上記各実施形態において、実施形態を構成する要素は、特に必須であると明示した場合および原理的に明らかに必須であると考えられる場合等を除き、必ずしも必須のものではないことは言うまでもない。また、上記各実施形態において、実施形態の構成要素の個数、数値、量、範囲等の数値が言及されている場合、特に必須であると明示した場合および原理的に明らかに特定の数に限定される場合等を除き、その特定の数に限定されるものではない。また、上記各実施形態において、構成要素等の形状、位置関係等に言及するときは、特に明示した場合および原理的に特定の形状、位置関係等に限定される場合等を除き、その形状、位置関係等に限定されるものではない。
(1)上記第1〜第3実施形態では、車室内空調システム1は、複数のイオン風発生装置10を備えるものについて説明したが、これに限られない。車室内空調システム1は、1つのイオン風発生装置10を備えているものでもよい。例えば、空調装置の吹出口から空調風を届けるための目的の場所までの距離が近い場合、1つのイオン風発生装置10を用いて、その目的の場所に空調風を送ることや、その目的の場所で空調風を滞留させることも可能である。
(2)上記第1実施形態では、複数のイオン風発生装置10は、車室内の内装表面40のうち左前席6に着座する乗員の足の周囲に設置したが、これに限られない。複数のイオン風発生装置10は、車室内の内装表面40のうち右前席に着座する乗員の足を取り巻くような還流または渦流を形成するように、その右前席に着座する乗員の足の周囲に配置してもよい。
(3)上記第2、第3実施形態では、車室内空調システム1は、空調装置の専用吹出口8から吹き出された空調風を所定の場所に届ける構成について説明したが、これに限られない。車室内空調システム1は、空調装置のフェイス吹出口3、デフロスタ吹出口4、フット吹出口5等、既存の吹出口から吹き出された空調風を所定の場所に届ける構成としてもよい。
(まとめ)
上述の実施形態の一部または全部で示された第1の観点によれば、車室内の空調を行うための空調装置と共に車両に搭載される車室内空調システムは、1つまたは複数のイオン風発生装置を備えている。そのイオン風発生装置は、空調装置の吹出口から吹き出された空調風が流れる位置に設置され、その空調風が車室内の内装表面に沿って流れるようにコロナ放電による気流を生成する。
上述の実施形態の一部または全部で示された第1の観点によれば、車室内の空調を行うための空調装置と共に車両に搭載される車室内空調システムは、1つまたは複数のイオン風発生装置を備えている。そのイオン風発生装置は、空調装置の吹出口から吹き出された空調風が流れる位置に設置され、その空調風が車室内の内装表面に沿って流れるようにコロナ放電による気流を生成する。
第2の観点によれば、複数のイオン風発生装置は、所定のイオン風発生装置と、別のイオン風発生装置とを含んでいる。所定のイオン風発生装置は、空調装置の吹出口から吹き出された空調風が直接当たる位置に設置される。別のイオン風発生装置は、所定のイオン風発生装置により生成された気流により空調風が流れる位置に設置される。
これによれば、所定のイオン風発生装置と別のイオン風発生装置は、空調風を順次送るように配置される。そのため、車室内空調システムは、複数のイオン風発生装置を使って、空調風を車室内の内装表面に沿って目的とする場所まで順次送ることや、空調風を渦流または還流等の所定の流れ形状にすることで目的の場所で滞留させることができる。
第3の観点によれば、複数のイオン風発生装置は、前席に着座する乗員の足を取り巻くような還流または渦流を形成するように、車室内の内装表面のうち前席に着座する乗員の足の周囲に設置される。
これによれば、空調装置のフット吹出口から吹き出された暖房風は、複数のイオン風発生装置により形成される気流により、乗員の足元で渦流または還流等の所定の流れ形状となって滞留する。そのため、乗員の足元から暖房風が上昇することが抑制されるので、少ない暖房風で乗員の足元を効率的に暖房することができる。
ところで、従来は、空調装置のフット吹出口から吹き出された暖房風が上昇すると、乗員の頭部が暑くなってしまうので、乗員の頭部に向けて冷風を吹き出すなどの対策が取られる場合があった。これに対し、この車室内空調システムは、乗員の足元から暖房風が上昇することが抑制されるので、乗員の頭部を冷やすための冷風を吹き出す必要が無くなるため、乗員の快適性を省エネルギーにより確保することができる。
第4の観点によれば、複数のイオン風発生装置は、空調装置の吹出口から吹き出された空調風を後席空間に届けるように、車室内天井の内装表面に設置される。
これによれば、空調装置の所定の吹出口から吹き出された空調風は、車室内天井の内装表面に設置される複数のイオン風発生装置により形成される気流により、車室内天井の内装表面に沿って後席空間に送られる。そのため、この車室内空調システムは、空調装置の吹出口から吹き出された空調風が車室内に拡散することを抑制し、後席空間に効率的に届けることが可能である。
また、この車室内空調システムは、ダクト等を用いることの無い簡素な構成で、空調風を後席空間に届けることが可能である。そのため、この車室内空調システムは、車室内空間を狭くすることのない省スペース、且つ、低コストで後席空間の快適性を高めることができる。
さらに、この車室内空調システムは、車室内天井に複数のイオン風発生装置を設置することで構成されるので、設計の自由度が高い。したがって、この車室内空調システムは、種々の車種に対して容易に搭載可能であり、且つ、車両のモデルチェンジ等にも容易に対応することが可能である。
第5の観点によれば、複数のイオン風発生装置は、天井側イオン風発生装置、およびラゲージルーム側イオン風発生装置を含んでいる。天井側イオン風発生装置は、空調装置の吹出口から吹き出された空調風をラゲージルームに届けるように、車室内天井の内装表面に設置される。ラゲージルーム側イオン風発生装置は、ラゲージルーム内を循環するような気流を形成するように、ラゲージルームの内装表面に設置される。
これによれば、空調装置の所定の吹出口から吹き出された空調風は、天井側イオン風発生装置により形成される気流により、車室内天井の内装表面に沿ってラゲージルームに送られる。そして、ラゲージルームに届けられた空調風は、ラゲージルーム側イオン風発生装置により形成されたラゲージルーム内を循環するような気流により、ラゲージルーム内で還流等の所定の流れ形状となって滞留する。そのため、この車室内空調システムは、例えば夏季などに、空調装置から吹き出された冷房風をラゲージルーム内に送り、そこで滞留させることで、ラゲージルーム内に搭載した荷物の温度の上昇を抑えることができる。
第6の観点によれば、イオン風発生装置は、車室内の臭気を除去可能な微量のオゾンを生成可能に調整されている。
これによれば、イオン風発生装置は、放電電極に印加される電圧等の調整により、オゾンを容易に発生させることが可能である。そのため、この車室内空調システムは、例えば、乗員の足元の空間や、ラゲージルーム内など、車室内の所定の場所の臭気を除去することで、車室内の快適性を高めることができる。
第7の観点によれば、イオン風発生装置は、空気入口および空気出口を有する筐体と、その筐体の内側に設けられる放電電極および接地電極を有するものである。イオン風発生装置が設置される場所からイオン風が流れる場所に亘って設けられる内装表面は、非帯電材料により形成されたものであり、接地電極が電気的に接続される車両のグランドに電気的に接続されている。
これによれば、内装表面と接地電極とが同電位になるので、イオン風発生装置から吹き出される気流は、電気力により内装表面に引き付けられる。そのため、この車室内空調システムは、イオン風発生装置から吹き出される気流が内装表面に沿って強く流れる領域を広げることが可能である。したがって、この車室内空調システムは、空調装置の吹出口から吹き出された空調風が車室内に拡散することを抑制し、効率の良い空調を実現することができる。なお、本明細書において、非帯電材料とは、静電気が帯電しない材料であり、具体的には表面抵抗率が1GΩ/□以下の材料をいう。
第8の観点によれば、筐体は、非帯電材料により形成され、接地電極に電気的に接続されている。イオン風発生装置が設置される場所からイオン風が流れる場所に亘って設けられる内装表面は、筐体に電気的に接続されている。
これによれば、内装表面は、筐体を介して接地電極と電気的に接続される。そのため、この車室内空調システムは、内装表面と車両のグランドとを電気的に接続するための配線を廃止して、内装表面と接地電極とを同電位にすることが可能である。したがって、この車室内空調システムは、効率の良い空調を低コストで実現することができる。
1 車室内空調システム
3、4、5、8 吹出口
10、10a〜10q イオン風発生装置
3、4、5、8 吹出口
10、10a〜10q イオン風発生装置
Claims (8)
- 車室内の空調を行うための空調装置と共に車両に搭載される車室内空調システムであって、
空調装置の吹出口(3、4、5、8)から吹き出された空調風が流れる位置に設置され、その空調風が車室内の内装表面に沿って流れるようにコロナ放電による気流を生成する1つまたは複数のイオン風発生装置(10、10a〜10q)を備える車室内空調システム。 - 複数の前記イオン風発生装置は、
前記空調装置の前記吹出口から吹き出された空調風が直接当たる位置に設置される所定のイオン風発生装置(10a、10f、10h)と、
前記所定のイオン風発生装置により生成された気流により空調風が流れる位置に設置される別のイオン風発生装置(10b〜10e、10g、10i〜10q)とを含んでいる、請求項1に記載の車室内空調システム。 - 複数の前記イオン風発生装置は、前席(6)に着座する乗員の足を取り巻くような還流または渦流を形成するように、車室内の内装表面のうち前記前席に着座する乗員の足の周囲に設置される、請求項1または2に記載の車室内空調システム。
- 複数の前記イオン風発生装置は、前記空調装置の前記吹出口から吹き出された空調風を後席空間(RS)に届けるように、車室内天井(9)の内装表面に設置される、請求項1または2に記載の車室内空調システム。
- 複数の前記イオン風発生装置は、
前記空調装置の前記吹出口から吹き出された空調風をラゲージルーム(LR)に届けるように、車室内天井の内装表面に設置される天井側イオン風発生装置(10h〜10j)と、
前記ラゲージルーム内を循環するような気流を形成するように、前記ラゲージルームの内装表面に設置されるラゲージルーム側イオン風発生装置(10k〜10q)と、を含んでいる、請求項1または2に記載の車室内空調システム。 - 前記イオン風発生装置は、車室内の臭気を除去可能な微量のオゾンを生成可能に調整されている、請求項1ないし5のいずれか1つに記載の車室内空調システム。
- 前記イオン風発生装置は、空気入口(14)および空気出口(15)を有する筐体(11)と、その筐体の内側に設けられる放電電極(12)および接地電極(13)とを有するものであり、
前記イオン風発生装置が設置される場所からイオン風が流れる場所に亘って設けられる内装表面(40)は、非帯電材料により形成されたものであり、前記接地電極が電気的に接続される車両のグランド(30)に電気的に接続されている、請求項1ないし6のいずれか1つに記載の車室内空調システム。 - 前記筐体は、非帯電材料により形成され、前記接地電極に電気的に接続されており、
前記イオン風発生装置が設置される場所からイオン風が流れる場所に亘って設けられる内装表面は、前記筐体に電気的に接続されている、請求項7に記載の車室内空調システム。
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-
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- 2018-04-19 JP JP2018080533A patent/JP2019188864A/ja active Pending
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