本発明に係るスロットマシンを実施するための形態を実施例に基づいて以下に説明する。
[スロットマシンの構成]
図1(a)は、本実施形態に係るスロットマシン1の正面図であり、図1(b)は、スロットマシン1の主な内部構成の一例を示す図である。図2は、リールの図柄配列を示す図である。
図1(a)に示すように、スロットマシン1は、前面扉1bに液晶表示器51が設けられている。前面扉1bにおける液晶表示器51の下方には、透視窓3が形成されている。遊技者は、この透視窓3を介して筐体1a内部に並設されているリール2L,2C,2Rを視認可能である。図2に示すように、各リールには、各々が識別可能な複数種類の図柄が所定の順序で配列されている。
図1(a)に示すように、前面扉1bには、遊技者所有の遊技用価値(メダル数)として記憶されているクレジットの範囲内において遊技状態に応じて定められた規定数の賭数を設定する際に操作されるMAXBETスイッチ6、クレジットとして記憶されているメダルおよび賭数の設定に用いたメダルを精算する(クレジットおよび賭数の設定に用いた分のメダルを返却させる)際に操作される精算スイッチ10、ゲームを開始する際に操作されるスタートスイッチ7、リールの回転を各々停止する際に操作されるストップスイッチ8L,8C,8R、および演出に用いるための演出用スイッチ56などが設けられている。
前面扉1bには、遊技に関する情報を報知する遊技用表示部13が設けられている。遊技用表示部13には、クレジットとして記憶されているメダル数が表示されるクレジット表示器11、メダルの払出枚数、エラー時のエラーコード、リールの停止タイミングを識別可能な情報等が報知される遊技補助表示器12、設定されている賭数を報知するための1BETLED14、2BETLED15、3BETLED16、メダル投入が可能であることを報知する投入要求LED17、スタートスイッチ7の操作によるゲームのスタート操作が可能であることを報知するスタート有効LED18、スタートスイッチ7の操作後においてウェイト(前回のゲーム開始から一定期間経過していないためにリール2L,2C,2Rの回転開始を待機している状態)中であることを報知するウェイト中LED19、およびリプレイ入賞後のリプレイゲーム中であることを報知するリプレイ中LED20が設けられている。
クレジットおよび設定済の賭数を精算する際の遊技者による精算スイッチ10の操作を精算操作ともいう。なお、リプレイ入賞が発生したときには、自動で賭数が設定されるが、この場合、精算操作がされたとしても賭数は精算されない。つまり、自動で賭数が設定されている場合に精算操作されたときには、クレジットのみが精算される。なお、リプレイ入賞の有無にかかわらず、精算操作されたときにはクレジットのみが精算されるものであってもよいし、クレジットおよび賭数のいずれも精算されるものであってもよい。液晶表示器51では、後述する各種制御による演出を表示可能である。
スロットマシン1においてゲームを行う場合には、まず、メダルをメダル投入部4に投入するかMAXBETスイッチ6の操作などにより規定数の賭数(たとえば3)を設定する。これにより、入賞ラインLNが有効となり、かつスタートスイッチ7への操作が有効となり、ゲームが開始可能な状態となる。賭数設定済の状態でメダルが投入された場合には、その分はクレジットに加算される。なお、以下では、メダル投入部4にメダルを投入することにより次の遊技の賭数を設定すること、およびMAXBETスイッチ6を操作することにより次の遊技の賭数を設定することを、総称してBET動作という。
ゲームが開始可能な状態でスタートスイッチ7が操作されると、リール2L,2C,2Rが回転して図柄が変動表示され、ストップスイッチ8L,8C,8Rが操作されると対応するリールの回転が停止することで、透視窓3の上中下段に3つの図柄が表示結果として導出表示される。規定数の賭数(たとえば、3)が設定されると、入賞ラインLNが有効化されて、ゲームが開始可能な状態となる。
入賞ラインとは、各リール2L、2C、2Rの透視窓3に表示された図柄の組合せが入賞図柄の組合せであるかを判定するために設定されるラインである。本実施形態では、図1に示すように、リール2Lの上段、リール2Cの中段、リール2Rの下段に並んだ図柄に跨って設定された入賞ラインLNのみが入賞ラインとして定められている。なお、本実施例では、1本の入賞ラインのみを適用しているが、複数の入賞ラインを適用しても良い。
また、本実施例では、入賞ラインLNに入賞を構成する図柄の組合せが揃ったことを認識しやすくするために、入賞ラインLNとは別に、無効ラインLM1〜4を設定している。
なお、本実施例では、回転を開始した3つのリール2L、2C、2Rのうち、最初に停止するリールを第1停止リールと称し、また、その停止を第1停止と称する。同様に、2番目に停止するリールを第2停止リールと称し、また、その停止を第2停止と称し、3番目に停止するリールを第3停止リールと称し、また、その停止を第3停止あるいは最終停止と称する。
入賞ラインLN上に入賞図柄の組合せが停止して入賞が発生したときには、入賞に応じて、所定枚数のメダルが遊技者に対して付与されて、クレジット加算か、クレジットが上限数(50)に達した場合にはメダル払出口9からメダルが払い出される。メダル払出口9からメダルが払い出されるときには、メイン制御部41によって制御された図示しないホッパーモータの駆動によって、メダル払出口9からメダルが払い出される。
図1(b)に示すように、スロットマシン1の内部には、遊技の進行を制御するとともに遊技の進行に応じて各種コマンドを出力する遊技制御基板40、および演出制御基板90などが設けられている。遊技制御基板40は、遊技の進行に関する処理を行う(遊技の制御を行う、ともいえる)とともに、遊技制御基板40に搭載あるいは接続された構成を制御するメイン制御部41を備える。演出制御基板90は、遊技制御基板40から送信されたコマンド(制御情報)に基づいて演出の制御を行うともに、演出制御基板90に搭載あるいは接続された構成を制御するサブ制御部91を備える。メイン制御部41は、ワークメモリとして使用されるRAM41cと、プログラムに従って遊技制御基板40に接続された各部を制御するメインCPU41aとを備える。サブ制御部91は、ワークメモリとして使用されるRAM91cと、プログラムに従って演出制御基板90に接続された各部を制御するサブCPU91aとを備える。
MAXBETスイッチ6、スタートスイッチ7、ストップスイッチ8L,8C,8R、および精算スイッチ10が操作されると、当該操作されたことを検出するための検出信号がメイン制御部41に入力される。メイン制御部41は、これら各種スイッチからの検出信号に基づき、これら各種スイッチへの操作を検出する。
メイン制御部41からは、遊技用表示部13に含まれる各種表示器を点灯制御あるいは表示制御するための制御信号が遊技用表示部13に出力される。遊技用表示部13に含まれる各種表示器は、メイン制御部41からの制御信号に基づき、点灯あるいは所定情報を表示する。
サブ制御部91からは、液晶表示器51、およびスピーカ53,54のそれぞれを制御するための制御信号が液晶表示器51、およびスピーカ53,54のそれぞれに出力される。液晶表示器51は、サブ制御部91からの制御信号に基づき、所定情報を表示する。スピーカ53,54は、サブ制御部91からの制御信号に基づき、音声を出力する。なお、図1(b)は、あくまで一例であり、スロットマシン1の内部にはその他の構成も設けられている。
次に、抽選対象役について説明する。図3は、抽選対象役を説明するための図である。抽選対象役は、スロットマシン1が実行する内部抽選の対象となる役である。なお、内部抽選の対象となる役には、チャンス目もあるがこのチャンス目は省略されている。内部抽選は、メイン制御部41によって実行され、導出を許容する図柄組合せを決定する処理である。なお、内部抽選によって図柄組合せの導出が許容されたことを当選ともいう。
図3に示されるビッグボーナスは、入賞ラインLNまたは無効ラインLM1〜4上に各リールの7Aが停止する役である。抽選対象役のうちの小役には、チェリー、スイカ、ベル、リプレイ、及び特殊リプレイが含まれる。チェリーは、少なくとも左リール2Lの上中下段のいずれかにチェリーが停止する役である。スイカ、ベル、リプレイ、及び特殊リプレイは、入賞ラインLNまたは無効ラインLM1〜4上に各リールのベルが停止する役である。なお、抽選対象役のうち、ベルには、ストップスイッチ8L、8C、8Rの押し順が正解した場合にベルが入賞し、押し順が正解しなかった場合にはベルが入賞しない(ベルこぼし)ものがある。同様に、リプレイにも押し順に応じて内部の制御状態を変化させるものがあるが、リプレイの場合は、押し順によらず入賞する。チェリー、スイカ、特殊リプレイは、押し順は不問で、チェリー、スイカ、特殊リプレイの場合は適切なタイミングで操作されると入賞する。以下の説明では、ベル及びリプレイのうち、押し順が定められている役を押し順役、そうでない役を押し順不問役ともいう。
本実施形態に係るスロットマシン1には、遊技者にとって有利な状態として、上述したビッグボーナスとART(Assist Replay Time)の2つの遊技状態が設けられている。本実施形態におけるビッグボーナスは、図柄の7Aが揃ってから規定枚数だけ払い出されると終了する。またARTは、リプレイの当選確率を上昇させることでメダルの減少を抑制し、上述した押し順役においては、押し順を遊技者に報知することで、押し順役の入賞を容易にさせる。本実施形態に係るスロットマシン1でのARTは、初期ゲーム数が50ゲーム与えられ、ART中にゲーム数を上乗せすることが可能である。メイン制御部40は、CZ(チャンスゾーン)において後述する条件が満たされた場合にARTに制御する。
本実施形態におけるCZの契機は、スイカまたはチェリーとの重複抽選によって当選することであり、CZのゲーム数は10ゲームである。重複抽選によってCZに当選したゲームにおいて、特典達成ポイント(以下、「達成ポイント」という)が抽選される。CZでは、1ゲーム(1G)ごとに当選役に応じてポイントを付与可能である。付与ポイントは、付与ポイントの合計である合計ポイントに加算されることで、合計ポイントが更新される。CZにおける10ゲーム内に、合計ポイントが達成ポイントに達した場合(合計ポイントが達成ポイント以上となった場合)に、ART当選となる。なお、上記押し順役において、押し順が不正解だった場合には、ポイントは付与されない。
図4は、CZにおける演出の制御を示す図である。CZでは対決演出が行われる。この対決演出において、サブ制御部91は、制御A1、A2、A3、B1、B2、Cのいずれかを実行する。これらの制御は、制御A(A1、A2、A3)、制御B(B1、B2)、制御Cに大別される。サブ制御部91は、制御Aまたは制御Bのいずれかを実行するかを判定し、実行する制御が制御Aと判定された場合には、制御A1、A2、A3、Cのいずれかを実行し、制御Bと判定された場合には、制御B1、B2、Cのいずれかを実行する。このように制御Cは、制御A、制御Bのいずれが実行される場合であっても実行される可能性がある制御である。以下の説明において、制御Cを通常制御と表現することがある。また、制御A3を特定制御と表現することがある。
対決演出では、敵味方が対峙している状態から、味方が攻撃する演出が実行される。制御A1は、付与ポイントが0ポイントの場合に抽選によって実行され、対峙したまま敵味方とも何もしない演出を実行する制御である。制御A2は、付与ポイントが0ポイントの場合に抽選によって実行され、後述する示唆演出を実行する制御である。制御A3は、付与ポイントが0以外の場合に抽選によって実行され、2ゲームに亘る演出を実行する制御である。具体的には、1G目に示唆演出が実行され、次ゲームで後述する更新演出が実行される。なお、ここでの「1G目」とは、制御A3の実行契機となったゲームを示し、CZにおける1ゲーム目などを示すものではない。
制御B1は、付与ポイントが0以外の場合に抽選によって実行され、第3停止後に更新演出を実行する制御である。ここでの「第3停止後」とは、第3停止から若干間をおいたタイミングを示す。制御B2は、付与ポイントが0以外の場合に抽選によって実行され、2段階で更新演出を実行する制御である。具体的には第3停止時に1段階目の更新演出が実行され、第3停止から若干間をおいた第2タイミングで2段階目の更新演出が実行される。従って、例えば付与ポイントが60ポイントの場合は、1段階目の更新演出で10ポイントが更新される演出が実行され、2段階目の更新演出で残りの50ポイントが更新される演出が実行される。このように、サブ制御部91は、所定量で合計ポイントを更新された場合の更新演出として、所定量未満の更新量に対応する更新演出を行った後、残りの更新量に対応する更新演出を行うことが可能である。このようにすることで、所定量のポイントの更新演出において遊技者の期待感を持続させることができる。
制御Cは、付与ポイントが0以外の場合に抽選によって実行され、第3停止時に更新演出を実行する制御である。このように、更新演出を行うタイミングは、一のゲームにおける第1タイミングと、該一のゲームにおける第1タイミングより後の第2タイミングとを含む。このようにすることで、一のゲーム中、遊技者に期待感を持続させることができる。
以上説明した各制御の概要についてまとめると、まず制御A1、A2は、付与ポイントが0の場合に対応した制御である。また、制御Cは、付与ポイントを第3停止時に報知する制御である。制御A3は、付与ポイントを次ゲームで報知する制御である。制御B1は、付与ポイントを第3停止後に報知する制御である。制御B2は、付与ポイントを第3停止時と第3停止後に報知する制御である。
次に、上述した各制御により実行される演出態様について、図5から図10を用いて説明する。なお、以下に説明する演出態様における「1G目」とは、各制御の実行契機となったゲームを示す。また、各演出では、敵の残り体力を示す体力バーが表示される。体力バーは、付与ポイントに応じて、更新(減少)される。
図5は、制御A1により実行される演出態様を示す図である。制御A1では、上述したように対峙したまま何もしない。そのため、1G目スタートスイッチ操作時の態様は、対峙している態様であり、当該1G目の第3停止時の態様も、対峙したままの態様であり、体力バーの更新もされない。
図6は、制御A2により実行される演出態様を示す図である。制御A2では、示唆演出が実行される。1G目スタートスイッチ操作時の態様は、味方が攻撃を繰り出す態様である。このような、味方が攻撃を繰り出す演出は、特定演出の一例である。制御A2では、攻撃を繰り出すものの、攻撃がはずれるため、第3停止時の態様では、体力バーは更新されない。攻撃がはずれる演出は、失敗演出の一例である。図6に示されるような、味方が攻撃を繰り出し、攻撃がはずれるという一連の演出は、示唆演出の一例である。このように、サブ制御部91は、当該ゲームで合計ポイントが更新されなかった場合であっても、示唆演出を実行可能である。このようにすることで、合計ポイントが更新されなかったゲームであっても期待感を持続することができる。
以上説明した制御A1、A2では、付与ポイントが0の場合に実行されるため、体力バーが更新されることのない態様であったが、次から説明する制御C、制御B1、制御B2では、付与ポイントが0以外の場合に実行されるため、体力バーが更新される態様となる。図7は、制御Cにより実行される演出態様を示す図である。制御Cにおける1G目スタートスイッチ操作時の演出は、味方が攻撃を繰り出す演出である。制御Cでは、繰り出した攻撃が敵にヒットするため、第3停止時に、付与ポイントが表示され(図では30ポイント)、体力バーが30ポイント分更新される成功演出が実行される。図7に示されるような、味方が攻撃を繰り出し、攻撃がヒットする一連の演出は、更新演出の一例である。この図7に示されるように、サブ制御部91は、所定ゲーム(本実施形態では当該ゲーム)で合計ポイントが更新された場合に、成功演出)を当該所定ゲームで行う通常制御を実行可能である。
図8は、制御A3により実行される演出態様を示す図である。制御A3の1G目の演出は、制御A2での演出と同じく、1G目のスタートスイッチ操作時に味方が攻撃を繰り出すものの、1G目の第3停止時に攻撃が外れる演出である。次の2G目においては、スタートスイッチ操作時に味方が攻撃を繰り出し、繰り出した攻撃が敵にヒットするため、第3停止時に、付与ポイントが表示され(図では30ポイント)、体力バーが30ポイント分更新される演出が実行される。この図8に示されるように、更新演出を所定ゲーム以降のゲーム(2G目)で行う特定制御を実行可能である。また、サブ制御部91は、制御A3を実行する場合には、1G目において示唆演出を実行する。
制御Cと制御A3とを設けることで、当該ゲームで更新されるか、次ゲームで更新されることなる。従って、遊技者は、例えば当該ゲームで更新されない場合であっても、次ゲームでの更新を期待することができる。よって、遊技者は期待感を持続させることができる。また、制御A2よって、付与ポイントが0でも、制御A3の1G目と同じ示唆演出を実行可能である。このことは、付与ポイントが0であっても、付与ポイントが0以外のときと同様の演出を実行できるので、遊技者の興趣の低下を抑制し、期待感を持続させることができる。
図9は、制御B1により実行される演出態様を示す図である。制御B1の1G目の演出は、制御A2での演出と同じく、1G目のスタートスイッチ操作時に味方が攻撃を繰り出すものの、1G目の第3停止時に攻撃が外れる演出である。そして、第3停止から0.5秒後に攻撃を示唆する再攻撃演出が実行され、さらに第3停止から若干間をおいた(1.0秒後)タイミングで攻撃がヒットする演出が実行される。このとき、付与ポイントが表示され(図では30ポイント)、体力バーが30ポイント分更新される演出が実行される。
図10は、制御B2により実行される演出態様を示す図である。図10では、付与ポイントである60ポイントを1つ目の更新演出で10ポイント更新し、2つ目の更新演出で50ポイント更新する例を示している。制御B2の1G目の演出は、制御Cでの演出と同じく、1G目のスタートスイッチ操作時に味方が攻撃を繰り出し、1G目の第3停止時に攻撃がヒットする演出である。このとき、付与ポイントが表示され(図では10ポイント)、体力バーが10ポイント分更新される演出が実行される。そして、第3停止から0.5秒後に攻撃を示唆する演出が実行され、さらに第3停止から若干間をおいた(1.0秒後)タイミングで攻撃がヒットする演出が実行される。このとき、付与ポイントが表示され(図では50ポイント)、体力バーが50ポイント分更新される演出態様が実行される。図10では、体力が0となり、体力バーごと吹き飛ばされた様子が示されている。体力が0となる場合の演出として、体力バーの枠などを虹色で表示してもよい。
以上説明した各制御を実現するための構成について説明する。図11(a)は当選役ごとの付与ポイントの振り分けを示す図である。付与ポイントとなる当選役は、リプレイ、ベル、スイカ、及びチェリーであり、この順に当選確率は低くなる。特にスイカ及びチェリーは、当選確率が1/90未満のレア役である。
図11(a)において、リプレイが当選した場合の付与ポイントの振り分けは、0ポイントが60%、10ポイントが30%、20ポイントが8%、30ポイントが1%、60ポイントが0.7%、100ポイントが0.3%である。ベルが当選した場合の付与ポイントの振り分けは、0ポイントが50%、10ポイントが35%、20ポイントが10%、30ポイントが3%、60ポイントが1%、100ポイントが1%である。
レア役のうち、スイカが当選した場合の付与ポイントの振り分けは、0ポイントと10ポイントが0%、20ポイントが50%、30ポイントが30%、60ポイントが10%、100ポイントが10%である。チェリーが当選した場合の付与ポイントの振り分けは、0ポイントと10ポイントが0%、10ポイントが0%、20ポイントが0%、30ポイントが40%、60ポイントが30%、100ポイントが30%である。この振り分けを示す値は、付与ポイントテーブルとしてメイン制御部41に記憶されている。
このように、レア役ほど付与ポイントが大きい一方で、リプレイとベルの場合には、0ポイントの可能性も十分にあるため、遊技者はリプレイとベルが当選したとしても、付与ポイントにはさほど期待しない。
図11(b)は、達成ポイントの振り分けを示す図である。上述したように、特典達成ポイントは、CZに当選したときに抽選される。達成ポイントが10となる割合は、1%であり、達成ポイントが20、30、40、または50となる割合は、2%であり、達成ポイントが60、70、80となる割合は、3%であり、達成ポイントが90となる割合は、10%であり、達成ポイントが100となる割合は、72%である。例えば、達成ポイントが10の場合には、付与ポイントが10ポイントでART当選となる。この振り分けを示す値は、達成ポイントテーブルとしてメイン制御部41に記憶されている。
次に、制御Aと制御Bでの制御内容について説明する。まず、制御Aでの振り分け割合について説明する。なお、制御Aのうち、ポイントが付与される制御は、制御A3のみであるので、ポイントが付与される場合には、制御Cか制御A3が実行されることとなる。
制御Aでは、ポイントが付与されることで合計ポイントが達成ポイントに達する場合には、制御Cと制御A3の実行割合が変化する。すなわち、更新された合計ポイントが達成ポイントに達する場合と、更新された合計ポイントが達成ポイントに達しない場合とで、制御Cを実行する割合と制御A3とを実行する割合とが異なる。図12は、更新された合計ポイントが達成ポイントに達する場合の制御(制御C、制御A3)の振り分けと、更新された合計ポイントが達成ポイントに達しない場合の制御(制御C、制御A3)の振り分けとを示す図である。
図12(a)は、非達成時の制御Cと制御A3の振り分けを示す図である。付与ポイントが10ポイントの場合に制御Cが選択される割合は100%であり、制御A3の選択される割合は0%である。付与ポイントが20ポイントの場合に制御Cが選択される割合は90%であり、制御A3の選択される割合は10%である。付与ポイントが30ポイントの場合に制御Cが選択される割合は50%であり、制御A3の選択される割合は50%である。付与ポイントが60ポイントの場合に制御Cが選択される割合は10%であり、制御A3の選択される割合は90%である。付与ポイントが100ポイントの場合に制御Cが選択される割合は0%であり、制御A3の選択される割合は100%である。このように、付与ポイントが小さいほど制御Cが選択されやすく、大きいほど制御A3が選択されやすい。この振り分けを示す値は、テーブルTBL_AXとしてサブ制御部91に記憶されている。
図12(b)は、達成時の制御Cと制御A3の振り分けを示す図である。付与ポイントが10ポイントの場合に制御Cが選択される割合は50%であり、制御A3の選択される割合は50%である。付与ポイントが20ポイントの場合に制御Cが選択される割合は70%であり、制御A3の選択される割合は30%である。付与ポイントが30ポイントの場合に制御Cが選択される割合は90%であり、制御A3の選択される割合は10%である。付与ポイントが60ポイントの場合に制御Cが選択される割合は100%であり、制御A3の選択される割合は0%である。付与ポイントが100ポイントの場合に制御Cが選択される割合は100%であり、制御A3の選択される割合は0%である。このように、達成時には、制御Cが選択されやすい。
このように、合計ポイントの更新量(付与ポイント)に応じて、通常制御(制御C)を実行する割合と、特定制御(制御A3)を実行する割合とが変化する。例えば、図12(a)において、付与ポイントが10のときは、制御Cの実行割合が100%で、制御A3の実行割合が0%であり、付与ポイントが60のときは、制御Cの実行割合が10%で、制御A3の実行割合が90%というように、実行する割合が変化する。このようにすることで、通常制御と特定制御の実行状況に遊技者が注目し、興趣を向上することができる。具体的には、特定制御の方が付与ポイントが比較的多く、付与ポイントに応じて通常制御と特定制御の実行割合が異なることを知っている遊技者は、どちらの制御による演出が実行されるのかに注目することとなるため、演出が実行されるまで遊技者の興趣を向上することができる。
また、更新された合計ポイントが達成ポイントに達する場合と、更新された合計ポイントが達成ポイントに達しない場合とで、通常制御(制御C)を実行する割合と、特定制御(制御A3)を実行する割合とが異なる。例えば、図12(b)において、付与ポイントが60の場合に、非達成時に制御Cを実行する割合は10%であるが、達成時に制御Cを実行する割合は100%となり、また同じく付与ポイントが60の場合に、非達成時に制御A3を実行する割合は90%であるが、達成時に制御Cを実行する割合は0%となる。このようにすることで、通常制御と特定制御の実行状況に遊技者が注目し、興趣を向上することができる。
本実施形態では、図12(b)に示されるように、達成時には制御Cが選択されやすい。すなわち、達成時には当該ゲームで報知される割合が大きくなる。このように、達成時には直ちに報知を行うことで、遊技者に安心感を与えることができる。
次に、図13を用いて、制御Bでの振り分け割合等について説明する。なお、制御Bは制御Aと異なり、押し順が不正解とならない限り、いずれの制御であってもポイントが付与されるため、制御Cか制御B1、B2が実行されることとなる。制御Bでは、図13(a)に示される条件が用いられる。第1条件は、スイカ、またはチェリーの当選であり、第2条件はリプレイ、またはベルの当選である。すなわち、第1条件は、レア役(当選確率が概ね1/20以下の役)の当選となっている。
制御Bでは、第1条件が成立し、合計ポイントが特定量で更新される場合と、第2条件が成立し、特定数値が同じ特定量で更新される場合とで、更新演出を行うタイミングを異ならせる。このようにすることで、第1条件と第2条件のいずれかが成立したか、および更新演出がいつ実行されるかへの遊技者の注目を高め、期待感を盛り上げることができる。例えば、特定量を60としたとき、第1条件の1つであるチェリーが当選し、特定数値が60で更新される割合は30%で、第2条件の1つであるベルが当選し、特定数値が60で更新される割合は1%というように、成立した条件ごとに同じ特定量で更新される割合が異なる。このようにすることで、いずれの条件によりポイントが更新されるかに遊技者の注目を集めることができる。
また、制御Bでは、ポイントが付与されることで合計ポイントが達成ポイントに達する場合には、制御C(第3停止時に報知)と制御B1(第3停止後に報知)の実行割合が変化する。すなわち、更新された合計ポイントが達成ポイントに達する場合と、更新された合計ポイントが達成ポイントに達しない場合とで、更新演出を行うタイミングを異ならせる。このようにすることで、いずれのタイミングでポイント更新が行われるかに遊技者を注目させることができる。
図13(b)は、非達成時の制御Cと制御B1の振り分けを示す図である。まず第1条件が成立した場合に、付与ポイントが10ポイントの場合に制御Cが選択される割合は53%であり、制御B1の選択される割合は47%である。付与ポイントが20ポイントの場合に制御Cが選択される割合は55%であり、制御B1の選択される割合は45%である。付与ポイントが30ポイントの場合に制御Cが選択される割合は60%であり、制御B1の選択される割合は40%である。付与ポイントが60ポイントの場合に制御Cが選択される割合は80%であり、制御B1の選択される割合は20%である。付与ポイントが100ポイントの場合に制御Cが選択される割合は90%であり、制御B1の選択される割合は10%である。
一方、第2条件が成立した場合に、付与ポイントが10ポイントの場合に制御Cが選択される割合は60%であり、制御B1の選択される割合は40%である。付与ポイントが20ポイントの場合に制御Cが選択される割合は50%であり、制御B1の選択される割合は50%である。付与ポイントが30ポイントの場合に制御Cが選択される割合は30%であり、制御B1の選択される割合は70%である。付与ポイントが60ポイントの場合に制御Cが選択される割合は10%であり、制御B1の選択される割合は90%である。付与ポイントが100ポイントの場合に制御Cが選択される割合は5%であり、制御B1の選択される割合は95%である。このように、第2条件成立時には、付与ポイントが大きいほど制御B1が選択されやすい。この振り分けを示す値は、テーブルTBL_BXとしてサブ制御部91に記憶されている。
図13(c)は、達成時の制御Cと制御B1の振り分けを示す図である。まず第1条件が成立した場合に、付与ポイントが10ポイントの場合に制御Cが選択される割合は65%であり、制御B1の選択される割合は35%である。付与ポイントが20ポイントの場合に制御Cが選択される割合は75%であり、制御B1の選択される割合は25%である。付与ポイントが30ポイントの場合に制御Cが選択される割合は80%であり、制御B1の選択される割合は20%である。付与ポイントが60ポイントまたは100ポイントの場合に制御Cが選択される割合は100%であり、制御B1の選択される割合は0%である。
一方、第2条件が成立した場合に、付与ポイントが10ポイントの場合に制御Cが選択される割合は63%であり、制御B1の選択される割合は37%である。付与ポイントが20ポイントの場合に制御Cが選択される割合は65%であり、制御B1の選択される割合は35%である。付与ポイントが30ポイントの場合に制御Cが選択される割合は70%であり、制御B1の選択される割合は30%である。付与ポイントが60ポイントの場合に制御Cが選択される割合は90%であり、制御B1の選択される割合は10%である。付与ポイントが100ポイントの場合に制御Cが選択される割合は95%であり、制御B1の選択される割合は5%である。この振り分けを示す値は、テーブルTBL_BYとしてサブ制御部91に記憶されている。
このように、非達成時において、第1条件成立時には、制御Cが選択されやすく、第2条件成立時には、制御B1が選択されやすい。一方、達成時においては、成立した条件に関わらず制御Cが選択されやすい。達成時には直ちに報知を行うことで、遊技者に安心感を与えることができる。
制御B2は、サブ制御部91が制御Bを選択した上で、制御Cを選択し、付与ポイントが特定量(60ポイントまたは100ポイント)の場合に実行可能である。図13(d)は、制御Cと制御B2の振り分けを示す図である。付与ポイントが60ポイントの場合に制御B2が選択される割合は20%であり、制御Cが選択される割合は80%である。付与ポイントが100ポイントの場合に制御B2が選択される割合は30%であり、制御Cが選択される割合は70%である。このように、付与ポイントが100ポイントのときほど、制御B2が選択されやすい。
以上説明した制御C、制御B1の振り分けは、更新演出のタイミングを振り分けるものである。そして、非達成時において、第1条件成立時には、制御Cが選択されやすく、第2条件成立時には、制御B1が選択されやすい。このようにタイミングを異ならせる背景について説明する。図14は、リール2Lにおいて、遊技者が特殊リプレイ図柄を上段に狙って停止させた場合の出目を示す図である。
図14(a)に示されるように、チェリーに当選している場合には、チェリーを下段に停止させるリール制御が実行される。図14(b)に示されるように、スイカまたはチャンス目が当選している場合には、特殊リプレイ図柄が3図柄分滑り、上段にスイカ図柄、中段にベル図柄、下段にリプレイ図柄を停止させるリール制御が実行される。さらに、図14(c)に示されるように、ベル、リプレイ、ハズレ、チャンス目に当選している場合には、下段に特殊リプレイ図柄を停止させるリール制御が実行される。
スロットマシンの上級者などは、こうした情報を知りながら遊技を行うため、第1停止した時点で、どのような役が当選したかということを認識することができる。特に、本実施形態に係るCZのように一定期間内に役を当選させることが重要なゲームでは、第1停止時の出目を通常よりも注意深く確認する。
そのため、遊技者は、比較的多くのポイントが付与されるレア役当選時には、付与ポイントを早く確認したいと考える。そこで、本実施形態では、第1条件成立時(レア役当選時)には、制御C(第3停止時に報知)を選択しやすくすることで、遊技者が早く確認したいという気持ちを満足させることができ、興趣を向上することができる。
一方、第2条件成立時(リプレイ、ベル当選時)には、上述したように遊技者は付与ポイントに期待していないため、第3停止時に報知されなくても、予想通りの動きであることから、特に落胆することはない。しかし、全く期待していないわけではないではないので、わずかではあるが報知を期待する気持もある。そこで、本実施形態では、第1条件成立時(リプレイ、ベル当選時)には、制御B2(第3停止後に報知)を選択しやすくすることで、遊技者が付与ポイントを諦めかけていたタイミングで報知することができるので、第3停止時に報知する場合と比較して、興趣を向上することができる。また、第3停止後の報知があり得ることから、第3停止後も期待を維持することができるため、興趣を低下することなく、CZ中の遊技を行うことができる。さらに本実施形態では、図13(b)に示されるように、大きい付与ポイントほど制御B1が選択されやすい。すなわち、遊技者は、付与ポイントを諦めかけていたタイミングで、期待以上のものを得ることができるため、非常に高い昂揚感を得ることができる。
図15は、メイン制御部41からサブ制御部91に送信されるコマンドの一部を示す図である。図15において、「CZ開始」は次ゲームからCZであることを示すコマンドで、CZが当選した場合に送信される。「達成ポイント」は、ART当選となるためのポイント数を送信するコマンドであり、CZが当選した場合に送信される。「付与ポイント」は、CZ中の各ゲームにおいて、付与される可能性のあるポイントを送信するコマンドであり、スタートスイッチ操作時に送信される。なお、上述したように押し順役において、押し順が不正解だった場合にはポイントが付与されないため、ここでは「付与される可能性のあるポイント」として送信される。「確定ポイント」は、CZ中の各ゲームにおいて、付与されることが確定したポイントを送信するコマンドであり、第3停止時に送信される。「CZ終了」は、当該ゲームでCZが終了することを示すコマンドであり、CZが終了するゲームの第3停止時に送信される。
メイン制御部41は、コマンドを不図示の送信バッファにセットすることにより、不図示のコマンド送信処理によってサブ制御部91にコマンドが送信される。
次に、メイン制御部41及びサブ制御部91により実行される処理を、フローチャートを用いて説明する。図16(a)は、メイン制御部41により実行されるCZ当選時処理の制御内容を示すフローチャートである。CZ当選時処理は、チェリーまたはスイカの重複抽選によってCZに当選したゲームにおいて実行される。
図16(a)において、メイン制御部41は、達成ポイントテーブルを用いて、達成ポイントを抽選する(ステップS101)。メイン制御部41は、達成ポイントを保持する変数TPに抽選された達成ポイントをセットし、合計ポイントを示す変数GPに0をセットし、ゲーム数をカウンタする変数GCに10をセットし、ARTに当選したことを示すART当選フラグをオフとする(ステップS102)。メイン制御部41は、CZ開始コマンドをセットし(ステップS103)、達成ポイントコマンドをセットし(ステップS104)、処理を終了する。
図16(b)は、メイン制御部41により実行されるCZ中スタートスイッチ操作時処理の制御内容を示すフローチャートである。CZ中スタートスイッチ操作時処理は、スタートスイッチ7の操作時において、上記抽選対象役やチャンス目の抽選を行う内部抽選処理の後に実行される。図16(a)において、メイン制御部41は、ゲームカウンタGCを1減算する(ステップS201)。メイン制御部41は、ART当選フラグがオンか否かを判定する(ステップS202)。ART当選フラグがオンの場合には(ステップS202:YES)、処理を終了する。
ART当選フラグがオフの場合には(ステップS202:NO)、メイン制御部41は、内部抽選処理による抽選結果がハズレまたはチャンス目か否かを判定する(ステップS203)。ハズレまたはチャンス目の場合には(ステップS203:YES)、ポイントは付与されないため、付与ポイントを示す変数FPに0をセットし(ステップS206)、ステップS207に進む。
メイン制御部41は、内部抽選処理による抽選結果がハズレ及びチャンス目ではない場合には(ステップS203:NO)、付与ポイントテーブルを用いて、当選役に応じた付与ポイントを抽選し(ステップS204)、付与ポイントFPに抽選された付与ポイントをセットする(ステップS205)。メイン制御部41は、付与ポイントコマンドをセットして(ステップS207)、処理を終了する。なお、達成ポイントの抽選を、CZの1G目の例えばスタートスイッチ7の操作時に行ってもよいが、この場合は、役の抽選とリンクさせないために、役の抽選を行うための乱数とは異なる独立した他の乱数を用いるようにする。
図17は、メイン制御部41により実行されるCZ中第3停止時処理の制御内容を示すフローチャートである。CZ中第3停止時処理は、第3停止が行われた場合に実行される。図17において、メイン制御部41は、ART当選フラグがオンか否かを判定する(ステップS301)。ART当選フラグがオンの場合には(ステップS301:YES)、ステップS309に進む。
ART当選フラグがオフの場合には(ステップS301:NO)、メイン制御部41は、当選役が押し順不問役か否かを判定する(ステップS302)。当選役が押し順不問役の場合には(ステップS302:YES)、ステップS305に進む。当選役が押し順不問役ではない場合には(ステップS302:NO)、押し順が正解したか否かを判定する(ステップS303)。押し順が正解した場合には(ステップS303:YES)、ステップS305に進む。押し順が正解しなかった場合には(ステップS303:NO)、付与ポイントFPに0をセットする(ステップS304)。
メイン制御部41は、付与ポイントFPを用いて、確定ポイントコマンドをセットし(ステップS305)、合計ポイントGPに付与ポイントFPを加えた値を改めて合計ポイントGPにセットする(ステップS306)。これにより、合計ポイントGPが更新される。このように、メイン制御部41は、ゲームの進行に関連して(本実施形態ではCZ中の1Gごとに)合計ポイントを更新可能である。
メイン制御部41は、合計ポイントGPが達成ポイントTP以上か否かを判定する(ステップS307)。合計ポイントGPが達成ポイントTP未満の場合には(ステップS307:NO)、ステップS309に進む。合計ポイントGPが達成ポイントTP以上の場合には(ステップS307:YES)、ART当選フラグをオンとする(ステップS308)。
メイン制御部41は、ゲームカウンタGCが0か否かを判定する(ステップS309)。ゲームカウンタGCが0ではない場合には(ステップS309:NO)、処理を終了する。ゲームカウンタGCが0の場合には(ステップS309:YES)、CZが終了するため、メイン制御部41は、ART当選フラグがオンか否かを判定する(ステップS310)。ART当選フラグがオンの場合には(ステップS310:YES)、メイン制御部41は、ART状態に移行し(ステップS311)、CZ終了コマンドをセットして(ステップS313)、処理を終了する。ART当選フラグがオフの場合には(ステップS310:NO)、メイン制御部41は、通常状態に移行し(ステップS312)、CZ終了コマンドをセットして(ステップS313)、処理を終了する。
次に、サブ制御部91の制御について説明する。図18は、サブ制御部91により実行されるCZ関連処理の制御内容を示すフローチャートである。CZ関連処理は、図15に示したメイン制御部41からのコマンドを受信した際に実行される。図17において、サブ制御部91は、CZ開始コマンドを受信したか否かを判定する(ステップS401)。CZ開始コマンドを受信した場合には(ステップS401:YES)、サブ制御部91は、ゲーム数をカウンタする変数gcに10をセットし、合計ポイントを示す変数gpに0をセットして(ステップS402)、処理を終了する。CZ開始コマンドを受信していない場合には(ステップS401:NO)、達成ポイントコマンドを受信したか否かを判定する(ステップS403)。達成ポイントコマンドを受信した場合には(ステップS403:YES)、サブ制御部91は、達成ポイントを保持する変数tpに達成ポイントをセットし(ステップS404)、処理を終了する。
達成ポイントコマンドを受信していない場合には(ステップS403:NO)、サブ制御部91は、付与ポイントコマンドを受信したか否かを判定する(ステップS405)。付与ポイントコマンドを受信した場合には(ステップS405:YES)、サブ制御部91は、後述する付与ポイント受信処理を実行し(ステップS406)、処理を終了する。付与ポイントコマンドを受信していない場合には(ステップS405:NO)、サブ制御部91は、確定ポイントコマンドを受信したか否かを判定する(ステップS407)。確定ポイントコマンドを受信した場合には(ステップS407:YES)、サブ制御部91は、後述する確定ポイント受信処理を実行し(ステップS408)、処理を終了する。確定ポイントコマンドを受信していない場合には(ステップS407:NO)、サブ制御部91は、CZ終了コマンドを受信したか否かを判定する(ステップS409)。CZ終了コマンドを受信していない場合には(ステップS409:NO)、処理を終了する。CZ終了コマンドを受信した場合には(ステップS409:YES)、CZ終了処理を実行し(ステップS410)、処理を終了する。
図19は、サブ制御部91により実行される付与ポイント処理(図18:S406)の制御内容を示すフローチャートである。付与ポイント処理は、付与ポイントコマンドがスタートスイッチ7の操作時に送信されることから、スタートスイッチ7の操作時に実行される。図19において、サブ制御部91は、ゲームカウンタgcを1減算する(ステップS501)。サブ制御部91は、付与ポイントfpに付与ポイントコマンドに示される付与ポイントをセットする(ステップS502)。
サブ制御部91は、制御A3フラグが2か否かを判定する(ステップS503)。制御A3フラグは、2ゲームに亘って実行される制御A3において、1G目か2G目かを判定するためのフラグであり、制御A3を実行しない場合には0を示し、制御A3の1G目は1を示し、制御A3の2G目は2を示すフラグである。従って、ステップS503では、制御A3の2G目か否かを判定している。なお、付与ポイント受信処理の時点(スタートスイッチ操作時点)は、当該ゲームにおいて制御A3の2G目を実行するか、これから当該ゲームでの演出を決定するため、制御A3フラグは0か2を示しており、制御A3フラグが1を示していることはない。
制御A3フラグが2の場合には(ステップS503:YES)、サブ制御部91は、制御A3の2G目を実行するために、特定演出を実行し(ステップS510)、処理を終了する。なお、特定演出とは、上述したように味方が攻撃を繰り出す演出である。制御A3フラグが2ではない場合には(ステップS503:NO)、サブ制御部91は、ゲームカウンタgcが1か否かを判定する(ステップS504)。ゲームカウンタgcが1ということはCZにおける最後のゲームであるため、制御A3が実行される可能性がある制御Aではなく、制御Bを実行する。そこで、ゲームカウンタgcが1の場合には(ステップS504:YES)、後述する制御B処理を実行し(ステップS509)、処理を終了する。
ゲームカウンタgcが1ではない場合には(ステップS504:NO)、付与ポイントfpが0か否かを判定する(ステップS505)。付与ポイントfpが0の場合には(ステップS505:YES)、制御Bに付与ポイントfpが0の場合の制御がないため、後述する制御A処理を実行して(ステップS508)、処理を終了する。付与ポイントfpが0ではない場合には(ステップS505:NO)、サブ制御部91は、制御Aと制御Bのいずれかを実行するための抽選を行う(ステップS506)。ここでの抽選では、制御Aと制御Bは1:1で抽選される。サブ制御部91は、抽選の結果、制御Aが選択されたか否かを判定する(ステップS507)。制御Aが選択された場合には(ステップS507:YES)、サブ制御部91は、制御A処理を実行して(ステップS508)、処理を終了する。制御Bが選択された場合には(ステップS507:NO)、サブ制御部91は、制御B処理を実行して(ステップS509)、処理を終了する。
図20は、サブ制御部91により実行される制御A処理(図19:S508)の制御内容を示すフローチャートである。図20において、サブ制御部91は、付与ポイントfpが0か否かを判定する(ステップS601)。付与ポイントfpが0の場合には(ステップS601:YES)、サブ制御部91は、示唆演出抽選を実行する(ステップS602)。示唆演出は、上述したように、味方が攻撃を繰り出し、攻撃がはずれる演出である。示唆演出抽選において、サブ制御部91は、示唆演出の実行が選択されたか否かを判定する(ステップS603)。示唆演出の実行が選択されなかった場合には(ステップS603:NO)、サブ制御部91は、制御A1フラグをオンにして(ステップS605)、処理を終了する。制御A1は、上述したように、対峙したまま敵味方とも何もしない演出を実行する制御である。制御A1フラグは、制御A1を実行する場合にはオンを示し、実行しない場合にオフを示すフラグである。示唆演出の実行が選択された場合には(ステップS603:YES)、サブ制御部91は、制御A2フラグをオンにして(ステップS604)、特定演出を実行し(ステップS613)、処理を終了する。制御A2フラグは、制御A2を実行する場合にはオンを示し、実行しない場合にオフを示すフラグである。
ステップS601において、付与ポイントfpが0ではない場合には(ステップS601:NO)、サブ制御部91は、合計ポイントgpと付与ポイントfpとの和が、達成ポイントtp以上か否かを判定する(ステップS606)。すなわち、達成ポイントtpに達成したか否かを判定する。合計ポイントgpと付与ポイントfpとの和が、達成ポイントtp未満の場合には(ステップS606:NO)、サブ制御部91は、テーブルTBL_AXを用いて、実行する演出の抽選を行い(ステップS607)、ステップS609に進む。合計ポイントgpと付与ポイントfpとの和が、達成ポイントtp以上の場合には(ステップS606:YES)、サブ制御部91は、テーブルTBL_AYを用いて、実行する演出の抽選を行い(ステップS608)、ステップS609に進む。
サブ制御部91は、制御Cを実行することが選択されたか否かを判定する(ステップS609)。制御Cを実行することが選択された場合には(ステップS609:YES)、サブ制御部91は、制御Cフラグをオンにして(ステップS610)、特定演出を実行し(ステップS613)、処理を終了する。制御Cフラグは、制御Cを実行する場合にはオンを示し、実行しない場合にオフを示すフラグである。制御Cを実行することが選択されなかった場合には(ステップS609:NO)、サブ制御部91は、制御A3フラグに1をセットして(ステップS611)、変数a3fpに付与ポイントfpをセットして(ステップS612)、特定演出を実行し(ステップS613)、処理を終了する。変数a3fpは、制御A3を実行する場合に1G目の付与ポイントを記憶するための変数である。
図21は、サブ制御部91により実行される制御B処理(図19:S509)の制御内容を示すフローチャートである。図20において、サブ制御部91は、合計ポイントgpと付与ポイントfpとの和が、達成ポイントtp以上か否かを判定する(ステップS701)。すなわち、達成ポイントtpに達成したか否かを判定する。合計ポイントgpと付与ポイントfpとの和が、達成ポイントtp未満の場合には(ステップS701:NO)、サブ制御部91は、テーブルTBL_BXを用いて、実行する演出の抽選を行い(ステップS702)、ステップS704に進む。合計ポイントgpと付与ポイントfpとの和が、達成ポイントtp以上の場合には(ステップS701:YES)、サブ制御部91は、テーブルTBL_BYを用いて、実行する演出の抽選を行い(ステップS703)、ステップS704に進む。
サブ制御部91は、制御Cを実行することが選択されたか否かを判定する(ステップS704)。制御Cを実行することが選択された場合には(ステップS704:YES)、サブ制御部91は、付与ポイントfpが60以上か否かを判定する(ステップS705)。本実施形態では、60以上の付与ポイントを特定量としている。付与ポイントfpが60以上の場合には(ステップS705:YES)、サブ制御部91は、テーブルTBL_BZを用いて2段階更新抽選を実行する(ステップS706)。サブ制御部91は、制御B2を実行することが選択されたか否かを判定する(ステップS707)。制御B2を実行することが選択された場合には(ステップS707:YES)、サブ制御部91は、制御B2フラグをオンにして(ステップS708)、特定演出を実行し(ステップS709)、処理を終了する。制御B2フラグは、制御B2を実行する場合にはオンを示し、実行しない場合にオフを示すフラグである。
制御B2を実行することが選択されなかった場合には(ステップS707:NO)、サブ制御部91は、サブ制御部91は、制御Cフラグをオンにして(ステップS711)、特定演出を実行し(ステップS709)、処理を終了する。ステップS704において、制御Cを実行することが選択されなかった場合には(ステップS704:NO)、サブ制御部91は、制御B1フラグをオンにして(ステップS710)、特定演出を実行し(ステップS709)、処理を終了する。制御B1フラグは、制御B1を実行する場合にはオンを示し、実行しない場合にオフを示すフラグである。
図22は、サブ制御部91により実行される確定ポイント受信処理(図18:S408)の制御内容を示すフローチャートである。図22において、サブ制御部91は、確定ポイントコマンドに示される確定ポイントが0か否かを判定する(ステップS801)。確定ポイントが0の場合には(ステップS801:YES)、サブ制御部91は付与ポイントfpに0をセットする(ステップS802)。サブ制御部91は、制御A2フラグ、制御B1フラグ、制御B2フラグ、制御Cフラグのいずれかがオンか否かを判定する(ステップS803)。これらのフラグがオンで付与ポイントが0の場合、押し順が失敗したことを示しているため、サブ制御部91は、失敗演出を実行し(ステップS804)、オンとなっているフラグをオフにして(ステップS805)、処理を終了する。
ステップS803において、制御A2フラグ、制御B1フラグ、制御B2フラグ、制御Cフラグのいずれもオンではない場合(ステップS803:NO)、サブ制御部91は、制御A3フラグが1か否かを判定する(ステップS806)。制御A3フラグが1の場合には(ステップS806:YES)、制御A3の1G目で押し順を失敗したことを示すため、サブ制御部91は、1G目の付与ポイントを記憶している変数a3fpに0をセットし(ステップS807)、失敗演出を実行し(ステップS804)、制御A3フラグをオフにして(制御A3フラグに0をセットして)(ステップS805)、処理を終了する。
制御A3フラグが1ではない場合には(ステップS806:YES)、サブ制御部91は、制御A3フラグが2か否かを判定する(ステップS808)。制御A3フラグが2の場合には(ステップS808:YES)、制御A3における2G目で押し順を失敗したことを示すが、1G目の付与ポイントで更新する必要がある。そこで、サブ制御部91は、1G目に記憶した変数a3fpが示す付与ポイントで成功演出を実行し(ステップS809)、変数a3fpに0をセットし(ステップS807)、失敗演出を実行し(ステップS804)、制御A3フラグをオフにして(制御A3フラグに0をセットして)(ステップS805)、処理を終了する。
ステップS801において、確定ポイントが0ではない場合(ステップS801:NO)、図23のステップS901に進む。ステップS901において、サブ制御部91は、合計ポイントgpに付与ポイントfpを加えた値を改めて合計ポイントgpにセットする(ステップS901)。サブ制御部91は、制御A3フラグが1か否かを判定する(ステップS902)。制御A3フラグが1の場合には(ステップS902:YES)、制御A3では1G目に失敗することから、サブ制御部91は、失敗演出を実行し(ステップS903)、制御A3フラグに2をセットして(ステップS916)、処理を終了する。
制御A3フラグが1ではない場合には(ステップS902:NO)、サブ制御部91は、制御A3フラグが2か否かを判定する(ステップS904)。制御A3フラグが2の場合には(ステップS904:YES)、サブ制御部91は、1G目に記憶した変数a3fpが示す付与ポイントと2G目の付与ポイントfpとを加えた値で成功演出を実行し(ステップS905)、変数a3fpに0をセットする(ステップS906)。サブ制御部91は、合計ポイントgpが達成ポイントtp以上か否かを判定する(ステップS907)。合計ポイントgpが達成ポイントtp未満の場合には(ステップS907:NO)、ステップS805に進む。合計ポイントgpが達成ポイントtp以上の場合には(ステップS907:YES)、サブ制御部91は、0.5秒ウェイトした後に(ステップS908:YES)、ARTに当選したことを遊技者に明示するART当選演出を実行し(ステップS909)、ステップS805に進む。
ステップS904において、制御A3フラグが2ではない場合には(ステップS904:NO)、サブ制御部91は、制御B1フラグがオンか否かを判定する(ステップS910)。制御B1フラグがオンの場合には(ステップS910:YES)、サブ制御部91は、失敗演出を実行する(ステップS911)。サブ制御部91は、0.5秒ウェイトした後に(ステップS912:YES)、再攻撃演出を実行し(ステップS913)、さらに0.5秒ウェイトした後に(ステップS914:YES)、成功演出を実行し(ステップS915)、ステップS907に進む。
ステップS904において、制御B1フラグがオンではない場合には(ステップS910:NO)、サブ制御部91は、図24のステップS1001に進む。ステップS1001において、サブ制御部91は、制御B2フラグがオンか否かを判定する(ステップS1001)。制御B2フラグがオンの場合には(ステップS1001:YES)、サブ制御部91は、1段階目の成功演出を実行する(ステップS1002)。サブ制御部91は、0.5秒ウェイトした後に(ステップS1003:YES)、再攻撃演出を実行し(ステップS1004)、さらに0.5秒ウェイトした後に(ステップS1005:YES)、2段階目の成功演出を実行し(ステップS1006)、ステップS907に進む。
ステップS1001において、制御B2フラグがオフの場合には(ステップS1001:NO)、サブ制御部91は、制御Cフラグがオンか否かを判定する(ステップS1007)。制御Cフラグがオフの場合には(ステップS1007:NO)、処理を終了する。制御Cフラグがオンの場合には(ステップS1007:YES)、サブ制御部91は、成功演出を実行し(ステップS1008)、ステップS907に進む。
以上説明した実施形態では、更新演出として付与ポイントを表示し、体力バーを減少させる更新演出を例にしたが、これに限るものではない。例えば、演出画面における背景色を変化させてもよい。具体的には、白、青、黄、緑、赤、金、虹色のように、更新されるたびに背景色を変化させてもよい。遊技者は、色で有利度が認識できることを知っているため、こうした背景色の変化は、特典の付与の可能性が高まった旨の演出結果を導出する演出である。
また、有利度合を示唆する登場キャラクタを変化させてもよい。具体的には、キャラA、キャラB、キャラCのように、更新されるたびに登場キャラクタを変化させてもよい。遊技者は、登場キャラクタで有利度が認識できることを知っているため、こうした登場キャラクタの変化は、特典の付与の可能性が高まった旨の演出結果を導出する演出である。
また、カットインを発生させてもよい。具体的には、カットインA、カットインB、カットインCのように、更新されるたびに発生させるカットインを変化させてもよい。遊技者は、カットインの種類で有利度が認識できることを知っているため、こうしたカットインの変化は、特典の付与の可能性が高まった旨の演出結果を導出する演出である。
また、特典を象徴するものを変化させてもよい。具体的には、特典を象徴するものの大きさや、特典を象徴するものの色を、更新されるたびに変化させてもよい。遊技者は、特典を象徴するもの変化度合いで有利度が認識できることを知っているため、こうした特典を象徴するものの変化は、特典の付与の可能性が高まった旨の演出結果を導出する演出である。なお、特典を象徴するものとして、数字の「7」のような特定の文字や図柄、または特定の建造物(更新するたびに建造物に近づくことで大きさが変化)や人物(最初は人物の影だったものが人物そのものに変化する)など挙げられる。また、文字、図柄、建造物、人物とうの表示内容の視認性を、更新するたびに高めていくようにしてもよい。例えば、最初はピンボケの態様で表示して、徐々にピントがあうように変化させるようにしてもよい。こうした画像に対するエフェクトを、更新するたびに変化させるようにしてもよい。
また、役物を変化または役物の位置を変化させるなど、更新するたびに役物を変化させるようにしてもよい。役物の変化として、例えば役物が連続的または段階的に変化可能で、役物の変化の最終形に近づくように、更新するたびに変化させるようにしてもよい。また、役物がある位置まで近づくように、更新するたびに役物の位置を変化させるようにしてもよい。また、役物の変化と役物の位置の変化とを組み合わせて、更新するたびに変化させるようにしてもよい。
以上説明した実施形態では、特典としてARTを例にしたが、これに限るものではない。他の特典の例として、ボーナス、ART/RTのゲーム数の上乗せ、またはART/RTのセット数上乗せ等がある。また、本実施形態では、更新演出等の各演出をCZに適用したが、例えば、ART中の上乗せ演出など、何らかの特典が得られる演出であれば、どのような演出に適用してもよい。
本実施形態では、特定数値の更新として、合計ポイントに付与ポイントを加算する更新を例にしたが、これに限るものではない。例えば、加算、乗算、減算、及び除算のうちの1つ以上の演算を行ったり、冪乗や冪根を用いたり、所定の関数を用いて特定数値を更新してもよい。従って、「特定数値が特定量で更新される」とは、特定数値に特定量を加えたり、特定数値から特定量を引き算したり、特定数値に特定量を掛け算したり、特定数値を特定量で割り算することや、特定数値と特定量の2つの引数を持つ関数で演算することなどが例として挙げられる。なお、本実施形態では、特定数値の更新では加算が用いられているが、遊技者に表示する体力バーでは、体力を減少させるため、減算が用いられている。このように、更新するために用いられる演算と、遊技者に表示するために演出で用いられる演算とが異なっていてもよい。
本実施形態では、第1条件をチェリーまたはスイカの当選とし、第2条件をリプレイまたはベルの当選としたが、これに限るものではない。例えば、第1条件を強チェリー、強スイカ、強チャンス目など、特に低確率で当選する(レア度の高い)役というように、スロットマシンが成立可能な役に応じて定めてもよく、また1つの条件をチェリーまたはリプレイなど、当選確率が低いものと高いものとを混在させるようにしてもよい。この場合であっても、遊技者はいずれの役が当選するかに注目させることができるので期待感を好適に盛り上げることができる。
本実施形態では、第1タイミングとして第3停止時を例にし、第2タイミングとして第3停止後を例にしたが、これに限るものではない。例えば、第1タイミングを、スタートスイッチ7操作時、第1停止時、第2停止時、第3停止時、演出用スイッチ56操作時としてもよく、第2タイミングを、第1タイミングより遅いタイミングで、第1停止時、第2停止時、第3停止時、ゲーム終了後のMAXBETスイッチ6操作時、演出用スイッチ56操作時、次ゲームのスタートスイッチ7操作時としてもよい。また、操作時ではなく、例えばスタートスイッチ7操作時から経過した時間など、何らかの経過時間により定まるタイミングを第1タイミングや第2タイミングとしもよい。これらのタイミングのうち、例えば、第1タイミングを第3停止時とし、第2タイミングを演出用スイッチ56操作時としてもよい。本実施形態では、第3停止後に時間経過によって自動的に演出が実行されたが、演出用スイッチ56を第2タイミングとした場合には、遊技者が気分を高揚させながら演出用スイッチ56を操作可能であるので、興趣を向上させることができる。なお、演出用スイッチ56を遊技者に操作させる場合には、「ボタンを押せ!」など、ボタンの画像とともに遊技者に操作を促す演出が実行されるが、ボタンの大きさや色によって期待度を示唆してもよい。
以上説明した実施形態では、制御B2を除き、付与ポイントの全てを更新演出時に表示していたが、例えば、途中のゲームにおいて、付与ポイントや体力バーを表示せず、最終ゲームにおいて最終決戦のような演出を行い、そこでARTに当選したか否かを表示するような後告知演出を行うようにしてもよい。この場合も攻撃がヒットするという更新演出(体力バーなし、付与ポイントなし)をCZ中は実行できるので、遊技者の期待感を持続させることができる。
本実施形態では、示唆演出として、攻撃を行い、失敗する演出を例にしたが、これに限るものではない。例えば、「ポイントゲットかも!?」、「チャンス!」、「激熱!」など文字列や音声や、更新を示唆するキャラクタを登場させるなど、合計ポイントが更新されることを示唆するものであれば、どのような演出であってもよい。
本実施形態における、制御B2(2段階更新)と制御A3(次ゲームで更新)とを組み合わせた演出を実行するようにしてもよい。具体的には、次ゲームにおいて、第3停止時と第3停止後のいずれも更新演出を実行するようにしてもよい。
以上説明した実施形態における制御A、B、Cは、更新演出のタイミングを変化させるため制御であったが、このように更新演出のタイミングを変化させることで、更新演出のタイミングを変化させない場合と比較して、遊技者はいつでも更新演出が実行されるように感じるため、期待感を盛り上げることが可能となるとともに、期待感を持続させることが可能となる。遊技者は期待感が持続できない場合には、飽きが生じ、退屈に感じることが多いことから、本実施形態のように期待感を持続させることで、飽きることなく遊技を行うことができるので、遊技者の興趣を向上することができる。これにより、遊技者が長く遊技しやすくなることから、店舗においても、客滞率の向上を図ることができる。
以上、本発明の実施形態について図面を参照して説明したが、本発明はこの実施形態に限定されるものではない。本発明は、上記の実施形態に限られず、種々の変形、応用が可能である。
[遊技機について]
上記の実施形態では、メダル並びにクレジットを用いて賭数を設定するスロットマシンを例に挙げて説明したが、これに限定されることなく、例えば、パチンコ遊技機で用いられている遊技球を用いて賭数を設定するスロットマシンや、クレジットのみを使用して賭数を設定する完全クレジット式のスロットマシンや、パチンコ遊技機に上記の実施の形態で示した構成を適用して、請求項に係る発明を実現することが可能である。遊技球を遊技媒体として用いる場合は、例えば、メダル1枚分を遊技球5個分に対応させた場合に、上記の実施の形態で賭数として3を設定する場合は、15個の遊技球を用いて賭数を設定するものに相当する。
また、本発明のスロットマシンは、メダル及び遊技球などの複数種類の遊技用価値のうちのいずれか1種類のみを用いるものに限定されるものでなく、例えばメダル及び遊技球などの複数種類の遊技用価値を併用できるものであってもよい。すなわち、メダル及び遊技球などの複数種類の遊技用価値のいずれを用いても賭数を設定してゲームを行うことが可能であり、かつ入賞の発生によってメダル及び遊技球などの複数種類の遊技用価値のいずれをも払い出し得る遊技機も本発明のスロットマシンに含まれるものである。
また、本実施の形態では、3つのリール2L、2C、2Rを有する可変表示装置を備え、すべてのリールが停止した時点で1ゲームが終了し、3つのリールに導出された表示結果の組合せに応じて入賞が発生するスロットマシンについて説明した。しかし、各々が識別可能な複数種類の識別情報を変動表示可能な可変表示装置に表示結果が導出されることにより1ゲームが終了し、該可変表示装置に導出された表示結果に応じて入賞が発生可能とされたスロットマシンであれば、3つのリールを有する可変表示装置を備えるものに限らず、1のリールしか有しないものや、3以外の複数のリールを有する可変表示装置を備えるスロットマシンであってもよい。また、本実施の形態では、リール2L、2C、2Rは縦方向に回転するリールであるが、リール2L、2C、2Rは横方向や斜め方向など、どの方向に回転するリールであってもよい。
また、本実施の形態に係るスロットマシン1は、各々が識別可能な複数種類の識別情報(図柄)を変動表示可能な複数の可変表示領域(透視窓3)のそれぞれに表示結果を導出させることが可能な可変表示装置を備え、遊技用価値(メダル、クレジット)を用いて1ゲームに対して所定数の賭数を設定することによりゲームが開始可能となるとともに、複数の可変表示領域のすべてに表示結果が導出されることにより1ゲームが終了し、1ゲームの結果として複数の可変表示領域のそれぞれに導出された表示結果の組合せに応じて入賞が発生可能とされたスロットマシンであってもよい。
また、本実施の形態として、入賞の発生に応じて遊技媒体を遊技者の手元に払い出すスロットマシンを説明したが、遊技媒体が封入され、入賞の発生に応じて遊技媒体を遊技者の手元に払い出すことなく遊技点(得点)を加算する封入式のスロットマシンを採用してもよい。基盤とドラムとが流通可能で、筺体が共通なもので基盤のみあるいは基盤とドラムとを遊技機と称する。
また、上述した実施形態の内容をパチンコ遊技機に適用することも可能である。例えば、パチンコ玉を打込むために操作する打球操作ハンドルを、遊技者が操作する操作手段とする。また、例えば、最後の保留が消化されることに基づいた演出図柄の変動開始タイミングを所定契機とする。また、例えば、複数種類のリーチ演出を、音の出力を伴う複数種類の演出とする。また、例えば、複数種類のリーチ演出のうち実行時間が最も長い特定演出の実行時間は、所定時間よりも短いようにする。これにより、パチンコ遊技機においても、遊技の演出が出力音量の低下または消音によって阻害されないようにでき、意図せず演出の実行が阻害されてしまうことを防止することができる。
なお、今回開示された実施の形態はすべての点で例示であって制限的なものではないと考えられるべきである。本発明の範囲は上記した説明ではなく特許請求の範囲によって示され、特許請求の範囲と均等の意味および範囲内でのすべての変更が含まれることが意図される。
次に、前述した実施の形態により得られる主な効果を説明する。
(1)各々が識別可能な複数種類の識別情報を変動表示可能な可変表示部(例えば、リール2L、2C、2R)を備え、
前記可変表示部を変動表示した後、前記可変表示部の変動表示を停止することで表示結果を導出し、該表示結果に応じて入賞が発生可能なスロットマシン(例えば、スロットマシン1)において、
遊技の制御を行う遊技制御手段(例えば、メイン制御部41)と、
遊技制御手段から送信された制御情報に基づいて演出の制御を行う演出制御手段(例えば、サブ制御部91)と、
を備え、
前記遊技制御手段は、
ゲームの進行に関連して特定数値(例えば、合計ポイント)を更新可能な更新手段(例えば、図17のステップS306)と、
特定数値が所定値(例えば、達成ポイント)に達した場合に(例えば、図17のステップS307でYES)、特典を付与する付与手段(例えば、ステップS308でART当選フラグをオンとして、CZ終了後にART状態に移行する)と、
を有し、
前記演出制御手段は、
所定ゲームで特定数値が更新された場合に、更新演出(例えば、成功演出)を当該所定ゲームで行う通常制御(例えば、制御C(当該ゲームで特定演出と成功演出の一連の演出を実行する))と、更新演出を前記所定ゲーム以降のゲームで行う特定制御(例えば、制御A3(当該ゲームで特定演出と失敗演出の一連の演出を実行し、次ゲームで特定演出と成功演出の一連の演出を実行する))とを実行可能な更新演出手段(例えば、付与ポイント受信処理、確定ポイント受信処理)を有し、
前記更新演出手段は、前記特定制御を実行する場合には、所定ゲームにおいて示唆演出(当該ゲームで特定演出と失敗演出の一連の演出)を実行する、
スロットマシン。
このような構成によれば、更新されたゲーム以降のゲームで更新演出が行われる場合があるので期待感を持続させられるとともに、示唆演出によりその旨が示唆されるので期待感を盛り上げることができる。
(2)上記(1)のスロットマシンであって、
前記更新演出は、特定演出が行われるとともに、前記特典の付与の可能性が高まった旨の演出結果(「GET ○○P!」のように、達成ポイントに合計ポイントが近づいた旨の演出結果)を導出する演出であり、
前記示唆演出は、特定演出が行われるとともに、前記特典の付与の可能性が高まらなかった旨の演出結果(攻撃失敗演出により特典が付与されなかった旨の演出結果)を導出する演出である。
このような構成によれば、特定演出の演出結果が特典の付与の可能性が高まらなかった旨となっても期待感を持続させることができる。
(3)上記(1)または(2)のスロットマシンであって、
前記更新演出手段は、所定ゲームで特定数値が更新されなかった場合であっても、前記示唆演出を実行可能である(例えば、制御A2によって、特典ポイントが付与されない場合でも示唆演出を実行可能)。
このような構成によれば、特定数値が更新されなかったゲームであっても期待感を持続することができる。
(4)上記(1)から(3)のいずれかのスロットマシンであって、
特定数値の更新量(例えば、付与ポイント)に応じて、前記通常制御を実行する割合と、前記特定制御を実行する割合とが変化する(例えば、図12(a)(b)に示されるように、付与ポイントに応じて、制御Cを実行する割合と制御A3を実行する割合とが変化する)。
このような構成によれば、通常制御と特定制御の実行状況に遊技者が注目し、興趣を向上することができる。
(5)上記(1)から(3)のスロットマシンであって、
更新された特定数値が所定値に達する場合(例えば、図12(b)達成時のテーブルTBL_AY)と、更新された特定数値が所定値に達しない場合とで(例えば、図12(a)の非達成時のテーブルTBL_AX)、前記通常制御を実行する割合と、特定制御を実行する割合とが異なる(制御Cを実行する割合と制御A3を実行する割合とが異なる。例えば、付与ポイントが60の場合に、非達成時に制御Cを実行する割合は10%であるが、達成時に制御Cを実行する割合は100%となり、また同じく付与ポイントが60の場合に、非達成時に制御A3を実行する割合は90%であるが、達成時に制御Cを実行する割合は0%となる)。
このような構成によれば、通常制御と特定制御の実行状況に遊技者が注目し、興趣を向上することができる。
(6)各々が識別可能な複数種類の識別情報を変動表示可能な可変表示部(例えば、リール2L、2C、2R)を備え、
前記可変表示部を変動表示した後、前記可変表示部の変動表示を停止することで表示結果を導出し、該表示結果に応じて入賞が発生可能なスロットマシン(例えば、スロットマシン1)において、
遊技の制御を行う遊技制御手段(例えば、メイン制御部41)と、
遊技制御手段から送信された制御情報に基づいて演出の制御を行う演出制御手段(例えば、サブ制御部91)と、
を備え、
前記遊技制御手段は、
ゲームの進行に関連して特定数値(例えば、合計ポイント)を更新可能な更新手段(例えば、図17のステップS306)と、
特定数値が所定値(例えば、達成ポイント)に達した場合に(例えば、図17のステップS307でYES)、特典を付与する付与手段(例えば、ステップS308でART当選フラグをオンとして、CZ終了後にART状態に移行する)と、
を有し、
前記演出制御手段は、
所定ゲームで特定数値が更新された場合に(例えば、図22のステップS801で確定ポイントが0でない場合に)、更新演出(例えば、成功演出)を行う更新演出手段(例えばステップS915、1002、1006、1008)を有し、
前記更新演出手段は、第1条件(例えば、スイカまたはチェリーが当選)が成立し、特定数値が特定量で更新される場合と、第2条件(例えば、リプレイまたはベルが当選)が成立し、特定数値が同じ特定量で更新される場合とで、更新演出を行うタイミングを異ならせる(制御C(更新演出は第3停止時)、制御B1(更新演出は第3停止後))、
スロットマシン。
このような構成によれば、第1条件と第2条件のいずれかが成立したか、および更新演出がいつ実行されるかへの遊技者の注目を高め、期待感を盛り上げることができる。
(7)上記(6)のスロットマシンであって、
第1条件が成立し、特定数値が特定量で更新される割合と、第2条件が成立し、特定数値が同じ特定量で更新される割合とが異なる(例えば、チェリーが当選し、特定量を60としたとき、特定数値が60で更新される割合は30%で、ベルが当選し、特定数値が60で更新される割合は1%というように、成立した条件ごとに同じ特定量で更新される割合が異なる)。
このような構成によれば、いずれの条件によりポイントが更新されるかに遊技者の注目を集めることができる。
(8)上記(6)または(7)のスロットマシンであって、
更新演出を行うタイミングは、一のゲームにおける第1タイミング(例えば、第3停止時)と、該一のゲームにおける第1タイミングより後の第2タイミング(例えば、第3停止後)とを含む。
このような構成によれば、一のゲーム中、遊技者に期待感を持続させることができる。
(9)上記(6)から(8)のいずれかのスロットマシンであって、
前記更新演出手段は、更新された特定数値が所定値に達する場合(例えば、図13(b)達成時のテーブルTBL_BY)と、更新された特定数値が所定値に達しない場合(例えば、図13(c)達成時のテーブルTBL_BX)とで、更新演出を行うタイミングを異ならせる(制御Cを実行する割合と制御B1を実行する割合とが異なる。例えば、付与ポイントが60で第1条件成立時の場合に、非達成時に制御Cを実行する割合は80%であるが、達成時に制御Cを実行する割合は100%となり、また同じく付与ポイントが60の場合に、非達成時に制御B1を実行する割合は20%であるが、達成時に制御B1を実行する割合は0%となる)。
このような構成によれば、いずれのタイミングでポイント更新が行われるかに遊技者を注目させることができる。
(10)上記(6)から(8)のいずれかのスロットマシンであって、
前記更新演出手段は、所定量で特定数値を更新された場合の更新演出として、所定量未満の更新量に対応する更新演出を実行した後、残りの更新量に対応する更新演出を実行することが可能である(例えば、制御B2を示す図10のように、60ポイント未満の10ポイントの更新演出を実行した後、残りの50ポイントに対応する更新演出を実行する)。
このような構成によれば、所定量のポイントの更新演出において遊技者の期待感を持続させることができる。