JP6653824B2 - 遊技機 - Google Patents

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Description

本発明は、遊技の結果を示す識別情報を導出可能な表示手段を備える遊技機に関する。
この種の遊技機としては、例えばスロットマシンがある。
スロットマシンは、図柄などの識別情報が周面に表された表示手段として動作するリールを回転させ、遊技者の停止操作によってリールを停止させるとともに、識別情報の停止表示態様に基づいて入賞の有無を判定し、所定の遊技価値を付与するように構成されている。
また、このようなスロットマシンでは、遊技が開始された後、リールの停止操作が所定時間行われない場合には、リールを自動的に停止させる制御を行うものが知られている(例えば、特許文献1)。
特開2004−089345号公報
ところが、このような従来の遊技機には、改善の余地があった。
上記目的を達成するため、本発明の遊技機は、遊技者にとって有利な特典を付与するか否かを判定可能な判定手段と、遊技者が操作可能な操作手段と、前記操作手段への操作を促す操作画像を表示可能な表示手段と、前記操作手段とは異なる位置に備えられる、遊技者が操作可能な所定操作手段と、を備え、前記表示手段は、第1表示位置で操作画像を表示可能であり、前記第1表示位置よりも前記操作手段に近い位置である第2表示位置で操作画像を表示可能であり、前記所定操作手段の操作を促す特定情報を表示可能であり、前記特定情報は、遊技者により前記所定操作手段が操作されない場合に表示内容が変化する情報である構成としてある。
本発明の第1実施形態に係る遊技機の外観を示す概略正面図である。 本発明の第1実施形態に係る遊技機の内部構成を示す概略斜視図である。 本発明の第1実施形態に係る遊技機の制御構成を示すブロック図である。 本発明の第1実施形態に係る遊技状態(RT状態)の状態遷移図である。 他の遊技状態(ART状態)の状態遷移図である。 リール自動停止制御の第1のパターンの説明図である。 リール自動停止制御の第2のパターンの説明図である。 リール自動停止制御の第3のパターンの説明図である。 リール自動停止制御の第4のパターンの説明図である。 リール自動停止制御の第5のパターンの説明図である。 リール自動停止制御の第6のパターンの説明図である。 リール自動停止制御の第7のパターンの説明図である。 リール自動停止制御の第8のパターンの説明図である。 リール自動停止制御の第9のパターンの説明図である。 リール自動停止制御の第10のパターンの説明図である。 リール自動停止制御の第11のパターンの説明図である。 リール自動停止制御の第12のパターンの説明図である。 リール自動停止制御の第13のパターンの説明図である。 リール自動停止制御の第14のパターンの説明図である。 リール自動停止制御の第15のパターンの説明図である。 リール自動停止制御の第16のパターンの説明図である。 本発明の第2実施形態に係る遊技機の外観を示す概略正面図である。 本発明の第2実施形態に係る遊技機の制御構成を示すブロック図である。 本発明の第2実施形態における演出ボタンを操作する場合の表示器での表示を説明する図である。 本発明の第2実施形態における上部演出ボタンを操作する場合の表示器での表示を説明する図である。 本発明の第2実施形態におけるART状態の前兆演出中に操作画像を表示する場合の表示器での表示を説明する図である。 本発明の第2実施形態における第2操作画像と押し順画像の表示器での表示位置を説明する図である。 本発明の第2実施形態における第2操作画像を表示する場合の表示器での表示を説明する図である。 第2実施形態の第1変形例における第1操作画像の表示器での表示位置を説明する図である。 第2実施形態の第1変形例におけるART状態の前兆演出中に第1操作画像を表示する場合の表示器での表示位置の選択率を説明する図表である。 第2実施形態の第1変形例における操作画像を表示する場合の表示器での表示を説明する図である。 第2実施形態の第1変形例におけるART状態の前兆演出中に操作画像を表示する場合の表示器での表示を説明する図である。 第2実施形態の第1変形例におけるART状態の前兆演出中に操作画像を表示する場合の表示器での表示を説明する図である。 第2実施形態の第1変形例におけるART状態の前兆演出中に操作画像を表示する場合の表示器での表示を説明する図である。 第2実施形態の第1変形例におけるART状態の前兆演出中に操作画像を表示する場合の表示器での表示を説明する図である。 第2実施形態の第1変形例における拡大操作画像を表示する場合の表示器での表示を説明する図である。 第2実施形態の第2変形例におけるART状態の前兆演出中に操作画像を表示する場合の表示器での表示を説明する図である。 第2実施形態の第3変形例におけるART状態の前兆演出中に操作画像を表示する場合の表示器での表示を説明する図である。 第2実施形態の第4変形例におけるART状態の前兆演出中に操作画像を表示する場合の表示器での表示を説明する図である。
本発明に係る遊技機の好ましい実施形態について、図面を参照しつつ説明する。
[第1実施形態]
まず、図1〜図21を参照して、本発明の第1実施形態について説明する。
[スロットマシン]
スロットマシン1は、本発明に係る遊技機の第1実施形態であり、通常のスロットマシンと同様、前面に開口部を有する筐体1bと、開口部を開閉可能に覆う前扉1aとを備えている。
前扉1aの中央部には、後方を視認可能な表示窓6が形成されており、この表示窓6を透して、リール41に表された図柄を視認することができる。このリール41に表された図柄が、本発明に係る識別情報として機能する。
また、表示窓6の下方には、前側に突出する段部が形成されており、この段部の上面には、メダルを投入するメダル投入口2と、ゲームの開始に際して遊技者の押下操作によりベット数を設定するベットボタン2aを備えている。
また、段部の下方には、遊技者がゲームを開始する際に操作するスタートレバー3と、リール41を停止させる際に遊技者が押下操作する停止ボタン5を備えている。この停止ボタン5は、本発明に係る操作手段として機能する。
また、表示窓6の上方には、遊技者に停止ボタン5の操作順序をナビゲートするナビランプ12を備えている。また、表示窓6の下方には、遊技状態が遊技者に有利な遊技状態である旨を報知する有利状態ランプ13を備えている。
前扉1aの上部には、例えば、液晶表示器から構成され、遊技に応じた表示による演出や情報表示を行う表示器8を備えている。
表示器8の左右には、音声を出力するスピーカ9や、光による演出を行うLEDなどの発光手段を備えるランプ11が内蔵されている。
これら表示器8や、スピーカ9、ランプ11、ナビランプ12、有利状態ランプ13などが、後述する副制御部20によって制御されることにより、本発明に係る演出実行手段や報知手段として機能する。
また、前扉1aの下部には、メダルが払い出されるメダル払出口7bを備えている。
筐体1bの上部には、遊技を統括的に制御する主制御部10と、この主制御部10の制御下で遊技の演出等に関する制御を行う副制御部20を備えている。これら主制御部10及び副制御部20が、本発明に係るリール自動停止の制御や演出などを実行する手段となっている。
具体的には、主制御部10が、本発明に係る抽選手段、停止表示制御手段、遊技価値付与手段、特定状態制御手段、遊技状態制御手段、遊技回数係数手段、特定権利消去手段などとして機能する。
また、副制御部20が、上述した表示器8、スピーカ9、ランプ11、ナビランプ12、有利状態ランプ13などを制御することにより、本発明に係る演出実行手段、報知手段などとして機能する。
また、筐体1bの中央部には、リール41を回転駆動させるドラムユニット4を備えている。ドラムユニット4は、水平方向に並設されるリール41a、リール41b、リール41cを備え、これらリール41a〜41cがステッピングモータ(図示省略)の駆動によりそれぞれ回転可能に構成されている。また、各リール41a〜41cの外周面には、所定の配列に従って複数の図柄(識別情報)が表され、リール41の停止状態において、各リール41a〜41cについて、連続する所定数(例えば、3つ)の図柄が表示窓6を透して視認可能となっている。この複数のリール41を備えたドラムユニット4が、上述したリール自動停止の制御対象となる、本発明に係る可変表示手段として機能する。
すなわち、このドラムユニット4が主制御部10によって駆動されることにより、本発明に係る所定の自動停止条件が成立すると、遊技者による停止操作が行われなくてもリール41が停止表示される自動停止制御が行われるようになっている。
また、筐体1bの下部には、メダルの払い出しを行うメダル払出装置7やメダルを貯留するホッパー7aを備えている。
このメダル払出装置7から払い出されたメダルは、メダル払出口7bを介して遊技者に払い出されて付与される。
このメダル払出装置7が、本発明に係る遊技価値付与手段として機能し、また、メダル払出装置7から払い出されるメダルが、本発明に係る遊技を行うための価値である遊技価値として機能する。
このようなスロットマシン1は、主制御部10及び副制御部20の制御により動作することにより、以下のようなスロットマシン遊技を実行可能に構成される。
ゲームの開始にあたっては、メダル(クレジットメダルも含む)を用いたベット数の設定が行われる。
ベット数の設定は、操作者(遊技者)の操作に応じて、メダル投入口2から直接メダルを投入して設定する方法と、ベットボタン2aを押下操作して設定する方法とがある。
メダル投入口2からメダルを投入してベット数を設定する方法では、投入されたメダルが前扉1a裏面に設けられたメダルセレクタ2bによって検知されることにより、投入分のメダル枚数に対応するベット数、例えば「1」、「2」、「3」のベット数が設定される。
また、メダルのベット数には上限(MAXBET数宇)が設定されるようになっており、例えばベット数の上限は「3」に設定される。この場合には、4枚以上のメダルが投入されても、ベット数は上限の「3」に設定されることになる。
なお、ベット数の上限は、「1」、「2」、又は「4」以上に設定されてもよい。
ベットボタン2aは、ベット数の設定に係る遊技者の操作を受け付け可能な操作手段の一例であり、これが押下操作されると、内部的にデータとして記憶されたクレジットメダルから、所定数(例えば、3枚)のメダル数が減算され、減算された分がベット数として設定されることになる。
なお、ベットボタンは、ベットボタン2aのみに限らず、設定されるベット数のそれぞれ異なるベットボタンを複数設けることもできる。また、クレジットメダルは、メダル投入口2からのメダル投入や入賞により加算され、例えば、メダル50枚までクレジット(記憶)させることができる。
このように、メダル投入口2からの直接投入やベットボタン2aの押下操作により設定されたベット数は、主制御部10に備えるRAMなどの記憶手段に記憶される。
そして、ベット数が所定数(例えば、3枚)になったときに、1回の遊技を実行可能な権利を保有するゲーム開始可能な状態となる。
このゲーム開始可能な状態では、スタートレバー3の操作が有効な状態となる。この有効な状態において、スタートレバー3が傾動操作されると、ゲームが開始され、複数の図柄の表されたリール41a〜41cが変動を開始するとともに、例えば「リプレイ役」、「小役」、「ボーナス役」などの複数の当選役(「はずれ」を含む)の中から今回ゲームの抽選結果をリール41の停止前に事前に決定する「内部抽選処理」が実行される(本発明に係る抽選手段)。
「内部抽選処理」では、複数の当選役の中から今回ゲームの当選役が、所定の当選確率に基づいて抽選により決定される。
この「内部抽選処理」により抽選・決定される当選役のうち、後述するようにメダルの払い出しが行われる例えば「小役」、「ボーナス役」や、次回ゲームにおいてメダルの投入を行うことなく遊技が可能となる「リプレイ役」などは、本発明に係る特定抽選結果として機能する。
なお、本実施形態では、「内部抽選処理」は、後述するリール41a〜41cが定常回転に達する前に完了するものであるが、リール41a〜41cが回転を開始する前に完了するようにしてもよい。
各リール41a〜41cは、可変表示手段の一例であり、各リール41a〜41cの周面には、識別情報となる複数(例えば21個)の図柄として、例えば、「リプレイ」、「ベル」、「スイカ」、「チェリー」、「赤7」、「青7」などがそれぞれ表されており、停止状態から徐々に回転速度を上げた後、一定の速度で回転する定常回転に達する(本発明に係る可変表示手段)。
このような定常回転に達すると、各リール41a〜41cに対応して設けられた停止ボタン5a〜5cが押下操作可能な状態となる。
停止ボタン5a〜5cは、リール41の停止操作を行うための操作手段の一例であり、例えば、停止ボタン5a〜5cに内蔵されたLED等の発光手段が点灯することにより押下操作可能な状態となり、このような状態において各停止ボタン5が押下操作されると、その操作タイミングと内部抽選処理の抽選結果とにより許容される図柄の組合せで停止するように、各リール41a〜41cが停止制御される(本発明に係る停止表示制御手段)。
そして、本実施形態では、リール41の回転開始後に、停止ボタン5の停止操作が行われない場合に、所定の自動停止条件が成立することにより、リール41の自動停止制御が実行され、回転するリール41が、停止ボタン5の停止操作に依らずに停止されるようになる。
リール41が停止操作又は自動停止により停止制御されると、各リール41a〜41cそれぞれに表された上下方向に連続する3つの図柄が、表示窓6から機外に臨むように停止(停止表示ということもある)され、このときの停止表示態様に基づいて入賞の有無が判定される。
入賞の判定は、所定の入賞ライン上に停止した図柄の組合せに基づいて判定される。例えば、上・中・下段のライン、右下がりのライン、右上がりのラインの計5ラインいずれかの入賞ライン上に停止した図柄の組合せに基づいて判定される。
なお、入賞を判定する入賞ライン(有効ラインともいう)の本数は、上記のような5ラインに限らず、図柄の配置構成、図柄の種類、当選役に対応する図柄の組合せなどの関係により、適宜変更することができる。
上述した小役、リプレイ役、ボーナス役等などの当選役の入賞は、このような入賞ライン上の図柄の組合せに基づいて判定される。
そして、判定の結果、当選役に対応する図柄の組合せが入賞ライン上で停止表示されている場合(本発明に係る特定停止態様)には、入賞となり、メダルの払い出しや、次回ゲームのリプレイ付与、遊技状態の移行などの特典付与制御が実行される。
一方、判定の結果、当選役に対応する図柄の組合せが入賞ライン上で停止表示されていない場合(本発明に係る非特定停止態様)には、入賞とはならず、メダルの払い出し等の特典付与制御は実行されない。ただし、この場合には、後述するように、「こぼし目」に該当する場合には、例えばRTなどの特定の遊技状態への移行などの特典付与制御を実行することができる。
このような当選役のうち、まず小役としては、例えばベル役、スイカ役、チェリー役などがある。
ベル役は、例えば、対応する図柄の組合せ中に「ベル」図柄が含まれる小役として設けることができる。
このベル役には、例えば、対応する図柄の組合せがそれぞれ異なる複数(例えば二つ)のベル役を設けることができる。
例えば、対応する図柄の組合せを、入賞ライン上の「左リール41a・中リール41b・右リール41c」の順(以下同様)に、それぞれ「ベル・ベル・ベル」や、「ベル・ベル・リプレイ」とする複数のベル役を設けることができる。
また、例えば「ベル・ベル・ベル」は、停止ボタン5a〜5cに対する操作順序(押し順という)に関係なく対応する図柄の組合せが停止する「共通ベル」(ベル役)として設定し、「ベル・ベル・リプレイ」は、特定の押し順に従うことにより対応する図柄の組合せが停止する「押し順ベル」(ベル役)として設定することができる。
また、「押し順ベル」には、例えば、3つの停止ボタン5a、5b、5cについての6通りある押し順(例えば、「5a→5b→5c」,「5c→5b→5a」など)に対して、それぞれ1通りの押し順(特定の押し順)によって停止ボタン5a〜5cが操作されることで、対応する図柄の組合せ(「ベル・ベル・リプレイ」)が停止表示される、6つの押し順ベル1〜6を設けることができる。
このような押し順ベル1〜6は、他の5通りの押し順(特定の押し順以外の押し順)によって停止ボタン5a〜5cが操作されると、対応する図柄の組合せ(「ベル・ベル・リプレイ」)が停止表示されず、「ベル・リプレイ・リプレイ」などの他の図柄の組合せ(「ベルこぼし目」という)が停止表示されることになる。
また、このような「ベル・リプレイ・リプレイ」(「ベルこぼし目」=所定図柄)は、その停止表示により、後述するRTの移行役(例えば、RT0からRT1、RT2からRT1、及びRT3からRT1等に移行する移行役)として機能させることができる(図4参照)。
なお、「押し順ベル」に当選したときに、2、3番目に操作する停止ボタン5を問わず、最初に操作する停止ボタン5のみが特定の押し順に従っていれば、「押し順ベル」に対応する図柄の組合せが停止するようにリールの停止制御を行うこともできる。
また、押し順ベルは、6通りに限らず、例えば3通りの押し順ベル1〜3を設けてもよい。
スイカ役は、対応する図柄の組合せ中に「スイカ」図柄が含まれる小役、例えば、対応する図柄の組合せが「スイカ・スイカ・スイカ」となる小役として設けることができる。
チェリー役は、対応する図柄の組合せ中に「チェリー」図柄が含まれる小役、例えば、対応する図柄の組合せが「チェリー・ANY・ANY」や、「チェリー・ANY・特定図柄以外の図柄」等となる小役として設けることができる。
また、チェリー役としては、複数のリール41のうち、左リール41aに停止する「チェリー」の位置がそれぞれ異なる三つのチェリー役として設けることもできる。例えば、「チェリー」が「上段」に停止する「上段チェリー」、「チェリー」が「下段」に停止する「下段チェリー」、「チェリー」が「中段」に停止する「中段チェリー」として、それぞれ設けることができる。
リプレイ役は、例えば、対応する図柄の組合せ中に「リプレイ」図柄が含まれる役として設けることができる。
このリプレイ役は、例えば、対応する図柄の組合せがそれぞれ異なる複数(例えば四つ)のリプレイ役を設けることができる。例えば、対応する図柄の組合せを、それぞれ「リプレイ・リプレイ・リプレイ」、「リプレイ・リプレイ・ベル」、「リプレイ・ベル・ベル」、「リプレイ・ベル・リプレイ」等とするリプレイ役を設けることができる。
また、上記のような複数のリプレイ役のうち、例えば「リプレイ・リプレイ・リプレイ」と「リプレイ・リプレイ・ベル」は、押し順に関係なく対応する図柄の組合せが停止する「共通リプレイ」として設定することができる。
また、例えば「リプレイ・リプレイ・ベル」を、「チャンスリプレイ」等として、所謂「レア役」と呼ばれる、内部抽選処理において当選確率の低い当選役として、上述したスイカ役及びチェリー役とともに設定することができる。
また、例えば「リプレイ・ベル・ベル」と「リプレイ・ベル・リプレイ」は、特定の押し順に従うことにより対応する図柄の組合せが停止する「押し順リプレイ」として設定することができる。
ここで、「押し順リプレイ」としては、例えば、6通りある停止ボタン5の押し順のうち、1通りの押し順(特定の押し順)によって停止ボタン5a〜5cが操作されることで、対応する図柄の組合せ(「リプレイ・ベル・ベル」、「リプレイ・ベル・リプレイ」)が停止表示される、6つの押し順リプレイ1〜6を設けることができる。
このような押し順リプレイ1〜6は、他の5通りの押し順(特定の押し順以外の押し順)によって停止ボタン5a〜5cが操作されると、対応する図柄の組合せ(「リプレイ・ベル・ベル」、「リプレイ・ベル・リプレイ」)が停止表示されず、「リプレイ・リプレイ・リプレイ」が停止表示されるようにすることができる。
また、例えば「押し順リプレイ」である「リプレイ・ベル・ベル」は、停止表示により、後述するRT1からRT2に移行する昇格リプレイAとして機能させ、また、「リプレイ・ベル・リプレイ」は、停止表示によりRT2からRT3に移行する昇格リプレイBとして機能させることができる(図4参照)。
ボーナス役は、例えば、対応する図柄の組合せ中に所定のボーナス図柄(例えば「7」図柄)が含まれる役として設けることができる。
このボーナス役は、例えば、対応する図柄の組合せがそれぞれ異なる複数(例えば2つ)のボーナス役を設けることができる。
例えば、2つのボーナス役として、対応する図柄の組合せを、それぞれ「赤7・赤7・赤7」(赤7ボーナス)、「青7・青7・青7」(青7ボーナス)等として設けることができる。
また、スロットマシン1には、「内部抽選処理」において抽選される当選役のうち特定の当選役の当選確率を手動により設定変更可能な設定手段として、設定確率変更機能が設けられており、例えば、特定の当選役の当選確率を低い当選確率から高い当選確率までに亘り、例えば6段階に区分けして、各段階を設定値1〜6にそれぞれ対応させることにより、特定の当選役の当選確率を各設定値1〜6に応じた当選確率に変更することができるようになっている。
この場合、例えば設定値1(第1設定値)が設定されているよりも、設定値6(第2設定値)が設定されている方が、特定の当選役に当選する確率が高く設定されており、その結果、設定値1(第1設定値)が設定されているよりも、設定値6(第2設定値)が設定されている方が、スロットマシン遊技が有利に進行するように制御される。
例えば、上述した複数のボーナス役のうち、「赤7・赤7・赤7」(赤7ボーナス:第1特定当選役)は、上記「特定の当選役」に該当せず、各設定値1〜6ともに当選確率が同一である、「設定差無ボーナス」として設定することができる。
一方、「青7・青7・青7」(青7ボーナス:第2特定当選役)は、上記「特定の当選役」に該当し、設定値1〜6に応じた当選確率に変更することができる、「設定差有ボーナス」として設定することができる。したがって、この場合には、設定値1(第1設定値)が設定されているよりも、設定値6(第2設定値)が設定されている方が、「青7ボーナス」に当選する確率が高く設定される。
このようなボーナス役は、当選したゲーム及び当該ゲーム以降のゲームにおいても対応する図柄の組合せが停止しない限り、当選した権利を持ち越すことが可能な当選役となっている。このため、対応する図柄の組合せが停止することでボーナス役が入賞するまでの期間は、ボーナス当選の成立状態が維持される。この遊技状態を、本実施形態では「ボーナス内部当選状態」又はRT4(図4参照)という。
以上説明したような図柄の組合せに基づいて、遊技者の停止ボタン5への停止操作に基づいて停止制御された図柄について、小役、リプレイ役、ボーナス役の当選がそれぞれ判定される。
そして、判定の結果、その図柄の組合せが上記それぞれに対応する図柄の組合せであるときには、入賞が成立して各入賞の成立に応じた遊技価値(メダル等)が付与されることになる(本発明に係る遊技価値付与手段)。
一方、停止制御が自動停止による場合には、後述するように、各リールは、遊技価値が付与されない図柄(本発明に係る非特定停止態様)で停止表示されるように制御されるようになっている。したがって、リール41が自動停止制御により停止された場合には、遊技者にメダルが払い出されることはない。
具体的には、遊技者の停止ボタン5への停止操作に応じてリール41が停止制御された場合には、以下のようなメダルの払い出し制御等が行われる。
例えば、ベル役、チェリー役、スイカ役などの小役に対応する図柄の組合せが停止されることにより、小役入賞が判定され、メダル払出装置7が駆動制御されることにより、メダルの貯留されたホッパー7aからメダル払出口7bを介して所定数のメダルが払い出される。
例えば、ベル役において、「共通ベル」に対応する図柄の組合せが停止されると、8枚のメダルが払い出される。
また、「押し順ベル」に当選した場合に、特定の押し順(1通りの押し順)で停止ボタン5a〜5cが操作されて対応する図柄の組合せが停止されたときには、8枚のメダルが払い出される。一方、特定の押し順以外の押し順(5通りの押し順)で停止ボタン5a〜5cが操作されたときには、より少ない枚数(例えば2枚)のメダルを払い出すようにすることができる。
なお、例えばベル役については、後述するART中において、1ゲーム当りのメダルの純増枚数が、所定枚数(例えば1.4枚)となるような当選確率に設定することができる。
また、「スイカ役」に対応する図柄の組合せ(「スイカ・スイカ・スイカ」)が停止表示されると、5枚のメダルが払い出される。
また、「チェリー役」では、上述した左リール41aに停止する「チェリー」の位置に応じて、メダルの払い出し枚数を異ならせることができる。
例えば、「チェリー」が「上段」又は「下段」に停止したときには(「上段チェリー」又は「下段チェリー」)、2枚のメダルが払い出され、「チェリー」が「中段」に停止したときには(「中段チェリー」)、1枚のメダルが払い出されるようにすることができる。
また、「リプレイ役」に対応する図柄の組合せ(例えば、「リプレイ・リプレイ・リプレイ」など)が停止表示されることにより、リプレイ入賞が判定され、次回ゲームにおいてメダルの投入を行うことなく、すなわち、メダルを費やすことなく遊技可能な状態とすることができる。
また、「ボーナス役」に対応するボーナス図柄の組合せが停止表示されることにより、所定の小役に高確率で当選する遊技者に有利なボーナス遊技に移行させることができる。例えば、「赤7・赤7・赤7」の停止表示により、「赤7ボーナス遊技」(第1特定遊技状態)に移行させ、「青7・青7・青7」の停止表示により、「青7ボーナス遊技」(第2特定遊技状態)に移行させることができる。これらのボーナス遊技は、メダルの払い出し数が所定数(例えば、メダル200枚)に達すると終了となる。
なお、「ボーナス役」は、対応する図柄の組合せの違いやメダルの払い出し数の違い等に応じて、複数種類を設けることもできる。例えば、ビッグボーナス「赤7・赤7・赤7」(出玉大)、レギュラーボーナス「赤7・青7・赤7」(出玉小)などを設けることができる。
また、「ボーナス役」を除く各当選役の当選確率は、各設定値1〜6において、所定の関係性、例えば「リプレイ役」>「ベル役」>「上段・下段チェリー役」>「スイカ役」>「チャンスリプレイ」>「中段チェリー役」となるような関係性となるように設定することができる。このような当選確率の差異によって、上記の場合では、「リプレイ役」が最も当選し易く、「中段チェリー役」が最も当選し難くなるように設定することができる。
また、このような当選確率の差異によって、例えば「チャンスリプレイ役」、「スイカ役」、「上段・下段チェリー役」、「中段チェリー役」等は、当選し難い当選役という意味で、上述のとおり所謂「レア役」として設定することができる。
また、リール41上の特定の図柄、例えばベル役、リプレイ役の図柄は、すべてのリール41a〜41cにおいて、連続する5コマ以内に配置することができ、これによって、リール41の引込停止制御により、4コマの引込停止制御を行うことで必ず入賞ライン上に停止させることができるようになる。
一方、このようなベル役、リプレイ役以外の図柄は、連続する5コマ以内に配置させないことで、4コマの引込停止制御が行われても入賞ライン上に停止させることができないようにすることができる。この場合には、当選役に対応した図柄が停止表示されずに所謂「取りこぼし」となることがある。したがって、そのような図柄を入賞ライン上に停止させるためには、遊技者は、所望の図柄を狙って停止ボタン5a〜5cを押下操作する、いわゆる「目押し」を行う必要がある。
このような一連の動作を1回の遊技(1ゲーム)とするスロットマシン遊技は、図3に示すように、主制御部10が、ベットボタン2a、スタートレバー3、停止ボタン5などの操作手段やメダルセレクタ2bなどの入力手段からの入力情報に基づいて、リール41a〜41cやこれらを回転駆動させるパルスモータなどを備えるドラムユニット4、メダル払出装置7などの出力手段を制御することにより実現される。
[主制御部・副制御部]
主制御部10には、各種演算処理等を行うCPU(図示省略)と、制御プログラムや制御データ等が格納されたROM(図示省略)と、各種データを一時記憶する記憶領域やCPUの作業領域等を備えたRAM(図示省略)等が備えられている。
また、主制御部10には、ベットボタン2a、メダルセレクタ2b、スタートレバー3、停止ボタン5(停止ボタン5a〜5c)が接続され、各機器に内蔵されたセンサからの信号を入力可能に構成されている。
また、主制御部10は、スタートレバー3からの信号に基づき、ゲームの開始処理や、乱数発生器(図示省略)からの乱数をサンプリングする処理等を行う。そして、主制御部10は、サンプリングされた乱数に基づき役の内部抽選処理を行う。
また、主制御部10には、ドラムユニット4、メダル払出装置7、有利状態ランプ13、副制御部20が接続され、各機器に対して信号を出力可能に構成されている。
主制御部10は、スタートレバー3からの信号に基づき、リール41a〜41cを回転させるゲームの開始処理を行い、停止ボタン5の停止操作に応じて、リール41a〜41cを停止させる処理を行う。
また、主制御部10は、リール41の回転開始処理後、所定の自動停止条件が成立すると、リール41を停止ボタン5の停止操作に依らずに停止させる自動停止処理を行う。
また、主制御部10は、ゲームの終了時におけるメダルの払い出し条件の成立に基づき、メダル払出装置7を駆動させてメダルを払い出す処理を行う。
また、有利状態ランプ13は、例えば、LEDで構成され、主制御部10は、ART等の遊技者にとって有利な遊技状態が発生した場合に(後述の有利区間中)、有利状態ランプ13を点灯させる処理を行う。また、有利状態ランプ13は、例えば、7セグの「ドット」部分等でもよい。
また、スロットマシン1では、スロットマシン遊技に同期した遊技演出も行われる。例えば、ARTへの移行や、リール41の自動停止制御が行われる場合に、画面演出、ファンファーレ音、及びランプ演出などがそれぞれ、表示器8、スピーカ9、及びランプ11などの報知手段を介して出力される。
このような報知手段は、副制御部20により制御される。また、副制御部20は、主制御部10から所定の遊技タイミングごとに受信する制御情報に基づいてこれらを制御する。
副制御部20は、演出制御手段の一例であり、表示器8、スピーカ9、ランプ11、ナビランプ12が接続されることにより、各機器に対して信号を出力可能に構成され、主制御部10からの一方向のみの制御情報に基づき、表示器8において所定の演出の画像処理や、各種演出や報知を行うためのスピーカ9の出力処置や、ランプ11の点灯処理等を行う。
また、ナビランプ12は、例えば、LEDで構成され、副制御部20は、主制御部10からの制御情報に基づき、ART等の遊技状態の発生中に、停止ボタン5の操作順序をナビゲート(報知)するためのナビランプ12の点灯処理を行う。
本実施形態に係るスロットマシン1は、以上のような構成に加えて、遊技者にとって有利な遊技状態として、例えば図4、図5に示すような複数の遊技状態の実行・移行等を制御できるようになっており、そのような複数の遊技状態に基づいて、遊技者に対して特徴的なゲーム性を提供できるようになっている。
ここで、本実施形態で実行可能な有利な遊技状態としては、例えば、RT、AT、ART、ボーナスなどと称される遊技状態がある。
RTは、リプレイ・タイムの略称であり、通常、メダルを投入することなく次回遊技可能となるリプレイ役の当選率が高く設定された遊技状態である。
ATは、アシスト・タイムの略称であり、小役やリプレイ役の当選時において、例えば、目押しの目安となる図柄が報知されたり、停止ボタンの操作順序が報知されたりして、小役やリプレイ役等の入賞を遊技者にアシストする遊技状態である。
ARTは、アシスト・リプレイ・タイムの略称であり、RTとATとが組み合されることにより、リプレイ役の当選率が高く設定されつつ、小役やリプレイ役等の入賞がアシストされる遊技状態である。
ボーナスは、ベル役などの小役に高確率で当選する遊技状態である。
これらの各遊技状態は、遊技中の所定条件の成立に基づいて実行・制御されるようになっており、本実施形態では、主制御部10が遊技状態制御手段として動作することにより、それぞれの遊技状態に制御(以下、移行ともいう)される(図4、図5参照)。
以下、本実施形態で制御される遊技状態の一例として、RT(リプレイ・タイム)とART(アシスト・リプレイ・タイム)の概要について説明する。
[RT]
本実施形態に係るスロットマシン1では、RTとして、内部抽選処理における「リプレイ役」の当選確率に対応して、例えば図4に示すように、RT0〜4の5種類のRTが制御されるようになっている。
RT0は、内部抽選処理において、例えば、1/7.3の確率でリプレイ役に当選するように設定され、リプレイ役の当選確率においてRT3、4よりも遊技者に不利な遊技状態である。
RT0への突入は、ボーナス終了を契機とし、その後、RT0に移行する。
また、RT0の終了は、RT0における「押し順ベル」の当選時において、特定の押し順に従わずに、「ベルこぼし目」(所定図柄)が停止したことを契機として、その後、RT0からRT1に移行する。
また、RT0の終了は、RT0において行われる内部抽選処理におけるボーナス役の当選を契機とし、その後、RT0からRT4に移行する。
このように、RT0は、予め遊技期間の定められた有限の遊技状態ではなく、「ベルこぼし目」が停止しない限り、又は、ボーナスに当選しない限り、他の遊技状態に移行しない無限の遊技状態(無限RT)となっている。
RT1は、内部抽選処理において、例えば、1/7.3の確率でリプレイ役に当選するように設定され、リプレイ役の当選確率においてRT3、4よりも遊技者に不利な遊技状態である。
RT1への突入は、所定の初期化スイッチ等の操作を伴う電源投入又は設定値の変更(同じ設定値を設定し直した場合(設定値の打ち直し)も含む)を契機とし、その後、RT1に移行する。
また、RT1への突入は、RT0、RT2、RT3における「押し順ベル」の当選時において、特定の押し順に従わずに、「ベルこぼし目」が停止したことを契機とし、その後、RT0、RT2、RT3からRT1に移行する。
また、RT1の終了は、RT1において「昇格リプレイA」に対応する図柄の組合せが停止したことを契機とし、その後、RT1からRT2に移行する。
また、RT1の終了は、RT1において行われる内部抽選処理におけるボーナス役の当選を契機とし、その後、RT1からRT4に移行する。
このように、RT1は、予め遊技期間の定められた有限の遊技状態ではなく、「昇格リプレイA」に対応する図柄の組合せの停止、又は、ボーナスに当選しない限り、他の遊技状態に移行しない無限の遊技状態(無限RT)となっている。
RT2は、内部抽選処理において、例えば、1/7.3の確率でリプレイ役に当選するように設定され、リプレイ役の当選確率においてRT3、4よりも遊技者に不利な遊技状態である。
RT2への突入は、RT1において「昇格リプレイA」に対応する図柄の組合せが停止したことを契機とし、その後、RT1からRT2に移行する。
また、RT2の終了は、RT2において「昇格リプレイB」に対応する図柄の組合せが停止したことを契機とし、その後、RT2からRT3に移行する。
また、RT2の終了は、RT2における「押し順ベル」の当選時において、特定の押し順に従わずに、「ベルこぼし目」が停止したことを契機として、その後、RT2からRT1に移行する。
また、RT2の終了は、RT2において行われる内部抽選処理におけるボーナス役の当選を契機とし、その後、RT2からRT4に移行する。
このように、RT2は、予め遊技期間の定められた有限の遊技状態ではなく、「昇格リプレイB」に対応する図柄の組合せの停止、「ベルこぼし目」が停止しない限り、又は、ボーナスに当選しない限り、他の遊技状態に移行しない無限の遊技状態(無限RT)となっている。
RT3は、内部抽選処理において例えば、1/1.5の確率でリプレイ役に当選するように設定され、リプレイ役の当選確率においてRT0〜2、RT4よりも遊技者に有利な遊技状態である。
RT3への突入は、RT2において「昇格リプレイB」に対応する図柄の組合せが停止したことを契機として、その後、RT2からRT3に移行する。
また、RT3の終了は、RT3における「押し順ベル」の当選時において、特定の押し順に従わずに、「ベルこぼし目」が停止したことを契機として、その後、RT3からRT1に移行する。
また、RT3の終了は、RT3において行われる内部抽選処理におけるボーナス役の当選を契機とし、その後、RT3からRT4に移行する。
このように、RT3は、予め遊技期間の定められた有限の遊技状態ではなく、「昇格リプレイB」に対応する図柄の組合せの停止、「ベルこぼし目」が停止しない限り、又は、ボーナスに当選しない限り、他の遊技状態に移行しない無限の遊技状態(無限RT)となっている。
RT4は、ボーナス内部当選状態であるとともに、内部抽選処理において、例えば、1/6.0の確率でリプレイ役に当選するように設定され、リプレイ役の当選確率において、RT0〜2よりも遊技者に有利な遊技状態であり、RT3よりも遊技者に不利な遊技状態である。
RT4への突入は、RT0〜3中の内部抽選処理において、ボーナス役に当選したことを契機とし、その後、RT0〜3からRT4に移行する。
また、RT4の終了は、ボーナス図柄の組合せが停止したことを契機とし、その後、RT4からボーナスに移行する。
このように、RT4は、ボーナス内部当選状態であるとともに、予め遊技期間の定められた有限の遊技状態ではなく、ボーナス図柄の組合せが停止しない限り他の遊技状態に移行しない無限の遊技状態(無限RT)となっている。
このように、有利度の異なるRT状態を複数設け、遊技者に比較的不利なRT0〜2から遊技者に比較的有利なRT3に移行させるとともに、RT0〜3中のボーナス当選により、RT4を介してボーナス遊技状態に移行するというゲーム性を実現することができるようになる。
このようなゲーム性においては、RT1からRT2、3に移行(昇格)させることが遊技者にとって好ましく、RT2、3からRT1に移行(転落)しないことが遊技者にとって最も好ましいことになる。
したがって、「昇格リプレイA」、「昇格リプレイB」、「ベルこぼし目」に対応する図柄の組合せは、停止ボタン5に対する押し順の違いによって停止されることから、RT1、2においては、昇格リプレイに対応する図柄の組合せが停止するように、又は、RT2、3においては、「ベルこぼし目」が停止しないように、停止ボタン5を操作することが遊技者にとって好ましいことになる。
しかしながら、これらの昇格リプレイ等に当選したかどうかは見かけ上、判別できないようになっており、これらの昇格リプレイ等に対応する図柄の組合せが停止するように、又は「ベルこぼし目」が停止しないように停止ボタン5を操作することができないことになる。
そこで、所定の条件が成立したときに、停止ボタン5に対する押し順や目押しの目安となる図柄等を表示器8などの報知手段を通して報知(ナビゲート)することにより、昇格リプレイが停止するように、又は、「ベルこぼし目」が停止しないようにアシストするという特典を遊技者に付与し、停止ボタン5に対する操作を支援するようになっている(本発明に係る報知手段)。
具体的には、押し順(操作に関する情報)の報知例として、例えば、RT1中において昇格リプレイAに当選したときに、表示器8、スピーカ9、及びナビランプ12などを介して、昇格リプレイAに対応する押し順を報知する。具体的には、昇格リプレイAに対応する停止ボタン5a〜5cの押し順「5a→5b→5c」として、例えば、表示器8において「左→中→右」などの表示を行い、スピーカ9から「左」、「中」、「右」の順でそれぞれの音声を出力する。
また、このとき、ナビランプ12を、対応する順「12a→12b→12c」に順次点灯させる。
つまり、表示器8、スピーカ9、ナビランプ12などの報知手段を通じて停止ボタン5に対する操作順序をナビゲートする。
このようなナビゲートに従って遊技者が停止ボタン5を操作することにより、昇格リプレイAが停止し、RT1からRT2への移行が実現される。
このように停止ボタン5に対する操作順序を報知する状態をAT(アシスト・タイム)といい、この状態は、通常、所定の遊技回数に亘って継続される。また、このようなATにRT3が組み合された遊技状態のことをART(アシスト・リプレイ・タイム)という。
そして、このようなARTへの移行は、後述するステージ2及びチャンスゾーン中における移行抽選処理に当選することより実現される。
以下、本実施形態で制御可能なARTの一例について説明する。
[ART]
ARTは、ボーナス遊技と同様、遊技者にとって好ましい有利な遊技状態となっている。
具体的には、AT中においては、「押し順ベル」に当選したときには、これに対応する押し順(本発明に係る特別情報)を報知し、この報知に従って停止ボタン5を操作することにより、8枚のメダルが付与される。さらに、AT中のRT2、3においては、「押し順ベル」に当選したときに、このような報知に従った操作を遊技者が停止ボタン5に対して行うことにより、「ベルこぼし目」が停止しないことから、RT1への移行(転落)が回避される。
また、AT中のRT1において、昇格リプレイAに当選したときに、昇格リプレイAに対応する図柄の組合せが停止するよう押し順を報知する。この報知に従った操作を遊技者が停止ボタン5に対して行うことにより、RT1からRT2への移行(昇格)が実現される。
また、AT中のRT2において、昇格リプレイBに当選したときに、昇格リプレイBに対応する図柄の組合せが停止するよう押し順を報知する。この報知に従った操作を遊技者が停止ボタン5に対して行うことにより、RT2からRT3への移行(昇格)が実現される。
また、AT中のRT3においては、高確率(1/1.6)でリプレイが当選するという特典に加えて、「押し順ベル」に対応する押し順が報知されて、メダルが付与される特典も加わり、メダルの増加が最も期待できる遊技者にとって有利なART状態となる。
このようなATは、主制御部10において、ゲーム数により管理される。例えば、初期値として50ゲーム(後述のAT1)が設定されている。
また、このゲーム数は、AT中の「内部抽選処理」において、「チャンスリプレイ役」などの「レア役」の当選に基づいて増加(上乗せともいう)され、更新可能な値として管理される。
更新管理される値は、ゲーム数に限られず、例えば、ベルなどの小役当選回数、メダルの獲得枚数、メダルの払出枚数、メダルの差枚数(投入メダルと払出メダルの差分)などでもよい。
また、ATでは、以下のような特徴を備えることができる。
図5に示すように、ATでは、複数のAT状態、例えばAT1とAT2とに区分して、一方のAT1は、後述するステージ2やチャンスゾーンから移行させるようにする(図5の「e」参照)。
また、AT1とAT2では、「押し順ベル」及び「押し順リプレイ」に当選したときには、前述のように、それぞれに対応する停止ボタン5の「押し順」が報知される。
また、AT1とAT2では、主制御部10において更新管理される規定ゲーム数の実行(消化ともいう)により、通常ステージに移行するものとするが(図5の「f」)、これらのAT中において、「チャンスリプレイ役」などの「レア役」の当選に基づいて、現在のARTのゲーム数が上乗せ(増加・更新)される。
具体的には、AT1では、上乗せされるゲーム数を抽選により決定する「上乗せゲーム数抽選処理」が実行される。この「上乗せゲーム数抽選処理」は、「内部抽選処理」において所定の当選役に当選したときに主制御部10において実行される。
この場合の当選役としては、例えば「上段・下段チェリー役」、「スイカ役」、「チャンスリプレイ役」、及び「中段チェリー役」などを例示することができ、これらに当選したときに、「上乗せゲーム数抽選処理」を実行することができる。
上乗せゲーム数の獲得し易さ及び獲得したときの上乗せゲーム数の多さは、例えば、「中段チェリー役」>「チャンスリプレイ役」>「スイカ役」>「上段・下段チェリー役」の関係性を有するようにする。これにより、「スイカ役」よりも「中段チェリー役」に当選した方が、上乗せゲーム数が獲得し易く設定され、さらに、「スイカ役」よりも「中段チェリー役」に当選した方が、獲得したときの上乗せゲーム数が多くなるように設定することができる。
また、このようなゲーム数の上乗せ抽選に加え又は上乗せ抽選に代えて、AT1のゲーム数消化後、再びAT1(初期値50ゲームのAT)が連チャン(継続)するというAT1の連チャン(セット連チャン)の成否をかけたセット連チャン抽選処理を実行することもできる。
さらに、AT2は、AT1よりも「上乗せゲーム数抽選処理」における上乗せゲーム数が獲得し易く、獲得したときの上乗せゲーム数が多くなるという上乗せに特化した「特化ゾーン」として設定することができる。
この「AT2」では、「上乗せゲーム数抽選処理」に代えて、上乗せゲーム数の大量獲得をかけた「上乗せゲーム数大量獲得抽選処理」が実行させることができる。
具体的には、「上乗せゲーム数大量獲得抽選処理」は、「内部抽選処理」において所定の当選役に当選したときに主制御部10において実行される。
この場合の当選役としては、「ベル役」(押し順ベルを含む、以下同じ)、「上段・下段チェリー役」、「スイカ役」、「チャンスリプレイ役」、「中段チェリー役」、及び「リプレイ役」(押し順又は共通リプレイを含む、以下同じ)などのすべての当選役とすることができ、これらに当選したときに「上乗せゲーム数大量獲得抽選処理」が実行される。
上乗せゲーム数の獲得し易さ及び獲得したときの上乗せゲーム数の多さは、例えば、「中段チェリー役」>「チャンスリプレイ」>「スイカ役」>「上段・下段チェリー役」>「ベル役」>「リプレイ役」の関係性を有するように設定することができる。これによって、「スイカ役」よりも「中段チェリー役」に当選した方が、上乗せゲーム数が獲得し易く設定され、さらに、「スイカ役」よりも「中段チェリー役」に当選した方が、獲得したときの上乗せゲーム数が多くなりように設定することができる。
また、「上乗せゲーム数大量獲得抽選処理」の当選確率は、「AT1」中に実行される「上乗せゲーム数抽選処理」の当選確率よりも高く設定することができる。具体的には、「AT1」と「AT2」とで同じ当選役に当選したときには、「AT2」の方が「AT1」よりも当選確率を高く設定する。
例えば、「チャンスリプレイ」が当選役の場合では、「AT2」の方が「AT1」よりも当選確率が高く、さらには、当選したときの上乗せゲーム数が多くなるように設定する。
このように「上乗せゲーム数大量獲得抽選処理」において獲得された上乗せゲーム数は、AT1のゲーム数に上乗せされることが好ましいが、AT2のゲーム数に反映されるようにしてもよい。
また、このような上乗せゲーム数の大量獲得抽選に加え又は大量獲得抽選に代えて、AT2のゲーム数消化後、再びAT2(例えば初期値50ゲームのAT)が連チャン(継続)するというAT2のセット連チャンの成否をかけたセット連チャン抽選処理を実行することもできる。
また、「AT2」は、AT1で実行される所定の移行抽選処理において当選することにより移行させることができる(図5の「g」)。
また、「AT2」は、規定のゲーム数の実行(消化)により終了し、その後、AR1に移行するよう設定することができる(図5の「h」)。また、規定のゲーム数の実行後は、「AT2」から「AT1」への移行を抽選により決定することもできる。
この抽選処理を「転落抽選処理」といい、「内部抽選処理」において、「ベル役」などの所定の当選役に当選したときに主制御部10において「転落抽選処理」を実行し、これに当選したときに「AT2」から「AT1」に移行させ、当選しなかったときには「AT2」にそのまま滞在させることができる。
また、規定のゲーム数の実行後、1ゲームごとに「AT2」継続の成否を抽選により決定する継続抽選処理を実行するようにしてもよい。
このように、スロットマシン1は、主制御部10が遊技状態制御手段として動作することにより、複数のRT状態、ボーナス遊技、及びAT状態を制御可能に構成されている。
さらに、主制御部10は、例えば図5に示すような複数種類の遊技状態に遷移させることができ、それら複数の遊技状態を、「通常区間」と、それよりも有利となる「有利区間」との複数の区間(遊技状態)に区分することができる。
[通常区間/有利区間]
図5に示すスロットマシン1の遊技状態は、上記のボーナス遊技と、ボーナス遊技中以外の遊技状態(非ボーナスという)とに大別され、非ボーナスは、通常ステージと、チャンスゾーンと、ATとを含む複数の遊技状態を有している。
これらの遊技状態のうち、通常ステージ、チャンスゾーン、ATは、前述のRT0〜4と重複することがある。
また、通常ステージ、チャンスゾーン、ATは、内部抽選処理において、ボーナス役を抽選対象に含んでおり、これに当選したときには、RT4に移行する。
また、通常ステージはステージ1とステージ2の2つの遊技状態を有し、チャンスゾーンはCZ1とCZ2の2つの遊技状態を有し、ATは前述のようにAT1とAT2の2つの遊技状態を有している。
そして、これらの遊技状態は、以下に示すような「通常区間」及び「有利区間」(本発明に係る第1遊技状態及び第2遊技状態)とに区分して実行・制御することができる(本発明に係る遊技状態制御手段)。
例えば、ボーナス(設定差有ボーナス)とステージ1は通常区間に区分され、ボーナス(設定差無ボーナス)、ステージ2、チャンスゾーン、及びATは有利区間に区分されている。
有利区間では、ARTへの移行に係る抽選処理(ART移行抽選処理という)が行われ、通常区間では、ART移行抽選処理が行われないようになっている。
また、有利区間は通常区間から移行し、再度通常区間に移行するまで継続して滞在可能な区間となっており、有利区間に滞在中は、遊技が実行された遊技回数がカウントされる(本発明に係る遊技回数計数手段)。
有利区間は、以下の条件(a)〜(c)のうち少なくとも1つが成立することで終了する(終了条件)。
(a)少なくとも1回の押し順ベルの報知がされたこと
(b)有利区間での遊技回数が上限遊技回数(以下、特定回数又はリミッタともいう)の1500ゲームに到達したこと
(c)有利区間での獲得メダル数が上限獲得メダル数の2400枚に到達したこと
ここで、上記(b)、(c)の条件が成立した場合には、有利区間に滞在することはできず、有利区間の遊技回数、獲得メダル数、有利区間に制御するための特定権利(例えばARTストック・上乗せゲーム数)などを消去する(0回・0枚・ゼロに初期化する)ことができる(本発明に係る特定権利消去手段)。
また、「ベルこぼし目」が停止したことを契機として、RT1に移行させる。
また、上記有利区間の終了条件は、一例であり、他の条件を設けてもよい。例えば、所定のボーナス役に対応した図柄の組合せが停止表示されたこと等を含めてもよい。また、有利区間での上限遊技回数、上限獲得メダル数は、1500ゲーム、2400枚に限定されるものではないが、1500ゲーム以下、2400枚以下が好ましい。
また、上記の終了条件に、(a)〜(c)のうち、1つ又は2つの条件を含めないようにしてもよい。
また、以上のような有利区間中は、有利状態ランプ13(図1参照)を点灯させることができる。
例えば、ボーナス(設定差無ボーナス)、ステージ2、チャンスゾーン、及びAT中は、有利状態ランプ13が点灯し、ボーナス(設定差有ボーナス)とステージ1は、有利状態ランプ13を非点灯の状態とすることができる。
また、例えば有利区間中に当選したボーナスが設定差有ボーナスである場合には、設定差有ボーナス中であっても有利状態ランプ13は点灯したままの状態とすることができる。
このように、有利区間と有利区間中に当選したボーナスの種類に応じて、有利状態ランプ13の点灯・非点灯が異なるように制御することができる。
[リールの自動停止制御]
以上のようなスロットマシン1において、本実施形態では、リールの自動停止制御が行われる。
本実施形態に係るリールの自動停止制御は、リール41が回転を開始して図柄が可変表示されている状態において、所定の自動停止条件が成立した場合に、遊技者により停止ボタン5が操作されなくても、リール41の回転を停止させて図柄を停止表示させるものであり(本発明に係る停止表示制御手段)、上述した主制御部10がドラムユニット4を制御することにより行われる。
具体的には、主制御部10は、上述した内部抽選処理による抽選結果が特定抽選結果であって、かつ、リール41が回転して図柄が可変表示している状態において、まず、遊技者によって停止ボタン5が操作された場合には、その操作タイミングと引込停止制御により、リール41を停止させ、特定抽選結果に応じた特定停止態様となる図柄配列を停止表示させる制御を行う。
一方、上記のような内部抽選処理による抽選結果が特定抽選結果であって、かつ、リール41が回転している状態において、所定の自動停止条件が成立した場合には、主制御部10は、停止ボタン5の操作に依らずリール41を自動停止させ、メダルの払い出しが行われない非特定停止態様となる図柄配列を停止表示させる制御を行う。
一般に、スロットマシンでは、規則等によって、遊技者の停止操作に依らずにリールの回転を停止する場合には、内部抽選処理の結果、所定の当選役に当選していても、入賞図柄は停止表示させず、遊技者に遊技価値を付与しないことが定められている。
このため、本実施形態においては、リールの自動停止制御が行われる場合には、当選役に入賞せず、メダルの払い出しが行われないように、非特定停止態様となる図柄配列が停止表示される制御が実行されるようになっている。
なお、規則等の制限がないような場合には、リール41が自動停止される場合に、当選役に入賞させ、メダルの払い出しがある図柄配列とうなるように停止制御することは可能である。
[自動停止条件]
ここで、リール41が自動停止される「自動停止条件」としては、スタートレバー3が操作されてリール41の回転が開始してから、所定時間が経過するまで、停止ボタン5の操作によって全てのリール41の回転が停止されていないことが条件となる。
すなわち、リール41が回転を開始し、所定時間が経過する前に、遊技者によって停止ボタン5が操作されて、全てのリール41が停止された場合には、自動停止制御は行われない。
したがって、所定時間が経過後に、一部のリール41は停止していても、未だ回転中のリール41があれば、その回転しているリール41については自動停止制御を行うことができる。
自動停止条件となる所定時間としては、例えば、リール41の回転開始から「30秒」とすることができる(本発明に係る第1時間)。
一般に、スロットマシンでは、規則等によって、リールの回転開始から30秒が経過すれば、遊技者の停止操作に依らずにリールの回転を停止することが許容されている。そこで、本実施形態においても、リールの自動停止制御を行うにあたって、自動停止条件となる所定時間として、リール41の回転開始から「30秒」が経過することを条件としており、この30秒の経過後、所定の態様でリールの自動停止制御を実行するようにしている。
なお、この所定時間は、30秒以上であれば、例えば35秒、40秒など、任意の時間を選択・設定することができる。また、規則等の制限がない場合には、30秒未満の時間を設定することも可能である。
[演出報知]
そして、このようなリールの自動停止制御が行われる場合には、所定の特定演出を実行することができる(本発明に係る演出実行手段)。
特に、このような自動停止制御に伴う特定演出は、リール41が自動停止により停止表示される前に実行することができる。
このような特定演出が実行されることで、遊技者に対して、自動停止制御が行われることを報知して認識させることができ、遊技者が意図しないリールの自動停止制御が実行されることを防止したり、遊技者に自ら停止操作をするか、自動停止制御されることを待つかの選択をさせることができるようになる。
このような自動停止の特定演出としては、例えば、「自動停止が開始されます」という文字や音声を表示器8やスピーカ9から表示させたり、「自動停止まで○○秒」というようなカウントダウンを表示・出力させることができる。
[フリーズ演出]
また、リールの自動停止制御では、リール41の回転が開始してから、第1時間が経過するまで、リール41を特定状態に制御することができる(本発明に係る特定状態制御手段)。
具体的には、リール41が回転して図柄が可変表示している状態であって、かつ、リール41が特定状態に制御されている状態においては、遊技者によって停止ボタン5が操作された場合であっても、リール41を停止させず図柄を停止表示させないようにすることができる。
すなわち、リール41が特定状態に制御されている第1時間が経過までの間は、停止ボタン5の操作が無効化される、所謂「フリーズ」状態に制御することができる。そして、第1時間の経過後に、リールの自動停止制御を行うことできる。
このようなフリーズ制御とリールの自動停止制御を組合せることで、遊技者に対してリールの自動停止制御が行われることを報知できるとともに、従来にはない新たなフリーズ演出・自動停止演出を提供できるようになる。
[有利区間の終了制御]
また、リールの自動停止制御は、遊技者の選択により、上述した有利区間の遊技状態を終了させて通常区間に移行させる制御として実行させることができる(本発明に係る遊技状態制御手段)。
上述のとおり、スロットマシン1で実行・制御される遊技状態としては、通常区間(第1遊技状態)と、通常区間よりも有利な状態となる有利区間(第2遊技状態)とがあり、有利区間においては、当該有利区間で行われた遊技回数が計数され(本発明に係る遊技回数計数手段)、遊技回数の計数結果が特定回数(例えば1500ゲーム)となった場合には、遊技状態を有利区間に制御するための特定権利(例えばARTストックや上乗せゲーム数など)が消去されて、遊技状態が通常区間に移行されるようになっている(本発明に係る特定権利消去手段・遊技状態制御手段)。
この場合に、主制御部10は、リールの自動停止条件が成立したことに基づいて、上記のような有利区間に制御するための特定権利を消去させて、遊技状態を通常区間に移行させるように制御することができる。
このようにすることで、遊技者が自らの判断により、リール41の回転開始後、停止ボタン5の停止操作を行わず、リールの自動停止制御が行われることを選択することにより、現在の遊技状態である有利区間を終了させ、遊技状態を通常区間に移行させることができるようになる。
これによって、例えば、遊技を終了して帰ろうとする遊技者が、現在の遊技状態である有利区間を自ら終了させたり、これから遊技を開始しようとする遊技者が、前の遊技者が行っていた有利区間の遊技状態を終了させることが可能となる。
[ART中の自動停止制御]
また、リールの自動停止制御がAT・ART中に行われる場合には、自動で停止表示される図柄は、ナビゲーションにより示される押し順とは異なる態様で停止されるようにすることができる。
上述のとおり、ARTやATにおいては、内部抽選による抽選結果が特別抽選結果である場合に、停止ボタン5の停止操作に関する情報(本発明に係る特別情報)として、例えば押し順などを報知するようになっている。
ART中などで押し順報知が行われた後に、リールの自動停止制御が実行される場合に、リール41の停止態様(停止順)が、報知された押し順と同じであると、メダル払い出しのある当選役に入賞してしまうことになる。
また、押し順報知に従ってリール41が自動停止された場合に、当選役に入賞しない図柄配列が停止表示されるとすれば、それを見ていた遊技者が、例えば「ナビ通りに停止したのにベルが揃わない」というような、違和感や不信感を抱く可能性もある。
そこで、本実施形態では、ART等で押し順などの特別情報が報知された場合には、遊技者が特別情報に応じて停止ボタン5を操作した場合と、自動停止制御が行われる場合とで、リール41の図柄が停止表示されるまでの態様を異ならせるようにしてある。
これによって、遊技者に対して、リールの自動停止制御が行われることを報知しつつ、自動停止に対する違和感や不信感などを生じさせず、信頼性のある遊技機を提供することができる。
ここで、遊技者が停止操作する場合と異なる態様の停止表示としては、自動停止の場合には、例えば、押し順ナビとは異なる停止順で停止する、3つのリール41が全て同時に停止する、3つのリール41が停止するまでの変動速度をリール毎に異ならせる、などの態様がある。
[自動停止パターンの実施例]
以下、図6〜21を参照しつつ、本実施形態に係るリールの自動停止制御の具体的なパターン(第1〜第16のパターン)の実施例を示す。
なお、以下に示す第1〜第16のパターンは、それぞれ独立して実施することができるものであるが、各パターンの一部又は全部を、可能な組合せの範囲内において、任意に組合せて実施することも可能である。
また、以下の第1〜第16のパターンは、本発明に係る実施例であり、本発明の範囲に含まれる限り、第1〜第16のパターン以外のパターンや制御を実施できることは勿論可能である。
[第1のパターン]
図6は、リール自動停止制御の第1のパターンの説明図である。
同図に示すように、第1のパターンでは、内部抽選の結果、当選役としてメダルの払い出しのある役(例えば「ベル役:8枚払い出し」に当選した場合(「条件装置作動ともいう)であって、リールの自動停止制御が行われる場合には、当選役(ベル役)に入賞しない、自動停止時限定の特定の図柄の組合せ(取りこぼし目)でリール41を停止表示させ、それ以降の遊技において、遊技者が有利となるよう、例えば特定の当選役(例えば「リプレイ役」)の当選確率を高くする制御が行われるようにしてある。
上述のとおり、リールを自動停止させる場合には、原則としてメダルの払い出しのある入賞作動に係る図柄の停止表示は行えない。しかしながら、内部抽選によりメダルの払い出しのある当選役に当選している場合に、リールの自動停止によってメダルの払い出しが行われないことになるのは、例えば上記の「ベル役」の場合には、遊技者にとって「8枚の損」とも考えられる。
そこで、このような場合には、リールの自動停止が行われる場合にも、遊技者にとって「損」とならないように制御を行うようにするものである。
具体的には、ゲームが開始し、内部抽選処理によってリールの自動停止制御によって取りこぼしが発生する可能性のある当選役(例えば、押し順ベル等)に当選した場合には、リール41を自動停止させる場合には、特定の図柄組合せ(取りこぼし目)を停止表示させる。
そして、その特定の図柄組合せ(取りこぼし目)の停止により、以降の遊技状態を、例えば所定のRT(図4参照)に移行させるように制御する。この場合、RTに移行する特定の図柄組合せは、リールの自動停止時にのみ停止表示される組合せとする。
なお、自動停止によって移行するRTのゲーム数は、当選役に対応する払出枚数で行えるゲーム数以下のゲーム数とすることが好ましい。
例えば、当選役が9枚払い出しの押し順ベルであれば、RTゲーム数は3ゲーム以下にする。
このように、第1のパターンによれば、自動停止時限定の特定図柄からRT移行などの遊技者に有利となる制御を行うことで、自動停止によって取りこぼされた小役等のメダルの払い出し分を補填(取りこぼし分のベースUP)することができるようになる。
[第2のパターン]
図7は、リール自動停止制御の第2のパターンの説明図である。
同図に示すように、第2のパターンでは、ゲームがスタートしてリール41が回転を開始した後、所定時間(例えば30秒)経過後、例えば遊技者による停止ボタン5の操作など、あるトリガーによって自動停止を実行させるようになっている。
従来から、スロットマシン等の遊技機において、リールの自動停止制御が行われる場合があった。しかしながら、これまでの自動停止制御は、単にリールの回転開始後、停止操作が行われないまま一定の時間が経過すると、リールがそのまま停止されるというものに過ぎず、自動停止を用いた面白い演出等は存在していなかった。
そこで、第2のパターンでは、単にリールを自動停止させるのではなく、リールの自動停止制御によって、遊技者に対する演出効果を付与するものである。
具体的には、図7に示すように、リールの自動停止条件成立となる所定時間(例えば30秒)が経過するまで、停止ボタン5の操作を無効とする「フリーズ」制御を行い、30秒経過後は、最初に停止ボタン5が操作されて一のリール41が停止(第一回胴停止)されたタイミングで、他の全てのリール41を、順次又は同時に自動停止(第二・第三回胴停止)させる。なお、ここでいう第一回胴とは、最初に停止されるリールを指し、第二回胴及び第三回胴とは、2番目・3番目に停止されるリールを指す。したがって、図7では、左リール=第一回胴、中リール=第二回胴、右リール=第三回胴となっているが、これに限定されるものでないことは勿論である。
このように、リールの変動開始時から所定時間(30秒)以上の特定時間(例えば31秒)の間、遊技者によるリールの停止操作を無効にすることで、強制的に自動停止を発生させる制御を行うことができる。
これによって、停止操作の無効期間終了後、遊技者が停止操作を行うことで、一のリールが停止し、当該リールの停止操作に基づいて、他のリールが自動停止されるようになる。
さらに、自動停止に基づいて停止される図柄の組合せを、例えば第1のパターンと同様に、RT等への移行を示す組合せとすることができる。
このように、第2のパターンによれば、フリーズ演出を組合せることにより、また、自動停止される図柄を用いてRT状態を遷移させることにより、遊技者に退屈な時間(自動停止の待ち時間)を感じさせず、速やかにRT状態に遷移・移行させることが可能となり、自動停止を用いることで新たな演出の幅を設けることができるようになる。
[第3のパターン]
図8は、リール自動停止制御の第3のパターンの説明図である。
同図に示すように、第3のパターンでは、例えばボーナス役などの特定の当選役に当選した場合に、そのゲームにおいてリールの自動停止制御が行われた場合には、当選役の当選などを報知する特定の演出を実行させるものである。
一般に、ビッグボーナス(BB)等の遊技者に有利な特定の当選役に当選した遊技において、リールが自動停止制御された場合、停止表示される図柄はその当選役に入賞しない図柄の組合せ(こぼし目)となる。このため、遊技者は有利な当選役に当選したことに気づかない場合がある。
また、リールが自動停止される場合には、当選役への入賞を外すようにリールが停止制御されるため、例えば、通常のリールの滑りコマ制御である190ms以上の滑りコマ制御を行うことも可能となり、リールを用いた回胴演出を可能とする区間・パターンを増やすことが可能となる。
そこで、第3のパターンでは、BBなどの特定役の当選時にリールが自動停止した場合に、自動停止開始以降に特定演出を実行することで、自動停止が行われたこと、及び、自動停止により特定役を取りこぼしたことを示唆することにより、遊技者が特定役の当選したことを気付き易くするようにしてある。
具体的には、例えば、小役又はボーナス役が当選した遊技において、リール41が自動停止された場合には、特定の演出を実行する制御が行われる。
ここで、「特定の演出」としては、図8(a)、(b)に示すように、例えば以下のようなパターンがある。
・自動停止後の操作時に画像や音声・ランプ点灯などの告知を行う(図8(a)参照)。
・自動停止後、次の遊技が開始されるまで告知を継続させる(図8(a)参照)。
・自動停止時に、通常よりも長い190ms以上の滑りコマを用いた回胴演出(5コマ以上滑って停止する演出)を行う(図8(b)参照)。
このように、第3のパターンによれば、リールの自動停止制御によって、特定の当選役に当せんに気づきやすくすることができ、これによって、遊技者が「損」をすることを少なくすることができる。
また、演出の条件・態様が増えることで、演出のバリエーションが増加し、より面白みのある遊技を提供できるようになる。
すなわち、リールを用いた回胴演出は、基本的にリールの回転開始から定速回転となるまでしか行うことができないが、自動停止を利用することで定速回転後に回胴演出を行うことが可能となり、従来には存在しない回胴演出が実現可能となる。
[第4のパターン]
図9は、リール自動停止制御の第4のパターンの説明図である。
同図に示すように、第4のパターンでは、例えば「チェリー役」のように、一つのリールで停止表示されると入賞となる当選役について、リールの自動停止制御とそれを利用した演出等を実行できるようにするものである。
上述のとおり、リールを自動停止させる場合には、入賞図柄を外さなければいけないことから、例えば図9(a)に示すような「チェリー役:チェリー・ANY・ANY」(ANYは図柄不問)のように、一つのリールで停止表示されると入賞となる当選役について、停止ボタン5によって「チェリー」図柄が停止(第一停止)された場合には、その後に自動停止(第二・第三停止)を行うことができなくなる。
そこで、第4のパターンでは、上記のような「チェリー役」の図柄組合せとして、第一回胴で「チェリー」が停止されたときに、3つ目の停止で入賞図柄の組合せを回避可能とするために、第三図柄を「特定図柄」として設定するようにしている。
具体的には、図9(b)に示すように、例えば「チェリー役」の入賞図柄を、「チェリー・ANY・特定図柄以外の図柄」と設定し、第一停止で「チェリー」が停止された後に、残りのリール41を自動停止する場合には、「チェリー・ANY・特定図柄」となるように停止制御を行うようにする。
このように、入賞役の図柄組合せに、「特定図柄以外の図柄」を設定し、その特定図柄は手動停止の場合には停止せず、自動停止の場合にのみ停止表示可能に制御することで、上記のような「チェリー役」と自動停止制御の両立を可能とすることができる。
また、この場合にも、上述し第1、第2のパターンと同様に、自動停止制御で停止表示される図柄組合せ(チェリー・ANY・特定図柄)が停止された場合には、RT等へ移行制御を実行することもできる。
[第5のパターン]
図10は、リール自動停止制御の第5のパターンの説明図である。
同図に示すように、第5のパターンでは、リールの自動停止制御が行われる場合には、手動操作によるリールの停止態様とは異なる態様で停止させるようになっている。
リールを自動停止する場合に、通常の手動操作による場合と同様に、例えば図10(a)に示すように、リールが「左・中・右」の順番に順次停止されると、その停止態様だけでは、手動停止と自動停止の区別がつかず、遊技者によっては自動停止が行われたことを認識できないような場合もあり得る。
そこで、第5のパターンでは、リールを自動停止させる場合には、通常の手動操作による停止とは異なる停止態様とすることにより、遊技者に対してリールが自動停止されたことを確実に認識できるようにする。
具体的には、リール41を自動停止させる場合には、例えば図10(b)に示すように、自動停止前の変動速度をリール毎に異ならせ、その後全リールを同時に停止させたり、図10(c)に示すように、回転中の全リールを同時に停止させたり、あるいは、全リールの停止を同時に開始させたりすることができる。なお、図10(b)に示すように、リール毎に変動速度を異ならせる場合、例えばリール毎に異ならせてハズレ目の準備をし、ハズレ目の準備完了後に自動停止を開始することで実現が可能となる。
このように、第5のパターンでは、自動停止時のリールの停止態様を、手動停止時のリール停止態様と異ならせることで、自動停止が行われたか否かを遊技者に確実に報知することができる。
[第6のパターン]
図11は、リール自動停止制御の第6のパターンの説明図である。
同図に示すように、第6のパターンでは、リールの自動停止時に、音声を発生させるようにしてある。
遊技者の中には、スロットマシンにおいてリールが自動停止されることを知らずに、停止ボタン5の操作を、じっくりと時間をかけて行おうとする場合もあり得る。
また、例えば初心者や技量の低い遊技者などは、所謂「目押し」が遅く停止操作を完了するまでに時間がかかる場合も少なくない。
このような遊技者に対しては、図11(a)に示すように、所定時間(例えば30秒)経過後、直ちに自動停止を実行することは好ましくない場合もあり得る。
そこで、第6のパターンでは、図11(b)に示すように、リール41の自動停止が行われることを示す音声、例えば「自動停止が開始されます」というメッセージ音声や、「エラー音」と同様の警告音などを、スピーカ9を介して出力させる制御を実行する。
これによって、遊技者に対して、リール41が自動停止されることを認識させることができ、停止操作を促したり、不意打ち的な自動停止が行われることを防止したりすることが可能となる。
したがって、このような報知音声は、自動停止が実行される前に報知するものとし、特に、手動操作を行うか否かを判断できるように、自動停止開始より一定時間前(例えば5秒前)に報知することが好ましい。
[第7のパターン]
図12は、リール自動停止制御の第7のパターンの説明図である。
同図に示すように、第7のパターンでは、上述した第6のパターンと同様に、リールの自動停止制御が行われることの報知を行うものであり、特に、その報知を自動停止の開始前に「段階的」に報知するものである。
リールの自動停止が行われることが報知されても、自動停止が行われるまでの時間を把握できない場合、遊技者は手動操作を行うべきか否かの判断に焦り等が生じ、迷っている間に意図せず自動停止が実行されてしまうようなことも起こり得る。
そこで、第7のパターンでは、リール41の自動停止が行われることを、自動停止開始前に、段階的に報知するようにしている。
具体的には、リールの回転開始から一定時間が経過すると、例えば表示器8において、図12に示すように、「自動停止まで「60秒」です」と文字を表示して、残り時間を「60秒→59秒→58秒・・・」というようにカウントダウン表示させたり、スピーカ9から「○○秒後に自動停止が行われます」と音声を出力させたりすることができる。
このように自動停止が実行されることを、自動停止開始前に「段階的」に報知することで、遊技者は、自動停止が行われるまでの時間を明確に把握することができ、また、例えばリールを回転させたまま離席等するユーザーに対して、リールが自動停止することの予告(警告)を発することができるようになる。
[第8のパターン]
図13は、リール自動停止制御の第8のパターンの説明図である。
同図に示すように、第8のパターンでは、スロットマシン1における遊技状態が有利区間(図5参照)である場合において、リールの自動停止が行われた場合には、その有利区間の遊技状態を終了(リセット・初期化)させる制御を行うものである。
上述したように、スロットマシン1の遊技状態のうち、遊技者に有利な遊技状態となる有利区間は、終了条件として、例えば最大ゲーム数や最大払い出し枚数などが決められている。このため、有利区間の終了間近で前回遊技していた遊技者が遊技を終了した場合に、その(残り僅かな)有利区間の状態を次の遊技者が引き継ぐことになると、その引き継いだ遊技者は本来の有利区間のゲーム数や獲得メダル等の利益が得られず損をしてしまう可能性がある。
また、遊技を終えて帰ろうとする遊技者の中には、残存している有利区間をリセットして、通常区間に遷移させた状態で離席・帰宅したいと考える場合もある。
そこで、第8のパターンでは、スロットマシン1で実行される有利区間の終了条件となる例えば最大ゲーム数(1500ゲーム等)の経過時に行われる、有利区間に係るデータをすべて初期化する処理を、有利区間中にリール41の自動制御が行われたタイミングでも実行するようにして、「自動停止→有利区間終了」の制御を行うようにしてある。
具体的には、図13に示すように、スロットマシン1において遊技状態が有利区間である状態において、遊技者がリール41の回転中に停止ボタン5の操作を行わないことにより、例えば所定時間(30秒等)が経過してリール41の自動停止制御が実行されると、そのタイミングで、有利区間の初期化処理が実行され、遊技状態が有利区間から通常区間に移行する制御が行われる。
このように、第8のパターンでは、有利区間中にリール41の自動停止制御が行われることで、有利区間のリミッタ到達時に実行する初期化処理を実行することができ、これによって、例えば遊技者が任意のタイミングで有利区間を終了させることができるようになる。
なお、このような制御は、例えば、有利区間中における内部抽選処理より特定役が当選し、かつ、リール41の自動停止時に特定のRTに移行させる図柄組合せ(出目)が導出されるように設定し、「特定のRT移行=有利区間の初期化処理実行」という制御を実行することで、リールの自動停止制御をトリガーとして有利区間の初期化処理を実行することができる。
このようなリールの自動停止を契機として有利区間の初期化を可能とすることにより、例えば、「自動停止を行う=遊技者が遊技機を離れてしまった(離席でなくやめてしまった)」と判断して有利区間を終了させることができ、その次に遊技を行おうとする遊技者に対して平等な状態(通常区間からスタート)を提供することができるようになる。
[第9のパターン]
図14は、リール自動停止制御の第9のパターンの説明図である。
同図に示すように、第9のパターンでは、スロットマシン1における遊技状態が有利区間(図5参照)である場合には、リール41の自動停止制御を行わないようにするものである。
上述のとおり、リールを自動停止させる場合には、例えばベルなどの入賞役を外す制御を行わなければならないようになっている。
ところが、入賞役を外した所謂「こぼし目」と呼ばれる停止図柄は、RTの変動(遷移)の契機として設定される(図4参照)ことがあり、自動停止によって「こぼし目」が停止表示されることで、RTが変動してユーザーに損失を与えてしまう可能性がある。
そこで、第9のパターンにおいては、図14に示すように、スロットマシン1の遊技状態が有利区間にある場合には、リール41が回転を開始して所定時間(30秒等)が経過した場合にも、リール41の自動停止制御を行わないようにする。一方、遊技状態が非有利区間である場合には、上述のようなリール41の自動停止制御を行うようにする。
これによって、有利区間中において、リールの自動停止に伴う特定の図柄組合せ(こぼし目)が停止表示されることを防止して、そのような特定の図柄の停止表示に基づくRTの変動制御が実行されないようにすることで、遊技者に不測の損失等を与えてしまうことを防止できるようにする。
したがって、第9のパターンにおける「特定の図柄組合せ」は、自動停止によって導出され、かつ、それによってRT状態が変動(終了)される図柄組合せであることが条件となる。また、この第9のパターンにおいては、「遊技状態が有利区間でないこと」が、本発明に係る自動停止条件に含まれることになる。
[第10のパターン]
図15は、リール自動停止制御の第10のパターンの説明図である。
同図に示すように、第10のパターンでは、例えば、上述したART中のように、停止ボタン5の押し順についてのナビゲーションが行われるゲームにおいては、リール41を自動停止させる場合には、ナビゲーションで報知される押し順とは異なる順番によってリール41を停止させるように制御するものである。
ARTなどにおいて、押し順ナビが報知されている場合に、自動停止されるリールの停止順がナビの押し順が一致していると、図15(a)に示すように、遊技者に対して「ナビに正解しているのに役が揃わない?」といった、違和感などを与えてしまうおそれがある。
すなわち、「自動停止=必ずはずれ目が出る」という制御が行われることを知らない遊技者も少なからず存在する。
そのような遊技者にとっては、例えば、図15(a)に示すように、ナビが「左→中→右」と報知している場合(順押しナビ)に、自動停止されるリールが「左→中→右」の順に停止制御されて「はずれ目」が停止表示されると、「普段は押し順に従うだけで入賞役(ベルやリプレイ等)を引込むことができるのに、おかしい?故障か?」といった違和感や疑問などを抱く可能性がある。
そこで、第10のパターンでは、図15(b)に示すように、ARTやATなど、停止ボタン5の押し順が報知されるゲームにおいては、押し順役の当選時に押し順ナビを報知するとともに、押し順役当選時に自動停止制御が行われる場合には、押し順ナビが示す停止順序とは異なる停止順序でリールを停止させるように制御する。
これによって、押し順ナビ通りにリールが停止したにも関わらず、メダルの払出しが行われないという事象が発生しないようにするとともに、自動停止されるリール41が、押し順ナビとは異なる停止順で停止することで遊技者に違和感等を与えることを無くすことができるようになる。
[第11のパターン]
図16は、リール自動停止制御の第11のパターンの説明図である。
同図に示すように、第11のパターンは、上述した第9のパターンの応用例であり、スロットマシン1における遊技状態が有利区間(図5参照)であって、かつ、遊技状態がRTである場合には、リール41の自動停止制御を行わないようにするものである。
第9のパターンでも示したとおり、リールを自動停止させる場合には、例えばベルなどの入賞役を外す制御を行わなければならないようになっている。
そして、入賞役を外した「こぼし目」は、RTの変動契機として設定されるため定義されることがあるため、自動停止を発生させることによって遊技者に損失を与えてしまう可能性がある。
一方で、有利区間中であってもリプレイ確率が低い状態(非RT)のとき(例えば、表面上は通常又は高確又は前兆中などの場合)は、リールを自動停止させても、「こぼし目」が導出される確率も低く、逆に、リプレイ確率が高い状態(RT)のとき(例えば、○○RUSH中、特化ゾーン中等)は、リールを自動停止させると、「こぼし目」となる確率も高くなることになる。
そこで、第11のパターンにおいては、図16(a)に示すように、スロットマシン1の遊技状態が有利区間にある場合であって、かつ、遊技状態がRTである場合には、リール41の自動停止制御を行わないようにする。
これによって、有利区間中に高い確率で導出される可能性のある自動停止に伴う「こぼし目」が停止されることを防止して、RTを変動させないようにすることによって、遊技者に損失を与えてしまうことを防止できるようにする。
なお、本パターンのように、有利区間中であって、かつ、RT状態である場合にのみ、リールの自動停止を行わないことにより、例えば、有利区間中で、かつ、ARTの潜伏状態を示す所謂「本前兆中」である場合にはリールの自動停止は行われないことになる。
このような有利区間中かつ本前兆中は自動停止を行わないことを利用して、例えば、図16(b)に示すように、表示器8などで確定演出等を実行させることができ、リールを「自動停止する/しない」を遊技状態によって選択することで、隠し演出的な演出も実行することができるようになる。
すなわち、有利区間中で、かつ、本前兆中である場合には、リールの自動停止が行われないため、有利区間中の本前兆中においては、リールの自動停止が行われるガセ前兆中において自動停止が開始するタイミングと同じタイミングで専用演出等を行う事により、本前兆中であることを遊技者に示唆することができるようになる。
[第12のパターン]
図17は、リール自動停止制御の第12のパターンの説明図である。
同図に示すように、第12のパターンでは、上述した第6、第7のパターンと同様に、リールの自動停止制御が行われる場合には、警告等の報知を行うようにするものである。
第10のパターンでも述べたように、AT、ARTなどにおいて、押し順ナビが報知されている場合に、自動停止されるリールの停止順がナビの押し順が一致していると、図17(a)に示すように、遊技者に対して「ナビ通りに止まったのに役が揃わない?」といった、違和感などを与えてしまうおそれがある。
そこで、第10のパターンでは、ARTやATなど、停止ボタン5の押し順が報知されるゲームにおいては、押し順ナビが報知される当選役(押し順役)に当選した場合に、自動停止制御が行われるときには、図17(b)に示すように、事前又は事後に、リール41の自動停止が行われる/行われたことを示す音声やメッセージ、例えば「自動停止を行います」といった報知・警告を実行させる。
これによって、押し順ナビ通りにリールが停止した場合に、入賞役が揃わず、メダルの払出しが行われない場合にも、「自動停止だとはずれるんだ」と遊技者を納得させて、違和感等が生じることを防止することができる。
[第13のパターン]
図18は、リール自動停止制御の第13のパターンの説明図である。
同図に示すように、第13のパターンでは、上述した第9、第11のパターンと同様に、リールの自動停止によってRTが変動・終了してしまうことを防止する目的で、RT中に、リール41の自動停止制御を行う場合には、例えば「ベルこぼし目」等の、小役の取りこぼしによってRTが変動してしまう特定図柄がある場合は、RTの変動しない非特定図柄(はずれ目)が揃うようにリール41の停止制御を行うようにする。
上述のとおり、リールの自動停止を行うことによりRT状態が転落してしまうと、その自動停止の遊技だけでなく次回以降の遊技にもユーザーに損失を与えてしまうおそれがあった。
そこで、第13のパターンでは、図18に示すように、スロットマシン1の遊技状態がRT中において、内部抽選処理の結果、特定役に当選して押し順不正解で停止表示される「こぼし目」により当該RTが終了してしまう制御が行われる場合に、その特定役の当選時にリール41を自動停止する場合には、当該「こぼし目」とは異なる図柄組合せの出目(はずれ目)を停止表示させるようにする。
これによって、リールの自動停止によってRT転落が生じすることを防止でき、RTを延命させて遊技者に損失を与えないようにすることができる
[第14のパターン]
図19は、リール自動停止制御の第14のパターンの説明図である。
同図に示すように、第14のパターンでは、例えば、遊技状態がART中のように、押し順当て遊技が行われる場合に、その押し順当て遊技中に、リール41を自動停止制御が行われた場合には、自動停止として定義・制御されているリール41の停止順(例えば「左→中→右」等)を、遊技者が選択した押し順として認識し、押し順当ての正解の当否を判定するものである。
ARTなどにおいて、押し順当て遊技が行われる場合に、自動停止されたリールの停止順によって押し順当ての遊技を無効・不正解としてしまうと、遊技仕様などによっては意図しない結果を生むことになってしまう。
例えば、「ゲーム間転落無しでART再突入!」というようなゲーム性の遊技状態が実行されている場合に、「リールの自動停止→はずれ」で延命ができてしまうと、ゲーム性が崩壊してしまう可能性がある。
また、リールの自動停止を行った遊技自体を無効にすると、現在は有利区間があるので有利区間ゲーム数を無駄に消化してしまうことになる。
そこで、第14のパターンでは、スロットマシン1の遊技状態がARTなどにおいて、押し順当て遊技が行われる場合に、当選役に応じて、リール41自動停止する際の停止出目を異ならせるように制御し、停止出目にはRT状態を維持する出目と、RT状態を転落させる出目が含まれるようにする。
具体的には、図19に示すように、当選役には、一の押し順(例えば、左→中→右)で入賞する特定役(例えば、押し順ベル1等)と、他の押し順(例えば、中→左→右)で入賞する特別役(例えば、押し順ベル2等)が含まれるように設定し、特定役に当選した場合には、リール41が自動停止されるとRT状態が維持される一方、特別役当選した場合には、リール41が自動停止されることでRT状態が転落するようにする。
このような制御により、リールの自動停止が行われる場合に、遊技者の選択した押し順を自動停止と同じ押し順として扱うことが可能となり、ゲーム性のバランスを保つことができるとともに、遊技者が自動停止を選択することにより、一種の「運試し」のような演出が行われることになり、遊技の興趣を高めることが可能となる。
[第15のパターン]
図20は、リール自動停止制御の第15のパターンの説明図である。
同図に示すように、第15のパターンでは、スロットマシン1の遊技状態が、同一の条件装置で、RTの昇格・転落によりARTが制御・管理される場合(図5参照)において、ARTの抽選状態(有利区間等)に応じて、リール41の自動停止によって導出される停止出目を変更する制御を行うものである。
上述した第2のパターンでも述べたとおり、従来のリールの自動停止制御は、単にリールの回転開始後に一定時間が経過するとリールが停止されるというもので、自動停止を用いた面白い演出等は存在していなかった。
そこで、第15のパターンでは、遊技状態がARTの場合に、自動停止によって導出されるリール41の図柄組合せ(出目)を、ARTの抽選状態に応じて異ならせることで、斬新な遊技性を提供し、遊技の興趣を向上させることができるようにするものである。
具体的には、図20(a)に示すように、ART(有利区間)の抽選により、内部的にARTが確定している状態では、リール41を自動停止させることで、遊技者が不利とならないように、RTの状態が変動しないような出目で自動停止させる(特定図柄を停止させない)。一方、ART(有利区間)の抽選により、内部的にARTが確定していない状態においては、図20(b)に示すように、リール41を自動停止させることで、遊技者が有利とならないように、RTの状態が変動させる出目で自動停止させる(不利な状態に移行する特定図柄を停止させる)。
また、図20に示す場合の他、例えばART中に獲得・付与される権利(例えばナビストック等)の有無に応じて、ART中に自動停止されるリール41の停止出目を異ならせることができる。例えば、同じ当選役であっても、「ナビストック有り」のときには、RTが維持される出目を停止表示させ、「ナビストック無し」のときには、RT転落出目を停止表示させるようにする。
以上のような制御を行うことで、ARTの遊技自体の面白さに加えて、リール41を自動停止させた場合/させなかった場合によるゲーム性を付与することができ、より興趣に富んだART遊技を提供することができる。
また、上述した「ARTが内部的に確定している状態」や「ナビストック有り」の場合には、RTが維持される出目が自動停止されることで、例えば遊技者が離席等して停止ボタン5の操作を行わなかった場合にも、RTが維持され、遊技者が不測の損害を被ることを防止できるようになる。
[第16のパターン]
次に、第16のパターンとして、上述した第1〜第15のパターンのリール自動停止制御に組み合わせて実行することができる、その他のリールの停止制御や演出制御などのパターンについて説明する。
(1)ねじりによる当選役告知
図21は、第16のパターンの一例として、所謂「ねじり」による当選役告知を行う場合の説明図である。
同図に示すように、この制御パターンでは、遊技者が停止ボタン5による停止操作を行う場合に、最後の停止ボタン5の操作(第三停止)時に、停止ボタン5を「ねじる」ことにより、小役等の内部抽選処理の結果を告知するものである。
スロットマシン遊技においては、図21(a)に示すように、停止ボタンを操作する遊技者が、第一停止→第二停止→第三停止と停止操作を行った後、第三停止ボタンから指を離さずに、第三停止ボタンを長押ししたり、長押しする指を「ねじる」といった操作を行う場合があった。これは、第三停止ボタンから指を離したタイミングで、何らかの報知や演出が実行されることを期待する遊技者の心理に基づく行動であるが、従来のスロットマシンでは、第三停止ボタンを長押ししたり「ねじる」ことによっても、報知や演出等が行われることはなかった。
そこで、第16のパターンでは、上記のような第三停止ボタンが長押しされたり「ねじる」ことが行われた場合に、その長押しや「ねじり」の時間などに応じて、例えば図21(b)に示すように、演出ランプを点灯させたり、図21(c)に示すように、演出音声を出力させることができる。
このような第三停止ボタンの長押しや「ねじり」は、停止ボタン5に備えられる押下センサや回転センサなどによって、長押しの時間や「ねじり」の角度や回数を検出することができ、それらに応じて、報知演出等を実行させたり、させなかったりすることが可能となる。
このような演出を行うことで、例えば、小役を取りこぼしたような場合でも、どの小役を取りこぼしたのかを遊技者に知らせることができる。
また、このような演出報知により、例えば、目押しができず、小役を頻繁に取りこぼす遊技者であっても、小役とボーナスが重複当選した場合や、重複当選に設定差がある場合などにも、重複当選を察知等できるようになる。
さらに、「ねじり」が行われた場合でも、告知が実行される場合と、告知が実行されない場合を設け、告知が行われた場合の方が、ボーナスとの重複率が高くなるように制御することにより、いち早く重複当選したか否かを知りたい遊技者は、必死にねじるようになる。
(2)前ゲームの停止位置参照演出
また、本実施形態に係るスロットマシン1では、例えば、今回のゲームでボーナスに当選した場合、枠上に7図柄が揃っている状態で前ゲームが終了しているか否かを判定することができる。
具体的には、枠上に7図柄が揃っている状態で前ゲームが終了していると判定した場合には、今回のゲームにおいてリール回転直後、全リールを1コマずつ下方にずらしてから(上段の有効ラインに7図柄が揃った状態にしてから)、リールを所定時間仮停止させ、その後、全リールの変動を再開することで、7が落下してきたかのようなインパクトのある演出を行うことができる。
(3)カラ回しによる外部出力
また、本実施形態に係るスロットマシン1では、リールの自動停止制御が行われない場合において、所定時間(例えば2分間)リールが回転を継続している場合、所定の信号を外部出力することで、所謂「カラ回し」が行われていることを、店員等に知らせるようにすることができる。
ここで、「カラ回し」の際に出力される信号は、例えばワンショットタイプでもよいし、所定時間経過以降継続して出力するタイプでも良い。
このような「カラ回し」の検出・報知は、特に、リールの自動停止制御が行われたり行われなかったりする場合、例えば、上述した第9、第11のパターンと組み合わせることで、より効果を上げることができる。
以上説明したように、本実施形態に係るスロットマシン1によれば、特定役(例えば、「ベル」等)の当選時において、遊技者による停止操作を受け付けることにより図柄が停止する場合には、メダルが払い出される特定の組合せで図柄が停止される一方、図柄が自動停止する場合には、メダルが払い出されない非特定の組合せで図柄が停止されるリール自動停止制御が行われるようになる。
そして、上記のように自動停止制御が行われることに基づいて、所定の演出(例えば、リール演出、液晶演出等)や遊技状態の移行等を実行することができる。
これによって、本実施形態のスロットマシン1では、以下のような作用効果を発揮することができる。
例えば、特定役に当選した場合において、図柄が自動停止した場合には、メダルが払い出される組合せで図柄を停止することから、図柄が自動停止する場合であっても、遊技機本来の楽しみを奪わないようにすることができるため、興趣の低下を防止することができる。
また、所定の演出を実行せずに図柄が自動停止してしまうと、図柄が突然停止したように見えてしまうことから、遊技機が故障したという印象を遊技者に与えてしまうおそれがあるが、本発明では、自動停止が行われることに基づいて、所定の演出が実行されることから、自動停止が行われることを遊技者に認識させることができ、遊技機が故障したという印象を遊技者に与えないようにすることができる。
これに対して、上述した特許文献1には、特定役に当選した場合、図柄が自動停止する/しないに関わらず、メダル等の所定の利益が付与される特定の組合せで図柄を停止する遊技機が開示されている。
このような遊技機では、停止操作をしなくても所定の利益が付与されてしまうため、遊技者が特定の組合せで図柄が停止するように停止操作をすることによって所定の利益を獲得する、という遊技機本来の楽しみを奪ってしまっていた。
本発明は、上記問題を鑑みてなされた発明であり、図柄が自動停止する場合であっても、遊技機本来の楽しみを奪わないようにすることで、興趣の低下を防止することができるものである。
このように、本実施形態に係るスロットマシン1によれば、従来の遊技機が改善すべきこのような課題の全部又は一部などを解決することができる。
以上説明した第1実施形態に係る発明において、以下の事例を変形又は応用実施形態として適用することもできる。
例えば、本実施形態では、本発明に係る演出実行手段、報知手段としてきの機能・動作を副制御部20が行う場合を例にとって説明したが、それらの一部又は全部を主制御部10が行い、主制御部10が演出実行手段や報知手段として機能・動作するように構成することもできる。
また反対に、主制御部10が本発明に係る抽選手段、停止表示制御手段、遊技価値付与手段、特定状態制御手段、遊技状態制御手段、遊技回数係数手段、特定権利消去手段など各種手段として機能・動作する場合を例にとって説明したが、これらの一部又は全部を副制御部20が行い、副制御部20が各種手段として機能・動作するようにすることもできる。
また、本発明をスロットマシンに適用したがパチンコ(例えば、玉スロ)などその他の遊技機に適用することもできる。
また、メダル、遊技球等の現物の遊技媒体を用いることなく、データ形式の擬似遊技媒体を用いてゲームを実行可能な、いわゆる封入式遊技機にも、本発明を適用することができる。
さらに、本実施形態では、可変表示手段としてモータにより駆動制御されるリールを用いたが、これに代えて又はこれに加えて、液晶表示器などの表示器8にリール等の図柄が変動する画像を表示させることにより、表示器を識別情報の可変表示手段として用いることもできる。
[第2実施形態]
次に、本発明に係る遊技機の第2実施形態について、図22〜図39を参照して説明する。
まず、図22を参照して、第2実施形態におけるスロットマシン1001の全体構成を説明する。図22に示すように、スロットマシン1001は、筐体(図示省略)に軸着され、筐体の開口部を開閉可能に覆う前扉1001aを備えている。
前扉1001aの上部には、中央に開口窓部が形成された表示器前面枠1017が備えられている。表示器前面枠1017の後方には、例えば、液晶表示器から構成され、遊技に応じた表示による演出や各種報知情報など、複数の情報を表示可能な表示手段としての表示器1008が備えられている。この表示器1008は、表示領域が表示器前面枠1017の開口窓部から前方に臨んだ状態で配設されている。表示器1008の左右には、音による演出や報知を行うスピーカ1009と、発光による演出や報知を行うランプ1011が備えられている。
また、表示器1008の一側方(正面視右側)には、例えば、液晶表示器から構成され、表示器1008と同様に遊技に応じた表示による演出や情報表示を行う補助装置として例示する補助表示器1019が隣設されている。また、補助表示器1019の下方には、遊技者が操作可能な補助装置として例示する上部演出ボタン1002f(特定操作手段)が備えられている。この上部演出ボタン1002fは、遊技者が前後方向に押圧操作可能に構成されている。
一方、表示器1008の他側方(正面視左側)には、モータ等の電気的駆動源(図示省略)の作動により動作する補助装置として例示する可動役物装置1018が隣設されている。可動役物装置1018は、表示器前面枠1017の後方に配されていて、可動役物装置1018には電気的駆動源の作動により動作する可動役物1018aが備えられている。この可動役物1018aは、常態(第1状態)では、表示器前面枠1017に隠れて前方から視認不能になっているが、電気的駆動源の作動により可動役物1018aの一部が、表示器1008の表示領域の前方に突出して、前方から視認可能な状態(第2状態)に変換される。なお、以下、スロットマシン1001を正面視した状態で左右方向を示す。
前扉1001aの中央部には、装飾のための絵柄等が描かれた前面パネル1014が配され、この前面パネル1014の中央部には、後方を視認可能な(例えば、透明の)表示窓1006が形成されている。この表示窓1006を透して、筐体に備えられたリール1041の図柄を視認可能にしている。
また、表示窓1006の上方には、遊技者に停止ボタン1005の操作順序をナビゲートするナビランプ1012が備えられている。また、表示窓1006の下方には、遊技状態が後述するART等の遊技者にとって有利な特定遊技状態である旨を報知する有利区間ランプ1013が備えられている。
前面パネル1014の下方には、前側に突出する段部が形成されており、この段部の上面には、メダルセレクタ1002b(図23参照)の上流側に位置してメダルを投入するメダル投入口1002と、ゲームの開始に際して遊技者の押下操作によりベット数を設定するベットボタン1002aと、ゲームの進行には影響を及ぼさないが、遊技者による押下操作により、表示器1008における画像演出等に変化を与えることが可能な演出ボタン1002dが備えられている。
演出ボタン1002dは、上部演出ボタン1002fよりも当該スロットマシン1001で遊技する遊技者(遊技者の手)に近い位置に配設されている。したがって、上部演出ボタン1002fを遊技者が操作する際には、演出ボタン1002dよりも操作する手を伸ばす必要がある。
なお、上部演出ボタン1002fの操作性を向上させるために、上部演出ボタン1002fをスロットマシン1001の最前方となる位置に配設するようにしてもよい。例えば、スロットマシン1001を左側方側から見た場合に、上部演出ボタン1002fの前端部が、他のどの構成物よりも最も右側に突出するように配設するのである。
段部の下方には、遊技者がゲームを開始する際に操作するスタートレバー1003と、遊技者がリール1041を停止する際に押下操作する停止ボタン1005が備えられている。
また、前扉1001aの下部には、メダルが払い出されるメダル払出口1007bが備えられている。
筐体の上部には、遊技を統括的に制御する主制御部1010と、この主制御部1010の制御下で遊技の演出等に関する制御を行う副制御部1020とが備えられている。
また、筐体のほぼ中央部には、リール1041を回転駆動させるドラムユニット1004が備えられている。また、ドラムユニット1004は、リール1041は、リール1041a、リール1041b、リール1041cが水平方向に並設されて構成されていて、これらリール1041a〜1041cは、ステッピングモータ(図示略)の駆動によりそれぞれ回転可能に構成されている。また、各リール1041a〜1041cの外周面には、所定の配列に従って複数の図柄(識別情報)が配されていて、リール1041の停止状態において、各リール1041a〜1041cについて、連続する所定数(例えば、3つ)の図柄が表示窓1006を透して視認可能となっている。
また、前扉1001aの下部には、メダルの払い出しを行うメダル払出装置1007が備えられ、このメダル払出装置1007から払い出されたメダルはメダル払出口1007bを介して遊技者に払い出される。
筐体の上部には、遊技を統括的に制御する主制御部1010と、この主制御部1010の制御下で遊技の演出等に関する制御を行う副制御部1020を備えている。
また、筐体の中央部には、リール1041を回転駆動させるドラムユニット1004を備えている。ドラムユニット1004は、水平方向に並設されるリール1041a、リール1041b、リール1041cを備え、これらリール1041a〜1041cがステッピングモータ(図示省略)の駆動によりそれぞれ回転可能に構成されている。また、各リール1041a〜1041cの外周面には、所定の配列に従って複数の図柄(識別情報)が表され、リール1041の停止状態において、各リール1041a〜1041cについて、連続する所定数(例えば、3つ)の図柄が表示窓1006を透して視認可能となっている。
各リール1041a〜1041cには、例えば、「リプレイ」、「ベル」、「スイカ」、「チェリー」、「7」などの図柄がそれぞれ表されている。
また、筐体の下部には、メダルの払い出しを行うメダル払出装置1007を備え、このメダル払出装置1007から払い出されたメダルはメダル払出口1007bを介して遊技者に払い出される。
次に、図23を参照して、スロットマシン1001の制御構成について説明する。
図23に示すように、スロットマシン1001には、遊技を統括的に制御する主制御部1010と、主制御部1010からの制御情報に基づき、表示器1008等の制御を行う副制御部1020を備えている。
主制御部1010は、抽選手段の一例であり、各種演算処理等を行うCPU(図示省略)と、制御プログラムや制御データ等が格納されたROM(図示省略)と、各種データを一時記憶する記憶領域やCPUの作業領域等を備えた記憶手段としてのRAM(図示省略)等が備えられている。また。RAMの記憶情報をバックアップする機能が備えられている。
また、主制御部1010には、ベットボタン1002a、メダルセレクタ1002e、スタートレバー1003、停止ボタン1005(停止ボタン1005a〜1005c)、確率設定装置1015が接続され、各機器に内蔵されたセンサからの信号を入力可能に構成されている。
また、主制御部1010は、ベットボタン1002aからの信号に基づき、ベット数の設定処理を行う。また、主制御部1010は、ベット数の設定後、ゲームの開始条件として、スタートレバー1003からの信号に基づき、ゲームの開始処理や、乱数発生器(図示省略)からの乱数をサンプリングする処理等を行う。そして、主制御部1010は、サンプリングされた乱数に基づき、ART状態の抽選等の内部抽選処理を行う。
確率設定装置1015は、外部操作により、ボーナス役の当選確率値を変更するもので、主制御部1010は、確率設定装置1015からの信号に基づき、確率値の最も低い設定1から、確率値の最も高い設定6の6段階の設定値の何れかに設定する処理を行う。
また、主制御部1010には、ドラムユニット1004、メダル払出装置1007、有利区間ランプ1013、副制御部1020が接続され、各機器に対して信号を出力可能に構成されている。
主制御部1010は、停止ボタン1005からの信号に基づき、回転しているリール1041a〜1041cを停止させる処理を行う。
また、主制御部1010は、ゲームの終了時におけるメダルの払い出し条件の成立等に基づき、メダル払出装置1007を駆動させてメダルを払い出す処理を行う。
また、有利区間ランプ1013は、例えば、LEDで構成され、主制御部1010は、ART状態等の遊技者にとって有利な遊技状態が発生した場合に(有利区間中)、有利区間ランプ1013を点灯させる処理を行う。また、有利区間ランプ1013は、例えば、7セグの「ドット」部分等でもよい。
副制御部1020は、各種演算処理等を行うCPU(図示省略)と、制御プログラムや制御データ等が格納されたROM(図示省略)と、各種データを一時記憶する記憶領域やCPUの作業領域等を備えたRAM(図示省略)等が備えられている。また。RAMの記憶情報をバックアップする機能が備えられている。
また、副制御部1020は、表示器1008、スピーカ1009、ランプ1011、ナビランプ1012が接続されることにより、各機器に対して信号を出力可能に構成され、主制御部1010からの一方向のみで送信される制御情報に基づき、表示器1008において所定の演出の画像処理や、各種演出や報知を行うためのスピーカ1009の出力処置や、ランプ1011の点灯処理等を行う。
また、ナビランプ1012は、例えば、LEDで構成され、副制御部1020は、主制御部1010からの制御情報に基づき、ART状態等の遊技状態の発生中に、停止ボタン1005の操作順序をナビゲート(押し順ナビ)するためのナビランプ1012の点灯処理を行う。
また、副制御部1020は、演出ボタン1002d及び上部演出ボタン1002fの各々に内蔵されたセンサからの信号を入力可能に構成され、演出ボタン1002d及び上部演出ボタン1002fからの信号に基づき、表示器1008で行われている画像演出に変化を与える画像処理を行う。
また、演出ボタン1002d及び上部演出ボタン1002fの各々には、LEDが内蔵され、演出ボタン1002d及び上部演出ボタン1002fに内蔵されたLEDを発光させて、演出ボタン1002d及び上部演出ボタン1002fの操作が有効であることを報知する処理を行う。
また、スロットマシン1001では、スロットマシン遊技に同期した遊技演出も行われる。例えば、ART状態への移行を示す画像演出、ファンファーレ音、及びランプ演出などがそれぞれ、表示器1008、スピーカ1009、ランプ1011、及びナビランプ1012などの報知手段を介して出力される。
このような演出表示や報知は、副制御部1020により制御されるが、副制御部1020は、主制御部1010から所定の遊技タイミングごとに受信する制御情報に基づいてこれらの制御を行うことから、演出表示や報知は、主制御部1010及び副制御部1020により制御されることにもなる。
したがって、主制御部1010及び副制御部1020は、演出制御手段、操作画像制御手段、表示位置制御手段、操作指示画像制御手段を構成する。なお、演出制御手段、操作画像制御手段、表示位置制御手段、操作指示画像制御手段を主制御部1010或いは副制御部1020のうちの何れか一方で構成してもよい。
このようなスロットマシン1001は、主制御部1010による制御により、以下のようなスロットマシン遊技を実行可能に構成されている。
ゲームの開始にあたり、メダル投入口1002からのメダルを投入、或いはベットボタン1002aの操作によりクレジットメダルからベット数の設定を行う。
そして、ベット数が所定数(例えば、3枚)になったときに、ゲームの開始条件の一つが成立して、1回のゲームを実行可能な権利を保有するゲーム開始可能な状態となる。
このゲーム開始可能な状態では、スタートレバー1003の操作が有効な状態となる。この有効な状態において、スタートレバー1003が傾動操作されると、ゲームの開始条件の全てが成立して、ゲームが開始され、複数の図柄の表されたリール1041a〜1041cが変動を開始するとともに、リプレイ役、小役、ボーナス役などの複数の当選役(はずれを含む)の中から今回ゲームの抽選結果をリール1041の停止前に事前に決定する内部抽選処理が実行される。
内部抽選処理では、複数の当選役の中から今回ゲームの当選役を所定の当選確率に基づいて抽選により決定する。
各リール1041a〜1041cは、表示手段の一例であり、各リール1041a〜1041cの周面には、複数の図柄が所定の配列で表されており、停止状態から徐々に回転速度を上げた後、一定の速度で回転する定常回転に達する。
このような定常回転に達すると、各リール1041a〜1041cに対応して設けられた停止ボタン1005a〜1005cが押圧操作可能な状態となる。
この状態で各停止ボタン1005a〜1005cが押圧操作されると、その操作タイミングと内部抽選処理の抽選結果とにより許容される図柄の組合せで停止するように、各リール1041a〜1041cが停止制御される。
停止状態では、リール1041a〜1041cそれぞれに表された上下方向に連続する3つの図柄が表示窓1006から機外に臨むように停止(停止表示ということもある)し、このときの停止表示態様に基づいて入賞の有無が判定される。
入賞の判定は、表示窓1006内の上・中・下段のライン、右下がりのライン、右上がりのラインの計5ラインいずれかの入賞ライン上に停止した図柄の組合せに基づいて判定される。
小役、リプレイ役、ボーナス役等などの当選役の入賞は、このような入賞ライン上の図柄の組合せに基づいて判定される。
小役には、例えば、ベル役、スイカ役、チェリー役がある。
ベル役には、対応する図柄の組合せがそれぞれ異なる二つのベル役が設けられている。例えば、対応する図柄の組合せを、入賞ライン上の「左リール1041a・中リール1041b・右リール1041c」の順(以下同様)に、それぞれ「ベル・リプレイ・ベル」とする共通ベル役と、「ベル、ベル、ベル」とする押し順ベル役を設けることができる。
共通ベル役は、停止ボタン1005a〜1005cに対する操作順序(押し順という)に関係なく対応する図柄の組合せ(「ベル・リプレイ・ベル」)が停止する小役で、押し順ベル役は、特定の押し順に従うことにより対応する図柄の組合せ(特定態様、「ベル・ベル・ベル」)が停止する小役である。
さらに、押し順ベル役には、6通りある押し順(例えば、「1005a→1005b→1005c」,「1005c→1005b→1005a」など)のうちの1通りの押し順(特定の押し順)によって、停止ボタン1005a〜1005cが操作されることで、特定態様として、対応する図柄の組合せ(「ベル・ベル・ベル」)が停止表示される6つの押し順ベル役1〜6が設けられている。このような押し順ベル役1〜6は、他の5通りの押し順(特定の押し順以外の押し順)によって停止ボタン1005a〜1005cが操作されると、対応する図柄の組合せ(「ベル・ベル・ベル」)が停止表示されず、「ベル・ベル・リプレイ」などの他の図柄の組合せ(「ベルこぼし目」という)が停止表示されることになる。
なお、押し順ベル役に当選したときに、2、3番目に操作する停止ボタン1005を問わず、最初に操作する停止ボタン1005のみが特定の押し順に従っていれば、押し順ベル役に対応する図柄の組合せが停止するようにリール1041の停止制御を行うこともできる。また、押し順ベルは、6通りに限らず、3通りの押し順ベル1〜3を設けてもよい。
スイカ役は、対応する図柄の組合せを「スイカ・スイカ・スイカ」とする小役(レア役)であり、「スイカ・スイカ・スイカ」が上段ライン若しくは下段ラインに停止する弱スイカ役と、「スイカ・スイカ・スイカ」が右上がりライン若しくは右下がりラインに停止する強スイカ役とがある。
チェリー役は、対応する図柄の組合せを「チェリー・ANY・ANY」とする小役(レア役)であり、「チェリー」が左リール1041aの上段又は下段に停止する弱チェリー役と、「チェリー」が左リール1041aの中段に停止する強チェリー役とがある。
リプレイ役には、対応する図柄の組合せがそれぞれ異なる2つのリプレイ役が設けられ、対応する図柄の組合せを、「リプレイ・リプレイ・リプレイ」とする通常リプレイ役(以下、リプレイ役と称する)と、「リプレイ・ベル・ベル」とするチャンスリプレイ役(チャンス役)とが設けられている。
「リプレイ・ベル・ベル」(チャンス目)は、チャンスリプレイ役の当選時に停止表示する図柄の組合せであり、スイカ役及びチェリー役とともに、内部抽選処理において当選確率が比較的低い、所謂レア役として設定されている。
また、リプレイ役には、停止ボタン1005a〜1005cに対する操作順序(押し順)として6通りある押し順のうちの1通りの押し順によって、「リプレイ・リプレイ・リプレイ」に対応する図柄の組合せが停止する押し順リプレイ役が設けられている。押し順リプレイ役は、6通りある押し順それぞれに対応する押し順リプレイ役1〜6を設けるとともに、各押し順リプレイ役1〜6に当選したときのそれぞれに対応する押し順の報知は、ART状態中(AT状態中も含む)に行われる。
また、リプレイ役には、非RT(リプレイ当選低確率状態)からRT(リプレイ当選高確率状態)への移行に係る図柄の組合せに対応する昇格リプレイ役、RTから非RTへの移行に係る図柄の組合せに対応する転落リプレイ役もある。これらの当選役についても押し順が対応付けられ、例えば、昇格リプレイ役に関しては、6通りある押し順のうちの1通りの押し順によって非RTからRTへの移行に係る昇格リプレイ役に対応する図柄の組合せが停止し、転落リプレイ役に関しては、6通りある押し順のうちの5通りの押し順によってRTから非RTへの移行に係る転落リプレイ役に対応する図柄の組合せが停止する。
また、ボーナス役は、対応する図柄の組合せ(特別態様)を「7・7・7」とするもので、遊技者にとって有利なボーナス状態を発生させる特別役である。
ボーナス役に当選した場合には、ボーナス役の当選状態は、対応する図柄の組合せが停止するまで持ち越される。
以上説明したような図柄の組合せに基づいて、小役、リプレイ役、ボーナス役の当選がそれぞれ判定され(判定手段)、判定の結果、その図柄の組合せが上記それぞれに対応する図柄の組合せであるときに、入賞が成立して各入賞の成立に応じた遊技価値が付与される。
例えば、ベル役、チェリー役、スイカ役などの小役に対応する図柄の組合せの停止により、小役入賞の成立が判定され、メダル払出装置1007が駆動制御されることにより、メダル払出口1007bを介して所定数のメダルが払い出される。
具体的には、ベル役(共通ベル役、押し順ベル役)において、対応する図柄の組合せが停止表示した場合には、8枚のメダルが払い出される。
また、押し順ベル役の当選時に、特定の押し順以外の押し順(5通りの押し順)で停止ボタン1005a〜1005cを操作したときには、メダルは払い出されない。
なお、ベル役については、ART状態中において、遊技者が保有するメダルが増加するような当選確率に設定されている。
また、弱スイカ役及び強スイカ役に対応する図柄の組合せが停止表示した場合には、2枚のメダルが払い出される。
また、弱チェリー役及び強チェリー役に対応する図柄の組合せが停止表示した場合には、1枚のメダルが払い出される。
なお、各役に対応する図柄の組合せが停止表示した場合に払い出されるメダルの数は、上記した枚数以外でもよい。
また、リプレイ役及びチャンスリプレイ役に対応する図柄の組合せの停止表示により、リプレイ役及びチャンスリプレイ役が判定され、次回ゲームにおいてメダルの投入を行うことなく、前ゲームで設定したベット数と同様のベット数でのゲームが可能となる。
また、昇格リプレイ役に対応する図柄の組合せの停止により、リプレイ役の当選確率が高められるRTに移行し、RT中に転落リプレイ役に対応する図柄の組合せの停止により、非RTに移行する。
また、ボーナス役に対応する図柄の組合せ(特別態様)の停止表示により、遊技者に有利なボーナス状態(特定遊技状態)に移行する。
ボーナス状態中は、所定の小役(例えば、共通ベル役)に高確率で当選する状態となり、メダルの払い出し数が所定数(例えば、メダル200枚)を超えると終了する。
また、ボーナス役を除く各役の当選確率は、各設定値において、ベル役>リプレイ役>弱チェリー役>弱スイカ役>チャンスリプレイ役>強チェリー役>強スイカ役の関係性、つまり、ベル役が最も当選し易く、強スイカ役が最も当選し難く設定されているものとする。また、ボーナス役は、小役やリプレイ役よりも当選確率が低く設定される。なお、ボーナス役を除く各役の当選確率の関係性は、上記したもの以外でもよく、特にRT中には、リプレイ役>ベル役>弱チェリー役>弱スイカ役>チャンスリプレイ役>強チェリー役>強スイカ役の関係性となるようにしてもよい。
また、弱チェリー役、弱スイカ役、チャンスリプレイ役、強チェリー役、強スイカ役は、当選し難い当選役という意味でレア役と称する。
第2実施形態に係るスロットマシン1001は、このような構成に加えて、以下のような遊技状態と、この遊技状態に基づく特徴的なゲーム性を備えている。
まず、主制御部1010のシステムリセット時には、遊技状態が通常遊技状態で制御され、この遊技状態において、抽選手段としての主制御部1010における各役の抽選が行われる。
通常遊技状態において、ボーナス役に当選した場合には、遊技状態がボーナス当選状態に移行して、ボーナス役に対応する図柄の組合せを許容するようにリール1041の制御が行われる。
第2実施形態のスロットマシン1001においては、ボーナス役は、所定の小役(例えば、弱チェリー役、弱スイカ役、チャンス役、強チェリー役、強スイカ役)と同時に当選(重複当選)する場合と、単独で当選する場合を設けているが、ボーナス役を重複当選するもののみとしてもよいし、単独当選するもののみとしてもよい。
ボーナス当選状態において、ボーナス役に対応する図柄の組合せがリール1041に停止した場合には、特典の付与として遊技状態はボーナス状態に移行する。
ボーナス状態中は、所定の小役(例えば、共通ベル役)の当選確率が通常遊技状態よりも高められ、短期間に多数のメダルが獲得可能となる。そして、ボーナス状態中に所定枚数を超えるメダルの払い出しが行われた場合に、ボーナス状態の終了条件が成立して、ボーナス状態が終了する。
ボーナス状態の終了により、遊技状態は通常遊技状態に移行する。
また、第2実施形態のスロットマシン1001においては、遊技者にとって有利な遊技状態(特典)として、ボーナス状態の他に、ART状態(特定遊技状態)を発生可能としている。
ART状態は、リプレイ役の当選確率が通常遊技状態よりも高められ、さらに、押し順ベル役に対応する図柄の組合せをリール1041に停止させるための停止ボタン1005の停止順序が、報知手段(表示器1008、ナビランプ1012、スピーカ1009)により報知(押し順ナビ)される遊技状態である。
また、ART状態中は、転落リプレイ役に対応する図柄の組合せが停止しないような押し順ナビも行われる。
ART状態の抽選は、抽選手段としての主制御部1010に行われるが、役の抽選とは個別に行われる。
主制御部1010は、所定のレア役の当選時に、ゲーム実行毎に予め取得しているART状態発生用の乱数を判定することで、ART状態の抽選を実行する。
例えば、弱チェリー役の当選時には1/20の確率でART状態を発生させ、チャンス役の当選時には1/5の確率でART状態を発生させ、強チェリー役の当選時には1/3の確率でART状態を発生させるようにしている。
また、主制御部1010は、所定のレア役の当選時の所定の確率で、ART状態の当選確率を高める高確率状態を所定期間(例えば、10ゲーム)発生させるようにしている。
例えば、弱スイカ役の当選時には1/8の確率で高確率状態を発生させ、強スイカ役の当選時には1/2の確率で高確率状態を発生させるようにしている。
そして、高確率状態中においては、ART状態の当選確率が、弱チェリー役の当選時には1/8の確率に、チャンス役の当選時には1/2の確率に、強チェリー役の当選時には2/3の確率に、各々高められるようにしている。
なお、ART状態の抽選及び高確率状態の発生の契機役は上記の役以外でもよい。また、高確率状態中には、ベル役当選時にも所定の確率(例えば、1/10)でART状態に当選させるようにしてもよい。
主制御部1010及び副制御部1020は、ART状態の抽選に当選した場合には、まずは、ART状態の待機状態(AT状態)として、押し順ベル役と昇格リプレイ役に対する押し順ナビを実行する。
そして、押し順ナビの実行により昇格リプレイ役に対応する図柄の組合せが停止した場合には、リプレイ役の当選確率が高められる状態(RT状態)となり、さらに、押し順ベル役に対する押し順ナビが行われるART状態に遊技状態が移行する。
また、ART状態は、その間に実行されたゲーム数に基づき制御期間が管理され、発生時に付与された初期ゲーム数(例えば、50ゲーム)を残りゲーム数として、残りゲーム数が0となるまで継続される。ART状態中は、リプレイ役を除く役の抽選は通常遊技状態と同様に行われ、また、転落リプレイ役が入賞しないような押し順ナビも行われる。
そして、残りゲーム数が0となった場合には、ART状態の終了条件が成立して、各役に対する押し順ナビが無効となり、ART状態が終了することとなる。
ART状態の終了により、遊技状態はART状態の終了待機状態(非AT状態)に移行し、その後、転落リプレイ役の入賞により、遊技状態は通常遊技状態に移行する。
また、ART状態中にボーナス役に当選して、ボーナス役に対応する図柄の組合せが停止した場合には、ART状態は一旦中断して、遊技状態はボーナス状態に移行する。そして、ボーナス状態の終了後にART状態の待機状態に再度移行し、その後昇格リプレイ役に対応する図柄の組合せの停止により、遊技状態は再びART状態に移行(中断した状態から再開)する。
また、主制御部1010は、ART状態中の所定のレア役の当選を契機に、ART状態の残りゲーム数に所定数のゲーム数を加算させる上乗せ抽選を実行する。
例えば、弱チェリー役の当選時には1/10の確率で上乗せに当選(9/10の確率で非当選)させ、当選した場合には残りゲーム数に10ゲームを加算させる。また、弱スイカ役の当選時には1/20の確率で上乗せに当選(19/20の確率で非当選)させ、当選した場合には残りゲーム数に30ゲームを加算させる。また、チャンス役の当選時には1/3の確率で上乗せに当選(2/3の確率で非当選)させ、当選した場合には残りゲーム数に20ゲームを加算させる。また、強チェリー役の当選時には1/1の確率で上乗せに当選させ、当選した場合には残りゲーム数に30ゲームを加算させる。また、強スイカ役の当選時には1/5の確率で上乗せに当選(4/5の確率で非当選)させ、当選した場合には残りゲーム数に50ゲームを加算させる。
ART状態中のゲーム数の上乗せ抽選の当選により、特典の付与としてART状態の残りゲーム数が増加して、ART状態の継続可能期間が延長されることとなる。
なお、上乗せ抽選の契機役は上記の役以外でもよい。また、各役当選時の上乗せ抽選の当選確率、及び上乗せされるゲーム数は上記以外でもよく、また、一の役の当選に対する上乗せされるゲーム数に、複数の選択肢を設けるようにしてもよい。
以上のように各遊技状態での制御が行われる。
次に、第2実施形態におけるスロットマシン1001において、表示器1008で行われる演出表示について図24〜図39を参照して説明する。
スロットマシン1001においては、主制御部1010及び副制御部1020の制御により、表示器1008において、以下のようなART状態及びボーナス状態に関わる演出表示が行われる。
通常遊技状態中においてボーナス役に当選した場合には、当選ゲームでボーナス役に当選した旨は報知せずに、特典の付与に関連した演出として、所定数(例えば、3ゲーム)のゲームに亘って実行されるボーナス状態の発生演出を経て報知するようにしている。
そして、ボーナス状態の発生演出の最終ゲームのゲーム終了後に、その演出の終了態様によりボーナス役に当選した旨が報知されることとなる。
また、ボーナス役が重複当選する可能性のある所定の小役(弱チェリー役、弱スイカ役、チャンス役、強チェリー役、強スイカ役)の当選時に、ボーナス役に当選(重複当選)しない場合でも、ボーナス役に当選した場合と同様の発生演出(ガセ発生演出)が実行される。
すなわち、ボーナス役に当選した場合には、発生演出の最終段階でボーナス役の当選が報知され、ボーナス役に当選しない場合には、発生演出(ガセ発生演出)の最終段階でボーナス役の非当選が報知されることとなる。
また、ART状態の抽選は、通常遊技状態中において、所定のレア役(弱チェリー役、チャンス役、強チェリー役)の当選を契機に行われるが、所定のレア役当選時にART状態に当選した場合でも、直ぐにART状態は発生せずに、所定数(例えば、3ゲーム)のゲームの実行後にART状態を発生させるようにしている。また、ART状態の発生が遅延される所定数のゲームに亘っては、ART状態の発生に対する期待感を高めるための、特典の付与に関連した演出として、ART状態の前兆演出が行われる。
そして、ART状態が遅延される期間の最終ゲームのゲーム終了後に前兆演出も終了し、その演出の終了態様によりART状態の抽選結果が報知されることとなる。
また、所定のレア役(弱チェリー役、チャンス役、強チェリー役)の当選時に、ART状態に当選しない場合でも、特典の付与に関連した演出として、ART状態に当選した場合と同様の前兆演出(ガセ前兆演出)が実行される。
すなわち、ART状態に当選した場合には、前兆演出の最終段階でART状態の当選が報知され、ART状態に当選しない場合には、前兆演出(ガセ前兆演出)の最終段階でART状態の非当選が報知されることとなる。
なお、ART状態に当選しない場合には、所定のレア役(弱チェリー役、チャンス役、強チェリー役)の当選時に必ず前兆演出(ガセ前兆演出)を発生せずに、所定の確率(例えば、1/2)で前兆演出(ガセ前兆演出)を発生させるようにしてもよい。
また、ART状態中の上乗せ抽選は、通常遊技状態中において、レア役(弱チェリー役、弱スイカ役、チャンス役、強チェリー役、強スイカ役)の当選を契機に行われるが、レア役当選時に上乗せに当選した場合でも、直ぐに上乗せを行う旨は発生せずに、所定数(例えば、3ゲーム)のゲームの実行後に上乗せを行う旨を報知させるようにしている。また、上乗せ報知が遅延される所定数のゲームに亘っては、特典の付与に関連した演出として、上乗せに対する期待感を高めるための上乗せ演出が行われる。
そして、上乗せ報知が遅延される期間の最終ゲームのゲーム終了後に上乗せ演出も終了し、その演出の終了態様により上乗せの抽選結果、及び上乗せされるゲーム数が報知されることとなる。
また、所定のレア役(弱チェリー役、弱スイカ役、チャンス役、強チェリー役、強スイカ役)の当選時に、上乗せに当選しない場合でも、上乗せに当選した場合と同様の上乗せ演出(ガセ上乗せ演出)が実行される。
すなわち、上乗せに当選した場合には、上乗せ演出の最終段階で上乗せの当選が報知され、上乗せに当選しない場合には、上乗せ演出(ガセ上乗せ演出)の最終段階で上乗せの非当選が報知されることとなる。
次に、図24を参照して、ゲームの実行に表示器1008で行われるチャンス演出について説明する。
通常遊技状態中のゲームの実行時に所定のレア役(例えば、弱チェリー役、チャンス役、強チェリー役)に当選した場合には、上記したようにART状態の抽選が行われるので、遊技者の期待感を高めるために所定のチャンス演出が表示器1008において行われる。
図24は、所定のレア役(弱チェリー役、チャンス役、強チェリー役)に当選したときの演出表示の一例として、ゲームの開始時に行われるチャンス演出時の表示を示している。
図24(a)に示すように、所定のレア役に当選した場合の所定の確率(例えば、1/3)で、ゲームの開始時に、操作画像を第1の表示位置へ表示する第1表示態様として、演出ボタン1002d(操作手段)の操作を促す操作画像としての第1操作画像1051が表示される。
第1操作画像1051は、演出ボタン1002dを模したボタン画像と、「押せ!」の文字情報とから構成され、表示器1008の略中央に表示される。
第1操作画像1051の表示時には、演出ボタン1002dの操作が有効となり、演出ボタン1002dが発光する。そして、このとき演出ボタン1002dを押圧操作すると、図24(b)に示すような、「CHANCE」の文字情報からなる第1文字画像1052aが表示される。この第1文字画像1052aの表示により、当該ゲームで所定のレア役に当選したことが報知されることとなり、遊技者の期待感を高めることが可能となる。
なお、演出ボタン1002dに替えて、ベットボタン1002aの操作に基づき、第1文字画像1052aを表示してもよく、この場合、ベットボタン1002aが操作手段を構成する。
また、チャンス演出は、所定のレア役に当選した場合に必ず実行するようにしてもよいし、ART状態の期待度の高いレア役ほど、チャンス演出の実行確率を高めるようにしてもよい。
また、操作画像としては、図25に示すような、操作画像を第2の表示位置へ表示する第2表示態様として、補助装置として例示する上部演出ボタン1002f(特定操作手段)の操作を促す第2操作画像1053が表示される場合もある。
第2操作画像1053は、上部演出ボタン1002fを模したボタン画像と、「押せ!」の文字情報とから構成され、表示器1008の略中央に表示される。また、第2操作画像1053は、第1操作画像1051よりも表示面積が大きく設定され、第2操作画像1053の所定部(右下部分)が第1操作画像1051より上部演出ボタン1002fに近い位置となるように表示される。
第2操作画像1053の表示時には、上部演出ボタン1002fの操作が有効となり、上部演出ボタン1002fが発光する。そして、このとき上部演出ボタン1002fを押圧操作すると、図25(b)に示すような、「激アツ」の文字情報からなる第2文字画像1052bが表示される。
ゲーム開始時に表示器1008に表示する操作画像を、第1操作画像1051するか、或いは第2操作画像1053にするかの選択は、第1操作画像1051の方が第2操作画像1053よりも、結果的に表示される頻度が高まるように行われる。
例えば、弱チェリー役当選時には、第1操作画像1051を29/30の確率で選択し、第2操作画像1053を1/30の確率で選択する。また、チャンス役当選時には、第1操作画像1051を9/20の確率で選択し、第2操作画像1053を1/20の確率で選択する。また、強チェリー役当選時には、第1操作画像1051を7/10の確率で選択し、第2操作画像1053を3/10の確率で選択する。このような傾向で各レア役当選時の操作画像の選択制御が行われる。
この結果、第1操作画像1051が表示されるよりも、第2操作画像1053が表示される方が、結果的に当選したレア役が、弱チェリー役よりも強チェリー役となる期待度が高くなるのである。同様に、第1操作画像1051が表示されるよりも、第2操作画像1053が表示される方が、結果的に当選したレア役が、チャンス役よりも強チェリー役となる期待度が高くなるのである。
ART状態の当選確率は、比較的当選確率の低いレア役(強チェリー役等)の方が、高くなるように設定されているので、第1操作画像1051よりも第2操作画像1053が表示される方が、ART状態への期待度は高まることとなる。
したがって、ゲーム開始時には、第2操作画像1053よりも第1操作画像1051が表示される頻度(確率)が高まることとなるが、第2操作画像1053が表示された場合には、第1操作画像1051が表示された場合よりも遊技者の期待感を高めることが可能となる。
なお、第1の表示位置と第2の表示位置の関係は、図24(a)に示すように第1操作画像1051が表示器1008の表示画面の略中央に表示される位置を第1の表示位置として、それを基準にして、それよりも操作画像と補助装置との距離が近づくものであれば何れの場合も第2の表示位置としてもよい。例えば、操作画像の画像自体が補助装置に近づくもの他、操作画像の面積が第1操作画像1051よりも大きくなった場合の表示位置を第2の表示位置としてもよい。
なお、上記チャンス演出は、ART状態の当選契機役の当選時以外に、AT状態中の上乗せ抽選の当選契機役の当選時や、ボーナス役の当選契機役の当選時に行うようにしてもよい。
次に、図26を参照して、ART状態の前兆演出について説明する。
ART状態は、前述したように、通常遊技状態中に所定のレア役(弱チェリー役、チャンス役、強チェリー役)の当選時に、ART状態の抽選に当選した場合に成立する。
そして、通常遊技状態中に所定のレア役(弱チェリー役、チャンス役、強チェリー役)の当選から所定数のゲームに亘って実行される前兆演出を経て、ART状態の発生が報知され、その後、ART状態が発生する。
前兆演出は表示器1008により実行され、前兆演出が実行される所定数のゲームの間に、ART状態の発生に対する期待感を高めるための種々の演出画像が表示器1008において実行され、前兆演出の最終段階でART状態の発生が画像表示より報知されることとなる。
また、前兆演出中は、表示器1008の画像表示の他、当該画像表示の演出効果を高めるための効果音がスピーカ1009から出力されるとともに、装飾発光がランプ1011で行われる。
また、所定のレア役に当選した場合には、図24、図25で示したように、ゲーム開始時に所定の確率でチャンス演出が行われることから、チャンス演出が実行された場合には、チャンス演出が実行されるゲームの次ゲームから前兆演出が実行されることとなる。
前兆演出時に表示器1008で実行される演出画像は、例えば、主人公キャラクタ画像と敵キャラクタ画像が対戦する内容となっていて、ART状態の発生を報知する場合には主人公キャラクタ画像が勝利する内容となり、ART状態の発生を報知しない場合には敵キャラクタ画像が勝利する内容となっている。また、最終的に結果を報知する場合には、演出ボタン1002d或いは上部演出ボタン1002fの操作を伴う演出も実行可能となっている。
図26は、前兆演出実行時の表示器1008における演出画像を示している。
まず、図26(a)に示すように、例えば、所定のレア役に当選したゲームの次ゲームの開始時に、主人公キャラクタ画像と敵キャラクタ画像からなる前兆演出画像1054が表示され、その後、前兆演出画像1054において所定ゲームの間、主人公キャラクタ画像と敵キャラクタ画像の攻防画像が繰り広げられる。
そして、前兆演出の最終ゲームの終了後に、前兆演出における、ART状態の当否を報知する演出として結果確定演出が実行される。そして、この結果確定演出において、演出ボタンの操作を促す画像が所定の確率(例えば、1/3)で表示される。このとき、演出ボタン1002d或いは上部演出ボタン1002fの2通りの操作を促す演出画像が用意されていて、ART状態の発生期待度に応じて何れかの演出画像が表示される。
図26(b)は、結果確定演出において、第1表示態様として、演出ボタン1002dの操作が選択された場合の演出画像を示し、演出ボタン1002dの操作が選択された場合には、演出ボタン1002dを模したボタン画像と、「押せ!」の文字情報とからなる第1操作画像1051が第1の表示位置に表示される。
一方、図26(c)は、第2表示態様として、上部演出ボタン1002fの操作が選択された場合の演出画像を示し、上部演出ボタン1002fの操作が選択された場合には、上部演出ボタン1002fを模したボタン画像と、「押せ!」の文字情報とからなる第2操作画像1053が第2の表示位置に表示される。
その後、演出ボタン1002d或いは上部演出ボタン1002fが操作されると、前兆演出画像1054の結果として、主人公キャラクタ画像と敵キャラクタ画像の対戦結果が導出されることとなる。
なお、図26(b)での第1操作画像1051、及び図26(c)での第2操作画像1053の表示に関しては、その表示位置や表示面積が、図24及び図25で示した第1操作画像1051及び第2操作画像1053と同様に設定される。また、第1の表示位置に表示される第1操作画像1051の中心位置と、第2の表示位置に表示される第2操作画像1053の中心位置を同一に設定してもよいし、異なる位置に設定してもよく、表示結果として、第1操作画像1051よりも第2操作画像1053が上部演出ボタン1002fに近づくように表示されれば何れでもよい。
図26(d)は、結果確定演出において、ART状態の発生が報知される場合の演出画像を示している。図に示すように、ART状態の発生が報知される場合には、演出ボタン1002d或いは上部演出ボタン1002fが操作されると、前兆演出画像1054の結果として、主人公キャラクタ画像が勝利した勝利画像1055が表示される。
その後、所定時間経過後(例えば、1秒後)に、図26(e)に示すように、「ART確定」の文字情報からなる第3文字画像1057が表示され、ART状態の発生が報知されることとなる。なお、図26(d)に示した勝利画像1055に関しても、ART状態の発生が識別可能であるので、勝利画像1055もART状態の発生を報知する画像と捉えることもできる。
そして、次ゲームの開始により、ART状態の初期ゲーム数が報知されるとともに、ART状態であることを識別可能な画像(ステージ画像)が表示器1008に表示される。
一方、図26(f)は、ART状態の発生が報知されない場合(非当選時)の演出画像を示している。図に示すように、ART状態の発生が報知されない場合には、演出ボタン1002d或いは上部演出ボタン1002fが操作されると、前兆演出画像1054の結果として、主人公キャラクタ画像が敗北した敗北画像1056が表示される。
その後、所定時間経過後(例えば、1秒後)に、図26(g)に示すように、「失敗」の文字情報からなる第4文字画像1058が表示され、ART状態が発生しないこと(非当選)が報知されることとなる。なお、図26(f)に示した敗北画像1056に関しても、ART状態が発生しないことが識別可能であるので、敗北画像1056もART状態が発生しないことを報知する画像と捉えることもできる。
そして、次ゲームの開始により、通常遊技状態であることを識別可能な画像(ステージ画像)が表示器1008に表示される。
また、前兆演出の最終ゲームの終了以降に表示される上記各演出画像は、未だ前兆演出が途中の間でも、次ゲームの開始によりキャンセル可能となっていて、このときART状態が発生する場合には、前兆演出(演出画像)のキャンセルにより、ART状態であることを識別可能な画像(ステージ画像)が表示器1008に表示される。
また、前兆演出の最終ゲームでは、演出ボタン1002d或いは上部演出ボタン1002fの操作を伴わずにART状態の当否を報知してもよいが、演出ボタン1002d或いは上部演出ボタン1002fの操作を伴った場合の方が、伴わない場合よりもART状態の発生が報知される確率が高くなるように、演出画像の選択制御を行うことが好ましい。
また、前兆演出の最終ゲームで、演出ボタン1002d或いは上部演出ボタン1002fの操作を伴う演出画像を表示する場合には、第1操作画像1051が表示される場合よりも第2操作画像1053が表示される場合の方が、ART状態の発生が報知される確率が高くなるように、操作画像の選択制御を行うことが好ましい。例えば、ART状態の発生を報知する場合には、ART状態の発生を報知しない場合よりも、第2操作画像1053を選択する確率を高めるようにする。
このようにすれば、第2操作画像1053が表示された場合、すなわち、上部演出ボタン1002fの操作を伴う前兆演出が行われた場合の遊技者の期待感を高めることが可能となる。
また、第1操作画像1051及び第2操作画像1053は、ART状態の前兆演出中以外にも、ART状態中において、ゲーム数の上乗せが行われる旨を報知する場合にも表示可能となっている。
すなわち、ART状態中に所定のレア役(弱チェリー役、強チェリー役、弱スイカ役、強スイカ役、チャンス役)に当選した場合に、所定ゲーム数(例えば、1〜3ゲーム)の上乗せ演出が行われるが、この上乗せ演出の最終ゲームの終了後の演出を、上乗せの当否を報知する上乗せ演出中の結果確定演出として、この結果確定演出において、第1操作画像1051或いは第2操作画像1053が表示され、演出ボタン1002d或いは上部演出ボタン1002fの操作に基づき、ゲーム数の上乗せが行われるか否か、及び上乗せされるゲーム数の報知が行われる。
また、上乗せ演出時の演出画像は、前兆演出時と同様の演出画像となっていて、主人公キャラクタ画像と敵キャラクタ画像による演出画像が表示されるとともに、演出ボタンの操作により、勝利画像1055或いは敗北画像1056が表示される。したがって、ゲーム数の上乗せが行われる場合には、演出ボタン1002d或いは上部演出ボタン1002fの操作に基づき、上乗せ演出の結果として、ゲーム数が上乗せされる旨、及び上乗せされるゲーム数が報知されることとなる。
また、上乗せ演出においても、前兆演出同様に、第1操作画像1051が表示される場合よりも第2操作画像1053が表示される場合の方が、上乗せされる旨が報知される確率が高くなるように、操作画像の選択制御を行うことが好ましい。例えば、上乗せされる旨を報知する場合には、上乗せされる旨を報知しない場合よりも、第2操作画像1053を選択する確率を高めるようにする。
このようにすれば、第2操作画像1053が表示された場合、すなわち、上部演出ボタン1002fの操作を伴う上乗せ演出が行われた場合の遊技者の期待感を高めることが可能となる。
なお、ボーナス状態の発生演出においても、前兆演出と同様の演出画像を表示するようにしてもよい。すなわち、ボーナス状態の発生演出の最終ゲームの終了後の演出を、ボーナス役の当否を報知する発生演出中の結果確定演出として、この結果確定演出において、第1操作画像1051或いは第2操作画像1053を表示して、演出ボタン1002d或いは上部演出ボタン1002fの操作に基づき、ボーナス役に当選したか否かを報知するようにしてもよい。
次に、図27を参照して、操作画像の第2の表示位置への表示として、表示器1008に表示される第2操作画像1053と、押し順ナビとの関係を説明する。
図27に示すように、第2操作画像1053は、第1操作画像1051よりも、表示面積が大きく設定されていることから、表示器1008の表示画面の略中央に表示されていても、その画像が表示画面の広範囲に広がるように表示されることとなっている。
したがって、第2操作画像1053が表示器1008に表示された場合には、第1操作画像1051よりも、その画像が上部演出ボタン1002fの位置に近づくように表示されるが、同時に、表示器1008の表示画面の下部に広がって、第1操作画像1051よりも表示画面の下辺部に近い位置に表示されることとなる。
図27に示すように、表示器1008に押し順ナビが表示される場合には、操作指示画像として、停止ボタン1005に対応する3つの押し順画像1059が、表示画面の下部に左右方向に並んで表示される。
押し順画像1059は、押し順ベル役1〜6を入賞させるための適正な押し順をナビゲートするもので、各画像の中央には停止操作の順序を識別する数字情報が表示される。これらの押し順画像1059は、ゲーム開始時に表示されて、各停止ボタン1005a〜1005cの停止毎に対応する押し順画像1059が順次消去されるようになっている。
押し順画像1059は、停止ボタン1005が表示器1008の下方に配設される関係上、表示画面の下部に表示される方が効果的であるが、表示画面の下部は、第2操作画像1053が表示される領域にもなっている。したがって、仮に、押し順画像1059と第2操作画像1053とが同時に表示された場合には、押し順画像1059の一部(中停止ボタン1005b)と第2操作画像1053の所定部が重なってしまうこととなり、何れかの画像の視認性に支障を来す虞が発生してしまう。
このような課題を解消するために、第2実施形態のスロットマシン1001においては、ART状態中の上乗せ演出時に上部演出ボタン1002fを使用する演出を実行する場合には、ゲームの終了後の結果確定演出において、第2操作画像1053が表示されるように、上乗せ演出の制御を行うようにしている。
すなわち、ゲームの終了後であれば、押し順画像1059は既に表示器1008の表示画面から消去されているので、第2操作画像1053のみを明確に表示することができ、押し順画像1059と第2操作画像1053が重なってしまうことによる各画像の視認性を防止することが可能となるのである。
なお、第2操作画像1053をゲーム終了以前(例えば、ゲーム開始時)に表示するようにしてもよいが、この場合には、押し順画像1059と第2操作画像1053の両方或いは一方の画像面積を小さくして画像が重ならないようにしてもよいし、押し順画像1059の表示優先順位を高めて押し順画像1059が第2操作画像1053の前面側に表示されるようにしてもよい。
また、第2操作画像1053を表示器1008に表示する場合には、図27に示す表示位置以外に、第2の表示位置として例示する、図28に示す表示位置に表示してもよい。
図28に示す例においては、第2操作画像1053を表示器1008に表示する位置と、第2操作画像1053の周囲の表示が図27に示した例と異なっていて、第2操作画像1053を表示する時期等、その他の点については図27と同様となっている。
図28に示す例においては、第2操作画像1053を表示器1008に表示する場合には、表示器1008の表示領域の略中央ではなく、表示領域の正面視右側にずれた位置、すなわち、第2操作画像1053の全体が上部演出ボタン1002fに近づいた位置に表示するようにして、上部演出ボタン1002fの操作を促す報知を行っている。
また、第2操作画像1053を表示器1008に表示する場合には、第2操作画像1053の周囲に装飾画像1060を表示するようにしている。
装飾画像1060は、発光している上部演出ボタン1002fの光が上部演出ボタン1002fから表示画面側に照射している様子を描いていて、第2操作画像1053の周囲全体を囲うように表示される。
したがって、第2操作画像1053の表示位置が上部演出ボタン1002fにより近づいているので、上部演出ボタン1002fの操作が促されていることをより明確にすることができ、遊技者の操作忘れを防止可能となる。
また、装飾画像1060の表示により、第2操作画像1053がより際立つこととなり、第2操作画像1053による報知を確実に行うことができるとともに、上部演出ボタン1002fの位置を確実に遊技者に知らしめることが可能となる。
なお、図28に示す第2操作画像1053を表示画面の側方にずらして表示する場合と、表示画面の略中央に表示する場合は、主制御部1010及び副制御部1020により適宜選択して制御してもよい。例えば、表示画面の側方に第2操作画像1053が表示された場合には、表示画面の略中央に表示される場合よりも、特典(ART状態)が付与される旨が報知される確率が高めるように、第2操作画像1053の表示位置の選択制御を行うようにしてもよい。
以上、第2実施形態に係るスロットマシン1001において、表示器1008で行われる演出表示に関しては、以下のような特徴を有している。
複数の情報を表示可能な表示手段(表示器1008)を備え、遊技者にとって有利な特典(ART状態)の付与に関連した演出を表示手段に表示するようにした遊技機(スロットマシン1001)において、特典を付与するか否かを抽選する抽選手段(主制御部1010)と、抽選手段による抽選結果に基づき、演出(前兆演出、上乗せ演出、発生演出)を制御可能な演出制御手段(主制御部1010及び副制御部1020)と、遊技者が操作可能な操作手段(演出ボタン1002d)と、表示手段の周辺に配置される、演出を補助可能な補助装置(上演出ボタン1002f)と、を備え、補助装置は、遊技者が操作可能であり操作手段とは別個に設けられる特定操作手段(上部演出ボタン1002f)であり、演出制御手段は、演出の実行中に、操作手段或いは特定操作手段の操作を促す操作画像(第1操作画像1051、第2操作画像1053)を表示するとともに、操作手段或いは特定操作手段の操作に基づき、特典の付与に関連した所定情報(例えば、勝利画像1055)を表示可能な操作画像制御手段(主制御部1010及び副制御部1020)を備え、操作画像制御手段は、抽選手段による抽選結果に基づき、表示手段の表示領域において操作画像の表示位置を制御可能な表示位置制御手段(主制御部1010及び副制御部1020)を備え、表示位置制御手段は、操作画像を、第1の表示位置と、該第1の表示位置よりも操作画像が特定操作手段に近くなる第2の表示位置とに表示可能とし、抽選手段による抽選結果が、特典を付与するものである場合には、特典を付与するものでない場合よりも、操作画像を高い確率で第2の表示位置に表示することを特徴とするのである。
したがって、表示器1008の表示領域において操作画像が表示される表示態様に応じて、特典の付与に対する期待度が変化することとなり、興趣を向上させることが可能となる。すなわち、従来より、表示器に操作画像を表示して、特典の付与に関わる報知を行うようにした遊技機は知られているが、その表示態様は単調なものであり、本発明によれば、操作画像の表示態様をより多彩化することが可能となるのである。
また、補助装置と関連した演出が実行可能となり、興趣を向上させることができる。また、特典の付与に対する期待度をより変化性に富んだものにすることができ、遊技者の期待感を高めることが可能となる。
また、操作画像が第1の表示位置よりも特定操作手段に近くなる第2の表示位置に、操作画像を表示するので、操作画像の表示位置と特定操作手段との関連性を高めることができ、特定操作手段の操作を促す報知を確実に行うことが可能となるし、遊技者の期待感を高めることが可能となる。
また、遊技機は、抽選手段の抽選結果に基づき、所定のゲームを実行可能とし、操作画像制御手段は、ゲームの当初(開始時)に、操作画像を、第1の表示位置或いは第2の表示位置に表示可能とし、ゲームの当初に操作画像を表示する場合には、第2の表示位置よりも第1の表示位置に表示される確率が高くなるように表示制御を実行可能としたことを特徴とするのである。
したがって、ゲームの当初でも操作画像が表示されるので、遊技の興趣や期待感を向上させることが可能となる。また、ゲーム当初に操作画像が表示される場合には、第1の表示位置よりも第2の表示位置に表示される場合の方が、遊技者の期待感を高めることが可能となる。
また、操作画像制御手段は、ゲームの終了後に、操作画像を表示可能とし、特定操作手段は、操作手段よりも、当該遊技機で遊技する遊技者からの距離が大きくなる位置に配設したことを特徴とするのである。
したがって、特定操作手段を操作する場合には、遊技者は、操作手段よりも余分に手を伸ばして操作する必要があるが、操作画像をゲーム終了後に表示することで、既にゲームに関わる操作が終了していることから、ゲームの進行に支障を来さずに特定操作手段の操作を行うことが可能となる。すなわち、ゲームの途中で、停止ボタン1005の操作中に比較的遠くの位置にある特定操作手段を操作すると、停止ボタン1005の操作でのゲームをスムーズに進行できなくなる可能性あり、また、特定操作手段の操作により、停止ボタン1005を誤操作してしまう虞もあるが、このような事態を防止できるのである。
また、特定操作手段の距離を大きくすることで、特定操作手段がより期待度の高いものであるという印象を遊技者に与えることも可能となる。
また、遊技機は、ゲームの進行に関わる操作指示画像(押し順画像1059)を表示手段(表示器1008)に表示可能な操作指示画像制御手段(主制御部1010及び副制御部1020)を備え、操作画像制御手段は、ゲームの終了後に、操作画像を表示可能とするとともに、操作画像を第2の表示位置に表示する場合には、操作画像の所定部が、操作指示画像が表示される場合の位置と同じ位置となる(重なる)ように操作画像を表示可能としたことを特徴とするのである。
したがって、表示器1008の表示領域(表示画面)を効果的に利用して、操作指示画像及び操作画像を表示することが可能となり、各画像の視認性を向上させることが可能となる。
また、ゲームの終了後に操作画像を表示するようにすれば、操作指示画像と操作画像とが重なって表示されることを防止できるので、両画像が重なることにより視認性が低下してしまう事態を未然に防止することが可能となる。
また、特定操作手段(上部演出ボタン1002f)の前端部が、当該遊技機の最前方の位置となるように、特定操作手段を配設することを特徴とした。
したがって、特定操作手段の操作性を向上させることができ、特定操作手段が遊技者からの距離が大きい位置に配設されていても、容易に操作することが可能となり誤操作を防止することが可能となる。
また、操作画像制御手段は、操作画像を第2の表示位置に表示する場合には、所定の装飾画像(1060)を表示可能としたことを特徴とするのである。
したがって、操作画像が表示されたことをより効果的に報知することができるとともに、興趣性を向上することが可能となる。また、装飾画像を特定操作手段(上部演出ボタン1002f)の位置と関連付けるようなものとすることで、特定操作手段の位置を明確に報知することも可能となる。
<第2実施形態の第1変形例>
次に、本発明に係る遊技機の第2実施形態の第1変形例について、図29〜図36を参照して説明する。
第2実施形態の第1変形例のスロットマシン1001における前兆演出或いは上乗せ演出においても、その最終段階である結果確定演出において演出ボタン1002d或いは上部演出ボタン1002fを使用する演出が実行されるが、その実行態様や、表示器1008での演出画像の表示態様が前述した第2実施形態と異なっている。
その他に関しては、前述の第2実施形態と同様である。
第2実施形態の第1変形例のスロットマシン1001における結果確定演出時に、演出ボタン1002d或いは上部演出ボタン1002fを使用する演出表示が行われる場合には、まず、第1操作画像1051が表示器1008に表示される。したがって、上部演出ボタン1002fを使用する場合にも、直ぐには第2操作画像1053は表示されず、最初は第1操作画像1051が表示される。
この最初に第1操作画像1051が表示器1008に表示される際に、図29(a)〜(d)に示すように、複数の表示位置において表示可能となっている。すなわち、第1操作画像1051の有無や、第1操作画像1051が表示される表示位置に応じて、結果確定演出の種類が異なることとなっている。
図29(a)は、第1操作画像1051を表示器1008の表示領域の第1の表示位置としての略中央に表示された状態を示し、図29(b)は、第1操作画像1051を表示器1008の右上の表示領域であって、第2の表示位置として例示する補助表示器1019の近傍位置に表示された状態を示し、図29(c)は、第1操作画像1051を表示器1008の右下の表示領域であって、第2の表示位置として例示する上部演出ボタン1002fの近傍位置に表示された状態を示し、図29(d)は、第1操作画像1051を表示器1008の左上の表示領域であって、第2の表示位置として例示する可動役物1018aの近傍位置に表示された状態を示している。
これらの第1操作画像1051の表示領域における表示位置は、ART状態の当否や上乗せの当否に応じて決定されるので、単に第1操作画像1051が表示されるか否か以外にも、第1操作画像1051が表示される位置に対しても遊技者の興味を引き付けることを可能としている。
また、演出ボタン1002dを使用する演出を行うか否かの決定、第1操作画像1051の表示位置の決定等の結果確定演出の種類の決定は、主制御部1010で行われ、主制御部1010から副制御部1020への制御情報の送信に基づき、副制御部1020の制御により表示器1008で結果確定演出が表示される。
図30は、結果確定演出において、第1操作画像1051を表示するか否か、すなわち、演出ボタン1002d(或いは上部演出ボタン1002f)を使用する演出を行うか否か、及び第1操作画像1051を表示器1008の表示領域に表示する場合に、どの表示位置にするかを決定する際に用いられる表の一例を示している。第2実施形態では、結果確定演出において、演出ボタン1002d(或いは上部演出ボタン1002f)を使用する場合と使用しない場合とを設けており、図30において、第1操作画像1051の表示無しが選択された場合、演出ボタン1002d(或いは上部演出ボタン1002f)を使用しない結果確定演出が決定されることとなる。
また、第1操作画像1051の表示に関する各種決定処理は主制御部1010により行われるが、副制御部1020で行うようにしてもよい。
図30に示すように、ART状態の非当選時(或いは上乗せの非当選時)には、第1操作画像1051の表示無し、すなわち演出ボタン1002d或いは上部演出ボタン1002fを使用しない演出が、40/100の選択率で選択され、表示器1008の表示領域の略中央に表示することが、35/100の選択率で選択され、表示器1008の表示領域の右上に表示することが、13/100の選択率で選択され、表示器1008の表示領域の右下に表示することが、7/100の選択率で選択され、表示器1008の表示領域の左上に表示することが、5/100の選択率で選択される。
一方、ART状態の当選時(或いは上乗せの当選時)には、第1操作画像1051の表示無し、すなわち演出ボタン1002dを使用しない演出が、10/100の選択率で選択され、表示器1008の表示領域の略中央に表示することが、15/100の選択率で選択され、表示器1008の表示領域の右上に表示することが、20/100の選択率で選択され、表示器1008の表示領域の右下に表示することが、25/100の選択率で選択され、表示器1008の表示領域の左上に表示することが、30/100の選択率で選択される。
以上のような選択率で各種の選択が行われるので、抽選手段としての主制御部1010による抽選結果が、ART状態の当選時(或いは上乗せの当選時)である場合には、ART状態の当選時(或いは上乗せの当選時)でない場合よりも、第1操作画像1051が高い確率で表示され、さらに第1操作画像1051が高い確率で補助装置の近傍位置(第2の表示位置)に表示されることとなる。
このように、第1操作画像1051を表示するか否か、及び表示器1008の表示領域における第1操作画像1051の表示位置が決定されるので、ART状態の当選に対する期待度が、左上>右下>右上>中央>演出ボタン画像無し、の関係性を有することとなり、第1操作画像1051の表示位置に応じて遊技者の期待感に変化を持たせることができる。特に、第1操作画像1051が補助装置の近傍位置に表示された場合には、遊技者の期待感を向上させることが可能となるのである。
次に、図31は、結果確定演出において、最初に第1操作画像1051が表示されるときの表示器1008での画像表示を示している。
第1操作画像1051が表示器1008の表示領域に表示される場合、事前に決定されている表示位置に直ぐに表示されるのではなく、図31(a)に示すように、対戦結果が確定する直前の画像とともに、第1操作画像1051が表示領域における補助表示器1019の近傍、上部演出ボタン1002fの近傍、表示領域中央、可動役物1018aの近傍、の各々の位置を一回移動表示した後に、再度同じ軌跡を移動中に、最終的に事前決定されている表示位置となったときに停止して表示位置が確定表示される。このように第1操作画像1051の表示位置が確定表示されるので、第1操作画像1051の表示位置に対する遊技者の興味を引き付けることが可能となるのである。
また、図31(b)に示すように、演出ボタン1002d或いは上部演出ボタン1002fを使用する演出の一部では、第1操作画像1051に替えて拡大第1操作画像1051aが表示される場合もあり、拡大第1操作画像1051aが表示される場合も、第1操作画像1051と同様に移動表示した後、表示位置が確定表示される。
このような第1操作画像1051及び拡大第1操作画像1051aの移動表示は、表示位置制御手段としての主制御部1010及び副制御部1020により制御される。
拡大第1操作画像1051aの表示は、例えば、ART状態(或いは上乗せ)の非当選時は1%、ART状態(或いは上乗せ)の当選時は5%の確率で、第1操作画像1051から変更される。したがって、拡大第1操作画像1051aが表示された場合には、ART状態(或いは上乗せ)の当選に対する期待度が高めることとなる。
なお、第1操作画像1051が移動表示をしている間に、第1操作画像1051を拡大第1操作画像1051aに変更するようにしてもよい。このようにすれば、第1操作画像1051の移動表示と拡大との両方で、遊技者の期待感を変化させることが可能となる。
第1操作画像1051、第2操作画像1053、及び拡大第1操作画像1051aは、ボタン画像と、「押せ!」の文字情報とからなる画像と、ボタン画像のみの画像とで表示可能とされ、図31に示す例では、ボタン画像のみで表示されている。
次に、図31の移動表示により第1操作画像1051(或いは拡大第1操作画像1051a)の表示位置が確定した後、表示器1008で行われる演出ボタン1002d或いは上部演出ボタン1002fを使用した演出について、図32〜図35を参照して説明する。また、図32〜図35に示す演出は、主制御部1010から副制御部1020への制御情報の送信に基づき、副制御部1020の制御により表示器1008で実行される。
まず、図32を参照して、第1操作画像1051が表示器1008の表示領域の略中央に表示された場合の演出について説明する。
図32(a)は、図31(a)の移動表示により第1操作画像1051の表示位置が確定した後の表示を示し、第1操作画像1051は、表示器1008の表示領域の略中央の第1の表示位置に表示されている。このとき、第1操作画像1051は、対戦結果が確定する直前の画像とともに表示されて、遊技者の操作を促す表示が行われる。また、この状態では、演出ボタン1002dが有効となり、内蔵する発光源(LED)が点灯して、演出ボタン1002dが有効となっていることが報知される。
この状態で、遊技者が演出ボタン1002dを押圧操作すると、ART状態(或いは上乗せ)に当選していた場合には、図32(b)に示すように、第1操作画像1051が消えるとともに、対戦結果として主人公キャラクタが勝利する勝利画像1055が表示され、所定時間経過後、図32(c)に示すように、「AT確定」(「或いは上乗せ確定」)の文字情報からなる第3文字画像1057が表示されて結果が報知される。
一方、ART状態(或いは上乗せ)に当選していない場合には、図32(d)に示すように、第1操作画像1051が消えるとともに、対戦結果として主人公キャラクタが敗北する敗北画像1056が表示され、所定時間経過後、図32(e)に示すように、「失敗」の文字情報からなる第4文字画像1058が表示されて結果が報知される。
次に、図33は、第1操作画像1051が表示器1008の表示領域おける補助表示器1019の近傍位置(右上)に表示された場合において、遊技者が演出ボタン1002dを操作したときに、表示器1008で行われる演出画像の表示態様を示している。
図33(a)は、図31(a)の移動表示により第1操作画像1051の表示位置が確定した後の表示を示し、第1操作画像1051は、対戦結果が確定する直前の画像とともに、表示器1008の表示領域における補助表示器1019の近傍位置(右上)の第2の表示位置に表示されている。このとき、第1操作画像1051は、対戦結果が確定する直前の画像とともに表示されて、遊技者の操作を促す表示が行われる。また、この状態では、演出ボタン1002dが有効となり、内蔵する発光源(LED)が点灯して、演出ボタン1002dが有効となっていることが報知される。
また、補助表示器1019に、対戦に追加参戦するキャラクタである味方キャラクタ画像1040が表示され、その後、対戦結果が確定する直前の画像に味方キャラクタ画像1040が追加表示される。
この状態で、遊技者が演出ボタン1002dを押圧操作すると、ART状態(或いは上乗せ)に当選していた場合には、図33(b)に示すように、第1操作画像1051が消えるとともに、対戦結果として勝利画像1055が表示され、所定時間経過後、図33(c)に示すように、補助表示器1019に「AT確定」の文字情報が表示されるととともに、表示器1008に「AT確定」(「或いは上乗せ確定」)の文字情報からなる第3文字画像1057が表示されて結果が報知されるような特定演出が実行される。
一方、ART状態(或いは上乗せ)に当選していない場合には、図33(d)に示すように、第1操作画像1051が消えるとともに、対戦結果として敗北画像1056が表示され、所定時間経過後、図33(e)に示すように、補助表示器1019に「失敗」の文字情報が表示されるととともに、表示器1008に「失敗」の文字情報からなる第4文字画像1058が表示されて結果が報知される。
このように、第1操作画像1051が表示器1008の表示領域における補助表示器1019の近傍位置に表示された場合には、補助表示器1019に味方キャラクタ画像1040が追加表示されることで、見た目上でも、第1操作画像1051が略中央に表示された場合よりも遊技者の期待感を高めることが可能となる。また、第1操作画像1051が補助表示器1019の近傍位置に表示されることと、補助表示器1019に表示された味方キャラクタ画像1040が追加表示されることに関連性を持たせることができ、単に第1操作画像1051を補助表示器1019の近傍位置に表示するよりも、遊技者に分かりやすい形で期待度の高い結果確定演出を実現することができる。
次に、図34は、第1操作画像1051が表示器1008の表示領域おける上部演出ボタン1002fの近傍位置(右下)に表示された場合において、遊技者が演出ボタン1002dを操作したときに、表示器1008で行われる演出画像の表示態様を示している。
図34(a)は、図31(a)の移動表示により第1操作画像1051の表示位置が確定した後の表示を示し、第1操作画像1051は、対戦結果が確定する直前の画像とともに、表示器1008の表示領域における上部演出ボタン1002fの近傍位置(右下)の第2の表示位置に表示されている。また、この状態では、演出ボタン1002dが発光し操作が有効となり、第1操作画像1051が表示されて、遊技者の操作を促す表示が行われる。
この状態で、遊技者が演出ボタン1002dを押圧操作すると、図34(b)に示すように、新たに上部演出ボタン1002fを模したボタン画像と、「押せ!」の文字情報からなる第2操作画像1053が、第1操作画像1051に替わって第2の表示位置に表示される。また、このとき、上部演出ボタン1002fの操作が有効となり、内蔵する発光源(LED)が点灯して上部演出ボタン1002fの操作が有効となっていることが報知される。
そして、遊技者が上部演出ボタン1002fを押圧操作すると、ART状態(或いは上乗せ)に当選していた場合には、34(c)に示すように、第2操作画像1053が消えるとともに、対戦結果として勝利画像1055が表示され、所定時間経過後、図34(d)に示すように、「AT確定」(「或いは上乗せ確定」)の文字情報からなる第3文字画像1057が表示されて結果が報知されるような特定演出が実行される。
一方、ART状態(或いは上乗せ)に当選していない場合には、図34(e)に示すように、第2操作画像1053が消えるとともに、対戦結果として敗北画像1056が表示され、所定時間経過後、図34(f)に示すように、表示器1008に「失敗」の文字情報からなる第4文字画像1058が表示されて結果が報知される。
このように、第1操作画像1051が表示器1008の表示領域における上部演出ボタン1002fの近傍位置に表示された場合には、演出ボタン1002dよりも期待度が高く設定された上部演出ボタン1002fを使用した演出に変更されるので、第1操作画像1051が略中央に表示された場合よりも遊技者の期待感を高めることが可能となる。また、第1操作画像1051が上部演出ボタン1002fの近傍位置に表示されることと、上部演出ボタン1002fを使用することに関連性を持たせることができ、上部演出ボタン1002fの操作を確実に遊技者に促すことが可能となる。
次に、図35は、第1操作画像1051が表示器1008の表示領域おける可動役物1018aの近傍位置(左上)に表示された場合において、遊技者が演出ボタン1002dを操作したときに、表示器1008で行われる演出画像の表示態様を示している。
図35(a)は、図31(a)の移動表示により第1操作画像1051の表示位置が確定した後の表示を示し、第1操作画像1051は、対戦結果が確定する直前の画像とともに、表示器1008の表示領域における可動役物1018aの近傍位置(左上)の第2の表示位置に表示されている。また、この状態では、演出ボタン1002dは発光して操作が有効となっていることが報知される。
また、可動役物1018aは、下端部に回動中心が設定されていて、電気的駆動源の作動により、上端側が表示器1008側に傾倒することで、可動役物1018aの上方部分(所定部位)が、表示器1008の表示領域の外側に位置する第1状態から、表示器1008の表示領域の前方側へ突出した第2状態に変換可能に構成されている。
この状態で、遊技者が演出ボタン1002dを押圧操作すると、ART状態(或いは上乗せ)に当選していた場合には、図35(b)に示すように、第1操作画像1051が消えるとともに可動役物1018aが第2状態に変換し、対戦結果として勝利画像1055が表示される。そして、所定時間経過後、図35(c)に示すように、「ART確定」(「或いは上乗せ確定」)の文字情報からなる第3文字画像1057が表示されて結果が報知されるような特定演出が実行される。
一方、ART状態(或いは上乗せ)に当選していない場合には、図35(d)に示すように、第1操作画像1051が消えるとともに可動役物1018aが第1状態を維持し、対戦結果として敗北画像1056が表示される。そして、所定時間経過後、図35(e)に示すように、「失敗」の文字情報からなる第4文字画像1058が表示されて結果が報知される。
このように、第1操作画像1051が表示器1008の表示領域における可動役物1018aの近傍位置に表示された場合には、可動役物1018aの動作とともに結果の報知が行われるので、第1操作画像1051が略中央に表示された場合よりもインパクトのある報知が可能となる。また、第1操作画像1051が可動役物1018aの近傍位置に表示されることと、可動役物1018aが動作することに関連性を持たせることができ、単に第1操作画像1051を可動役物1018aの近傍位置に表示するよりも、興趣性が高く期待度の高い結果確定演出を実現することができる。
次に、図36を参照して、第1操作画像1051と、第1操作画像1051よりも期待度の高い拡大第1操作画像1051aとの関係を説明する。
図36(a)は、表示器1008の表示領域の略中央において、第1操作画像1051を拡大第1操作画像1051aに拡大する場合を示し、この場合には、第1操作画像1051の中心、或いは縦方向の中心線上に設定された拡大基準点1051cを基準にして拡大第1操作画像1051aが拡大表示される。
一方、図36(b)に示すように、例えば、表示器1008の表示領域の可動役物1018aの近傍位置(左上)において、第1操作画像1051を拡大第1操作画像1051aに拡大する場合には、第1操作画像1051において拡大基準点1051cよりも可動役物1018a側(左側)に移動した拡大基準点1051dを基準にして拡大第1操作画像1051aが拡大表示される。すなわち、可動役物1018aの近傍位置(左上)に拡大第1操作画像1051aを表示する際には、表示領域の略中央に拡大第1操作画像1051aを表示する際の拡大基準点1051cとは位置の異なる、第1操作画像1051の中心よりも側方に移動した拡大基準点1051dを基準にして拡大するのである。
このようにすることで、表示器1008の表示領域の可動役物1018aの近傍位置において拡大第1操作画像1051aを表示する際に、拡大第1操作画像1051aが表示領域外にはみ出すことなく表示することが可能となる。
なお、拡大第1操作画像1051aを、補助表示器1019或いは上部演出ボタン1002fの近傍位置に表示する場合にも、拡大基準点を補助表示器1019或いは上部演出ボタン1002f側に近い位置に設定して拡大表示が行われる。
なお、拡大第1操作画像1051aを補助表示器1019の近傍位置に表示する場合には、補助表示器1019でも拡大第1操作画像1051aの一部は表示可能であるので、補助表示器1019に近い位置に設定された拡大基準点を基準に拡大第1操作画像1051aの拡大表示を行い、表示器1008及び補助表示器1019に跨るように拡大第1操作画像1051aを表示するようにしてもよい。また、一旦、拡大第1操作画像1051aを表示器1008の略中央に表示した後、拡大基準点を補助表示器1019に近い位置に移動させることで、拡大第1操作画像1051a全体、或いは拡大第1操作画像1051aの主要部が、表示器1008側から補助表示器1019側に移動するようにしてもよい。
以上のように第2実施形態の第1変形例では、操作画像制御手段としての主制御部1010及び副制御部1020は、結果確定演出の実行中に、操作手段としての演出ボタン1002dの操作を促す操作画像として、第1操作画像1051を表示手段としての表示器1008に表示するとともに、演出ボタン1002dの操作に基づき、特典の付与に関連した所定情報として、勝利画像1055或いは敗北画像1056を表示可能としている。また、表示位置制御手段としての主制御部1010及び副制御部1020は、主制御部1010による抽選結果に基づき、表示器1008の表示領域において第1操作画像1051の表示位置を制御可能としている。
したがって、表示器1008の表示領域における第1操作画像1051が表示される表示位置に応じて、特典の付与に対する期待度が変化することとなり、興趣を向上させることが可能となるのである。
また、表示位置制御手段としての主制御部1010及び副制御部1020は、第1操作画像1051を、第1の表示位置と、第1の表示位置よりも補助装置に近い位置である第2の表示位置とに表示可能とし、抽選手段としての主制御部1010による抽選結果が、特典を付与するものである場合には、特典を付与するものでない場合よりも、第1操作画像1051を高い確率で第2の表示位置に表示する構成としている。
したがって、補助装置と関連した演出が実行可能となり、興趣を向上させることができる。また、第1操作画像1051が第2の表示位置に表示された場合には、遊技者の期待感をより高めることが可能となる。
<第2実施形態の第2変形例>
次に、第2実施形態の第2変形例について、図37を参照して説明する。
第2実施形態の第2変形例においては、第2実施形態の第1変形例における結果確定演出において、第1操作画像1051の表示位置が事前に決定されている表示位置に表示される前に、一旦、第1操作画像1051を表示器1008の表示領域の略中央の第1の表示位置に表示した後、移動させる変更演出を実行可能としている。
まず、図37(a)に示すように、結果確定演出の開始時に、第1操作画像1051が表示器1008の表示領域の略中央に表示される。このときに、演出ボタン1002dの押圧操作状態を所定時間維持する、所謂長押し操作を促す「長押し!」の文字情報が表示器1008の表示領域に表示される。
この状態で、遊技者が長押し操作を開始すると、表示領域の略中央に表示された第1操作画像1051が、例えば、図37(b)に示すように、可動役物1018aの近傍位置に移動を開始する。そして、事前に決定されている第1操作画像1051の表示位置が、可動役物1018aの近傍位置であった場合には、遊技者の長押し操作が所定時間(例えば、5秒)経過すると、図37(c)に示すように、第1操作画像1051が可動役物1018aの近傍位置に到達して、以降図35での説明と同様の演出が実行される。
一方、事前に決定されている第1操作画像1051の表示位置が、表示領域の略中央であった場合には、遊技者の長押し操作が所定時間(例えば、5秒)経過しても、第1操作画像1051が可動役物1018aの近傍位置に到達せずに、図37(e)に示すように、第1操作画像1051が表示領域の略中央に戻るフェイク演出を実行し、以降図32での説明と同様の演出が実行される。
以上のように第2実施形態の第2変形例においては、表示位置制御手段としての主制御部1010及び副制御部1020は、第1の表示位置に表示された操作画像として第1操作画像1051を、第2の表示位置に変更可能な変更演出を行う構成としている。
したがって、第1の表示位置に第1操作画像1051が表示された場合でも、第1操作画像1051が第2の表示位置に変更する場合もあるので、第1操作画像1051が期待度の低い表示位置に表示された場合でも、遊技者の期待感が低下してしまうことを防止できる。
なお、事前決定された第1操作画像1051の表示位置が、補助表示器1019、或いは上部演出ボタン1002fの近傍位置であった場合でも、同様の変更演出を実行可能としている。また、事前決定された第1操作画像1051の表示位置が、表示領域の略中央であった場合の所定の確率で、補助装置の何れかの1つの方向に移動するフェイク演出が行われるが、フェイク演出の発生確率は、期待度の高い補助装置側に移動するものほど、低い発生確率に設定することが好ましい。
また、事前決定された第1操作画像1051の表示位置が補助装置の何れかの1つの近傍であった場合に、ART状態(或いは上乗せ)に当選している場合には比較的高い確率で、或いは当選していない場合には比較的低い確率で変更演出の実行を決定することで、第1操作画像1051の表示位置が、変更演出を経て決定された場合には、変更演出を経ないで決定された場合よりも、ART状態(或いは上乗せ)の当選に対する期待度が高くなるように設定することが好ましい。
<第2実施形態の第3変形例>
次に、第2実施形態の第3変形例について、図38を参照して説明する。
第2実施形態の第3変形例では、演出ボタン1002dを使用した演出が前述した第2実施形態の第1変形例と異なっている。また、前述した第2実施形態の第1変形例では、演出ボタン1002dを使用した演出は、結果確定演出以降に実行されているが、第3変形例では、前兆演出(或いは上乗せ演出)の最終ゲームの開始から実行される。したがって、第3変形例では、前兆演出の最終ゲームの開始時点で、対戦結果が確定する直前の画像が表示されている。
図38に示すように、前兆演出の最終ゲームが開始されると、対戦結果が確定する直前の画像とともに、第1操作画像1051の表示位置が事前に決定されている表示位置に関わらず、表示器1008の表示領域の略中央の第1の表示位置に表示される。また、表示器1008の表示領域には「押してみるか?」の文字情報が表示される。
そして、第1操作画像1051が表示領域の略中央に表示された時点で、演出ボタン1002dの操作は有効となり、この時点で遊技者が演出ボタン1002dを押圧操作すれば、事前決定された第1操作画像1051の表示位置に対応した演出が実行される。例えば、第1操作画像1051の表示位置が可動役物1018aの近傍位置に事前決定されていた場合には、前述した図35と同様の可動役物1018aの動作を伴う最も期待度の高い演出(特定演出)が実行されることとなる。
すなわち、この時点では、事前決定された第1操作画像1051の表示位置が、全ての表示位置の可能性を有していて、この全ての表示位置の可能性のある時点で演出ボタン1002dの操作が行えるので、たとえ第1操作画像1051の表示位置が最終的に期待度の低いものであっても、期待度の高い表示位置を期待して演出ボタン1002dの押圧操作を可能としている。
次に、遊技者が、演出ボタン1002dの押圧操作を行わずに、リール1041a〜1041cのうちの何れか1つのリールを停止すると、事前決定された第1操作画像1051の表示位置が、表示領域の略中央以外であった場合には、図38(b)に示すように、第1操作画像1051の表示位置が、表示領域の略中央から補助表示器1019の近傍位置である第2の表示位置に移動する。また、表示器1008の表示領域には「まだ押さないのか?」の文字情報が表示される。この時点で遊技者が演出ボタン1002dを押圧操作すれば、事前決定された第1操作画像1051の表示位置が表示領域の略中央以外の表示位置に対応した演出(特定演出)が実行される。一方、この時点で、第1操作画像1051が移動しなければ、第1操作画像1051の表示位置が、表示領域の略中央で確定し、最も期待度の低い状態で演出ボタン1002dの押圧操作を行うこととなる。
すなわち、リール1041a〜1041cのうちの何れか1つのリールを停止時点で、第1操作画像1051が補助表示器1019の近傍位置に移動した場合には、1番目のリールを停止する前に比べて期待度の高い状態で、演出ボタン1002dの操作が可能となるが、第1操作画像1051が移動しなかった場合には、第1操作画像1051の表示位置が表示領域の略中央に確定するので、1番目のリールを停止する前に比べて他の補助装置側に第1操作画像1051が移動する可能性がなくなった状態で演出ボタン1002dを操作しなければならなくなる。
次に、遊技者が、演出ボタン1002dの押圧操作を行わずに、リール1041a〜1041cのうちの2番目のリールを停止すると、事前決定された第1操作画像1051の表示位置が、補助表示器1019の近傍位置以外であった場合には、図38(c)に示すように、第1操作画像1051の表示位置が、補助表示器1019の近傍位置から上部演出ボタン1002fの近傍位置である第2の表示位置に移動する。また、表示器1008の表示領域には「そろそろ押してみるか?」の文字情報が表示される。この時点で遊技者が演出ボタン1002dを押圧操作すれば、事前決定された第1操作画像1051の表示位置が上部演出ボタン1002fの近傍位置、及び可動役物1018aの近傍位置の何れかに対応した演出(特定演出)が実行される。一方、この時点で、第1操作画像1051が移動しなければ、第1操作画像1051の表示位置が、補助表示器1019の近傍位置で確定し、上部演出ボタン1002fの近傍位置、及び可動役物1018aの近傍位置よりも期待度の低い状態で演出ボタン1002dの押圧操作を行うこととなる。
すなわち、リール1041a〜1041cのうちの2番目のリールを停止時点で、第1操作画像1051が上部演出ボタン1002fの近傍位置に移動した場合には、2番目のリールを停止する前に比べて期待度の高い状態で、演出ボタン1002dの操作が可能となるが、第1操作画像1051が移動しなかった場合には、第1操作画像1051の表示位置が補助表示器1019の近傍位置に確定するので、2番目のリールを停止する前に比べてより期待度の高い補助装置側に第1操作画像1051が移動する可能性がなくなった状態で演出ボタン1002dを操作しなければならなくなる。
次に、遊技者が、演出ボタン1002dの押圧操作を行わずに、リール1041a〜1041cのうちの最後のリールを停止すると、事前決定された第1操作画像1051の表示位置が、可動役物1018aの近傍位置であった場合には、図38(d)に示すように、第1操作画像1051の表示位置が、上部演出ボタン1002fの近傍位置にから可動役物1018aの近傍位置である第2の表示位置に移動する。また、表示器1008の表示領域には「押せ!」の文字情報が表示される。この時点で遊技者が演出ボタン1002dを押圧操作すれば、第1操作画像1051の表示位置が可動役物1018aの近傍位置に対応した演出(特定演出)が確定して実行される。一方、この時点で、第1操作画像1051が移動しなければ、第1操作画像1051の表示位置が、上部演出ボタン1002fの近傍位置で確定し、可動役物1018aの近傍位置よりも期待度の低い状態で演出ボタン1002dの押圧操作を行うこととなる。
すなわち、リール1041a〜1041cのうちの最後のリールを停止時点で、第1操作画像1051が可動役物1018aの近傍位置に移動した場合には、最後のリールを停止する前に比べて期待度の高い状態で、演出ボタン1002dの操作が可能となるが、第1操作画像1051が移動しなかった場合には、第1操作画像1051の表示位置が上部演出ボタン1002fの近傍位置に確定するので、最後のリールを停止する前に比べて最も期待度の高い可動役物1018a側に第1操作画像1051が移動する可能性がなくなった状態で演出ボタン1002dを操作しなければならなくなる。
以上のように第2実施形態の第3変形例においては、操作画像制御手段としての主制御部1010及び副制御部1020は、操作画像としての第1操作画像1051が第2の表示位置に表示されている場合に、操作手段としての演出ボタン1002dの操作に基づき、補助装置と関連した特定の演出表示(特定演出)を実行可能とし、表示位置制御手段としての主制御部1010及び副制御部1020が、第1操作画像1051を事前に第2の表示位置に変更を決定している場合には、第1操作画像1051が第2の表示位置に変更される前であっても、演出ボタン1002dの操作に基づき、特定の演出表示(特定演出)を実行する構成としている。
したがって、第1操作画像1051が期待度の高い表示位置に移動可能として、その移動途中の任意の位置で遊技者による演出ボタン1002dの押圧操作を可能としているので、第1操作画像1051が期待度の高い表示位置に移動する可能性を秘めている時点で、演出ボタン1002dの押圧操作を行うか、或いは、期待度の低い表示位置に確定してしまう虞はあるが、演出ボタン1002dの押圧操作をせずに、比較的期待度の高い表示位置が確定してから安心して演出ボタン1002dの押圧操作を行うか、等を遊技者が選択でき、遊技者の好みに応じて演出を実行することが可能となるのである。
なお、第3変形例で示した演出を、前兆演出の最終ゲームの全てで実行してもよいし、所定の確率で実行するようにしてもよい。また、所定の確率で実行する場合には、ART状態(或いは上乗せ)に当選している場合には、当選していない場合よりも高い確率で実行するようにしてもよい。
<第2実施形態の第4変形例>
次に、第2実施形態の第4変形例について、図39を参照して説明する。
前述した第2実施形態の第1変形例においては、表示器1008の周囲に、上部演出ボタン1002f、補助表示器1019、可動役物1018aを配設していたが、第4変形例においては、図39に示すように、補助表示器1019を備えずに、表示器1008の右上に可動役物1018aを配設している。
第4変形例においても、前述の図34での説明同様、上部演出ボタン1002fの操作を伴う演出が行われる場合には、第1操作画像1051が上部演出ボタン1002fの近傍位置である第2の表示位置に表示されることとなる。
そして、演出ボタン1002dが操作されると、図39(a)に示すように、第1操作画像1051が消去し、替わりに第2操作画像1053が表示されて、上部演出ボタン1002fの操作を促す報知が行われる。
その後、上部演出ボタン1002fの操作が行われると、ART状態(或いは上乗せ)に当選している場合には、図39(b)に示すように、上部演出ボタン1002fの上方に配設される可動役物1018aが第2状態に変換して、可動役物1018aの所定部が第2操作画像1053に重なる位置まで移動することとなる。
また、図39(c)に示すように、可動役物1018aの第2状態への変換に応じて、表示器1008においては、第2操作画像1053が消去し、替わりに勝利画像1055が表示される。
そして、所定時間経過後に、図39(d)に示すように、「ART確定」(「或いは上乗せ確定」)の文字情報からなる第3文字画像1057が表示されて結果が報知される。
一方、ART状態(或いは上乗せ)に当選していない場合には、図34での説明同様、上部演出ボタン1002fの操作が行われると、第2操作画像1053が消えるとともに可動役物1018aが第1状態を維持し、対戦結果として敗北画像1056が表示される。
そして、所定時間経過後、「失敗」の文字情報からなる第4文字画像1058が表示されて結果が報知される。
以上のように第2実施形態の第4変形例においては、表示器1008の周辺に、上部演出ボタン1002f及び可動役物1018aが近傍位置となるように配設し、操作画像制御手段としての主制御部1010及び副制御部1020は、操作画像としての第2操作画像1053を、表示器1008における、上部演出ボタン1002f及び可動役物1018aの近傍位置に表示可能とし、操作手段としての上部演出ボタン1002fの操作に基づき、可動役物1018aの第2状態への変換とともに、特典の付与に関する報知を行うのである。
したがって、可動役物1018aの第2状態への変換とともに、特典が付与されることが報知されるので、より斬新な態様で特典の付与が報知され、遊技の興趣をより高めることが可能となる。
また、上部演出ボタン1002fと可動役物1018aが近傍位置に配設されているので、操作する遊技者の手の近くで可動役物1018aの動作が行われることとなり、よりインパクトのある報知態様を実現することができる。
以上、第2実施形態の第1変形例〜第4変形例に係るスロットマシン1001において、以下のような特徴を有している。
複数の情報を表示可能な表示手段(表示器1008)を備え、遊技者にとって有利な特典(ART状態)の付与に関連した演出を表示手段に表示するようにした遊技機(スロットマシン1001)において、特典を付与するか否かを抽選する抽選手段(主制御部1010)と、抽選手段による抽選結果に基づき、演出を制御可能な演出制御手段(主制御部1010及び副制御部1020)と、遊技者が操作可能な操作手段(演出ボタン1002d)と、表示手段の周辺に配置される、演出を補助可能な補助装置(上部演出ボタン1002f)と、を備え、補助装置は、遊技者が操作可能であり操作手段とは別個に設けられる特定操作手段(上部演出ボタン1002f)であり、演出制御手段は、演出の実行中に、操作手段の操作を促す操作画像(第1操作画像1051)を表示するとともに、操作手段の操作に基づき、特典の付与に関連した所定情報(例えば、勝利画像1055)を表示可能な操作画像制御手段(主制御部1010及び副制御部1020)を備え、操作画像制御手段は、抽選手段による抽選結果に基づき、表示手段の表示領域において操作画像の表示位置を制御可能な表示位置制御手段(主制御部1010及び副制御部1020)を備え、表示位置制御手段は、操作画像を、第1の表示位置と、第1の表示位置よりも補助装置に近い位置である第2の表示位置とに表示可能とし、抽選手段による抽選結果が、特典を付与するものである場合には、特典を付与するものでない場合よりも、操作画像を高い確率で第2の表示位置に表示することを特徴とするのである。
したがって、表示器1008の表示領域において操作画像が表示される表示態様に応じて、特典の付与に対する期待度が変化することとなり、興趣を向上させることが可能となる。
また、補助装置と関連した演出が実行可能となり、興趣を向上させることができる。また、特典の付与に対する期待度をより変化性に富んだものにすることができ、遊技者の期待感を高めることが可能となる。
また、操作画像が第1の表示位置よりも特定操作手段に近くなる第2の表示位置に、操作画像を表示するので、操作画像の表示位置と特定操作手段との関連性を高めることができ、特定操作手段の操作を促す報知を確実に行うことが可能となるし、遊技者の期待感を高めることが可能となる。
また、表示位置制御手段(主制御部1010及び副制御部1020)は、第1の表示位置に表示された操作画像を、第2の表示位置に変更可能な変更演出を行い、操作画像制御手段(主制御部1010及び副制御部1020)は、操作画像が第2の表示位置に表示されている場合に、操作手段の操作に基づき、補助装置と関連した特定演出を実行可能とし、表示位置制御手段が、操作画像を事前に第2の表示位置に変更を決定している場合には、操作画像が第2の表示位置に変更される前であっても、操作手段の操作に基づき、特定演出を実行することを特徴とするのである。
したがって、操作画像が第2の表示位置に変更される前の、第2の表示位置に変更される可能性のある時点で、変更されることを期待して操作手段を操作してもよいし、或いは、操作画像が第2の表示位置に変更後に、安心して操作手段を操作してもよく、遊技者の好みに応じた時期に操作手段の操作を行うことが可能となり、興趣を高めることが可能となる。
また、補助装置は、非作動状態と、所定部位が表示手段の表示領域の前方の位置となる作動状態と、に変換可能な可動役物(1018a)を含み、操作画像は、操作手段(演出ボタン1002d)の操作を促す第1操作画像(1051)と、特定操作手段(上部演出ボタン1002f)の操作を促す第2操作画像(1053)とを含み、操作画像制御手段(主制御部1010及び副制御部1020)は、特定操作手段の操作に基づいて、可動役物の変換に応じて、特典の付与に関連した所定情報を表示することを特徴とするのである。
したがって、表示手段と可動役物とにより演出の興趣をより向上させることができる。また、特定操作手段の操作により可動役物を作動状態に変換するので、操作画像の表示位置と可動役物との関連性を高めることができ、より興趣の高い演出が可能となるし、遊技者の期待感を高めることが可能となる。
以上のように、第2実施形態のスロットマシン1001が実現される。
1 スロットマシン
2 メダル投入口
2a ベットボタン
3 スタートレバー
5 停止ボタン
8 表示器
9 スピーカ
10 主制御部
11 ランプ
20 副制御部
41 リール

Claims (1)

  1. 遊技者にとって有利な特典を付与するか否かを判定可能な判定手段と、
    遊技者が操作可能な操作手段と、
    前記操作手段への操作を促す操作画像を表示可能な表示手段と、
    前記操作手段とは異なる位置に備えられる、遊技者が操作可能な所定操作手段と、
    を備え、
    前記表示手段は、
    第1表示位置で操作画像を表示可能であり、
    前記第1表示位置よりも前記操作手段に近い位置である第2表示位置で操作画像を表示可能であり、
    前記所定操作手段の操作を促す特定情報を表示可能であり、
    前記特定情報は、
    遊技者により前記所定操作手段が操作されない場合に表示内容が変化する情報である
    ことを特徴とする遊技機。
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